JPH0880419A - 湿式排煙脱硫装置 - Google Patents

湿式排煙脱硫装置

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JPH0880419A
JPH0880419A JP6217002A JP21700294A JPH0880419A JP H0880419 A JPH0880419 A JP H0880419A JP 6217002 A JP6217002 A JP 6217002A JP 21700294 A JP21700294 A JP 21700294A JP H0880419 A JPH0880419 A JP H0880419A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 副生品である石膏を分離回収するための構成
が小型かつ簡単となる湿式排煙脱硫装置に関する。 【構成】 底部のタンクにカルシウム化合物含有スラリ
が供給される吸収塔と、前記タンク内のスラリを吸収塔
上部の排煙導入部に送って排煙と接触させるための循環
ポンプと、前記タンク内に酸化のための空気を供給する
空気供給手段とを備え、前記排煙中の亜硫酸ガスを前記
スラリにより吸収し酸化して石膏を副生するタンク酸化
方式の湿式排煙脱硫装置において、前記吸収塔の側壁外
面に沿って真空式のベルトフィルタを配設し、前記循環
ポンプにより吐出されたスラリの一部をこのベルトフィ
ルタに導いて脱水することにより石膏を分離回収する構
成とした湿式排煙脱硫装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は副生品である石膏を分離
回収するための構成が小型かつ簡単となる湿式排煙脱硫
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、湿式脱硫装置としては、吸収塔の
タンク内に空気を送り込み、そこで亜硫酸ガスを吸収し
た吸収剤スラリ(石灰石等のカルシウム化合物よりなる
もの)と接触させて酸化を行なうようにし、酸化塔を不
要としたもの(いわゆるタンク酸化方式)が主流となっ
ている。図3はこの種の湿式石灰石膏脱硫装置の構成例
を示す図である。
【0003】この装置は吸収塔1のタンク2内に中空回
転軸3により支持されて図示省略したモータにより水平
回転する攪拌棒4と、前記中空回転軸3から伸びて開口
端5aが攪拌棒4の下側に延長された空気供給管5と、
前記中空回転軸3の基端側を空気源に接続するためのロ
ータリージョイント6とを備え、空気を圧入しつつ中空
回転軸3を回転させることで、空気供給管5より攪拌棒
4の回転方向背面側に生じる気相域に空気Cを供給し、
攪拌棒4の回転により生じる渦力によりこの気相域終縁
部の千切れ現象を起こして略均一な微細気泡を多数発生
させ、タンク2内で亜硫酸ガスを吸収した吸収剤スラリ
溶液と空気とを効率よく接触させて全量酸化し石膏を得
るものである。
【0004】すなわち、この装置では吸収塔1の排煙導
入部1aに未処理排煙Aを導き、循環ポンプ7によりヘ
ッダーパイプ8から噴射した吸収剤スラリ溶液に接触さ
せて、未処理排煙A中の亜硫酸ガスを吸収除去し、排煙
導出部1bから処理済み排煙Bとして排出させる。ヘッ
ダーパイプ8から噴射され亜硫酸ガスを吸収しつつ充填
材9を経由して流下する吸収剤スラリは、タンク2内に
おいて攪拌棒4により攪拌されつつ上記千切れ現象によ
り発生した多数の気泡と接触して酸化され、さらには中
和反応を起こして石膏となる。なお、これらの処理中に
起きている主な反応は以下の反応式(1)乃至(3)と
なる。
【0005】
【化1】(吸収塔排煙導入部) SO2 +H2 O → H+ +HSO3 - (1) (タンク): H+ +HSO3 - + 1/2O2 → 2H+ +SO4 3- (2) 2H+ +SO4 2-+CaCO3 +H2 O → CaSO4 ・2H2 O+CO2 (3)
【0006】こうしてタンク2内には、石膏と吸収剤で
ある少量の石灰石が懸濁し、これらがスラリポンプ10
により吸出され、シックナ11を経て濃縮液Dはスラリ
ポンプ11aにより固液分離機12に供給され、ろ過さ
れて水分の少ない石膏E(通常、水分含有率10%程
度)として採り出される。一方、シックナ11からの上
澄水Fと固液分離機12からのろ液はろ液タンク13に
送られ、ここで石灰石Gが加えられ、吸収剤スラリとし
てスラリポンプ14により再びタンク2に供給される。
【0007】なお、上記従来例においては中空回転軸
3、空気供給管5及びロータリージョイント6などが空
気供給手段を構成している。また運転中には、脱硫率と
石膏純度とを高く維持すべく、未処理排煙A中の亜硫酸
ガス濃度やタンク内のpHなどがセンサにより検出さ
れ、図示省略した制御装置により石灰石の供給量や吸収
剤スラリの供給量などが適宜調節される。また、吸収剤
スラリは図示省略した別体の石灰石スラリ槽から供給さ
れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の湿
式排煙脱硫装置では石膏スラリの固液分離工程のため
に、スラリポンプ10、11a、シックナ11及び固液
分離機12(遠心分離機、デカンタ型遠心沈降機などよ
りなるもの)といった複雑かつ大型な複数の機器よりな
る固液分離装置が使用され、分離水を再利用して排水量
を減らすために、ろ液タンク13やスラリポンプ14も
必要となる。このため、湿式排煙脱硫装置のさらなる小
型化、小設置スペース化を目的として、これらの固液分
離工程に必要な構成の小型化、簡素化が強く望まれてい
た。
【0009】そこで本発明は小型かつ簡単な構成で石膏
回収のための固液分離が可能であり、全体として小型
化、小設置スペース化が図れる湿式排煙脱硫装置を提供
することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の湿式排煙脱硫装置は底部のタンクに
カルシウム化合物含有スラリが供給される吸収塔と、前
記タンク内のスラリを吸収塔上部の排煙導入部に送って
排煙と接触させるための循環ポンプと、前記タンク内に
酸化のための空気を供給する空気供給手段とを備え、前
記排煙中の亜硫酸ガスを前記スラリにより吸収し酸化し
て石膏を副生するタンク酸化方式の湿式排煙脱硫装置に
おいて、前記吸収塔の側壁外面に沿って真空式のベルト
フィルタを配設し、前記循環ポンプにより吐出されたス
ラリの一部をこのベルトフィルタに導いて脱水すること
により石膏を分離回収する構成としてなることを特徴と
する。
【0011】また、請求項2記載の湿式排煙脱硫装置は
前記スラリの一部をベルトフィルタに導く配管の終端部
に、スラリ内の石膏分を濃縮するサイクロンを接続し、
このサイクロンの下端から流出する濃縮スラリが前記ベ
ルトフィルタのスラリ導入部に流下する構成としてなる
ことを特徴とする。
【0012】また、請求項3記載の湿式排煙脱硫装置は
前記ベルトフィルタの真空引き用のポンプを前記空気供
給手段の空気源として機能させるようにしてなることを
特徴とする。
【0013】
【作用】本発明では吸収塔の側壁外面に沿って真空式の
ベルトフィルタを配設し、循環ポンプにより吐出された
スラリの一部をこのベルトフィルタに導いて脱水し石膏
を分離回収する構成としているから、循環ポンプが石膏
を分離回収するためのスラリ吸出し用のポンプとしても
機能して機器点数が削減されるとともに、石膏を分離回
収するための配管などの構成が格段に小型化され吸収塔
の周囲のスペースにコンパクトに設置できる。
【0014】また、スラリをベルトフィルタに導く配管
の終端部に、スラリ内の石膏分を濃縮するサイクロンを
接続し、このサイクロンの下端から流出する濃縮スラリ
が前記ベルトフィルタのスラリ導入部に流下する構成と
した場合には、このサイクロンとベルトフィルタにより
2段階に脱水されることになり、しかも未反応カルシウ
ム化合物がこのサイクロンにより除去されるので、吸収
塔のタンク内の水分含有率や未反応カルシウム化合物の
含有率が高い場合でも、最終的に純度が極めて高い石膏
固形分が得られる。そしてこの場合、サイクロンには循
環ポンプから石膏スラリが供給され、サイクロンから流
出した濃縮スラリがベルトフィルタに直接導入されるか
ら、やはりスラリポンプを別個に設ける必要はなく、ま
た、このサイクロンも吸収塔の周囲にコンパクトに配置
される。
【0015】また、ベルトフィルタ用の真空引きポンプ
を空気供給手段の空気源として機能させた場合には、さ
らなる機器点数の削減が可能となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1,図2に基づ
いて説明する。なお、図3に示した従来の湿式排煙脱硫
装置と同様の要素には同符号を付してその説明を省略す
る。この実施例の湿式排煙脱硫装置は図1に示すよう
に、吸収塔1の架構を一部利用することにより吸収塔1
の一側面に沿ってサイクロン20及びベルトフィルタ3
0を配設支持し、循環ポンプ7の吐出側を配管14,1
5によりヘッダパイプ8に接続するとともに、配管15
の管端から伸びる配管16により循環ポンプ7により吐
出されたスラリの一部を前記サイクロン20及びベルト
フィルタ30に導いて濃縮し、石膏を分離回収するもの
である。
【0017】サイクロン20は個体粒子(粗粒子)の遠
心沈降を利用して固液分離や粗粒子の分離を行なう一般
的なサイクロンと同原理のものであって、上部が円筒状
で下部が逆円錐状の胴体21を有し、この胴体21の下
端開口に濃縮液(粗粒子)の流出管22が接続され、上
端部軸線上には下端が胴体21内部に伸びる上昇管23
が取付けられたものである。そして、胴部21の上端部
外周には前記配管16に接続されて、配管16を介して
供給されるスラリを胴体21内の接線方向に導入する導
入口(図示略)が設けられたものである。
【0018】なおこのサイクロン20の分離性能は一般
的な湿式サイクロンと同様に、導入されるスラリの流量
や性状に対する胴体21や上昇管23の形状寸法の設定
により変化するが、この場合、配管16により導入され
るスラリ内の水分や未反応石灰石(CaCO3 )が上昇
管23より多量に流出して、石膏固形分(CaSO4
2H2 O)の濃度が最大限に高められて流出管22によ
り流下するように、各部の形状寸法が設定されている。
また、上昇管23から流出する水分及び未反応石灰石は
例えば直接にタンク2に戻して循環使用できるし、又は
上昇管23を後述する真空タンク41に接続しておくこ
とにより、スラリポンプ43によりタンク2に戻して循
環再利用することができる。
【0019】ベルトフィルタ30は水平ベルト式の真空
ろ過機であり、吸収塔1の一側面に直交する方向に配さ
れて回転自在に支持された2個のドラム31,32と、
これらドラム31,32に巻回されて水平に周回する穴
あきベルト33と、ドラム31,32と同方向に配され
て穴あきベルト33の周囲に複数設置されたガイドロー
ラ34と、これらガイドローラ34に巻回されて上面側
において裏面が穴あきベルト33で当接保持された状態
に周回する無端ベルト状のろ布35と、上面の開口が穴
あきベルト33の上面側裏面に対向するよう配設された
スラリ導入パン36及び真空パン37と、サイクロン2
0の流出管22から流下するスラリを穴あきベルト33
の上流端位置(スラリ導入部)においてろ布35上に導
く導入器38とを備える。
【0020】ここで、スラリ導入パン36は穴あきベル
ト33の上流側一定範囲(ろ過範囲)に配置され、この
ろ過範囲においてスラリの導入及びろ布35による石膏
固形分の単なる重力ろ過を行なうために、ろ布33上に
導入されたスラリのろ液を受けとめるためのもので、必
要に応じてろ液が排出されるようになっている。また真
空パン37は穴あきベルト33の後流側一定範囲(脱水
範囲)に配置され、この脱水範囲においてスラリの真空
ろ過を行なうべく、上部開口側がシール性を維持して穴
あきベルト33の裏面に摺接する構造とされ、図2に示
す如く真空タンク41を介して真空引き用のポンプ42
に接続されている。また導入器38は、この場合上端が
流出管22に接続され下端が開口した末広がり状のもの
で、スラリをろ布35上の幅方向に均一に流下させるも
のである。
【0021】この場合、真空引きポンプ42は吸収塔1
内の酸化反応に必要な空気を供給できる程度の排気圧力
を発揮できるものとされ、排気側が必要に応じて図示省
略のバッファタンクなどを介して吸収塔1の空気供給手
段(ロータリージョイント6)に接続されている。ま
た、真空タンク41内の底部に溜まったろ液は真空タン
ク41の底部に吸込み側が接続されたスラリポンプ43
により、例えば吸収塔1のタンク2に直接戻されて再利
用されるようになっている。また、真空ろ過されてろ布
35の後流側折返し位置において落下する石膏固形分E
は導入器45を介してベルトコンベア46に受け止めら
れ、吸収塔1の近傍に送り出される構成となっている。
なおベルトフィルタ30はろ布35の後流側折返し部下
面側近傍位置などに水を噴射するためのノズル(図示省
略)を有し、このノズルから噴射される水によりろ布3
5がろ過範囲に入る前に洗浄されるようになっている。
【0022】次に、上記のように構成された湿式排煙脱
硫装置の動作を説明する。図示省略した石灰石スラリ槽
から石灰石よりなる吸収剤スラリがタンク2内に供給さ
れると、前述した循環ポンプ7と攪拌棒4などの機能に
よって、従来例において説明したとおりの動作による排
煙の脱硫と石膏の副生が行なわれて、定常状態において
タンク2内には石膏と吸収剤である少量の石灰石が懸濁
した状態(固形分濃度は約30wt%以下)となる。そ
して、タンク2内のスラリの一部は循環ポンプ7の吐出
側に接続された配管16により導出され、この場合、ま
ずサイクロン20に導入される。サイクロン20では、
水分及び未反応石灰石が分離されて上昇管23から排出
され、石膏固形分が濃縮されたスラリが流出管22から
流下する。
【0023】流出管22から流下したスラリは導入器3
8を介してベルトフィルタ30の上流端に均等に導入さ
れ、前記ろ過範囲において、まず重力の作用によりある
程度脱水されるとともに、ろ布35の幅全体に略均一の
厚さで広がる。そして、穴あきベルト33及びろ布35
の周回につれ、前記真空パン37が配設された脱水範囲
に入り、ここで真空ろ過されて最終的にスラリ中の固形
分だけがベルトフィルタ30の終端(ろ布35の折返し
位置)に達してベルトコンベア46上に排出され、石膏
E(固形分濃度は約90wt%以上)として採り出され
る。
【0024】このように、この実施例の装置によれば、
吸収塔1の周囲にコンパクトに配置されたサイクロン2
0及びベルトフィルタ30よりなる簡単な構成の分離回
収装置で水分及び不純物(未反応石灰石など)の少ない
石膏Eが採り出せるので、スラリポンプ、シックナとい
った複雑かつ大型な機器や長い配管が多数不要となり、
大幅なコスト低減及び設置スペースの低減が可能とな
る。特に、この実施例の場合、ベルトフィルタ30の真
空引き用のポンプ42が吸収塔1の酸化用空気源として
も機能しているので、石膏の分離回収のために特に必要
な機器はサイクロン20、ベルトフィルタ30及び真空
タンク41のみとなり、真空タンク41の設置スペース
以外には吸収塔1の一側面側に僅かな設置スペースを必
要とするだけである。
【0025】また上記実施例の湿式排煙脱硫装置では、
サイクロンによる分離作用により未反応石灰石の混入率
が低く抑えられ、純度の高い良質な石膏Eが得られる。
というのは、循環ポンプ7の吸込み位置は通常タンク2
における石灰石の供給位置付近であって未反応石灰石濃
度の高い部分(通常石灰石含有率5%程度)に設定さ
れ、吸収酸化反応が効率よく行なわれるようになってい
る。このため、循環ポンプ7から吐出されるスラリを単
に脱水して固形分として回収するだけでは、得られた石
膏中には石灰石がそのままの含有率で存在することにな
り、例えば石膏ボードなどの材料としては好ましくな
い。ところが、上記実施例の場合、サイクロン20によ
り石灰石がかなり分離できるので、得られる石膏E中の
石灰含有率を最終的に低く(2%程度)抑えることがで
きる。
【0026】また、サイクロン20においては、ある程
度の脱水も行なわれるので、タンク2中の固形分濃度を
高く(例えば30wt%)設定しなくても、そしてベル
トフィルタ30を長尺なものとしなくても、最終的に高
い固形分濃度の石膏Eが得られる。このため、設置スペ
ースを小さく維持しつつ、タンク2中の固形分濃度を低
く(例えば20wt%)設定して、循環ポンプ7の消費
動力低減などを図ることができる。
【0027】なお、本発明は上記実施例に限られず各種
の態様があり得る。例えば、副生品である石膏の純度が
低くてもよい場合(例えば、セメント用としては5%程
度の石灰石が含まれていても通常問題ない)には、サイ
クロン20は不要である。なおこの場合でも、タンク2
中の固形分濃度を高く(例えば30wt%)設定する、
あるいはベルトフィルタ30を長くして脱水能力をアッ
プすることにより、最終的な石膏Eの固形分濃度(約9
0wt%以上)を確保することができる。またサイクロ
ン20は小型シックナなどの他の分離器に代えることが
できる。
【0028】さらにベルトフィルタ30には、真空パン
37が設けられた脱水範囲の上流側において洗浄水を噴
射するノズルを設けることにより、石膏ケーキを洗浄す
る機能を設けて、塩素などの不純物(タンク2内のスラ
リには10000ppm程度の塩素が含まれる場合があ
る)の含有量が低減された良質な石膏(塩素濃度100
ppm以下)を得ることもできる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、循環ポンプが石膏を分
離回収するためのスラリ吸出し用のポンプとしても機能
して機器点数が削減されるとともに、石膏を分離回収す
るための配管などの構成が格段に小型化され、吸収塔の
周囲のスペースにコンパクトに設置できる。このため、
装置の大幅なコスト低減及び設置スペースの低減が可能
となる。
【0030】また、スラリをベルトフィルタに導く配管
の終端部に、スラリ内の石膏分を濃縮するサイクロンを
接続し、このサイクロンの下端から流出する濃縮スラリ
が前記ベルトフィルタのスラリ導入部に流下する構成と
した場合には、このサイクロンとベルトフィルタにより
2段階に脱水されることになり、しかも未反応カルシウ
ム化合物がこのサイクロンにより除去されるので、吸収
塔のタンク内の水分含有率や未反応カルシウム化合物の
含有率が高い場合でも、最終的に純度が極めて高い石膏
固形分が得られる。そしてこの場合、サイクロンには循
環ポンプから石膏スラリが供給され、サイクロンから流
出した濃縮スラリがベルトフィルタに直接導入されるか
ら、やはりスラリポンプを別個に設ける必要はなく、ま
た、このサイクロンも吸収塔の周囲にコンパクトに配置
されて、装置の低コスト性及び小設置スペースを維持で
きる。
【0031】また、ベルトフィルタ用のポンプを空気供
給手段の空気源として機能させた場合には、機器点数の
削減によるさらなる装置のコスト低減及び設置スペース
の低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である湿式排煙脱硫装置の主
要機器配置状態を示す斜視図。
【図2】本発明の一実施例である湿式排煙脱硫装置の全
体構成図。
【図3】従来の湿式排煙脱硫装置の一例を示す全体構成
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/34 ZAB

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底部のタンクにカルシウム化合物含有ス
    ラリが供給される吸収塔と、前記タンク内のスラリを吸
    収塔上部の排煙導入部に送って排煙と接触させるための
    循環ポンプと、前記タンク内に酸化のための空気を供給
    する空気供給手段とを備え、前記排煙中の亜硫酸ガスを
    前記スラリにより吸収し酸化して石膏を副生するタンク
    酸化方式の湿式排煙脱硫装置において、前記吸収塔の側
    壁外面に沿って真空式のベルトフィルタを配設し、前記
    循環ポンプにより吐出されたスラリの一部をこのベルト
    フィルタに導いて脱水することにより石膏を分離回収す
    る構成としてなることを特徴とする湿式排煙脱硫装置。
  2. 【請求項2】 前記スラリの一部をベルトフィルタに導
    く配管の終端部に、スラリ内の石膏分を濃縮するサイク
    ロンを接続し、このサイクロンの下端から流出する濃縮
    スラリが前記ベルトフィルタのスラリ導入部に流下する
    構成としてなることを特徴とする請求項1記載の湿式排
    煙脱硫装置。
  3. 【請求項3】 前記ベルトフィルタの真空引き用のポン
    プを前記空気供給手段の空気源として機能させるように
    してなることを特徴とする請求項1又は2記載の湿式排
    煙脱硫装置。
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