JPH088846B2 - 栄養剤組成物及びその製造方法 - Google Patents

栄養剤組成物及びその製造方法

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JPH088846B2
JPH088846B2 JP1503510A JP50351089A JPH088846B2 JP H088846 B2 JPH088846 B2 JP H088846B2 JP 1503510 A JP1503510 A JP 1503510A JP 50351089 A JP50351089 A JP 50351089A JP H088846 B2 JPH088846 B2 JP H088846B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、患者への投与用の栄養剤組成物、特にチュ
ーブによる補給のための、及び健康ドリンクとしてまた
は馬の栄養剤として使用される栄養剤組成物、並びにそ
のような栄養剤組成物の製造法に関する。
腹部の主な手術における問題点の一つは、大腸からの
感染による臓器の全般的な虚脱である。感染の危険性を
減少させる一つの方法は、チューブにより患者に栄養補
給し、これにより該腸の働きを維持することである。こ
の方法は、その様なチューブにより投与された栄養剤に
特別の要件を課す。該栄養剤は、栄養素的に完全なもの
でなければならないだけではなく、1日当たり2〜3
以上の液体の供給を要することなく、細いプラスチック
製のカテーテルを介して投与できるように細い形態(th
in−bodied)になければならない。
更に、栄養剤が、患者の腸内細菌叢の組成に影響を与
えるならば、非常に有利である。新規手術を受けた患者
の腸内細菌叢は、しばしば、掻き乱され、これが中毒症
候を起こすこともある。これは、抗生物質で処置され
た、または処置されつつある患者について特にあてはま
る。
また、特別な栄養剤が必要とされる他の分野は、競馬
である。例えばレースに関してストレスを受けている馬
は、しばしば下痢を起こし、このためその仕事に悪影響
を被る場合もある。
チューブによる栄養補給に用いられる現在までの栄養
剤組成物は、分別された食物成分を栄養士の忠告に従い
再結合したものから実質的になるものである。公知の栄
養剤組成物には、多くの欠点がある。公知栄養剤組成物
が、細いチューブを通して投与するのに適した低い粘度
を有する場合、それらの必須栄養素の濃度は低すぎるの
で、非常に多くの量を投与しなければならない。しか
も、公知の栄養剤組成物は、不快な味を有しており、ま
た、患者の腸内細菌叢に影響を与えない。
ある種の腸−特異的乳酸桿菌(Lactobacilli)が、腸
内の好ましくない微生物の定着に対抗する特別の能力を
有するとの証拠が、例えば、ワルストレム(Wallstr
m)ら、1987、J.Appl.Bacteriol.62:513−520;シャー
ウッド(Sherwood)ら、1987、Lancet,Dec.26,1519に報
告されている。
本発明の目的は、患者への投与用の栄養剤組成物、特
にチューブによる栄養補給のための、又は健康ドリンク
として使用される栄養剤組成物であって、チューブを通
して投与するのに適した粘度を有しており、味が良く、
しかも、腸に適した乳酸桿菌を含んでいる組成物を提供
することにある。
本発明の栄養剤組成物は、特にそれが発酵燕麦(Ferm
ented aot)を含んでいる場合には、馬に投与してレー
ス前に下痢を防止するのにも非常に好適である。
本発明の他の目的は、患者への投与用の栄養剤組成
物、特にチューブによる栄養補給のための、又は健康ド
リンクとして使用される栄養剤組成物の製造方法を提供
することにある。
本発明の組成物は、発酵された穀物ベース生成物、酵
素類、および必要に応じて他の栄養素成分を、乳酸桿菌
(Lactobacilli)と共に含有するものである。
本発明の方法は、穀物粉を水およびα−アミラーゼと
混合し、混合物を攪拌下にボイルさせ、冷却し、β−グ
ルカナーゼ(β−glucanase)と混合して、該β−グル
カナーゼを混合物に粘度が0.020Pas未満に減少するまで
作用させ、混合物を発酵させることを特徴とする。
チューブにより栄養補給されている患者には、適当な
乳酸桿菌を基本的には3つの異なる方法、即ち、(i)
所望の乳酸桿菌を生成物の発酵に用いる;(ii)乳酸桿
菌培養物を発酵された生成物に別個に添加する;および
(iii)乳酸桿菌培養物および残余の栄養剤組成物を別
個に投与する、の各方法で補給することができる。
最終生成物中で所望される乳酸桿菌は、該生成物を発
酵するのにすでに使用されているのが好ましく、こうし
て、更にバクテリア培養物を添加することを要すること
なく、所望の培養物を含有する発酵された生成物を得る
のが便利である。
補給された乳酸桿菌は、患者の腸内細菌叢に好ましい
効果を与えるだけではなく、発酵プロセス中に栄養剤組
成物の粘度を低減することも寄与する。蛋白質は、短い
デキストリンおよびアミノ酸に分解される。β−グルカ
ンは、酵素β−グルカナーゼにより分解される。その結
果、香味(flavor)に富んだ且つ貯蔵寿命の十分な容易
に消化される生成物が得られるのである。
好ましい実施態様においては、乳酸桿菌の発酵能力が
利用され、それと同時に、生きている乳酸桿菌について
の患者の要求が満たされる。
選択された乳酸桿菌培養物は、所望の使用に意義のあ
る或る種の特徴をインビトロ(in vitro)で持っている
特別な培養物である。適切な培養物は、健康な人の腸に
おいて定着している乳酸桿菌を抽出、単離して得られる
ものである。適切な産生菌株を選択する際には、次の特
性が考慮される: −燕麦粉(oat−flour)を発酵させる能力 −特異的な増殖速度 −発酵プロセス中にpHを急速に低減させる能力 −発酵後の好適な最終pH −グルコースからの酸発酵パターン(acid fermentatio
n patten) −凍結乾燥後の生存 −胆汁に対する耐性 −抗生物質に対する耐性 −プラスミド含量 −腸に自発的に付着する能力 −グリセロール存在下でのレウテリン(reuterine)産
生 −コレステロールインターラクション −好ましい香味剤を産生する能力 −β−グルカン類を分解する能力 これらの特性の全てが1つの同一の培養物において認
められるとは限らないが、これら特性のできるだけ多く
を有する培養物を選択することが推奨される。
好ましい培養物は、腸−特異的なラクトバシラス レ
ウテリ(Lactobacillas reuteri)の単離物(isolate)
および該乳酸桿菌による抗微生物物質(レウテリン(re
uterine))の産生を刺激するリパーゼ酵素の調製物で
ある。他の有用な微生物は、例えば、ラクトバシラス
ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、エル.
アシドフィラス(L.acidofilus)、エル.アリメンタリ
ウス(L.alimentarius)、エル.ブレビス エスピー.
リンドネリ(L.brevis sp.lindneri)、エル.プランタ
ラム(L.plantarum)、エル.ロイコノストック(L.leu
conostoc)及びエル.デキストラニカム(L.dextranicu
m)である。
栄養剤組成物のベースは、穀物粉(cereal flour)で
ある。驚くべきことに、特に、燕麦の水懸濁液が、乳酸
発酵の理想的なスペースであることが今回見出だされ
た。全ての穀物のうち、燕麦は、最良のアミノ酸バラン
スを有しており、その脂質フラクションは最大量の極性
脂質を含有している。進行中の研究により、この脂質タ
イプは胃粘膜に対する好ましい効果を有することが示さ
れた。
しかしながら、燕麦が不足している国においては、他
の穀物、例えば、とうもろこしも使用できる。
可能なかぎり完全な栄養剤組成物を得るために、組成
物を大豆粉と発酵前に混合し、蛋白質及び脂肪の含量を
補足しても良い。
更に、ミネラルとビタミンの含量を、発酵の前又は後
で補足しても良い。
本発明方法において、穀物粉は、水に懸濁され、これ
にα−アミラーゼを麦芽粉(malt flour)、純品のα−
アミラーゼ又はα−アミラーゼ−含有微生物の形態で添
加する。該懸濁液は攪拌下適当な温度までボイルさせ
る。該温度は、燕麦懸濁液の場合、最大限95℃である。
次いで、該懸濁液を約50℃に冷却し、その時点でβ−グ
ルカナーゼを添加し、これを約50℃で1〜2時間作用さ
せると、粘度は約0.020Pas.まで低下する。
上記穀物粉は、各種のプロテアーゼで処理し、その中
の蛋白質を分解しても良い。
生成物は、次いで、大豆粉で強化することが推奨され
る。
最後に、混合物を、最終組成物に存在すべき適当なバ
クテリア培養物、好ましくは乳酸桿菌培養物と混合し、
30〜40℃の間の温度にて発酵させる。
本発明の組成物は、そのまま使用しても良いし、水溶
液として使用しても良いし、さらに、該水溶液は濃縮
し、使用直前に希釈しても良い。この様な溶液は、冷却
温度(cooling temperatura)において、約8日の見積
もり貯蔵寿命を有している。
また、栄養剤溶液は、凍結乾燥し、次いで、使用前に
水に溶解することもできる。また、穀物粉、好ましくは
燕麦粉を使用前にエタノール、超臨界二酸化炭素などの
溶媒中で抽出することにより脱脂し、得られる油を、乳
化及び噴霧乾燥後、凍結乾燥後の生成物にリサイクルす
れば、更に改善された貯蔵寿命が得られる。
従って、上記した方法は、腸内栄養摂取に最適であ
り、且つ、特別に選択された乳酸桿菌培養物の生理学的
に活性な細胞を高濃度で含有する発酵栄養剤組成物を提
供するものである。しかも、該生成物は、小腸におい
て、急速な定着(colonisation)を与える。
好ましい凍結乾燥は、上記栄養剤組成物に、脂肪酸化
に対する増大した耐性を付与し、従って、十分な貯蔵寿
命が得られる。
2つの例において、上記溶液を、好気性腸内細胞の定
着による敗血症及び栄養障害の集中治療を受けている患
者に投与した。治療が開始された時点で、双方の患者
は、それ以前の治療がいずれも成功しなかったため、無
関心であった。本発明の乳酸桿菌含有栄養剤組成物をチ
ューブにより腸に投与後、双方の患者は劇的に回復し
た。
本発明の栄養剤組成物は、例えば健康ドリンクの形態
で、一般的な補足的滋養物としても使用できる。
以下、本発明を、下記の非限定的な実施例を参照して
より詳しく説明する。
実施例 34gの燕麦粉[エムピー オートフラワー(Mp oat−f
lour,商品名)]を水100gに、3.4gの麦芽粉または1gの
純品のα−アミラーゼと共に懸濁させる。該燕麦懸濁液
を撹拌下95℃までボイルし、約50℃まで放冷した。次い
で、1%のβ−グルカナーゼ(燕麦粉の量基準)を添加
し、これを50℃にて1〜2時間作用させる。これによ
り、粘度が約0.02Pas.まで低下する。
その後、懸濁液を大豆粉で強化する。
最後に、本明細書の一般的部分において記載した各種
特性を考慮して選択された乳酸桿菌培養物に添加し、該
懸濁液を、例えば、37℃の温度にて20時間発酵する。
生成物をさらに強化するべく、更に、脂肪、ナトリウ
ム、ビタミンA、ビタミンD、リボフラビン、ビタミン
B6、葉酸及びアスコルビン酸、及び必要に応じてカリウ
ム及びカルシウムを加える。
こうして製造された生成物は、第1表に記載のエネル
ギーと栄養素含量を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 2/52 (72)発明者 ラーソン カレ スウェーデン国 エス―237 00 ビェー レドノラ ヴィラベーゲン 7 ビー

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】腸内栄養補給に最適な栄養剤組成物を製造
    する方法であって、 −燕麦粉を、水、α−アミラーゼ及び必要に応じてプロ
    テアーゼと混合し、 −得られる混合物を攪拌下最高95℃まで加熱し、 −冷却し、 −β−グルカナーゼと混合して、該β−グルカナーゼ
    を、混合物の粘度が0.020Pas未満に減少するまで作用さ
    せ、次いで −腸に自発的に付着する能力を有する乳酸桿菌と混合し
    て発酵させることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】乳酸桿菌が、発酵後に組成物に添加される
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】乳酸桿菌が、健康なヒトの腸から単離され
    たものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    方法。
  4. 【請求項4】大豆粉を、発酵前の混合物に混合すること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】組成物を、発酵の前又は後に、補足的なミ
    ネラル物質及びビタミン類で強化することを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】乳酸桿菌が、次の特性、即ち、 −燕麦粉を発酵させる能力 −特異的な増殖速度 −発酵プロセス中にpHを急速に低減させる能力 −発酵後の好適な最終pH −グルコースからの酸発酵パターン −凍結乾燥後の生存 −胆汁に対する耐性 −抗生物質に対する耐性 −プラスミド含量 −グリセロール存在下でのレウテリン(reuterine)産
    生 −コレステロールインターラクション −好ましい香味剤を産生する能力 −β−グルカン類を分解する能力 を考慮して選択されたものであることを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】組成物を、発酵後に凍結乾燥し、次いで、
    使用前に再び水に溶解させることを特徴とする請求項1
    乃至6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】燕麦粉を、水及びα−アミラーゼと混合す
    る前に、脱脂し、除去された脂肪を乳化及び噴霧乾燥
    後、凍結乾燥された組成物にリサイクルすることを特徴
    とする請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のいずれかに記載の方法に
    より製造されることを特徴とする栄養剤組成物。
  10. 【請求項10】少なくとも424kJ/100mlのエネルギー含
    量を有する請求項9に記載の栄養剤組成物。
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