JPH0885272A - 感熱孔版印刷用原紙 - Google Patents

感熱孔版印刷用原紙

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JPH0885272A
JPH0885272A JP22337694A JP22337694A JPH0885272A JP H0885272 A JPH0885272 A JP H0885272A JP 22337694 A JP22337694 A JP 22337694A JP 22337694 A JP22337694 A JP 22337694A JP H0885272 A JPH0885272 A JP H0885272A
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JP
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film
thermoplastic polyester
polyester film
base paper
heat
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JP22337694A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Yamauchi
英幸 山内
Kenji Kida
健次 喜田
Yukio Kawazu
幸雄 河津
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】熱可塑性ポリエステルフィルム(A)の片面に
合成繊維からなる多孔性支持体(B)が接着剤を介する
ことなく接着されてなり、かつ該熱可塑性ポリエステル
フィルム(A)面側とソーダガラスとの100℃におけ
る静摩擦係数が1.0以下であることを特徴とする感熱
孔版印刷用原紙。 【効果】ハロゲンランプ、キセノンランプ、フラッシュ
ランプなどによる閃光照射や赤外線照射、レーザー光線
等のパルス的照射、あるいはサーマルヘッド等によって
穿孔製版される感熱孔版印刷用原紙に関し、特に穿孔性
が良好でサーマルヘッド等との滑りを良好にし、カール
が少なく印刷性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲンランプ、キセ
ノンランプ、フラッシュランプなどによる閃光照射や赤
外線照射、レーザー光線等のパルス的照射、あるいはサ
ーマルヘッド等によって穿孔製版される感熱孔版印刷用
原紙に関し、特に穿孔性が良好でサーマルヘッド等との
滑りを良好にし、カールが少なく印刷性が優れた感熱孔
版印刷用原紙を得るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より感熱孔版印刷用原紙としては、
熱可塑性ポリエステルフィルム(A)や塩化ビニリデン
フィルム、ポリエステル、ポリプロピレンフィルム等の
熱可塑性樹脂フィルムに天然繊維、化学繊維または合成
繊維あるいはこれらを混抄した薄葉紙、不織布、紗等に
よって構成された多孔性支持体を接着剤で貼り合わせた
構造のものが知られている(例えば、特開昭51−25
12号公報、特開昭57−182495号公報など)。
【0003】しかしながら、これら従来の感熱孔版用原
紙は次のような欠点を有していた。即ち、 (1)フィルムと多孔性支持体とを接着剤を用いて貼り
合わせているため、接着剤によってインキの透過が阻害
され、画像鮮明性が劣る。
【0004】(2)また、使用される接着剤自体につい
ても、例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂接着
剤は印刷インキによって軟化、膨潤、溶解しやすいた
め、耐インキ性に劣り、熱硬化性接着剤を使用する場合
には、未硬化物が残存しやすいために製版時にサーマル
ヘッドに融着を生じ易く、また、塩素系接着剤を使用す
る場合にはサーマルヘッドの加熱によって有毒な塩素を
放出するなどの問題がある。
【0005】(3)さらに、薄葉紙を使用しているため
に湿度の影響を受け易く、搬送性不良、印刷不良などの
トラブルが発生し易く、収率が低い。
【0006】(4)接着剤や溶剤を使用するため、作業
環境が悪化する。また、地球環境保護の面から好ましく
ない。
【0007】これらの欠点を改良するため、使用する接
着剤の量をできるだけ少なくする提案がなされてきた
(例えば、特開昭58−147396号公報、特開平4
−232790号公報など)が上記の欠点を完全に解消
するには至っていないのが現状である。
【0008】また、接着剤を用いない方法として、特開
平4−212891号公報においては、熱可塑性樹脂フ
ィルムの片面に合成繊維が散布され熱圧着されてなる繊
維層が形成されていることを特長とする感熱性孔版原紙
が提案されている。しかしながら、この方法は、長さ5
0mm以下の合成繊維を風力または静電気によって散布
する方法であるため、繊維の分散が不均一となり、した
がってインキの透過性にムラが生じ、画像鮮明性が不十
分となる。また、この方法では樹脂フィルムと繊維層の
接着剤が必ずしも十分ではないため、フィルム搬送時に
シワや破れが発生し易いという問題がある。接着性を完
全にするため、繊維層にバインダー繊維を混入したり、
フィルム面に粘着剤を微量塗布することが提案されてい
るが、バインダー繊維や粘着剤を使用するとインキの透
過性が阻害され、結果的に画像鮮明性が低下してしまう
という欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決し、画像鮮明性に優れ、特にサーマルヘ
ッド等との滑りが良く、搬送性が良好で製版性、印刷性
が優れた感熱孔版印刷用原紙を提供しようとするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために熱可塑性ポリエステルフィルム(A)の
片面に合成繊維からなる多孔性支持体(B)が接着剤を
介することなく接着されてなり、かつ該熱可塑性ポリエ
ステルフィルム(A)面側とソーダガラスとの100℃
における静摩擦係数が1.0以下であることを特徴とす
る感熱孔版印刷用原紙とするものである。
【0011】本発明における熱可塑性ポリエステルフィ
ルム(A)およびポリエステル繊維に用いられるポリエ
ステルとはいずれも、芳香族ジカルボン酸または脂肪族
ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とするポリエ
ステルである。ここで、芳香族ジカルボン酸として例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−
ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジ
フェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテル
ジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボ
ン酸等を挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸成分
としては例えばアジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、
ドデカンジオン酸等を挙げることができる。中でも好ま
しくはテレフタル酸、イソフタル酸を挙げることができ
る。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上
併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオ
キシ酸等を一部共重合しても良い。また、ジオール成分
としては例えば、エチレングリコール、1,2−プロパ
ンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、
1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,
2′ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プ
ロパン等を挙げることができる。中でもエチレングリコ
ールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1
種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0012】本発明の熱可塑性ポリエステルフィルム
(A)に用いられるポリエステルとして好ましくは、ポ
リエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレートと
エチレンイソフタレートとの共重合体、ポリブチレンテ
レフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサ
メチレンテレフタレートおよびその共重合体等を挙げる
ことができる。
【0013】また、本発明の合成繊維に用いられるポリ
エステルとしては好ましくは、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサン
ジメチレンテレフタレート、エチレンテレフタレートと
エチレンイソフタレートとの共重合体等を挙げることが
できる。穿孔時の熱寸法安定性の点から特に好ましく
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート等を挙げることができる。
【0014】本発明におけるポリエステルは従来公知の
方法で製造することができる。例えば、酸成分をジオー
ル成分と直接エステル化反応させた後、この反応の生成
物を減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去しつつ
重縮合させることによって製造する方法や、酸成分とし
てジアルキルエステルを用い、これとジオール成分とで
エステル交換反応させた後、上記と同様に重縮合させる
ことによって製造する方法等がある。この際、必要に応
じて、反応触媒として従来公知のアルカリ金属、アルカ
リ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、
ゲルマニウム、チタン化合物を用いることもできる。
【0015】本発明におけるポリエステルには、必要に
応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、顔料、脂肪酸エステル、ワックス等の
有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤等を配合す
ることができる。
【0016】さらには用途に応じて易滑性を付与するこ
ともできる。易滑性付与方法としては特に制限はない
が、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシ
ウム、カオリン、タルク、湿式あるいは乾式シリカなど
の無機粒子、アクリル酸系ポリマ類、ポリスチレン等を
構成成分とする有機粒子等を配合する方法、ポリエステ
ル重合反応時に添加する触媒等が失活して形成される、
いわゆる内部粒子による方法、界面活性剤を塗布する方
法等がある。
【0017】本発明原紙の熱可塑性ポリエステルフィル
ム面側とソーダガラスとの100における静摩擦係数は
1.0以下である。ここで静摩擦係数とは、原紙を長さ
方向100mm、幅方向75mmに切り出し、100℃
に加熱されたソーダガラス上に熱可塑性ポリエステル面
が下になるように置き、多孔性支持体面に200gの荷
重を乗せ、150mm/分で走行させた時の初期剪断力
を静摩擦係数とし、静摩擦係数がこの範囲を外れるとサ
ーマルヘッド等との滑りが不良になり、搬送性、製版性
が不良になり好ましくない。
【0018】また、本発明の原紙の熱可塑性ポリエステ
ルフィルム面表面粗さRaは、サーマルヘッドとの密着
性から1.0以下である。ここで表面粗さRaとは、接
触式表面粗さ計で表面粗さを測定した時の中心線平均粗
さを言い、表面粗さRaがこの範囲を外れるとサーメル
ヘッドとの密着性が低下して穿孔不良となり好ましくな
い。
【0019】本発明の範囲とするためには任意の方法を
採用できるが熱可塑性ポリエステルフィルムと合成繊維
からなる多孔性支持体を特定の条件で接着し、熱可塑性
ポリエステルフィルム表面に特定の離型剤を塗布するこ
とにより好ましく達成できる。
【0020】本発明における合成繊維からなる多孔性支
持体は、上記ポリエステルを用いて、従来公知のメルト
ブロー法やスパンボンド法などの直接溶融紡糸法によっ
て製造することができる。用いられるポリエステルの固
有粘度は、通常好ましくは0.40以上、より好ましく
は0.50以上である。
【0021】メルトブロー紡糸法では、溶融したポリエ
ステルポリマーを口金から吐出するに際して、口金周辺
部から熱風を吹き付け、該熱風によって吐出したポリマ
ーを細繊度化せしめ、ついで、しかるべき位置に配置し
たネットコンベア上に吹き付けて捕集し、ウエブを形成
して製造される。該ウエブはネットコンベアに設けた吸
引装置によって熱風と一緒に吸引されるので、繊維が完
全に固化する前に捕集される。つまりウエブの繊維同士
は互いに融着した状態で捕集される。口金とネットコン
ベア間の捕集距離を適宜設定することによって、繊維の
融着度合いを調整することができる。また、ポリマー吐
出量、熱風温度、熱風流量、コンベア移動速度等を適宜
調整することにより、ウエブの繊維目付量や単糸繊度を
任意に設定することができる。メルトブロー紡糸された
繊維は、熱風の圧力で細繊度化されるが、延伸はされ
ず、いわゆる無配向に近い状態で固化される。繊維の太
さは均一ではなく、太い繊維と細い繊維がほどよく分散
した状態でウエブを形成する。また、口金から吐出され
たポリマーは、溶融状態から室温雰囲気下に急冷される
ため、非晶質に近い状態で固化する。
【0022】同様にスパンボンド法では、口金から吐出
したポリマーをエアエジェクターによって牽引し、得ら
れたフィラメントを衝突板に衝突させて繊維を開繊し、
コンベア状に捕集してウエブを形成して製造される。ポ
リマー吐出量、コンベア速度を適宜設定することによ
り、ウエブの繊維目付量を任意に設定できる。また、エ
ジェクターの圧力と流量を適宜調整することにより、フ
ィラメントの分子配向状態を任意に調整できる。圧力と
流量を絞って紡糸速度を遅くすることにより、分子配向
度の低い繊維ウエブを得ることができる。また、吐出し
たポリマーの冷却速度を調整することにより、結晶性の
異なる繊維ウエブを得ることができる。
【0023】本発明に用いる未延伸ポリエステル繊維の
結晶化度は、フィルムとの融着を十分にするため通常好
ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、特に
好ましくは10%以下である。一方、未延伸ポリエステ
ル繊維の配向度は共延伸性の点から低いものが望まし
く、通常、複屈折(Δn)0.03以下が好ましく、よ
り好ましくは0.01以下が好適である。
【0024】本発明における熱可塑性ポリエステルフィ
ルム(A)は、同様に上記ポリエステルを用いて、従来
公知の方法によって製造することができる。例えば、T
ダイ押し出し法によってポリマーをキャストドラム上に
押し出すことによって未延伸フィルムを製造できる。口
金のスリット幅、ポリマーの吐出量、キャストドラムの
回転数を調整することによって、所望の厚さの未延伸フ
ィルムを作ることができる。熱可塑性ポリエステルフィ
ルム(A)に用いられるポリエステルの固有粘度は、通
常好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上で
ある。固有粘度が0.5より低いと製膜安定性が低下
し、特に薄物のキャストが困難となる。
【0025】本発明における熱可塑性ポリエステルフィ
ルム(A)とポリエステル繊維からなる多孔性支持体と
は、互いに融着していることが好ましい。融着させるに
は、通常、熱可塑性ポリエステルフィルム(A)と多孔
性支持体とを加熱しつつ直接貼り合わせる熱圧着処理を
行なうことが好ましい。熱圧着の方法は特に限定される
ものではないが、加熱ロールによる熱圧着がプロセス性
の点から特に好ましい。本発明における熱圧着は熱可塑
性ポリエステルフィルム(A)をキャスト化した後に、
延伸工程の前段階で行なうのが好ましい。熱圧着温度は
熱可塑性ポリエステルフィルム(A)のガラス転移点
(Tg)と冷結晶化温度(Tcc)との間が好ましく、
Tg〜Tg+50℃が特に好ましい。
【0026】本発明において、熱可塑性ポリエステルフ
ィルム(A)と多孔性支持体とは熱圧着した状態で共延
伸することが好ましい。熱圧着した状態で共延伸するこ
とにより、フィルムと支持体とが一体となって延伸する
ことができる。また、両者を一体で共延伸することによ
り、ポリエステル繊維が補強体の役目をなし、フィルム
が破れたりすることがなく、極めて製膜安定性に優れ、
結果として低コストの原紙を得ることができる。
【0027】延伸方法は特に限定されないが、フィルム
の穿孔感度向上および多孔性支持体を形成する繊維の均
一分散性の点で二軸延伸が好ましい。二軸延伸は逐次二
軸延伸法または同時二軸延伸法のいずれの方法であって
も良い。逐次二軸延伸法の場合、縦方向、横方向の順に
延伸するのが一般的であるが、逆に延伸しても良い。延
伸温度は熱可塑性ポリエステルフィルム(A)のガラス
転移温度(Tg)と冷結晶化温度(Tcc)との間であ
るのが好ましい。延伸倍率は特に限定されるものではな
く、用いる熱可塑性ポリエステルフィルム(A)用ポリ
マーの種類や原紙に要求される感度等によって適宜決定
されるが、通常は縦、横それぞれ2〜5倍程度が適当で
ある。また、二軸延伸後、縦または横、あるいは縦横に
再延伸してもかまわない。
【0028】さらに、二軸延伸後の本発明原紙に熱処理
を施すことが好ましい。熱処理温度は、熱可塑性ポリエ
ステルフィルム(A)ポリマのガラス転移点(Tg)以
上多孔性支持体(B)ポリマの融点(Tm)以下の温度
で時間は0.5〜60秒間行なう。
【0029】本発明の多孔性支持体を平面的に観察した
場合において、網状体の形成する開孔部の面積分率は好
ましくは5〜80%、より好ましくは5〜50%であ
る。また、網状体の形成する開孔部を円とみなした場
合、その等価円直径の平均値はインキの透過性、保持性
から好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜
60μm、特に好ましくは10〜30μmである。
【0030】本発明の原紙を構成する多孔性支持体の繊
維目付量は、インキの透過性、画像鮮明性、強度から通
常2〜50g/m2 であり、より好ましくは5〜30g
/m2 である。
【0031】また、多孔性支持体を構成するポリエステ
ル繊維の繊度は通常0.01〜10デニール、好ましく
は0.05〜5デニールである。なお、本発明で言うポ
リエステル繊維の繊度とは支持体の平均繊度である。
【0032】本発明の多孔性支持体を構成する繊維は全
て同一繊度であってもよいし、異なる繊度の繊維が混繊
されたものであってもよい。また、繊度の異なる繊維を
段階的に積層した多層構造としてもよい。多層構造の場
合、少なくともフィルムに面した層を1デニール以下の
繊維で構成し、残りの層を1デニール以上の繊維で構成
すると画像鮮明性と支持体強度とのバランスの点でより
好適である。多層構造の場合、フィルムに面した層の繊
維目付量は1〜5g/m2 とするのが好ましい。
【0033】本発明の多孔性支持体を構成する繊維は延
伸配向されている。複屈折(Δn)は、強度の点から好
ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.14以上で
ある。
【0034】本発明の多孔性支持体を構成する繊維の結
晶化度は、耐熱性の点から通常好ましくは20%以上で
あり、より好ましくは30%以上である。
【0035】本発明の原紙を構成する熱可塑性ポリエス
テルフィルム(A)は、二軸延伸フィルムである。フィ
ルムの厚さは、原紙に要求される感度等によって適宜決
定されるが、穿孔性、製膜安定性から通常0.1〜10
μmであり、好ましくは0.1〜5.0μm、より好ま
しくは0.1〜3.0μmである。
【0036】本発明の原紙を構成する熱可塑性ポリエス
テルフィルム(A)は、結晶融解エネルギー(ΔHu)
が印刷性から3〜11cal/gが好ましく、特に好ま
しくは5〜10cal/gである。
【0037】本発明の原紙を構成する熱可塑性ポリエス
テルフィルム(A)の固有の融点(Tm1 )と多孔性支
持体を形成するポリエステル繊維の固有の融点(Tm2
)とは、支持体の耐熱性の点からTm1 <Tm2 であ
ることが好ましく、かつその温度差が20℃以上である
ことがより好ましい。
【0038】本発明の原紙を構成する離型剤層に用いる
離型剤としては、シリコーンオイル、シリコーン系樹
脂、フッ素系樹脂、界面活性剤等からなる従来公知のも
のを用いることができるが、以下に示す離型剤が特に好
ましい。
【0039】すなわち、水に溶解、乳化または懸濁する
石油系ワックス(a),植物系ワックス(b)およびオ
イル状物質(c)の混合物を主成分とする離型剤が特に
好適である。ここで、主成分とは上記(a)、(b)お
よび(c)の混合物の占める重量比率が50%以上、好
ましくは60%以上であることを言う。ワックス系組成
物とは市販の各種のワックス、例えば石油系ワックス、
植物系ワックス、鉱物系ワックス、動物系ワックス低分
子量ポリオレフィン類などを使用することができ、特に
制限されるものではないが、本発明においては石油系ワ
ックスとしてはパラフィンワックス、マイクロクリスタ
リンワックス、酸化ワックスなどが挙げられるがこれら
の中でも酸化ワックスの使用が突起形成性の点で特に好
ましい。また植物性ワックスとしてはキャンデリラワッ
クス、カルナウバワックス、木ロウ、オリキューリーワ
ックス、さとうきびロウ、ロジン変成ワックスなどが挙
げられるが本発明においては特に下記化合物から成る組
成物が好ましい。
【0040】{ロジン又は不均一ロジン、又は水添ロジ
ン・α、β置換エチレン(α置換基:カルボキシル、β
置換基:水素又はメチル又はカルボキシル)付加物}・
アルキル又はアルケニル(各炭素数1〜8)ポリ(繰り
返し単位:1〜6)アルコールのエステル付加物を用い
るのが易滑性や離形性の点で好ましく、更に上記酸化ワ
ックスとの混合系で用いるとより好ましい。すなわち本
発明は上記組成物を塗布後、1方向に延伸することによ
り微細な細長い突起を形成させることを特徴とするもの
であり、突起形成性の点、および防爆性、環境汚染防止
の点から水に溶解、乳化、懸濁させたワックスが特に好
ましいのである。
【0041】石油系ワックス/植物性ワックスの混合重
量比率は10/90〜90/10、好ましくは20/8
0〜80/20、更に好ましくは30/70〜70/3
0とするのが好ましい。植物性ワックスを10重量%以
上とするのは高温時における易滑性、および離形性の付
与、および水に乳化あるいは懸濁させる場合の均一分散
性が良好で均一な塗布膜を得るのに好適であることによ
る。また石油系ワックスを10重量%以上とするのは塗
布膜の突起形成による易滑性が良好で、高速印字時の走
行性が良いことによる。
【0042】また、本発明では上記ワックス系組成物に
更にオイル状物質を加えた混合物とした時には高パルス
幅領域での印字走行性が特に優れたものとすることがで
きる。ここでオイル状物質とは常温で液体あるいはペー
スト状のオイルであり、植物油、油脂、鉱物油、合成潤
滑油などを挙げることができる。植物油としてはアマニ
油、カヤ油、サフラー油、大豆油、シナギリ油、ゴマ
油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヌカ油、綿実油、オリ
ーブ油、サザンカ油、つばき油、ヒマシ油、落花生油、
バーム油、椰子油などが挙げられる。油脂としては牛
脂、豚油、羊油、カカオ油などであり、鉱物油としてマ
シン油、絶縁油、タービン油、モーター油、ギヤ油、切
削油、流動パラフィンなどが挙げられる。合成潤滑油と
しては化学大辞典(共立出版社)に記載の要件を満たす
ものを任意に使用することが出来、例えばオレフィン重
合油、ジエステル油、ポリアルキレングリコール油、シ
リコーン油などが挙げることができる。これらの中でも
高パルス幅領域での走行性の良好な鉱物油、合成潤滑油
が好適である。またこれらの混合系であって良い。
【0043】上記オイル状物質は前期ワックス系組成物
100重量部に対し1〜100重量部添加するのが好ま
しく、特に好ましくは3〜50重量部である。オイル状
物質が1重量部未満の場合には昇華型プリンターのよう
な高パルス幅領域での走行性が低下する傾向にあり、1
00重量部を越える場合には逆に低パルス幅領域での走
行性が低下する傾向にある。上記範囲とした場合には広
範囲のパルス幅のプリンターでスティックが起こらず走
行性が良好となり特に好ましいのである。
【0044】上記組成物中には本発明の効果を阻害しな
い範囲内で各種添加剤を併用することができる。例えば
帯電防止剤、耐熱剤、耐酸化防止剤、有機、無機の粒
子、顔料などが挙げられる。
【0045】また塗料中には水への分散性を向上した
り、塗布性を向上させる目的で各種添加剤、例えば分散
助剤、界面活性剤、防腐剤、消泡剤などを添加しても良
い。
【0046】ワックス系組成物を主成分とする層を設け
た面の中心線平均粗さ(Ra1 )はスティック性、ヘッ
ド汚染、印字の鮮明度の点から1.0μm以下、好まし
くは0.7μm以下であるのが望ましく、積層膜の厚み
は0.005以上Ra1 以下、好ましくは0.01以上
Ra1 以下であるのが望ましい。
【0047】本発明の熱可塑性ポリエステルフィルムの
表面に形成される離型剤層の塗布は、フィルムの延伸前
あるいは延伸後、いずれの段階で行なっても良い。本発
明の効果をより顕著に発現させるためには、延伸前に塗
布するのが特に好ましい。塗布方法は特に限定されない
が、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコー
ター、バーコーター等を用いて塗布するのが好ましい。
【0048】また、塗布する前に必要に応じて、塗布面
に空気中その他種々の雰囲気中でコロナ放電処理を施し
ても良い。
【0049】
【特性の測定方法】
(1)融点(℃) セイコー電子工業(株)製示差走査熱量計RDC220
型を用い、試料5mgを採取し、室温より昇温速度20
℃/分で昇温した時の吸熱曲線のピークの温度より求め
た。
【0050】(2)結晶融解エネルギー(ΔHu) セイコー電子工業(株)製示差走査熱量計RDC220
型を用いて、フィルムの溶融時の面積から求めた。この
面積は、昇温することによりベースラインから吸収側に
ずれ、さらに昇温を続けるとベースラインの位置まで戻
るまでの面積であり、溶融開始温度位置から終了位置ま
でを直線で結び、この面積(a)を求める。同じDSC
の条件でIn(インジウム)を測定し、この面積(b)
を6.8cal/gとして次式により求めた。
【0051】Hu=6.8×a/b(cal/g)
【0052】(3)多孔性支持体の結晶化度(%) Jobin Yvon/愛宕物産製Ramanor U
−1000Iを用いて、多孔性支持体の単糸一本のラマ
ンスペクトルを測定し、PET一軸延伸フィルムの結晶
化度から推定した。測定は、10本の単糸について行な
い平均値で表わした。
【0053】(4)配向度(Δn) Jobin Yvon/愛宕物産製Ramanor U
−1000Iを用いて、多孔性支持体の単糸一本のラマ
ンスペクトルを測定し、PET一軸延伸フィルムの配向
度から推定した。測定は、10本の単糸について行ない
平均値で表わした。
【0054】(5)繊度(デニール) サンプルの任意な10箇所を電子顕微鏡で倍率2000
倍で10枚の写真撮影を行ない、1枚の写真につき任意
の15本の繊維の直径を測定し、これを10枚の写真に
ついて行ない、合計150本の繊維径を測定した。密度
を1.38g/cm3 として繊度を求め、その平均値で
表わした。
【0055】(6)繊維目付量(g/m2 ) 試料片20cm×20cmを取り、その重量を測定して
2 当たりの重量に換算した。
【0056】(7)固有粘度[η] 試料を105℃×20分乾燥した後、6.8±0.00
5gを秤量し、o−クロロフェノール中で160℃×1
5分間撹拌して溶解した。冷却後、ヤマトラボティック
AVM−10S型自動粘度測定器により25℃における
粘度を測定した。
【0057】(8)結晶化度(%) n−ヘプタンと四塩化炭素の混合液からなる密度勾配管
に試料を投入し、10時間以上経過後の値を読んで密度
を求めた。結晶化度0%の密度を1.335g/c
3 、結晶化度100%の密度を1.455g/cm3
として、サンプルの結晶化度を算出した。
【0058】(9)支持体の開孔面積分率(%) 原紙の支持体面を直接、光学顕微鏡の明視野透過法で観
察し、(株)ピアス製ハイビジョン対応画像解析装置を
用いて、モニター倍率240倍で、開孔面積分率を求め
た。任意の測定点10箇所について開孔面積分率を求
め、その平均値で表わした。
【0059】(10)支持体の開孔部の等価円直径の平
均値(μm) 原紙の支持体面を直接、光学顕微鏡の明視野透過法で観
察し、(株)ピアス製ハイビジョン対応画像解析装置を
用いて、モニター倍率240倍で、白黒反転処理して開
孔部の等価円直径を求め、算術平均した。測定点10箇
所の平均値を求めた。
【0060】(11)熱可塑性ポリエステルフィルムと
ソーダガラスとの静摩擦係数 ソーダガラス(中心線平均粗さ0.01μm以下)と熱
可塑性ポリエステル面との静摩擦係数をASTM−D1
894に準じて東洋精機製作所TR型摩擦測定機を用い
て測定した。なお、測定は100℃に加熱したソーダガ
ラスと熱可塑性ポリエステルフィルムとの静摩擦係数を
測定した。
【0061】(12)熱可塑性ポリエステルフィルムの
表面粗さ(Ra) JISB−0601に準拠し、小坂製作所製表面粗さ測
定機SE−3Eで、フィルム長さ方向、幅方向に中心線
平均粗さ(Ra)を各10点測定し、その平均値を求め
た。
【0062】(13)搬送性(取り扱い性) 理想科学工業(株)製“RISOGRAPH”RA20
5を使用して、実際に製版を行ない評価した。作製した
原紙を幅270mmにカットし、その原紙を恒温恒湿槽
に40℃90%RHの条件で24時間放置した後にテス
トパターンを10枚製版した。
【0063】7枚以上しわ、破れなしに製版できた
:○ しわ、破れなしに製版できたのが6枚未満:×
【0064】(14)印刷性評価 作成した原紙を理想科学工業(株)製“RISOGRA
PH”RA205に供給して、サーマルヘッド式製版方
式により、JIS第1水準の文字サイズ2mm角のもの
と5mm角のものおよび●(丸で中が黒く塗りつぶされ
たもの)で2〜10mmφのもの、又、太さの異なる罫
線を原稿として製版した。
【0065】製版原稿を用いて印刷したものを目視判定
により、次のように評価した。
【0066】文字が鮮明で、罫線に太さムラがなく、黒
ベタ部で白抜けのないものを○ 文字が不鮮明で、罫線が切れており、黒ベタ部で白抜け
がめだつものを× ○と×の中間程度で、実用上なんとか使用できるレベル
のものを△
【0067】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。
【0068】実施例1 孔径0.35mm、孔数100個の矩形紡糸口金を用い
て、口金温度290℃、吐出量30g/分で、ポリエチ
レンテレフタレート原料([η]=0.485、Tm=
260℃)をメルトブロー法にて紡出し、コンベア上に
繊維を捕集して巻取り、繊維目付量150g/m2 の未
延伸不織布を作成した。該未延伸不織布を70℃に加熱
された表面粗さ8Sの金属ロールとシリコーンゴムロー
ルとの間でカレンダ処理行ない巻とった。該不織布の平
均繊維径は20μm、結晶化度は5.2%、複屈折(Δ
n)は0.0059であった。
【0069】次いで、ポリエチレンテレフタレート86
モル%、ポリエチレンイソフタレート14モル%からな
る共重合ポリエステル樹脂原料([η]=0.7、Tm
=228℃)をスクリュウ径40mmの押出機を用い
て、Tダイ口金温度270℃で押出し、直径600mm
の冷却ドラム上にキャストして未延伸フィルムを作成し
た。
【0070】該未延伸フィルム上に、前記の未延伸不織
布を重ね、加熱ロールに供給してロール温度78℃で熱
圧着した。こうして得られた積層シートを93℃の加熱
ロールで、長さ方向に3.5倍延伸した後、テンター式
延伸機に送り込み、95℃で幅方向に3.7倍延伸し、
さらにテンター内で160℃×5秒間熱処理して、厚さ
70μmの感熱孔版用原紙を作成した。該原紙のフィル
ム面にはテンター入口部において、ワックス系離型剤を
グラビアコーターを用いて乾燥後の重さで0.1g/m
2 塗布した。得られた原紙の繊維目付量は11.6g/
2 、熱可塑性ポリエステルフィルムの厚みは、1.7
μm、ソーダガラスとの100℃における静摩擦係数は
0.5であった。また、熱可塑性ポリエステルフィルム
面の表面粗さRaは0.5であり、搬送性、印刷性は○
であった。
【0071】実施例2 実施例1で作成した繊維目付量150g/m2 の未延伸
不織布を準備した。
【0072】次いで、ポリエチレンテフタレート75モ
ル%、ポリエチレンイソフタレート25モル%からなる
共重合ポリエステル樹脂原料([η]=0.72、Tm
=195℃)をスクリュウ径40mmの押出機を用い
て、Tダイ口金温度260℃で押出し、直径600mm
の冷却ドラム上にキャストして未延伸フィルムを作成し
た。
【0073】該未延伸フィルム上に、前記の未延伸不織
布を重ね、加熱ロールに供給してロール温度95℃で熱
圧着して積層シートを作成した。
【0074】該シートを95℃の加熱ロール間で、長さ
方向に4.0倍延伸した。さらにテンター式延伸機に送
り込み、100℃で幅方向に4.0倍延伸した。さらに
テンター内部で160℃、5秒間熱処理し、厚さ70μ
mの感熱孔版用原紙を作成した。また、テンター入口部
において、フィルム面にワックス系離型剤をグラビアコ
ーターを用いて乾燥後の重さで0.1g/m2 塗布した 得られた原紙の繊維目付量は9.4g/m2 、熱可塑性
ポリエステルフィルムの厚みは、1.0μm、ソーダガ
ラスとの100℃における静摩擦係数は0.6であっ
た。また、熱可塑性ポリエステルフィルム面の表面粗さ
Raは0.55であり、搬送性、印刷性は○であった。
【0075】実施例3 孔径0.35mm、孔数100個の矩形紡糸口金を用い
て、口金温度290℃、吐出量38g/分で、ポリエチ
レンテレフタレート原料([η]=0.487、Tm=
260℃)をスパンボンド法にて紡出し、コンベア上に
繊維を捕集して巻取り、繊維目付量110g/m2 の未
延伸不織布を作成した。該未延伸不織布を70℃に加熱
された金属ロール間で5%リラックス処理を行なった。
該不織布の平均繊維径は18μm、結晶化度は5.3
%、複屈折(Δn)は0.017であった。
【0076】次いで、ポリエチレンテレフタレート85
モル%、ポリエチレンイソフタレート15モル%からな
る共重合ポリエステル樹脂原料([η]=0.645、
Tm=217℃)をスクリュウ径38mmの押出機を用
いて、Tダイ口金温度275℃で押出し、直径600m
mの冷却ドラム(30℃)上にキャストして未延伸フィ
ルムを作成した。
【0077】該未延伸フィルム上に、前記の未延伸不織
布を重ね、加熱ロールに供給してロール温度85℃で熱
圧着した。こうして得られた積層シートを90℃の加熱
ロールで、長さ方向に3.8倍延伸した後、テンター式
延伸機に送り込み、100℃で幅方向に3.7倍延伸
し、さらにテンター内で160℃×5秒間熱処理した
後、テンター出で200℃に加熱されたロールで不織布
面を10秒間熱処理して、厚さ65μmの感熱孔版用原
紙を作成した。該原紙のフィルム面にはテンター入口部
において、ワックス系離型剤をグラビアコーターを用い
て乾燥後の重さで0.1g/2 塗布した。得られた原
紙の繊維目付量は7.8g/m2 、熱可塑性ポリエステ
ルフィルムの厚みは、1.7μm、ソーダガラスとの1
00℃における静摩擦係数は0.45であった。また、
熱可塑性ポリエステルフィルム面の表面粗さRaは0.
57であり、搬送性、印刷性は○であった。
【0078】実施例4 実施例1で作成した繊維目付量150g/m2 の未延伸
不織布を準備した。
【0079】次いで、ポリエチレンテフタレート85モ
ル%、ポリエチレンイソフタレート15モル%からなる
共重合ポリエステル樹脂([η]=0.70、Tm=2
28℃)に平均粒径0.2μmのシリカ粒子を0.5重
量%添加した樹脂をスクリュウ径40mmの押出機を用
いて、Tダイ口金温度260℃で押出し、直径600m
mの冷却ドラム上にキャストして未延伸フィルムを作成
した。
【0080】該未延伸フィルム上に、前記の未延伸不織
布を重ね、加熱ロールに供給してロール温度95℃で熱
圧着して積層シートを作成した。
【0081】該シートを95℃の加熱ロール間で、長さ
方向に4.0倍延伸した。さらにテンター式延伸機に送
り込み、100℃で幅方向に4.0倍延伸した。さらに
テンター内部で160℃、5秒間熱処理し、厚さ20μ
mの感熱孔版用原紙を作成した。
【0082】得られた原紙の繊維目付量は9.4g/m
2 、熱可塑性ポリエステルフィルムの厚みは、1.7μ
m、ソーダガラスとの100℃における静摩擦係数は
0.56であった。また、熱可塑性ポリエステルフィル
ム面の表面粗さRaは0.45であり、搬送性は○、印
刷性は△であった。
【0083】比較例1 実施例1において熱可塑性フィルム表面にワックス系離
型剤を塗布しないで原紙を作成した。
【0084】得られた原紙の100℃での熱可塑性フィ
ルム面とソーダガラスとの静摩擦係数が2以上であり、
搬送性は×であった。
【0085】比較例2 実施例1において繊維目付量20g/m2 、平均繊維径
が10μmの未延伸不織布を作成し、ポリエチレンテレ
フタレート82.5モル%、ポリエチレンイソフタレー
ト17.5モル%からなり、長さ方向に3.5倍、幅方
向に3.6倍延伸し、160℃で5秒間熱処理した厚さ
1.7μmの二軸延伸熱可塑性フィルムとロール温度1
20℃で熱圧着して厚さ70μmの感熱孔版用原紙を作
成した。
【0086】得られた原紙の熱可塑性ポリエステルフィ
ルムとソーダガラスとの100℃における静摩擦係数は
2以上であった。また、熱可塑性ポリエステルフィルム
面の表面粗さRaは0.80であり、搬送性、印刷性は
×であった。
【0087】
【表1】
【0088】
【発明の効果】本発明の感熱孔版印刷用原紙は、ハロゲ
ンランプ、キセノンランプ、フラッシュランプなどによ
る閃光照射や赤外線照射、レーザー光線等のパルス的照
射、あるいはサーマルヘッド等によって穿孔製版される
感熱孔版印刷用原紙に関し、特に穿孔性が良好でサーマ
ルヘッド等との滑りを良好にし、カールが少なく印刷性
に優れる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステルフィルム(A)の
    片面に合成繊維からなる多孔性支持体(B)が接着剤を
    介することなく接着されてなり、かつ該熱可塑性ポリエ
    ステルフィルム(A)面側とソーダガラスとの100℃
    における静摩擦係数が1.0以下であることを特徴とす
    る感熱孔版印刷用原紙。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリエステルフィルム(A)の
    表面粗さRaが1.0μm以下であることを特徴とする
    請求項1に記載の感熱孔版印刷用原紙。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリエステルフィルム(A)表
    面に離型剤層が形成されてなり、該離型剤が水に溶解、
    乳化または懸濁する石油系ワックス(a)、植物性ワッ
    クス(b)およびオイル状物質(c)の混合物を主成分
    とし、(a+b)/cの重量比が100/1〜1/1で
    あることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    感熱孔版印刷用原紙。
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