JP2882077B2 - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ用電解液

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JP2882077B2
JP2882077B2 JP3070545A JP7054591A JP2882077B2 JP 2882077 B2 JP2882077 B2 JP 2882077B2 JP 3070545 A JP3070545 A JP 3070545A JP 7054591 A JP7054591 A JP 7054591A JP 2882077 B2 JP2882077 B2 JP 2882077B2
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electrolytic solution
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electrolytic capacitors
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竜太郎 永井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電解コンデンサ用電解液
に関する。
【0002】
【従来の技術】中高圧用電解コンデンサに用いる電解液
は、例えば、エチレングリコール等の多価アルコール類
を主溶媒とし、有機酸やホウ酸あるいはそれらのアンモ
ニウム塩を溶質とする成分になっている。そして、電解
液は、電導度と火花電圧とが十分に高く、かつ高温下に
おいてこれ等の特性が劣化しないことが望ましい。その
ために、電解液は、熱安定性が鎖状のものよりも高いと
言われる安息香酸等の芳香族化合物を主な溶質とした
り、ソルビットやマンニット等の糖アルコール類を添加
した成分にして用いることがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、芳香族化合物
を主溶質とする電解液は高温での特性の劣化は少ない
が、火花電圧が低く、400WV以上の高圧用には適さ
ない欠点がある。また、糖アルコール類を添加した電解
液は、熱安定性を改良できるが、その効果が低く、かつ
電導度が低下する欠点がある。
【0004】本発明の目的は、以上の欠点を改良し、火
花電圧や電導度が低下することなく、高温でのこれ等の
特性劣化を防止できる電解コンデンサ用電解液を提供す
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、多価アルコール類を主溶媒とし、有機
酸またはその塩、ホウ酸またはその塩のうちの一種類以
上を溶質とする電解コンデンサ用電解液において、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン又はトリメ
チロールペンタンからなるトリメチロール化合物と、ポ
リビニルピロリドンとを含有することを特徴とする電解
コンデンサ用電解液を提供するものである。
【0006】
【作用】トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン又はトリメチロールペンタンからなるトリメチロール
化合物は、ソルビット等の糖アルコール類に類似した構
造をもっているが、電解液に溶解した場合にその電導度
を低下させる程度が低く、かつ高温において電導度が低
下するのを防止する効果は同等以上である。
【0007】また、ポリビニルピロリドンは、エチレン
グリコール等の多価アルコール類に溶け易く、電解液の
電導度をほとんど低下させることなく火花電圧を向上で
き、高温での特性の劣化を防止できる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
溶媒にはエチレングリコール等の多価アルコール類を用
いる。溶質には、ブチルオクタン二酸等の有機酸または
そのアンモニウム塩、ホウ酸またはそのアンモニウム塩
を用いる。トリメチロール化合物は、化1〜化3の構造
からなるトリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールペンタンを用いる。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】また、ポリビニルピロリドンを溶解する。
【0013】次に、表1に示した組成の電解液につい
て、初期の電導度を火花電圧、そしてこれ等の電解液を
耐熱ビンに入れて密封し、温度110℃の雰囲気中に2
000時間放置した後の電導度と火花電圧を測定し、表
2に示した。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】表2から明らかな通り、初期の電導度は、
実施例1〜実施例8が0.85〜1.60ms/cmで
あるのに対して、従来例1〜従来例2が0.85〜1.
45ms/cmとなり、最大値が前者の方が後者よりも
10%以上高くなっている。また、初期の火花電圧につ
いても、前者が440〜470V、後者が430Vとな
り、前者の方が10〜40V高くなっている。
【0017】また、2000時間放置後においても、電
導度は、前者が0.85〜1.40ms/cm、後者が
0.55〜0.70ms/cmとなり、前者の方が約2
1% 〜100%高くなっている。火花電圧についても前
者が430V〜460Vであるのに対して、後者が38
0〜400Vとなり、前者の方が30〜60V高くなっ
ている。
【0018】なお、トリメチロール化合物の含有量は
0.5〜10.0wt%がよく、0.5wt%より少な
いと電導度や火花電圧の改良効果が低く、10.0wt
%を越えると電導度の改良効果が低くなる。
【0019】そしてポリビニルピロリドンの含有量につ
いては、0.1〜10.0wt%がよく、0.1wt%
より少ないと電導度等の改良効果が低く、10.0wt
%を越えると電導度の改良効果が低下する。
【0020】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパン又はトリメチロ
ールペンタンからなるトリメチロール化合物とポリビニ
ルピロリドンとを溶解しているために、電導度や火花電
圧の初期値及び高温下でのそれ等の劣化を防止できる電
解コンデンサ用電解液が得られる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多価アルコール類を主溶媒とし、有機酸
    またはその塩、ホウ酸またはその塩のうちの一種類以上
    を溶質とする電解コンデンサ用電解液において、トリメ
    チロールエタン、トリメチロールプロパン又はトリメチ
    ロールペンタンからなるトリメチロール化合物と、ポリ
    ビニルピロリドンとを含有することを特徴とする電解コ
    ンデンサ用電解液。
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JPH0473922A (ja) * 1990-07-13 1992-03-09 Hitachi Aic Inc 電解コンデンサ用電解液

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