JP4192319B2 - 湿式排煙脱硫方法および湿式排煙脱硫装置 - Google Patents

湿式排煙脱硫方法および湿式排煙脱硫装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、亜硫酸ガスを含む排ガスから当該亜硫酸ガスを分離除去するための湿式排煙脱硫方法およびこれに用いられる湿式排煙脱硫装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、発電用等の各種プラントにおける重油ボイラーや石炭ボイラーあるいは焼結プラントなどから排出される排ガスには、亜硫酸ガス等が含まれており、これらの有害物質を湿式排煙脱硫装置によって除去して無害化したうえで大気中に放出している。
このような湿式の湿式排煙脱硫装置としては、上記排ガスに、炭酸カルシウムや水酸化カルシウム等を主成分とするカルシウム化合物を水に溶解及び/又は懸濁させたスラリー状水溶液(以下、吸収液と略称する。)を気液接触させ、排ガス中の煤塵等を除去するとともに、当該排ガス中の亜硫酸ガスを石膏として固定化して回収するものが多用されている。
【0003】
図3は、従来のこの種の湿式排煙脱硫装置である石灰石−石膏法によるジェットバブリング方式の湿式排煙脱硫装置を示すもので、この湿式排煙脱硫装置は、反応槽1の内部が隔壁2によって排ガスが導入される上部空間3と隔壁2の下部にあって吸収液が貯留される液貯留部4とに画成されている。そして、この反応槽1の上部には、上部空間3に連通する入口ダクト5が接続されている。
隔壁2には多数の孔部が穿設されており、これら各孔部には、下部外壁に穿孔された開口が上記液貯留部4の吸収液内に延出するスパージャーパイプ6が垂設されている。さらに、隔壁2の下方に位置する反応槽1の外壁には、液貯留部4の上方の空間に連通する排ガスの出口ダクト7が接続されており、この出口ダクト7内にはミストエリミネータ8が設置されている。
【0004】
上記液貯留部4内には、吸収液中に酸化用の空気を供給する酸化用空気の導入管10が導かれるとともに、内部の吸収液を攪拌する攪拌機11が設置されている。さらに、液貯留部4内の吸収液は、抜出しライン12から抜き出され循環ポンプ13によって昇圧されて入口ダクト5内に設置されたノズル14に供給されノズル14から排ガスに噴霧される。
【0005】
排ガスは、入口ダクト5内においてノズル14から噴霧される吸収液によって増湿・冷却されるとともに、亜硫酸ガス、煤塵等の有害物質が除去され、その後スパージャーパイプ6内に導かれ、その下部の開口から液貯留部4内の吸収液に噴出された排ガスは、吸収液とジェットバブリング層を形成して激しく気液接触を行い、これによりこの気液接触部で排ガス中の亜硫酸ガス、煤塵等の有害物質が除去され、ミストエリミネータ8によって同伴した吸収液ミストが除去された後、上記出口ダクト7から大気中に放出される。
【0006】
他方、上記吸収液中に吸収された排ガス中の亜硫酸ガスは、吸収液と反応して亜硫酸カルシウムに転化する。この亜硫酸カルシウムは、液貯留部4内において、酸化用空気の供給管10から吹き込まれた空気中の酸素により酸化されて石膏となる。
このようにして生成した石膏を含む石膏スラリーは、抜出しライン15を通して石膏スラリーポンプ16によって抜き出されて石膏脱水機17に送られ、この石膏脱水機17で脱水されることにより固液分離されて粉末石膏18として回収される。脱水後の濾液は、母液タンク20に一旦貯えられ、さらにポンプ21によって昇圧されて、その一部は石灰石スラリータンク22に送られ、ここで石灰石が供給されて所定濃度に調整したうえで上記液貯留部4内における吸収液のpHが所定の値に維持されるように、石灰石スラリーポンプ23によって供給ライン24から適宜液貯留部4に供給し、他は排水処理装置25に送られる。
【0007】
ところで、このような従来の湿式排煙脱硫装置を用いた湿式排煙脱硫方法においては、一般に液貯留部4内のpHとしては、2.5〜5.5に設定されている。この液貯留部4内における吸収液のpHをより高く設定することは、脱硫効率を高く維持することができ、結果として経済的に脱硫装置を運転することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記液貯留部4内における吸収液のpHを高くすることは、中和剤として用いる安価な石灰石が固体状の弱アルカリであるという特性より、吸収液に多量の石灰石が残存した状態となってしまう。この残存した石灰石は、石膏スラリーの不純物として固液分離機へ抜き出されるため、石膏生成物の純度を下げるだけでなく、石灰石利用効率を低くし、結果として運転コストの上昇を来すこととなる。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、経済的で高脱硫率を維持しつつ、抜き出した石膏スラリー中の残存石灰石を少なくし、石灰石利用効率を高く保つことができる湿式排煙脱硫方法、および当該方法に用いられる湿式排煙脱硫装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明に係る湿式排煙脱硫方法は、カルシウムを主成分として含む吸収液を貯留した反応に排ガスを導入し気液接触させるとともに、上記吸収液に酸素を供給することにより、上記排ガス中に含まれる亜硫酸ガスを石膏として固定し、この生成された石膏を含む石膏スラリーを抜き出して固液分離し石膏を分離する湿式排煙脱硫方法において、上記反応槽に、pHが6以上に制御された吸収液を貯留した高pH域と、pHが4〜5に制御された吸収液を貯留した低pH域とを設け、これら高pH域および低pH域に、上記排ガスを導入して気液接触させて脱硫するとともに上記酸素を供給して石膏を生成させ、上記高pH域にて生成された石膏スラリーを上記低pH域へ移動させ、この低pH域から石膏スラリーを抜き出して固液分離することを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記高pH域から抜き出した吸収液と上記排ガスとを接触させるとともに、そこで生成された石膏スラリーを上記低pH域に回収することを特徴とするものである。
【0011】
さらに、請求項3に記載の本発明に係る湿式排煙脱硫装置は、カルシウムを主成分として含む吸収液を貯留した反応に排ガスを導入し気液接触部で気液接触させるとともに、上記吸収液に酸素を供給することにより、上記排ガス中に含まれる亜硫酸ガスを石膏として固定し、この生成された石膏を含む石膏スラリーを抜き出して固液分離し石膏を分離する湿式排煙脱硫装置において、上記排ガスが導入されて上記吸収液と気液接触させる上記反応槽内を、高pHの吸収液を貯留した高pH域とこれよりpHの低い吸収液を貯留した低pH域とに仕切る仕切壁と、この仕切壁によって仕切られた上記高pH域および上記低pH域の上記吸収液に上記酸素を供給する酸化用空気の導入管と、上記高pH域のpHを6以上に制御する制御手段と、上記低pH域のpHを4〜5に制御する制御手段と、上記高pH域で生成された石膏スラリーを上記低pH域へ移動させる移動手段と、上記低pH域から石膏スラリーを固液分離手段へ抜き出す抜出しラインとを備えてなることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、上記高pH域から抜き出した吸収液と上記排ガスとを接触させるノズルを設けるとともに、そこで生成された石膏スラリーを上記低pH域に回収する回収手段を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項1および請求項3に記載の発明においては、高pH域において、主に排ガスが気液接触させられ脱硫される。この高pH域は吸収液のpHの値が高いために高い脱硫率で脱硫される。
この高pH域で生成された石膏スラリーは、吸収液のpHの値が高いために石灰石を多く含んでいる。この石灰石を多く含んだ石膏スラリーは、低pH域に移動される。
この低pH域において、吸収液のpHの値が低いために亜硫酸カルシウムや亜硫酸の酸化が促進し、亜硫酸カルシウムは完全に酸化される。さらに、酸化反応によって生じた水素イオンにより、吸収液の石灰石濃度は最小となり、石灰石の利用率も略100%となる。したがって、低pH域の吸収液中に存在する物質は、最終生成物である石膏がほとんどで、未反応の石灰石や亜硫酸カルシウムなどのその他の物質は極めて少ない。このため、低pH域から抜き取られた石膏スラリーを固液分離して得られる石膏は高純度の良質なものとなる。
【0014】
また、低pH域では、吸収液中に吸収された亜硫酸ガスを酸化することによって生成する硫酸カルシウムが石膏表面に析出し、石膏結晶を粗大化させる。このため、低pH域から抜き取られた石膏スラリーを固液分離して石膏を得るのが容易になる。固液分離の方法としては、例えば、ベルト式真空脱水機などの脱水機を用いたりあるいは重力沈殿池による方法などがある。
【0015】
また、請求項2および請求項4に記載の発明においては、高pH域から抜き出した吸収液と排ガスとが接触し、pHの値が高いため高い脱硫率で脱硫される。ここで生成された石膏スラリーは、吸収液のpHの値が高いために石灰石を多く含んでいる。この石灰石を多く含んだ石膏スラリーは、低pH域に回収され、上述と同様に、低pH域から抜き出され固液分離される。吸収液は、排ガス中の亜硫酸ガスなどとの気液接触によって低pHのものとなって、低pH域に回収される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る湿式排煙脱硫装置を示す概略構成図であり、図2は本発明に係る反応槽を上部空間から見た概略平面図である。なお、これらの図において、図3に示すものと同一構成要素には同一符号を付してその説明を簡略化する。
【0017】
この湿式排煙脱硫装置は、四角型の反応槽31の内部が隔壁2によって排ガスが導入される上部空間3と隔壁2の下部にあって吸収液が貯留される液貯留部4とに画成されている。そして、液貯留部4は、仕切壁32によって、6つの四角の部屋に仕切られており、これらの部屋のうち4つの部屋は、制御装置(制御手段)Cによって、pH検出器M1の検出信号に基づいて流量調節弁M2が調節され、石灰石スラリーを供給する供給ライン33からの石灰石スラリーの供給量が制御されることによって、これらの部屋が所定のpHに維持される高pH域4Aとされている。一方、これらの6つの部屋のうち2つの部屋は、上記制御装置Cによって、pH検出器N1の検出信号に基づいて流量調節弁N2が調節され、石灰石スラリーを供給する供給ライン34からの石灰石スラリーの供給量が制御されることによって、上記高pH域4AよりもpHが低く維持される低pH域4Bとされている。排ガスは、主に上記高pH域4Aに導入され気液接触されて脱硫される。
吸収液のpHの値は、高pH域4Aでは6.0以上、低pH域4Bでは、4.0〜5.0に設定される。
【0018】
各仕切壁32の下部には連通部32Aが設けられており、隣り合った各高pH域4Aおよび各低pH域4Bが互いに連通されている。また、各仕切壁32の上部には連通部32Bが設けられており、隣り合った各高pH域4Aおよび各低pH域4Bが互いに連通されている。
反応槽31の上部には、上部空間3に連通する入口ダクト5が接続されている。2つの低pH域4Bは、入口ダクト5が接続される側に設けられている。
【0019】
隔壁2には、多数のスパージャーパイプ6が垂設されている。さらに、隔壁2の下方に位置する反応槽31の外壁には、入口ダクト5と反対側に位置する高pH域4Aの上方の空間に連通する排ガスの出口ダクト7が接続され、この出口ダクト7内にはミストエリミネータ8が設置されている。
酸化用空気の導入管10は、各高pH域4Aおよび各低pH域4Bに渡って導かれるとともに、各高pH域4Aおよび各低pH域4Bにそれぞれ攪拌機11が設置されている。
【0020】
入口ダクト5内に設置されたノズル14には、高pH域4Aから吸収液が抜出しライン35によって抜き出されポンプ36によって昇圧されて供給ライン37を通して供給される。低pH域4B、4Bの入口ダクト5側には、その上端が隔壁2より上方に突出するとともに下端が低pH域4B、4Bの下部に延びた仕切壁38が設けられており、ノズル14から噴霧された吸収液は、仕切壁38によって仕切られた下降部(回収手段)39から低pH域4B、4B内に落下するようになっている。
【0021】
石膏スラリーは、低pH域4Bから抜出しライン40を通して石膏スラリーポンプ16によって抜き出されて水平ベルト式真空脱水機41の濾布42上における上流側に供給され、この水平ベルト式真空脱水機41で脱水されることにより固液分離されて粉末石膏43として回収される。脱水後の濾液は、母液タンク44に一旦貯えられ、さらにポンプ45によって昇圧されて、その一部は石灰石スラリータンク22に送られ、他は排水処理装置25に送られる。
【0022】
また、上記高pH域4Aから抜出しライン35によって抜き出された吸収液の一部は、供給ライン37から分岐された抜出しライン47を通して水平ベルト式真空脱水機41の濾布42上における下流側に供給され脱水され、脱水後の濾液はタンク48に貯留され、その後ポンプ49によって排水装置25に送られる。このタンク48からの排水には、フッ素含有量が少ないという利点がある。
【0023】
このように構成された湿式排煙脱硫装置を使用した湿式排煙脱硫方法においては、排ガスは、入口ダクト5内においてノズル14から噴霧される吸収液によって増湿・冷却されるとともに、亜硫酸ガス、煤塵等の有害物質が除去され、その後スパージャーパイプ6の下部の開口から、各高pH域4Aおよび各低pH域4B内の吸収液に噴出され、吸収液とジェットバブリング層を形成して激しく気液接触を行い、これによりこの気液接触部で排ガス中の亜硫酸ガス、煤塵等の有害物質が除去され、その後連通部32Bを通って出口ダクト7に導かれ、ミストエリミネータ8によって同伴した吸収液ミストが除去された後、出口ダクト7から大気中に放出される。
【0024】
他方、上記吸収液中に吸収された排ガス中の亜硫酸ガスは、吸収液と反応して亜硫酸カルシウムに転化する。この亜硫酸カルシウムは、各高pH域4Aおよび各低pH域4B内において、酸化用空気の供給管10から吹き込まれた空気中の酸素により酸化されて石膏となる。
このようにして生成した石膏を含む石膏スラリーは、抜出しライン40を通して石膏スラリーポンプ16によって低pH域4Bから抜き出されて、水平ベルト式真空脱水機41により固液分離される。高pH域4Aの石膏スラリーは連通部32Aを通って低pH域4Bに移動する。
【0025】
このような湿式排煙脱硫方法および装置によれば、高pH域4Aにおいて、主に排ガスが気液接触させられ脱硫されるが、高pH域4Aは吸収液のpHの値が高いために高い脱硫率で脱硫される。
高pH域4Aで生成される石膏スラリーは、吸収液のpHの値が高いために石灰石を多く含んでいる、この石灰石を多く含んだ石膏スラリーは、連通部32Aを通って低pH域に移動する。
この低pH域4Bにおいて、吸収液のpHの値が低いために亜硫酸カルシウムや亜硫酸の酸化が促進し、亜硫酸カルシウムは完全に酸化される。さらに、酸化反応によって生じた水素イオンにより、吸収液の石灰石濃度は最小となり、石灰石の利用率も略100%となる。したがって、低pH域4Bの吸収液中に存在する物質は、最終生成物である石膏がほとんどで、未反応の石灰石や亜硫酸カルシウムなどのその他の物質は極めて少ない。このため、低pH域4Bから抜取りライン40によって抜き取られた石膏スラリーを水平ベルト式真空脱水機41により固液分離して得られる石膏43は高純度の良質なものとなる。
【0026】
さらに、低pH域4Bでは、吸収液中に吸収された亜硫酸ガスを酸化することによって生成する硫酸カルシウムが石膏表面に析出し、石膏結晶を粗大化させる。このため、低pH域4Bから抜き取られた石膏スラリーを固液分離して石膏を得るのが容易になる。
以上より、高脱硫率を維持しつつ、抜き出した石膏スラリー中の残存石灰石を少なくし、石灰石利用効率を高く保つこと可能であるとともに、抜き出した石膏スラリーの固液分離性能を向上させることが可能であり、しかも高純度な石膏を得ることが可能となる。
【0027】
また、高pH域4Aから抜出しライン35によって抜き出した吸収液をノズル14から噴霧して排ガスと気液接触させたので、この吸収液のpHの値が高いため高い脱硫率で脱硫される。ここで生成された石膏スラリーは、吸収液のpHの値が高いために石灰石を多く含んでいる。この石灰石を多く含んだ石膏スラリーは、下降部39から低pH域4Bに落下し低pH域4B、4Bに回収され、上述と同様に、低pH域4Bから抜出しライン40によって抜き出され固液分離される。吸収液は、排ガス中の亜硫酸ガスなどとの気液接触によって低pHのものとなって、低pH域4Bに回収される。
【0028】
なお、上記実施の態様では、連通部32Aによって、高pH域4Aで生成される石膏スラリーを低pH域に移動するようにしたが、この連通部32の代わりに、例えばポンプによって高pH域で生成された石膏スラリーを低pH域に移動するようにしても良い。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1または請求項3に記載の本発明に係る湿式排煙脱硫方法および湿式排煙脱硫装置にあっては、反応槽に高pHの吸収液を貯留した高pH域とこれよりpHの低い吸収液を貯留した低pH域とを設け上記高pH域にて生成された石膏スラリーを上記低pH域へ移動させ、この低pH域から石膏スラリーを抜き出して固液分離するようにしたから、高脱硫率を維持しつつ、抜き出した石膏スラリー中の残存石灰石を少なくし、石灰石利用効率を高く保つことできるとともに、抜き出した石膏スラリーの固液分離性能を向上させることができ、しかも高純度な石膏を得ることできるという顕著な効果を奏する。
【0030】
さらに、請求項2または請求項4に記載の発明にあっては、高pH域から抜き出した吸収液と排ガスとを接触させるとともに、そこで生成された石膏スラリーを低pH域に回収するようにしたから、さらに脱硫率を高めることができ、しかも抜き出した石膏スラリー中の残存石灰石を少なく維持することができて石灰石利用効率を高く保つことできるとともに、抜き出した石膏スラリーの固液分離性能を維持することでき、また高純度な石膏を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る湿式排煙脱硫装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る反応槽を上部空間から見た概略平面図である。
【図3】従来の湿式排煙脱硫装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
3 上部空間
4 液貯留部
4A 高pH域
4B 低pH域
5 入口ダクト
10 酸化用空気の導入管
14 ノズル
16 石膏スラリーポンプ
31 反応槽
32A 連通部
33 供給ライン
34 供給ライン
35 抜出しライン
36 ポンプ
37 供給ライン
39 下降部(回収手段)
40 抜出しライン
41 水平ベルト式真空脱水機(固液分離手段)

Claims (4)

  1. カルシウムを主成分として含む吸収液を貯留した反応に排ガスを導入し気液接触させるとともに、上記吸収液に酸素を供給することにより、上記排ガス中に含まれる亜硫酸ガスを石膏として固定し、この生成された石膏を含む石膏スラリーを抜き出して固液分離し石膏を分離する湿式排煙脱硫方法において、
    上記反応槽に、pHが6以上に制御された吸収液を貯留した高pH域と、pHが4〜5に制御された吸収液を貯留した低pH域とを設け、これら高pH域および低pH域に、上記排ガスを導入して気液接触させて脱硫するとともに上記酸素を供給して石膏を生成させ、上記高pH域にて生成された石膏スラリーを上記低pH域へ移動させ、この低pH域から石膏スラリーを抜き出して固液分離することを特徴とする湿式排煙脱硫方法。
  2. 上記高pH域から抜き出した吸収液と上記排ガスとを接触させるとともに、そこで生成された石膏スラリーを上記低pH域に回収することを特徴とする上記請求項1に記載の湿式排煙脱硫方法。
  3. カルシウムを主成分として含む吸収液を貯留した反応に排ガスを導入し気液接触部で気液接触させるとともに、上記吸収液に酸素を供給することにより、上記排ガス中に含まれる亜硫酸ガスを石膏として固定し、この生成された石膏を含む石膏スラリーを抜き出して固液分離し石膏を分離する湿式排煙脱硫装置において、
    上記排ガスが導入されて上記吸収液と気液接触させる上記反応槽内を、高pHの吸収液を貯留した高pH域とこれよりpHの低い吸収液を貯留した低pH域とに仕切る仕切壁と、この仕切壁によって仕切られた上記高pH域および上記低pH域の上記吸収液に上記酸素を供給する酸化用空気の導入管と、上記高pH域のpHを6以上に制御する制御手段と、上記低pH域のpHを4〜5に制御する制御手段と、上記高pH域で生成された石膏スラリーを上記低pH域へ移動させる移動手段と、上記低pH域から石膏スラリーを固液分離手段へ抜き出す抜出しラインとを備えてなることを特徴とする湿式排煙脱硫装置。
  4. 上記高pH域から抜き出した吸収液と上記排ガスとを接触させるノズルを設けるとともに、そこで生成された石膏スラリーを上記低pH域に回収する回収手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載の湿式排煙脱硫装置。
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