JPH0885748A - 水性組成物及びその用途 - Google Patents

水性組成物及びその用途

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JPH0885748A
JPH0885748A JP22329294A JP22329294A JPH0885748A JP H0885748 A JPH0885748 A JP H0885748A JP 22329294 A JP22329294 A JP 22329294A JP 22329294 A JP22329294 A JP 22329294A JP H0885748 A JPH0885748 A JP H0885748A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスバリヤー層形成に好適な水性組成物を提
供すると共にこの水性組成物を利用して製造されたガス
バリヤー性包装材料を提供する。 【構成】 不飽和カルボン酸の重合体もしくは共重合体
の金属塩と珪酸アルカリ金属塩を含有する水溶液もしく
は水分散液。 【効果】 本発明の水性組成物を利用して、簡単な操作
でバスバリヤー性包装材料を得ることができ、とくに基
材上に塗布することによりガスバリヤー層を形成させた
積層体は、包装材料として好適であり、また中和度の高
いカリウム塩を用いて形成させた積層体は、ガスバリヤ
ー性に加え、非帯電性に優れた包装材料となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスバリヤー層の形成
に好適な水性組成物及びその用途に関するもので、より
詳細には、不飽和カルボン酸の重合体もしくは共重合体
の金属塩と珪酸アルカリ金属塩とを含有する水性組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】各種ポリエチレン、エチレン−極性ビニ
ル化合物共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ
アミドなど非常に多くの重合体が包装材料として利用さ
れている。これらは、優れた成形性、強靭性、耐化学薬
品性、延展性などの特性を生かすものであるが、とくに
食品、医療品などの用途において要求されるガスバリヤ
ー性については充分でないものが多い。そのためこの種
用途には、アルミ蒸着やシリカ蒸着などによりガスバリ
ヤー層を形成させる方法やアルミニウム箔のようなもの
と積層する方法によってガスバリヤー性が付与されたも
のが使用されてきた。しかしこれらの方法は、工程が煩
雑であったり、あるいはコスト高であったりして、常に
採用できるものでもなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、簡単な操作でガスバリヤー性を顕著に改善しうる方
法につき、鋭意検討を行った。その結果、珪酸アルカリ
金属塩の特定の水性組成物を塗布する方法が、簡便でし
かも効果的であることを知り、本発明に到達した。
【0004】したがって、本発明の目的は、ガスバリヤ
ー層形成に好適な水性組成物を提供するにある。本発明
の他の目的は、この水性組成物を利用して製造されたガ
スバリヤー性包装材料を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、不飽和カルボ
ン酸の重合体もしくは共重合体の金属塩(A)と珪酸ア
ルカリ金属塩(B)を含有する水溶液もしくは水分散液
に関する。
【0006】本発明はまた、不飽和カルボン酸の重合体
もしくは共重合体またはその金属塩(A)と珪酸アルカ
リ金属塩(B)との組成物から成るガスバリヤー性包装
材料に関する。
【0007】
【作用】不飽和カルボン酸の重合体もしくは共重合体の
金属塩(A)と珪酸アルカリ金属塩(B)とは、任意の
割合で混合可能で、均一性及び塗装性に優れた水溶液も
しくは水分散液を形成できることがわかった。また、上
記成分を含有する水溶液もしくは水分散液は、ガスバリ
ヤー性に顕著に優れた薄層を形成することもわかった。
【0008】後述する例を参照されたい。即ち、上記不
飽和カルボン酸の重合体もしくは共重合体の金属塩
(A)と珪酸アルカリ金属塩(B)とを含有する組成物
の薄層を、ポリエステルフィルム基体の上に形成するこ
とにより、酸素ガスの透過度を、ポリエステルフィルム
の酸素ガス透過度よりも1乃至2桁或いはそれよりも低
い値に抑制することができる。
【0009】本発明の組成物において、ガスバリアー性
に寄与するのは、珪酸アルカリ金属塩(B)或いはそれ
から析出するゲル状珪酸であるが、このものは皮膜の可
撓性、耐久性や耐磨耗性等に幾分劣る傾向がある。
【0010】一方、水溶液もしくは水分散液の形で使用
する塗布液の結着性樹脂成分としては、種々の水溶性乃
至水分散性樹脂が知られているが、珪酸アルカリ金属塩
と組み合わせたとき、不安定になるものが殆どであり、
また珪酸アルカリ金属塩(B)に由来する優れたガスバ
リアー性を損なう傾向がある。
【0011】ところが、不飽和カルボン酸の重合体もし
くは共重合体の金属塩(A)を選択し、これを珪酸アル
カリ金属塩(B)と組み合わせると、何れの成分も不安
定化されることなく、分散性及び塗装性に優れた水溶液
もしくは水分散液が形成されると共に、形成される薄膜
は、可撓性、耐久性や耐磨耗性等に優れていながら、酸
素や炭酸ガス等に対する優れたバリアー性が維持される
のである。
【0012】
【発明の好適態様】本発明においては、成分の一方とし
て、不飽和カルボン酸の重合体もしくは共重合体の金属
塩(A)が用いられる。
【0013】ここに不飽和カルボン酸としては、例えば
アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、マ
レイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレ
イン酸などであり、とくにアクリル酸またはメタクリル
酸が好ましい。
【0014】不飽和カルボン酸の共重合体を構成する共
重合成分としては、エチレン、プロピレンのようなα−
オレフィン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸
イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソ
ブチル、マレイン酸ジエチルのような不飽和カルボン酸
エステル、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、プロピオ
ン酸ビニルのようなカルボン酸不飽和エステル、スチレ
ン、α−メチルスチレンのような不飽和芳香族炭化水
素、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルのよ
うなビニルエーテル類、アクリロニトリル、塩化ビニル
などを例示することができる。これらは2種以上で構成
されていてもよい。
【0015】不飽和カルボン酸の重合体もしくは共重合
体の好適なものの例は、ポリアクリル酸、アクリル酸・
メタクリル酸共重合体、ポリメタクリル酸、アクリル酸
及びまたはメタクリル酸が50重量%以上と上記例示の
ような極性ビニルモノマー50重量%以下との共重合体
である。このような重合体もしくは共重合体として、例
えば数平均分子量が5,000〜1,000,000程
度、とくに10,000〜500,000程度のものを
使用するのが好ましい。
【0016】共重合体の他の好適な例は、エチレンとア
クリル酸もしくはメタクリル酸との共重合体、エチレン
と、アクリル酸もしくはメタクリル酸と、不飽和カルボ
ン酸エステルとの共重合体である。このような共重合体
としては、エチレンが50〜99重量%、好ましくは6
0〜94重量%、一層好ましくは70〜94重量%、ア
クリル酸もしくはメタクリル酸が1〜35重量%、好ま
しくは4〜30重量%、一層好ましくは6〜25重量
%、不飽和カルボン酸エステルが40重量%以下、好ま
しくは30重量%以下、一層好ましくは20重量%以下
である。
【0017】このような共重合体の具体例としては、例
えばエチレン/アクリル酸、エチレン/メタクリル酸、
エチレン/アクリル酸/アクリル酸メチル、エチレン/
アクリル酸/アクリル酸エチル、エチレン/アクリル酸
/アクリル酸イソブチル、エチレン/アクリル酸/アク
リル酸nブチル、エチレン/メタクリル酸/アクリル酸
メチル、エチレン/メタクリル酸/アクリル酸エチル、
エチレン/メタクリル酸/アクリル酸イソブチル、エチ
レン/メタクリル酸/アクリル酸nブチルなどの共重合
体を代表例として挙げることができる。
【0018】このようなエチレン共重合体としては、1
90℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが
0.1〜1000g/10分、とくに1〜200g/1
0分のものを使用するのが好ましい。
【0019】上記のような不飽和カルボン酸の重合体も
しくは共重合体の金属塩としては、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、セシウムのようなアルカリ金属塩、カル
シウム、マグネシウム、バリウムのようなアルカリ土類
金属塩、亜鉛、銅、コバルト、ニッケル、鉄のような遷
移金属塩等が使用できるが、とくにアルカリ金属塩の使
用が好ましい。またアルカリ金属塩の中でも、珪酸アル
カリ金属塩と同じイオン種のものを用いるのが好まし
い。金属塩における中和度は、通常30モル%以上、好
ましくは60モル%以上である。
【0020】このような重合体もしくは共重合体の金属
塩は、珪酸アルカリ金属塩との配合に際し、水溶液また
は分散液の形で使用することができる。この場合、例え
ば固形分として1〜60重量%、とくに5〜35重量%
のような濃度で使用することができる。金属塩(A)の
水溶液または分散液として用いる場合、液のpHを7以
上、好ましくは12以上に調整することが望ましい。す
なわち水溶液または分散液が酸性の場合、珪酸アルカリ
金属塩の水溶液あるいは分散液と混合したときにゲル化
することがあるためである。そしてそのpHが高いほど
(A)と(B)の相溶性がよくなる傾向にあり、透明性
に優れたコート剤となる。
【0021】不飽和カルボン酸の重合体もしくは共重合
体はまた、珪酸アルカリ金属塩の水溶液または分散液中
で、不飽和カルボン酸の金属塩を重合もしくは共重合す
ることによって製造することもでき、この場合は、目的
とする組成物の水溶液または分散液を直接製造すること
が可能である。
【0022】本発明で用いられる珪酸アルカリ金属塩
は、一般式 M2 O・nSiO2 ・xH2 O (Mはナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、nは
0.1〜10、xは0〜10)で表される組成を有する
化合物である。とくにMがナトリウムの場合は、水ガラ
スあるいはメタ珪酸ナトリウムとして知られているもの
が使用可能であり、その代表的なものはJIS K 1
408に示されている。勿論本発明においては、このよ
うな規格に規定されたもののみならず、M2 OとSiO
2 の割合が種々のものが使用可能であり、例えばオルト
珪酸ナトリウム、二珪酸ナトリウム、四珪酸ナトリウ
ム、四珪酸カリウムなども使用できるが、組成物の物性
を考慮すると、nが1〜5とくに1.5〜4の範囲にあ
ることが望ましい。
【0023】これら珪酸アルカリ金属塩は、水溶液であ
るいは水分散液として用いるのが好ましい。珪酸アルカ
リ金属塩の水溶液または水分散液の濃度は、M2 O・n
SiO2 として1〜60重量%、とくに5〜50重量%
程度が適当である。
【0024】成分(A)と(B)とからなる水溶液また
は水分散液を製造するには、両者の水溶液または水分散
液を混合することによって容易に製造することができ
る。この場合、両者の金属種が同じであれば、ゲル化す
るというようなトラブルは生じにくい。またすでに述べ
たように、(B)の水溶液または水分散液中で所定モノ
マーを重合し、(A)を製造することによっても得るこ
とができる。
【0025】両者の混合比率は任意であり、例えば
(A)と珪酸アルカリ金属塩(M2 O・nSiO2 とし
て)を重量比で1〜99/99〜1、好ましくは10〜
98/90〜2の割合で配合するのがよい。
【0026】本発明の水溶液または水分散液に各種添加
剤を含有させることができる。このような添加剤として
は例えば、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、帯
電防止剤、顔料、染料、滑剤、スリップ剤、抗菌剤、シ
ランカップリング剤などを挙げることができる。あるい
はポリエチレン水分散液のようなその他重合体の水溶液
あるいは水分散液を混合して用いてもよい。
【0027】本発明の水性組成物から、流延法により製
膜し、ガスバリヤー性包装材料を製造することができ
る。また基材上に本発明の水性組成物を塗布し、乾燥す
ることによって製膜し、積層ガスバリヤー性包装材料を
製造することができる。
【0028】このような目的に使用できる基材として
は、例えば高、中、低密度ポリエチレン、エチレン・α
−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体またはその
アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル
共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体またはそのアイオノマー、ポ
リスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレートのようなポリエステル、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12のような
ポリアミド、エチレン・ビニルアルコール共重合体、A
BS樹脂のようなゴム強化樹脂、ポリカーボネート、ポ
リアセタール、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、熱可塑
性オレフィンエラストマー、スチレン系ブロックコポリ
マー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポ
リアミドエラストマー、フェノール樹脂のような熱硬化
樹脂などを例示することができる。これらは無水マレイ
ン酸のようなものでグラフト変性したものでもよい。勿
論、2種以上の重合体の混合物であってもよい。
【0029】またこれら基材中には、各種添加剤が配合
されていてもよい。このような添加剤として、酸化防止
剤、耐候安定剤、光安定剤、帯電防止剤、シランカップ
リング剤、チタネートカップリング剤、顔料、染料、可
塑剤、難燃剤、無機充填剤、例えばシリカ、アルミナ、
炭酸カルシウム、タルク、クレイ、ゼオライト、カーボ
ンブラック、ガラス繊維などを例示することができる。
【0030】これら基材表面の塗布面は、組成物との密
着性を良好なものとするために、表面がコロナ処理、オ
ゾン処理などの処理が施されたものあるいはシランカッ
プリング剤やその他アンカーコート剤を塗布したものを
用いることもできる。
【0031】基材としては、フィルム、シート、容器、
チューブ等種々の形状のものが使用できる。
【0032】基材上に本発明の水性組成物を塗布するに
は、一般のプラスチックコーティングに用いられている
方法、例えばロールコーター、バーコーター、スプレ
イ、エアーナイフコーター、刷毛等を用いる方法、ある
いは成形品を水性組成物中に浸漬する方法等によって行
うことができる。
【0033】塗布後は、乾燥して水分を蒸発させ、造膜
させる。乾燥温度は基材の種類や(A)と(B)の混合
割合によっても異なるが、乾燥時間を短縮するため加温
する事が望ましく、例えば50〜200℃程度の範囲と
するのが一般的である。
【0034】かくして得られる薄膜の上にさらに他の重
合体を積層したり、塗料を塗布したりしてもよい。
【0035】基材上に形成させる膜厚は任意であるが、
例えば0.05〜200μm、好ましくは0.07〜5
0μm、とくに好ましくは0.1〜10μmである。膜
厚が数μm以下でもガスバリヤー性の充分な改良が認め
られるが、あまりに薄くなりすぎるとガスバリヤー性に
問題が生じたり、均一な膜形成ができなかったりするの
で、基材の種類によっても異なるが、少なくとも上記の
ような膜厚とするのが好ましい。一方膜厚が厚くなりす
ぎると、(A)と(B)の配合比率にもよるが膜割れを
起こしやすくなるので、適当な膜厚に調整することが望
ましい。とくに成形品がフィルムの場合、折り曲げ等に
よる膜割れを防止するため、膜厚は10μm以下とする
のが望ましい。
【0036】本発明のガスバリヤー性包装材料は、不飽
和カルボン酸の重合体もしくは共重合体の金属塩(A)
と珪酸アルカリ金属塩(B)との組成物から成る。この
組成物の調製において、水溶性或いは水分散性が要求さ
れないような用途には、原料として、塩の形ではない不
飽和カルボン酸の重合体もしくは共重合体も使用できる
ことが了解されるべきである(後述する実施例5参
照)。
【0037】不飽和カルボン酸の重合体もしくは共重合
体、特にエチレン−不飽和カルボン酸共重合体と、珪酸
アルカリ金属塩とを混練すると、珪酸アルカリ金属塩と
共重合体中のカルボン酸基との間でアルカリ金属イオン
の交換が起こり、同様の組成物となって、優れた効果が
得られることになる。
【0038】
【実施例】以下に、実施例を示すが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0039】(1)性能の評価 1−1)酸素ガス透過性の測定 2軸延伸ポリエステルフィルム上に各種コート材をコー
トし、コートフィルムについてModern Cont
rols,Inc.社製 OXTRAN−TWINにて
酸素ガス透過性を測定し、酸素ガス透過率を求めた。
(測定温度:23℃) 1−2)炭酸ガス透過性の測定 200℃の樹脂温度でプレス成形機にて、厚さ250μ
mの試験片を作成し東洋精機製作所製 ガス透過率測定
装置 M−C3にて炭酸ガス透過性を測定し、ガス透過
率を求めた。(測定温度:23℃)
【0040】(2)試 料 まず本発明のコート材を調製するために使用した原料は
以下の通りである。 (A)重合体水性分散体 A−1)アイオノマー水性分散体 エチレン・メタアクリル酸共重合体(エチレン含量20
wt%)の90mol%中和カリウム塩の水性分散体
(水75wt%の水性分散体)。 A−2)アクリル酸重合体の水性分散体 アクリル酸重合体の100mol%中和カリウム塩の水
性分散体(水70wt%の水性分散体)…珪酸金属塩系
内でパーオキソ2硫酸カリウムを触媒として重合を行っ
た。 (B)珪酸アルカリ金属塩 珪酸カリ溶液: 組成:K2 O/SiO2 /H2 O=8/19/73(w
t%) (C)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体 エチレン・アクリル酸共重合体 組成:エチレン/アクリル酸=79/21(wt%)。
【0041】実施例1及び2 上記A−1のカリウムアイオノマーの水性分散体に、室
温(20℃)にて上記Bの珪酸金属塩水溶液を、表1に
示す割合で加え、良く撹拌して均一化した。得られた流
動性のある水性分散体の一部を25μm厚のコロナ処理
ポリエステルフィルム上に注ぎ、12番のワイアーコー
ティングバーを用いて均一に広げコーティングした。塗
膜はフィルム面にはじかれること無く、また泡が生じる
こともなく均一に広がった。塗膜面を室温で一昼夜乾燥
した。上記、試料の酸素ガス透過性の測定を行い、酸素
ガス透過係数を求めた。結果を表1に示す。
【0042】比較例1 アイオノマー水性分散体(A−1)を25μm厚のコロ
ナ処理ポリエステルフィルム上に注ぎ、12番のワイア
ーコーティングバーを用いて均一に広げコーティングし
た。塗膜はフィルム面にはじかれること無く、また泡が
生じることもなく均一に広がった。塗膜面を100℃の
熱風で60秒間加熱乾燥した。上記、試料の酸素ガス透
過性の測定を行い、酸素ガス透過係数を求めた。結果を
表1に示す。
【0043】実施例1及び2は何れもカリウムアイオノ
マー単独の塗膜(比較例1)に比べ、極めて良好な酸素
ガスバリヤー性を示した。
【0044】
【表1】 * A−1,Bの値は何れもwt%比である。 **基材のポリエステルフィルム及びコートフィル ムの酸素ガス透過性の測定を行い、計算により コート材の酸素透過係数を求めた。
【0045】実施例3及び4 水酸化カリウムで中和し、pHを14に調製したアクリ
ル酸水溶液(水70wt%)を、珪酸金属塩水溶液に、
表2に示す割合で加え、良く撹拌し、均一化した。アク
リル酸にたいし触媒量(50ppm)のパーオキソ2硫
酸カリウムを加え、良く撹拌し、均一化した。30℃に
加温した。重合開始とともに水浴にて冷却をしながら、
重合温度を60℃に保ち、重合を行わせた。
【0046】得られた流動性のある水性分散体の一部を
25μm厚のコロナ処理ポリエステルフィルム上に注
ぎ、12番のワイアーコーティングバーを用いて均一に
広げコーティングした。塗膜はフィルム面にはじかれる
こと無く、また泡が生じることもなく均一に広がった。
塗膜面を室温で一昼夜乾燥した。上記、試料の酸素ガス
透過性の測定を行い、酸素ガス透過係数を求めた。結果
を表2に示す。
【0047】比較例2 実施例1でコート基材として用いた2軸延伸ポリエステ
ルフィルムの酸素ガス透過度の測定を行なった。評価結
果は表2に示す通りである。
【0048】実施例3及び4は何れも未被覆ポリエステ
ルフィルム(比較例2)に比べ、極めて良好な酸素ガス
バリヤー性を示した。
【0049】
【表2】 *比較例2はコート基材である2軸延伸ポリエステルフィルムの 単独の酸素透過度
【0050】実施例5 100℃に昇温したラボプラストミル混練機に、エチレ
ン・アクリル酸共重合体(C)を投入する。樹脂がゲル
化した後、ケイ酸カリ溶液(B)を滴下する。滴下終了
後、220℃まで昇温させた後、5分間混練を行った。
得られた樹脂組成物のガス透過性を評価した。測定結果
は表3に示す通りである。
【0051】比較例3及び4 エチレン・アクリル酸共重合体(C)フィルム(比較例
3)及び2軸延伸ポリエステルフィルム(比較例4)の
炭酸ガス透過性の測定を行なった。評価結果は表3に示
す通りである。
【0052】実施例5はベースの樹脂に比べ著しくガス
バリヤー性が向上している。ポリエステルフィルムに比
べてもガスバリヤー性に優れている。
【0053】
【表3】 *B,Cは何れもwt%比 比較例4は先の実施例で用いた2軸延伸ポリエステルフ
ィルムについてのものである。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、ガスバリヤー層の形成
に有用な水性組成物を提供することができる。かかる水
性組成物を利用して、簡単な操作でバスバリヤー性包装
材料を得ることができる。とくに基材上に塗布すること
によりガスバリヤー層を形成させた積層体は、包装材料
として好適である。また(A)成分として中和度の高い
カリウム塩を用いて形成させた積層体は、ガスバリヤー
性に加え、非帯電性に優れた包装材料となる。塗布量は
基材の浸透性や平滑性によって異なるが、数μm以下の
塗膜でもガスバリヤー性において十分な効果を得ること
ができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和カルボン酸の重合体もしくは共重
    合体の金属塩(A)と珪酸アルカリ金属塩(B)を含有
    する水溶液もしくは水分散液。
  2. 【請求項2】 不飽和カルボン酸の重合体もしくは共重
    合体の金属塩(A)と珪酸アルカリ金属塩(B)とが1
    〜99/99〜1の重量比で存在する請求項1記載の水
    溶液もしくは水分散液。
  3. 【請求項3】 基材に、不飽和カルボン酸の重合体もし
    くは共重合体の金属塩(A)と珪酸アルカリ金属塩
    (B)を含有する水溶液もしくは水分散液を塗布し、乾
    燥することを特徴とする積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 不飽和カルボン酸の重合体もしくは共重
    合体またはその金属塩(A)と珪酸アルカリ金属塩
    (B)からなる組成物から成ることを特徴とするガスバ
    リヤー性包装材料。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の薄層物を少なくとも1層
    含有する積層ガスバリヤー性包装材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001012726A1 (fr) * 1999-08-13 2001-02-22 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Matiere composite a domaines organiques/inorganiques

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US6620516B1 (en) 1999-08-13 2003-09-16 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Organic domain/inorganic domain composite material

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