JPH0997751A - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents
電解コンデンサ用電解液Info
- Publication number
- JPH0997751A JPH0997751A JP27702795A JP27702795A JPH0997751A JP H0997751 A JPH0997751 A JP H0997751A JP 27702795 A JP27702795 A JP 27702795A JP 27702795 A JP27702795 A JP 27702795A JP H0997751 A JPH0997751 A JP H0997751A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrolyte
- capacitor
- electrolytic capacitor
- electrolytic
- ammonium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【課題】 電解液の比抵抗の増大を押さえ火花発生電圧
を向上し、電解コンデンサの特性及び寿命を向上する。 【解決手段】 多価アルコール類を主溶媒とする電解コ
ンデンサ用電解液において、一般式 で表される高分子多価カルボン酸又はその塩のうち一種
類以上を溶解する電解コンデンサ用電解液。
を向上し、電解コンデンサの特性及び寿命を向上する。 【解決手段】 多価アルコール類を主溶媒とする電解コ
ンデンサ用電解液において、一般式 で表される高分子多価カルボン酸又はその塩のうち一種
類以上を溶解する電解コンデンサ用電解液。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は電解コンデンサ用電解液
に関する。
に関する。
【０００２】
【従来の技術】アルミ電解コンデンサ等の電解コンデン
サは電解液を含浸剤として用いている。例えば、従来の
電解液はエチレングリコール等の多価アルコールを主体
とした溶媒に、ホウ酸や、高級脂肪族二塩基酸である
１，６−デカンジカルボン酸等を電解質として溶解した
組成になっている。
サは電解液を含浸剤として用いている。例えば、従来の
電解液はエチレングリコール等の多価アルコールを主体
とした溶媒に、ホウ酸や、高級脂肪族二塩基酸である
１，６−デカンジカルボン酸等を電解質として溶解した
組成になっている。
【０００３】ところで、電解コンデンサの耐電圧を上げ
て信頼性を向上するには、電解液の火花発生電圧を高め
ることが有効な手段の一つである。そのため、ポリエチ
レンオキシドやそのエステル類、エチレン・プロピレン
ブロック重合体等の高分子化合物を添加剤として溶解す
る電解液が検討されている。
て信頼性を向上するには、電解液の火花発生電圧を高め
ることが有効な手段の一つである。そのため、ポリエチ
レンオキシドやそのエステル類、エチレン・プロピレン
ブロック重合体等の高分子化合物を添加剤として溶解す
る電解液が検討されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの高分
子化合物を溶解した電解液は、一般に、耐電圧が向上す
るが、比抵抗が増大する欠点がある。そのため、電解コ
ンデンサのインピーダンスが増大し易く、実用的には定
格が４５０Ｖ程度が限界であった。また、これらの従来
の電解液を含浸した電解コンデンサは、高温で使用する
と、電解液中の水分が電極箔に形成した酸化皮膜を劣化
させ、漏れ電流が増大し、多量のガスを発生し易く、防
爆弁の作動が早まり、寿命が短くなる。
子化合物を溶解した電解液は、一般に、耐電圧が向上す
るが、比抵抗が増大する欠点がある。そのため、電解コ
ンデンサのインピーダンスが増大し易く、実用的には定
格が４５０Ｖ程度が限界であった。また、これらの従来
の電解液を含浸した電解コンデンサは、高温で使用する
と、電解液中の水分が電極箔に形成した酸化皮膜を劣化
させ、漏れ電流が増大し、多量のガスを発生し易く、防
爆弁の作動が早まり、寿命が短くなる。
【０００５】本発明の目的は、以上の欠点を改良し、比
抵抗を増大することなく火花発生電圧を向上でき、電解
コンデンサの特性や寿命を向上できる電解コンデンサ用
電解液を提供するものである。
抵抗を増大することなく火花発生電圧を向上でき、電解
コンデンサの特性や寿命を向上できる電解コンデンサ用
電解液を提供するものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、多価アルコール類を主溶媒とする電解
コンデンサ用電解液において、一般式
達成するために、多価アルコール類を主溶媒とする電解
コンデンサ用電解液において、一般式
【０００７】
【化１】
【０００８】
【化２】
【０００９】
【化３】
【００１０】で表される高分子多価カルボン酸又はその
塩のうち一種類以上を溶解することを特徴とする電解コ
ンデンサ用電解液を提供するものである。
塩のうち一種類以上を溶解することを特徴とする電解コ
ンデンサ用電解液を提供するものである。
【００１１】多価アルコール類は、エチレングリコール
やジエチレングリコール、プロピレングリコール、１，
４−ブタンジオール等を用いる。
やジエチレングリコール、プロピレングリコール、１，
４−ブタンジオール等を用いる。
【００１２】高分子多価カルボン酸は、重合度ｎが１０
〜１０，０００程度の範囲内が好ましい。すなわち、重
合度ｎが１０未満の場合には火花発生電圧を向上する効
果が低い。また、重合度ｎが１０，０００より大きい
と、多価アルコール類への溶解性が低くなり、かつ粘度
が高くなるため、電解液の粘度も高くなる。そのため、
コンデンサ素子への含浸性が低下し、電解コンデンサを
製造し難くなる。
〜１０，０００程度の範囲内が好ましい。すなわち、重
合度ｎが１０未満の場合には火花発生電圧を向上する効
果が低い。また、重合度ｎが１０，０００より大きい
と、多価アルコール類への溶解性が低くなり、かつ粘度
が高くなるため、電解液の粘度も高くなる。そのため、
コンデンサ素子への含浸性が低下し、電解コンデンサを
製造し難くなる。
【００１３】さらに、高分子多価カルボン酸の溶解量は
０．１〜３０ｗｔ％の範囲が好ましく、０．１ｗｔ％未
満では火花発生電圧を向上する効果が低く、３０ｗｔ％
を越えると飽和状態に近くなり、電解コンデンサの低温
特性が劣化しやすい。
０．１〜３０ｗｔ％の範囲が好ましく、０．１ｗｔ％未
満では火花発生電圧を向上する効果が低く、３０ｗｔ％
を越えると飽和状態に近くなり、電解コンデンサの低温
特性が劣化しやすい。
【００１４】
【作用】一般式
【化１】〜
【化３】の高分子多価カルボン酸やその塩を溶解する
と、電極箔の表面に皮膜状の錯体が形成される。そのた
め、電解コンデンサの耐電圧が向上する。また酸化皮膜
の劣化が抑制されるため、漏れ電流の増大を低下でき，
電解コンデンサの特性や寿命を向上できる。
と、電極箔の表面に皮膜状の錯体が形成される。そのた
め、電解コンデンサの耐電圧が向上する。また酸化皮膜
の劣化が抑制されるため、漏れ電流の増大を低下でき，
電解コンデンサの特性や寿命を向上できる。
【００１２】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
多価アルコールは、エチレングリコールやジエチレング
リコール、プロピレングリコールを用い、溶媒とする。
溶質としては、ホウ酸アンモニウムや１，６―デカンジ
カルボン酸アンモニウム、カプリル酸アンモニウムを用
いる。そしてこれらの溶媒及び溶質からなる溶液に、高
分子多価カルボン酸アンモニウムとして、
多価アルコールは、エチレングリコールやジエチレング
リコール、プロピレングリコールを用い、溶媒とする。
溶質としては、ホウ酸アンモニウムや１，６―デカンジ
カルボン酸アンモニウム、カプリル酸アンモニウムを用
いる。そしてこれらの溶媒及び溶質からなる溶液に、高
分子多価カルボン酸アンモニウムとして、
【化１】の塩で表されるポリ２，３―ジエチル―１，４
―ブタンジカルボン酸アンモニウム、
―ブタンジカルボン酸アンモニウム、
【化２】の塩で表されるポリ２，４―ジエチル―１，３
―ブタンジカルボン酸アンモニウム、
―ブタンジカルボン酸アンモニウム、
【化３】の塩で表されるポリ１，４―ジエチル―２，３
―ブタンジカルボン酸アンモニウムを溶解する。さら
に、添加剤としてマンニットやソルビットを溶解する。
―ブタンジカルボン酸アンモニウムを溶解する。さら
に、添加剤としてマンニットやソルビットを溶解する。
【００１６】次に、表１及び表２に示す組成の実施例及
び従来の電解液について、温度３０℃での比抵抗及び温
度１０５℃での火花発生電圧を測定した。
び従来の電解液について、温度３０℃での比抵抗及び温
度１０５℃での火花発生電圧を測定した。
【００１７】
【表１】
【００１８】
【表２】
【００１９】この表１及び表２から明らかな通り、実施
例１〜実施例９は、比抵抗が９００〜１７５０Ω・cm、
火花発生電圧が５２０〜５４０Ｖとなる。これに対し
て、従来例１〜従来例３は、比抵抗が８９０〜１７２０
Ω・cm、火花発生電圧が４２０〜４７０Ｖとなる。従っ
て、実施例１〜実施例９は、従来例１〜従来例４に比較
して、比抵抗がほぼ同程度であり、火花発生電圧が約
１．１１〜１．２９倍高くなっている。
例１〜実施例９は、比抵抗が９００〜１７５０Ω・cm、
火花発生電圧が５２０〜５４０Ｖとなる。これに対し
て、従来例１〜従来例３は、比抵抗が８９０〜１７２０
Ω・cm、火花発生電圧が４２０〜４７０Ｖとなる。従っ
て、実施例１〜実施例９は、従来例１〜従来例４に比較
して、比抵抗がほぼ同程度であり、火花発生電圧が約
１．１１〜１．２９倍高くなっている。
【００２０】また、表１及び表２に示した組成の各電解
液を含浸した定格５００Ｖ、３３０μＦのアルミ電解コ
ンデンサを製造した。試料数は各々２０個とする。この
製造時のエージング処理は、実施例１及び従来例１の電
解液を含浸した場合が温度８５℃、そして実施例２〜実
施例９、従来例２及び従来例３を含浸した場合が温度１
０５℃の各雰囲気中において電圧５１０Ｖを８ｈ印加し
て行った。
液を含浸した定格５００Ｖ、３３０μＦのアルミ電解コ
ンデンサを製造した。試料数は各々２０個とする。この
製造時のエージング処理は、実施例１及び従来例１の電
解液を含浸した場合が温度８５℃、そして実施例２〜実
施例９、従来例２及び従来例３を含浸した場合が温度１
０５℃の各雰囲気中において電圧５１０Ｖを８ｈ印加し
て行った。
【００２１】このエージング処理の際に、従来例１〜従
来例３の電解液を含浸した電解コンデンサは、全部パン
クした。これに対して、実施例１〜実施例９の電解液を
含浸した電解コンデンサは、全数、パンクすることなく
製造できた。
来例３の電解液を含浸した電解コンデンサは、全部パン
クした。これに対して、実施例１〜実施例９の電解液を
含浸した電解コンデンサは、全数、パンクすることなく
製造できた。
【００２２】そしてこの製造できた実施例１〜実施例９
の電解液を含浸した電解コンデンサについて、初期特性
と高温負荷試験後の特性及び外観状況を測定した。高温
負荷試験は、印加電圧を定格電圧５００Ｖ、雰囲気の温
度を実施例１を含浸した場合が８５℃そして実施例２〜
実施例９を含浸した場合が１０５℃、放置時間を３，０
００ｈとして行った。測定結果は表３示した。
の電解液を含浸した電解コンデンサについて、初期特性
と高温負荷試験後の特性及び外観状況を測定した。高温
負荷試験は、印加電圧を定格電圧５００Ｖ、雰囲気の温
度を実施例１を含浸した場合が８５℃そして実施例２〜
実施例９を含浸した場合が１０５℃、放置時間を３，０
００ｈとして行った。測定結果は表３示した。
【００２３】
【表３】
【００２４】この表３から明らかな通り、３，０００ｈ
放置後において、ｔａｎδが０，０５５〜０，０９３、
漏れ電流が２０〜３３μＡとなる。この値を初期値と比
較すると、ｔａｎδは、実施例１が最小で約１．０４
倍、実施例９が最大で１．２２倍に増加している。そし
て漏れ電流は、実施例６が最小で約４５．１％まで、実
施例８が最大で約３７．７％まで各々減少してる。ま
た、外観についてはなにも異常が認められなかった。
放置後において、ｔａｎδが０，０５５〜０，０９３、
漏れ電流が２０〜３３μＡとなる。この値を初期値と比
較すると、ｔａｎδは、実施例１が最小で約１．０４
倍、実施例９が最大で１．２２倍に増加している。そし
て漏れ電流は、実施例６が最小で約４５．１％まで、実
施例８が最大で約３７．７％まで各々減少してる。ま
た、外観についてはなにも異常が認められなかった。
【００２５】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、多価アル
コール類を主溶媒とし、一般式
コール類を主溶媒とし、一般式
【化１】〜
【化３】の高分子多価カルボン酸やその塩を溶解してい
るため、比抵抗を増大することなく、火花発生電圧を高
くでき、かつ、電解コンデンサの製造時のパンク不良を
改善できるとともに漏れ電流特性等を改良でき寿命を向
上できるる電解コンデンサ用電解液が得られる。
るため、比抵抗を増大することなく、火花発生電圧を高
くでき、かつ、電解コンデンサの製造時のパンク不良を
改善できるとともに漏れ電流特性等を改良でき寿命を向
上できるる電解コンデンサ用電解液が得られる。
Claims (1)
- 【請求項１】 多価アルコール類を主溶媒とする電解コ
ンデンサ用電解液において、一般式 【化１】 【化２】 【化３】 で表される高分子多価カルボン酸又はその塩のうち一種
類以上を溶解することを特徴とする電解コンデンサ用電
解液。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27702795A JPH0997751A (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 電解コンデンサ用電解液 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27702795A JPH0997751A (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 電解コンデンサ用電解液 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0997751A true JPH0997751A (ja) | 1997-04-08 |
Family
ID=17577759
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27702795A Pending JPH0997751A (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 電解コンデンサ用電解液 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0997751A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102333612A (zh) * | 2009-02-25 | 2012-01-25 | 千住金属工业株式会社 | 喷流焊料槽 |
-
1995
- 1995-09-29 JP JP27702795A patent/JPH0997751A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102333612A (zh) * | 2009-02-25 | 2012-01-25 | 千住金属工业株式会社 | 喷流焊料槽 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US5507966A (en) | Electrolyte for an electrolytic capacitor | |
| JPWO2015119047A1 (ja) | 固体電解コンデンサ及びその製造方法 | |
| JPH0997751A (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
| JP3254981B2 (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
| JP2018198248A (ja) | 電解液及び電解コンデンサ | |
| JP3391196B2 (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
| JP3085022B2 (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
| JP3172204B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
| EP0956573B1 (en) | Electrolyte for electrolytic capacitor | |
| JPH0969470A (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
| JP3216493B2 (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
| JP2572021B2 (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
| JP3473291B2 (ja) | 電解コンデンサ駆動用電解液及びそれを用いた電解コンデンサ | |
| JP3118526B2 (ja) | アルミ電解コンデンサの駆動用電解液 | |
| JP4804063B2 (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
| JPS602767B2 (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
| JP3630206B2 (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
| KR0169778B1 (ko) | 알루미늄 전해콘덴서용 전해액 | |
| JPH02303111A (ja) | 広い温度範囲及び高電圧で使用される電解コンデンサ | |
| JPH0982576A (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
| JPH11307397A (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
| JPH0748459B2 (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
| JP2000124076A (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
| JPH11135372A (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
| JPH07245246A (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 |