JP2000299254A - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ用電解液

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JP2000299254A
JP2000299254A JP11105847A JP10584799A JP2000299254A JP 2000299254 A JP2000299254 A JP 2000299254A JP 11105847 A JP11105847 A JP 11105847A JP 10584799 A JP10584799 A JP 10584799A JP 2000299254 A JP2000299254 A JP 2000299254A
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JP
Japan
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electrolytic capacitor
electrolytic
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amount
carboxylic acid
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JP11105847A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Takano
利幸 高野
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Lincstech Circuit Co Ltd
Original Assignee
Hitachi AIC Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】比抵抗を増大することなく耐圧を向上でき、か
つ電解コンデンサの耐圧を高くでき、しかもその損失を
低下でき、高リップル電流を長時間負荷できる電解コン
デンサ用電解液を提供すること。 【解決手段】多価アルコール類を溶媒とする電解コンデ
ンサ用電解液において、式 【化1】 表されるカルボン酸又はその塩のうち少なくとも1種類
を溶解することを特徴とする電解コンデンサ用電解液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電解コンデンサ用電
解液に関し、特に高圧用の電解コンデンサ用電解液に関
する。
【0002】
【従来の技術】アルミ電解コンデンサ等の電解コンデン
サは、表面をエッチング処理し酸化皮膜を形成した陽極
箔と、表面をエッチング処理し酸化皮膜を形成しないあ
るいは低圧化成による酸化皮膜を形成した陰極箔とを電
解紙等のセパレーターを介して積層し巻回等して形成し
たコンデンサ素子を有していて、電解液等を含浸したこ
のコンデンサ素子をケースに収納し、蓋を取り付けてケ
ースを密封するとともに、蓋から陽極端子及び陰極端子
を引き出すような構造になっている。
【0003】ところで、コンデンサ素子に含浸する電解
液は、例えば、エチレングリコール等の多価アルコール
を主成分とする溶媒に、ホウ酸や安息香酸、あるいは高
級二塩基酸であるアゼライン酸やセバシン酸,1,6−
デカンジカルボン酸等を溶解した成分からなるものを用
いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ホウ酸を溶質
とする電解液は、その分子内の結晶水とエチレングリコ
ール−ホウ酸とで起こるエステル化反応によって多量の
水が発生する。このため、電解コンデンサは、90℃を
越えるような高温状態で使用すると、エステル化反応に
よって発生した水と陽極箔の酸化皮膜とが反応して漏れ
電流が増大し、水素ガスが多量に発生し、ケース内の圧
力が容易に上昇し、蓋やケースに設けた防爆機構が比較
的早い時期に作動し、寿命が短い欠点がある。また、安
息香酸や高級二塩基酸を溶解した電解液を用いた場合に
は、ある程度の電導度と耐電圧とが得られ、またエチレ
ングリコールとのエステル化反応も生じ難く、水を多量
に発生することもないため、ホウ酸を溶解した場合より
も電解コンデンサの寿命を長くできる。ところでこのよ
うな高級二塩基酸等を溶解した電解液を用いた電解コン
デンサは、その使用電圧が450wV程度が限界であ
る。しかし、近年、電気機器の信頼性を向上させるため
に、この機器に組み込まれる電解コンデンサとしてより
高耐圧のものが必要とされるようになってきた。
【0005】本発明は、以上の点に鑑み、火花発生電圧
を向上して耐圧を高くでき、かつ電解コンデンサの耐圧
を高くできるとともにその損失を低下でき、高リップル
電流を長時間負荷でき寿命を改善できる電解コンデンサ
用電解液を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、多価アルコール類を主溶媒とする電解
コンデンサ用電解液において、式
【化2】 で表されるカルボン酸又はその塩のうち少なくとも1種
類を溶解することを特徴とするものである。
【0007】化2の式で表されるカルボン酸やその塩
は、脂環式で4種類の官能基を有しているため、溶媒で
ある多価アルコール類に溶解し易い。そしてこのカルボ
ン酸やその塩を溶解した電解液は酸化皮膜との濡れ性が
改良され、電解コンデンサの損失を低下でき、高リップ
ル電流を負荷でき、耐圧を向上できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。溶媒とする多価アルコール類は、エチレングリコ
ールやジエチレングリコール,プロピレングリコール,
1,3−ブタンジオール,1,4−ブタンジオール,ヘ
キシレングリコール,グリセリン,エチレングリコール
モノメチルエーテル,エチレングリコールエチルエーテ
ル,エチレングリコールジメチルエーテル,エチレング
リコールジエチルエーテル,ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル,ジエチレングリコールモノエチルエー
テル,ジエチレングリコールジメチルエーテル,ジエチ
レングリコールジエチルエーテルなどを単独または混合
して用いる。
【0009】そしてこの多価アルコール類に主溶質とし
て化2の式で表されるカルボン酸やその塩を溶解する。
なお、このカルボン酸やその塩の溶解量は、1〜30wt
%の範囲が好ましく、特に5〜15wt%の範囲が良い。
すなわち、溶解量が1wt%未満では電解コンデンサの耐
圧や損失などを改善する効果が低い。また、溶解量が3
0wt%よりも多いと、飽和状態に近づくため電解コンデ
ンサの低温特性が低下する。そして特に溶解量が1〜1
5wt%の場合は電解コンデンサの耐圧等を改善できる効
果が顕著になる。
【0010】またその他の成分としてホウ酸アンモニウ
ムやマンニトール,ソルビトール,イノシトール等の糖
アルコール,ポリエチレングリコール等の物質を溶解す
る。
【0011】本発明の電解液の調合は、溶媒である多価
アルコール類に化2の式で表されるカルボン酸やその
塩、ホウ酸アンモニウム,マンニトール等の成分を溶解
して130℃付近の温度まで加熱する。加熱後、常温ま
で冷却する。冷却後、アンモニアガスを液中に送り込
み、混合して電解液のpHを調整して行う。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。実
施例の電解液の組成は表1に示す通りとする。また、各
電解液のpHは約6.0とする。そしてこの実施例の電
解液について、表2に示す通りの従来例の電解液ととも
に、温度30℃での比抵抗と、温度85℃での火花発生
電圧を測定し、合わせて表1及び表2に示した。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】表1及び表2から明らかな通り、実施例1
〜実施例4は、比抵抗が498〜509Ω・cm,火花発
生電圧が470〜490Vとなる。これに対して、従来
例1〜従来例4は、比抵抗が960〜1280Ω・cm,
火花発生電圧が450〜460Vとなる。従って、実施
例1〜実施例4は、従来例1〜従来例4に比較して、比
抵抗が約39〜53%に低下し、そして火花発生電圧が
約1.02〜1.09倍に上昇している。
【0016】また、表1及び表2に示した組成の各電解
液を用い、定格400WV,4700μFで、外径77
mm×長さ130mmのアルミ電解コンデンサを製造す
る。なお、このアルミ電解コンデンサに用いた陽極箔は
アルミのエッチング箔を600Vの電圧で化成処理した
ものとする。また、製造時のエージング処理は、先ず8
5℃の温度の雰囲気中で直流電圧を480Vを8時間連
続して印加し、その後105℃の温度の雰囲気中で直流
電圧460Vを3時間連続して印加して行う。試料数は
各々20個とする。
【0017】そして上記のアルミ電解コンデンサについ
て、初期特性と、コンデンサ素子の中心部の温度上昇、
リップル負荷試験時の特性を測定するとともに、リップ
ル負荷試験時の外観を調べた。なお、コンデンサ素子中
心部の温度上昇は、コンデンサ素子中心部に熱電対を挿
入したリップル負荷試験前のアルミ電解コンデンサを温
度105℃の雰囲気中に放置し、その状態で定格リップ
ル電流(12.0A/120Hz)を流し、中心部の温
度が平衡状態となったときのその中心部の温度と、コン
デンサ素子中心部に熱電対を挿入したリップル負荷試験
前のアルミ電解コンデンサを同じ雰囲気中に放置し中心
部の温度が平衡状態となったときのその中心部の温度と
の差として表す。また、リップル負荷試験は、温度10
5℃の雰囲気中で定格リップル電流(12.0A/12
0Hz)を3000時間連続して流して行った。そして
リップル負荷試験後の特性は、各試料を温度20℃の雰
囲気中に24時間放置後に測定した。測定結果を表3に
示す。
【0018】
【表3】
【0019】この表3から明らかな通り、初期特性は、
実施例1〜実施例4の電解液を用いたアルミ電解コンデ
ンサについては、tanδが0.032〜0.034、漏
れ電流が120〜125μAそして従来例1〜従来例4
の電解液を用いたアルミ電解コンデンサについては、ta
nδが0.062〜0.082、漏れ電流が220〜3
80μAとなる。従って、前者の方が後者に比較して、
tanδが約39〜60%の大きさにそして漏れ電流が約
32〜57%の大きさに各々低下している。そして中心
部の温度上昇は、実施例1〜実施例4の電解液を用いた
アルミ電解コンデンサの方が従来例1〜従来例4の電解
液を用いたアルミ電解コンデンサよりも低く、約38〜
58%の上昇率になっている。さらに、リップル負荷試
験後の特性については、実施例1〜実施例4の電解液を
用いたアルミ電解コンデンサはtanδが0.041〜
0.048、漏れ電流が18μAとなり、初期特性に比
較して、tanδが約1.26〜1.5倍に増大し、漏れ
電流が14.4〜15%の大きさに低下している。ま
た、外観については、ケースの一部が膨脹したり、ケー
スに設けた防爆機構が作動する等の異常は何も認められ
なかった。これに対して、従来例1〜従来例4の電解液
を用いたアルミ電解コンデンサは、試験中に防爆機構が
作動し、特性を測定できなかった。
【0020】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、多価アル
コール類を主溶媒とし、化2の式で表されるカルボン酸
やその塩を溶解しているため、比抵抗を増大することな
く火花発生電圧を向上して耐圧を高くでき、電解コンデ
ンサの損失を低下できるとともにその耐圧を高くでき、
高リップル電流を長時間負荷でき寿命を長くできる電解
コンデンサ用電解液が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多価アルコール類を溶媒とする電解コン
    デンサ用電解液において、式 【化1】 で表されるカルボン酸又はその塩のうち少なくとも1種
    類を溶解することを特徴とする電解コンデンサ用電解
    液。
JP11105847A 1999-04-13 1999-04-13 電解コンデンサ用電解液 Pending JP2000299254A (ja)

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