JPH0879073A - 周波数シンセサイザ - Google Patents

周波数シンセサイザ

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JPH0879073A
JPH0879073A JP6215787A JP21578794A JPH0879073A JP H0879073 A JPH0879073 A JP H0879073A JP 6215787 A JP6215787 A JP 6215787A JP 21578794 A JP21578794 A JP 21578794A JP H0879073 A JPH0879073 A JP H0879073A
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JP
Japan
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frequency
phase
voltage
output
signal
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Application number
JP6215787A
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English (en)
Inventor
Kenichi Torii
憲一 鳥居
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 無線チャネル間隔に依存せずに位相比較周波
数を高め、これにより位相同期引込み速度の高速化を図
って、装置の簡単小形化、低消費電力化および低価格化
を可能とする。 【構成】 切替え前の無線チャネルに対応する分周比M
1と切替え後の無線チャネルに対応する分周比M2との
差に相当する期間をプリセッタブル・アップダウン・カ
ウンタ56で検出して、この期間に第2のチャージポン
プ66およびループフィルタ68により急速増加する直
流電圧を生成し、この直流電圧を加算器70で位相同期
回路のループフィルタ69から出力された制御電圧に加
算してVCO51に供給するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位相同期回路を使用し
た周波数シンセサイザに係り、特に同期確立の高速化を
図った周波数シンセサイザに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に移動無線通信機等の通信機器で
は、局部発振回路として位相同期回路を用いた周波数シ
ンセサイザが使用されている。位相同期回路を用いた周
波数シンセサイザは、比較的簡単な回路構成で多数の無
線周波チャネルに応じた局部発振周波数を発生すること
ができるので、特に小形化が要求される携帯無線機など
に好適である。
【0003】ところで、最近この種の周波数シンセサイ
ザでは、局部発振周波数の切替速度のより一層の高速化
が要求されている。すなわち、自動車・携帯電話システ
ムやコードレス電話システム等の移動無線通信システム
では、無線周波チャネル数が100チャネル近くあり、
そのチャネル間隔は無線周波数の有効利用上、狭く設定
されている。そして、使用無線帯域は例えば1〜2GH
zと極めて高周波であるため、分周比は数千と大きな値
をとる。
【0004】この様な状況の中で、例えば送信チャネル
と受信チャネルとに同一の無線周波数を使用したTDD
(Time Division Duplex)システムでは、通信中に送信
用の局部発振周波数と受信用の局部発振周波数とを与え
られた短い時間内に切り替えなければならない。また、
送信チャネル周波数と受信チャネル周波数とが異なるF
DD(Frequency Division Duplex )システムでは、移
動局が受信中に別の無線チャネルの受信電界強度を調べ
る必要があり、この動作のために高速度の周波数切替え
が必要となる。さらに、周波数ホッピングによるスペク
トラム拡散通信方式を採用した無線通信機においても、
周波数ホッピングのためにやはり高速度の局部発振周波
数の切替えが必要となる。
【0005】そこで、従来では位相同期回路のループフ
ィルタの時定数を切替える方式が多く使用されている。
この方式は、基準位相比較周波数のタイミングでプログ
ラマブルカウンタの出力信号を位相比較し、その位相誤
差信号をループフィルタで積分する際に、位相同期の引
込み時には積分周波数を小さく設定して、これにより位
相誤差信号の微小変化を素早く電圧制御発振器(VC
O)に帰還して位相同期を早める。これに対し位相同期
の引込み後には、外乱雑音を抑圧して安定した動作性能
を確保するために、ループフィルタの積分時定数を大き
く設定するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の方
式には次のような解決すべき課題があった。すなわち、
この種の方式において位相同期の引込み速度をより高速
化するには、位相比較周波数を高めて位相誤差信号のサ
ンプリング間隔を短く設定し、これにより単位時間当た
りに得られる同期情報を増加させればよい。しかし、位
相比較周波数は一般に無線チャネル間隔に等しく設定さ
れるため、位相比較周波数を高めることは事実上困難で
ある。このため、位相誤差信号のサンプリング間隔を短
くすることはできず、これにより位相同期に必要な単位
時間当たりの情報量を増大させることはできない。した
がって、位相同期引込み速度のより一層の高速化は困難
だった。
【0007】なお、このような事情から従来では、複数
の周波数シンセサイザを設け、これらの周波数シンセサ
イザによりそれぞれ送信局部発振周波数および受信局部
発振周波数を発生するようにしている。このため、回路
構成の複雑化および大形化をはじめ、消費電力の増加、
装置のコストアップが避けられなかった。
【0008】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、無線チャネル間隔に依存
せずに位相比較周波数を高めることができ、これにより
位相同期引込み速度の高速化を図り、装置の簡単小形
化、低消費電力化および低価格化を可能とする周波数シ
ンセサイザを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、局部発振周波数を発振出力する電圧制
御発振手段と、この電圧制御発振手段から出力された局
部発振周波数を分周して所望の無線チャネル周波数に対
応した分周周波数を出力するためのプログラマブル分周
手段と、基準発振周波数を発生する基準発振手段と、上
記分周周波数と基準発振周波数とを位相比較してその位
相差を表わす信号を出力する位相比較手段と、この位相
比較手段から出力された信号に対応する制御電圧を生成
して上記電圧制御発振手段に供給する制御電圧生成手段
とを備えた位相同期回路に加えて、第2の制御電圧生成
手段としての直流電圧生成手段と、電圧加算手段とを備
えている。そして、直流電圧生成手段により、位相同期
回路による位相引込み期間中に、切替え前の無線チャネ
ルと切替え後の無線チャネルとの差に相当する直流電圧
を生成し、この生成された直流電圧を上記位相同期回路
の制御電圧生成手段で生成された制御電圧に加算して電
圧制御発振手段に供給させるようにしたものである。
【0010】またこの第1の発明は、位相同期回路の制
御電圧生成手段に、帯域可変形のループフィルタと、こ
のループフィルタの帯域を可変制御する帯域制御手段と
を備え、この帯域制御手段により、位相同期回路が位相
引込み期間中であるか否かを判定して、位相引込み期間
中には上記ループフィルタの帯域を所定の第1の帯域に
設定し、位相引込み完了後には上記ループフィルタの帯
域を上記第1の帯域よりも狭帯域の第2の帯域に設定す
るようにしたことも特徴としている。
【0011】一方、上記目的を達成するために第2の発
明は、基準発振器から発生された基準発振周波数に基づ
いて複数の無線チャネル周波数の周波数間隔に対応した
第1の位相比較周波数を生成するための第1の位相比較
周波数発生手段と、電圧制御発振器から出力された局部
発振周波数を分周して、所望の無線チャネル周波数に対
応した第1の分周周波数を出力するための第1のプログ
ラマブル分周手段と、上記第1の位相比較周波数と第1
の分周周波数とを位相比較し、その位相差を表わす信号
を出力するための第1の位相比較手段と、上記基準発振
器から発生された基準発振周波数に基づいて、上記第1
の位相比較周波数の整数倍の周波数を有する第2の位相
比較周波数を発生するための第2の位相比較周波数発生
手段と、上記電圧制御発振器から出力された局部発振周
波数を予め定められた分周比で分周して、上記第2の位
相比較周波数に対応した第2の分周周波数を発生するた
めの第2のプログラマブル分周手段と、上記第2の位相
比較周波数と第2の分周周波数とを位相比較し、その位
相差を表わす信号を出力するための第2の位相比較手段
と、上記第1および第2の各位相比較手段から出力され
た第1および第2の各信号を相互に加算して制御電圧を
生成し、この制御電圧を上記電圧制御発振器に供給する
ための制御電圧生成手段とを備えたものである。
【0012】また第2の発明は、第1および第2のプロ
グラマブル分周手段を、予め定められた3種類の分周比
を時分割で選択的に使用して局部発振周波数を分周し出
力する3モジュラス・プリスケーラと、この3モジュラ
ス・プリスケーラから出力された分周信号を所望の無線
チャネル周波数に応じた分周比に従って分周して出力す
るプログラマブルカウンタとにより構成し、第1の分周
周波数を上記プログラマブルカウンタから出力し、かつ
第2の分周周波数を上記3モジュラス・プリスケーラか
ら出力することを特徴としている。
【0013】さらに第2の発明は、第2の位相比較手段
に、3モジュラス・プリスケーラにおける分周比の切替
タイミングに応じて、第2の位相比較周波数と第2の分
周周波数との位相差を表わす信号をサンプルホールドす
る信号保持手段を設けたことも特徴としている。
【0014】また第2の発明は、位相同期が確立したか
否かを判定するための同期状態判定手段を備え、この同
期状態判定手段の判定結果に応じて、位相同期の引込期
間中には第1の位相比較手段から出力された第1の位相
差信号と第2の位相比較手段から出力された第2の位相
差信号とを相互に加算してこの加算された位相差信号を
制御電圧として電圧制御発振器に供給し、位相同期確立
後には第1の位相比較手段から出力された第1の位相差
信号を制御電圧として電圧制御発振器に供給することを
特徴としている。
【0015】さらに第2の発明は、制御電圧生成手段に
時定数切替手段を設け、この時定数切替手段により、位
相同期の引込期間中にはループフィルタに所定の第1の
時定数を設定し、位相同期確立後にはループフィルタに
この第1の時定数よりも大きい第2の時定数を設定する
ようにしたことを特徴としている。
【0016】
【作用】この結果第1の発明によれば、位相同期回路と
は別に設けられた直流電圧生成手段において、位相同期
回路による位相引込み期間中に、切替え前の無線チャネ
ルと切替え後の無線チャネルとの差に相当する直流電圧
が生成され、この生成された直流電圧が上記位相同期回
路で生成された制御電圧に加算されて電圧制御発振手段
に供給される。
【0017】このため、位相同期回路は上記直流電圧の
分だけ高速度に位相引込み動作が行なわれることにな
り、これにより前記第1の発明と同様、1個の周波数シ
ンセサイザにより送信局部発振信号と受信局部発振信号
とを高速度に切替えて発生することができ、これにより
送信局部発振用および受信局部発振用にそれぞれ周波数
シンセサイザを設ける必要がなくなる。このため、通信
装置の回路構成の複雑大形化をはじめ、消費電力の増
加、コストアップを抑えることができる。また、発振周
波数の切替速度の高速化により、スペクトラム拡散通信
システムにおいて例えば周波数ホッピングを行なう場合
にも1個の周波数シンセサイザで対応でき、これにより
通信装置の簡単小形化、低コスト化、さらには低消費電
力化およびそれに伴う連続使用時間の延長等の種々効果
が期待できる。
【0018】一方第2の発明によれば、基準発振周波数
を分周することにより、無線チャネル間隔に対応する第
1の位相比較周波数の整数倍の第2の位相比較周波数が
生成され、かつ電圧制御発振器から発振出力された局部
発振周波数を分周することにより、所望の無線チャネル
周波数に対応した第1の分周周波数が生成されるととも
に、上記第2の位相比較周波数に対応した第2の分周周
波数が生成され、この第2の分周周波数と上記第2の位
相比較周波数との位相差信号が、上記第1の分周周波数
と第1の位相比較周波数との位相差信号に加算されて制
御電圧が生成され、この制御電圧により電圧制御発振器
の発振周波数が制御される。
【0019】
【実施例】
(第1の実施例)本実施例は第1の発明に係わるもの
で、図1はその周波数シンセサイザの構成を示す回路ブ
ロック図である。
【0020】同図において、電圧制御発振器(VCO)
51から出力された局部発振周波数は、2モジュラス・
プリスケーラ52でP分周または(P+1)分周された
のちプログラマブル・カウンタ53に入力され、ここで
さらにm分周されて位相比較器64に入力される。プロ
グラマブル・カウンタ53の分周比mは、ROM54か
ら読み出されてセットされる。すなわち、位相引込み開
始時に、制御回路CONT)50の指示に従って切替え
先の無線チャネルに応じた分周比がROM54から読み
出され、この分周比がレジスタ(REG)55に保持さ
れたのちプログラマブル・カウンタ53にセットされ
る。
【0021】一方、水晶発振器を使用した基準発振器6
1から発生された基準周波信号は、固定カウンタ62で
2 (n2 =正整数)分周されたのち固定カウンタ63
でさらにn1 (n1 =正整数)分周され、位相比較周波
数として位相比較器64に入力される。位相比較器64
では、上記プログラマブル・カウンタ53から入力され
た分周信号と、上記固定カウンタ63から入力された位
相比較周波数との位相比較動作が行なわれ、その位相差
信号はチャージポンプ(C.P1)を経たのちループフ
ィルタ(SW−LF1)に入力される。このループフィ
ルタ65は時定数切替形ループフィルタからなり、上記
チャージポンプ65の出力信号に応じて直流電圧を生成
し、この直流電圧を後述する加算器70を介して制御電
圧としてVCO51に供給する。以上の各回路により位
相同期回路が構成される。
【0022】ところで、本実施例の周波数シンセサイザ
は、上記位相同期回路に加えて、高速位相引込み用の直
流電圧を生成する直流電圧生成回路と、この直流電圧生
成回路により生成された直流電圧を上記位相同期回路の
制御電圧に加算する加算器70と、上記位相同期回路の
位相ロック状態を判定するロック判定回路(LOCK)
67とを備えている。
【0023】このうち先ず直流電圧生成回路は、レジス
タ55と、プリセッタブル・アップダウン・カウンタ5
6と、一致検出回路57と、チャージポンプ(C.P
2)66と、時定数切替形ループフィルタ(SW−LF
2)68とを備えている。レジスタ55は、ROM54
から読み出された無線チャネル番号に対応する分周比
を、ROM54から次に新たな分周比が読み出されるま
で保持する。
【0024】プリセッタブル・アップダウン・カウンタ
56は、上記レジスタ55からプリセットされた分周比
に応じて順逆の双方向にカウント動作できる可逆カウン
タであり、制御回路50から出力されるアップ/ダウン
指示信号に応じて上記固定カウンタ62の出力パルスを
上記分周比に相当する数だけアップ/ダウンカウントす
る。そして、このカウント動作中に“H”レベルとなり
その他の期間には“L”レベルとなる信号を出力する。
【0025】一致検出回路57は、上記プリセッタブル
・アップダウン・カウンタ56のカウント値をレジスタ
55から供給された分周数と比較し、両値が一致した時
点で一致信号を制御回路50に供給する。制御回路50
は、この一致信号が供給された時点で上記プリセッタブ
ル・アップダウン・カウンタ56のカウント動作を停止
させる。
【0026】チャージポンプ66は、上記プリセッタブ
ル・アップダウン・カウンタ56から“H”レベルの信
号が出力されている期間に位相進み信号を時定数切替形
ループフィルタ68に供給する。ループフィルタ68
は、上記チャージポンプ66から供給された信号に応じ
て直流電圧を生成し、加算器70に出力する。
【0027】ロック判定回路67は、位相比較器64に
入力される位相比較周波数と分周周波数との状態から位
相同期回路がロック状態になったか否かを判定し、その
判定信号を上記各時定数切替形ループフィルタ68,6
9に通知する。
【0028】図3は、これらのループフィルタ68,6
9の構成の一例を示したもので、並列接続された2個の
時定数回路(R1 ・C1 ),(R2 ・C2 )をトランジ
スタ(FET)Trにより選択的に導通させる構成とな
っている。上記各時定数回路は、C1 の値がC2 の値に
比べて十分に小さく設定されている。
【0029】したがって、上記ロック判定回路67から
“L”レベルの判定信号が出力されている期間、つまり
位相同期回路がまだロック状態に至っていない期間に
は、トランジスタTrがオフとなって時定数回路(R1
・C1 )の時定数により決定される広帯域モードとな
る。これに対し、ロック判定回路67から“H”レベル
の判定信号が出力されている期間、つまりロック完了後
には、トランジスタTrがオンとなって時定数回路(R
2 ・C2 )の時定数により略決定される狭帯域モードと
なる。
【0030】次に、以上のように構成された周波数シン
セサイザの動作を図2の信号波形図を用いて説明する。
いま、位相同期回路は位相同期が確立された状態、つま
りロック状態になっているものとする。この場合、VC
O51の発振周波数は例えば無線チャネルCH1に対応
する周波数になっている。この発振周波数は、2モジュ
ラス・プリスケーラ52で分周されたのち、プログラマ
ブル・カウンタ53において上記無線チャネルCH1に
対応する分周比M1で分周される。この分周出力周波数
は、基準発振器61の基準発振周波数を固定カウンタ6
2,63でそれぞれn2 およびn1分周した位相比較周
波数と略同一の周波数となる。したがって、位相比較器
64からは一定の進みまたは遅れの位相差信号がチャー
ジポンプ65に与えられ、これによりループフィルタ6
9からは上記無線チャネルCH1に対応する制御電圧V
1が発生される。
【0031】また、このときレジスタ55には上記分周
比M1が保持され、かつプリセッタブル・アップダウン
・カウンタ56のカウント値は上記分周比M1と同一値
となっている。このため一致検出回路57からは一致信
号が出力され、これによりプリセッタブル・アップダウ
ン・カウンタ56はカウント動作を停止している。した
がって、プリセッタブル・アップダウン・カウンタ56
からは“L”レベルの信号が出力され、これによりチャ
ージポンプ66における進みおよび遅れの両入力信号と
も零となって、ループフィルタ68の出力信号も零の状
態となる。
【0032】したがって、この状態で加算器70から
は、上記ループフィルタ69から出力された制御電圧V
1がそのまま出力されてVCO51に供給されることに
なり、この結果VCO51はこの制御電圧V1に応じた
周波数を発振出力する。
【0033】さて、この状態で図2に示す時刻t0 にお
いて、制御回路50に対し無線チャネルをCH1からC
H2に切替えるための要求が入力されたとする。そうす
ると制御回路50は、先ずROM54から上記無線チャ
ネルCH2に対応する分周比M2(M2>M1)を表わ
すデータを読み出してレジスタ55に転送し保持させ
る。
【0034】そうすると、プログラマブル・カウンタ5
3には、上記レジスタ55から分周比M2がプリセット
される。したがって、VCO51から出力された発振周
波数は、2モジュラス・プリスケーラ52で分周された
のち、以後上記プログラマブル・カウンタ53において
M2分周されて位相比較器64に入力される。このた
め、以後位相比較器64からは、上記M2分周された分
周周波数と位相比較周波数との位相差信号が出力され、
これを受けてチャージポンプ65からは位相進み信号が
出力される。したがって、ループフィルタ69から出力
される制御電圧は図2(b)のt0 −t1 区間に示すご
とくV1から徐々に増加し始め、これに伴いVCO51
の発振周波数も徐々に変化する。
【0035】ところで、VCO51の発振周波数を従来
のようにループフィルタ69から出力された制御電圧の
みにより制御したとすると、制御電圧の変化速度は位相
比較周波数により決まってしまうため、制御電圧は例え
ば図2(a)に示すごとく最終電圧V2に達するまで徐
々に変化することになり非常に遅くなる。しかし、本実
施例の周波数シンセサイザでは、上記ループフィルタ6
9から出力された制御電圧に、切替え前と切替え後の分
周比M1,M2の差に相当する直流電圧が生成されて加
算されるため、VCO51の発振周波数を高速度に変化
させることが可能である。
【0036】すなわち、時刻t0 においてROM54か
らレジスタ55へ新無線チャネルCH2の分周比データ
M2が転送されると、それに先立ちレジスタ55にそれ
まで保持されていた前無線チャネルCH1の分周比デー
タM1が、プリセッタブル・アップダウン・カウンタ5
6に転送されてプリセットされる。いま、CH1<CH
2とし、かつM1<M2であるとすると、制御回路50
はプリセッタブル・アップダウン・カウンタ56に対し
カウント・アップ信号およびカウント・イネーブル信号
を出力する。このため、プリセッタブル・アップダウン
・カウンタ56では、M1からM2に向けて固定カウン
タ62のクロック信号のアップカウントが開始される。
そして、時刻t2 においてカウント値がM2に達する
と、このカウント値はレジスタ55に保持されているM
2の値と同一になるので、一致検出回路57から制御回
路50へ一致信号が通知される。このため、制御回路5
0はカウント・イネーブル信号の出力を停止し、これに
よりプリセッタブル・アップダウン・カウンタ56はカ
ウント動作を停止する。
【0037】プリセッタブル・アップダウン・カウンタ
56は、上記カウント動作中、つまりt0 −t2 区間に
おいて図2に示すごとく“H”レベルの信号を出力す
る。このため、チャージポンプ66からは上記t0 −t
2 区間に継続して位相進み信号が出力され、これにより
ループフィルタ68からは図2に示すごとく急速に増加
する直流電圧が発生する。そして、この直流電圧は、加
算器70においてループフィルタ69から出力された制
御電圧に加算されて、VCO51に供給される。したが
って、VCO51の発振周波数は、上記加算器70から
の急速に増加する制御電圧に応じて急速に変化すること
になり、これにより高速度の位相引込みが可能となる。
【0038】また、上記位相引込み動作中において位相
同期回路はアンロック状態であるため、ロック判定回路
67からは“L”レベルの判定信号が出力されている。
このため、ループフィルタ68,69はともに広帯域モ
ードに設定される。したがって、ループフィルタ68,
69では急速積分動作が行なわれ、これにより急速変化
する制御電圧であっても応答性良く出力される。
【0039】なお、以上の位相引込み動作により、例え
ば位相同期回路が時刻t1 において無線チャネルCH2
にロックしたとする。そうすると、ロック判定回路67
の判定信号は図2に示すごとく“L”レベルから“H”
レベルになり、これによりループフィルタ68,69は
ともに狭帯域モードに切替わる。
【0040】しかし、このロック状態になっても、プリ
セッタブル・アップダウン・カウンタ56は必ずしもカ
ウント値がM2に達しているとは限らず、カウントアッ
プ動作を続けている場合がある。この場合、プリセッタ
ブル・アップダウン・カウンタ56の出力信号は図2に
示すように依然として“H”レベルとなっている。この
ため、位相同期回路がロック状態になったにも拘らず、
チャージポンプ66からは依然として位相進み信号が出
力され、これによりループフィルタ68の出力電圧は増
加し続ける。
【0041】しかし、位相比較器64からは位相を遅ら
せるような位相誤差信号が出力され、これによりチャー
ジポンプ65からは位相遅れ信号が出力される。このた
め、ループフィルタ69は減少する方向の直流電圧を発
生し、この結果加算器70から出力される制御電圧は無
線チャネルCH2に対応する一定の直流電圧V2に保た
れる。
【0042】すなわち、時刻t1 になるとループフィル
タ68は狭帯域モードになるため、ループフィルタ68
の出力電圧は図2に示すごとく緩やかに増加する。そし
て時刻t2 でカウンタ56のカウント動作が終了して出
力パルスが“L”レベルになると、以後緩やかに放電し
て時刻t4 で零に復帰する。また、このときループフィ
ルタ69の出力電圧は、時刻t1 で位相同期回路がロッ
ク状態になると時刻t2 まで緩やかに減少し、時刻t2
からt4 までは緩やかに増加する。すなわち、ルーフフ
ィルタ69の出力電圧は、加算器70の出力電圧が図2
に示すようにV2で一定になるように、加算器70の出
力電圧からループフィルタ68の出力電圧を差し引いた
値となる。そして、ルーフフィルタ69の出力電圧は、
時刻t4以降では図2に示すように新たな無線チャネル
CH2に対応した制御電圧値V2で一定となる。
【0043】なお、以上の説明では、無線チャネルCH
1からそれよりも周波数の高い無線チャネルCH2に切
り替える場合を例にとり、プリセッタブル・アップダウ
ン・カウンタ56はカウントアップ動作したが、無線チ
ャネルCH1からそれよりも周波数の低い無線チャネル
CH3に切り替える場合には、プリセッタブル・アップ
ダウン・カウンタ56はカウントダウン動作する。
【0044】この様に本実施例では、切替え前の無線チ
ャネルに対応する分周比M1と切替え後の無線チャネル
に対応する分周比M2との差に相当する期間をプリセッ
タブル・アップダウン・カウンタ56で検出して、この
期間に第2のチャージポンプ66およびループフィルタ
68により急速増加する直流電圧を生成し、この直流電
圧を加算器70で位相同期回路のループフィルタ69か
ら出力された制御電圧に加算してVCO51に供給する
ようにしている。
【0045】したがって、無線チャネルの切替え時にV
CO51の制御電圧を急速に変化させることができ、こ
れにより高速度の位相引込みを行なうことができる。ま
た本実施例では、位相同期回路のロック状態をロック判
定回路67で判定し、まだロック状態に至っていない期
間にはループフィルタ68,69を広帯域モードに設定
し、ロックが完了するとループフィルタ68,69を狭
帯域モードに切替えるようにしている。このため、ロッ
クに至らない位相引込み期間中には、急速変化する制御
電圧を無理なく発生することができ、一方ロック完了後
には外来雑音などの影響を排除して、安定な制御電圧を
発生することができる。
【0046】なお、以上の説明では、プリセッタブル・
アップダウン・カウンタ56のカウント用クロック信号
として固定カウンタ22の分周出力信号を使用したが、
プリセッタブル・アップダウン・カウンタ56のカウン
ト速度をさらに遅くしたい場合には固定カウンタ23の
分周出力信号をしてもよく、さらには別の固定分周器を
設けて、この固定分周器の分周出力信号を使用するよう
にしてもよい。
【0047】(第2の実施例)図4は、本実施例に係わ
る周波数シンセサイザの構成を示す回路ブロック図であ
る。なお、同図において前記図1と同一部分には同一符
号を付して詳しい説明は省略する。
【0048】プリセッタブル・アップダウン・カウンタ
56の出力信号はアンドゲート73に入力され、このア
ンドゲート73においてロック判定回路67の判定信号
をインバータ72で論理反転した反転判定信号と論理積
処理される。そして、このアンドゲート73の出力信号
はオアゲート71に入力され、このオアゲート71にお
いて位相比較器64からの位相誤差信号と論理和されて
チャージポンプ74に入力される。このチャージポンプ
74は、上記論理ゲート73の論理和出力と、制御回路
50から出力された方向性を示すアップまたはダウンの
制御信号とに基づいて、位相進み信号あるいは位相遅れ
信号を発生し、この信号を時定数切替形ループフィルタ
75に供給する。このループフィルタ75は、上記チャ
ージポンプ74から供給された信号を基に制御電圧を生
成して、この制御電圧をVCO51に供給する。
【0049】このような構成であるから、図5に示す時
刻t0 で無線チャネルCH1から周波数がそれよりも高
い無線チャネルCH2への切替え動作が開始されると、
プリセッタブル・アップダウン・カウンタ56からは、
そのカウント値がM1からM2にカウントアップされる
までの期間に“H”レベルの信号が出力され、かつロッ
ク判定回路67からはアンロック状態の期間中に“L”
レベルの判定信号が出力される。このため、アンドゲー
ト73からは上記ロック判定回路67からの判定信号の
L”レベル期間に対応して“H”レベルの信号が出力さ
れる。この“H”レベルのゲート出力信号は、オアゲー
ト71により位相比較器64から出力された位相誤差信
号と合成されてチャージポンプ74に入力される。すな
わち、位相同期回路がロックするまでの期間t0 −t1
に、チャージポンプ74には、位相比較器64から如何
なるサンプリング周期の位相誤差信号が出力されようと
も、アンドゲート73から出力されたH”レベルの連続
信号が供給されることになる。
【0050】このため、この非ロック期間t0 −t1
おいてループフィルタ75から出力される制御電圧は図
5に示すごとく急速に増加し、これによりVCO51の
発振周波数も急速に無線チャネルCH2に対応する周波
数に近付く。すなわち、位相比較周波数のサンプリング
周波数に依存せずに、高速度の位相引込み動作が行なわ
れることになる。
【0051】このように本実施例であれば、高速度の無
線チャネル切替えが可能となる。しかも図1の回路では
2個必要だったチャージポンプおよび時定数切替形ルー
プフィルタをそれぞれ1個に減らすことができ、さらに
制御電圧の加算器70も不要にすることができる。した
がって、その分回路構成を簡単小形化することができ
る。
【0052】(第3の実施例)先ず第2の発明の原理を
説明する。周波数シンセサイザの電圧制御発振器(VC
O)の発振周波数fVCO は、位相比較周波数fREF とカ
ウンタの分周比Nとの間に次の関係を有している。 fVCO =NfREF …(1) この第(1) 式から明らかなように、分周比Nが大きくな
るとVCOの発振周波数fVCO が高くなるため、分周比
Nのすべての値で高速度に動作させることは難しくな
る。このため、通常ではVCOとプログラマブル・カウ
ンタとの間にプリスケーラ(分周比P)設けている。し
かし、プリスケーラを設けると、位相比較周波数も1/
Pにする必要がある。これは、上記(1) 式において両辺
をPで割り算することに相当する。しかるに、この様に
構成すると位相比較周波数が1/Pに低下して好ましく
ない。
【0053】そこで、パルス・スワロ方式と称し、プリ
スケーラを2モジュラス・プリスケーラ(1/P,1/
(P+1))により構成してプリスケールする方式が考
えられている。これを数式で表わすと次のようになる。 N=MP+A=P(M−A)+(P+1)A …(2) 但し、M,Aはチャネル分周比に対応して変化する分周
比であり、それぞれ、 1≦A≦P,M≧A としている。
【0054】本発明では、上記分周比Mを固定分周器M
O および可変分周部MV に分割する。すなわち、M=M
O +MV とする。そして、この関係を上記第(2) 式に代
入する。そうすると、第(2) 式は、 N=(P−1)MO +P(MV −MO −A)+(P+1)(MO +A) …(3) となる。但し、 MV ≧MO +A、1≦A<P である。そして、この第(3) 式を上記第(1) 式に代入す
ると次式が得られる。 fVCO =(P−1)MOREF +P(MV −MO −A)fREF +(P+1)(MO +A)fREF …(4) この第(4) 式において、右辺第2項および第3項は、チ
ャネル切替えで変化するが、第1項は不変である。した
がって、2モジュラス・プリスケーラに代わって3モジ
ュラス・プリスケーラを使用すると、プリスケーラ1/
(P−1)の出力からは、ある一定の限られた時間だけ
OREF の一定周波数を得ることができる。
【0055】一方、位相同期する基準周波数の発生源に
は水晶発振器が用いられ、その高安定な発振周波数fx
を分周することにより位相比較周波数が生成される。こ
れを数式で表わすと次式のようになる。 fx=nfREF …(5) ここで、nとしてはn=n1 ・n2 なる整数を考える。
そうすると、上記第(5)式は次式のようになる。 fx=n1 ・n2REF …(5) ′ いま、n1 =MO になるように値を選択すると、上式は fx/n2 =n1REF =MOREF …(5) ″ となる。これによって、通常のMO 倍の高速位相比較周
波数で位相同期を引き込むことが可能となる。
【0056】次に、以上の原理に基づいて第2の発明に
係わる第3の実施例を説明する。図6は、本実施例に係
わる周波数シンセサイザの構成を示す回路ブロック図で
ある。
【0057】同図において、電圧制御発振器(VCO)
11から発振出力された局部発振周波数は、3モジュラ
ス・プリスケーラ12に入力される。この3モジュラス
・プリスケーラ12は、(P−1)、P、(P+1)の
3種類の分周数を有し、制御回路10から出力される2
ビットの分周比選択信号AS,BS,CSによりこれら
の分周数のうちの一つが択一的に設定される。
【0058】この3モジュラス・プリスケーラ12から
出力された分周出力信号DSは、アンドゲート13,1
4に入力される。これらのアンドゲート13,14は、
制御回路10から出力されるゲート信号に従って、位相
引込み初期期間にアンドゲート13が開成し、一方この
初期期間経過後にはアンドゲート13は閉成し代わりに
アンドゲート14が開成する。これらのゲート13,1
4のうちゲート13を通過した分周出力信号FSは、第
1のプログラマブル・カウンタ15に入力される。この
第1のプログラマブル・カウンタ15には制御回路10
からカウント値MO がセットされ、この第1のプログラ
マブル・カウンタ15は上記ゲート13を介して供給さ
れた分周出力信号FSのパルスをMO 個カウントすると
カウント出力信号を制御回路10に供給する。
【0059】これに対し上記ゲート14を通過した分周
出力信号DSは、第2のプログラマブル・カウンタ16
および第3のプログラマブル・カウンタ17にそれぞれ
入力される。第2のプログラマブル・カウンタ16には
制御回路10からカウント値(MO +A)がセットさ
れ、この第2のプログラマブル・カウンタ16は上記分
周出力信号DSのパルスを(MO +A)個カウントする
と、制御回路10へカウント出力信号を供給する。第3
のプログラマブル・カウンタ17には制御回路10から
カウント値MV がセットされ、この第3のプログラマブ
ル・カウンタ17は上記分周出力信号DSのパルスをM
V 個カウントするとカウント出力信号ESを制御回路1
0に供給する。
【0060】なお、上記各カウント値MO ,(MO
A),MV のうちMO およびPは制御回路10に予め記
憶されており、残りのMV およびAは制御回路10にお
いて演算により求められる。すなわち、制御回路10
は、入力端子INに入力された無線チャネル番号に応じ
てその無線チャネル周波数に対応する分周比Nを先ず算
出し、この算出した分周比Nと上記MO およびPとから
V およびAを算出する。この算出には、先に述べた第
(3) 式が使用される。
【0061】一方、水晶発振器からなる基準発振器21
から出力された基準発振信号は、固定カウンタ22でn
2 分周され、さらに固定カウンタ23でn1 分周された
のち第1の位相比較器24に入力される。この第1の位
相比較器24では、上記各固定カウンタ22,23から
出力された位相比較信号と、前記第3のプログラマブル
・カウンタ17から出力されたカウント出力信号ESと
の位相比較が行なわれる。この第1の位相比較器24か
ら出力された第1の位相誤差信号は、第1のループ・フ
ィルタ25で平滑されて制御電圧となったのち、加算器
26に供給される。
【0062】また、上記固定カウンタ22から出力され
た位相比較信号は、第2の位相比較器27に入力され
る。この第2の位相比較器27では、上記固定カウンタ
22から出力された位相比較信号と、前記アンドゲート
13を通過した分周出力信号DSとの位相比較が行なわ
れ、その位相誤差信号はサンプルホールド回路(S/
H)28に入力される。このサンプルホールド回路28
は、制御回路10から出力される制御信号に従って、前
記3モジュラス・プリスケーラ12において分周数(P
−1)が設定されている期間にサンプルモードとなり、
一方3モジュラス・プリスケーラ12で分周数Pおよび
(P+1)が設定されている期間にはホールドモードと
なる。このサンプルホールド回路28から出力された第
2の位相誤差信号は、第2のループフィルタ29で平滑
されたのち加算器26に供給される。加算器26では、
先に述べた第1のループフィルタ25から出力された制
御電圧に、上記第2のループフィルタ29から出力され
た制御電圧が加算され、その加算後の制御電圧がVCO
11に供給される。
【0063】次に、以上のように構成された周波数シン
セサイザの動作を図7を用いて説明する。いま入力端子
INに無線チャネル番号が入力されたとする。そうする
と制御回路10では、先ず上記無線チャネル番号に対応
する分周比Nが算出され、さらにこの分周比Nと予め記
憶してあるMO ,Pとから第(3) 式を用いてカウント値
V およびAが算出される。
【0064】この算出が終了すると制御回路10は、第
1のプログラマブル・カウンタ15および第2のプログ
ラマブル・カウンタ16にカウント値MO をそれぞれ初
期セットするとともに、第3のプログラマブル・カウン
タ17にはカウント値MV をセットする。また、制御回
路10は、3モジュラス・プリスケーラ12に対し分周
比選択信号ASを供給し、これにより3モジュラス・プ
リスケーラ12に分周比(P−1)を初期設定するとと
もに、ゲート信号を出力してアンドゲート13を開成さ
せアンドゲート14を閉成させる。
【0065】この初期状態において、VCO11の発振
周波数fVCO は3モジュラス・プリスケーラ12で(P
−1)分周された後、アンドゲート13を通して第1の
プログラマブル・カウンタ15に入力され、ここでカウ
ントされる。そして、そのカウント値がMO に達すると
その旨がカウント出力信号によって制御回路10に通知
される。
【0066】この通知を受けると制御回路10は、3モ
ジュラス・プリスケーラ12に対し分周比選択信号BS
を供給し、これにより3モジュラス・プリスケーラ12
に分周比Pを設定するとともに、ゲート信号を出力して
アンドゲート13を閉成させ、代わりにアンドゲート1
4を開成させる。このため、VCO11の発振周波数f
VCO は、3モジュラス・プリスケーラ12においてP分
周されたのち、今度はアンドゲート14を通過して第2
および第3のプログラマブル・カウンタ16,17に入
力され、ここでそれぞれカウントされる。そして、第2
のプログラマブル・カウンタ16のカウント値がMO
達すると、そのカウント出力信号がトリガとなって制御
回路10から第2のプログラマブル・カウンタ16にカ
ウント値Aがセットされ、第2のプログラマブル・カウ
ンタ16では上記分周信号DSのカウントが続けられ
る。そして、カウント値がAになると、その旨が制御回
路10にカウント出力信号によって通知される。この時
点で第2および第3のプログラマブル・カウンタ16,
17は、MO +Aをそれぞれカウントしたことになる。
【0067】この通知を受けると制御回路10は、次に
3モジュラス・プリスケーラ12に対し分周比選択信号
CSを供給し、これにより3モジュラス・プリスケーラ
12に分周比(P+1)を設定する。このため、VCO
11の発振周波数fVCO は、3モジュラス・プリスケー
ラ12において(P+1)分周されたのち、アンドゲー
ト14を通過して第3のプログラマブル・カウンタ17
に入力され、ここでカウントされる。そして、第3のプ
ログラマブル・カウンタ17のカウント値がMV に達す
ると、つまりMV −MO −Aだけさらにカウントされる
と、第3のプログラマブル・カウンタ17からカウント
出力信号ESが出力されて、この信号ESは制御回路1
0に伝えられる。
【0068】制御回路10は、このカウント出力信号E
Sの発生を確認すると、3モジュラス・プリスケーラ1
2に分周比選択信号ASを供給して分周比(P−1)を
再設定するとともに、ゲート信号を出力してアンドゲー
ト13を開成させてアンドゲート14は閉成させ、さら
に第1、第2および第3の各プログラマブル・カウンタ
15,16,17にそれぞれカウント値MO ,MO ,M
V を再セットする。すなわち初期状態に戻す。以後、以
上のカウント動作が繰り返し行なわれ、これにより第3
のプログラマブル・カウンタ17の出力信号ESの周波
数は次第にfREF に近付く。
【0069】一方、この繰り返しカウント動作中に第1
の位相比較器24では、固定カウンタ22,23により
それぞれn1 ,n2 分周された基準発振信号、つまり位
相比較周波数と、上記第3のプログラマブル・カウンタ
17の出力信号ESとの位相誤差が検出され、その位相
誤差信号が第1のループフィルタ25で平滑されて制御
電圧としてVCO11に供給される。したがって、VC
O11の発振周波数fVCO は上記MO ,A,MV および
REF により規定される周波数に近付く。
【0070】ところで、もし仮にVCO11の発振周波
数fVCO が、上記第1のループフィルタ25から出力さ
れた制御電圧のみによって可変するのであれば、その位
相引込み速度は第3のプログラマブル・カウンタ17の
出力信号ESの周期によって規定されてしまう。しか
し、本実施例の回路ではさらに高速度に位相を引込むこ
とが可能である。
【0071】すなわち、位相引込み動作中において、3
モジュラス・プリスケーラ12で分周比(P−1)によ
る分周動作が行なわれている期間には、この3モジュラ
ス・プリスケーラ12の分周出力信号FS(周波数=f
VCO /(P−1)=MOREF )がアンドゲート13を
介して第2の位相比較器27に入力され、ここで基準発
振周波数をn2 分周した周波数(fx/n2 =n1
REF )との位相誤差が検出される。またこのときサンプ
ルホールド回路28はサンプルモードに設定され、かつ
第2のループフィルタ29の帯域は第1のループフィル
タ25の帯域よりも約MO 倍広帯域に設定されている。
【0072】このため、上記第2の位相比較器27から
出力された位相誤差信号は、上記サンプルホールド回路
28でサンプリングされたのち、第2のループフィルタ
29で平滑されて加算器26に供給される。そして、こ
の加算器26において、上記第1のループフィルタ25
から出力された制御電圧に加算され、この加算後の制御
電圧がVCO11に供給されてその発振周波数fVCO
可変制御される。したがって、VCO11の発振周波数
VCO は、上記3モジュラス・プリスケーラ12の分周
出力信号FSの周波数(MOREF )に応じたサンプリ
ング速度で位相引込みが行なわれることになり、この結
果MO 倍の速度でVCO11の発振周波数fVCO の位相
を引込むことが可能となる。
【0073】なお、3モジュラス・プリスケーラ12で
分周比Pおよび(P+1)による分周動作が行なわれて
いる期間には、アンドゲート13からは分周出力信号F
Sが出力されない。しかし、サンプルホールド回路28
はホールドモードになっているため、VCO11には引
き続き第2のループフィルタ29から出力された電圧が
加算された制御電圧が印加される。
【0074】この様に本実施例の周波数シンセサイザで
は、VCO11の発振周波数fVCOを3モジュラス・プ
リスケーラ12により(P−1)分周することにより一
定期間に限りMOREF の一定周波数の分周出力信号F
Sを出力し、かつ基準発振器21の基準発振周波数を固
定カウンタ22でn2 分周することによりMOREF
等価な位相比較周波数を生成し、これらの分周出力信号
FSと位相比較周波数との位相誤差を第2の位相比較器
27で検出して、その位相誤差に相当する直流電圧を第
2のループフィルタ29により発生し、この電圧を第1
のループフィルタ25から出力される通常の制御電圧に
加算してVCO11に印加するようにしている。
【0075】したがって本実施例であれば、通常のMO
倍の高速位相比較周波数により位相同期の引込み動作を
行なうことができ、これにより高速度の位相引込みを行
なうことが可能となる。したがって、1個の周波数シン
セサイザにより送信局部発振信号と受信局部発振信号と
を高速度に切替えて発生することができ、これにより送
信局部発振信号用および受信局部発振用にそれぞれ周波
数シンセサイザを設ける必要がなくなる。このため、通
信装置の回路構成の複雑大形化をはじめ、消費電力の増
加、コストアップを抑えることができる。この効果は、
小形軽量化および低消費電力化が最重要課題となってい
る携帯電話機やコードレス電話機などの移動通信機器に
あっては、極めて有用である。
【0076】(第4の実施例)図8は本実施例に係わる
周波数シンセサイザの構成を示す回路ブロック図、図9
はその動作説明に用いる信号波形図である。なお、これ
らの図8および図9において前記図6および図7と同一
部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0077】3モジュラス・プリスケーラ12で分周比
(P−1)による分周動作が行なわれている期間に、ア
ンドゲート13から出力された分周出力信号は遅延回路
31で所定量の遅延を与えられたのち、アンドゲート3
2を介してオアゲート34に入力される。このオアゲー
ト34では、上記分周出力信号と第3のプログラマブル
・カウンタ17から出力されたカウント出力信号ESと
が合成される。なお、遅延回路31は、上記アンドゲー
ト13の分周出力信号を第3のプログラマブル・カウン
タ17の出力信号ESとオアゲート34で合成する際
に、両信号の位相が不一致にならないようにするための
もので、その遅延量はアンドゲート15および第3のプ
ログラマブル・カウンタ17による信号遅延量の合計値
に設定されている。
【0078】一方、基準発振器21から発生された基準
発振信号は、固定カウンタ22においてn2 分周された
のち、アンドゲート33を介してオアゲート35に入力
される。このオアゲート35では、上記n2 分周された
基準発振信号と、この基準発振信号を固定カウンタ23
によりさらにn1 分周した位相比較信号とが合成され
る。
【0079】これらのオアゲート34,35から出力さ
れた合成信号は、位相比較器36に入力されてここで相
互に位相比較され、その位相誤差信号は時定数切替形ル
ープフィルタ37に入力される。この時定数切替形ルー
プフィルタ37は、制御回路100から出力される切替
制御信号SSに応じて、異なる2種類の時定数を切替え
る機能を有するもので、この時定数切替形ループフィル
タ37から出力された制御電圧がVCO11に供給され
る。
【0080】図10は、上記時定数切替形ループフィル
タ37の回路構成の一例を示したものである。このルー
プフィルタ37は、抵抗R1 とコンデンサC1 とからな
る第1の時定数回路と、抵抗R2 とコンデンサC2 とか
らなる第2の時定数回路とを有し、これらの時定数回路
は入力端と出力端との間に互いに並列に接続されてい
る。上記各時定数回路の時定数τ1 (=R11 ),τ
2 (R22 )は、 τ1 >τ2 となるように設定されている。また、上記各時定数回路
のうち第1の時定数回路にはFETからなる半導体スイ
ッチTrが接続されており、この半導体スイッチTrは
制御回路100から出力される切替制御信号SSにより
オン/オフ動作するようになっている。
【0081】この様な構成であるから、先ず3モジュラ
ス・プリスケーラ12が(P−1)分周を行なっている
期間では、アンドゲート13から出力された分周出力信
号が、アンドゲート14および第3のプログラマブル・
カウンタ17における処理遅延を吸収するために遅延回
路31で一定量遅延されたのち、ゲート32を通過して
オアゲート34で第3のプログラマブル・カウンタ17
の出力信号ESと合成される。そして、この合成後の信
号は位相比較器36に入力される。図9GSはこの合成
分周出力信号の波形を示すものである。
【0082】一方、基準発振器21から発生された基準
発振信号を固定カウンタ22でn2分周した位相比較信
号は、アンドゲート33を通過してオアゲート35で固
定カウンタ23から出力された位相比較信号と合成され
たのち、上記位相比較器36に入力される。このため、
位相比較器36からは上記合成された分周出力信号GS
と上記合成された位相比較信号との位相差に相当する誤
差信号が出力され、この誤差信号は時定数切替形ループ
フィルタ37で平滑されたのちVCO11に制御電圧と
して供給される。
【0083】ここで、時定数切替形ループフィルタ37
は、3モジュラス・プリスケーラ12が(P−1)分周
を行なっている期間には、半導体スイッチTrがオフ状
態に設定されるため広帯域動作するようになっている。
このため、上記位相比較器36から出力された誤差信号
は、そのサンプリング周波数が高い場合でもその成分を
無視することなく時定数切替形ループ・フィルタ37に
おいて忠実に平滑される。したがって、VCO11の発
振周波数fVCO は上記高いサンプリング周波数に応じて
位相が引き込まれる。
【0084】これに対し、3モジュラス・プリスケーラ
12がP分周あるいは(P+1)分周を行なっている期
間では、時定数切替形ループフィルタ37は半導体スイ
ッチTrがオン状態に設定されるため狭帯域動作する。
しかし、このとき位相比較器36からは、カウンタの出
力信号ESに応じた低いサンプリング周波数の誤差信号
が出力されるので、ループフィルタ37では上記サンプ
リング周波数に応じた適切な平滑動作が行なわれる。
【0085】なお、ゲート32,33は、制御回路10
0から出力するゲート制御信号を“H”レベルに固定す
ることにより常時開成状態に設定してもよいが、非同期
の期間に“H”レベルとなり、位相同期が確立された状
態では“L”レベルとなるゲート制御信号を制御回路1
00から発生し、これによりゲート32,33を開閉制
御するようにしてもよい。
【0086】このように本実施例であれば、図6の構成
では2個必要だった位相比較器24,27を1個に、つ
まり位相比較器36のみにすることができ、さらにはル
ープフィルタについても2個から1個に減らすことがで
きるので、これによって回路構成を簡単にすることがで
きる。
【0087】(第5の実施例)図11は本実施例に係わ
る周波数シンセサイザの構成を示す回路ブロック図であ
り、また図12はその動作説明に使用する信号波形図で
ある。なお、これらの図11および図12において前記
図8および図9と同一部分には同一符号を付して詳しい
説明は省略する。
【0088】オアゲート34から出力された合成分周出
力信号は、帯域通過フィルタ(BPF)41に入力され
る。この帯域通過フィルタ41は、MOREF を中心周
波数としてその近傍の周波数を通過させるフィルタであ
る。この帯域通過フィルタ41を通過した正弦波信号は
波形整形用ゲート42に入力される。この波形整形用ゲ
ート42は、上記帯域通過フィルタ41を通過した正弦
波信号を矩形波に波形整形するものであり、この矩形波
は位相比較器36に入力されて、オアゲート35から出
力された合成位相比較信号と位相比較される。そして、
この位相比較器36から出力された位相誤差信号は、ル
ープフィルタ43で制御電圧に変換されてVCO11に
供給される。
【0089】このような構成であるから、3モジュラス
・プリスケーラ12が(P−1)分周を行なっている期
間において、オアゲート34から出力された合成分周出
力信号GSは、帯域通過フィルタ41を通過することに
より、図12に示すごとくMOREF に対応する周期を
持つ正弦波信号HSに変換される。この正弦波信号HS
は、帯域通過フィルタ41が持つ選択度Qの値にもよる
が、合成分周出力信号GSの存在しない区間においても
図12に示すごとく徐々に減衰するものの一応連続波と
なる。そして、この正弦波信号HSは波形整形用ゲート
42で波形整形されて矩形連続波となり、位相比較器3
6による合成位相比較信号との位相比較に供される。こ
こで、合成位相比較信号も図示していないが矩形連続波
である。このため、位相比較器36からは見掛上全区間
に渡って高いサンプリング周波数の位相誤差信号が出力
され、これによりVCO11の発振周波数は高速度に引
き込まれる。
【0090】このように本実施例であれば、帯域通過フ
ィルタ41および波形整形用ゲート42を使用すること
により、分周出力信号GSをアナログ的に積分したのち
波形整形することができ、これにより図6に示したサン
プルホールド回路28と同様の作用を呈することができ
る。
【0091】(第6の実施例)本実施例は、分周比とし
て(P−1)/2,P,(P+1)/2を有する3モジ
ュラス・プリスケーラを使用した回路の一例を示すもの
である。
【0092】すなわち、先に述べた第(3) 式は次のよう
に書き替えることができる。 N=MO P+{(P−1)/2}(MV −A) +{(P+1)/2}(MV +A) …(6) これより、VCO11の発振周波数fVCO は、系が位相
同期すると次のようになる。 fVCO =MO PfREF +{(P−1)/2}(MV −A)fREF +{(P+1)/2}(MV +A)fREF …(7) 但し、 MV ≧A、P=奇数 とする。
【0093】これら第(6) 式および第(7) 式に基づいて
周波数シンセサイザを構成すると次のようになる。図1
3はその構成を示す回路ブロック図である。なお、同図
において前記図6と同一部分には同一符号を付して詳し
い説明は省略する。
【0094】VCO11の出力側には、分周比として
(P−1)/2,P,(P+1)/2を有する3モジュ
ラス・プリスケーラ120が配設してある。また、プロ
グラマブル・カウンタ群には、カウント値としてAまた
はMV が設定されるプログラマブル・カウンタ16′が
設けてある。
【0095】次に、以上の回路の動作を説明する。上記
第(6) 式は次のように変形して表わすことができる。 N=MO P+{(P+1)/2}A+{(P−1)/2}(MV −A) +{(P+1)/2}MV …(6) ′ 位相同期を引込むに際し制御回路10′は、先ず3モジ
ュラス・プリスケーラ120に対し分周比選択信号AS
を出力して分周比Pを設定し、かつアンドゲート13を
開成させるとともにアンドゲート14を閉成させる。ま
た、各プログラマブル・カウンタ15,16′,17に
はそれぞれカウント値MO ,A,MV をセットする。そ
うすると、VCO11の発振出力信号fVCO は、3モジ
ュラス・プリスケーラ120においてP分周されたの
ち、アンドゲート13を介して第1のプログラマブル・
カウンタ15に入力され、ここで入力パルス数のカウン
トが行なわれる。
【0096】そして、そのカウント値がMO に達する
と、制御回路10′は次に3モジュラス・プリスケーラ
120に対し分周比選択信号BSを出力して分周比を
(P+1)/2に切替え、かつアンドゲート13を閉成
するとともに代わってアンドゲート14を開成させる。
なお、このときPの値は先に述べたように奇数に設定さ
れているため、(P−1)/2あるいは(P+1)/2
の値が小数点を含む数になることはない。そうすると、
VCO11の発振周波数はfVCO は、3モジュラス・プ
リスケーラ12において(P+1)/2分周されたの
ち、今度はアンドゲート14を通過して第2および第3
のプログラマブル・カウンタ16′,17に入力され、
ここでそれぞれカウントされる。
【0097】そして、第2のプログラマブル・カウンタ
16′のカウント値がAに達すると、制御回路10′は
続いて3モジュラス・プリスケーラ120に対し分周比
選択信号CSを出力して分周比を(P−1)/2に切替
える。このため、VCO11の発振周波数はfVCO は、
以後この3モジュラス・プリスケーラ120において
(P−1)/2分周されたのち、アンドゲート14を介
して第3のプログラマブル・カウンタ17に入力され、
このカウンタ17で引続きカウントされる。
【0098】そして、第3のプログラマブル・カウンタ
17のカウント値がMV に達すると、つまり上記第2の
プログラマブル・カウンタ16′でカウント済みのAか
らMV までの(MV −A)がカウントされると、第3の
プログラマブル・カウンタ17からパルスESが出力さ
れて、この出力パルスESは位相比較器24に入力され
るとともに、制御回路10′に通知される。
【0099】上記出力パルスESによる通知を受けると
制御回路10′は、3モジュラス・プリスケーラ120
に対し分周比選択信号BSを出力して分周比を再び(P
+1)/2にセットするとともに、第2のプログラマブ
ル・カウンタ16′に今度はカウント値MV をセットす
る。このため、VCO11の発振周波数はfVCO は、3
モジュラス・プリスケーラ12において(P+1)/2
分周されたのち、アンドゲート14を通過して第2のプ
ログラマブル・カウンタ16′に入力され、ここでカウ
ントされる。
【0100】そして、第2のプログラマブル・カウンタ
16′のカウント値がMV に達すると、制御回路10′
は3モジュラス・プリスケーラ120の分周比をはじ
め、アンドゲート13,14の状態、および各プログラ
マブル・カウンタ15,16′,17のカウント値をそ
れぞれ初期状態に戻し、以後上記した一連の動作を繰り
返し行なわせる。
【0101】このように本実施例であれば、VCO11
の発振周波数fVCO を3モジュラス・プリスケーラ12
0によりP分周することにより一定期間に限りMO
REF の一定周波数の分周出力信号を出力し、かつ基準発
振器21の基準発振周波数を固定カウンタ22でn2
周することによりMOREF と等価な位相比較周波数を
生成し、これらの分周出力信号と位相比較周波数との位
相誤差を第2の位相比較器27で検出して、その位相誤
差に相当する直流電圧を第2のループフィルタ29によ
り発生し、この電圧を第1のループフィルタ25から出
力される通常の制御電圧に加算してVCO11に印加す
るようにしている。
【0102】したがって本実施例であれば、前記第3の
実施例と同様に通常のMO 倍の高速位相周波数により位
相同期の引込み動作を行なうことができ、これにより高
速度の位相引込みを行なうことが可能となる。したがっ
て、1個の周波数シンセサイザにより送信局部発振信号
と受信局部発振信号とを高速度に切替えて発生すること
ができ、これにより送信局部発振信号用および受信局部
発振用にそれぞれ周波数シンセサイザを設ける必要がな
くなる。このため、通信装置の回路構成の複雑大形化を
はじめ、消費電力の増加、コストアップを抑えることが
できる。
【0103】(第7の実施例)本実施例は、第6の実施
例で述べた分周比として(P−1)/2,P,(P+
1)/2を有する3モジュラス・プリスケーラ120
と、カウント値としてAまたはMV が設定される第2の
プログラマブル・カウンタ16′とを用いて、第2の実
施例の位相同期ループを構成したものである。
【0104】図14は、その構成を示す回路ブロック図
である。なお、同図において前記図8および図13と同
一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。V
CO11の出力側には、分周比として(P−1)/2,
P,(P+1)/2を有する3モジュラス・プリスケー
ラ120が配設してあり、またプログラマブル・カウン
タ群には、カウント値としてAまたはMV が設定される
プログラマブル・カウンタ16′が設けてある。
【0105】制御回路100′は、位相同期を引込む際
に、3モジュラス・プリスケーラ120、アンドゲート
13,14および各プログラマブル・カウンタ15,1
6′,17に対しては上記第6の実施例で述べた制御回
路10′と同様の制御を行ない、かつ時定数切替形ルー
プフィルタ37およびゲート32,33に対しては、前
記第4の実施例で述べた制御回路100と同様の制御を
実行する。
【0106】したがって本実施例であれば、分周比とし
て(P−1)/2,P,(P+1)/2を有する3モジ
ュラス・プリスケーラ120を使用して高速度の位相引
込みを行なうことができ、しかも位相比較器およびルー
プフィルタをそれぞれ1個に減らして、これにより回路
構成の簡単小形化を図ることができる。
【0107】(第8の実施例)本実施例は、第6の実施
例で述べた、分周比として(P−1)/2,P,(P+
1)/2を有する3モジュラス・プリスケーラ120
と、カウント値としてAまたはMV が設定される第2の
プログラマブル・カウンタ16′とを用いて、第5の実
施例の位相同期ループを構成したものである。図15は
その構成を示す回路ブロック図である。なお、同図にお
いて前記図11および図13と同一部分には同一符号を
付し、ここではその説明を省略する。
【0108】この実施例においても、分周比として(P
−1)/2,P,(P+1)/2を有する3モジュラス
・プリスケーラ120を使用して高速度の位相引込みを
行なうことができ、しかも前記第3の実施例と同様に帯
域通過フィルタ41および波形整形用ゲート42を使用
することにより、分周出力信号GSをアナログ的に積分
したのち波形整形することができ、これにより図6に示
したサンプルホールド回路28と同様の作用を呈するこ
とができる。
【0109】なお、本発明は上記各実施例に限定される
ものではなく、プログラマブル・カウンタや制御電圧生
成手段の構成、位相比較周波数の生成手段の構成、制御
回路による制御手順などについても、本発明の要旨を逸
脱しない範囲で種々に変形して実施できる。
【0110】
【発明の効果】以上詳述したように第1の発明では、位
相同期回路に加えて、第2の制御電圧生成手段としての
直流電圧生成手段と、電圧加算手段とを備え、直流電圧
生成手段により、位相同期回路による位相引込み期間中
に、切替え前の無線チャネルと切替え後の無線チャネル
との差に相当する直流電圧を生成し、この生成された直
流電圧を上記位相同期回路の制御電圧生成手段で生成さ
れた制御電圧に加算して電圧制御発振手段に供給させる
ように構成している。
【0111】また第2の発明では、基準発振周波数を分
周することにより、無線チャネル間隔に対応する第1の
位相比較周波数の整数倍の第2の位相比較周波数を生成
し、かつ電圧制御発振器から発振出力された局部発振周
波数を分周することにより、所望の無線チャネル周波数
に対応した第1の分周周波数を生成するとともに、上記
第2の位相比較周波数に対応した第2の分周周波数を生
成し、この第2の分周周波数と上記第2の位相比較周波
数との位相差信号を、上記第1の分周周波数と第1の位
相比較周波数との位相差信号に加算して制御電圧を生成
し、この制御電圧により電圧制御発振器の発振周波数を
制御するように構成している。
【0112】したがって、これらの発明によれば、無線
チャネル間隔に依存せずに位相比較周波数を高めること
ができ、これにより位相同期引込み速度の高速化を図
り、装置の簡単小形化、低消費電力化および低価格化を
可能とする周波数シンセサイザを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係わる周波数シンセサ
イザの構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示した周波数シンセサイザの動作説明に
使用する信号波形図。
【図3】図1に示した周波数シンセサイザ中の時定数切
替形ループフィルタの構成の一例を示す図。
【図4】本発明の第2の実施例に係わる周波数シンセサ
イザの構成を示す回路ブロック図。
【図5】図1に示した周波数シンセサイザの動作説明に
使用する信号波形図。
【図6】本発明の第3の実施例に係わる周波数シンセサ
イザの構成を示す回路ブロック図。
【図7】図6に示した周波数シンセサイザの動作説明に
使用する信号波形図。
【図8】本発明の第4の実施例に係わる周波数シンセサ
イザの構成を示す回路ブロック図。
【図9】図8に示した周波数シンセサイザの動作説明に
使用する信号波形図。
【図10】図8に示した周波数シンセサイザ中の時定数
切替形ループフィルタの構成の一例を示す図。
【図11】本発明の第5の実施例に係わる周波数シンセ
サイザの構成を示す回路ブロック図。
【図12】図11に示した周波数シンセサイザの動作説
明に使用する信号波形図。
【図13】本発明の第6の実施例に係わる周波数シンセ
サイザの構成を示す回路ブロック図。
【図14】本発明の第7の実施例に係わる周波数シンセ
サイザの構成を示す回路ブロック図。
【図15】本発明の第8の実施例に係わる周波数シンセ
サイザの構成を示す回路ブロック図。
【符号の説明】
10,10′,50,100,100′…制御回路(C
ONT) 11,51…電圧制御発振器(VCO) 12,120…3モジュラス・プリスケーラ 13,14,32,33,73…アンドゲート 15,16,16′,17,53…プログラマブル・カ
ウンタ 21,61…基準発振器 22,23,62,63…固定カウンタ 24,27,36,64…位相比較器 25,29,43…ループフィルタ 26,70…加算器 28…サンプルホールド回路 31…遅延回路 34,35,71…オアゲート 37,68,69,75…時定数切替形ループフィルタ 41…帯域通過フィルタ 42…波形整形用ゲート 52…2モジュラス・プリスケーラ 54…ROM 55…レジスタ 56…プリセッタブル・アップダウン・カウンタ 57…一致検出回路 65,66,74…チャージポンプ 67…ロック判定回路 72…インバータ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の無線チャネル周波数に対応した局
    部発振周波数を択一的に発生する周波数シンセサイザに
    おいて、 前記局部発振周波数を発振出力する電圧制御発振手段
    と、この電圧制御発振手段から出力された局部発振周波
    数を分周して所望の無線チャネル周波数に対応した分周
    周波数を出力するためのプログラマブル分周手段と、基
    準発振周波数を発生する基準発振手段と、前記分周周波
    数と基準発振周波数とを位相比較してその位相差を表わ
    す信号を出力する位相比較手段と、この位相比較手段か
    ら出力された信号に対応する制御電圧を生成して前記電
    圧制御発振手段に供給する制御電圧生成手段とを備えた
    位相同期回路と、 この位相同期回路による位相引込み期間中に、切替え前
    の無線チャネルと切替え後の無線チャネルとの差に相当
    する直流電圧を生成するための直流電圧生成手段と、 この直流電圧生成手段により生成された直流電圧を、前
    記位相同期回路の制御電圧生成手段により生成された制
    御電圧に加算して前記電圧制御発振手段に供給させるた
    めの電圧加算手段とを具備したことを特徴とする周波数
    シンセサイザ。
  2. 【請求項2】 制御電圧生成手段は、帯域可変形のルー
    プフィルタと、位相同期回路が位相引込み期間中である
    か否かを判定して、位相引込み期間中には前記ループフ
    ィルタの帯域を所定の第1の帯域に設定し、位相引込み
    完了後には前記ループフィルタの帯域を前記第1の帯域
    よりも狭帯域の第2の帯域に設定する帯域制御手段を備
    えたことを特徴とする請求項1に記載の周波数シンセサ
    イザ。
  3. 【請求項3】 複数の無線チャネル周波数に対応した局
    部発振周波数を択一的に発生する周波数シンセサイザに
    おいて、 前記局部発振周波数を出力する電圧制御発振器と、 基準発振器から発生された基準発振周波数に基づいて前
    記複数の無線チャネル周波数の周波数間隔に対応した第
    1の位相比較周波数を生成するための第1の位相比較周
    波数発生手段と、 前記電圧制御発振器から出力された局部発振周波数を分
    周して、所望の無線チャネル周波数に対応した第1の分
    周周波数を出力するための第1のプログラマブル分周手
    段と、 前記第1の位相比較周波数と第1の分周周波数とを位相
    比較し、その位相差を表わす信号を出力するための第1
    の位相比較手段と、 前記基準発振器から発生された基準発振周波数に基づい
    て、前記第1の位相比較周波数の整数倍の周波数を有す
    る第2の位相比較周波数を発生するための第2の位相比
    較周波数発生手段と、 前記電圧制御発振器から出力された局部発振周波数を予
    め定められた分周比で分周して、前記第2の位相比較周
    波数に対応した第2の分周周波数を発生するための第2
    のプログラマブル分周手段と、 前記第2の位相比較周波数と第2の分周周波数とを位相
    比較し、その位相差を表わす信号を出力するための第2
    の位相比較手段と、 前記第1および第2の各位相比較手段から出力された第
    1および第2の各信号を相互に加算して制御電圧を生成
    し、この制御電圧を前記電圧制御発振器に供給するため
    の制御電圧生成手段とを具備したことを特徴とする周波
    数シンセサイザ。
  4. 【請求項4】 第1および第2のプログラマブル分周手
    段は、予め定められた3種類の分周比を時分割で選択的
    に使用して局部発振周波数を分周し出力する3モジュラ
    ス・プリスケーラと、この3モジュラス・プリスケーラ
    から出力された分周信号を所望の無線チャネル周波数に
    応じた分周比に従って分周して出力するプログラマブル
    カウンタとを備え、第1の分周周波数を上記プログラマ
    ブルカウンタから出力し、かつ第2の分周周波数を上記
    3モジュラス・プリスケーラから出力することを特徴と
    する請求項3に記載の周波数シンセサイザ。
  5. 【請求項5】 第2の位相比較手段は、3モジュラス・
    プリスケーラにおける分周比の切替タイミングに応じ
    て、第2の位相比較周波数と第2の分周周波数との位相
    差を表わす信号をサンプルホールドする信号保持手段を
    備えたことを特徴とする請求項4に記載の周波数シンセ
    サイザ。
  6. 【請求項6】 位相同期が確立したか否かを判定するた
    めの同期状態判定手段を備え、この同期状態判定手段の
    判定結果に応じて、位相同期の引込期間中には第1の位
    相比較手段から出力された第1の位相差信号と第2の位
    相比較手段から出力された第2の位相差信号とを相互に
    加算してこの加算された位相差信号を制御電圧として電
    圧制御発振器に供給し、位相同期確立後には第1の位相
    比較手段から出力された第1の位相差信号を制御電圧と
    して電圧制御発振器に供給することを特徴とする請求項
    3に記載の周波数シンセサイザ。
  7. 【請求項7】 制御電圧生成手段は、位相同期の引込期
    間中には所定の第1の時定数をループフィルタに設定
    し、位相同期確立後にはこの第1の時定数よりも大きい
    第2の時定数をループフィルタに設定する時定数切替手
    段を備えていることを特徴とする請求項3に記載の周波
    数シンセサイザ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100964857B1 (ko) * 2007-02-20 2010-06-21 후지쯔 세미컨덕터 가부시키가이샤 분수 분주 pll 장치 및 그 제어 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100964857B1 (ko) * 2007-02-20 2010-06-21 후지쯔 세미컨덕터 가부시키가이샤 분수 분주 pll 장치 및 그 제어 방법

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