JPH0880856A

JPH0880856A - ショッピングカートのハンドル装置

Info

Publication number: JPH0880856A
Application number: JP21916194A
Authority: JP
Inventors: Kenji Nakamura; 健治中村; Yoshiyasu Mitsumoto; 宜秘光本
Original assignee: Okamura Corp
Current assignee: Okamura Corp
Priority date: 1994-09-13
Filing date: 1994-09-13
Publication date: 1996-03-26
Anticipated expiration: 2013-10-08
Also published as: JP2808523B2

Abstract

(57)【要約】【目的】平坦な床面での使用、エスカレータへの載置
のいずれの使用状態においても、利用者が自然な動作で
ハンドル位置を適切な位置に変更できるようにする。【構成】カート本体２の上部から後方に向かって延び
る左右１対のハンドル取付アーム４に、左右方向を向く
ハンドルバー５の両端部に一端を連結した回動アーム６
の他端を連結し、かつハンドル取付アーム４に、回動ア
ーム６の回動範囲を、ハンドル取付アーム４の上端から
前方にほぼ水平に延出する前向位置から、上方を回って
下向きの垂下位置に至るまでの範囲に制限する回動規制
手段を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、平坦な床面における走
行はもちろんのこと、エスカレータによる別階への移動
も可能とした、スーパーマーケット等で使用されるショ
ッピングカートのハンドル装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、スーパーマーケット等において
は、ショッピングカートは、平坦な床面上で使用される
ようになっており、これを、別の階に移動させるにはエ
レベータを使わざるを得ない。しかし、ショッピングカ
ートはかさばるので、いくつものショッピングカートを
エレベータに乗せるわけにはゆかない。このため、混雑
時には長時間待たなければならなくなる。別の移動手段
であるエスカレータは連続輸送しているので、これを利
用できれば便利であるが、従来のショッピングカートを
そのままエスカレータに乗せると、ショッピングカート
が傾き、買物品が入ったバスケットも傾くことになるの
で、バランスが崩れ倒れるおそれがある。

【０００３】このバランスの崩れを回避するために、バ
スケット部を、カート本体に対して回動自在に支持した
カートすなわち手押し運搬車が、特開昭60−252064号公
報、実開昭62-30971号公報、実公平3−12610号公報に提
案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
構造のものは、そのハンドル部がカート本体に対して固
定されているので、下りのエスカレータに乗る際、まず
カートが前傾を始めて、ハンドル位置が平坦な床面での
使用状態よりも前方下方向に離れ、そのため利用者は、
前屈して腕を前方に伸ばした無理な姿勢でカートを保持
しなければならなくなる。また、上りのエスカレータに
乗る際には、カートが利用者とは異なる段に乗ることに
なるので、ハンドル位置も平坦な床面での使用状態より
も上方に離れ、利用者は腕を上方に曲げた状態でハンド
ルを保持しなければならない。このように、カート本体
に固定されたハンドル部では、上り下りいずれのエスカ
レータに乗るにしても、利用者は無理な姿勢でのカート
保持を強いられることとなる。

【０００５】本発明は、上述の欠点を解消して、平坦な
床面での使用、エスカレータへの載置のいずれの使用状
態においても、利用者が自然な動作でハンドル位置を適
切な位置に変更することができるようにしたショッピン
グカートのハンドル装置を提供することを目的としてい
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は、次のようにして解決される。 (１) ハンドルバーの左右両端部に揺動アームの一方の
端部を固設したハンドル本体を、カート本体の上部から
後方に向かって延びるハンドル取付アームに、このハン
ドル取付アームの端部を前記揺動アームの他方の端部を
枢支することによって取り付け、前記ハンドル本体の揺
動アームが前記ハンドル取付アームの上方からこのハン
ドル取付アームにほぼ平行となる平行位置から、下向き
のほぼ垂直位置まで、枢支点を中心として回動するよう
にしたこと。

【０００７】(２) 上記(１)項において、ハンドル本体
を、下向きのほぼ垂直位置からハンドル取付アームの上
方の平行位置へと付勢する弾性付勢手段を設ける。

【０００８】(３) 上記(２)項において、ハンドル本体
をハンドル取付アームの上方の平行位置へと付勢する弾
性付勢手段を、前記ハンドル本体の揺動アームの端部を
前記ハンドル取付アームの端部に枢支する枢支点の回り
に巻回したコイルばねとし、このコイルばねの付勢力
が、前記ハンドル本体が前記平行位置に達する前にゼロ
となるように設定する。

【０００９】(４) 上記(１)ないし(３)項のいずれかに
おいて、下方の下向のほぼ垂直位置とにおいてハンドル
本体の回動限度を規制する規制手段を設ける。

【００１０】

【作用】本発明によれば、利用者が握るハンドルが、ハ
ンドル取付アームの端部の枢支点を中心として回動し、
その揺動アームの長さの分だけ伸びたり短くなったりす
ることができるとともに、その上下位置も変更できるの
で、利用者は自然な姿勢でショッピングカートを保持で
きる。

【００１１】

【実施例】図１は、本発明のショッピングカートの一実
施例を示す。このショッピングカートは、買物品を入れ
るバスケット(１)をカート本体(２)により支持してなる
のもので、カート本体(２)の下端部には、４個のキャス
ターすなわち車輪(３)が、また、同じく上部には、斜め
後方に延びるハンドル取付アーム(４)が設けられてい
る。

【００１２】従来のショッピングカートでは、カート本
体(２)の左右両側部から延びる上記ハンドル取付アーム
(４)の端部同士を連結してハンドルバーとし、利用者
は、このハンドルバーを押して進むようになっている。
これに対して、本発明によれば、左右方向を向くハンド
ルバー(５)の両端部に、回動アーム(６)の一方の端部を
固着したものをハンドル本体(８)とし、それをジョイン
トピン(７)により、左右のハンドル取付アーム(４)の端
部に枢着している。なお、ハンドルバー(５)は、その中
心軸線まわりに回動可能として回動アーム(６)に連結し
ておいてもよい。このハンドル本体(８)の詳細を、図２
ないし図６を参照して以下に述べる。

【００１３】図２に示すように、ハンドル本体(８)の両
側部に延びる回動アーム(６)の先端近くを２又に分岐し
て、平行分岐部(6a)(6b)を形成してある。この平行分岐
部(6a)(6b)を貫いて、前述のジョイントピン(７)が配設
され、回動アーム(６)を、ハンドル取付アーム(４)の端
部に枢支している。

【００１４】ふたつの平行分岐部(6a)(6b)の間には、ジ
ョイントピン(７)の回りにコイルばね(９)が配設されて
いる。このコイルばね(９)は、図３において白抜き矢印
により示すように、ハンドル本体(８)を時計方向に付勢
している。なお、このばねの付勢力は、角度αの範囲に
おいて及ぼされ、線Ｘで示す角度位置に達すると付勢力
がゼロとなるように設定されている。したがって、角度
範囲βは、ハンドル本体(８)が重力によって回動する範
囲となる。符号(10)は、ハンドル取付アーム(４)に設け
られ、回動アーム(６)の回動範囲を、上述の角α＋βの
範囲内に制限する回動規制手段で、回動アーム(６)が前
向位置に達したとき、その下面に当接する第１ストッパ
(10a)と、回動アーム(６)が垂下位置に達したとき、そ
の前面に当接する第２ストッパ(10b)とからなってい
る。

【００１５】図４は、このようにばね付勢されたハンド
ル本体(８)が、その回動アーム(６)がハンドル取付アー
ム(４)とほぼ重合し、かつほぼ水平となる前向位置にあ
る状態を示す。また、図６はハンドル本体(８)が下向き
の垂下位置に達した状態を示し、図５は、その中間の状
態を示す。コイルばね(９)の付勢力は、図６の状態にあ
るハンドル本体(８)を、図４の状態にもたらすのに十分
な程度であって、ショッピングカートの使用者が手を掛
けると、それほどの抵抗なく、ばねの力に抗してハンド
ル本体(８)を回動させることができる。

【００１６】つぎに、図７ないし図１３を参照して、平
坦な床面、およびエスカレータにおけるハンドル本体
(８)と、利用者の手の位置との関係を説明する。

【００１７】図７は、平坦な床面上における使用状態を
示す。使用者は、前向位置となっているハンドル本体
(８)のハンドルバー(５)を握って、ショッピングカート
を押し進める。この際の使用者の手の位置が、一番自然
で疲れにくい位置である。

【００１８】図８ないし図１０は、下りエスカレータに
おける使用状況を示す。図８は、下りエスカレータでの
降りはじめの状態である。ハンドルバー(５)を掴んでい
る使用者の手はそのままであり、カート本体(２)の前部
の車輪(３)は、エスカレータの段が下がるに従って下方
に移動するので、カート本体(２)は前方に傾斜し始め
る。この際、ハンドル本体(８)は、抵抗なく反時計方向
への回動を始める。図９に示すように、ショッピングカ
ートが完全にエスカレータに乗り切ると、カート本体
(２)はほぼ３０度の角度に傾斜する。この際には、ハン
ドル本体(８)は、ほぼ１８０度回動し、ハンドル本体
(８)のハンドルバー(５)は、その回動アーム(６)の長さ
だけハンドル取付アーム(４)の端部から伸長した位置と
なる。すなわち、ハンドル本体(８)が引き伸ばされる。
したがって、ショッピングカートが傾いて使用者の手が
遠くなっても、無理なく保持することができる。図１０
に示すように、下りエスカレータの降り際においては、
ハンドル本体(８)は、自然に時計方向に回動してゆく。

【００１９】図１１ないし図１３は、上りエスカレータ
における使用状況を説明するものである。図１１は、上
りエスカレータへの乗りはじめの状態を示す。ハンドル
本体(８)のハンドルバー(６)を握った利用者は、ショッ
ピングカートの前部の車輪(３)がエスカレータの段とと
もに高くなってゆくと、ハンドル本体(８)を介して、シ
ョッピングカートの荷重で押されるのを支える格好とな
る。図１２に示すように、ショッピングカートが完全に
エスカレータに乗り切り、約３０度の角度に傾くと、利
用者はハンドル本体(８)をその垂下位置まで回動させ
る。この位置では、回動アーム(６)が、図３に示す第２
ストッパ(10b)に当接するので、傾いたショッピングカ
ートの荷重分力を楽に支えることができる。また、この
際の使用者の手の高さ位置も自然である。上りエスカレ
ータの降り際においては、ショッピングカートの傾き、
および荷重分力も次第に減少するので、回動アーム(６)
はストッパ(10)から離れる。使用者がショッピングカー
トと同じ高さに近づくとともに、使用者は、ハンドル本
体(８)を時計方向に回動させて、図７に示す標準状態に
戻す。

【００２０】

【発明の効果】本発明のハンドル装置は、上述のような
構成であるので、平坦な床面上でのショッピングカート
使用時は、回動アームがほぼ水平な前向位置に位置して
いるから、通常のカートと同様なハンドル位置で使用で
きる。

【００２１】下りのエスカレータに乗る時は、カート本
体が前下方へ離れてゆくが、利用者がハンドルバーをそ
れまでの位置のままで把持していると、回動アームは、
後上方に自然に回動し、ハンドルバーは、通常の位置に
対して揺動アームの長さの２倍だけ後に移動する。した
がって、利用者は自然な姿勢でショッピングカートを保
持できる。

【００２２】上りのエスカレータに乗る際には、カート
は一旦後傾し、その後利用者に対して上方に移動するこ
とになるが、この時ハンドルバーを一旦持ち上げ、さら
にカートの上方移動を利用して回動アームを下向きに回
転させてゆくことにより、ハンドルバーは、ハンドル取
付アームの下方に位置し、使用者は、腕をそれほど上げ
ることなく、無理なくカートを保持することができる。

【００２３】従って、本発明によれば、平坦な床面での
使用、および上り下りのエスカレータに乗せる場合にお
いても、利用者に対するハンドルバーの位置を、無理な
くカートを制御できる適正な位置に変更することができ
る(請求項１)。

【００２４】請求項２記載の発明のように、回動アーム
を、下向の垂下位置から後上方を回って前向位置へ付勢
する付勢手段を設けると、ハンドル本体は常に通常の前
向位置に戻され、平坦な床面での使用状態、さらにはエ
スカレータへの乗りはじめの標準状態に保持されるとい
う効果を奏することができる。

【００２５】請求項３記載の発明のように、付勢手段
を、回動アームの端部をハンドル取付アームの端部に枢
支する枢支点の回りに巻回したコイルばねとし、このコ
イルばねの付勢力が、回動アームが前向位置に達する前
にゼロとなるように設定すると、下りエスカレータへの
乗りはじめの際の回動アームの回動が、きわめて自然に
行われる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のハンドル装置の一実施例を備えたショ
ッピングカートの側面図である。

【図２】同じく要部の拡大平面図である。

【図３】同じく要部の拡大側面図である。

【図４】同じくハンドル本体を前向位置としたときの要
部の斜視図である。

【図５】同じくハンドル本体をほぼ１８０度回動したと
きの要部の斜視図である。

【図６】同じくハンドル本体を垂下位置としたときの斜
視図である。

【図７】本発明ハンドル装置を備えたショッピングカー
トの平坦な床面での使用状態を説明する側面図である。

【図８】本発明ハンドル装置を備えたショッピングカー
トの下りエスカレータに乗りはじめの状態を説明する側
面図である。

【図９】本発明ハンドル装置を備えたショッピングカー
トの下りエスカレータに乗った状態を説明する側面図で
ある。

【図１０】本発明ハンドル装置を備えたショッピングカ
ートの下りエスカレータからの降りはじめの状態を説明
する側面図である。

【図１１】本発明ハンドル装置を備えたショッピングカ
ートの上りエスカレータに乗りはじめの状態を説明する
側面図である。

【図１２】本発明ハンドル装置を備えたショッピングカ
ートの上りエスカレータに乗った状態を説明する側面図
である。

【図１３】本発明ハンドル装置を備えたショッピングカ
ートの上りエスカレータからの降りはじめの状態を説明
する側面図である。

【符号の説明】

(１)バスケット (２)カート本体 (３)車輪 (４)ハンドル取付アーム (５)ハンドルバー (６)回動アーム (6a)(6b)平行分岐部 (７)ジョイントピン(枢支点) (８)ハンドル本体 (９)コイルばね (10)回動規制手段 (10a)第１ストッパ (10b)第２トッパ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】カート本体の上部から後方に向かって延
びる左右１対のハンドル取付アームの先端部に、左右方
向を向くハンドルバーの両端部に一端を連結した左右１
対の回動アームの他端を枢着し、かつ前記ハンドル取付
アームに、前記回動アームの回動範囲を、前記ハンドル
取付アームの上端から前方にほぼ水平に延出する前向位
置から上方を回って下向きの垂下位置に至るまでの範囲
に制限する回動規制手段を設けたことを特徴とするショ
ッピングカートのハンドル装置。
【請求項２】ハンドル取付アームと回動アームとの間
に、回動アームを垂下位置から後上方を回って前向位置
に向かって付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする
請求項１記載のショッピングカートのハンドル装置。
【請求項３】付勢手段を、回動アームの端部をハンド
ル取付アームの端部に枢支する枢支点の回りに巻回した
コイルばねとし、このコイルばねの付勢力が、回動アー
ムが前向位置に達する前にゼロとなるように設定したこ
とを特徴とする請求項２記載のショッピングカートのハ
ンドル装置。
【請求項４】回動規制手段が、回動アームが前向位置
に達したとき、その下面に当接する第１ストッパと、回
動アームが垂下位置に達したとき、その前面に当接する
第２ストッパとからなる請求項１〜３のいずれかに記載
のショッピングカートのハンドル装置。