JPH0880143A - 魚釣用リールのハンドル折畳み装置 - Google Patents

魚釣用リールのハンドル折畳み装置

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JPH0880143A
JPH0880143A JP6411395A JP6411395A JPH0880143A JP H0880143 A JPH0880143 A JP H0880143A JP 6411395 A JP6411395 A JP 6411395A JP 6411395 A JP6411395 A JP 6411395A JP H0880143 A JPH0880143 A JP H0880143A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ハンドルの巻き取り操作時において、ガタが生
じたり、ハンドルの折畳みが生じることのない、魚釣用
リールのハンドル折畳み装置を提供する。 【構成】ハンドル17は、ハンドルストッパ18を操作
することによって、起立状態から折畳み状態に移動され
る。ハンドルストッパ18には、ハンドルスタンド15
の突出部15aに形成されたテーパ係合部15b及びハ
ンドルストッパの移動を阻止する阻止部15cが当接し
ており、この阻止部15cによって、ハンドル巻き取り
操作中のハンドルストッパ18の移動が阻止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、魚釣用リールのハン
ドル折畳み装置に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】図1は、魚釣用リールの
内、一般的なスピニングリールの全体的な構成を示す図
である。リール本体1には、管軸2によって回転自在に
軸支され、ベール6を具備したロータ5が設けられてい
る。管軸2の内部には、スプール軸4が挿入されてお
り、その先端部には釣糸が巻き付けられるスプール7が
固定されている。管軸2には、ピニオン2aが形成され
ており、このピニオン2aは、メインギヤ12と噛合し
ている。メインギヤ12は、リール本体1に取り付けら
れたハンドル17の軸17aと係合し、ハンドル17を
操作することによって回転される。また、メインギヤ1
2は、図示されていないオシレーティング機構を介して
スプール軸4と連結されており、ハンドル17を操作す
ることによってスプール軸4を前後動させる。このよう
に、ハンドル17を操作することによって、ベール6を
具備したロータ5は回転され、かつスプール7が前後動
されるので、釣糸はスプール7に巻き付けられる。な
お、ハンドル17は、右利き、左利きに応じて、その取
付け位置が変えられるように構成されている。
【0003】ところで、従来、魚釣用リールのハンドル
は、携帯便利なように、非使用時において折畳めるよう
になっており、例えば、特開平1−98435号公報に
は、図1に示すようなスピニングリールに用いられるハ
ンドル折畳み装置が開示されている。
【0004】この公報に開示された折畳み装置よれば、
ハンドル17は、ハンドルスタンド15に軸支されてお
り、これらの部材の間には、スプリングを介してスライ
ド自在でテーパ面を有するハンドルストッパ18が配さ
れている。このハンドルストッパ18のテーパ面は、ハ
ンドルスタンド15に形成されたテーパ面と係合してお
り、ハンドルストッパ18をスプリングの付勢力に抗し
て押し込んで両者のテーパ係合を解除すると、ハンドル
17は、図に示す起立位置から折畳み位置に折畳められ
る。また、ハンドル17を起立位置に戻すと両者のテー
パ部分による楔作用によって、ハンドル17は起立位置
に保持される。
【0005】しかしながら、ハンドル17が起立位置に
ある状態において、ハンドル17を回転して巻き取り操
作を行うと、右利き、左利きの取付け位置によって、ハ
ンドルストッパ18には、折畳み方向の力が直接作用す
る場合が有り得る。すなわちこの力によって、ハンドル
ストッパ18は、スプリングの付勢力に抗して次第に押
し込まれ、テーパ面の逆作用も加わって、次第にガタが
生じるようになる。特に、高負荷で巻き取り操作を行う
と、この問題点が顕著に現れ、最終的に巻き取り操作中
にハンドル17が折畳まれてしまうことも有り得る。
【0006】このような問題を解決するために、実開平
6−13472号公報には、巻き取り操作中にハンドル
ストッパが押し込まれることがないように、ハンドルス
トッパの端部に係合凹部を形成し、折畳み方向の力が作
用したときにハンドルの開口部に係合係止させる構造が
開示されている。
【0007】しかしながら、ハンドルの開口部にハンド
ルストッパの係合凹部が係合係止されるまで、ハンドル
ストッパは動くため、ハンドルの巻き取り操作中にガタ
が生じてしまう。また、係合凹部による引掛け係止構造
であるため、海水、異物等が係合凹部に付着しやすくな
り、これによって確実な係止が行えず、巻き取り操作中
にハンドルが折畳まれてしまうことも有り得る。
【0008】また、上記いずれの公報に開示された技術
においても、ハンドルストッパのテーパ部分及びこれと
係合するハンドルスタンドのテーパ部分は、ハンドル軸
支部分に対してハンドル折畳み側に形成されているた
め、この部分だけの楔作用ではハンドルストッパの作動
量が多くなって両者の嵌合部分が大型化すると共に、各
部材の寸法バラツキにより、ハンドルを起立させたとき
にハンドルの起立状態が安定しない。
【0009】この発明は、ハンドルの巻き取り操作時に
おいて、ガタが生じたり、ハンドルの折畳みが生じるこ
とのない、魚釣用リールのハンドル折畳み装置を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の魚釣用リールのハンドル折畳み装置は、ハ
ンドル軸の端部に形成したハンドルスタンドにハンドル
を使用状態の起立位置と収納状態の折畳み位置に揺動可
能に軸支する軸支部を備え、前記ハンドルスタンドとハ
ンドルとの間に操作部と係合部を形成したハンドルスト
ッパを前記ハンドル軸に略直交する方向に摺動自在に装
着し、前記ハンドルストッパの操作部を突出付勢する方
向に付勢してハンドルを起立保持するものであり、前記
ハンドルスタンドの前記軸支部に対して少なくともハン
ドルの折畳み方向側のハンドル側端部に、前記ハンドル
を起立保持するテーパ係合部と、このテーパ係合部の近
傍に前記ハンドルストッパの移動を阻止する阻止部を形
成したことを特徴としている。
【0011】また、本発明の魚釣用リールのハンドル折
畳み装置は、ハンドル軸の端部に形成したハンドルスタ
ンドにハンドルを使用状態の起立位置と収納状態の折畳
み位置に揺動可能に軸支する軸支部を備え、前記ハンド
ルスタンドとハンドルとの間に操作部と係合部を形成し
たハンドルストッパを前記ハンドル軸に略直交する方向
に摺動自在に嵌合装着し、前記ハンドルストッパの操作
部を突出付勢する方向に付勢してハンドルを起立保持す
るものであり、前記ハンドルスタンドとハンドルとの間
で前記ハンドルストッパが楔係合を果たすように、前記
軸支部に対するハンドルの折畳み方向側と起立方向側の
両方向に楔係合部を夫々形成したことを特徴としてい
る。
【0012】
【作用】魚釣用リールのハンドルは、ハンドルストッパ
を操作することによって、起立状態から折畳み状態に移
動される。この場合、請求項1に記載された発明によれ
ば、ハンドルストッパには、ハンドルスタンドに形成さ
れたテーパ係合部及びハンドルストッパの移動を阻止す
る阻止部が当接している。この阻止部は、楔作用によっ
てハンドルを起立保持するように形成されたテーパ係合
部の近傍に形成されており、ハンドルに高負荷が作用し
たときに、その負荷によってハンドルストッパを移動さ
せないように機能する。
【0013】また、請求項4に記載された発明によれ
ば、ハンドルスタンドとハンドルとの間でハンドルスト
ッパが楔係合を果たすように、ハンドルの軸支部に対し
てハンドルの折畳み方向側と起立方向側の両方向に楔係
合部を夫々形成することによりハンドルを軸支部に対し
て回動させたときの両者の楔係合を安定かつ確実に行わ
せる。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る魚釣用リールのハンドル
折畳み装置の好ましい実施例について説明する。なお、
この実施例のハンドル折畳み装置は、例えば、図1に示
すようなスピニングリールに用いられるものとする。
【0015】図2は、折畳み装置部分を拡大して示した
平面図であり、図3は、図2の折畳み装置をA方向から
見た図である。ハンドルスタンド15は、図示されてい
ないリール本体の右利き用又は左利き用のハンドル取付
部に取付けられ、そのハンドル軸17aは、リール本体
内のメインギヤと係合する。ハンドルスタンド15に
は、突出部15aが形成されており、この突出部15a
には、二股状のハンドル17が挟持された状態で、軸支
部材20によって軸支される。このため、ハンドル17
は、軸支部材を中心に折畳み方向B及び起立方向Cに回
動可能となっている。
【0016】二股状のハンドル17の基端部とハンドル
スタンド15の突出部15aとの間にはハンドルストッ
パ18が配されている。このハンドルストッパ18に
は、後述する突出部15aに形成されているテーパ係合
部及び阻止部と係合する係合面18aと、ハンドル軸1
7aに対して略直交する方向(直交方向も含む)に延出
するスライド作動面18bが形成されており、ハンドル
軸17aに対して略直交する方向に摺動自在となってい
る。また、ハンドルストッパ18には、ハンドル17の
表面から突出する操作部18cが形成されている。
【0017】前記ハンドルスタンド15の突出部15a
には、ハンドルストッパ18の係合面18aと係合する
テーパ状のテーパ係合部15bと、これの近傍、好まし
くはテーパ係合部15bに連続的に形成され、ハンドル
17の巻き取り操作時にハンドルストッパ18の移動を
阻止するための阻止部15cが形成されている。またハ
ンドルストッパ18とハンドル17との間には、付勢手
段、好ましくは付勢ばね25が配されており、図2に示
すように、ハンドルストッパ18を矢印D方向に付勢し
ている。これにより、操作部18cを付勢ばね25の付
勢力に抗して押圧し、ハンドルストッパ18の係合面1
8aと、突出部15aのテーパ係合部15b及び阻止部
15cとの係合関係を解除すると、ハンドル17は矢印
B方向に折畳められ、収納状態となる。また、ハンドル
17を折畳んだ状態から矢印C方向に移動させると、ハ
ンドルストッパ18の係合面18aと、突出部15aの
テーパ係合部15bとの間に生じる楔作用によって、ハ
ンドル17は、図1に示すように、使用状態である起立
位置に保持される。
【0018】前記テーパ係合部15b及び阻止部15c
は、少なくともハンドル17の折畳み側(B方向)の端
部に形成されており、阻止部15cは、ハンドル17の
巻き取り操作中に生じる負荷によって、ハンドルストッ
パ18を押し込まないように構成されている。すなわ
ち、高負荷でハンドル17の巻き取り操作を行うと、ハ
ンドル17には矢印B方向の力が加わり、ハンドルスト
ッパ18をテーパ係合部15bに沿って押し出す力が作
用する。このため、阻止部15cは、このような押し出
し力が作用しないように、例えば以下のように構成され
ている。
【0019】阻止部15cは、テーパ係合部15bの一
端側、すなわちハンドル17の折畳み側において、前述
したハンドルストッパ18のスライド作動面18bと略
平行(平行も含む)となる平行面で形成されている。こ
のような平行面によって、ハンドル17に矢印B方向の
高負荷が加わっても、ハンドルストッパ18の先端部が
阻止部である平行面15cに当て付けられ、ハンドルス
トッパ18は、テーパ係合部15bに沿って押し出され
ることはない。すなわち、ハンドル17に矢印B方向の
高負荷が加わってもハンドルストッパ18は押し出され
ないため、巻き取り操作中にガタが生じたり、ハンドル
17が折畳むようなことはない。また、簡単な構成でハ
ンドルストッパ18の押し出しが阻止される。なお、図
2においては、平行面15c及びこの部分に当接するハ
ンドルストッパ18の先端部が、ハンドル17の表面か
ら突出しているが、ハンドル17の表面と面一に構成さ
れていても差支えない。この平行面15cは、ハンドル
17の巻き取り操作中にハンドルストッパ18が押し出
されない程度に、その幅及びスライド作動面18bに対
する平行度が設定される。
【0020】また、図2に示す実施例では、テーパ係合
部15bの他端側、すなわちハンドル17の起立側にお
いても、テーパ係合部15bと連続的でスライド作動面
18bと略平行(平行も含む)となる阻止部15dが形
成されている。このように、テーパ係合部15bの他端
側にも阻止部15dを形成しておけば、ハンドル17の
巻き取り操作において、ハンドル起立方向の負荷が作用
しても、ハンドルストッパ18の基端側は阻止部15d
に当接してガタの発生が極力抑えられると共にハンドル
ストッパ18の押し出しも防止することができる。すな
わち、ハンドルの折畳み方向側だけでなく、起立方向側
のガタの発生を防止でき、常時安定した巻き取り操作を
行える。
【0021】次に、本発明の別の実施例を図4及び図5
を参照して説明する。図4に示す実施例では、阻止部1
5cは、テーパ係合部15bの近傍に形成されているも
ののテーパ係合部15bと阻止部15cとは、図2に示
すように連続的に形成されていない。このようにテーパ
係合部15bと阻止部15cが連続的に形成されていな
くても、前記実施例と同様な効果が得られる。また、こ
の実施例では、図2に示すようなハンドル起立方向側の
阻止部15dは形成されておらず、矢印Cで示す方向の
負荷が作用した場合、二股状のハンドル17の先端面1
7aがハンドルスタンド15の表面に当接して、全体的
なガタの発生を抑えるように構成している。もちろんこ
の実施例においても、テーパ係合部15bと阻止部15
cは連続的に形成されていても良い。また、図2に示し
た阻止部15d及びテーパ係合部15bを、図5に示す
ように連続的に形成しても、前記実施例と同様な効果が
得られる。
【0022】次に、図6及び図8を参照して、本発明の
変形例を説明する。前述したように、ハンドル17は、
非使用時においてハンドルストッパ18の操作部18c
を付勢ばね25の付勢力に抗して押圧し、図の矢印B方
向に折畳むように構成されている。この場合、折畳み状
態において、ハンドル17が起立位置に移動して携帯が
不便になる等の問題が生じる。従って、この変形例で
は、前述した実施例で得られる効果に加え、さらに、非
使用時において、ハンドル17が保持できる効果が得ら
れるような構成を採用している。
【0023】図6に示すように、ハンドルスタンド15
の突出部15aには、ハンドル17の表面から突出する
突出係止片15eが形成されている。一方、ハンドルス
トッパ18の係合面18aには、凹部18eが形成され
ている。このような構成により、ハンドルストッパ18
の操作部18cを付勢ばね25の付勢力に抗して押圧し
(図8(a)参照)、ハンドル17を折畳んで収納位置
に移動させると(図8(b)参照)、突出係止片15e
によって規定される係止部15fに、凹部18eを形成
したことによって規定される被係止部18fが係止され
(図8(c)参照)、これにより、ハンドル17は、収
納状態としてハンドルスタンド15に係止、保持され、
起立状態に移動するようなことはない。
【0024】もちろん、この変形例においても、前述し
た実施例同様、ハンドル17の巻き取り操作中にハンド
ルが折畳んだり、ガタが生じないように、ハンドルスタ
ンド15の突出部15aに、テーパ係合部15bと連続
して阻止部15c,15dが形成されている。すなわ
ち、図9に示すように、ハンドル17に矢印Bで示すハ
ンドル折畳み方向の負荷が加わった場合、ハンドルスト
ッパ18の先端側は、ハンドルスタンド15の阻止部1
5cに当接するため、ハンドルストッパ18はテーパ係
合部15bに沿って押し出されることはない。従って、
ハンドルの巻き取り操作中にガタが生じたり、ハンドル
17が折畳むようなことはない。また、図10に示すよ
うに、ハンドル17に矢印Cで示すハンドル起立方向の
負荷が加わった場合、ハンドルストッパ18の基端側
は、ハンドルスタンド15の阻止部15dに当接するた
め、ハンドルストッパ18の押し出しが阻止されると共
に、ガタの発生が防止される。
【0025】さらに、この変形例のハンドルスタンド1
5の突出部15aについても、図4及び図5に示した構
成とすることが可能であると共に、図7に示すように変
形することも可能である。図7に示す変形例では、突出
部15aのハンドル起立側にテーパ係合部および阻止部
が形成されていない構成例を示している。この構成によ
れば、矢印Cで示すハンドル起立方向の負荷が作用した
場合、二股状のハンドル17の先端面17aがハンドル
スタンド15の表面に当接して、全体的なガタの発生が
抑えられる。
【0026】以上説明した実施例、変形例では、ハンド
ル17の巻き取り操作中における折畳みを防止し、ガタ
の発生を防止する阻止部は、ハンドルストッパ18のス
ライド作動面に対して略平行となる平行面として形成さ
れていたが、例えば、図11に示すように構成すること
もできる。
【0027】この実施例では、図2に示した阻止部15
c,15dとして、摩擦抵抗が大きい面を突出部15a
及び/又はハンドルストッパ18に形成している。この
摩擦抵抗が大きい面としては、図に示すように、突出部
15aの表面及びハンドルストッパ18の表面にギザギ
ザの面を形成しても良いし、あるいは摩擦係数の比較的
大きい部材を設けても良い。このように、摩擦係数の大
きい面によって阻止部15c,15dを形成すると、ス
ライド作動面に対する平行度を更に緩和することができ
る。もちろん図11に示した実施例においても、前述し
た図4乃至図7で示した実施例、変形例と同様な構成を
用いることができる。
【0028】また、以上説明した実施例、変形例におい
て、図12で示すように、二股状のハンドル17の先端
領域に、二股となった各延出部を接続する補強部17b
を形成しておくことが好ましい。この補強部は、前述し
たすべての実施例において形成されている。このような
補強部を形成することにより、ハンドル17の補強効果
があると共に安定した折畳み操作を行うことができる。
この補強部17bは、ハンドル17の表面と面一となる
よう一体的に形成することが好ましく、これにより、ハ
ンドルストッパ18を指で押圧操作する際、指は補強部
17bとなる一体形成された外周面に接触するようにな
り、違和感が少なくハンドルの折畳み操作を行うことが
できる。
【0029】次に、ハンドルを軸支部材に対して回動さ
せたときに、楔係合を安定かつ確実に行うための構成
を、図13乃至図15を参照して説明する。なお、これ
らの図において、前述した実施例の構成と同一の構成部
材については、同一の参照符号が付してある。
【0030】図13において、Pは、軸支部材20の中
心点を通る直線を示しており、この直線Pを堺にして、
矢印Bがハンドル17の折畳み側、矢印Cがハンドル1
7の起立側を示している。ハンドルストッパ18は、ハ
ンドルスタンド15の突出部15aとハンドル17との
間に、ハンドル軸に略直交する方向に摺動自在に嵌合装
着されている。この場合、ハンドルストッパ18は、軸
支部材20に対するハンドルの折畳み方向側と起立方向
側の両方向で楔係合した状態にある。具体的には、ハン
ドルスタンド15の突出部15aの表面に、直線Pと交
差する連続したテーパ部15bを形成し、この部分にハ
ンドルストッパ18の係合面18aが当接するように構
成されている。また、ハンドルストッパ18の係合面1
8aと対向するスライド作動面18bは、ハンドル17
の内面と接触した状態にある。
【0031】この構成により、軸支部材20に対するハ
ンドル17の折畳み方向側と起立方向側の両方向に楔係
合部M,Nが形成され、ハンドル17の起立保持状態時
のガタ付きを、ハンドルストッパの作動量を少なくし
て、素早く、確実に防止する効果が得られる。また、ハ
ンドルスタンド15、ハンドル17及びハンドルストッ
パ18等の各構成部材の寸法にバラツキが発生して嵌合
部分にクリアランスが生じても、軸支部材20に対して
両方向に形成された楔係合部M,Nがこれを吸収するこ
とができるため、ハンドル17を確実に、ガタ付くこと
なく、起立保持することができる。
【0032】この場合、図13に示すように、ハンドル
ストッパ18の係合面18aに、図6で示したような凹
部18eを形成すると共に、ハンドルスタンド15に突
出係止片15eを形成しておけば、ハンドル17を折り
畳んだ際に、ハンドル17を係止保持することが可能に
なる。また、楔係合部M,Nにおいて、ハンドルストッ
パ18の係合面18a及び/又はハンドルスタンド15
の突出部15aの表面は、連続した同一面によって形成
されていなくても良く、例えば、図14に示すように、
ハンドルスタンド15の突出部15aの表面に段差を形
成しても良い。
【0033】図15は、ハンドルストッパ18の係合面
18a及びハンドルスタンド15の突出部15aの表面
に、段差、凹部等を形成していない構成例を示してい
る。さらに、この変形例においては、ハンドル17の基
端側の二股部分に、図12で示したような補強部17b
を形成していない。このように、本発明は、従来の二股
形状のハンドル17であっても、同様に構成することが
できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ハンドルの巻取操作時においてハンドルの折畳み方向に
高負荷が加わっても、ハンドルストッパは、ハンドルス
トッパのテーパ係合部の近傍に形成された阻止部によっ
て押出し現象が抑えられるので巻取操作時のハンドルの
折畳みが確実に防止できる。また、ハンドルの巻取操作
時およびハンドルの起立保持時におけるガタの発生が確
実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハンドル折畳み装置が用いられる
魚釣用リールの一般的な構成を示す図。
【図2】本発明の第1実施例を示し、折畳み装置部分を
拡大した正面図。
【図3】図2の折畳み装置をA方向から見た図
【図4】本発明の第2実施例を示す図。
【図5】本発明の第3実施例を示す図。
【図6】本発明の変形例を示す図。
【図7】本発明の別の変形例を示す図。
【図8】図6に示す変形例の使用態様を示し、(a)は
ハンドルを折畳む前の状態を示す図、(b)はハンドル
を折畳んでいるときの状態を示す図、そして(c)はハ
ンドルが保持された状態を示す図。
【図9】図6に示す変形例において、巻取操作時にハン
ドル折畳み方向の力が加わった状態を示す図。
【図10】図6に示す変形例において、巻取操作時にハ
ンドル起立方向の力が加わった状態を示す図。
【図11】本発明の第4実施例を示す図。
【図12】本発明のハンドル折畳み装置において、ハン
ドル部分の一構成例を示す図。
【図13】本発明の第5実施例を示す図。
【図14】本発明の第6実施例を示す図。
【図15】本発明の第7実施例を示す図。
【符号の説明】
15…ハンドルスタンド、15b…テーパ係合部、15
c,15d…阻止部、17…ハンドル、17a…ハンド
ル軸、18…ハンドルストッパ、18a…係合面、18
b…スライド作動面、18c…操作部、20…軸支持部
材、25…付勢ばね。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドル軸の端部に形成したハンドルス
    タンドにハンドルを使用状態の起立位置と収納状態の折
    畳み位置に揺動可能に軸支する軸支部を備えており、前
    記ハンドルスタンドとハンドルとの間に操作部と係合部
    を形成したハンドルストッパを前記ハンドル軸に略直交
    する方向に摺動自在に装着し、前記ハンドルストッパの
    操作部を突出付勢する方向に付勢してハンドルを起立保
    持した魚釣用リールのハンドル折畳み装置において、 前記ハンドルスタンドの前記軸支部に対して少なくとも
    ハンドルの折畳み方向側のハンドル側端部に、前記ハン
    ドルを起立保持するテーパ係合部と、このテーパ係合部
    の近傍に前記ハンドルストッパの移動を阻止する阻止部
    を形成したことを特徴とする、魚釣用リールのハンドル
    折畳み装置。
  2. 【請求項2】 前記阻止部とテーパ係合部を、前記ハン
    ドルスタンドの前記軸支部に対してハンドルの折畳み方
    向側と起立方向側の両方向側に夫々形成したことを特徴
    とする、請求項1に記載の魚釣用リールのハンドル折畳
    み装置。
  3. 【請求項3】 前記阻止部を、前記ハンドルストッパの
    ハンドル内のスライド作動面に対して、略平行な平行面
    で形成したことを特徴とする、請求項1又は請求項2に
    記載の魚釣用リールのハンドル折畳み装置。
  4. 【請求項4】 ハンドル軸の端部に形成したハンドルス
    タンドにハンドルを使用状態の起立位置と収納状態の折
    畳み位置に揺動可能に軸支する軸支部を備えており、前
    記ハンドルスタンドとハンドルとの間にハンドルストッ
    パを前記ハンドル軸に略直交する方向に摺動自在に嵌合
    装着し、前記ハンドルストッパの操作部を突出付勢する
    方向に付勢してハンドルを起立保持した魚釣用リールの
    ハンドル折畳み装置において、 前記ハンドルスタンドとハンドルとの間で前記ハンドル
    ストッパが楔係合を果たすように、前記軸支部に対する
    ハンドルの折畳み方向側と起立方向側の両方向に楔係合
    部を夫々形成したことを特徴とする、魚釣用リールのハ
    ンドル折畳み装置。
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