JPH0887348A - 携帯形電子機器 - Google Patents

携帯形電子機器

Info

Publication number
JPH0887348A
JPH0887348A JP6220640A JP22064094A JPH0887348A JP H0887348 A JPH0887348 A JP H0887348A JP 6220640 A JP6220640 A JP 6220640A JP 22064094 A JP22064094 A JP 22064094A JP H0887348 A JPH0887348 A JP H0887348A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit board
frame
heat
semiconductor element
housing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6220640A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Nakajima
雄二 中島
Hiroshi Nakamura
博 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP6220640A priority Critical patent/JPH0887348A/ja
Priority to US08/523,392 priority patent/US5581443A/en
Publication of JPH0887348A publication Critical patent/JPH0887348A/ja
Priority to US08/758,766 priority patent/US5784256A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、フレームをヒートシンクとして利用
でき、TCPの熱を効率良く外部に逃がすことができる
携帯形電子機器を得ることにある。 【構成】筐体3 の内部に収容された金属製のフレーム41
と、このフレームに支持された回路基板21a とを備えて
いる。この回路基板には、TCP24が実装されており、
このTCPの半導体素子26の裏面26a を回路基板に接着
するとともに、この回路基板を上記半導体素子との対向
部において上記フレームに接触させたことを特徴として
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、TCP(tape carrier
package)が実装された回路基板を有するポータブルコ
ンピュータのような携帯形電子機器に係り、特にそのT
CPを冷却するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ブック形あるいはノート形のポータブル
コンピュータは、持ち運びが容易で、商用電源を得られ
ないような場所でも、内蔵されたバッテリパックを電源
とすることで自由に使用できるといった利点を有してい
る。
【0003】この種のポータブルコンピュータは、コン
パクトに設計された合成樹脂製の筐体を備えている。こ
の筐体の内部には、LSIパッケージが実装された回路
基板や、フロッピーディスク駆動装置および機能拡張用
のコネクタのような機器が一括して収容されている。
【0004】ところで、最近のポータブルコンピュータ
は、コンパクト化とともに高機能化が押し進められてい
る。そのため、コンピュータに搭載されるLSIパッケ
ージにしても、大容量化や多機能化が進んでいる。LS
Iパッケージの大容量化や多機能化は、当然のことなが
らチップサイズの大型化や多ピン化につながり、このL
SIパッケージの回路基板上での占有面積の増大を招く
ことになる。この回路基板上での占有面積を抑制しつつ
多ピン化に対応するためには、LSIパッケージのリー
ドピッチを微細化することが必要となってくる。
【0005】多ピン化に適合できるパッケージとして
は、PGA(pin grid array)やQFP(quad flat pa
ckage )が知られている。しかしながら、PGAやQF
Pは、チップサイズが大きく、多ピンになるほどパッケ
ージ自体の寸法が大きくなり、高機能なポータブルコン
ピュータを実現する上で必要なコンパクトなパッケージ
を得ることができなくなる。
【0006】このことから、多ピン化に対応し得るコン
パクトなパッケージとして、最近、TCP(tape carri
er package)が着目されている。TCPは、リードを有
する樹脂フィルムと、この樹脂フィルムに支持された半
導体チップとを有している。そして、このTCPでは、
樹脂フィルムの外周縁部にリードの先端が導出されてお
り、このリードの先端が回路基板上の配線パターンに半
田付けされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この種のTCPは、半
導体チップが樹脂によってモールドされておらず、この
半導体チップが露出されている。そのため、機械的強度
が弱く、PGAのように多数の放熱フィンを有するヒー
トシンクを取付けることが困難となる。
【0008】したがって、動作時の発熱量が大きいTC
Pを搭載するに当たっては、TCPの低熱抵抗化を図る
ことが重要となってくる。この低熱抵抗化を達成する具
体的な手段としては、筐体の内部にファンを設置し、こ
のファンによってTCPを強制的に空冷したり、あるい
は半導体素子の裏面を回路基板に接着し、この回路基板
を通じてTCPの熱を逃がすことが知られている。
【0009】しかしながら、ファンに用いてTCPを冷
却する方式では、筐体の内部にファンの設置スペースを
必要とするので、筐体の大型化を招き、コンピュータの
コンパクト化といった要請に逆行することになる。ま
た、その他にも騒音が大きくなったり、部品点数の増大
に伴うコストの上昇といった問題があるとともに、ファ
ンの存在により消費電力が大きくなり、特にバッテリパ
ックを駆動用電源とする場合に、コンピュータの動作時
間が短くなるといった問題がある。
【0010】さらに、回路基板を通じてTCPの放熱を
行なうにしても、この回路基板の大きさは限られている
ので、TCPの熱を広範囲に亘って拡散させることが困
難であり、このTCPの熱抵抗を低下させる上でいま一
歩改善の余地が残されている。
【0011】本発明は、このような事情にもとづいてな
されたもので、回路基板を支持するフレームを、TCP
のヒートシンクとして利用することができ、このTCP
の放熱を効率良く行なえる携帯形電子機器の提供を目的
とする。
【0012】本発明の他の目的は、回路基板を支持する
フレームや、この回路基板を覆うシールド板を利用して
TCPの熱を拡散させることができ、格別なファンやヒ
ートシンクを用いることなく、TCPの低熱抵抗化を図
れる携帯形電子機器の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載された携帯形電子機器は、底壁およ
びこの底壁に連なる周壁を有する筐体と、この筐体の内
部に収容された金属製のフレームと、このフレームに支
持された状態で上記筐体の内部に収容された回路基板と
を備えている。
【0014】そして、上記回路基板は、動作中に発熱す
る回路部品を含み、この回路部品は、フィルムキャリア
と、このフィルムキャリアに支持された半導体素子とを
有するTCPであり、このTCPの半導体素子の裏面を
上記回路基板に接着するとともに、この回路基板を、上
記半導体素子との対向部において上記フレームに接触さ
せたことを特徴としている。
【0015】請求項2によれば、上記請求項1に記載さ
れたフレームは、上記半導体素子に対応した位置におい
て上記回路基板に面接触される平坦な座面を有し、この
座面の面積は、上記半導体素子と回路基板との接触部の
面積よりも大きく定められていることを特徴としてい
る。
【0016】請求項3によれば、上記請求項2に記載に
記載されたフレームは、上記回路基板を支持する第1の
支持部と、記録装置のような各種の機器を支持する第2
の支持部とを有し、これら第1および第2の支持部を含
むフレーム全体が、上記筐体と略同じ大きさに定められ
ていることを特徴としている。
【0017】請求項4によれば、上記請求項2に記載の
座面と回路基板との間に、熱伝導性を有する軟質な弾性
シートが介在されていることを特徴としている。
【0018】請求項5によれば、上記請求項2に記載の
回路基板は、上記半導体素子との対向部に多数の通孔を
有し、これら通孔の一端は、上記回路基板における半導
体素子が接着される面に開口されているとともに、通孔
の他端は、上記回路基板における座面と接触される面に
開口されていることを特徴としている。
【0019】請求項6によれば、上記請求項5に記載の
回路基板は、上記半導体素子との接触面および上記座面
との接触面に、夫々放熱層を有し、また、上記通孔の内
面は、熱伝導性のメッキ層によって覆われており、この
メッキ層は、上記放熱層に連なっていることを特徴とし
ている。
【0020】請求項7によれば、上記請求項3に記載の
フレームは、一端が上記座面に連なるとともに、他端が
座面から遠ざかった位置に導かれるガイド溝を有し、こ
のガイド溝にヒートパイプが挿通配置されていることを
特徴としている。
【0021】請求項8によれば、上記請求項7に記載の
フレームは、多数の放熱フィンを有し、これら放熱フィ
ンは、上記ヒートパイプに隣接して配置されていること
を特徴としている。
【0022】請求項9によれば、上記請求項8の記載に
おいて、上記ヒートパイプは、上記座面から上記フレー
ムの第2の支持部に導かれており、この第2の支持部
は、上記ヒートパイプの周囲に位置して、複数の肉抜き
孔を有していることを特徴としている。
【0023】請求項10によれば、上記請求項8に記載
のフレームは、マグネシウム合金製であることを特徴と
している。
【0024】また、上記目的を達成するため、請求項1
1に記載された携帯形電子機器は、底壁およびこの底壁
に連なる周壁を有する筐体と、この筐体の内部に収容さ
れた金属製のフレームと、このフレームに支持された状
態で上記筐体の内部に収容され、この筐体の底壁と略平
行をなす回路基板と、上記フレームに支持され、上記回
路基板を上方から覆う金属製のシールド板とを備えてい
る。
【0025】そして、上記回路基板は、上記シールド板
と向い合う上面に動作中に発熱する回路部品を含み、こ
の回路部品は、フィルムキャリアと、このフィルムキャ
リアに支持された半導体素子とを有するTCPであり、
このTCPの半導体素子の裏面を上記回路基板の上面に
接着するとともに、この回路基板の下面を、上記半導体
素子との対向部において上記フレームに接触させ、ま
た、上記回路基板の上面に、上記TCPの表面を覆う金
属製のパッケージカバーを配置し、このパッケージカバ
ーと上記半導体素子との間に、熱伝導性を有する軟質な
第1の弾性シートを介在させるとともに、上記パッケー
ジカバーと上記シールド板との間に、熱伝導性を有する
軟質な第2の弾性シートを介在させたことを特徴として
いる。
【0026】請求項12によれば、上記請求項11に記
載のシールド板は、上記回路基板と向い合う内面に金属
製の熱伝導板を有し、この熱伝導板は、シールド板の内
面に重ね合わされる基部と、この基部から一体に延出さ
れて、上記パッケージカバーに接触する複数の接触片と
を備えていることを特徴としている。
【0027】請求項13によれば、上記請求項11に記
載の筐体は、上記フレームを上方から覆う上壁を有し、
この上壁の内面に上記シールド板が接していることを特
徴としている。
【0028】請求項14によれば、上記請求項11に記
載のフレームは、上記半導体素子に対応する位置におい
て上記回路基板に面接触される平坦な座面を有し、この
座面の面積は、上記半導体素子と回路基板との接触部の
面積よりも大きく定められていることを特徴としてい
る。
【0029】請求項15によれば、上記請求項13に記
載のフレームは、上記回路基板を支持する第1の支持部
と、記録装置のような各種の機器を支持する第2の支持
部とを有し、これら第1および第2の支持部を含むフレ
ーム全体が、上記筐体と略同じ大きさに定められている
ことを特徴としている。
【0030】請求項16によれば、上記請求項11の記
載において、その座面と回路基板との間に、熱伝導性を
有する軟質な弾性シートが介在されていることを特徴と
している。
【0031】請求項17によれば、上記請求項14に記
載されたフレームは、一端が上記座部に連なるととも
に、他端が座面から遠ざかった位置に導かれるガイド溝
を有し、このガイド溝にヒートパイプが配置されている
ことを特徴としている。
【0032】
【作用】請求項1の構成によると、TCPの半導体素子
は、回路基板に接着されているので、この回路基板に半
導体素子の熱が逃がされる。そして、この回路基板は、
半導体素子に対応した位置でフレームに接触されている
ので、上記半導体素子の熱は、回路基板を介してフレー
ムに伝えられる。このフレームは、熱を伝え易い金属製
であるから、熱が局部的に集中することはなく、半導体
素子の熱がフレーム全体に効率良く拡散される。
【0033】この結果、半導体素子の熱をフレームの広
い範囲から放熱させることができ、格別な放熱ファンや
ヒートシンクを用いることなくTCPの低熱抵抗化を実
現できる。
【0034】請求項2の構成によれば、回路基板とフレ
ームとの接触面積を充分に確保することができ、半導体
素子の動作時の熱を、回路基板からフレームに効率良く
逃がすことができる。
【0035】請求項3の構成によれば、フレーム自体が
筐体と略同じ大きさを有するので、フレームの放熱面積
が増大し、単位面積当たりの熱量を減らすことができ
る。そのため、フレームと外部との温度差が小さくな
り、筐体の内部が局部的に高温となるのを防止できる。
それとともに、筐体の全表面を放熱面として活用するこ
とができ、放熱効果が向上する。
【0036】請求項4の構成によれば、筐体に衝撃が加
わったとしても、この衝撃は弾性シートが変形すること
により吸収緩和される。そのため、機械的強度が弱いT
CPの耐衝撃性能を確保しつつ、回路基板からフレーム
への熱伝導性を良好に維持することができる。。
【0037】請求項5の構成によれば、通孔の内部の空
間が半導体素子の熱を直にフレームに伝える通路とな
り、その分、半導体素子の放熱効果が向上する。
【0038】請求項6の構成によれば、半導体素子は、
回路基板上の伝熱層に接しているので、この半導体素子
の熱は、伝熱層から通孔の内面のメッキ層を経て回路基
板の反対側の伝熱層に伝えられ、ここから弾性シートを
介してフレームに伝えられる。そのため、回路基板にも
熱伝導性を高めるための処理が施されていることにな
り、半導体素子の熱を効率良くフレームに逃がすことが
できる。
【0039】請求項7の構成によれば、半導体素子の熱
が回路基板を介してフレームに伝えらると、この熱の一
部は、ヒートパイプによって吸収される。この熱の吸収
により、ヒートパイプ内の作動液が蒸発し、この蒸気が
ヒートパイプ内を高速で移動するので、上記熱は、ヒー
トパイプを通じて上記フレームにおける半導体素子から
遠ざかった位置に輸送される。このため、フレームに伝
えられた熱を、このフレームの広範囲に亘って積極的に
拡散することができ、フレーム本来の熱伝導機能と合わ
せて、フレーム全体の温度を均等化することができる。
【0040】請求項8の構成によれば、放熱フィンの存
在によりフレームの表面積が増大し、このフレームの放
熱性が向上する。しかも、このフレームに沿うヒートパ
イプの放熱性も良好に保たれるので、ヒートパイプの作
動液の凝縮が促進され、この凝縮した作動液の加熱部分
への還流が連続して行なわれる。そのため、ヒートパイ
プによる熱の輸送を効率良く行なうことができる。
【0041】請求項9の構成によれば、半導体素子の熱
がヒートパイプを介してフレームの第2の支持部に導か
れると、記録装置のような機器の周囲温度が上昇する虞
れがあり得る。しかるに、熱が積極的に導かれる第2の
支持部には、数多くの肉抜き孔が存在し、放熱面積その
ものが部分的に減少されているので、上記機器への熱影
響を少なく抑えることができる。また、その反面、肉抜
き孔の開口縁部が一種の放熱フィンとしても機能するの
で、この肉抜き孔を通じて放熱を行なうことができる。
このため、上記機器の周囲温度が異常に高くなるのを防
止しつつ、本来の放熱機能も充分に維持することができ
る。
【0042】請求項10の構成によれば、半導体素子の
熱は、ヒートパイプを介してフレームの広範囲に拡散さ
れるので、このフレーム全体を、アルミニウム合金のよ
うな高熱伝導材料よりも熱伝導率は劣るけれども、はる
かに軽量なマグネシウム合金にて構成することができ
る。そのため、フレームの軽量化を図りつつ、このフレ
ームをヒートシンクとして有効に活用できる。
【0043】請求項11の構成によれば、TCPの半導
体素子は、回路基板に接着されているので、この回路基
板に半導体素子の熱が逃がされる。そして、この回路基
板は、半導体素子に対応した位置でフレームに接触され
ているので、上記半導体素子の熱は、回路基板を介して
フレームに伝えられる。このフレームは、熱を伝え易い
金属製であるから、熱が局部的に集中することはなく、
半導体素子の熱がフレーム全体に効率良く拡散される。
【0044】また、この半導体素子は、回路基板とは反
対側の表面においても第1の弾性シートを介してパッケ
ージカバーに接触され、しかも、このパッケージカバー
は、第2の弾性シートを介してシールド板に接触されて
いるので、半導体素子の熱は、パッケージカバーからシ
ールド板へと伝えられる。
【0045】このことから、半導体素子の熱をフレーム
ばかりでなく、回路基板を覆うシールド板にも熱伝導に
よって直に逃がすことができ、格別な放熱ファンやヒー
トシンクを用いることなく、TCPの低熱抵抗化を実現
できる。
【0046】また、半導体素子とシールド板との間に
は、二枚の弾性シートが介在されているから、シールド
板側から押圧力が加わったとしても、この押圧力は弾性
シートが変形することによって吸収緩和される。そのた
め、半導体素子への応力の集中を防止しつつ、この半導
体素子の熱をシールド板に熱伝導により直に逃がすこと
ができる。
【0047】請求項12の構成によれば、半導体素子か
らパッケージカバーに直接伝えられた熱は、第2の弾性
シートばかりでなく、熱伝導板の接触片にも伝えられ
る。この接触片が連なる基部は、第2の弾性シートと同
様にシールド板に重ねられているので、パッケージカバ
ーに伝えられた熱は、熱伝導板と第2の弾性シートの双
方を通じてシールド板へ伝えられる。そのため、パッケ
ージカバーからシールド板への熱伝導を効率良く行なう
ことができる。
【0048】請求項13の構成によれば、シールド板に
伝えられた熱は、さらに筐体の上壁に伝わるので、この
上壁を放熱面として利用することができ、半導体素子の
熱を筐体の外部に効率良く逃すことができる。
【0049】請求項14の構成によれば、回路基板とフ
レームとの接触面積を充分に確保することができ、半導
体素子の動作時の熱を、回路基板からフレームに効率良
く逃がすことができる。
【0050】請求項15の構成によれば、フレーム自体
が筐体と略同じ大きさを有するので、フレームの放熱面
積が増大し、単位面積当たりの熱量を減らすことができ
る。そのため、フレームと外部との温度差が小さくな
り、筐体の内部が局部的に高温となるのを防止できる。
それとともに、筐体の全表面を放熱面として活用するこ
とができ、放熱効果が向上する。
【0051】請求項16の構成によれば、筐体に衝撃が
加わったとしても、この衝撃は弾性シートが変形するこ
とにより吸収緩和される。そのため、機械的強度が弱い
TCPの耐衝撃性能を確保しつつ、回路基板からフレー
ムへの熱伝導性を良好に維持することができる。
【0052】請求項17の構成によれば、半導体素子の
熱が回路基板を介してフレームに伝えらると、この熱の
一部は、ヒートパイプによって吸収される。この熱の吸
収により、ヒートパイプ内の作動液が蒸発し、この蒸気
がヒートパイプ内を高速で移動するので、上記熱は、ヒ
ートパイプを通じて上記フレームにおける半導体素子か
ら遠ざかった位置に輸送される。このため、フレームに
伝えられた熱を、このフレームの広範囲に亘って積極的
に拡散することができ、フレーム本来の熱伝導機能と合
わせて、フレーム全体の温度を均等化することができ
る。
【0053】
【実施例】以下本発明の一実施例を、ブック形のポータ
ブルコンピュータに適用した図面にもとづいて説明す
る。
【0054】図1は、A4サイズのブック形のポータブ
ルコンピュータ1を示している。このコンピュータ1
は、ベースユニット2を備えている。このベースユニッ
ト2は、四角形箱状をなす筐体3を有し、この筐体3
は、ロアハウジング4とアッパハウジング5とに分割さ
れている。これらロアハウジング4およびアッパハウジ
ング5は、例えばABS樹脂のような合成樹脂材料にて
構成されている。
【0055】図2に示すように、ロアハウジング4は、
平坦な矩形状の底壁4aと、この底壁4aに連なる四つ
の周壁4bとを有している。アッパハウジング5は、略
平坦な矩形状の上壁5aと、この上壁5aに連なる四つ
の周壁5bとを有している。上壁5aは、底壁4aと互
いに平行をなして向い合っている。また、アッパハウジ
ング5の周壁5bは、ロアハウジング4の周壁4bに連
なっており、これら周壁4b,5bによって筐体3の前
面、左右の側面および後面が構成されている。
【0056】図1に示すように、アッパハウジング5の
上壁5aの前半部には、キーボード導出口7が開口され
ている。この上壁5aの後半部には、中空の凸部8が形
成されている。凸部8は、上壁5aの後端部において、
アッパハウジング5の幅方向に延びており、この凸部8
の左右両端部には、脚取り付け凹部9a,9bが形成さ
れている。
【0057】筐体3は、バッテリ収容部11を一体に備
えている。バッテリ収容部11は、ロアハウジング4の
前半部の左端部に位置されている。このバッテリ収容部
11は、ロアハウジング4の前面から底面にかけて連続
して開放されている。このバッテリ収容部11には、バ
ッテリパック12が取り外し可能に装着されている。バ
ッテリパック12は、コンピュータ1を商用電源が得ら
れない場所で使用する場合に、その駆動用電源となるも
のである。このバッテリパック12は、筐体3の前面側
からバッテリ収容部11に出し入れされるようになって
いる。
【0058】図10に示すように、筐体3の内部には、
フロッピーディスク駆動装置13(以下FDDと称す)
が収容されている。FDD13は、筐体3の前半部の右
端部に配置されている。このFDD13は、フロッピー
ディスクを出し入れするディスク挿入口14と、フロッ
ピーディスクを取り出す際に押圧するイジェクトボタン
15とを備えている。これらディスク挿入口14やイジ
ェクトボタン15は、筐体3の前面に露出されている。
【0059】図2に示すように、筐体3の内部には、ハ
ードディスク駆動装置17(以下HDDと称する)が収
容されている。HDD17は、上記バッテリ収容部11
とFDD13との間に配置されている。このHDD17
は、ロアハウジング1の底壁4aに開けた挿入口18を
通じて筐体3の内部に出し入れされるようになってい
る。この挿入口18は、取り外し可能なHDDカバー1
9によって覆われている。
【0060】また、筐体3の内部には、第1ないし第4
の回路基板21a〜21dが収容されている。これら回
路基板21a〜21dは、上記バッテリパック12、F
DD13およびHDD17の後方において、ロアハウジ
ング4の底壁4aと平行な姿勢で、このロアハウジング
4の厚み方向に間隔を存して配置されている。
【0061】第1および第2の回路基板21a,21b
は、ロアハウジング4の全幅に亘る長さを有する長方形
状をなしている。これら第1および第2の回路基板21
a,21bの両面には、複数のコネクタ22およびLS
Iパッケーシとしての複数のQFP(quad flat packag
e )23やTCP(tape carrier package)24が実装
されている。本実施例の場合は、上段に位置する第1の
回路基板21aがシステム基板となっており、この回路
基板21aの上面の右端部に上記TCP24が配置され
ている。
【0062】TCP24は、図12の(A)や図13に
示すように、樹脂フィルムからなるキャリア25と、こ
のキャリア25に支持された半導体素子26とを備えて
いる。キャリア25には、銅箔からなる数多くのリード
27がエッチングにより形成されており、これらリード
27と半導体素子26のバンプとが一括してボンディン
グされている。半導体素子26とリード27との接続部
は、ポッティング樹脂28によって封止されており、こ
の半導体素子26の裏面26aは、ポッティング樹脂2
8でコートされることなく、そのまま外部に露出されて
いる。
【0063】半導体素子26の裏面26aは、熱伝導性
を有する接着剤29を介して第1の回路基板21aの上
面に接着されている。そして、この半導体素子26に接
続されたリード27の先端は、キャリア25の四辺に導
出されており、これらリード27の先端が、第1の回路
基板21a上の配線パターン30に半田付けされてい
る。
【0064】なお、このTCP24は、コンピュータ1
の機能の多用化要求に伴う高速および大容量化のため
に、動作中の発熱量が非常に大きなものとなっている。
【0065】上記第1の回路基板21aの下方に位置す
る第2の回路基板21bは、入出力基板となっている。
第2の回路基板21bは、スタッキングコネクタを介し
て上記第1の回路基板21aと接続されており、この第
2の回路基板21bに上記FDD13やHDD17が接
続されている。
【0066】第3および第4の回路基板21c,21d
は、第1の回路基板21aと第2の回路基板21bとの
間に配置されている。第3の回路基板21cは、スタッ
キングコネクタを介して第1の回路基板21aの下面に
接続されている。この第3の回路基板21cは電源基板
であり、この第3の回路基板21cに上記バッテリパッ
ク12が接続されるようになっている。
【0067】第4の回路基板21dは音響基板であり、
この第4の回路基板21dは、スタッキングコネクタを
介して第2の回路基板21bの上面に接続されている。
【0068】図11に示すように、第2の回路基板21
bの後端部には、例えばプリンタや外部CRTディスプ
レイのような周辺機器を接続するための複数のインタフ
ェースコネクタ33と、これらインタフェースコネクタ
33と回路基板21bとの接続部を後方から覆う板金製
のコネクタパネル34とが取り付けられている。インタ
フェースコネクタ33は、ロアハウジング4の後面のコ
ネクタ導出口35に臨んでおり、このロアハウジング4
の後面には、インタフェースコネクタ33を露出させた
り、覆い隠すためのコネクタカバー36が取り付けられ
ている。
【0069】ところで、第1ないし第4の回路基板21
a〜21dは、上記FDD13と共にフレーム41に支
持されている。フレーム41は、図3や図4に示すよう
に、FDD13を支持するFDD支持部42と、第1な
いし第4の回路基板21a〜21dを支持する基板支持
部43と、キーボード支持部44とを一体に備えてい
る。本実施例のフレーム41は、熱伝導性を有するマグ
ネシウム合金をダイキャスト成形したもので、図9に示
すように、ロアハウジング4の内側にきっちりと嵌まり
込むようになっている。そのため、フレーム41は、ロ
アハウジング4と略同じ大きさを有している。
【0070】FDD支持部42は、左右の側壁46a,
46bと、これら側壁46a,46bの間に跨がる底壁
47および上壁48とを有している。そして、図3に示
すように、上記側壁46a,46b、底壁47および上
壁48とで囲まれた部分にFDD13が差し込まれてお
り、このFDD13の左右側面が側壁46a,46bに
ねじ止めされている。
【0071】基板支持部43は、FDD支持部42の後
端部から左側に向けて延びており、ロアハウジング4の
略全幅に亘る長さを有している。この基板支持部43
は、上記第1および第2の回路基板21a,21bを取
り囲む四角形枠状の壁部51を有している。壁部51
は、ロアハウジング4の深さ方向に延びており、この壁
部51の上端部と下端部とには、第1および第2の回路
基板21a,21bの周縁部を受ける第1の受け座52
と第2の受け座53とが形成されている。
【0072】また、壁部51は、複数のねじ受け部55
を備えている。ねじ受け部55は、壁部51の周方向に
間隔を存して配置されており、これらねじ受け部55の
上面および下面は、上記第1および第2の受け座52,
53に夫々連なっている。
【0073】図3に示すように、第1の回路基板21a
は、基板支持部43の上部の第1の受け座52に重ねら
れている。そして、第1の回路基板21aは、その周縁
部の複数箇所がねじ57を介してねじ受け部55の上面
に固定されており、このことにより第1の回路基板21
aが第1の受け座52に保持されている。
【0074】図4に示すように、第2の回路基板21b
は、基板支持部43の下部の第2の受け座53に重ねら
れている。そして、第2の回路基板21bは、その周縁
部の複数箇所がねじ58を介してねじ受け部55の下面
に固定されており、このことにより第2の回路基板21
bが第2の受け部53に保持されている。
【0075】基板支持部43を構成する壁部51のう
ち、この基板支持部43の前面と後面となる部分には、
複数の支持凸部51a,51bが形成されている。支持
凸部51a,51bは、第1および第2の受け座52,
53よりもフレーム41の上方および下方に突出されて
いる。このため、支持凸部51a,51bは、第1およ
び第2の回路基板21a,21bよりもフレーム41の
上方および下方に張り出している。
【0076】上記キーボード支持部44は、基板支持部
42の前面となる壁部51と、FDD支持部42の左側
の側壁46aとの間に跨がるような平坦な四角形板状を
なしている。このキーボード支持部44は、FDD支持
部42の上壁48に略面一に連続されている。このた
め、フレーム41の前半部は、略平坦な板状をなしてい
る。
【0077】図10に示すように、フレーム41の前半
部には、キーボード60が重ね合わされている。キーボ
ード60は、上記キーボード支持部44の上面から上壁
48の上面に亘って配置されるキーボードパネル61を
備えている。キーボードパネル61の上面には、多数の
キー62と、ポインティングデバイスの一種であるジョ
イスティック63とが配置されている。キーボードパネ
ル61の下面は、金属製の補強板64によって覆われて
おり、この補強板64がキーボード支持部44の上面お
よび上壁48の上面に重ね合わされている。そして、キ
ーボード60は、図示しない配線基板を介して第1の回
路基板21aに接続されている。
【0078】フレーム41の基板支持部43には、第1
のシールド板67と第2のシールド板68とが取り付け
られている。第1のシールド板67は、図3に示すよう
に、第1の回路基板21aをフレーム41の上方から覆
っている。第2のシールド板68は、図4に示すよう
に、第2の回路基板21bをフレーム41の下方から覆
っている。これら第1および第2のシールド板67,6
8は、夫々熱伝導性を有する板金材にて構成されてい
る。
【0079】第1のシールド板67は、第1の回路基板
21aと略同じ大きさの平坦な基板部69を有してい
る。基板部69は、その前側の縁部と後側の縁部に、下
向きに折り曲げられたフランジ部70,71を有してい
る。これらフランジ部70,71は、上記基板支持部4
3の支持凸部51aに上方から被さっている。
【0080】基板部69は、下向きに折り曲げられた複
数の舌片72を有している。舌片72は、基板支持部4
3のねじ受け部55に対応して位置されており、これら
舌片72は、上記ねじ57を介して第1の回路基板21
aに共締めされている。
【0081】基板部69は、左右方向に延びる細長いパ
ネル取り付け部75を有している。パネル取り付け部7
5は、基板部69を凹ませて構成したもので、このパネ
ル取り付け部75には、図10に示すように、液晶表示
パネル76が嵌め込まれている。液晶表示パネル76
は、コンピュータ1の動作状態を表示するためのもの
で、上記アッパハウジング5の上壁5aに開けた表示窓
77を通じて外方に露出されるようになっている。
【0082】なお、液晶表示パネル76には、フレキシ
ブルな配線基板78を介してコネクタ79が接続されて
おり、このコネクタ79は、第1の回路基板21aに接
続されている。
【0083】図3に示すように、基板部69と第1の回
路基板21aとの間には、偏平な円盤状をなすスピーカ
81が配置されている。スピーカ81は、図示しないス
ピーカホルダを介して第1の回路基板21aの上面に保
持されている。スピーカ81は、基板部69に開けたス
ピーカ孔82を通じてアッパハウジング5の上壁5と対
向されている。この上壁5には、スピーカ81からの音
を筐体3の外部に出すための多数の小孔83が開口され
ている。
【0084】図4や図11に示すように、第2のシール
ド板68は、第2の回路基板21bと略同じ大きさの平
坦な基板部85を有している。基板部85は、その後端
の縁部に上向きに折り曲げられたフランジ部86を有し
ている。このフランジ部86は、上記コネクタパネル3
4の下端部に被さっている。また、基板部85は、上向
きに折り曲げられた複数の舌片87を有している。舌片
87は、基板支持部43のねじ受け部55に対応して位
置されており、これら舌片87は、上記ねじ58を介し
て第2の回路基板21bに共締めされている。
【0085】図3や図4に示すように、上記基板支持部
43は、第1の回路基板21aと第2の回路基板21b
との間に介在される仕切り壁90を一体に備えている。
仕切り壁90は、基板支持部43の右端部において、上
記第1および第2の回路基板21a,21bと平行な姿
勢で配置されている。この仕切り壁90は、上記FDD
支持部42の後方に位置されるとともに、このFDD支
持部42の上壁48に連なっている。
【0086】この仕切り壁90と第2の回路基板21b
との間には、図11に示すように、カード収容部91が
形成されている。カード収容部91は、基板支持部43
の右側面に開口されている。カード収容部91には、外
部との通信を行なうためのインタフェースカードあるい
はアプリケーションプログラムが格納されたアプリケー
ションカードのような拡張カード92を収容するための
もので、このカード収容部91の終端部には、拡張カー
ド92が接続されるカードコネクタ(図示せず)が配置
されている。
【0087】カード収容部91には、金属製のカバー9
3が配置されている。カバー93は、カード収容部91
の上面、左右の側面および後面を覆っており、拡張カー
ド92とカードコネクタとの接続部分に生じるノイズが
カード収容部91の外方に漏洩するのを防いでいる。
【0088】図4に示すように、上記FDD支持部42
の底部には、拡張用回路基板95が配置されている。拡
張用回路基板95の下面は、板金製のシールド板96に
よって覆われており、このシールド板96がねじ97を
介してFDD支持部42の底壁47に支持されている。
そして、拡張用回路基板95は、フレキシブルな配線基
板98を介して第2の回路基板21bに接続されてい
る。
【0089】また、FDD支持部42の底壁47には、
電池支持部100が形成されている。電池支持部100
には、RTC(リアルタイムクロック)電池101が取
り外し可能に支持されている。RTC電池101は、ケ
ーブル102を介して拡張用回路基板95に接続されて
いる。
【0090】上記FDD13や第1および第2の回路基
板21a,21bが支持されたフレーム41は、図10
に示すように、ロアハウジング4の内部に上方から嵌め
込まれる。この嵌め込みにより、フレーム41の周縁部
がロアハウジング4の周壁4bの内面に接するととも
に、FDD支持部42の左側の側壁46aの下縁および
基板支持部43の支持凸部51bの下縁がロアハウジン
グ4の底壁4aに接するようになっている。
【0091】そして、ロアハウジング4の内部にフレー
ム41が嵌め込まれた状態で、このロアハウジング4に
アッパハウジング5が被せられるようになっている。こ
れらロアハウジング4、アッパハウジング5およびフレ
ーム41は、図11に示すねじ103を介して一体的に
結合されている。
【0092】すなわち、このねじ103は、ロアハウジ
ング4の底壁4a側から挿通されており、その挿通端が
上記フレーム41のねじ受け部55を貫通してアッパハ
ウジング5の上壁5aにねじ込まれている。このねじ込
みにより、ロアハウジング4とアッパハウジング5とが
分離不能に連結され、これらハウジング4,5の間でフ
レーム41が挾み込まれるとともに、アッパハウジング
5の上壁5aの下面に、第1のシールド板67の上面が
接するようになっている。
【0093】アッパハウジング5がロアハウジング4に
結合されると、図11に示すように、上記キーボードパ
ネル61の周縁部が、キーボード導出口7の開口周縁部
とキーボード支持部44およびFDD支持部42の上壁
48との間で挾み込まれる。このことにより、キーボー
ド60が筐体3に固定され、そのキー62やジョイステ
ィック63がキーボード導出口7の内側に配置されるよ
うになっている。
【0094】図1や図10に示すように、ロアハウジン
グ4の右側面には、カード収容部91に連なるカード挿
入口105が開口されている。このカード挿入口105
は、カードカバー106によって開閉されるようになっ
ている。
【0095】また、図10に示すように、上記フレーム
41の基板支持部43には、フラットパネル形のディス
プレイユニット110が支持されている。ディスプレイ
ユニット110は、箱状をなすハウジング111と、こ
のハウジング111内に収容された液晶ディスプレイ1
12とを備えている。
【0096】ハウジング111は、一対の枢支用脚部1
15a,115bを備えている。枢支用脚部115a,
115bは、上記アッパハウジング5の脚取り付け凹部
9a,9bに差し込まれ、夫々ヒンジ金具116a,1
16bを介してフレーム41の基板支持部43に回動可
能に支持されている。
【0097】液晶ディスプレイ112は、その駆動回路
に接続されたケーブル117を備えている。ケーブル1
17は、図10に示すように、左側の枢支用脚部115
aから引き出されており、このケーブル117の先端の
コネクタ118が第1の回路基板21aに接続されるよ
うになっている。
【0098】なお、上記ロアハウジング4の前面の中央
部には、一対の操作ボタン119a,119bが左右に
並べて配置されている。操作ボタン119a,119b
は、液晶ディスプレイ112上に表示されたコマンドの
取り消しおよび実行を行なうためのもので、上記キーボ
ード60を操作しながら押圧し得るように、ロアハウジ
ング4の前面から僅かに突出されている。
【0099】ところで、このような構成のコンピュータ
1において、上記第1の回路基板21a上のTCP24
は、フレーム41や第1のシールド板67を利用するこ
とで放熱性能を高めており、以下このTCP24の放熱
構造について説明する。
【0100】図12の(A)に示すように、第1の回路
基板21aは、TCP24との対向部に多数の通孔13
1を有している。通孔131は、第1の回路基板21a
を厚み方向に貫通して形成されている。これら通孔13
1の一端は、半導体素子26が接着される第1の回路基
板21aの上面に開口されているとともに、通孔131
の他端は、上記仕切り壁90と向かい合う第1の回路基
板21aの下面に開口されている。そして、各通孔13
1の内面には、図12の(B)に示すように、熱伝導性
に優れた銅メッキが施されており、この内面全面がメッ
キ層132によって覆われている。
【0101】また、第1の回路基板21aの上面および
下面には、夫々銅箔を被着してなる伝熱層133a,1
33bが形成されている。伝熱層133a,133b
は、通孔131の開口部分に位置されており、これら各
通孔131の内面のメッキ層131に連なっている。そ
のため、TCP24の半導体素子26は、上記伝熱層1
33aの上に熱伝導性の接着剤29を介して接着されて
いる。
【0102】上記仕切り壁90の上面には、座部135
が一体に突設されている。座部135は、第1の回路基
板21aの下面と向かい合う平坦な座面136を有して
いる。座面136の面積は、上記半導体素子26と第1
の回路基板21aとの接触部分の面積よりも大きく定め
られており、この座面136と第1の回路基板21aと
の接触面積が充分に確保されている。
【0103】第1の回路基板21aの下面と座面136
との間には、軟質な弾性シート137が挾み込まれてい
る。弾性シート137は、例えばシリコーン樹脂にアル
ミナを添加してなるゴム状の弾性体であり、熱伝導性を
有している。このため、第1の回路基板21aの下面
は、弾性シート137を介してフレーム41の座面13
6に面接触されている。
【0104】座部135の下面には、下向きに開放され
た凹部139が形成されている。この凹部139の終端
面139aは、座面136の直下に位置されており、こ
の終端面139a上には、図6に示すような多数の凹凸
からなる放熱フィン140が形成されている。
【0105】また、図6ないし図8に示すように、上記
フレーム41のキーボード支持部44の下面およびこの
キーボード支持部44に連なる上壁48の下面には、ガ
イド溝142が形成されている。ガイド溝142は、フ
レーム41の左右方向に沿って直線状に延びている。ガ
イド溝142の一端は、上壁48から仕切り壁90に向
けて後方に延長されており、このガイド溝142の延長
端部142aは、上記凹部139の終端面139aに導
かれている。
【0106】ガイド溝142の他端は、キーボード支持
部44の中間部において、基板支持部43から遠ざかる
ように前方に向けて延長されており、このガイド溝14
2の延長端部142bは、上記バッテリ収容部11の真
上に位置されている。そのため、ガイド溝142は、略
S字状に蛇行されており、その他端側に位置する延長端
部142bが上記座部135から大きく遠ざかった位置
に導かれている。
【0107】このガイド溝142には、ヒートパイプ1
45が挿通配置されている。ヒートパイプ145は、従
来周知のものと同様の構成であり、作動液が封入された
金属パイプ146を備えている。このヒートパイプ14
5は、ガイド溝142の全長に亘って、このガイド溝1
42の内面に接触されている。
【0108】図8に示すように、ヒートパイプ145の
一端部は、凹部139に導かれている。この凹部139
の開口端部には、金属製の第1のパイプ押え147が嵌
合されている。第1のパイプ押え147は、ねじ148
を介して凹部139の終端面139aに固定されてお
り、上記ヒートパイプ145の一端部を凹部139に抜
け止め保持している。
【0109】ガイド溝142の延長端部142bが位置
されたキーボード支持部44の下面には、金属製の第2
のパイプ押え150が重ね合わされている。第2のパイ
プ押え150は、ねじ151を介してキーボード支持部
44に固定されており、上記ヒートパイプ145の他端
部をキーボード支持部44に抜け止め保持している。そ
して、このキーボード支持部44の上面には、第2のパ
イプ押え150に対応した位置に、凹凸からなる複数の
放熱フィン152が一体成形されている。
【0110】キーボード支持部44には、複数の肉抜き
孔153が開口されている。肉抜き孔153は、フレー
ム41のダイキャスト成形時に一体成形したもので、こ
れら肉抜き孔153は、ヒートパイプ145の他端部に
隣接して位置されている。
【0111】図6や図8に示すように、上記キーボード
支持部44の下面およびFDD支持部42の上壁48の
下面には、多数の放熱フィン154が一体成形されてい
る。放熱フィン154は、キーボード支持部44の下面
および上壁48の下面を溝状に凹ませることで構成され
ている。これら放熱フィン154は、ヒートパイプ14
5に隣接した位置において、互いに並んで配置されてい
る。
【0112】なお、図5に示すように、仕切り壁90の
端部にも、多数の放熱フィン155が一体成形されてい
る。
【0113】図12に示すように、第1の回路基板21
aの上面には、TCP24を衝撃から保護するパッケー
ジカバー161が配置されている。パッケージカバー1
61は、金属製の四角いパネル162と、このパネル1
62の下面に接着された合成樹脂製の絶縁材163とを
備えている。パネル162は、TCP24全体を上方か
ら覆う大きさを有し、その下面中央部が半導体素子26
の上面と向かい合っている。絶縁材163は、パネル1
62の周縁部に沿うような四角形枠状をなしている。こ
の絶縁材163は、TCP24のリード27と配線パタ
ーン30との接続部を取り囲んだ状態で、第1の回路基
板21aの上面に接着されている。
【0114】パネル162と半導体素子26との間に
は、軟質な第1の弾性シート165が介在されている。
第1の弾性シート165は、例えばシリコーン樹脂にア
ルミナを添加してなるゴム状の弾性体であり、熱伝導性
を有している。この第1の弾性シート165は、パネル
162の下面と半導体素子26の表面とに面接触されて
おり、半導体素子26の熱を直接パネル162に伝える
ようになっている。
【0115】パネル162の上面は、上記第1のシール
ド板67の基板部69と向かい合っている。これらパネ
ル162と基板部69との間には、軟質な第2の弾性シ
ート166が挾み込まれている。第2の弾性シート16
6は、上記第1の弾性シート165と同様に、例えばシ
リコーン樹脂にアルミナを添加してなるゴム状の弾性体
にて構成され、熱伝導性を有している。この第2の弾性
シート166の肉厚は、第1の弾性シート165の肉厚
よりも厚く形成されている。第2の弾性シート166
は、パネル162の上面と基板部69の下面とに面接触
されており、パネル162に伝えられた半導体素子26
の熱を基板部69に伝えるようになっている。
【0116】また、図13に示すように、上記パネル1
62には、パッケージカバー161でTCP24を覆う
際に、このTCP24に対するパッケージカバー161
の位置を確認するための小孔167a,167bが開口
されている。
【0117】図14に示すように、上記基板部69の下
面には、薄い銅板からなる熱伝導板171が取り付けら
れている。熱伝導板171は、基板部69の下面にかし
め止めされた板状の基部172を備え、この基部172
は、基板部69の下面に面接触されている。基部172
は、上記パッケージカバー161との対向部に四角い開
口174を有している。この開口174の四つの開口周
縁には、下向きに延びる複数の接触片173が一体に形
成されている。これら接触片173は、上下方向に弾性
変形が可能であり、夫々の接触片173の先端が、上記
パネル162の上面に弾性的に押し付けられている。
【0118】なお、図11に示すように、アッパハウジ
ング5の後面には複数の通気口176が開口されてい
る。通気口176は、第1の回路基板21aの上端右端
部に隣接されており、これら通気口176の存在によ
り、上記TCP24回りの通気性が高められている。
【0119】このような構成のコンピュータ1におい
て、コンピュータ1の動作時には、TCP24の電力消
費により半導体素子26が発熱する。すると、この半導
体素子26は、ポッティング樹脂28によってコートさ
れていない裏面26aが熱伝導性の接着剤29を介して
第1の回路基板21aに接着されているので、この半導
体素子26の熱が第1の回路基板21aに直に逃がされ
る。
【0120】また、第1の回路基板21aを支持するフ
レーム41は、TCP24と対応する位置において、第
1の回路基板21aの下面に接する座部135を備えて
いるので、第1の回路基板21aに逃がされた熱は、座
部135の座面136を通じてフレーム41の基板支持
部43に伝えられる。
【0121】この際、第1の回路基板21aには、半導
体素子26の接着面と座面136の接触面との間を結ぶ
多数の通孔131が開口されているから、これら通孔1
31の内部の空間が半導体素子26の熱を直接座面13
6に伝えるための通路となる。
【0122】しかも、第1の回路基板21aの半導体素
子26との接着面および座面136との接触面には、夫
々伝熱層133a,133bが形成され、これら伝熱層
133a,133bは、通孔131の内面を覆うメッキ
層132に連なっているので、半導体素子26の熱は、
第1の回路基板21aばかりでなく、伝熱層133a,
133bやメッキ層132を通じて座部135に伝えら
れる。そのため、TCP24が実装された第1の回路基
板21aには、熱伝導性を高めるための対策が施されて
いることになり、半導体素子26の熱をフレーム41の
基板支持部43により効率良く逃がすことができる。
【0123】そして、このフレーム41は、熱を伝え易
いマグネシウム合金製であるから、基板支持部43に伝
えられた熱は、この基板支持部43からFDD支持部4
2やキーボード支持部44に熱伝導される。そのため、
半導体素子26の熱は、フレーム41の広い範囲に亘っ
て拡散されることになり、フレーム41に局部的な熱溜
まりが生じることはない。
【0124】特に、本実施例の場合は、フレーム41に
沿ってヒートパイプ145が取り付けられており、この
ヒートパイプ145の一端は、座部135に導かれてい
るとともに、このヒートパイプ145の他端は、座部1
35から遠ざかったキーボード支持部44に導かれてい
る。そのため、半導体素子26の熱が座部135に伝え
られると、この熱の二割ないし三割程度がヒートパイプ
145の一端部によって吸収される。この熱の吸収によ
り、ヒートパイプ145内の作動液が蒸発し、その蒸気
がヒートパイプ145内を他端部に向けて高速で移動す
る。
【0125】この結果、座部135回りの熱がヒートパ
イプ145を介してキーボード支持部44に強制的に持
ち去られるので、熱の拡散が積極的に行なわれることに
なり、フレーム41の温度を均等化することができる。
そして、このフレーム41は、筐体3のロアハウジング
4と略同じ大きさを有するので、フレーム41の放熱面
積が増大し、このフレーム41の単位面積当たりの熱量
が少なくなる。
【0126】このようにして半導体素子26の熱が伝え
られるフレーム41は、ロアハウジング4の底壁4aや
周壁4bに接しているので、フレーム41に伝えられた
熱は、最終的にロアハウジング4に逃がされ、このロア
ハウジング4の底壁4aや周壁4bから外部に放熱され
る。
【0127】一方、ポッティング樹脂28によってコー
トされた半導体素子26の表面は、第1の弾性シート1
65を介してパッケージカバー161のパネル162に
接触し、このパネル162は、第2の弾性シート166
を介して第1のシールド板67に接している。そのた
め、半導体素子26の熱は、第1の弾性シート165か
らパネル162、さらにはこのパネル162から第2の
弾性シート166を介して第1のシールド板67に逃が
されることになる。
【0128】また、第1のシールド板67に取り付けら
れた熱伝導板171は、パネル162に接する接触片1
73を有するので、パネル162に伝えられた熱は、接
触片173を介して第1のシールド板67に逃がされ
る。第1のシールド板67は、上記フレーム41と同様
に、熱伝導性に優れた金属製であるから、ここに伝えら
れた熱は、熱伝導によって第1のシールド板67の全面
に亘って広く拡散される。そして、第1のシールド板6
7は、アッパハウジング5の上壁5aに接しているの
で、半導体素子26の熱は、アッパハウジング5の上壁
5aからも外部に放熱される。
【0129】したがって、従来一般的な放熱フィンによ
る冷却が困難とされるTCP24においても、その半導
体素子26の熱を、裏面側のフレーム41や表面側の第
1のシールド板67の双方に逃がすことができる。この
ことから、格別な放熱フィンやヒートシンクを用いるこ
となく、TCP24の低熱抵抗化を実現することがで
き、このTCP24の放熱効果を無理なく高めることが
できる。
【0130】また、上記構成によれば、半導体素子26
の表面とパッケージカバー161およびパッケージカバ
ー161と第1のシールド板67との間に、熱伝導性を
有する軟質な第1および第2の弾性シート165,16
6を介在させたので、アッパハウジング5の上壁5aを
通じて第1のシールド板67を押圧するような外力が加
わった場合でも、この外力は、弾性シート165,16
6が変形することによって吸収緩和される。そのため、
半導体素子26への応力の集中を防止でき、この半導体
素子26の表面からも放熱を行なうことができる。
【0131】また、TCP24が実装された第1の回路
基板21aとフレーム41の座面136との間にも、熱
伝導性を有する軟質な弾性シート137を介在させたの
で、筐体3からフレーム41に衝撃が加わったような場
合でも、この衝撃は、弾性シート137が変形すること
で吸収緩和される。
【0132】この結果、機械的強度が弱いTCP24の
耐衝撃性能を確保しつつ、フレーム41や第1のシール
ド板67への熱伝導性を良好とすることができ、TCP
24の放熱を効率良く行なうことができる。
【0133】さらに、上記フレーム41は、多数の放熱
フィン152,154,155を有しているので、その
分、フレーム41の表面積が増大し、フレーム41自体
の放熱効果を高めることができる。
【0134】加えて、放熱フィン152,154,15
5は、フレーム41のダイキャスト成形時に一体成形さ
れるので、このダイキャスト成形時の偏肉の発生を防止
でき、フレーム41に反りや変形が生じ難くなる。そし
て、放熱フィン154,155は、フレーム41の下面
を溝状に凹ませることで構成されるので、フレーム41
の軽量化にも寄与することになる。
【0135】しかも、放熱フィン152,154,15
5は、上記ヒートパイプ145に隣接して配置されてい
るので、ヒートパイプ145の放熱性が良好となる。そ
のため、ヒートパイプ145の作動液の凝縮が促進さ
れ、この凝縮した作動液が熱の入力部である座部135
に対し連続して還流される。よって、ヒートパイプ14
5による熱の輸送を効率良く行なえ、座部135に伝え
られた半導体素子26の熱をフレーム41の広い範囲に
亘って拡散することができる。
【0136】また、上記構成によると、半導体素子26
の熱が伝えられるフレーム41は、FDD13を支持し
ているとともに、HDD17やバッテリパック12に隣
接しているので、フレーム41への熱伝導によってFD
D13,HDD17およびバッテリパック12の周囲温
度が高くなる虞れがある。
【0137】しかるに、フレーム41は、放熱面積が充
分に確保されていると同時に、熱伝導性が良好であるか
ら、熱抵抗が小さく抑えられ、フレーム41の各部と外
部との温度差が小さくなる。そのため、筐体3の内部が
局部的に高温となることもなく、FDD13,HDD1
7およびバッテリパック12への熱影響を小さく抑える
ことができる。
【0138】それとともに、上記構成の場合、ヒートパ
イプ145を通じて半導体素子26の熱が導かれるキー
ボード支持部44は、逆に熱を伝えたくないバッテリパ
ック12の真上に位置されている。しかるに、このキー
ボード支持部44には、ヒートパイプ145に隣接した
位置に、数多くの肉抜き孔153が存在するので、逆に
放熱面積が少なくなっており、バッテリパック12の周
囲への放熱を制限することができる。そして、この場
合、肉抜き孔153の開口縁部が一種の放熱フィンとし
て機能するので、この肉抜き孔153を通じて放熱を行
なうことができる。
【0139】したがって、バッテリパック12の周囲温
度の上昇を防止しつつ、フレーム41の放熱を行なうと
いった、相反する要求を両立させることができる。
【0140】また、上記構成によると、ヒートパイプ1
45を利用して熱の拡散を促進させているので、フレー
ム41自体をアルミニウム合金のような高熱伝導材料に
比べて熱伝導率は劣るけれども、はるかに軽量なマグネ
シウム合金で構成することができる。そのため、ロアハ
ウジング4と略同じ大きさを有するフレーム41を軽量
化することができ、携帯性が重要視されるコンピュータ
1において好都合となるといった利点がある。
【0141】なお、本発明は、上記実施例に特定される
ものではなく、本発明の範囲内で種々変更して実施可能
である。
【0142】例えば、フレームはマグネシウム合金のよ
うな金属材料に特定されず、軽量化を犠牲とすれば、例
えばアルミニウム合金を用いることもできる。そして、
この場合には、熱の拡散をより効率良く行なうことがで
き、TCPの放熱性を高めることができる。
【0143】また、本発明に係る携帯形電子機器は、ブ
ック形のポータブルコンピュータに特定されるものでは
なく、例えばワードプロセッサのような他の携帯形の情
報処理装置にも同様に実施可能である。
【0144】
【発明の効果】請求項1によれば、TCPの熱を回路基
板からフレームに直に逃がして、このフレーム全体に広
く拡散させることができる。そのため、TCPの熱をフ
レームの広い範囲から放熱させることができ、格別な放
熱ファンやヒートシンクを用いることなくTCPの放熱
性を高めることができ、このTCPの低熱抵抗化を実現
することができる。
【0145】請求項2によれば、回路基板とフレームと
の接触面積を充分に確保することができ、TCPの動作
時の熱を、回路基板からフレームに効率良く逃がすこと
ができる。
【0146】請求項3によれば、フレームの放熱面積が
増大し、単位面積当たりの熱量を減らすことができの
で、フレームと外部との温度差が小さくなり、筐体の内
部が局部的に高温となるのを防止できる。それととも
に、筐体の全表面を放熱面として活用することができ、
放熱効果が向上する。
【0147】請求項4によれば、筐体に衝撃が加わる
と、この衝撃は弾性シートが変形することで吸収緩和さ
れるので、機械的強度が弱いTCPの耐衝撃性能を確保
しつつ、フレームへの熱伝導性を良好とすることがで
き、TCPの放熱を効率良く行なうことができる。
【0148】請求項5によれば、通孔の内部の空間がT
CPの熱をフレーム側に直に伝える通路となり、TCP
の放熱効果を高めることができる。
【0149】請求項6によれば、回路基板にもフレーム
への熱伝導性を高めるための処理が施されるので、TC
Pの熱を効率良くフレームに逃がすことができる。
【0150】請求項7によれば、フレームに伝えられた
TCPの熱を、ヒートパイプを介してフレームの広範囲
に積極的に拡散することができ、フレーム本来の熱伝導
機能と合わせて、フレーム全体の温度を均等化すること
ができる。
【0151】請求項8によれば、放熱フィンの存在によ
りフレームの表面積が増大し、このフレームの放熱性が
向上する。しかも、ヒートパイプの放熱性も良好に保た
れるので、このヒートパイプによる熱の輸送を効率良く
行なうことができ、熱の拡散やそれに伴うTCPの放熱
効果を高めることができる。
【0152】請求項9によれば、熱が積極的に導かれる
第2の支持部は、肉抜き孔の存在により放熱面積が少な
くなっているので、フレームに支持された機器への熱影
響を少なく抑えることができる。それとともに、肉抜き
孔の開口縁部が一種の放熱フィンとしても機能するの
で、上記機器の周囲温度の上昇を防止しつつ、本来の放
熱機能も充分に維持することができる。
【0153】請求項10によれば、ヒートパイプを利用
してフレームへの熱の拡散を促進させているので、フレ
ーム自体をアルミニウム合金のような高熱伝導材料に比
べて熱伝導率は劣るけれども、はるかに軽量なマグネシ
ウム合金で構成することができ、電子機器全体の軽量化
に寄与する。
【0154】請求項11の構成によれば、TCPの熱を
回路基板を介してフレームに逃がすことができるととも
に、このフレームの広い範囲に亘って拡散させることが
できる。
【0155】また、このTCPの熱は、このTCPの表
面からも第1の弾性シートを介してパッケージカバーに
伝えられ、さらに、このパッケージカバーから第2の弾
性シートを介してシールド板に伝えられるので、TCP
の熱をフレームばかりでなく、回路基板を覆うシールド
板にも伝導によって直に逃がすことができる。そのた
め、格別な放熱ファンやヒートシンクを用いることな
く、TCPの低熱抵抗化を実現することができ、このT
CPの信頼性が向上する。
【0156】また、TCPとシールド板との間には、二
枚の弾性シートが介在されているから、シールド板側か
ら押圧力が加わったとしても、この押圧力は弾性シート
が変形することで吸収緩和される。そのため、機械的強
度が弱いTCPへの応力の集中を防止しつつ、このTC
Pの表面から放熱を行なうことができる。
【0157】請求項12によれば、TCPの表面からパ
ッケージカバーに伝えられた熱は、熱伝導板と第2の弾
性シートの双方を通じてシールド板へ伝えられるので、
パッケージカバーからシールド板への熱伝導が効率良く
行なわ、このTCPの熱をシールド板の広い範囲に直接
逃がして、シールド板上での熱の拡散を良好に行なうこ
とができる。
【0158】請求項13によれば、シールド板に伝えら
れた熱は、筐体の上壁に伝わるので、この上壁を放熱面
として利用することができ、TCPの熱を筐体の外部に
効率良く逃すことができる。
【0159】請求項14によれば、回路基板とフレーム
との接触面積を充分に確保することができ、TCPの動
作時の熱を、回路基板からフレームに効率良く逃がすこ
とができる。
【0160】請求項15によれば、フレームの放熱面積
が増大し、単位面積当たりの熱量を減らすことができ
る。そのため、フレームと外部との温度差が小さくな
り、筐体の内部が局部的に高温となるのを防止できると
ともに、筐体の全表面を放熱面として活用することがで
き、放熱効果が向上する。
【0161】請求項16によれば、筐体からフレームに
衝撃が加わったとしても、この衝撃は、弾性シートが変
形することで吸収緩和されるので、機械的強度が弱いT
CPの耐衝撃性能を確保しつつ、このTCPの放熱を効
率良く行なうことができる。請求項17によれば、TC
Pの熱は、ヒートパイプを通じてフレームにおけるTC
Pから遠ざかった位置に輸送されるので、フレームに伝
えられた熱を、このフレームの広範囲に亘って積極的に
拡散することができ、フレーム本来の熱伝導機能と合わ
せて、フレーム全体の温度を均等化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるポータブルコンピュ
ータの斜視図。
【図2】コンピュータを底側から見た斜視図。
【図3】フレームに、第1の回路基板、第1のシールド
板およびFDDを組み込む状態を分解して示す斜視図。
【図4】フレームを上下反転させ、このフレームに第2
の回路基板、第2のシールド板および拡張用回路基板を
組み込む状態を分解して示す斜視図。
【図5】フレームを表面側から見た斜視図。
【図6】フレームを裏面側から見た斜視図。
【図7】フレームを裏側から見た平面図。
【図8】フレームにヒートパイプを取り付けた状態を示
す斜視図。
【図9】ロアハウジングにフレームを組み込んだ状態を
示す斜視図。
【図10】回路基板やFDDを組み込んだフレームを、
キーボードやディスプレイユニット共にロアハウジング
に組み込む状態を分解して示す斜視図。
【図11】コンピュータの後半部の断面図。
【図12】(A)は、TCPの取り付け部分の断面図。
(B)は、回路基板の通孔部分を拡大して示す断面図。
【図13】回路基板上に実装されるTCPと、第1のシ
ールト板との位置関係を分解して示す斜視図。
【図14】第1のシールド板と第1の回路基板との位置
関係を示す斜視図。
【符号の説明】
3…筐体 4a…底壁 4b,5b…周壁 21a…回路基板(第1の回路基板) 24…TCP 26…半導体素子 41…フレーム 67…シールド板(第1のシールド板) 161…パッケージカバー 165…第1の弾性シート 166…第2の弾性シート

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底壁およびこの底壁に連なる周壁を有す
    る筐体と、 この筐体の内部に収容された金属製のフレームと、 このフレームに支持された状態で上記筐体の内部に収容
    された回路基板と、を備えている携帯形電子機器であっ
    て、 上記回路基板は、動作中に発熱する回路部品を含み、 この回路部品は、フィルムキャリアと、このフィルムキ
    ャリアに支持された半導体素子とを有するTCP(tape
    carrier package)であり、このTCPの半導体素子の
    裏面を上記回路基板に接着するとともに、 この回路基板を、上記半導体素子との対向部において上
    記フレームに接触させたことを特徴とする携帯形電子機
    器。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、上記フレーム
    は、上記半導体素子に対応した位置において上記回路基
    板に面接触される平坦な座面を有し、この座面の面積
    は、上記半導体素子と回路基板との接触部の面積よりも
    大きく定められていることを特徴とする携帯形電子機
    器。
  3. 【請求項3】 請求項2の記載において、上記フレーム
    は、上記回路基板を支持する第1の支持部と、記録装置
    のような各種の機器を支持する第2の支持部とを有し、
    これら第1および第2の支持部を含むフレーム全体が、
    上記筐体と略同じ大きさに定められていることを特徴と
    する携帯形電子機器。
  4. 【請求項4】 請求項2の記載において、上記座面と回
    路基板との間に、熱伝導性を有する軟質な弾性シートが
    介在されていることを特徴とする携帯形電子機器。
  5. 【請求項5】 請求項2の記載において、上記回路基板
    は、上記半導体素子との対向部に多数の通孔を有し、こ
    れら通孔の一端は、上記回路基板における半導体素子が
    接着される面に開口されているとともに、通孔の他端
    は、上記回路基板における座面と接触される面に開口さ
    れていることを特徴とする携帯形電子機器。
  6. 【請求項6】 請求項5の記載において、上記回路基板
    は、上記半導体素子との接触面および上記座面との接触
    面に、夫々放熱層を有し、また、上記通孔の内面は、熱
    伝導性のメッキ層によって覆われており、このメッキ層
    は、上記放熱層に連なっていることを特徴とする携帯形
    電子機器。
  7. 【請求項7】 請求項3の記載において、上記フレーム
    は、一端が上記座面に連なるとともに、他端が座面から
    遠ざかった位置に導かれるガイド溝を有し、このガイド
    溝にヒートパイプが挿通配置されていることを特徴とす
    る携帯形電子機器。
  8. 【請求項8】 請求項7の記載において、上記フレーム
    は、多数の放熱フィンを有し、これら放熱フィンは、上
    記ヒートパイプに隣接して配置されていることを特徴と
    する携帯形電子機器。
  9. 【請求項9】 請求項8の記載において、上記ヒートパ
    イプは、上記座面から上記フレームの第2の支持部に導
    かれており、この第2の支持部は、上記ヒートパイプの
    周囲に位置して、複数の肉抜き孔を有していることを特
    徴とする携帯形電子機器
  10. 【請求項10】 請求項8の記載において、上記フレー
    ムは、マグネシウム合金製であることを特徴とする携帯
    形電子機器。
  11. 【請求項11】 底壁およびこの底壁に連なる周壁を
    有する筐体と、 この筐体の内部に収容された金属製のフレームと、 このフレームに支持された状態で上記筐体の内部に収容
    され、この筐体の底壁と略平行をなす回路基板と、 上記フレームに支持され、上記回路基板を上方から覆う
    金属製のシールド板と、を備えている携帯形電子機器で
    あって、 上記回路基板は、上記シールド板と向い合う上面に動作
    中に発熱する回路部品を含み、 この回路部品は、フィルムキャリアと、このフィルムキ
    ャリアに支持された半導体素子とを有するTCP(tape
    carrier package)あり、このTCPの半導体素子の裏
    面を上記回路基板の上面に接着するとともに、 この回路基板の下面を、上記半導体素子との対向部にお
    いて上記フレームに接触させ、 また、上記回路基板の上面に、上記TCPの表面を覆う
    金属製のパッケージカバーを配置し、 このパッケージカバーと上記半導体素子との間に、熱伝
    導性を有する軟質な第1の弾性シートを介在させるとと
    もに、上記パッケージカバーと上記シールド板との間
    に、熱伝導性を有する軟質な第2の弾性シートを介在さ
    せたことを特徴とする携帯形電子機器。
  12. 【請求項12】 請求項11の記載において、上記シー
    ルド板は、上記回路基板と向い合う内面に金属製の熱伝
    導板を有し、この熱伝導板は、シールド板の内面に重ね
    合わされる基部と、この基部から一体に延出されて、上
    記パッケージカバーに接触する複数の接触片とを備えて
    いることを特徴とする携帯形電子機器。
  13. 【請求項13】 請求項11の記載において、上記筐体
    は、上記フレームを上方から覆う上壁を有し、この上壁
    の内面に上記シールド板が接していることを特徴とする
    携帯形電子機器。
  14. 【請求項14】 請求項11の記載において、上記フレ
    ームは、上記半導体素子に対応する位置において上記回
    路基板に面接触される平坦な座面を有し、この座面の面
    積は、上記半導体素子と回路基板との接触部の面積より
    も大きく定められていることを特徴とする携帯形電子機
    器。
  15. 【請求項15】 請求項13の記載において、上記フレ
    ームは、上記回路基板を支持する第1の支持部と、記録
    装置のような各種の機器を支持する第2の支持部とを有
    し、これら第1および第2の支持部を含むフレーム全体
    が、上記筐体と略同じ大きさに定められていることを特
    徴とする携帯形電子機器。
  16. 【請求項16】 請求項11の記載において、上記座面
    と回路基板との間に、熱伝導性を有する軟質な弾性シー
    トが介在されていることを特徴とする携帯形電子機器。
  17. 【請求項17】 請求項14の記載において、上記フレ
    ームは、一端が上記座部に連なるとともに、他端が座面
    から遠ざかった位置に導かれるガイド溝を有し、このガ
    イド溝にヒートパイプが配置されていることを特徴とす
    る携帯形電子機器。
JP6220640A 1994-09-14 1994-09-14 携帯形電子機器 Pending JPH0887348A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6220640A JPH0887348A (ja) 1994-09-14 1994-09-14 携帯形電子機器
US08/523,392 US5581443A (en) 1994-09-14 1995-09-05 Structure for cooling a circuit module having a circuit board and a heat-generating IC chip mounted on the board, and portable electronic apparatus incorporating the structure
US08/758,766 US5784256A (en) 1994-09-14 1996-12-03 Portable computer having a circuit board including a heat-generating IC chip and a metal frame supporting the circuit board

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6220640A JPH0887348A (ja) 1994-09-14 1994-09-14 携帯形電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0887348A true JPH0887348A (ja) 1996-04-02

Family

ID=16754140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6220640A Pending JPH0887348A (ja) 1994-09-14 1994-09-14 携帯形電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0887348A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09232488A (ja) * 1996-02-22 1997-09-05 Fujikura Ltd 電子素子の冷却構造
US6049455A (en) * 1998-06-23 2000-04-11 Kabushiki Kaisha Toshiba Cooling unit for cooling a heat-generating components and electronic apparatus having the cooling unit
US6353536B1 (en) 1998-06-25 2002-03-05 Kabushiki Kaisha Toshiba Electronic equipment system and extension device for expanding the functions of electronic equipment
US6574101B2 (en) 2000-05-12 2003-06-03 Fujitsu Limited Portable electronic device capable of efficiently cooling heat-generation electronic component
JP2004030688A (ja) * 2003-08-11 2004-01-29 Toshiba Corp 携帯形機器
JP2005260252A (ja) * 2005-03-30 2005-09-22 Fujitsu Ltd 電子部品を保護する機能を有するスペ―サを備えた電子機器
JP2010182059A (ja) * 2009-02-05 2010-08-19 Denso Wave Inc 携帯情報端末
US10856451B2 (en) 2017-10-31 2020-12-01 Fanuc Corporation Display-equipped controller

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09232488A (ja) * 1996-02-22 1997-09-05 Fujikura Ltd 電子素子の冷却構造
US6049455A (en) * 1998-06-23 2000-04-11 Kabushiki Kaisha Toshiba Cooling unit for cooling a heat-generating components and electronic apparatus having the cooling unit
US6353536B1 (en) 1998-06-25 2002-03-05 Kabushiki Kaisha Toshiba Electronic equipment system and extension device for expanding the functions of electronic equipment
US6574101B2 (en) 2000-05-12 2003-06-03 Fujitsu Limited Portable electronic device capable of efficiently cooling heat-generation electronic component
JP2004030688A (ja) * 2003-08-11 2004-01-29 Toshiba Corp 携帯形機器
JP2005260252A (ja) * 2005-03-30 2005-09-22 Fujitsu Ltd 電子部品を保護する機能を有するスペ―サを備えた電子機器
JP2010182059A (ja) * 2009-02-05 2010-08-19 Denso Wave Inc 携帯情報端末
US10856451B2 (en) 2017-10-31 2020-12-01 Fanuc Corporation Display-equipped controller

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5581443A (en) Structure for cooling a circuit module having a circuit board and a heat-generating IC chip mounted on the board, and portable electronic apparatus incorporating the structure
US5784256A (en) Portable computer having a circuit board including a heat-generating IC chip and a metal frame supporting the circuit board
KR100281199B1 (ko) 정보 처리 기기의 기계적 구조
JP3281220B2 (ja) 回路モジュールの冷却装置
JP3583762B2 (ja) 電子機器
JPH08307083A (ja) 回路モジュールの冷却装置およびこの冷却装置を有する携帯形電子機器
JP4921096B2 (ja) 電子機器および冷却部品
EP1330149B1 (en) Circuit board unit and electronic equipment
JPH09198483A (ja) Icカード及びicカード冷却トレイ
US5923530A (en) Electronic apparatus incorporating a circuit module having a heat sink
JP3637164B2 (ja) 発熱する回路素子を有する携帯形機器
JPH0887348A (ja) 携帯形電子機器
JP5322282B2 (ja) 電子機器の放熱装置
JPH10303582A (ja) 回路モジュールの冷却装置および回路モジュールを搭載した携帯形情報機器
EP1376590A2 (en) Storage device comprising circuit board on which heat-generating circuit component is mounted
JP2001067150A (ja) 情報処理装置の放熱機構
JPH11112174A (ja) 回路部品の放熱手段を有する回路モジュールおよびこの回路モジュールを搭載した携帯形情報機器
JP4270667B2 (ja) 回路部品の冷却装置および電子機器
JPH1098287A (ja) 回路基板モジュールの冷却装置およびこの冷却装置を有する携帯形電子機器
JP2005057070A (ja) 電子機器の放熱構造
JP3660668B2 (ja) 携帯形機器
JP3971430B2 (ja) 携帯形電子機器
JP2001332881A (ja) 電子機器
TWM316612U (en) System module without using fan for heat dissipation
JPH09319465A (ja) 携帯形機器

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040318

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20040325

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20041008

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050415

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050606

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061027