JPH0891097A - 自動車のインストルメントパネルにおける樹脂成形部品の取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、樹脂成形部品の表面にヒケが発生
するのを防止できるとともに樹脂成形部品の取り外しを
容易に行うことができるようにしたことにある。 【構成】 本発明は、インストルメントパネル１に装着
される樹脂成形部品５の裏面に取付脚部６を設け、この
取付脚部６のプレート部１０にクリップ用穴１１を形成
し、このクリップ用穴１１に係合させてクリップ１２を
上記プレート部１０に装着するとともに、上記インスト
ルメントパネル１に設けられた樹脂成形部品５の組み付
け穴７に、クリップ１２を組み付けて樹脂成形部品５を
装着するインストルメントパネルにおける樹脂成形部品
の取付構造において、上記取付脚部６のプレート部１０
に対向するフランジ部８に切り欠き部１４を形成すると
ともに該切り欠き部１４の切り欠き幅に対応させて上記
取付脚部６を短縮させて成形したことにある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、取り外しを容易にし、
かつ表面のヒケの発生を防止し得る自動車のインストル
メントパネルにおける樹脂成形部品の取付構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、図８に示すように、自動車のイン
ストルメントパネル１００にはスピードメーター等のメ
ーター個所にメータークラスターフード１０１、空調用
吹き出し口等の個所にガーニッシュ１０２、インストル
メントパネル１００の左右上面個所にインストルメント
パネルメインサイドカバー１０３等の樹脂成形部品が装
着されている。これらの樹脂成形部品は、通常、クリッ
プとネジによってインストルメントパネル１００に取り
付けられている。

【０００３】図９および図１０は、空調用吹き出し口等
の個所に装着されるガーニッシュ１０２を示したもの
で、ガーニッシュ１０２は裏面側周囲にフランジ部１０
４が設けられており、このフランジ部１０４の内側にク
リップを装着する取付脚部１０５が設けられている。上
記取付脚部１０５は、互いに一定間隔で対向する一対の
リブ１０６相互間にプレート１０７を設けたもので、こ
のプレート１０７に、図１１に示すように、クリップ１
０８を装着したものである。プレート１０７には、途中
にクリップ用穴１０９が形成されており、このクリップ
用穴１０９にクリップ１０８の爪部１１０を引っかける
ようにしている。

【０００４】ガーニッシュ１０２は取付脚部１０５をイ
ンストルメントパネル１００の空調用吹き出し口等の個
所に設けられた組み付け穴に差し込んで仮止めし、ネジ
を締め付けて固定するものである。また、ガーニッシュ
１０２は取り外しの為に表面にスリット１１１が設けら
れており、このスリット１１１からドライバー等を内部
に差し込んで、インストルメントパネル１００の組み付
け穴からクリップ１０８を外せるようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記樹
脂成形部品の取付構造によると、ガーニッシュ１０２等
をインストルメントパネル１００から外す場合、取付脚
部１０５とスリット１１１が離れているため、ドライバ
ー等の工具が使いにくく、力がうまく掛からないことが
ある。また、取付脚部１０５のクリップ用穴１０９は、
スライド型で成形するため、フランジ部１０４の先端よ
りクリップ用穴１０９の位置が最低ａ＝５ｍｍは出てい
ないとまずいため、取付脚部１０５の全長が長くなり、
ガーニッシュ１０２等の樹脂成形部品の表面にヒケが発
生することになっていた。このことから、インストルメ
ントパネル１００の設計自由度が制限されていた。

【０００６】本発明は、上記課題を解決し、樹脂成形部
品の表面にヒケが発生するのを防止できるとともに樹脂
成形部品の取り外しを容易に行うことができる自動車の
インストルメントパネルにおける樹脂成形部品の取付構
造を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、インストルメントパネルに装着される樹脂成
形部品の裏面に取付脚部を設け、この取付脚部のプレー
ト部にクリップ用穴を形成し、このクリップ用穴に係合
させてクリップを上記プレート部に装着するとともに、
上記インストルメントパネルに設けられた樹脂成形部品
の組み付け穴に、クリップを組み付けて樹脂成形部品を
装着するインストルメントパネルにおける樹脂成形部品
の取付構造において、上記取付脚部のプレート部に対向
するフランジ部に切り欠き部を形成するとともに該切り
欠き部の切り欠き幅に対応させて上記取付脚部を短縮さ
せて成形したことにある。

【０００８】

【作用】樹脂成形部品をインストルメントパネルに組み
付ける際、インストルメントパネルの組み付け穴に樹脂
成形部品の取付脚部を差し込む。取付脚部にはクリップ
が装着されていることから、クリップが組み付け穴に係
合して樹脂成形部品が組み付けられる。樹脂成形部品の
取り外しに際しては、切り欠き部から工具を差し込んで
取付脚部を組み付け穴から外す。樹脂成形部品には取付
脚部のプレート部に対向するフランジ部に切り欠き部を
形成するとともに該切り欠き部の切り欠き幅に対応させ
て上記取付脚部を短縮させて成形したことから、取付脚
部の全長を短くできるので、樹脂成形部品の表面にヒケ
が出にくくなる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照しなが
ら詳細に説明する。

【００１０】図１は、自動車のインストルメントパネル
１を示したもので、このインストルメントパネル１には
スピードメーター等のメーター個所にメータークラスタ
ーフード２、空調用吹き出し口等の個所にガーニッシュ
３、インストルメントパネル１の左右上面個所にインス
トルメントパネルメインサイドカバー４等の樹脂成形部
品５がそれぞれ装着されている。これらの樹脂成形部品
５は、裏面に設けられた取付脚部６に後述するクリップ
を装着し、このクリップをインストルメントパネル１に
設けられた組み付け穴７に係合してインストルメントパ
ネル１に組み付けられている。

【００１１】図２ないし図５は、樹脂成形部品５の中の
上記空調用吹き出し口等の個所に装着されるガーニッシ
ュ３を示したもので、このガーニッシュ３は裏面周囲に
フランジ部８が設けられており、フランジ部８の内側に
取付脚部６が設けられている。取付脚部６は、一対のリ
ブ９相互間に設けられたプレート１０にクリップ用穴１
１が設けられている。１２はクリップ用穴１１に爪部１
３を係合させてプレート１０に取り付けられたクリップ
であり、このクリップ１２をインストルメントパネル１
側の組み付け穴７に係合してガーニッシュ３を組み付け
るものである。一方、このクリップ用穴１１に対向する
上記フランジ部８に切り欠き部１４が形成されている。
この切り欠き部１４の端面から所定距離ａを置いて上記
クリップ用穴１１が形成されるので、切り欠き部幅ｍだ
けプレート１０を短縮してある。ガーニッシュ３の下部
側にはネジ穴１５が形成されており、このネジ穴１５か
らネジ１６を通してインストルメントパネル１に螺合し
てガーニッシュ３を留めている。

【００１２】上記構成によると、ガーニッシュ３をイン
ストルメントパネル１の空調用吹き出し口等の個所から
外す場合、切り欠き部１４からドライバー等の工具を挿
入し、取付脚部６のクリップ１２をインストルメントパ
ネル１に設けられた組み付け穴７から外す。切り欠き部
１４は取付脚部６の近くに設けられているので、工具の
操作がしやすい。また、ガーニッシュ３のフランジ部８
に切り欠き部１４を設けたので、切り欠き部１４の端面
から所定距離ａ確保すればいいので、取付脚部６のの長
さを短縮することができる。よって、ガーニッシュ３表
面に成形時に生じるヒケの発生を最小限に制限すること
ができる。

【００１３】また、図６および図７は、スピードメータ
ー等のメーター個所に装着されるメータークラスターフ
ード２を示したもので、この場合、裏面の下部側に短縮
した取付脚部１７が設けられており、この取付脚部１７
の近くのフランジ部１８の一部に切り欠き部１９が形成
されている。上部側フランジ部１８の近傍にはネジ２０
を通すネジ穴２１が形成されている。

【００１４】この実施例の場合も切り欠き部１９によっ
て、取付脚部１７の全長を短縮できることから、表面に
発生するヒケを防止することができる。なお、インスト
ルメントパネルメインサイドカバー４等の樹脂成形部品
５においても同様である。

【００１５】

【発明の効果】以上述べたように、本発明による自動車
のインストルメントパネルにおける樹脂成形部品の取付
構造によれば、以下のような効果を奏する。

【００１６】インストルメントパネルに装着される樹脂
成形部品の裏面に取付脚部を設け、この取付脚部のプレ
ート部にクリップ用穴を形成し、このクリップ用穴に係
合させてクリップを上記プレート部に装着するととも
に、上記インストルメントパネルに設けられた樹脂成形
部品の組み付け穴に、クリップを組み付けて樹脂成形部
品を装着するインストルメントパネルにおける樹脂成形
部品の取付構造において、上記取付脚部のプレート部に
対向するフランジ部に切り欠き部を形成するとともに該
切り欠き部の切り欠き幅に対応させて上記取付脚部を短
縮させて成形したので、取付脚部の全長を短縮できるこ
とから、表面に発生するヒケを最小限に制限することが
でる。また、切り欠き部を通して取付脚部の取り外しを
容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による自動車のインストルメ
ントパネルにおける樹脂成形部品の取付構造を示す分解
斜視図である。

【図２】図１のガーニッシュを示す正面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】図１の樹脂成形部品の取付脚部を示す拡大斜視
図である。

【図５】図４のＡ−Ａ線断面図である。

【図６】図１のメータークラスターフードを示す正面図
である。

【図７】図７のＡ−Ａ線断面図である。

【図８】インストルメントパネルを示す斜視図である。

【図９】従来のインストルメントパネルにおける樹脂成
形部品の取付構造を示すガーニッシュの斜視図である。

【図１０】図９のＸ方向矢視拡大図である。

【図１１】図９のＡ−Ａ線断面図である。

【符号の説明】

１ インストルメントパネル ２ メータークラスターフード（樹脂成形部品） ３ ガーニッシュ（樹脂成形部品） ４ インストルメントパネルメインサイドカバー（樹
脂成形部品） ５ 樹脂成形部品 ６ 取付脚部 ７ 組み付け穴 ８ フランジ部 ９ リブ １０ プレート １１ クリップ用穴 １２ クリップ １３ 爪部 １４ 切り欠き部 １５ ネジ穴 １６ ネジ １７ 取付脚部 １８ フランジ部 １９ 切り欠き部 ２０ ネジ ２１ ネジ穴

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インストルメントパネルに装着される樹
   脂成形部品の裏面に取付脚部を設け、この取付脚部のプ
   レート部にクリップ用穴を形成し、このクリップ用穴に
   係合させてクリップを上記プレート部に装着するととも
   に、上記インストルメントパネルに設けられた樹脂成形
   部品の組み付け穴に、クリップを組み付けて樹脂成形部
   品を装着するインストルメントパネルにおける樹脂成形
   部品の取付構造において、上記取付脚部のプレート部に
   対向するフランジ部に切り欠き部を形成するとともに該
   切り欠き部の切り欠き幅に対応させて上記取付脚部を短
   縮させて成形したことを特徴とする自動車のインストル
   メントパネルにおける樹脂成形部品の取付構造。