JP2001196272A - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ用電解液

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JP2001196272A
JP2001196272A JP2000004369A JP2000004369A JP2001196272A JP 2001196272 A JP2001196272 A JP 2001196272A JP 2000004369 A JP2000004369 A JP 2000004369A JP 2000004369 A JP2000004369 A JP 2000004369A JP 2001196272 A JP2001196272 A JP 2001196272A
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JP
Japan
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electrolytic capacitor
electrolyte
electrolytic
capacitor
dissolved
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JP2000004369A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Takano
利幸 高野
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Lincstech Circuit Co Ltd
Original Assignee
Hitachi AIC Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解液の比抵抗を増加させることなく、電解
コンデンサの寿命及び耐圧等の特性を改善できる電解コ
ンデンサ用電解液を提供すること。 【解決手段】 電解コンデンサ用電解液において、化学
式 【化1】 (式中、nは自然数、Rは水素またはアルキル基)で表
す共重合体を溶解したことを特徴とする電解コンデンサ
用電解液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電解コンデンサ用電
解液に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミ電解コンデンサ等の電解コンデン
サは、表面をエッチング処理し酸化膜を形成した陽極箔
と、表面をエッチング処理し酸化膜を形成しない,ある
いは低圧化成による酸化膜を形成した陰極箔とを電解紙
等のセパレーターを介して積層し巻回等して形成したコ
ンデンサ素子を有していて、電解液等を含浸したこのコ
ンデンサ素子をケースに収納し、蓋を取り付けてケース
を密封するとともに、蓋から陽極端子及び陰極端子を引
き出すような構造になっている。
【0003】ところで、従来、コンデンサ素子に含浸す
る電解液は、エチレングリコール等の多価アルコールを
主成分とする溶媒に、ホウ酸、あるいは高級二塩基酸で
あるアゼライン酸やセバシン酸,1,6−デカンジカル
ボン酸等を溶質として溶解した成分からなるものを用い
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ホウ酸を溶質とする電
解液は、火花発生電圧を比較的高くとれる、つまり使用
電圧が高くとれるが、しかし、比抵抗が大きいだけでは
なく、その分子内の結晶水とエチレングリコールとホウ
酸とで起こるエステル化反応によって多量の水が発生す
る。このため、電解コンデンサは、90℃を越えるよう
な高温状態で使用すると、エステル化反応によって発生
した水と陽極箔の酸化膜とが反応して漏れ電流が増大
し、水素ガスが多量に発生し、ケース内の圧力が容易に
上昇し、蓋やケースに設けた防爆機構が比較的早い時期
に作動し、寿命が短い欠点があった。
【0005】その点、高級二塩基酸であるアゼライン酸
やセバシン酸,1,6−デカンジカルボン酸等を溶解し
た電解液を用いた場合には、比抵抗も小さく、コンデン
サとしてのインピーダンスが増加しにくいだけではな
く、エチレングリコールとのエステル化反応も非常に遅
く、水を多量に発生することもないため、陽極化成膜と
の反応が生じにくく、ホウ酸を溶解した場合よりも高温
においても使用でき、電解コンデンサの寿命を長くでき
る。しかしながら、このような高級二塩基酸等を溶解し
た電解液を用いた電解コンデンサは、火花発生電圧が比
較的低く、その使用電圧は450V程度が限界である。
近年、電気機器の信頼性を向上させるために、この機器
に組み込まれる電解コンデンサとしてより高耐圧のもの
が必要とされるようになってきており、耐圧が十分では
ないという欠点があった。
【0006】本発明の目的は、上記の欠点を改良し、電
解液の比抵抗を増加させることなく、電解コンデンサの
耐圧を向上し、化成性を高め、信頼性を向上できる電解
コンデンサ用の電解液を提供することを課題とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、一般式
【化2】 [式中、nは自然数、Rは水素またはアルキル基]で表
すビニルアルコールと無水マレイン酸の共重合体、また
は、アルキルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合
体を溶解したことを特徴とする電解コンデンサ用の電解
液を提供するものである。
【0008】本発明に用いる共重合体を溶解するとその
分子量と分子構造から適度な粘度が得られ、素子の耐圧
が向上する要因となる。またこの共重合体はその分子内
に−CH2−等の親油性を示す官能基と、−OR,−C
OOHの親水基とを有しておりこの分子構造で表面活性
作用を示す。そしてこの表面活性作用により、電解液と
陽極化成膜との接触が良好となり、エージング処理や使
用時において酸化膜の損傷部分が電解液により傷復され
易くなる。そしてこれらの結果より、火花発生電圧が向
上し、電解コンデンサの耐圧が高くなり、信頼性が向上
する。
【00009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。溶媒としてはエチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、ヘキシレングリコー
ル、グリセリン、ポリエチレングリコール、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどの
多価アルコール類のほか、β−ブチロラクトン、γ−ブ
チロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクト
ン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−ヘ
プタラクトン、γ−ノナラクトン、δ−ノナラクトン、
δ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトンなどのラクト
ン類も用いることができる。これらの溶媒は単独もしく
は混合して用いることができる。
【00010】主溶質としては、アゼライン酸アンモニ
ウム、2−メチルアゼライン酸アンモニウム、3−te
rt−オクチルアジピン酸アンモニウム、トリメチルア
ジピン酸アンモニム、セバシン酸アンモニウム、ドデカ
ン二酸アンモニウム、1,6−デカンジカルボン酸アン
モニウム、5,6−デカンジカルボン酸アンモニウム、
7−ビニル−ヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸ア
ンモニウム、カプリル酸アンモニウム等のカルボン酸の
ほか、ジエチルアミン、トリエチルアミン、マレイン酸
トリエチルアミン、1,6−デカンジカルボン酸トリエ
チルアミン等のアミンも含め一種以上溶解する。これら
の溶解量は1〜30wt%の範囲が好ましく、特に5〜
15wt%の範囲が望ましい。溶解量が1wt%未満で
は、tanδ特性や漏れ電流特性等が低下しやすい。ま
た溶解量が30wt%より多いと、溶解が飽和状態に近
づくため電解コンデンサの低温特性が悪くなる。
【0011】また、副溶質としてはホウ酸、ホウ酸アン
モニウム,マンニトールやソルビトール等を溶解する。
【0012】さらに、本発明の共重合体を溶解する。こ
の共重合体の溶解量は0.1〜30wt%の範囲が好ま
しく、特に1〜15wt%の範囲が望ましい。溶解量が
0.1wt%未満では、コンデンサの耐圧特性等を改善
する効果が少ない。また溶解量が30wt%より多い
と、溶解が飽和状態に近づくため電解コンデンサの低温
特性が悪くなる。溶解量が1〜15wt%の場合には良
好なコンデンサ特性が得られる。さらに、溶解する共重
合体の分子量は200〜1,000,000の範囲が好
ましく、特に1,000〜500,000の範囲が望ま
しい。分子量が200未満では、コンデンサの耐圧特性
等をを改善する効果が少ない。また、分子量が500,
000より大きいと、溶媒に溶解しにくくなるため電解
コンデンサの耐圧等の改善効果が少ない。したがって分
子量が1,000〜500,000の場合に良好なコン
デンサ特性が得られる。
【0013】本発明電解液の調合は、前記の溶媒に前記
の主溶質や副溶質をさらに本発明の共重合体を溶解して
130℃付近まで加熱し、常温まで冷却後、攪拌しなが
らアンモニアガスを通すか、または、アミンを添加して
電解液のpHを中性に調整する。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。ま
ず、表1及び表2に示す組成の電解液を調合する。また
この表1及び表2に示す電解液について、液温30℃で
の比抵抗と液温85℃での火花発生電圧を測定し、合わ
せて表1及び表2に示した。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】表1の本発明の共重合体を溶解した実施例
1〜5を、表2の本発明の共重合体を省いた従来例1〜
5と比較すると、比抵抗がほぼ同等で火花発生電圧を4
20〜430Vから500〜530Vに大幅に向上して
いることがわかる。
【0018】また、表1及び表2の組成の電解液を用
い、定格400wV,470μFのアルミ電解コンデン
サを作成した。そしてコンデンサの初期特性及び高温負
荷試験後の20℃における特性を測定した。なお、この
アルミ電解コンデンサに用いた陽極は、600Vの電圧
で化成した箔とした。また、試作時のエージング条件
は、85℃の雰囲気中で475VDC,3h印加後、1
05℃の雰囲気中で450VDC,2h連続印加した。
試料数は各40個とした。
【0019】このエージング時に従来例1〜5の電解液
を用いたコンデンサは耐圧不足のため各3〜7個が電極
間ショートした。なお、実施例1〜5の電解液を用いた
コンデンサについては全数異常なかった。
【0020】次に実施例1〜5の電解液を用いたコンデ
ンサについて、初期特性及びおよ高温負荷試験後の特性
等を測定し、その平均値を表3に示す。なお、高温負荷
試験の条件は、105℃の雰囲気中で定格電圧(400
V)を3,000時間連続印加とし、試料数は各20個
とした。また、試験後の特性の測定は、各試料を20℃
の雰囲気中で24時間放置後行った。
【0021】
【表3】 表3から明らかな通り、従来例では耐圧不足と思われる
電極間ショートが2〜8個発生しているが、実施例では
3,000時間後全数外観異常なく、容量変化率、ta
nδ,漏れ電流とも従来例と比べて安定した特性を示し
ており、発明の効果が大きいことがわかる。
【0022】
【発明の効果】以上の通り、本発明によると、化2の一
般式で表す共重合体を溶解しているため、比抵抗を増大
することなく火花発生電圧を向上でき、化成性が高く、
電解コンデンサの漏れ電流増大を抑制することができる
ので、信頼性の高い電解コンデンサ用電解液が得られ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 [式中、nは自然数、Rは水素またはアルキル基]で表
    す共重合体を溶解したことを特徴とする電解コンデンサ
    用電解液。
JP2000004369A 2000-01-13 2000-01-13 電解コンデンサ用電解液 Pending JP2001196272A (ja)

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