JPH11135372A - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents
電解コンデンサ用電解液Info
- Publication number
- JPH11135372A JPH11135372A JP31441497A JP31441497A JPH11135372A JP H11135372 A JPH11135372 A JP H11135372A JP 31441497 A JP31441497 A JP 31441497A JP 31441497 A JP31441497 A JP 31441497A JP H11135372 A JPH11135372 A JP H11135372A
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- Japan
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- electrolytic capacitor
- glycol
- polyhydric alcohol
- electrolyte
- electrolytic
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電解コンデンサ用電解液の比抵抗を増大する
ことなく火花発生電圧を向上し、電解コンデンサの耐圧
特性や寿命等を向上する。 【解決手段】 多価アルコール類を主溶媒とする電解コ
ンデンサ用電解液において、一般式 〔化1〕で表されるカルボン酸又はその塩のうち一種類
以上を溶解することを特徴とする電解コンデンサ用電解
液。
ことなく火花発生電圧を向上し、電解コンデンサの耐圧
特性や寿命等を向上する。 【解決手段】 多価アルコール類を主溶媒とする電解コ
ンデンサ用電解液において、一般式 〔化1〕で表されるカルボン酸又はその塩のうち一種類
以上を溶解することを特徴とする電解コンデンサ用電解
液。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電解コンデンサ用電
解液に関する。
解液に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミ電解コンデンサ等の電解コンデン
サは電解液を含浸剤として用いている。この電解液は、
例えば、エチレングリコール等の多価アルコールを主体
とする溶媒に、ホウ酸や、高級二塩基酸である1,6−
デカンジカルボン酸等を電解質として溶解した組成にな
っている。そしてこの従来の電解液は、実用的な使用電
圧は450WV程度までである。
サは電解液を含浸剤として用いている。この電解液は、
例えば、エチレングリコール等の多価アルコールを主体
とする溶媒に、ホウ酸や、高級二塩基酸である1,6−
デカンジカルボン酸等を電解質として溶解した組成にな
っている。そしてこの従来の電解液は、実用的な使用電
圧は450WV程度までである。
【0003】ところで、電解コンデンサは、早々に長寿
命化及び安全性の向上の要求が高まっている。このた
め、電解液として、電解コンデンサの経時変化を抑制し
て特性を安定化でき、かつその耐圧をより高くできる等
の効果を有するものが必要とされている。
命化及び安全性の向上の要求が高まっている。このた
め、電解液として、電解コンデンサの経時変化を抑制し
て特性を安定化でき、かつその耐圧をより高くできる等
の効果を有するものが必要とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の組成の
電解液では、電解コンデンサの各特性を向上して各要求
を満たすことが困難な欠点がある。
電解液では、電解コンデンサの各特性を向上して各要求
を満たすことが困難な欠点がある。
【0005】本発明は、以上の欠点を改良し、比抵抗を
増大することなく火花電圧を向上でき、電解コンデンサ
の耐圧等の特性や寿命等を向上できる電解コンデンサ用
電解液を提供するものである。
増大することなく火花電圧を向上でき、電解コンデンサ
の耐圧等の特性や寿命等を向上できる電解コンデンサ用
電解液を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、多価アルコール類を主溶媒とする電解
コンデンサ用電解液において、一般式
達成するために、多価アルコール類を主溶媒とする電解
コンデンサ用電解液において、一般式
【0007】〔化1〕
【0008】で表されるカルボン酸又はその塩のうち少
なくともどちらか一種類以上を溶解することを特徴とす
る電解コンデンサ用電解液を提供するものである。
なくともどちらか一種類以上を溶解することを特徴とす
る電解コンデンサ用電解液を提供するものである。
【0009】本発明の化1の式で表されるカルボン酸等
を含有する電解液は、コンデンサ素子を構成している陽
極箔の表面に皮膜を形成する。この皮膜の作用のため、
電解コンデンサの耐圧が向上するとともに、陽極箔表面
の酸化皮膜が劣化するのを抑制でき、漏れ電流特性等を
向上でき、寿命を向上できる。
を含有する電解液は、コンデンサ素子を構成している陽
極箔の表面に皮膜を形成する。この皮膜の作用のため、
電解コンデンサの耐圧が向上するとともに、陽極箔表面
の酸化皮膜が劣化するのを抑制でき、漏れ電流特性等を
向上でき、寿命を向上できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。主溶媒とする多価アルコールは、エチレングリコ
ールやジエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ト
リメチルエチレングリコール、ペンタグリセロール、ト
リメチレングリコール、イソブチレングリコール、グリ
セリン等を用いる。
する。主溶媒とする多価アルコールは、エチレングリコ
ールやジエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ト
リメチルエチレングリコール、ペンタグリセロール、ト
リメチレングリコール、イソブチレングリコール、グリ
セリン等を用いる。
【0011】そしてこの多価アルコールに、主溶質とし
て化1の一般式で表されるカルボン酸やその塩を一種類
以上溶解する。このカルボン酸等の溶解量は1.0〜2
5wt%の範囲が好ましく、特に、4〜15wt%の範囲が
好ましい。すなわち、溶解量が1.0wt%未満では、電
解コンデンサの耐圧や寿命等を向上できる効果が小さ
い。また、25wt%より多いと、カルボン酸が飽和状態
に近づくため、電解コンデンサの低温特性が劣化し易く
なる。そして溶解量が4〜15wt%の場合には、耐圧や
寿命などを向上できる効果が大きい。また、カルボン酸
等の他に水等を溶解する。
て化1の一般式で表されるカルボン酸やその塩を一種類
以上溶解する。このカルボン酸等の溶解量は1.0〜2
5wt%の範囲が好ましく、特に、4〜15wt%の範囲が
好ましい。すなわち、溶解量が1.0wt%未満では、電
解コンデンサの耐圧や寿命等を向上できる効果が小さ
い。また、25wt%より多いと、カルボン酸が飽和状態
に近づくため、電解コンデンサの低温特性が劣化し易く
なる。そして溶解量が4〜15wt%の場合には、耐圧や
寿命などを向上できる効果が大きい。また、カルボン酸
等の他に水等を溶解する。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。実施例の
電解液の組成は、表1に示す通りとする。そしてこの実
施例の電解液について、表2に示す通りの従来例の電解
液とともに、温度30℃での比抵抗と、温度85℃での
火花発生電圧を測定し、各々表1及び表2に示した。
電解液の組成は、表1に示す通りとする。そしてこの実
施例の電解液について、表2に示す通りの従来例の電解
液とともに、温度30℃での比抵抗と、温度85℃での
火花発生電圧を測定し、各々表1及び表2に示した。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】この表1及び表2から明らかな通り、実施
例1〜実施例5は、比抵抗が680〜780Ω・cm、火
花発生電圧が510〜540Vとなる。これに対して、
従来例1〜従来例3は、比抵抗が750〜1400Ω・
cm、火花発生電圧が450〜470Vとなる。従って、
実施例1〜実施例5は、従来例1〜従来例3に比較し
て、比抵抗が全体的に低く、火花発生電圧が約1.09
〜1.2倍高くなっている。
例1〜実施例5は、比抵抗が680〜780Ω・cm、火
花発生電圧が510〜540Vとなる。これに対して、
従来例1〜従来例3は、比抵抗が750〜1400Ω・
cm、火花発生電圧が450〜470Vとなる。従って、
実施例1〜実施例5は、従来例1〜従来例3に比較し
て、比抵抗が全体的に低く、火花発生電圧が約1.09
〜1.2倍高くなっている。
【0016】また、表1及び表2に示した組成の各電解
液を含浸した定格500V,330μFのアルミ電解コ
ンデンサを製造した。このアルミ電解コンデンサに用い
る陽極箔は、アルミのエッチング箔を750Vの電圧で
化成したものとする。また、製造時のエージング処理
は、温度85℃の雰囲気中で、直流電圧530Vを4時
間印加した後、温度105℃の雰囲気中で、直流電圧5
10Vを4時間印加して行う。そして試料数は各々20
個とする。
液を含浸した定格500V,330μFのアルミ電解コ
ンデンサを製造した。このアルミ電解コンデンサに用い
る陽極箔は、アルミのエッチング箔を750Vの電圧で
化成したものとする。また、製造時のエージング処理
は、温度85℃の雰囲気中で、直流電圧530Vを4時
間印加した後、温度105℃の雰囲気中で、直流電圧5
10Vを4時間印加して行う。そして試料数は各々20
個とする。
【0017】その結果、エージング処理の際に、従来例
1〜従来例3の電解液を含浸した電解コンデンサは全数
パンクした。これに対して、実施例1〜実施例5の電解
液を含浸した電解コンデンサはパンクすることなく全数
製造できた。
1〜従来例3の電解液を含浸した電解コンデンサは全数
パンクした。これに対して、実施例1〜実施例5の電解
液を含浸した電解コンデンサはパンクすることなく全数
製造できた。
【0018】また、この製造できた実施例1〜実施例5
の電解液を含浸した電解コンデンサについて、初期特性
と高温負荷試験後の特性及び外観状況を測定した。高温
負荷試験は、印加電圧を定格電圧500V,雰囲気中の
温度を105℃、放置時間を4000時間として連続し
て行った。測定結果を表3に示す。
の電解液を含浸した電解コンデンサについて、初期特性
と高温負荷試験後の特性及び外観状況を測定した。高温
負荷試験は、印加電圧を定格電圧500V,雰囲気中の
温度を105℃、放置時間を4000時間として連続し
て行った。測定結果を表3に示す。
【0019】
【表3】
【0020】この表3から明らかな通り、4000時間
放置後において、tanδが0.088〜0.096、漏
れ電流が20〜21μAとなる。この値を初期値とよく
比較すると、tanδは約1.09〜1.37倍に増加
し、そして漏れ電流は約27.4〜32.3%に低下し
ている。また、外観については何も異常が認められなか
った。
放置後において、tanδが0.088〜0.096、漏
れ電流が20〜21μAとなる。この値を初期値とよく
比較すると、tanδは約1.09〜1.37倍に増加
し、そして漏れ電流は約27.4〜32.3%に低下し
ている。また、外観については何も異常が認められなか
った。
【0021】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、多価アル
コール類を主溶媒とし、化1の一般式で表されるカルボ
ン酸やその塩を溶解しているため、比抵抗を増大するこ
となく、火花発生電圧を高くでき、かつ、高圧用の電解
コンデンサ等の製造時のパンク不良を改善できるととも
に漏れ電流特性等を改良でき、寿命を向上できる電解コ
ンデンサ用電解液が得られる。
コール類を主溶媒とし、化1の一般式で表されるカルボ
ン酸やその塩を溶解しているため、比抵抗を増大するこ
となく、火花発生電圧を高くでき、かつ、高圧用の電解
コンデンサ等の製造時のパンク不良を改善できるととも
に漏れ電流特性等を改良でき、寿命を向上できる電解コ
ンデンサ用電解液が得られる。
【化1】
Claims (1)
- 【請求項1】 多価アルコール類を主溶媒とする電解コ
ンデンサ用電解液において、一般式 〔化1〕で表されるカルボン酸又はその塩のうち一種類
以上を溶解することを特徴とする電解コンデンサ用電解
液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31441497A JPH11135372A (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 電解コンデンサ用電解液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31441497A JPH11135372A (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 電解コンデンサ用電解液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11135372A true JPH11135372A (ja) | 1999-05-21 |
Family
ID=18053066
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31441497A Pending JPH11135372A (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 電解コンデンサ用電解液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11135372A (ja) |
-
1997
- 1997-10-30 JP JP31441497A patent/JPH11135372A/ja active Pending
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