JPH088203B2 - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents
電解コンデンサ用電解液Info
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Landscapes
- Detergent Compositions (AREA)
- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電解コンデンサ用電解液に関する。
(従来の技術) 従来のアルミ電解コンデンサ等の電解コンデンサは、
リード線を接続した陽極箔とセパレータと陰極箔とを重
ねて巻回してコンデンサ素子を形成し、これに電解液を
含浸してケースに収納し、このケースに蓋を取り付けて
密封した構造になっている。
リード線を接続した陽極箔とセパレータと陰極箔とを重
ねて巻回してコンデンサ素子を形成し、これに電解液を
含浸してケースに収納し、このケースに蓋を取り付けて
密封した構造になっている。
陽極箔と陰極箔は、エッチングしたアルミニウム箔を
用い、特に前者は化成して誘電体酸化皮膜を形成してい
る。
用い、特に前者は化成して誘電体酸化皮膜を形成してい
る。
ところで、プリント基板に電解コンデンサ等の電子部
品を接続した場合、接続に用いられた半田に含まれるフ
ラックスを除去するために、トリクロロエタンやトリク
ロロトリフロロエタン(フロン113)などのハロゲン系
炭化水素を用いて洗浄処理を行なっている。
品を接続した場合、接続に用いられた半田に含まれるフ
ラックスを除去するために、トリクロロエタンやトリク
ロロトリフロロエタン(フロン113)などのハロゲン系
炭化水素を用いて洗浄処理を行なっている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、従来の構造の電解コンデンサでは、洗浄液が
ケースと蓋の隙間から侵入する。そして洗浄液中に含ま
れる塩素イオンのために陽極箔や陰極箔が腐食し、電解
コンデンサの電気特性が著しく劣化しあるいはコンデン
サとしての機能が失われる等の不良が生じる。
ケースと蓋の隙間から侵入する。そして洗浄液中に含ま
れる塩素イオンのために陽極箔や陰極箔が腐食し、電解
コンデンサの電気特性が著しく劣化しあるいはコンデン
サとしての機能が失われる等の不良が生じる。
この欠点を防止するために、蓋の外表面にエポキシ樹
脂を塗布する構造とした電解コンデンサもあるが、樹脂
の塗布及びその硬化処理が必要で、製造工程が複雑にな
り、時間がかかる欠点がある。
脂を塗布する構造とした電解コンデンサもあるが、樹脂
の塗布及びその硬化処理が必要で、製造工程が複雑にな
り、時間がかかる欠点がある。
また、電解液に、P−ニトロフェノールやP−ニトロ
安息香酸等の腐食防止剤を添加し、コンデンサ素子に含
浸した電解コンデンサもある。しかし、P−ニトロフェ
ノールは黄色で極めて強い染色性があり、ケースや作業
者の手等に付着して着色し、作業性に問題がある。そし
てP−ニトロ安息香酸は、染色性の問題はないが少量を
添加した場合にも火花電圧が低下し、耐圧が低い欠点が
ある。
安息香酸等の腐食防止剤を添加し、コンデンサ素子に含
浸した電解コンデンサもある。しかし、P−ニトロフェ
ノールは黄色で極めて強い染色性があり、ケースや作業
者の手等に付着して着色し、作業性に問題がある。そし
てP−ニトロ安息香酸は、染色性の問題はないが少量を
添加した場合にも火花電圧が低下し、耐圧が低い欠点が
ある。
本発明は、以上の欠点を改良し、ハロゲン系炭化水素
系の洗浄液による洗浄によって発生する特性劣化等を防
止しうる電解コンデンサ用電解液を提供することを目的
とするものである。
系の洗浄液による洗浄によって発生する特性劣化等を防
止しうる電解コンデンサ用電解液を提供することを目的
とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記の目的を達成するために、グリコール
類またはラクトン類を主溶媒とし、1.6−デカンジカル
ボン酸またはその塩を主溶質とする電解コンデンサ用電
解液において、ニトロアセトフェノンを添加することを
特徴とする電解コンデンサ用電解液を提供するものであ
る。
類またはラクトン類を主溶媒とし、1.6−デカンジカル
ボン酸またはその塩を主溶質とする電解コンデンサ用電
解液において、ニトロアセトフェノンを添加することを
特徴とする電解コンデンサ用電解液を提供するものであ
る。
(作用) 電解液に添加してニトロアセトフェノンは、ハロゲン
系炭化水素の加水分解を抑制する作用がある。従って、
電解コンデンサのケース内にハロゲン系炭化水素の洗浄
液が侵入しても、塩素イオンの発生を低減でき、陽極箔
や陰極箔の腐食を低下できる。
系炭化水素の加水分解を抑制する作用がある。従って、
電解コンデンサのケース内にハロゲン系炭化水素の洗浄
液が侵入しても、塩素イオンの発生を低減でき、陽極箔
や陰極箔の腐食を低下できる。
また、主溶質として1.6−デカンジカルボン酸または
その塩を用いているため、ニトロアセトフェノンを溶解
し易く、その溶解量を多きできる。そのため、塩素イオ
ンの発生を長時間にわたって効果的に低減でき、陽極箔
等の腐食を低下できる。
その塩を用いているため、ニトロアセトフェノンを溶解
し易く、その溶解量を多きできる。そのため、塩素イオ
ンの発生を長時間にわたって効果的に低減でき、陽極箔
等の腐食を低下できる。
(実施例) 以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
電解液の溶媒にはエチレングリコールやγ−ブチロラ
クトンを用いる。そして特に後者を溶媒として用いる場
合には、さらにエチレングリコールと純水とを溶解して
溶媒とする。
クトンを用いる。そして特に後者を溶媒として用いる場
合には、さらにエチレングリコールと純水とを溶解して
溶媒とする。
これらの溶媒には、溶質として1.6−デカンジカルボ
ン酸やその塩を溶解するとともに、PH調整材としてジエ
チルアミンを添加する。
ン酸やその塩を溶解するとともに、PH調整材としてジエ
チルアミンを添加する。
そしてこの溶媒と溶質からなる液中にm−ニトロアセ
トフェノンやO−ニトロアセトフェノン、P−ニトロア
セトフェノンを添加する。
トフェノンやO−ニトロアセトフェノン、P−ニトロア
セトフェノンを添加する。
次に、上記実施例の電解液を用いた定格400V、220μ
Fの電解コンデンサについて1.1.2−トリクロロ−1.2.2
トリクロロエタンまたは1.1.1−トリクロロエタン中に
浸漬し、超音波洗浄を5分間行なった後、高温負荷試料
(印加電圧=400V、印加時間1000hr、試験温度110℃)
を行ない腐食の発生状況を調べ、表1に示した。
Fの電解コンデンサについて1.1.2−トリクロロ−1.2.2
トリクロロエタンまたは1.1.1−トリクロロエタン中に
浸漬し、超音波洗浄を5分間行なった後、高温負荷試料
(印加電圧=400V、印加時間1000hr、試験温度110℃)
を行ない腐食の発生状況を調べ、表1に示した。
含浸に用いる電解液の主成分は次の通りとする。
A:エチレングリコール 88.7wt% 1.6−デカンジカルボン酸アンモニウム 10.0wt% 純水 1.3wt% B:γ−ブチロラクトン 79.0wt% エチレングリコール 6.8wt% 1.6−デカンジカルボン酸 8.0wt% ジエチルアミン 5.4wt% 純水 0.8wt% なお、実施例、従来例とも試料数は各々25個とする。
また、洗浄液は、実施例1及び従来例1が1.1.2−トリ
クロロ−1.2.2トリクロロエタン、実施例2及び従来例
2が1.1.1−トリクロロエタンとする。
また、洗浄液は、実施例1及び従来例1が1.1.2−トリ
クロロ−1.2.2トリクロロエタン、実施例2及び従来例
2が1.1.1−トリクロロエタンとする。
表1から明らかな通り、m−ニトロアセトフェノンを
添加した実施例1及び実施例2は腐食発生数が零であ
る。これに対し、m−ニトロアセトフェノンを添加しな
い従来例1及び従来例2は全数に腐食が発生した。
添加した実施例1及び実施例2は腐食発生数が零であ
る。これに対し、m−ニトロアセトフェノンを添加しな
い従来例1及び従来例2は全数に腐食が発生した。
また、主成分がAの電解液につき、m−ニトロアセト
フェノンの添加量を変えた場合の火花発生電圧を求めた
ところ表2の通りの結果が得られた。なお、8wt%以上
は溶解しなかった。
フェノンの添加量を変えた場合の火花発生電圧を求めた
ところ表2の通りの結果が得られた。なお、8wt%以上
は溶解しなかった。
表2から、m−ニトロアセトフェノンを添加しても火
花発生電圧はほとんど変化しなかった。比較のために、
同じ主成分の電解液にP−ニトロフェノールとP−ニト
ロ安息香酸を1wt%添加すると、火花電圧は各々、435
V、420Vとなり、著しく低下した。
花発生電圧はほとんど変化しなかった。比較のために、
同じ主成分の電解液にP−ニトロフェノールとP−ニト
ロ安息香酸を1wt%添加すると、火花電圧は各々、435
V、420Vとなり、著しく低下した。
(発明の効果) 以上の通り、本発明の電解コンデンサ用電解液によれ
ば、1.6−デカンジカルボン酸またはその塩を主溶質と
し、ニトロアセトフェノンを添加することにより、ハロ
ゲン系炭化水素による洗浄処理を行なった場合に、電解
コンデンサの陽極箔や陰極箔の腐食を防止でき、その特
性を向上できる。また、ニトロアセトフェノンはニトロ
基を有しているために水素ガスの吸収効果があり、電解
コンデンサが内圧の上昇によりパンクする事故を低下で
きる。
ば、1.6−デカンジカルボン酸またはその塩を主溶質と
し、ニトロアセトフェノンを添加することにより、ハロ
ゲン系炭化水素による洗浄処理を行なった場合に、電解
コンデンサの陽極箔や陰極箔の腐食を防止でき、その特
性を向上できる。また、ニトロアセトフェノンはニトロ
基を有しているために水素ガスの吸収効果があり、電解
コンデンサが内圧の上昇によりパンクする事故を低下で
きる。
Claims (1)
- 【請求項1】グリコール類またはラクトン類を主溶媒と
し、1.6−デカンジカルボン酸またはその塩を主溶質と
する電解コンデンサ用電解液において、ニトロアセトフ
ェノンを添加することを特徴とする電解コンデンサ用電
解液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1191951A JPH088203B2 (ja) | 1989-07-25 | 1989-07-25 | 電解コンデンサ用電解液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1191951A JPH088203B2 (ja) | 1989-07-25 | 1989-07-25 | 電解コンデンサ用電解液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0355820A JPH0355820A (ja) | 1991-03-11 |
JPH088203B2 true JPH088203B2 (ja) | 1996-01-29 |
Family
ID=16283169
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1191951A Expired - Lifetime JPH088203B2 (ja) | 1989-07-25 | 1989-07-25 | 電解コンデンサ用電解液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH088203B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2598094B2 (ja) * | 1988-07-19 | 1997-04-09 | ニチコン株式会社 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
-
1989
- 1989-07-25 JP JP1191951A patent/JPH088203B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0355820A (ja) | 1991-03-11 |
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