JPH0888537A - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

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JPH0888537A
JPH0888537A JP22135094A JP22135094A JPH0888537A JP H0888537 A JPH0888537 A JP H0888537A JP 22135094 A JP22135094 A JP 22135094A JP 22135094 A JP22135094 A JP 22135094A JP H0888537 A JPH0888537 A JP H0888537A
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acoustic wave
surface acoustic
substrate
oscillator
wave device
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JP22135094A
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Haruto Ide
治人 井手
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベース基板と弾性表面波素子との熱膨張差に
よる弾性表面波素子への悪影響をなくし、特性が安定で
かつ小型化が可能な弾性表面波装置を提供する。 【構成】 一方主面と他方主面とに亘る一対の引出電極
8、8を有し、かつ弾性表面波素子6の収容容器の一方
部材を成すセラミック基板5の一方主面上に、上記一対
の引出電極8、8と電気的に接続される弾性表面波素子
6を接着剤10を介して固定するとともに、収容容器の他
方部材を成す蓋体7をセラミック基板5に熱溶融もしく
は熱硬化型の封止材で接着させた弾性表面波装置4にお
いて、弾性表面波素子6はその一端部のみがセラミック
基板5に接着固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は弾性表面波装置の弾性表
面波素子の固定構造に関し、素子特性の安定な固定構造
を有する弾性表面波装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波装置、例えば弾性表面波共振
子は、弾性表面波振動子の基本波による直接発振が得ら
れ、かつ高いQ値が得られるうえ、共振周波数を圧電基
板表面に形成する電極の設計によって決められる、とい
う特徴がある。その共振周波数は、圧電基板材料固有の
弾性表面波の音速を圧電基板表面に形成する櫛形励振電
極のピッチで割った値とほぼ同じになる。
【0003】このような性質上、弾性表面波共振子は、
VHF〜UHF帯の高周波領域で動作可能な共振器を小
型軽量化するのに適しており、この周波数帯を利用する
テレビのRFモジュレータや各種の無線電話・通信機器
などに応用されている。また最近では、ドアやシャッタ
ーのキーレスエントリーシステムなどのリモコン用共振
子などにも用途が広がっている。
【0004】また、同じく弾性表面波装置である弾性表
面波フィルタも、上記周波数帯の中間周波フィルタとし
て広く用いられている。
【0005】これらの弾性表面波装置において、基板に
弾性表面波素子を接合固定する構造は、表面実装用電子
部品としてこれまで種々のものが提案されている。弾性
表面波共振子を例にとると、従来の共振子において弾性
表面波振動子を密封ケース(収容容器)を兼ねる基板に
固定する構造として、振動子の下面と基板のステムとの
間をシリコンゴムを介して固定するものがあった。振動
子の固定にシリコンゴムを用いる理由は、使用温度が変
化して振動子とステムのハーメチックシール等との間に
熱膨張の差が生じても、シリコンゴムの弾性によりその
差を吸収して振動子に熱応力を発生させることがなく、
共振子の特性変動を小さくできるからである。
【0006】しかし、これは共振子の気密封止にハーメ
チックシールを用いる場合に適用できる技術であって、
収容容器の他方部材となる蓋体を基板に熱溶融ガラスあ
るいは熱硬化型樹脂で封止する場合には適用できなかっ
た。例えば、ガラス封止に際しては共振子が400℃前
後の温度に曝されるため、耐熱性の低いシリコンゴムを
使用することができなかった。
【0007】そこで、振動子を耐熱性の樹脂系接着剤な
どによって基板に固定する構造もいくつか提案されてい
る。そのような数例を図6(a)〜(c)に断面図で示
す。なお、図6では振動子と基板との固定状態のみを示
している。
【0008】図6(a)は、例えば実開平5−8512
1号に開示されている例であり、弾性表面波振動子1が
その下面全体を基板2との固定面として、基板2との固
定面全体にわたって接着剤3によって固定されている。
この場合には、使用温度の変化などによって基板2が歪
んだり基板2と振動子1との間に熱応力が生じたりし
て、振動子1の特性変動が大きくなるという問題点があ
った。
【0009】これに対して図6(b)は、例えば実開平
3−27610号や実開平6−6169号に開示されて
いる例であり、弾性表面波振動子1の下面の両端部が、
接着剤3、3によって基板2に固定されている。また、
図6(c)は実開平6−7319号に開示されている例
であり、弾性表面波振動子1の下面の中央部が接着剤3
によって基板2に固定されている。
【0010】これらによれば、上記のような基板2の歪
みや基板2と振動子1との間の熱応力の影響を防ぐこと
ができ、それらに起因した振動子1の反りによる周波数
の変化などの特性変化を防止することができる、という
ものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このような図6(a)
〜(c)の各構造の基板に蓋体をガラス封止して弾性表
面波共振子を作製するに当たって、接着剤3として現在
使用できるものは、耐熱性の優れたポリイミド樹脂系の
接着剤である。ところが、ポリイミド樹脂系の接着剤に
は熱硬化後の弾性がほとんど見られないため、振動子1
に歪みや応力が発生しやすく、従って振動子の共振特性
の変化などの特性ばらつきが大きくなり、温度特性も悪
いものになりやすいという問題点があった。
【0012】また、図6(b)あるいは(c)の構造に
よっても、接着剤3の硬度が高いため振動子1と基板2
との熱膨張差による影響を受けて、特性変動の大きなも
のとなってしまうという問題点があった。
【0013】これらの問題点は、弾性表面波フィルタな
どの他の弾性表面波装置にも同様にあるため、ガラス等
で収容容器の封止を行なう弾性表面波装置に対して、弾
性表面波素子を基板に固着する接着剤に耐熱性の優れた
かつ高硬度のものを用いても、弾性表面波素子の特性変
動や特性ばらつきを生じない固着構造を有する、安定し
た特性の弾性表面波装置が望まれていた。
【0014】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的は、弾性表面波素子を基板に固定
し、基板と蓋体とを封止して収容容器として用いる弾性
表面波装置において、弾性表面波素子と基板との固定構
造の改良によって、簡単に製作できるとともに硬度の高
い接着剤で固定しても特性が安定で信頼性が高い弾性表
面波装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の弾性表面波装置
は、一方主面と他方主面とに亘る一対の引出電極を有
し、かつ弾性表面波素子の収容容器の一方部材を成すセ
ラミック基板の一方主面上に、上記一対の引出電極と電
気的に接続される弾性表面波素子を接着剤を介して固定
するとともに、前記収容容器の他方部材を成す蓋体を上
記セラミック基板に熱溶融もしくは熱硬化型の封止材で
接着させた弾性表面波装置において、前記弾性表面波素
子は一端部のみがセラミック基板に接着固定されている
ことを特徴とするものである。
【0016】
【作用】本発明の弾性表面波装置によれば、セラミック
基板上への弾性表面波素子の固定をその弾性表面波素子
の一端部のみに配した接着剤でもって行なうので、他の
端部は開放された状態にある。そのため、環境温度の変
化によって素子と基板との間に熱膨張差が生じても素子
に歪みや応力が発生することがなくなり、熱膨張差によ
る共振特性への悪影響がなくなる。
【0017】従って、基板と弾性表面波素子との固定に
硬度の高い接着剤を用いても、弾性表面波素子の共振状
態が変化して共振周波数や共振抵抗が所望の値からずれ
たり、環境温度の変化に伴って弾性表面波素子の特性が
変化して所望の温度特性が得られなくなるといったこと
がなくなる。そして、それにより特性が安定で信頼性が
高い弾性表面波装置が得られる。
【0018】また、基板と弾性表面波素子との固定に、
熱硬化後の弾性がほとんど見られないが耐熱性の優れた
接着剤を使用することができるため、弾性表面波素子の
収容容器の構成部材を成す基板および蓋体の封止接合
を、熱処理を伴うガラス封止または樹脂封止により行な
うことができる。このガラス封止または樹脂封止は安価
で量産性の高い製造方式であるので、そのような密閉封
止を行なった安定した特性の弾性表面波装置を、小さな
製造コストで提供することが可能になる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の弾性表面波装置を、弾性表面
波共振子を例にとって図面に基づいて詳説する。なお、
本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、弾性
表面波共振子のほかにも、弾性表面波フィルタなどにも
適用されるものである。また、本発明の主旨を逸脱しな
い範囲で種々の変更を加えてもよい。
【0020】図1は、本発明の一実施例を示す弾性表面
波共振子4の分解斜視図であり、この弾性表面波共振子
4は、セラミックベース基板5と弾性表面波振動子6と
蓋体7とから主に構成されている。
【0021】セラミックベース基板5は、弾性表面波振
動子6の収容容器の一方部材を兼ねており、アルミナな
どのセラミック材料からなる。このセラミックベース基
板5の厚みは、弾性表面波装置の高さ寸法と要求される
機械的強度を考慮して決められるが、通常、焼成後で 2
00μm〜1mmとする。また、平板状だけでなく、凹部
を形成したものや箱型のものであってもよい。
【0022】図1中のセラミックベース基板5の、弾性
表面波振動子6が搭載されて配設される上面側には、弾
性表面波振動子6の配設位置を2点鎖線で示してある。
その配設位置の両端部の外側には、基板5の一方主面す
なわち上面と、他方主面すなわち下面とに亘って一対の
引出電極8、8が形成されており、基板5の下面側の引
出電極8、8はプリント配線基板上に接合される。上面
側の引出電極8、8には、弾性表面波振動子6を電気的
に接続するための帯状のワイヤボンディングパッド8a
を設けている。なお、上記一対の引出電極8、8は、図
示したように基板5の上面から側面を介して下面に亘る
ように形成されたものの他に、基板5を貫通して設けら
れたビアホールを介して上面と下面とに亘るように形成
されたものでもよい。また、帯状のワイヤボンディング
パッド8aも必ずしも必要なものではなく、所望の形状
や大きさに変更してもよく、設けなくてもよい。
【0023】引出電極8、8は厚膜印刷技術で形成さ
れ、その形状としては、プリント配線基板に実装したと
きの接続強度が所定値に保証される広さを確保すること
を考慮する必要がある。厚みは、通常、5〜20μmであ
る。
【0024】本実施例においては、セラミックベース基
板5の上面側には、弾性表面波振動子6の配設位置を取
り囲むように、弾性表面波振動子6の外周に沿って溝9
が形成されている。図1では溝9として、引出電極8の
ワイヤボンディングパッド8aを内側領域に進入させる
ように、2つのL字形の溝9を向かい合わせて、弾性表
面波振動子6の配設位置を取り囲むように形成した例を
示している。
【0025】溝9の断面形状は、幅が0.20〜0.50mm、
好適には0.25mm程度で、深さが0.10〜0.30mm、好適
には0.20mm程度の僅かな窪みであればよい。また、開
口部のエッジの曲率半径は0.10mm以下が有効で、特に
0.01〜0.05mmであれば、蓋体7を基板5に封止したと
きに封止材が弾性表面波振動子6に向かって流れ拡がる
のをこの部分で止めるのに効果的であり、封止材が弾性
表面波振動子6に接触して特性を変動させることを防止
できる。
【0026】この溝9により、蓋体7と基板5との封止
接合部から弾性表面波振動子6への封止材の流れを効果
的に止めることができるので、弾性表面波振動子6への
封止材による悪影響を防止でき、安定した特性の弾性表
面波装置4が得られる。
【0027】このような溝9は、基板5の焼成前にプレ
ス成形により、あるいは焼成後の基板5の研削加工など
により形成される。なお、溝9は本発明の弾性表面波装
置において必ず形成しなければならないものではない。
【0028】弾性表面波振動子6は、所定方向に切断し
た水晶などの圧電性基板6aの上面に、入出力電極とし
てのインターデジタル電極(交差指電極)6bが形成さ
れている。この電極6bに交流信号を印加すると弾性表
面波が発生し、電極6bの両側に圧電性基板6aの長手
方向に向かって伝播していく。インターデジタル電極6
bの両側には、所定のピッチを有する反射電極6cがそ
れぞれ設けられており、電極6bから伝播してきた弾性
表面波の大部分は電極6bへ向かって反射される。反射
された弾性表面波は電極6bにおいて印加信号によって
発生する弾性表面波と共振し、これにより所定の共振周
波数での共振信号が発生する。
【0029】また、弾性表面波振動子6上のインターデ
ジタル電極6bにはワイヤボンディングパッドが形成さ
れており、そのワイヤボンディングパッドとセラミック
ベース基板5上の引出電極8のワイヤボンディングパッ
ド8aとが、ボンディングワイヤによって電気的に接続
される。
【0030】そして、弾性表面波振動子6は、セラミッ
ク基板5上の弾性表面波振動子6の配設位置に、弾性表
面波振動子6の一端部のみに対応するように配した接着
剤10でもってセラミック基板5上に接着固定する。な
お、この接着剤10は、弾性表面波振動子6の下面の一方
の端部に配しておいてもよい。これにより弾性表面波振
動子6が、ちょうどその一方の反射電極6cの端部に対
応した下面においてセラミック基板5上に固定される形
になる。また、後述するように弾性表面波振動子6の基
板6aを一方の反射電極6cの外側に長く伸ばしたもの
とし、その部分の下面で接着剤10でもってセラミック基
板5上に固定するようにしてもよい。さらに、弾性表面
波振動子6の形状は、長方形状の他にも正方形状・多角
形状・円形状・楕円形状・その他種々の形状であっても
よく、いずれの場合もその一端部のみでもってセラミッ
ク基板5上に固定すればよい。
【0031】上記のように弾性表面波振動子6をセラミ
ック基板5上に一端部のみで固定した状態での温度変化
による振動子6の熱膨張・熱収縮の影響を考えると、固
定した端部では熱応力や歪みが存在するが、その端部は
上面における弾性表面波の反射効率にほとんど寄与しな
い部分なので、共振周波数や共振損失などの特性への影
響はなくなる。従って、弾性表面波振動子6の特性が安
定し、安定した共振特性の弾性表面波装置を得ることが
できる。
【0032】接着剤10には、ポリイミド樹脂・エポキシ
樹脂・シリコン樹脂などの熱硬化型接着剤を用いるとよ
い。熱硬化型接着剤であれば、上述のように塗布し、セ
ラミック基板5上に弾性表面波振動子6を載置して加熱
硬化させることにより、振動子6が基板5上に固定され
る。
【0033】次に、弾性表面波振動子6をセラミックベ
ース基板5上に配設して引出電極8、8と電気的に接続
した状態を、図2に図1と同様の分解斜視図で示す。
【0034】弾性表面波振動子6は、上述のように、振
動子6の一端部のみに対応して配された接着剤10でもっ
て基板5上の配設位置に固定されている。
【0035】そして、弾性表面波振動子6上面のインタ
ーデジタル電極6bのワイヤボンディングパッドとセラ
ミックベース基板5上の引出電極8のワイヤボンディン
グパッド8aとが、金(Au)あるいはアルミ(Al)
などからなるボンディングワイヤ11によって電気的に接
続されている。
【0036】その後、図3に斜視図で示したように、セ
ラミックベース基板5上に配設された弾性表面波振動子
6を覆うように蓋体7を被せ、蓋体7とセラミックベー
ス基板5との接合封止部を封止材12によって封止するこ
とにより、弾性表面波装置4が完成する。
【0037】蓋体7は、弾性表面波振動子6の収容容器
の他方部材を成し、アルミナなどのセラミック材料から
なる。本例では、セラミックベース基板5の上面と接合
する面には開口が形成され、その内部には弾性表面波振
動子6が収容される内部空間が形成されている。この蓋
体7は、セラミックベース基板5が弾性表面波振動子6
を収容する凹部を形成したものや箱型のものの場合は、
それに対応した平板状であってもよい。
【0038】蓋体7とセラミックベース基板5とを封止
する封止材12には、ホウ珪酸鉛系ガラスなどの低融点ガ
ラス、あるいはエポキシなどの樹脂が用いられる。
【0039】封止材12に低融点ガラスを用いる場合は、
熱応力によるシール不良を防止するため、基板5および
蓋体7と熱膨張係数を適合させる必要がある。そのため
には、封止材12中にセラミックのフィラーを分散させる
ことも効果がある。
【0040】封止は、上記の封止材12をスクリーン印刷
などにより0.10〜0.30mm程度の厚みで蓋体7の周囲に
塗布して基板5に被せた後、代表的な処理条件として約
400℃で10分間程加熱することにより行なわれる。この
ような加熱処理条件であれば、基板5と蓋体7との封止
接合部に封止材12を均一に行き渡らせることができると
ともに、弾性表面波振動子6を基板5に固定しているポ
リイミド樹脂などが変質分解することがなく、安定した
弾性表面波装置4を作製することができる。
【0041】また、この封止処理を窒素ガスなどの不活
性ガス雰囲気中で行なうことにより、弾性表面波装置4
の内部空間に不活性ガスを充満させ、弾性表面波振動子
6や引出電極8、ボンディングワイヤ11の表面や接合部
の酸化変質を防止して、例えば共振特性の経時劣化など
を防止することができる。
【0042】以上の蓋体7とセラミックベース基板5と
の封止により弾性表面波装置4が完成するが、この後さ
らに、表面実装時の半田付け性を向上させるために、引
出電極8の外部に露出した表面だけにニッケル半田など
のメッキ層を形成してもよい。これには、積層セラミッ
クコンデンサの製造などにおいて従来公知のバレルメッ
キ法などが適用できる。本発明の構造の弾性表面波装置
4では、密封収容容器を形成する基板5と蓋体7とがセ
ラミックであり、また封止材12により完全に封止されて
いるため、このようなメッキ法を組み合わせることが可
能となる。
【0043】このようにして作製した本発明の弾性表面
波装置4について、図4にその断面図を示す。図4に示
したように弾性表面波装置4の内部においては、弾性表
面波振動子6はその一端部のみに配した接着剤10でもっ
てセラミックベース基板5に固定されており、その他の
部分では振動子6と基板5とは固定されていない。その
ため、両者の熱膨張差が生じても振動子6に熱応力や歪
みの影響が発生することがないので、安定した共振特性
が得られる。
【0044】また、本実施例においては振動子6の周囲
の基板5に溝9を形成しているため、基板5と蓋体7と
の封止材12の流れがこの溝9によって止められる。従っ
て、封止材12が流れ拡がって振動子6に接触してしまう
ことがなくなり、振動子6の特性が安定したものとな
る。
【0045】なお、同図においては、インターデジタル
電極6bのワイヤボンディングパッドと引出電極8のワ
イヤボンディングパッド8a(図示せず)とを接続する
ボンディングワイヤ11は、その途中で省略して示してい
る。
【0046】次に、同様にして作製した本発明の他の実
施例である弾性表面波装置13を、図5に図4と同様の断
面図で示す。図5においては図1〜図4と同様の箇所に
は同じ符号を付してあるが、この弾性表面波装置13は、
弾性表面波装置4の弾性表面波振動子6に替えて弾性表
面波振動子14を用いたものである。弾性表面波振動子14
は、その基板14aを一方の反射電極14cの外側に長く伸
ばしたものであって、そのように長く伸ばした部分の下
面で、接着剤10でもってセラミック基板5上に固定して
いる。
【0047】このように、基板14aがインターデジタル
電極14bと反射電極14cが形成された領域の外側に伸ば
された弾性表面波振動子14を用いると、温度変化によっ
て振動子14の熱膨張・熱収縮により発生する固定した端
部での熱応力や歪みが、より一層共振周波数や共振損失
などの特性へ影響しなくなる。従って、弾性表面波振動
子14の特性が非常に安定し、極めて安定した共振特性の
弾性表面波装置を得ることができる。
【0048】以下、具体例を示す。 〔実施例〕本発明の弾性表面波装置として、図1〜図4
に示した構成の共振周波数frが315MHzの弾性表面
波共振子を、以下のようにして作製した。
【0049】弾性表面波振動子には、幅 1.2mm×長さ
6.0mm×厚み 0.4mmの水晶基板を用い、図1に示し
たようなインターデジタル電極および反射電極を形成し
た。この振動子の下面の一方の端部に、ディスペンサー
によりポリイミド樹脂の接着剤を約1mmの長さになる
ように塗布し、図1に示したセラミック基板上に配設し
て、200 ℃、1時間の条件で加熱硬化させて、振動子を
基板に固定した。
【0050】そして、振動子上面のインターデジタル電
極とセラミック基板上の引出電極とをワイヤボンディン
グした後、封止材として低融点ガラスを塗布した蓋体を
被せ、410 ℃で15分間加熱して基板と蓋体とを封止接合
し、本発明の弾性表面波共振子Aを作製した。
【0051】また、比較例として、振動子への接着剤の
塗布に当たって図6(b)に示したように振動子の下面
の両端に接着剤を塗布したものと、図6(a)に示した
ように振動子の下面の全面に接着剤を塗布したものとに
ついて、他は上記と同様にして、それぞれ弾性表面波共
振子Bおよび弾性表面波共振子Cを作製した。
【0052】これらの弾性表面波共振子AおよびB、C
それぞれ30個について、蓋体の封止前と封止後の共振周
波数frを、50Ω系のネットワークアナライザーを用い
て振幅特性を測定した結果より求めた。そして、それら
の結果より封止前に対する封止後の共振周波数frの変
化量を求め、その変化量の平均値(x)および標準偏差
(σ)、最小値(Min)、最大値(Max)、範囲
(R)を算出したところ、表1に示す結果を得た。
【0053】
【表1】
【0054】表1の結果より、本発明の弾性表面波共振
子Aにおいては、共振子BおよびCに比べて、xならび
にMaxが小さいことから、封止後の共振周波数frの
変化量が非常に小さいことが分かる。しかも、σならび
にRが非常に小さいことから、変化量のばらつきも極め
て小さく、特性の安定性が大きく改善されたことが分か
る。
【0055】また、本発明の弾性表面波共振子Aを作製
するに当たって、図5に示した構成の振動子を用い、同
図に示したように基板との固定を行なったところ、封止
後の共振周波数frの変化量およびそのばらつきがさら
に小さくなり、特性の安定性に優れ、信頼性も高められ
たことが確認できた。
【0056】以上のように封止後の共振周波数frの変
化量およびそのばらつきが小さくなることにより、本発
明の弾性表面波共振子によれば、封止による共振周波数
の変化を考慮して共振子を設計・製造することが容易と
なって、特性値が所望の値からずれることのない信頼性
の高い弾性表面波共振子を安定して製造することができ
る。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、弾性表面
波装置のセラミックベース基板への弾性表面波素子への
接着固定を、弾性表面波素子の一端部のみに配した接着
剤でもって行なうようにしたので、弾性表面波装置の作
製時の温度履歴あるいは使用時の環境温度変化などによ
る熱応力や歪みのために、弾性表面波素子の特性が変化
して特性値が所望の値からずれたり、所望の温度特性が
得られなくなるといったことがなくなって、特性が安定
で信頼性が高い弾性表面波装置を提供することができ
た。
【0058】また本発明によれば、セラミックベース基
板と弾性表面波素子との固定に硬度の高い接着剤を使用
しても特性が変動することがなくなり、ベース基板と蓋
体との封止にガラス封止あるいは樹脂封止という安価で
量産性の高い封止方式を採用しても特性の安定した弾性
表面波装置を得ることができた。従って、安定した特性
の高信頼性の弾性表面波装置を安価な製造コストで提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す弾性表面波装置の分解斜
視図である。
【図2】本発明の実施例を示す弾性表面波装置の分解斜
視図である。
【図3】本発明の実施例を示す弾性表面波装置の斜視図
である。
【図4】本発明の実施例を示す弾性表面波装置の断面図
である。
【図5】本発明の他の実施例を示す弾性表面波装置の断
面図である。
【図6】(a)〜(c)は、従来の弾性表面波振動子と
基板との固定構造を示す断面図である。
【符号の説明】
4、13・・・弾性表面波装置 5・・・・・・セラミックベース基板 6、14・・・弾性表面波振動子(弾性表面波素子) 7・・・・・・蓋体 8・・・・・・引出電極 10・・・・・接着剤 12・・・・・封止材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方主面と他方主面とに亘る一対の引出
    電極を有し、かつ弾性表面波素子の収容容器の一方部材
    を成すセラミック基板の一方主面上に、上記一対の引出
    電極と電気的に接続される弾性表面波素子を接着剤を介
    して固定するとともに、前記収容容器の他方部材を成す
    蓋体を上記セラミック基板に熱溶融もしくは熱硬化型の
    封止材で接着させた弾性表面波装置において、前記弾性
    表面波素子は一端部のみがセラミック基板に接着固定さ
    れていることを特徴とする弾性表面波装置。
JP22135094A 1994-09-16 1994-09-16 弾性表面波装置 Pending JPH0888537A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009105573A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Epson Toyocom Corp 弾性表面波デバイス
JP2020201134A (ja) * 2019-06-11 2020-12-17 新日本無線株式会社 弾性表面波センサおよびそれを用いた計測システム

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