JPH0885707A - α‐オレフィン重合用触媒成分およびそれを用いたα‐オレフィン重合体の製造法 - Google Patents

α‐オレフィン重合用触媒成分およびそれを用いたα‐オレフィン重合体の製造法

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JPH0885707A
JPH0885707A JP7017189A JP1718995A JPH0885707A JP H0885707 A JPH0885707 A JP H0885707A JP 7017189 A JP7017189 A JP 7017189A JP 1718995 A JP1718995 A JP 1718995A JP H0885707 A JPH0885707 A JP H0885707A
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Hidefumi Uchino
野 英 史 内
Jun Endo
藤 潤 遠
Toshihiko Sugano
野 利 彦 菅
Tomohiko Takahama
浜 智 彦 高
Hiroshi Kato
藤 拓 加
Eiji Taniyama
山 英 二 谷
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温重合条件下においても高分子量のα‐オ
レフィン重合体を高収率で製造可能なα‐オレフィン重
合用触媒およびα‐オレフィン重合体の製造法の提供。 【構成】 インデニルないしヒドロインデニル(インデ
ニルの六員環部分が水素化されたもの)を配位子とし、
Ti、ZrまたはHfを金属成分とするメタロセン化合
物の骨格を有する配位化合物からなるオレフィン重合用
触媒成分、それを含んでなるα‐オレフィン重合用触
媒、およびこの触媒によるα‐オレフィンの重合法であ
って、当該配位化合物が六員環部分で架橋されたもので
あることを特徴とする、触媒成分、触媒およびオレフィ
ン重合体の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、新規なα‐オレフィン
重合用の触媒成分に関する。さらに詳しくは、本発明
は、工業的に有用なα‐オレフィン重合体の製造を可能
にする重合用触媒成分、およびこの触媒成分を使用する
α‐オレフィン重合用触媒、並びにその触媒を用いるα
‐オレフィン重合体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】α‐オレフィン重合用の均一系触媒とし
ては、いわゆるカミンスキー触媒がよく知られている。
この触媒は非常に活性が高く、分子量分布が狭く、ま
た、共重合では、モノマー組成分布の狭い重合体が得ら
れるという特徴がある。
【0003】カミンスキー触媒によるα‐オレフィン重
合体の製造において使用する遷移金属化合物は、配位子
が架橋していないタイプと架橋したタイプとに大別する
ことができる。
【0004】非架橋型錯体の代表例としてはビスシクロ
ペンタジエニルジルコニウムジクロリド(特開昭58−
19309号公報)が知られているが、エチレン‐1‐
ヘキセン共重合体を実用レベルの重合温度において製造
した時、ヘキセン含量を上げると分子量の低下のため
に、製造可能な重合体種が制限されるという問題点があ
るようである。
【0005】架橋型錯体の代表例としてはエチレン‐
1,2‐ビス(1‐インデニル)ジルコニウムジクロリ
ドやエチレン‐1,2‐ビス(1‐(4,5,6,7‐
テトラヒドロインデニル))ジルコニウムジクロリド
(特開昭61−130314号公報)が知られている
が、非架橋型錯体と同様の理由の問題点があるようであ
る。架橋型錯体は、その置換基構造を変化させることに
より、高分子量α‐オレフィン重合体の製造に適するよ
うにする提案もされている(特開平4−268307
号、同4−268308号各公報)。しかしながら、経
済的に有利な、重合温度を上げた重合条件下の性能はい
まだ不十分であるようである。
【0006】以上の架橋型錯体の構造はいずれも5員環
に架橋基が直接結合した構造であり、架橋基が5員環以
外に結合した錯体の合成例は本発明者らが知る限りでは
いまだ知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、工業的に有
用なα‐オレフィン重合体を高収率で得ることを可能に
する新規なα‐オレフィン重合用触媒成分、およびα‐
オレフィン重合用触媒、ならびにα‐オレフィン重合体
の製造法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔発明の概要〕 <要旨>本発明は、上記の問題点を解消すべく検討を行
なった結果なされたものである。
【0009】すなわち、本発明による新規なα‐オレフ
ィン重合用触媒成分は、下記の一般式〔IA 〕または
〔IB 〕で表わされるメタロセン化合物からなること、
を特徴とするものである。
【0010】
【化3】 (式中、Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムか
らなる群から選ばれた遷移金属である。Rは、それぞれ
独立して、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素残基、
ハロゲンを含む炭素数1〜20の炭化水素残基またはケ
イ素を含む炭素数1〜20の炭化水素残基である(ただ
し、Rが同一のインデニルないしヒドロインデニル基上
に複数存在するときは、それらはそのw‐端で相互に結
合して該インデニルないしヒドロインデニル基の一部と
共に環を形成してもよい)。aは0以上3以下の整数で
あり、bは0以上7以下の整数である。Qは、炭素数1
〜30の、2価の、炭化水素残基またはケイ素もしくは
ゲルマニウムを含む炭化水素残基である。XおよびY
は、それぞれ独立して、水素もしくはハロゲン、または
炭素数1〜20の、1価の炭化水素残基または窒素、酸
素、ケイ素もしくはリンを含む炭化水素残基である。) また、本発明による、α‐オレフィン重合用触媒は、上
記のα‐オレフィン重合用触媒成分(成分(A))およ
び下記の成分(B)を組合せてなること、を特徴とする
ものである。成分(B) (イ)アルミニウムオキシ化合物、(ロ)ルイス酸ある
いは(ハ)成分(A)と反応して成分(A)をカチオン
に変換することが可能なイオン性化合物。
【0011】本発明は、さらにまた、上記の触媒を使用
するα‐オレフィン重合体の製造法に関する。
【0012】すなわち、本発明によるα‐オレフィン重
合体の製造法は、上記の成分(A)および成分(B)を
組合せてなる触媒にα‐オレフィンを接触させて重合さ
せること、を特徴とするものである。 <効果>本発明の触媒成分を用いると、工業的に有用な
α‐オレフィン重合体を高収率で製造することが可能で
ある。また架橋基(Q)や置換基の構造及び/又は位置
を変えることにより経済性の高い高温重合条件下におい
ても高分子量の、或いは立体規則性のα‐オレフィン重
合体を製造することが可能になる。
【0013】本発明の効果の発現の理由は明らかでない
が、先行技術から公知の非架橋型錯体や五員環側架橋錯
体に比較して、本発明の成分(A)のように副環側が架
橋基と結合していると、副環部が固定されるために前記
公知の錯体とは異なる立体位置となり、それが高温重合
条件下で構造変化を受けにくくするめに分子量低下を抑
制したり、立体特異性能を発現する、と推定される。
【0014】このような本発明の構成及び効果は、従来
の技術からは全く予見され得ないものであると考えられ
る。
【0015】〔発明の具体的説明〕本発明は、下記の成
分(A)に示す化合物からなる重合触媒成分に関するも
のである。さらには、本発明は、下記の成分(A)およ
び成分(B)を組合せてなるα‐オレフィン重合用触
媒、並びにこの触媒にα‐オレフィンを接触させて重合
させることからなるα‐オレフィン重合体の製造法に関
するものである。ここで、「からなる」および「組合せ
てなる」とは、本発明の効果を損わない限りにおいて
は、挙示の化合物または成分以外の化合物、成分をも組
合せて使用することが可能であることを意味する。 <成分(A)>本発明の触媒成分(A)をなすのは、下
記の一般式〔IA 〕または〔IB 〕で表わされる遷移金
属化合物である。
【0016】
【化4】 (式中、Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムか
らなる群から選ばれた遷移金属である。Rは、それぞれ
独立して、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素残基、
ハロゲンを含む炭素数1〜20の炭化水素残基またはケ
イ素を含む炭素数1〜20の炭化水素残基である(ただ
し、Rが同一のインデニルないしヒドロインデニル基上
に複数存在するときは、それらはそのω‐端で相互に結
合して該インデニルないしヒドロインデニル基の一部と
共に環を形成してもよい)。aは0以上3以下の整数で
あり、bは0以上7以下の整数である。Qは、炭素数1
〜30の、2価の、炭化水素残基またはケイ素もしくは
ゲルマニウムを含む炭化水素残基である。XおよびY
は、それぞれ独立して、水素もしくはハロゲン、または
炭素数1〜20の、1価の、炭化水素残基または窒素、
酸素、ケイ素もしくはリンを含む炭化水素残基であ
る。) Rは、上記したように、それぞれ独立して、ハロゲン、
炭素数1〜20の、好ましくは1〜14の、炭化水素残
基、ハロゲンを含む炭素数1〜20の、好ましくは1〜
14の、炭化水素残基、またはケイ素を含む炭素数1〜
20の、好ましくは1〜14の、炭化水素残基である。
さらに詳しくは、Rは、(イ)フッ素、塩素、臭素等、
(ロ)飽和炭化水素基、例えばアルキル、シクロアルキ
ル等、(ハ)不飽和炭化水素基、例えばビニル、アルケ
ニル、(ニ)芳香族炭化水素基、例えばアリール基等、
(ホ)ハロゲン化飽和炭化水素基、例えば塩素化アルキ
ル、フッ素化アルキル等、(ヘ)ハロゲン化芳香族炭化
水素基、例えば塩素化アリール基等、(ト)ハロゲン化
不飽和炭化水素基、例えば塩素化ビニル、フッ素化ビニ
ル等、または(チ)ケイ素含有炭化水素基、例えば、ア
ルキルシリル等である。
【0017】式〔IA 〕〜〔IB 〕から明らかなよう
に、この遷移金属化合物は、先ず、インデニルまたはヒ
ドロインデニル(インデニルの六員環部分が水素化され
たもの)を配位子とするメタロセン化合物である。この
メタロセン化合物は、インデニルまたはヒドロインデニ
ルの五員環および(または)六員環上に置換基R(Rが
複数存在するときはそれらは同一でも異なってもよいこ
とはRの定義から明らかである)を有する。
【0018】そして、このメタロセン化合物は、その配
位子間で架橋されているところ、架橋基Qがインデニル
またはヒドロインデニルの六員環間にあるという点で、
従来のこの種の化合物と区別される。
【0019】さて、インデニルまたはヒドロインデニル
を配位子とし、遷移金属Mを金属成分とし、金属Mに基
XおよびY(M、XおよびYの定義は前記の通り)の結
合したメタロセン化合物の基本骨格は公知である。
【0020】インデニルまたはヒドロインデニル基は置
換基Rを有しているが、好ましいRの具体例としては、
メチル、エチル、プロピル、i‐プロピル、1,1‐ジ
メチルプロピル、n‐ブチル、i‐ブチル、t‐ブチ
ル、n‐アミル、i‐アミル、n‐ヘキシル、シクロプ
ロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリル、フ
ェニル、ベンジル、ジフェニルカルビル、1‐ナフチ
ル、2‐ナフチル、トリメチルシリル、トリフルオロメ
チル、ペンタフルオロフェニルなどがある。
【0021】また、Rが複数存在するときに、それら
が、具体的には2個(またはその整数倍)がそれぞれの
ω‐端で相互に結合してもよいことは前記したところで
あるが、そのようなω‐端で結合した2つのRからなる
2価の基の具体例としては、例えばエチレン、トリメチ
レン、テトラメチレン、1‐メチルテトラメチレン、2
‐メチルテトラメチレン、1,2‐ジメチルテトラメチ
レン、1‐トリメチルシリルテトラメチレン、2‐トリ
メチルシリルテトラメチレン、1,3‐ブタジエン‐
1,4‐ジイル、1,3‐ペンタジエン‐1,4‐ジイ
ル、2‐メチル‐1,3‐ブタジエン‐1,4‐ジイ
ル、1‐フェニル‐1,3‐ブタジエン‐1,4‐ジイ
ル、2‐フェニル‐1,3‐ブタジエン‐1,4‐ジイ
ルなどがある。
【0022】Qは、二つのインデニルまたはヒドロイン
デニル誘導体をその六員環部分で架橋する2価の基であ
って、(イ)炭素数1〜30、好ましくは1〜6、の2
価の炭化水素基、さらに詳しくは、例えばアルキレン
基、シクロアルキレン基、アリーレン等の不飽和炭化水
素残基、(ロ)シリレン基、(ハ)炭素数1〜20、好
ましくは1〜12、の炭化水素基を有するシリレン基、
(ニ)ゲルミレン基、または(ホ)炭素数1〜20、好
ましくは1〜12、の炭化水素基を有するゲルミレン
基、を表わす。これらの中でも好ましいものはアルキレ
ン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アルキルシ
リレン基である。なお、2価のQ基の両結合手間の距離
は、その合計炭素数の如何にかかわらず、Qが鎖状の場
合に4原子程度以下、就中3原子以下、であることが、
Qが環状基を有するものである場合は当該環状基+2原
子程度以下、就中当該環状基のみであることが、それぞ
れ好ましい。従って、アルキレンの場合はエチレンおよ
びイソプロピリデン(結合手間の距離はそれぞれ2原子
および1原子)が、シクロアルキレン基の場合はシクロ
ヘキシレン(結合手間の距離がシクロヘキシレン基のみ
原子)が、アルキルシリレンの場合はヘプタメチルテト
ラシリレン、ヘキサメチルトリシリレン、テトラメチル
ジシリレン、およびジメチルシリレン(結合手間の距離
は、それぞれ4、3、2および1原子)が、それぞれ好
ましい。
【0023】XおよびYは、それぞれ独立に、すなわち
同一でも異なってもよくて、(イ)水素、(ロ)ハロゲ
ン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、好ましくは塩素)、
(ハ)炭素数1〜20の炭化水素基、(ニ)炭素数1〜
20の含酸素炭化水素基、(ホ)炭素数1〜20の含窒
素炭化水素基、(ヘ)炭素数1〜20の含ケイ素炭化水
素基、(ト)炭素数1〜20の含ケイ素含酸素炭化水素
基、(チ)炭素数1〜20の含リン炭化水素基、であ
る。含酸素炭化水素基の酸素原子はアルコキシ結合、エ
ーテル結合、ケトン結合およびエステル結合のいずれで
あってもよく、またその数は1個でも複数個でもよい
が、好ましいものは酸素原子を1個有するもの、特にア
ルコキシ結合のもの、のアルコキシ基である。
【0024】含窒素炭化水素基の窒素原子は、アミノ結
合、ニトリル結合のいずれであってもよく、またその数
は1個でも複数個でもよいが、好ましいものは窒素原子
を1個有するもの、特にアミノ結合のもの、のアルキル
アミノ基である。含ケイ素炭化水素基のケイ素は、1個
でも複数個でもよいが、好ましいものはケイ素原子を1
個有するもの、特にアルキルシリル基である。含ケイ素
含酸素炭化水素基のケイ素および酸素原子は、1個でも
複数個でもよいが、好ましいものはケイ素原子および酸
素原子を各1個有するもの、特にアルキルシロキシ基、
である。含リン炭化水素基のリンは、1個でも複数個で
もよいが、好ましいものは、リン原子1個有するもの、
特にアルキルホスフィド基である。
【0025】Mは、チタン、ジルコニウムまたはハフニ
ウム、好ましくはチタンまたはジルコニウム、である。
【0026】本発明の化合物〔IA 〕または〔IB
は、置換基ないし結合の形成に関して合目的的な任意の
方法によって合成することができる。代表的な合成経路
は、下記の通りである。
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】 A法における化合物(A1)は市販されているか、また
は例えばOrganic Synthesis Coll Vol I p78記載の方法
と同様の方法で得られたエノンを還元することにより得
ることができる。化合物(A1)に対して例えばヨーロ
ッパ特許EP−0545304A1記載の方法と同様な
方法でビスインダノン誘導体を得て、カルボニル基を還
元後、脱水すると化合物(A2)が得られる(式1)。
この化合物(A2)は、例えば特開平5−43616号
公報記載の方法と同等な方法でリチオ化し、次いでハロ
ゲン化金属(例えば、MXYCl)と反応させること
により、化合物(IA )に導くことができる(式2)。
【0030】B法における化合物(A3)は例えばSynt
hesis 1980 (3) p222 記載の方法と同様な方法により得
ることができ、化合物(A3)のカルボニル基を例えば
Organic Synthesis Coll Vol V p303 記載の方法と同様
な方法でエチレンケタールとした後、例えばJ. Amer. C
hem. Soc., 80, p1883 (1958) 記載の方法と同様な方法
でビスインダン化合物とし、酸で処理後、還元および脱
水することにより、化合物(A4)を得ることができる
(式3)。この化合物(A4)は式(2)と同様な方法
により化合物(IA )とすることができる(式4)。
【0031】C法における化合物(B1)もB法と同様
な方法で化合物(IB )とすることができる(式5、式
6)。
【0032】上記遷移金属化合物の非限定的な例とし
て、下記のものを挙げることができる。なお、4,5,
6,7−テトラヒドロインデン型の化合物のうち、置換
基Rにより不斉炭素が生じる場合は、特に記載がない場
合、立体異性体のうちの一つ、またはそれらの混合物を
指し示すものとする。また、置換基Rを有する2個のイ
ンデンないしヒドロインデン誘導体配位子が、基Qを介
しての相対位置の観点において特に記載がない場合は、
M、XおよびYを含む平面に関して対称および非対称で
ある立体異性体のうちの一つ、またはそれらの混合物を
指し示すものとする。
【0033】以下に一般式〔IA 〕および〔IB 〕で表
わされるメタロセン化合物の具体例を示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】
【表9】
【0043】
【表10】
【0044】
【表11】
【0045】
【表12】
【0046】
【表13】
【0047】
【表14】 また、これらの化合物のクロリドの一方あるいは両方
が、XおよびYとして前記した他の置換基、例えば臭
素、ヨウ素、水素、メチル、フェニル、ベンジル、アル
コキシアミド、アルキルシリル、アルキルホスフィン基
等にかわった化合物も例示することができる。また、上
記のジルコニウムのかわりに、チタンまたはハフニウム
にかわった化合物も例示することができる。これらのう
ちで好ましい化合物はMがチタン、ジルコニウムまたは
ハフニウムである化合物である。さらに好ましいMはチ
タンまたはジルコニウムである。
【0048】これらのメタロセン化合物のうち好ましい
化合物は、各置換基がそれぞれ下記のものである。
【0049】R:それぞれ独立して、ハロゲン、炭素数
1〜14の炭素水素残基、ハロゲンを含む炭素数1〜1
4の炭素水素残基またはケイ素を含む炭素数1〜14の
炭化水素残基(ただし、Rが同一のインデニルないしヒ
ドロインデニル基上に複数存在するときは、それらはそ
のω一端で相互に結合して該インデニルないしヒドロイ
ンデニル基の一部と共に環を形成してもよい)。
【0050】a:0または1〜3の整数。 b:0または1〜7の整数。 Q:炭素数1〜6の2価の炭化水素残基または炭素数1
〜12の炭化水素を有するシリレン基、ゲルミレン基。 X、Y:それぞれ独立して、水素もしくはハロゲン、ま
たは炭素数1〜20の1価の、炭化水素残基または窒
素、酸素、ケイ素もしくはリンを含む炭素数1〜20の
炭化水素残基。
【0051】これらのうちでも代表的な化合物は、式
〔IA 〕の化合物である。
【0052】<成分(B)>成分(B)は、(イ)アル
ミニウムオキシ化合物、(ロ)ルイス酸あるいは(ハ)
成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換する
ことが可能なイオン性化合物である。
【0053】ルイス酸のあるものは、「成分(A)と反
応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイ
オン性化合物」として捉えることもできる。従って、
「ルイス酸」および「成分(A)と反応して成分(A)
をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物」の
両者に属する化合物は、いずれか一方に属するものと解
することとする。
【0054】アルミニウムオキシ化合物としては、具体
的には下記の一般式〔II〕、〔III〕または〔IV〕であ
らわされる化合物がある。
【0055】
【化8】
【0056】(ここで、pは0〜40、好ましくは2〜
30、の数であり、Rは水素または炭化水素残基、好
ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜
6、のもの、を示す。)
【0057】一般式〔II〕および〔III 〕の化合物は、
アルモキサンとも呼ばれる化合物であって、一種類のト
リアルキルアルミニウム、または二種類以上のトリアル
キルアルミニウムと水との反応により得られる生成物で
ある。具体的には、(イ)一種類のトリアルキルアルミ
ニウムと水から得られるメチルアルモキサン、エチルア
ルモキサン、プロピルアルモキサン、ブチルアルモキサ
ン、イソブチルアルモキサン等、(ロ)二種類のトリア
ルキルアルミニウムと水から得られるメチルエチルアル
モキサン、メチルブチルアルモキサン、メチルイソブチ
ルアルモキサン等が例示される。これらの中で、特に好
ましいのはメチルアルモキサンおよびメチルイソブチル
アルモキサンである。
【0058】これらのアルモキサンは、各群内および各
群間で複数種併用することも可能であり、また、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド等
の他のアルキルアルミニウム化合物と併用することも可
能である。
【0059】これらのアルモキサンは公知の様々な条件
下に調製することができる。具体的には以下の様な方法
が例示できる。 (イ) トリアルキルアルミニウムをトルエン、ベンゼ
ン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応
させる方法、(ロ) トリアルキルアルミニウムと結晶
水を有する塩水和物、例えば硫酸銅、硫酸アルミニウム
の水和物と反応させる方法、(ハ) トリアルキルアル
ミニウムとシリカゲル等に含浸させた水分とを反応させ
る方法、(ニ) トリメチルアルミニウムとトリイソブ
チルアルミニウムを混合し、トルエン、ベンゼン、エー
テル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方
法、(ホ) トリメチルアルミニウムとトリイソブチル
アルミニウムを混合し、結晶水を有する塩水和物、例え
ば硫酸銅、硫酸アルミニウムと水和物、と加熱反応させ
る方法、(ヘ) シリカゲル等に水分を含浸させ、トリ
イソブチルアルミニウムで処理した後、トリメチルアル
ミニウムで追加処理する方法、(ト) メチルアルモキ
サンおよびイソブチルアルモキサンを公知の方法で合成
し、これら二成分を所定量混合し、加熱反応させる方
法、(チ) ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶
媒に硫酸銅5水塩などの結晶水を有する塩を入れ、−4
0〜40℃位の温度条件下トリメチルアルミニウムと反
応させる方法。この場合、使用される水の量は、トリメ
チルアルミニウムに対してモル比で通常0.5〜1.5
である。このようにして得られたメチルアルモキサン
は、線状または環状の有機アルミニウムの重合体であ
る。
【0060】一般式〔IV〕であらわされる化合物は、一
種類のトリアルキルアルミニウム、または二種類以上の
トリアルキルアルミニウムと
【0061】
【化9】 であらわされるアルキルボロン酸(ここで、Rは炭素
数1〜10、好ましくは炭素数1〜6、のものを示す)
との10:1〜1:1(モル比)の反応により得ること
ができる。具体的には、(イ)トリメチルアルミニウム
とメチルボロン酸の2:1の反応物、(ロ)トリイソブ
チルアルミニウムとメチルボロン酸の2:1反応物、
(ハ)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミ
ニウムとメチルボロン酸の1:1:1反応物、(ニ)ト
リメチルアルミニウムとエチルボロン酸の2:1反応
物、および(ホ)トリエチルアルミニウムとブチルボロ
ン酸の2:1反応物等が例示される。これらの一般式
〔IV〕の化合物は、複数種用いることも可能であり、ま
た一般式〔II〕または〔III 〕であらわされるアルモキ
サンや、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニ
ウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニ
ウムクロリド等の他のアルキルアルミニウム化合物と併
用することも可能である。
【0062】また、成分(A)と反応して成分(A)を
カチオンに変換することが可能なイオン性化合物として
は、一般式〔V〕であらわされるものがある。
【0063】 〔K〕e+〔Z〕e− 〔V〕 ここで、Kはイオン性のカチオン成分であって、例えば
カルボニウムカチオン、トロピリウムカチオン、アンモ
ニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウム
カチオン、ホスフォニウムカチオン等が挙げられる。ま
た、それ自身が還元されやすい金属の陽イオンや有機金
属の陽イオン等も挙げられる。これらのカチオンの具体
例としては、(イ)トリフェニルカルボニウム、ジフェ
ニルカルボニウム、シクロヘプタトリエニウム、インデ
ニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモ
ニウム、トリブチルアンモニウム、N,N‐ジメチルア
ニリニウム、ジプロピルアンモニウム、ジシクロヘキシ
ルアンモニウム、トリフェニルホスホニウム、トリメチ
ルホスホニウム、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウ
ム、トリ(メチルフェニル)ホスホニウム、トリフェニ
ルスルホニウム、トリフェニルオキソニウム、トリエチ
ルオキソニウム、ピリリウム、および銀イオン、金イオ
ン、白金イオン、銅イオン、パラジウムイオン、水銀イ
オン、フェロセニウムイオン等がある。
【0064】上記の一般式〔V〕におけるZはイオン性
のアニオン成分であり、成分(A)が変換されたカチオ
ン種に対して対アニオンとなる成分(一般には非配位
の)であって、例えば、有機ホウ素化合物アニオン、有
機アルミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化合物ア
ニオン、有機リン化合物アニオン、有機ひ素化合物アニ
オン、有機アンチモン化合物アニオンなどが挙げられ
る。具体的には、(イ)テトラフェニルホウ素、テトラ
キス(3,4,5‐トリフルオロフェニル)ホウ素、テ
トラキス(3,5‐ジ(トリフルオロメチル)フェニ
ル)ホウ素、テトラキス(3,5‐ジ(t‐ブチル)フ
ェニル)ホウ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ホウ素、(ロ)テトラフェニルアルミニウム、テト
ラキス(3,4,5‐トリフルオロフェニル)アルミニ
ウム、テトラキス(3,5‐ジ(トリフルオロメチル)
フェニル)アルミニウム、テトラキス(3,5‐ジ(t
‐ブチル)フェニル)アルミニウム、テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)アルミニウム、(ハ)テトラフェ
ニルガリウム、テトラキス(3,4,5‐トリフルオロ
フェニル)ガリウム、テトラキス(3,5‐ジ(トリフ
ルオロメチル)フェニル)ガリウム、テトラキス(3,
5‐ジ(t‐ブチル)フェニル)ガリウム、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ガリウム、(ニ)テトラフ
ェニルリン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)リ
ン、(ホ)テトラフェニルヒ素、テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ヒ素、(ヘ)テトラフェニルアンチモ
ン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アンチモ
ン、(ト)デカボレート、ウンデカボレート、カルバド
デカボレート、デカクロロデカボレート等がある。
【0065】また、ルイス酸、特に成分(A)をカチオ
ンに変換可能なルイス酸、としては、種々の有機ホウ素
化合物、金属ハロゲン化合物、あるいは固体酸等が例示
される。具体的には、(イ)トリフェニルホウ素、トリ
ス(3,5‐ジフルオロフェニル)ホウ素、トリス(ペ
ンタフルオロフェニル)ホウ素等の有機ホウ素化合物、
(ロ)塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化ア
ルミニウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨ
ウ化マグネシウム、塩化臭化マグネシウム、塩化ヨウ化
マグネシウム、臭化ヨウ化マグネシウム、塩化マグネシ
ウムハイドライド、塩化マグネシウムハイドロオキシ
ド、臭化マグネシウムハイドロオキシド、塩化マグネシ
ウムアルコキシド、臭化マグネシウムアルコキシド等の
金属ハロゲン化合物、および(ハ)シリカ‐アルミナ、
アルミナ等の固体酸がある。
【0066】これらのイオン性化合物やルイス酸は、成
分(B)として単独で用いることもできるし、一般式
〔II〕、〔III 〕あるいは〔IV〕のアルミニウムオキシ
化合物と併用することができる。また、トリ低級アルキ
ルアルミニウム、ジ低級アルキルアルミニウムモノハラ
イド、モノ低級アルキルアルミニウムジハライドおよび
低級アルキルアルミニウムセスキハライド、ならびにこ
れらの低級アルキル基の一部がフェノキシ基と替ったも
の、たとえばトリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムフェノキシド、ジメチルアルミニウムクロリド
等の有機アルミニウム化合物と併用することも可能であ
る。 <触媒の形成>本発明の触媒は、上記の成分(A)およ
び成分(B)を、重合槽内であるいは重合槽外で、重合
させるべきモノマーの存在下あるいは非存在下に接触さ
せることにより得ることができる。
【0067】本発明で使用する成分(A)および成分
(B)の使用量は任意である。例えば溶媒重合の場合、
成分(A)の使用量は遷移金属原子として10-7〜10
ミリモル/リットル、さらには10-4〜1ミリモル/
リットルの範囲内が好ましい。アルミニウムオキシ化合
物の場合Al/遷移金属のモル比は通常10以上、10
0,000以下、さらに100以上、20,000以
下、特に100以上、10,000以下の範囲が好んで
用いられる。一方、成分(B)としてイオン性化合物あ
るいはルイス酸を用いた場合は、対遷移金属のモル比で
0.1〜1,000、好ましくは0.5〜100、さら
に好ましくは1〜50、の範囲で使用される。
【0068】本発明の触媒は、成分(A)および(B)
以外に、他の成分を含みうるものであることは前記した
通りであるが、成分(A)および(B)に加えることが
可能な第三成分(任意成分)としては、例えばHO、
メタノール、エタノール、ブタノール等の活性水素含有
化合物、エーテル、エステル、アミン等の電子供与性化
合物、ホウ酸フェニル、ジメチルメトキシアルミニウ
ム、亜リン酸フェニル、テトラエトキシシラン、ジフェ
ニルジメトキシシラン等のアルコキシ含有化合物を例示
することができる。
【0069】オレフィンの重合にこれらの触媒系を使用
するときには、成分(A)および(B)は反応槽に別々
に導入してもよいし、成分(A)および(B)を予め接
触させたものを反応槽に導入してもよい。成分(A)お
よび(B)を予め接触させる際に、重合させるべきモノ
マーの存在下でこれを行ってオレフィンを一部重合させ
る(いわゆる予備重合する)ことも可能である。
【0070】また、任意の順に成分(A)および成分
(B)および公知の微粒子担体(シリカ、アルミナ、塩
化マグネシウム、モンモリロナイト、マイカ等の無機化
合物担体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリジビニ
ルベンゼン等の有機化合物担体等)を接触させ担持触媒
として使用することも可能である。 <触媒の使用/オレフィンの重合>本発明の触媒は、溶
媒を用いる溶媒重合に適用されるのはもちろんである
が、実質的に溶媒を用いない液相無溶媒重合、気相重
合、溶融重合にも適用される。また連続重合、回分式重
合に適用される。
【0071】溶媒重合の場合の溶媒としては、ヘキサ
ン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、
トルエン等の飽和脂肪族または芳香族炭化水素の単独あ
るいは混合物が用いられる。
【0072】重合温度は−78〜300℃程度、好まし
くは−20〜250℃、である。反応系の重合圧力には
特に制限がないが、好ましくは常圧〜2,000Kg/cm
2 ‐Gの範囲である。
【0073】また、重合に際しては公知の手段、例えば
温度、圧力の選定あるいは水素の導入、により分子量調
節を行なうことができる。
【0074】本発明の触媒により重合するα‐オレフィ
ン、即ち本発明の方法において重合反応に用いられるα
‐オレフィン(エチレンも包含する)は、炭素数2〜2
0、好ましくは2〜10、のα‐オレフィンである。具
体的には、例えばプロピレン、1‐ブテン、4‐メチル
‐1‐ペンテン、1‐ヘキセン、1‐オクテン、1‐デ
セン、1‐ドデセン、1‐テトラデセン、1‐ヘキサデ
セン、1‐オクタデセン、1‐エイコセンなどがある。
本発明の触媒は、立体特異性重合を目的とする炭素数3
〜10のα‐オレフィンの重合に好ましく、特にプロピ
レンの重合に好ましく用いられる。これらのα‐オレフ
ィン類は、二種以上混合して重合に供することができ
る。
【0075】また、本発明の触媒は、上記α‐オレフィ
ン類とエチレンとの共重合も可能である。さらには、上
記α‐オレフィンと共重合可能な他の単量体、例えばブ
タジエン、1,4‐ヘキサジエン、7‐メチル‐1,6
‐オクタジエン、1,8‐ノナジエン、1,9‐デカジ
エンなどのような共役および非共役ジエン類、または、
シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、ノル
ボルネン、ジシクロペンタジエンなどの様な環状オレフ
ィンの共重合にも有効である。
【0076】
〔エチレン‐1,2‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロライド(化合物番号18)の合成〕
(1)1,2‐ビス{4‐(2,7‐ジメチル‐1‐オ
キソインダニル)〕エタンの合成 塩化アルミニウム53.34gを塩化メチレン150m
lに溶解し、1,2‐ビス(p‐トリル)エタン16.
83gおよび2‐ブロモイソブチリルブロミド36.7
9gを塩化メチレン150mlに溶解した溶液を室温に
て滴下した。室温で一昼夜撹拌後、反応液を氷水に注
ぎ、濃塩酸約100mlを加えた。塩化メチレンで抽出
し、有機層を水、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、硫
酸マグネシウムで乾燥した。濃縮残渣31.3gをエタ
ノール300mlに溶解し、活性炭約1gを加え、5分
間程還流下撹拌した。セライトを用いて濾過後、濾液の
濃縮残渣27.6gをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにより精製(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=
8:1〜6:1)し、目的物を含むフラクションを得
た。濃縮残渣に酢酸エチルを加え濾別し、粉状物質をさ
らにヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(6:1)で洗浄
することにより標記化合物2.0gを得た。
【0077】H−NMR(δ,CDCl);pp
m:1.23(3H,d,J=4.9Hz)、1.25
(3H,d,J=4.9Hz)、2.35(1H,d
d,J=4.1Hz,J=14.6Hz)、2.41
(1H,dd,J=4.1Hz,J=14.6Hz)、
2.61(6H,s)、2.5〜2.7(2H,m)、
2.92(4H,s)、3.14(1H,dd,J=
4.1Hz,J=8.0Hz)、3.19(1H,d
d,J=4.2Hz,J=8.0Hz)、7.05(2
H,d,J=7.7Hz)、7.20(1H,d,J=
7.4Hz)、7.21(1H,d,J=7.7H
z)。 (2)1,2‐ビス{4‐(1‐ヒドロキシ‐2,7‐
ジメチルインダニル)}エタンの合成 上記反応(1)で得られた粉状の物質2.0gをテトラ
ヒドロフラン20ml、メタノール10mlの混合溶媒
に懸濁し、ソディウムボロハイドライド0.655gを
少量ずつ加えた。室温で一晩撹拌後、反応液を水に注
ぎ、食塩で飽和後、エーテル、塩化メチレンで抽出し
た。有機層を食塩で飽和した希塩酸、飽和食塩水で洗浄
後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去
し、得られた濃縮残渣(粉状)2.03gはこれ以上精
製せずに次の反応に用いた。 (3)1,2‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニ
ル)}エタンの合成 上記反応(2)で得られた粉状の(4)2.03gをト
ルエン50mlに懸濁し、p‐トルエンスルホン酸0.
08gを加えた。反応溶液を80〜85℃とし、内容物
が完全に溶解してから6分後に加熱を終了した。放冷
後、反応液を水にあけトルエンで抽出した。有機層を飽
和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾
燥した。減圧下、トルエンを留去し、濃縮残渣1.52
gをヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(20:1)で洗
浄することにより標記化合物1.4gを得た。
【0078】融点 164〜167.5℃ H−NMR(δ,CDCl);ppm:2.17
(6H,s)、2.37(6H,s)、2.92(4
H,s)、3.20(4H,s)、6.59(2H,
q,J=1.5Hz)、6.91(2H,d,J=7.
7Hz)、7.00(2H,d,J=7.7Hz)。 (4)エチレン‐1,2‐ビス{4‐(2,7‐ジメチ
ルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの合成 上記反応(3)で得られた化合物0.80g(2.55
ミリモル)を30mlの乾燥ジエチルエーテルに懸濁
し、これに窒素下、−78℃で3.22mlのn‐ブチ
ルリチウム(1.66Mヘキサン溶液)を3分間をかけ
て滴下した。滴下終了後、反応混合物をゆっくりと室温
まで昇温させた。
【0079】四塩化ジルコニウム/ジエチルエーテル錯
化合物(ジルコニウム1原子に付き、2分子のジエチル
エーテルを含むもの)0.92gを、前記の反応混合物
を−78℃まで冷却した後に、5分間かけて添加した。
添加終了後、徐々に室温まで昇温し、20時間撹拌を続
けた。
【0080】反応混合物を減圧下に濃縮し、得られた黄
白色残渣に100mlの乾燥塩化メチレンを加え、不溶
分を濾別した。濾液を濃縮して淡黄褐色固体0.61g
を得た。
【0081】H−NMRにより、この生成物を、エチ
レン‐1,2‐ビス(4‐(2,7‐ジメチルインデニ
ル))ジルコニウムジクロリドと帰属した。 〔エチレン‐プロピレンの共重合〕内容積1.5リット
ルの撹拌式オートクレーブ内をエチレンとプロピレンの
混合ガス(モル比1:1)で充分置換した後、充分に脱
水および脱酸素したトルエン500ml、東ソーアクゾ
社製メチルアルモキサン(重合度16)をAl原子換算
で3.4ミリモル(0.19g)導入し、上記で合成し
たエチレン‐1,2‐ビス(4‐(2,7‐ジメチルイ
デニル))ジルコニウムジクロリドを0.47ミリグラ
ム(1μmol )を導入し、70℃で、エチレン300m
l/分、プロピレン300ml/分の流速で導入し、1
時間重合操作を行なった。重合終了後、ストリッピング
により溶媒を除去した後に乾燥して50.2gのポリマ
ーを得た。触媒活性は105000g/g−成分
(A)、数平均分子量(Mn)はポリエチレン換算で
6.10×104 、分子量分布(Mw/Mn)は2.2
8であり、共重合体中のエチレン含量は73.0モル%
であった。 <実施例2>実施例1のエチレンとプロピレンのモル比
を3.0、流量をエチレン300ml/分、プロピレン
100ml/分で行なう以外は全て実施例1に従ってエ
チレン‐プロピレンの共重合を実施した。その結果、触
媒活性は118000g/g−成分(A)で、数平均分
子量(Mn)は8.52×104 、分子量分布(Mw/
Mn)は2.20のエラストマーが得られた。 <実施例3> 〔エチレン‐1‐ヘキセンの重合〕オートクレーブ内の
置換をエチレンで行ない、トルエンを加えた後に1‐ヘ
キセンを30ml導入し、エチレン圧力7kg/cm2
−Gで重合を行なう以外は、すべて実施例1に従ってエ
チレン‐1‐ヘキセン共重合を実施した。
【0082】触媒活性は164,000g/g−成分
(A)、数平均分子量(Mn)は17.2×104 、分
子量分布(Mw/Mn)は3.12、融点は112℃で
あった。 <実施例4>重合温度を95℃で行なう以外は全て実施
例3に従ってエチレン‐1‐ヘキセン共重合を実施し
た。その結果、触媒活性は95000g/g−成分
(A)、数平均分子量(Mn)は13.8×104 、分
子量分布(Mw/Mn)は3.23、融点は96.8℃
であった。 <実施例5>メチルアルモキサンの代わりにトリイソブ
チルアルミニウム150ミリグラム(0.76ミリモ
ル)、N,N‐ジメチルアニリニウム〔テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート〕0.80ミリグラム
(1マイクロモル)を使用する以外は全て実施例3に従
ってエチレン‐1‐ヘキセン共重合を実施した。
【0083】触媒活性は151,000g/g−成分
(A)、数平均分子量(Mn)は12.9×104 、分
子量分布(Mw/Mn)は3.06、融点は114℃で
あった。 <実施例6> 〔エチレン重合〕実施例3の1‐ヘキセン30mlを使
用しない以外は、すべて実施例3に従ってエチレン共重
合を実施した。
【0084】触媒活性は84300g/g−成分
(A)、数平均分子量15.6×104 、分子量分布
(Mw/Mn)は、2.91であった。 <比較例1>実施例3のエチレン‐1,2‐ビス{4‐
(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リドの代わりに、エチレン‐1,2‐ビス(1‐インデ
ニル)ジルコニウムジクロリドを使用し、1‐ヘキセン
を30ml導入する以外は全て実施例3に従ってエチレ
ン‐1‐ヘキセン共重合を実施した。
【0085】触媒活性は48700g/g−成分
(A)、数平均分子量3.46×104 、分子量分布
(Mw/Mn)は2.37、融点は115℃であった。 <比較例2>実施例3のエチレン‐1,2‐ビス{4‐
(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リドの代わりに、ビス(n‐ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリドを使用し、65℃で重合を
実施する以外は全て実施例3に従ってエチレン‐1‐ヘ
キセン共重合を実施した。
【0086】触媒活性は51800g/g−成分
(A)、数平均分子量7.24×104 、分子量分布
(Mw/Mn)は、2.85、融点は119℃であっ
た。 <実施例7> 〔トリメチレン‐1,3‐ビス{(4‐(2,7‐ジメ
チルインデニル)}ジルコニウムジクロライド(化合物
番号48)の合成〕 (5)1,3‐ビス(p‐トリル)プロパンの合成 水酸化ナトリウム0.97gを水9.7mlに溶解し、
エタノール27.1mlを加えた。その溶液に、p‐メ
チルアセトフェノン2.563gをエタノール4mlに
溶解した溶液を室温にて滴下し、つづいてp‐メチルベ
ンズアルデヒド2.30gをエタノール4mlに溶解し
た溶液を滴下した。室温で3時間45分攪拌後、固形分
をろ過し、冷水及びエタノールで洗浄し、よく乾燥する
ことにより4,4′‐ジメチルカルコン4.16gを得
た。
【0087】4,4′‐ジメチルカルコン2.14gを
酢酸40mlに懸濁し、濃塩酸5滴と5%パラジウム/
炭素0.2gを加えた。反応容器内部を水素ガスで置換
し、室温にて8.5時間激しく攪拌した。反応溶液をセ
ライトを用いてろ過し、ろ液を濃縮し標記化合物2.0
2gを得た。
【0088】H−NMR(δ,CDCl);pp
m:1.8〜2.0(2H,m)、2.31(6H,
s)、2.60(4H,t,J=7.9Hz)、7.0
8(8H,s) (6)1,3‐ビス{4−(2,7‐ジメチル‐1‐オ
キソインダニル)}プロパンの合成 塩化メチレン10mlに塩化アルミニウム5.33gを
溶解した。この溶解に4,4′‐ジメチルカルコン1.
80gと2‐ブロモイソブチリルブロミド3.87gを
塩化メチレン20mlに溶解した溶液を室温にて滴下し
た。室温で一昼夜攪拌後、反応液を氷水に注ぎ、濃塩酸
約10mlを加えた。反応液を塩化メチレンで抽出し、
有機層を水、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マ
グネシウムで乾燥した。濃縮残渣3.4gをシリカゲル
カラムクロマトグラフィーにより精製(展開溶媒;ヘキ
サン:酢酸エチル=8:1〜7:1)し、標記化合物
0.521gを得た。
【0089】H−NMR(δ,CDCl);pp
m:1.30(6H,d,J=7.4Hz)、1.8〜
2.2(2H,m)、2.5〜2.8(8H,m)、
2.61(6H,s)、3.25(2H,dd,J=
7.8Hz,J=17.0Hz)、7.07(2H,
d,J=7.6Hz)、7.27(2H,d,J=7.
6Hz) (7)1,3‐ビス{4‐(1‐ヒドロキシ‐2,7‐
ジメチルインダニル)}プロパンの合成 上記反応(6)で得られた化合物0.515gをテトラ
ヒドロフラン5.2ml、メタノール2.6mlの混合
溶媒に懸濁し、ソディウムボロハイドライド0.162
gを少量ずつ加えた。室温で一晩攪拌後、反応液を希塩
酸に注ぎ食塩で飽和後、エーテルで抽出した。有機層を
飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減
圧下溶媒を留去し、得られた濃縮残渣0.505gはこ
れ以上精製せずに次の反応に用いた。 (8)1,3‐ビス{4‐(2.7‐ジメチルインデニ
ル)}プロパンの合成 上記反応(7)で得られた化合物0.505gをトルエ
ン12.6mlに懸濁し、p‐トルエンスルホン酸0.
013gを加えた。反応溶液50〜55℃とし、内容物
が完全に溶解してから30分後に加熱を終了した。放冷
後、反応液を水にあけトルエンで抽出した。有機層を飽
和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾
燥した。減圧下、トルエンを留去し、濃縮残渣0.51
gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製するこ
とにより、標記化合物0.327gを得た。
【0090】融点112〜115.5℃ H−NMR(δ,CDCl);ppm:1.9〜
2.1(2H,m)、2.15(6H,s)、2.36
(6H,s)、2.68(4H,t,J=7.7H
z)、3.16(4H,s)、6.57(2H,q,J
=1.5Hz)、6.86(2H,d,J=7.7H
z)、6.98(2H,d,J=7.7Hz) (9)トリメチレン‐1,3‐ビス{4‐(2,7‐ジ
メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの合成 実施例1の“(4)エチレン‐1,2‐ビス{4‐
(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リドの合成”において、1,2‐ビス{4‐(2,7‐
ジメチルインデニル)}エタンの代りに上記で得た1,
3‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}プロ
パン0.50g(1.5mmol)を用いた以外は同様
に実験を行い、淡黄色固体0.23gを得た。
【0091】H−NMRにより、この生成物がトリメ
チレン‐1,3‐ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデ
ニル)}ジルコニウムジクロリドであることを確認し
た。 <エチレン‐プロピレンの共重合>エチレン‐1,2‐
ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリドの代わりに、トリメチレン‐1,3‐ビ
ス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリドを使用する以外は実施例1に従って実施し
た。触媒活性は169,000g/g−成分(A)であ
り、共重合体中のエチレン含率は63.7モル%であっ
た。 <実施例8>エチレン‐1,2‐ビス{4‐(2,7‐
ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドの代わ
りに、トリメチレン‐1,3‐ビス{4‐(2,7‐ジ
メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリドを使用す
る以外は全て実施例3と同様に重合を実施した。触媒活
性は75,600g/g−成分(A)、数平均分子量
は、108,000、分子量分布は3.20、融点は1
26℃であった。 <実施例9>〔ジメチルシリレンビス{4‐(2‐メチ
ルインデニル)}ジルコニウムジクロリド(化合物番号
27)の合成〕 (10)2‐メチル‐4‐ブロモ‐1‐インダノンエチ
レンケタールの合成 2‐ブロモベンジルブロミドとメチルマロン酸ジエチル
から導かれる2‐メチル‐4‐ブロモ‐1‐インダノン
4.88gをエチレングリコール12mlに溶解し、オ
ルトギ酸エチル5.4mlを加えた。p‐トルエンスル
ホン酸一水和物を触媒量加えた後、室温で一晩攪拌し
た。反応液を飽和重曹水にあけ、エーテルで抽出した。
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去
した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
で精製することにより、標記化合物4.08gを得た。
【0092】H−NMR(δ,CDCl);pp
m:1.13(3H,d,J=6.7Hz)、2.49
〜2.59(2H,m)、3.07(1H,dd,J=
10.2H、J=18.8Hz)、4.05〜4.23
(4H,m)、7.11(1H,dd,J=7.1H
z、J=7.1Hz)、7.26(1H,d,J=7.
1Hz)、7.45(1H,d,J=7.1Hz) (11)ビス(2‐メチル‐1‐インダノン‐4‐イ
ル)ジメチルシランの合成 上記反応(10)で得られた化合物5.42gをアルゴ
ン雰囲気下、エーテル50mlに溶解した。−5℃でノ
ルマルブチルリチウム‐ヘキサン溶液(1.65M)1
2.8mlを滴下し、−8〜−4℃で1時間40分攪拌
した。ジメチルジクロロシラン1.25gをヘキサン5
mlに溶解した溶液を−4〜−1℃の温度で滴下し、ヘ
キサン3mlで洗い込んだ。−3℃で30分間攪拌した
後、室温で一晩攪拌した。飽和食塩水に反応液を注ぎ、
エーテルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶
媒を留去した。濃縮残渣4.88gをこれ以上精製する
こと無く、アセトン70mlに溶解し、p−トルエンス
ルホン酸一水和物0.106gを加え、室温で4時間攪
拌した。大部分のアセトンを減圧下留去後、飽和重曹水
にあけ酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗
浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し
た。濃縮残渣約4.0gをシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製することにより、標記化合物2.87g
を得た。
【0093】H−NMR(δ,CDCl);pp
m:0.71(6H,s)、1.21(6H,d,J=
7.4Hz)、2.44、2.46(2H,dd,J=
17.2Hz、J=7.2Hz)、2.54〜2.67
(2H,m)、3.13、3.15(2H,dd,J=
17.6Hz、J=7.9Hz)、7.41(2H,d
d,J=7.6Hz、J=7.5Hz)、7.74〜
7.80(2H,m)、7.81(2H,d,J=7.
7Hz) (12)ビス{7‐(2‐メチル‐1H‐インデニ
ル)}ジメチルシランの合成 上記反応(11)で得られた化合物3.096gをテト
ラヒドロフラン31mlとメタノール15.5mlの混
合溶媒に溶解し、0℃でナトリウムボロハイドライド
1.01gを少しずつ加えた。全てを加え終わった後、
0℃で1時間攪拌し、その後室温で一晩攪拌した。反応
溶液を希塩酸にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽
和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下
溶媒を留去し、得られた濃縮残渣3.23gはこれ以上
精製すること無く、トルエン81mlに溶解し、p−ト
ルエンスルホン酸一水和物0.084gを加え、80℃
で1時間攪拌した。反応液を冷却後、飽和重曹水にあ
け、トルエンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、
硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、濃
縮残渣2.9gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
で精製することにより、標記化合物2.258gを得
た。
【0094】融点91〜93℃ H−NMR(δ,CDCl);ppm:0.65
(6H,s)、2.04(6H,s)、3.02(4
H,s)、6.44(2H,q,J=1.5Hz)、
7.19〜7.29(6H,m) (13)ジメチルシリレンビス{4‐(2‐メチルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリドの合成 実施例1の“(4)エチレン‐1,2‐ビス{4‐
(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リドの合成”において、1,2‐ビス{4‐(2,7‐
ジメチルインデニル)}エタンの代りに上記で得たビス
{7‐(2‐メチル‐1H‐インデニル)}ジメチルシ
ラン0.50g(1.6mmol)を用いた以外は同様
に実験を行い、黄橙色固体0.35gを得た。
【0095】H−NMRにより、この生成物がジメチ
ルシリレンビス{4‐(2‐メチルインデニル)}ジル
コニウムジクロリドであることを確認した。 <エチレン‐1‐ヘキセンの重合>エチレン‐1,2‐
ビス{4‐(2,7‐ジメチルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリドの代わりに上記で合成したジメチルシリ
レンビス{4‐(2‐メチルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリドを使用する以外は全て実施例2に従ってエ
チレン‐1‐ヘキセンの共重合を実施した。その結果、
79,200g/g−成分(A)、数平均分子量20.
5×104 、分子量分布は3.18、融点は106.5
℃であった。 <実施例10>内容積1.5リットルの攪拌式オートク
レーブ内をプロピレンで充分置換した後、充分に脱水お
よび脱酸素したトルエン500ml、東ソーアクゾ社製
メチルイソブチルアルモキサンをAl原子換算で10ミ
リモル導入し、上記で合成したジメチルシリレンビス
{4‐(2‐メチルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド0.48ミリグラム(1μmol)を導入し、40
℃でプロピレン圧力7kg/cm2 −Gで2時間重合を
実施した。重合終了後、得られたポリマースラリーをろ
過により分離し、ポリマーを乾燥した。
【0096】この結果、10.1gのポリマーが得られ
た。触媒活性は21,000g/g−成分(A)、数平
均分子量は6.77×104 分子量分布は2.12であ
った。又、13CNMRによるメチルトライアッド分率
(mm)は76.0であり、アイソタクチックポリマー
であった。
【0097】<実施例11>シェリング社製のメチルア
ルモキサン(濃度10wt%)をAl原子換算で1.0
8モル(29.2g)と上記で合成したエチレン−1,
2−ビス(4−(2,7−ジメチルインデニル))ジル
コニウムジクロリドを1.12ミリモル(0.532
g)を混合したものを、脱水したトルエンで希釈して、
該遷移金属化合物濃度が0.11ミリモル/リットルの
触媒溶液を調製した。この触媒溶液を1300kg/c
2 −Gに保った内容積1.5リットルの撹拌式連続オ
ートクレーブ反応器内に1.5リットル/時で導入し、
エチレンと1−ヘキセンの混合ガスを用いて重合操作を
行った。温度を175℃に調整し、該混合ガスは一定比
(モル比0.67:1.00、該混合ガス流量40kg
/h)で導入した。その結果、密度が0.901g/c
3 、MFRが2.1のポリエチレンを得た。このとき
の触媒活性は225000gポリエチレン/g−成分
(A)であった。
【0098】
【発明の効果】本発明の触媒成分を用いると、経済性の
高い高温重合条件下においても高分子量のα‐オレフィ
ン重合体を高収率で製造することが可能になることは
「発明の概要」の項において前記したところである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高 浜 智 彦 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 加 藤 拓 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波総合研究所内 (72)発明者 谷 山 英 二 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波総合研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式〔IA 〕または〔IB 〕で表
    わされるメタロセン化合物からなることを特徴とする、
    α‐オレフィン重合用触媒成分。 【化1】 (式中、Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムか
    らなる群から選ばれた遷移金属である。Rは、それぞれ
    独立して、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素残基、
    ハロゲンを含む炭素数1〜20の炭化水素残基またはケ
    イ素を含む炭素数1〜20の炭化水素残基である(ただ
    し、Rが同一のインデニルないしヒドロインデニル基上
    に複数存在するときは、それらはそのω‐端で相互に結
    合して該インデニルないしヒドロインデニル基の一部と
    共に環を形成してもよい)。aは0以上3以下の整数で
    あり、bは0以上7以下の整数である。Qは、炭素数1
    〜30の、2価の、炭化水素残基またはケイ素もしくは
    ゲルマニウムを含む炭化水素残基である。XおよびY
    は、それぞれ独立して、水素もしくはハロゲン、または
    炭素数1〜20の、1価の、炭化水素残基または窒素、
    酸素、ケイ素もしくはリンを含む炭化水素残基であ
    る。)
  2. 【請求項2】式〔IA 〕または〔IB 〕のメタロセン化
    合物の各置換基が下記の通りのものである、請求項1に
    記載のα‐オレフィン重合用触媒成分。R:それぞれ独
    立して、ハロゲン、炭素数1〜14の炭素水素残基、ハ
    ロゲンを含む炭素数1〜14の炭素水素残基またはケイ
    素を含む炭素数1〜14の炭化水素残基(ただし、Rが
    同一のインデニルないしヒドロインデニル基上に複数存
    在するときは、それらはそのω‐端で相互に結合して該
    インデニルないしヒドロインデニル基の一部と共に環を
    形成してもよい)。 a:0または1〜3の整数。 b:0または1〜7の整数。 Q:炭素数1〜6の2価の炭化水素残基または炭素数1
    〜12の炭化水素を有するシリレン基、ゲルミレン基。 X、Y:それぞれ独立して、水素もしくはハロゲン、又
    は炭素数1〜20の、1価の、炭化水素残基または窒
    素、酸素、ケイ素もしくはリンを含む炭素数1〜20の
    炭化水素残基。
  3. 【請求項3】メタロセン化合物が式〔IA 〕の化合物で
    ある、請求項1〜2のいずれか1項に記載のα‐オレフ
    ィン重合用触媒成分。
  4. 【請求項4】下記の成分(A)および成分(B)を組合
    わせてなることを特徴とする、α‐オレフィン重合用触
    媒。成分(A) 請求項1〜3のいずれか一項のα‐オレフィン重合用触
    媒成分。成分(B) (イ)アルミニウムオキシ化合物、(ロ)ルイス酸ある
    いは(ハ)成分(A)と反応して成分(A)をカチオン
    に変換することが可能なイオン性化合物。
  5. 【請求項5】アルミニウムオキシ化合物(イ)が、式
    〔II〕、〔III 〕または〔IV〕で表わされる化合物であ
    る、請求項4に記載のα‐オレフィン重合用触媒。 【化2】 (ここで、pは0〜40の数であり、Rは水素または
    炭化水素残基を示す。)
  6. 【請求項6】成分(A)と反応して成分(A)をカチオ
    ンに変換することが可能なイオン性化合物(ハ)が式
    〔V〕で表わされる化合物である、請求項4に記載のα
    ‐オレフィン重合用触媒。 〔K〕e+〔Z〕e− 〔V〕 (ここで、Kはイオン性のカチオン成分であって、カル
    ボニウムカチオン、トロピリウムカチオン、アンモニウ
    ムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチ
    オン、ホスフォニウムカチオンまたはそれ自身が還元さ
    れやすい金属の陽イオンや有機金属の陽イオンであり、
    Zはイオン性のアニオン成分で、成分(A)が変換され
    たカチオン種に対して対アニオンとなる成分であって、
    有機ホウ素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物ア
    ニオン、有機ガリウム化合物アニオン、有機リン化合物
    アニオン、有機ひ素化合物アニオンまたは有機アンチモ
    ン化合物アニオンである。)
  7. 【請求項7】請求項4〜6の成分(A)および成分
    (B)を組合せてなる触媒にα‐オレフィンを接触させ
    て重合させることを特徴とする、α‐オレフィン重合体
    の製造法。
JP7017189A 1994-07-22 1995-02-03 α‐オレフィン重合用触媒成分およびそれを用いたα‐オレフィン重合体の製造法 Pending JPH0885707A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013140905A1 (ja) 2012-03-23 2013-09-26 株式会社Adeka 家電材料用及び自動車内装材料用オレフィン樹脂組成物の製造方法
WO2015060257A1 (ja) 2013-10-21 2015-04-30 株式会社Adeka 安定化されたポリマーの製造方法
EP3042990A1 (en) 2010-11-16 2016-07-13 Adeka Corporation Method for stabilizing polymer for long term, method for producing nonwoven fabric, and method for producing elastomer composition
US10464707B2 (en) 2010-08-20 2019-11-05 Alcoa Usa Corp. Shaped metal container and method for making same

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