JPH06151251A - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents
電解コンデンサ用電解液Info
- Publication number
- JPH06151251A JPH06151251A JP4314184A JP31418492A JPH06151251A JP H06151251 A JPH06151251 A JP H06151251A JP 4314184 A JP4314184 A JP 4314184A JP 31418492 A JP31418492 A JP 31418492A JP H06151251 A JPH06151251 A JP H06151251A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- ammonium
- electrolytic capacitor
- pure water
- electrolytic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 電解コンデンサの漏れ電流や損失を低下し、
その寿命を長くする。 【構成】 エチレングリコール等の多価アルコールに安
息香酸や安息香酸アンモニウムを溶解した電解コンデン
サ用電解液において、純水を1〜12重量%、次亜リン
酸アンモニウムを0.1〜5重量%、P−ニトロ安息香
酸アンモニウムを0.1〜2重量%含有することを特徴
とする電解コンデンサ用電解液。
その寿命を長くする。 【構成】 エチレングリコール等の多価アルコールに安
息香酸や安息香酸アンモニウムを溶解した電解コンデン
サ用電解液において、純水を1〜12重量%、次亜リン
酸アンモニウムを0.1〜5重量%、P−ニトロ安息香
酸アンモニウムを0.1〜2重量%含有することを特徴
とする電解コンデンサ用電解液。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電解コンデンサ用電解液
に関する。
に関する。
【0002】
【従来の技術】中圧の電解コンデンサには、例えば、エ
チレングリコール等の多価アルコールを主成分とする溶
媒に、安息香酸アンモニウムを溶解した電解液をコンデ
ンサ素子に含浸し、このコンデンサ素子をケースに収納
して密閉した構造になっている。
チレングリコール等の多価アルコールを主成分とする溶
媒に、安息香酸アンモニウムを溶解した電解液をコンデ
ンサ素子に含浸し、このコンデンサ素子をケースに収納
して密閉した構造になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の電
解液とアルミ製等の電極箔を用いた電解コンデンサは、
高温度の雰囲気中において、電解液中の水が電極箔及び
陽極酸化皮膜と反応して水酸化アルミ等を生成する。こ
の水酸化アルミは絶縁性が低い。このため、電解コンデ
ンサは漏れ電流(以下LCと略す)が増大し、損失が大
きくなる欠点がある。また、LCが増大すると、水素ガ
スが多く発生する。これにより、電解コンデンサは、内
圧が上昇してケースが膨張し、防爆弁が作動し易く、寿
命が短い欠点がある。
解液とアルミ製等の電極箔を用いた電解コンデンサは、
高温度の雰囲気中において、電解液中の水が電極箔及び
陽極酸化皮膜と反応して水酸化アルミ等を生成する。こ
の水酸化アルミは絶縁性が低い。このため、電解コンデ
ンサは漏れ電流(以下LCと略す)が増大し、損失が大
きくなる欠点がある。また、LCが増大すると、水素ガ
スが多く発生する。これにより、電解コンデンサは、内
圧が上昇してケースが膨張し、防爆弁が作動し易く、寿
命が短い欠点がある。
【0004】本発明の目的は、以上の欠点を改良し、電
解コンデンサのLCや損失を低下し、その寿命を長くで
きる電解コンデンサ用電解液を提供するものである。
解コンデンサのLCや損失を低下し、その寿命を長くで
きる電解コンデンサ用電解液を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、多価アルコールに安息香酸またはその
塩を溶解した電解コンデンサ用電解液において、純水を
1〜12重量%、次亜リン酸アンモニウムを0.1〜5
重量%、P−ニトロ安息香酸アンモニウムを0.1〜2
重量%含有することを特徴とする電解コンデンサ用電解
液を提供するものである。
達成するために、多価アルコールに安息香酸またはその
塩を溶解した電解コンデンサ用電解液において、純水を
1〜12重量%、次亜リン酸アンモニウムを0.1〜5
重量%、P−ニトロ安息香酸アンモニウムを0.1〜2
重量%含有することを特徴とする電解コンデンサ用電解
液を提供するものである。
【0006】多価アルコールとしてはエチレングリコー
ル等を用いる。また、純水は、1重量%未満では電導度
が低くなり、損失を低下する効果が低くなり、そして1
2重量%より多くなるとガス発生を抑制する効果が低く
なる。従って、純水は1〜12重量%とする。次亜リン
酸アンモニウムについても0.1重量%未満では損失を
改善する効果が低く、火花電圧も低下する。そして5重
量%より多いと、損失は低下するが火花電圧が向上しな
い。それ故、次亜リン酸アンモニウムは0.1〜5重量
%にする。さらに、P−ニトロ安息香酸アンモニウム
は、0.1重量%未満では適当な電導度が得られず、損
失を改善する効果が低い。かつ2重量%より多いと、損
失は低下するが、火花電圧が急激に減少する。このた
め、P−ニトロ安息香酸アンモニウムは、0.1〜2重
量%にする。なお、安息香酸アンモニウムは、4〜12
重量%の範囲の場合に損失を低下させる効果が大きい。
ル等を用いる。また、純水は、1重量%未満では電導度
が低くなり、損失を低下する効果が低くなり、そして1
2重量%より多くなるとガス発生を抑制する効果が低く
なる。従って、純水は1〜12重量%とする。次亜リン
酸アンモニウムについても0.1重量%未満では損失を
改善する効果が低く、火花電圧も低下する。そして5重
量%より多いと、損失は低下するが火花電圧が向上しな
い。それ故、次亜リン酸アンモニウムは0.1〜5重量
%にする。さらに、P−ニトロ安息香酸アンモニウム
は、0.1重量%未満では適当な電導度が得られず、損
失を改善する効果が低い。かつ2重量%より多いと、損
失は低下するが、火花電圧が急激に減少する。このた
め、P−ニトロ安息香酸アンモニウムは、0.1〜2重
量%にする。なお、安息香酸アンモニウムは、4〜12
重量%の範囲の場合に損失を低下させる効果が大きい。
【0007】
【作用】純水を1〜12重量%、次亜リン酸アンモニウ
ムを0.1〜5重量%、P−ニトロ安息香酸アンモニウ
ムを0.1〜2重量%含有することにより、電導度が上
昇すると共に化成性が向上する。このため、エージング
処理の際に、電極箔の切断部や陽極酸化皮膜の欠陥部を
補修する効果が向上する。従って、電解コンデンサのL
Cや損失を長時間にわたって低下できる。また、次亜リ
ン酸イオンは、陽極酸化皮膜が水と反応するのを抑制で
きる。それ故、LCや損失が増加するのを抑制できる。
さらに、P−ニトロ安息香酸アンモニウムは、水素ガス
発生を抑制できる。従って、電解コンデンサのケースの
変形や防爆弁の作動を抑制できる。
ムを0.1〜5重量%、P−ニトロ安息香酸アンモニウ
ムを0.1〜2重量%含有することにより、電導度が上
昇すると共に化成性が向上する。このため、エージング
処理の際に、電極箔の切断部や陽極酸化皮膜の欠陥部を
補修する効果が向上する。従って、電解コンデンサのL
Cや損失を長時間にわたって低下できる。また、次亜リ
ン酸イオンは、陽極酸化皮膜が水と反応するのを抑制で
きる。それ故、LCや損失が増加するのを抑制できる。
さらに、P−ニトロ安息香酸アンモニウムは、水素ガス
発生を抑制できる。従って、電解コンデンサのケースの
変形や防爆弁の作動を抑制できる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
溶媒はエチレングリコールを用いる。また、溶質には安
息香酸アンモニウムを用いる。そしてこの溶媒を溶質と
からなる溶液中に、純水を1〜12重量%、次亜リン酸
0.1〜5重量%及びP−ニトロ安息香酸アンモニウム
を0.1〜2重量%含有させる。
溶媒はエチレングリコールを用いる。また、溶質には安
息香酸アンモニウムを用いる。そしてこの溶媒を溶質と
からなる溶液中に、純水を1〜12重量%、次亜リン酸
0.1〜5重量%及びP−ニトロ安息香酸アンモニウム
を0.1〜2重量%含有させる。
【0009】次に、実施例、比較例及び従来例の電解液
について、各成分の比率を変えて電導度と火花電圧とを
測定し、表1にその測定結果を示した。
について、各成分の比率を変えて電導度と火花電圧とを
測定し、表1にその測定結果を示した。
【0010】
【表1】
【0011】この表1から明らかな通り、実施例1〜実
施例5によれば、従来例に比較して、電導度が約1.0
2〜1.06倍に増加し、火花電圧が約1.18〜1.
21倍に増加する。また、実施例1〜実施例5はP−ニ
トロ安息香酸アンモニウムを除いた比較例1と比較して
も、電導度が約1.05〜1.09倍にそして火花電圧
が約1.08〜1.11倍に増加する。さらに、実施例
1〜実施例5を次亜リン酸アンモニウムを除いた比較例
2と比較すると、電導度が約1.07〜1.10倍にそ
して火花電圧が約1.14〜1.17倍に増加する。す
なわち、実施例1〜実施例5の通り、次亜リン酸アンモ
ニウムとP−ニトロ安息香酸の両者を合わせて含有する
ことにより、電導度と火花電圧の両方を向上できること
が明らかである。
施例5によれば、従来例に比較して、電導度が約1.0
2〜1.06倍に増加し、火花電圧が約1.18〜1.
21倍に増加する。また、実施例1〜実施例5はP−ニ
トロ安息香酸アンモニウムを除いた比較例1と比較して
も、電導度が約1.05〜1.09倍にそして火花電圧
が約1.08〜1.11倍に増加する。さらに、実施例
1〜実施例5を次亜リン酸アンモニウムを除いた比較例
2と比較すると、電導度が約1.07〜1.10倍にそ
して火花電圧が約1.14〜1.17倍に増加する。す
なわち、実施例1〜実施例5の通り、次亜リン酸アンモ
ニウムとP−ニトロ安息香酸の両者を合わせて含有する
ことにより、電導度と火花電圧の両方を向上できること
が明らかである。
【0012】また、表1に示した各電解液を含浸した定
格250V、270μFのアルミ電解コンデンサにつ
き、初期特性と高温負荷試験後の特性等を測定した。高
温負荷試験の条件は、温度105℃、放置時間2000
h、印加電圧250Vとする。また、試料数は各々10
ケとする。測定結果を表2に示した。
格250V、270μFのアルミ電解コンデンサにつ
き、初期特性と高温負荷試験後の特性等を測定した。高
温負荷試験の条件は、温度105℃、放置時間2000
h、印加電圧250Vとする。また、試料数は各々10
ケとする。測定結果を表2に示した。
【0013】
【表2】
【0014】この表2から明らかな通り、LCについて
は、初期値において、実施例1〜実施例5の電解液を含
浸したNo1〜No5は、従来例を含浸したNo6に比較して
約62.5〜83.3%に低下する。また、比較例1を
含浸したNo7に比較して約73.2〜97.6%にそし
て比較例2を含浸したNo8に比較して約65.2〜8
7.0%に各々低下する。試験後においても、No1〜No
5は、No7に比較して約12.8〜20.5%にそして
No8に比較して約11.9〜19.0%に各々低下す
る。なお、No6は試験中において全数が防爆弁が作動し
たため、特性を測定できなかった。
は、初期値において、実施例1〜実施例5の電解液を含
浸したNo1〜No5は、従来例を含浸したNo6に比較して
約62.5〜83.3%に低下する。また、比較例1を
含浸したNo7に比較して約73.2〜97.6%にそし
て比較例2を含浸したNo8に比較して約65.2〜8
7.0%に各々低下する。試験後においても、No1〜No
5は、No7に比較して約12.8〜20.5%にそして
No8に比較して約11.9〜19.0%に各々低下す
る。なお、No6は試験中において全数が防爆弁が作動し
たため、特性を測定できなかった。
【0015】また、損失 tanδについては、初期値にお
いて、No1〜No5はNo6に比較して約73.8〜90.
5%に、No7に比較して約72.1〜88.4%にそし
てNo8に比較して約68.9〜84.4%に低下する。
かつ試験後において、No1〜No5はNo7に比較して約6
3.8%〜79.7%にそしてNo8に比較して約65.
7〜82.1%に低下する。
いて、No1〜No5はNo6に比較して約73.8〜90.
5%に、No7に比較して約72.1〜88.4%にそし
てNo8に比較して約68.9〜84.4%に低下する。
かつ試験後において、No1〜No5はNo7に比較して約6
3.8%〜79.7%にそしてNo8に比較して約65.
7〜82.1%に低下する。
【0016】そして、静電容量変化率については、No1
〜No5はNo7に比較して約54.5〜72.7%にそし
てNo8に比較して60〜80%に各々低下する。
〜No5はNo7に比較して約54.5〜72.7%にそし
てNo8に比較して60〜80%に各々低下する。
【0017】さらに、試験後の外観については、No1〜
No5は変化しなかった。しかし、従来例のNo6は防爆弁
が作動しそしてNo7及びNo8はケースが膨張した。
No5は変化しなかった。しかし、従来例のNo6は防爆弁
が作動しそしてNo7及びNo8はケースが膨張した。
【0018】なお、純水の含有量の影響を測定するため
に、次の通りの試験を行った。すなわち、次の成分から
なる温度110℃の電解液A中に、40mm×900mm角
の大きさのアルミ陰極箔を浸漬し、3000h放置後に
発生した水素ガスを、電解液を温度20℃の雰囲気中に
3h放置後に測定した。また、この電解液を含浸した定
格250V、330μFのアルミ電解コンデンサについ
て、温度20℃における tanδを測定した。このコンデ
ンサの試料数は各々10ケとする。測定値は両方とも図
1に示した。 電解液A: エチレングリコール 88.5−a重量% 水 a 重量% 安息香酸アンモニウム 10 重量% 次亜リン酸アンモニウム 1 重量% P−ニトロ安息香酸アンモニウム 0.5重量% 図1から明らかな通り、ガス発生量Xは、純水が1重量
%より多い場合には12ml以下であるが、1重量%未満
になると急激に増加する。また、tanδ は、純水が12
重量%以下では0.01以下と小さいが、12重量%よ
り多くなると急激に増加する。
に、次の通りの試験を行った。すなわち、次の成分から
なる温度110℃の電解液A中に、40mm×900mm角
の大きさのアルミ陰極箔を浸漬し、3000h放置後に
発生した水素ガスを、電解液を温度20℃の雰囲気中に
3h放置後に測定した。また、この電解液を含浸した定
格250V、330μFのアルミ電解コンデンサについ
て、温度20℃における tanδを測定した。このコンデ
ンサの試料数は各々10ケとする。測定値は両方とも図
1に示した。 電解液A: エチレングリコール 88.5−a重量% 水 a 重量% 安息香酸アンモニウム 10 重量% 次亜リン酸アンモニウム 1 重量% P−ニトロ安息香酸アンモニウム 0.5重量% 図1から明らかな通り、ガス発生量Xは、純水が1重量
%より多い場合には12ml以下であるが、1重量%未満
になると急激に増加する。また、tanδ は、純水が12
重量%以下では0.01以下と小さいが、12重量%よ
り多くなると急激に増加する。
【0019】また、次に次亜リン酸アンモニウムの含有
量の影響を測定するために次の通りの試験を行った。電
解液Bは次の通りの成分とし、温度85℃のときの火花
電圧Y1 を測定した。そしてこの電解液を含浸した定格
250V、330μFのアルミ電解コンデンサについ
て、温度20℃における tanδを測定した。コンデンサ
の試料数は各10ケとする。測定値は図2に示した。 電解液B: エチレングリコール 85−b重量% 純水 4 重量% 安息香酸アンモニウム 10 重量% 次亜リン酸アンモニウム b 重量% P−ニトロ安息香酸アンモニウム 1 重量% 図2から明らかな通り、火花電圧 Y1は、次亜リン酸ア
ンモニウムbが0.1〜5重量%の範囲では345V以
上ある。しかし、0.1重量%未満及び5重量%より多
い場合には、これより低下する。また、tanδ は、次亜
リン酸アンモニウムbが0.1重量%以上では0.03
以下であるが、0.1重量%未満では急激に増加する。
量の影響を測定するために次の通りの試験を行った。電
解液Bは次の通りの成分とし、温度85℃のときの火花
電圧Y1 を測定した。そしてこの電解液を含浸した定格
250V、330μFのアルミ電解コンデンサについ
て、温度20℃における tanδを測定した。コンデンサ
の試料数は各10ケとする。測定値は図2に示した。 電解液B: エチレングリコール 85−b重量% 純水 4 重量% 安息香酸アンモニウム 10 重量% 次亜リン酸アンモニウム b 重量% P−ニトロ安息香酸アンモニウム 1 重量% 図2から明らかな通り、火花電圧 Y1は、次亜リン酸ア
ンモニウムbが0.1〜5重量%の範囲では345V以
上ある。しかし、0.1重量%未満及び5重量%より多
い場合には、これより低下する。また、tanδ は、次亜
リン酸アンモニウムbが0.1重量%以上では0.03
以下であるが、0.1重量%未満では急激に増加する。
【0020】さらに、P−ニトロ安息香酸アンモニウム
の含有量の影響を調べるために次の試験を行った。電解
液Cの成分は次の通りとし、温度85℃のときの火花電
圧Y2 を測定した。また、この電解液Cを含浸した定格
250V、330μFのアルミ電解コンデンサについ
て、温度20℃におけるtanδ を測定した。コンデンサ
の試料数は各10ケとする。各測定値は図3に示した。 電解液C: エチレングリコール 86.5−c重量% 純水 5 重量% 安息香酸アンモニウム 8 重量% 次亜リン酸アンモニウム 0.5重量% P−ニトロ安息香酸アンモニウム c 重量% 図3から明らかな通り、火花電圧Y2 は、P−ニトロ安
息香酸アンモニウムの含有量cが0.1〜2重量%では
365V以上あるが、0.1重量%未満及び2重量%よ
り多いと急激に低下する。また、tanδ は、P−ニトロ
安息香酸アンモニウムの含有量cが0.1重量%以上で
は0.036以下であるが、0.1重量%未満になると
急激に増加する。
の含有量の影響を調べるために次の試験を行った。電解
液Cの成分は次の通りとし、温度85℃のときの火花電
圧Y2 を測定した。また、この電解液Cを含浸した定格
250V、330μFのアルミ電解コンデンサについ
て、温度20℃におけるtanδ を測定した。コンデンサ
の試料数は各10ケとする。各測定値は図3に示した。 電解液C: エチレングリコール 86.5−c重量% 純水 5 重量% 安息香酸アンモニウム 8 重量% 次亜リン酸アンモニウム 0.5重量% P−ニトロ安息香酸アンモニウム c 重量% 図3から明らかな通り、火花電圧Y2 は、P−ニトロ安
息香酸アンモニウムの含有量cが0.1〜2重量%では
365V以上あるが、0.1重量%未満及び2重量%よ
り多いと急激に低下する。また、tanδ は、P−ニトロ
安息香酸アンモニウムの含有量cが0.1重量%以上で
は0.036以下であるが、0.1重量%未満になると
急激に増加する。
【0021】そして、安息香酸アンモニウムの含有量の
影響をみるために、次の測定を行った。すなわち、次の
成分からなる電解液Dを含浸した定格250V、330
μFのアルミ電解コンデンサについて、温度−40℃に
おける tanδを測定し、図4に示した。試料数は各10
ケとする。 電解液D: エチレングリコール 91−d重量% 純水 5 重量% 安息香酸アンモニウム d 重量% 次亜リン酸アンモニウム 3 重量% P−ニトロ安息香酸アンモニウム 1 重量% 図4から明らかな通り、安息香酸アンモニウムの含有量
dが4〜12重量%の範囲では、tanδ が0.92以下
である。しかし、4重量%未満及び12重量%より多く
なると、tanδは急激に増大する。
影響をみるために、次の測定を行った。すなわち、次の
成分からなる電解液Dを含浸した定格250V、330
μFのアルミ電解コンデンサについて、温度−40℃に
おける tanδを測定し、図4に示した。試料数は各10
ケとする。 電解液D: エチレングリコール 91−d重量% 純水 5 重量% 安息香酸アンモニウム d 重量% 次亜リン酸アンモニウム 3 重量% P−ニトロ安息香酸アンモニウム 1 重量% 図4から明らかな通り、安息香酸アンモニウムの含有量
dが4〜12重量%の範囲では、tanδ が0.92以下
である。しかし、4重量%未満及び12重量%より多く
なると、tanδは急激に増大する。
【0022】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、純水を1
〜12重量%、次亜リン酸アンモニウムを0.1〜5重
量%及びP−ニトロ安息香酸アンモニウムを0.1〜2
重量%含有しているため、電解コンデンサのLCや損失
を低下でき、静電容量変化率を小さくでき、水素ガスの
発生を抑制できるためケースが膨張し難くかつ防爆弁を
作動し難くでき、長寿命化できる電解コンデンサ用電解
液が得られる。
〜12重量%、次亜リン酸アンモニウムを0.1〜5重
量%及びP−ニトロ安息香酸アンモニウムを0.1〜2
重量%含有しているため、電解コンデンサのLCや損失
を低下でき、静電容量変化率を小さくでき、水素ガスの
発生を抑制できるためケースが膨張し難くかつ防爆弁を
作動し難くでき、長寿命化できる電解コンデンサ用電解
液が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】純水の含有量に対するガス発生量及び電解コン
デンサの tanδのグラフを示す。
デンサの tanδのグラフを示す。
【図2】次亜リン酸アンモニウムの含有量に対する火花
電圧及び電解コンデンサの tanδを示す。
電圧及び電解コンデンサの tanδを示す。
【図3】P−ニトロ安息香酸アンモニウムの含有量に対
する火花電圧及び電解コンデンサのtanδを示す。
する火花電圧及び電解コンデンサのtanδを示す。
【図4】安息香酸アンモニウムの含有量に対する電解コ
ンデンサのtanδを示す。
ンデンサのtanδを示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】なお、純水の含有量の影響を測定するため
に、次の通りの試験を行った。すなわち、次の成分から
なる温度110℃の電解液A中に、40mm×900m
m角の大きさのアルミ陰極箔を浸漬し、3000h放置
後に発生した水素ガスを、電解液を温度20℃の雰囲気
中に3h放置後に測定した。また、この電解液を含浸し
た定格250V、330μFのアルミ電解コンデンサに
ついて、温度20℃におけるtanδを測定した。この
コンデンサの試料数は各々10ケとする。測定値は両方
とも図1に示した。 電解液A: エチレングリコール 88.5−a重量% 水 a 重量% 安息香酸アンモニウム 10 重量% 次亜リン酸アンモニウム 1 重量% P−ニトロ安息香酸アンモニウム 0.5重量% 図1から明らかな通り、ガス発生量Xは、純水が12重
量%より少ない場合には2.0ml以下であるが、12
重量%を越えると急激に増加する。また、tanδは、
純水が1重量%以上では0.054以下と小さいが、1
重量%より少なくなると急激に増加する。
に、次の通りの試験を行った。すなわち、次の成分から
なる温度110℃の電解液A中に、40mm×900m
m角の大きさのアルミ陰極箔を浸漬し、3000h放置
後に発生した水素ガスを、電解液を温度20℃の雰囲気
中に3h放置後に測定した。また、この電解液を含浸し
た定格250V、330μFのアルミ電解コンデンサに
ついて、温度20℃におけるtanδを測定した。この
コンデンサの試料数は各々10ケとする。測定値は両方
とも図1に示した。 電解液A: エチレングリコール 88.5−a重量% 水 a 重量% 安息香酸アンモニウム 10 重量% 次亜リン酸アンモニウム 1 重量% P−ニトロ安息香酸アンモニウム 0.5重量% 図1から明らかな通り、ガス発生量Xは、純水が12重
量%より少ない場合には2.0ml以下であるが、12
重量%を越えると急激に増加する。また、tanδは、
純水が1重量%以上では0.054以下と小さいが、1
重量%より少なくなると急激に増加する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
Claims (1)
- 【請求項1】 多価アルコールに安息香酸またはその塩
を溶解した電解コンデンサ用電解液において、純水を1
〜12重量%、次亜リン酸アンモニウムを0.1〜5重
量%、P−ニトロ安息香酸アンモニウムを0.1〜2重
量%含有することを特徴とする電解コンデンサ用電解
液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4314184A JPH06151251A (ja) | 1992-10-29 | 1992-10-29 | 電解コンデンサ用電解液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4314184A JPH06151251A (ja) | 1992-10-29 | 1992-10-29 | 電解コンデンサ用電解液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06151251A true JPH06151251A (ja) | 1994-05-31 |
Family
ID=18050273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4314184A Pending JPH06151251A (ja) | 1992-10-29 | 1992-10-29 | 電解コンデンサ用電解液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06151251A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6288889B1 (en) | 1998-12-01 | 2001-09-11 | Rubycon Corporation | Electrolytic solution for electrolytic capacitor and electrolytic capacitor using the same |
JP2021005617A (ja) * | 2019-06-26 | 2021-01-14 | ルビコン株式会社 | 電解コンデンサ |
-
1992
- 1992-10-29 JP JP4314184A patent/JPH06151251A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6288889B1 (en) | 1998-12-01 | 2001-09-11 | Rubycon Corporation | Electrolytic solution for electrolytic capacitor and electrolytic capacitor using the same |
JP2021005617A (ja) * | 2019-06-26 | 2021-01-14 | ルビコン株式会社 | 電解コンデンサ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH06151251A (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
JPH11126732A (ja) | アルミニウム電解コンデンサ | |
JP2572021B2 (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
JPH01114018A (ja) | 電解コンデンサ駆動用電解液 | |
JPH09213581A (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JPH06267795A (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
JP3625234B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JPH0550126B2 (ja) | ||
JPH0410514A (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
JPH06120085A (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
JP3630206B2 (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
JPS5892207A (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JPH09115781A (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JPH09213579A (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JPH09213582A (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JPH09115779A (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JPH06124852A (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
JPH10106895A (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
JPS5896723A (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JPH0226010A (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
JPH088203B2 (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
KR20040011772A (ko) | 전해액 및 이를 이용한 칩형 알루미늄 전해콘덴서(ⅱ) | |
JP2000299254A (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
JPS592370B2 (ja) | アルミニウム電解コンデンサの特性改善方法 | |
JPH0449249B2 (ja) |