JPH0878711A - 薄膜太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

薄膜太陽電池およびその製造方法

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JPH0878711A
JPH0878711A JP6212716A JP21271694A JPH0878711A JP H0878711 A JPH0878711 A JP H0878711A JP 6212716 A JP6212716 A JP 6212716A JP 21271694 A JP21271694 A JP 21271694A JP H0878711 A JPH0878711 A JP H0878711A
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thin film
silicon
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carbon
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JP6212716A
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Yoshihiko Takeda
喜彦 竹田
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Original Assignee
Sharp Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/546Polycrystalline silicon PV cells

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 SiC層にドーピングを行うことにより直列
抵抗を低減し、カーボン基板上にSiC層を形成するこ
とにより基板からの不純物拡散を低減し、また、ヘテロ
接合構造によるキャリアの閉じ込めを行うことにより薄
膜太陽電池の特性を向上する。 【構成】 カーボン基板12とその上に形成したシリコ
ン層を、SiCのドーパントとなるガスを含む雰囲気ガ
ス中で、反応させてドープトSiC層13を形成する。
その上に多結晶シリコン層を形成して帯域溶解法により
多結晶シリコンの粒径拡大を行うことにより高品質化し
て、ドープトSiC層13と同じ導電型の多結晶シリコ
ン層14を形成する。これらを用いて薄膜太陽電池18
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜太陽電池およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、帯域溶融法による多結晶シリコン
層の作製法としては、例えば(IEEE Electron Device L
etter Vol.ELD-2,No.10,1981 p241)のE.W.May氏等の論
文に開示されている方法などがある。これによれば、単
結晶シリコン基板上にSiO2膜を形成し、その上に多
結晶シリコン(または非晶質シリコン)を低圧CVD
(LP−CVD)またはプラズマCVD(P−CVD)
の気相反応で堆積し、さらにその上にSiO2およびS
34などのキャップ層を形成する。このとき、基板下
部からカーボンヒーターなどで1200℃前後の温度に
加熱し、幅数ミリの線状ヒーターで多結晶シリコン薄膜
の上部からシリコンの溶融温度(1420℃)以上に加
熱し、基板の端部から順次移動させて再結晶化を行う。
【0003】また、薄膜太陽電池の作製法としては、例
えば(PVSC−7(1993)p103)のS.Ar
imoto氏の論文にあるように、単結晶シリコンを基
板として用いて帯域溶融法により多結晶シリコン層を作
製し、薄膜太陽電池を形成する方法があった。これによ
れば、単結晶シリコン基板上にSiO2膜を形成し、そ
の上に帯域溶融法により多結晶シリコン層を形成する。
さらにその上にLP−CVDなどの気相反応で多結晶シ
リコン層を数十ミクロン堆積する。さらに、不純物の熱
拡散によりp/n接合を形成し、反射防止膜さらに金属
電極を形成して薄膜太陽電池を製造する。
【0004】さらに、カーボン基板を用いた薄膜太陽電
池としては、例えば、T.L.Chu氏等による文献
(J.Electochem.soc.123,p106(1976))によって開示さ
れた方法がある。これは基板にカーボン薄膜を用いてい
る。太陽電池の作製法としては上述した方法と同様に、
溶融再結晶化により多結晶シリコン層を形成し、引続き
LP−CVD法で多結晶膜を形成して、接合構造および
電極を形成して薄膜太陽電池が形成される。
【0005】また、同一導電形接合のローハイ接合の形
成は、基板を有する薄膜太陽電池ではあまり行われてい
ない。単結晶シリコンウェハや多結晶リボン基板を用い
る太陽電池の場合、基板がp型であれば、高濃度不純物
層を形成するためAlペーストによりAlを拡散して形
成し、n型であればB26を熱拡散して形成することが
多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の薄
膜太陽電池では、以下に示すような問題を有していた。
即ち、S.Arimoto氏等による薄膜太陽電池の作
製方法では、単結晶シリコン基板を用いており、薄膜太
陽電池による低コスト化の用途には不適であった。その
ため低コストのカーボン基板を用いた方法がいろいろと
検討されているが、従来よりあまり高性能な薄膜太陽電
池は得られていなかった。これは、基板からの不純物拡
散があること、また、カーボン基板上でシリコンを溶融
した場合、界面にSiCが形成されることが考えられる
からである。図7にそのX線回折のデータを示してい
る。図7から明らかなように、基板であるカーボンのピ
ーク以外に反応により生成されたSiCのピークが見ら
れる。このSiCが、直列抵抗を増し、太陽電池のカー
ブフィルファクタ(以下FFという)などの性能を低下
させているものと考えられる。
【0007】また、太陽電池の特性を大きく向上させる
ホモ接合のローハイ接合(p-/p+またはn-/n+)に
よるBSF(Back Surface Field)
層は、基板上に溶融法により多結晶シリコン薄膜を形成
する構造では通常形成することができない。なぜなら
ば、最初、基板上に高不純物濃度シリコン層を形成し、
次に低不純物濃度シリコン層を溶融法で形成すると、後
の低不純物濃度シリコン層を溶融したとき、最初の高不
純物濃度シコン層も溶融しローハイ接合を形成するほど
の不純物の濃度差が無くなってしまうからである。した
がって、BSF層を形成する場合、研究レベルでは低コ
ストにはならない基板をくり抜く方法でBSF層を形成
していた。即ち、BSF層を形成する場合、今までは、
研究レベルでは、裏面から高濃度に再度不純物を拡散す
るために基板をエッチングで外したり、くり抜いたりし
てそこから不純物拡散を行いBSF層を形成していた。
【0008】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、低コストで高性能な薄膜太陽電池を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜太陽電池
は、カーボン基板上に、ドーピングによりn型またはp
型の導電性を有するシリコンカーボン層を設け、該シリ
コンカーボン層上に該シリコンカーボン層と同じ導電型
の第1の半導体薄膜を設け、該第1の半導体薄膜と導電
型が異なる第2の半導体薄膜を設けたものであり、その
ことにより上記目的が達成される。
【0010】また、本発明の薄膜太陽電池の製造方法
は、シリコンカーボンのドーパントとなるガスを含む雰
囲気ガス中で、カーボン基板上に堆積した多結晶シリコ
ンまたは非晶質シリコンを溶融し、この溶融シリコン層
と該カーボン基板を反応させて、ドープトシリコンカー
ボン層を該カーボン基板上に形成する工程と、該ドープ
トシリコンカーボン層上に該ドープトシリコンカーボン
層と同じ導電型の第1の半導体薄膜を形成する工程と、
該第1の半導体薄膜と導電型が異なる第2の半導体薄膜
を形成する工程とを含むものであり、そのことにより上
記目的が達成される。
【0011】さらに、本発明の薄膜太陽電池の製造方法
は、シリコンカーボンのドーパントとなるガスとシリコ
ン原子を含むシリコン膜を形成できる材料ガスを含む雰
囲気ガス中で、カーボン基板を高温に加熱して該雰囲気
ガスと反応させて、ドープトシリコンカーボン層を該カ
ーボン基板上に形成する工程と、該ドープトシリコンカ
ーボン層上に該ドープトシリコンカーボン層と同じ導電
型の第1の半導体薄膜を形成する工程と、該第1の半導
体薄膜と導電型が異なる第2の半導体薄膜を形成する工
程とを含むものであり、そのことにより上記目的が達成
される。
【0012】さらに、好ましくは、前記第1の半導体薄
膜および第2の半導体薄膜は多結晶シリコン薄膜であ
る。
【0013】
【作用】本発明において、SiCの結晶性を上げて、さ
らに不純物添加を行うことにより、カーボン基板とシリ
コン層の界面にあったドープトシリコンカーボン層の直
列抵抗が低減化されるので、太陽電池のFF低下の問題
が解決可能となる。また、このSiCを薄膜太陽電池の
ベース層と同じ導電型にすることにより、太陽電池特性
が向上するローハイ接合を形成することができ、帯域溶
融法では形成の難しかったローハイ接合によるBSF層
が形成可能となる。さらに、カーボン基板をC源として
ドープトシリコンカーボン層を形成すればドープトシリ
コンカーボン層を均一に形成することができて、コーテ
ィング層としてカーボン基板からの不純物の拡散が防止
可能となる。
【0014】また、ドープトシリコンカーボン層の形成
を多結晶シリコン薄膜作製と同一のプロセスの中で行え
ば、SiC多結晶のエピタキシャルプロセスで使われる
ような特殊なガスやるつぼなどを用いることなくドープ
トシリコンカーボン層が形成可能となる。また、SiC
へ直接不純物添加をするよりも、SiとCの反応中に不
純物添加することにより低温でドープトシリコンカーボ
ン層が形成可能となる。さらに、反応温度と反応速度を
制御すれば、高品質なドープト多結晶SiCが形成可能
となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0016】(実施例1)図1は本発明の実施例1にお
ける薄膜太陽電池の構造を示す断面図である。図1にお
いて、裏面電極11が設けられている側とは反対側のカ
ーボン基板12上に、ドーピングにより一導電性(p型
またはn型)を有するSiC多結晶薄膜であるSiC層
13、薄膜太陽電池のベース層でSiC層13と同じ導
電型の多結晶シリコン薄膜であるSi多結晶層14、エ
ミッタ層でSi多結晶層14と導電型が異なるSi多結
晶接合層15さらに反射防止膜16が順次積層されて設
けられている。さらに、この反射防止膜16の表面には
金属集電極である表面電極17が設けられている。以上
により本発明の薄膜太陽電池18が得られる。
【0017】次に、上記薄膜太陽電池18の製造方法に
ついて説明する。
【0018】まず、本実施例で用いたカーボン基板12
は、酸処理により高純度化、発砲させた黒鉛をローラー
などで機械的にプレス圧延し、薄膜状に形成したものを
用いる。実験ではこれを10cm角に切断したものを用い
た。これを、ポリッシャーにより、基板表面の凹凸が5
μm以下になるよう研磨した。なお、カーボン基板12
としては高純度で緻密な構造のものであれば他の製法で
もかまわない。
【0019】このカーボン基板12上に一導電型のうち
n型のSiC層13を形成するために、さらに高純度の
熱分解炭素を熱CVDにより形成する。即ち、この熱C
VD装置は石英チューブでできており、この中にプレス
成型した発砲黒鉛の基板を入れる。その後、Arガスで
置換しながら700℃まで加熱する。温度が安定したら
CH4を50sccm、Arを2slm流して、カーボ
ン基板12上に熱分解炭素を約3μm形成する。
【0020】この熱分解炭素が形成された基板を弱フッ
酸溶液中に室温で5分間浸し、その後、純水により十分
リンスし、ドライN2雰囲気で乾燥する処理をした後、
図2に示すように、この基板21をLP−CVD装置2
2内に入れる。この基板21上に、LP−CVD装置2
2によりシリコン膜を1〜5μm形成する。このLP−
CVD装置22の本体は通常の円筒状石英チューブ23
で、外部より抵抗加熱ヒーター24で加熱し、メカニカ
ルブースターポンプとロータリーポンプにより排気配管
25を通して数mTorrまで減圧可能な構造である。原料
ガスとしては、SiH4とSiH2Cl2の両方がガス導
入配管26から導入できる構造になっているが、本実施
例ではSiH4を用いて流量は50sccm、圧力10Tor
r、温度800℃で行い、約3μmの厚さの多結晶シリ
コン膜を形成した。
【0021】次に、これを帯域溶融装置を用いて溶融
し、カーボン基板12と反応させて多結晶SiC層が形
成された基板21a(図3で図示)が得られる。
【0022】図3は上記帯域溶融装置の構造図である。
図3において、帯域溶融装置31の本体は角形石英チュ
ーブ32からなっており、上下から赤外線ハロゲンラン
プ33により加熱する構成である。角形石英チューブ3
2内に配設された基板ホルダー34は石英でできてお
り、基板21aの搬送を行うために両端をAl合金製の
搬送システムに固定してある。この基板21aは、下部
から下部ランプヒータ35によって1200℃に加熱さ
れる。また、基板21aの上部は、上部ランプヒータ3
6の赤外線ハロゲンランプ33からの光を集光すること
により幅約2mmで帯状に、シリコンの溶融温度である1
420℃以上に加熱される。このようにして、基板21
aは搬送機能によりこの加熱ゾーンの下を移動し、溶融
部は基板21aの一端からもう一方の端部へと移動する
ことになる。これにより基板21a全面が熱処理され
る。このとき、基板21aの搬送速度は、0.3mm/sec
で行った。この搬送速度が遅いほど結晶粒径は増大す
る。反応は、N2ガス雰囲気で行う。溶融したシリコン
は、基板のカーボンと反応してSiC層を形成する。デ
ィップ法によるSiCの形成では、1650℃〜180
0℃で高品質のシリコンカーボンが形成されるため、よ
り高温で形成した方が、SiCの特性は向上すると考え
られるが、装置の耐熱性から限界の約1550℃で以下
行っている。このディップ法と同様に、反応中にドーパ
ントとなるガスを流すとドープされ、p型またはn型を
有するSiC層が得られる。p型のドープガスとして
は、B26やAl(CH33、n型のドープガスとして
はN2やNH4が可能であるが、本実施例ではNH4ガス
を含む不活性ガス雰囲気によりで上記の溶融再結晶化を
行うことにより、SiCの形成と同時に不純物添加を行
いn型のSiC層13の形成を行った。このシリコン融
液とカーボンとは濡れ性がよくシリコンはカーボン基板
12上にほぼ均一に広がる。このとき、SiC層13は
厚さが約3μmと薄いため元の多結晶シリコンの形状と
ほぼ同じものができる。
【0023】このようにして、カーボン基板12上にド
ープトSiC層であるn型のSiC層13が形成される
ことになる。このSiC層13のドープ量は0.02パ
ーセント以上必要である。
【0024】さらに、このドープトSiC層上に、薄膜
太陽電池のベース層となるn型のSi多結晶層14を形
成する。
【0025】まず、その前処理として、先ほど形成した
n型SiC層13の表面をH2O:HF=10:1の弱
フツ酸溶液で洗浄する。n型SiC層13の高抵抗層を
除去するため、先ほどの弱フッ酸溶液中に室温で5分間
浸して、その後、純水により充分リンスし、ドライN2
雰囲気で乾燥する。
【0026】このn型のSiC層13上に多結晶シリコ
ンを堆積する。この多結晶シリコン膜は後工程で加熱溶
融し、再結晶化させるため作製条件による特性に大きな
差は見られなかった。本実施例では、SiC層作製のと
きに使ったLP−CVD装置22を用いて多結晶シリコ
ン層を堆積した。この多結晶シリコン領域へのドーピン
グの方法は、薄膜中にドーパントガスであるPH3やB2
6を流しながらドープする方法と、後の帯域溶融によ
る再結晶化プロセスでPH3やB26を流しながらドー
プする方法があるが、本実施例では、LP−CVD装置
22による多結晶シリコンの堆積過程でドーピングを行
った。SiC層がn型である場合、SiC層とBSF構
造を形成するためには、n型のSiC層13と同じ導電
型のn型ドーピングガスであるPH3を流しながら製膜
を行った。この製膜条件は、原料ガスとしてSiH4
用い、その流量は100sccm、同時にPH3ガスを5SCC
M流し、圧力は20Torr、反応温度800℃で厚さ5μ
mの多結晶シリコン膜を作製した。炉から取り出したサ
ンプルは、表面を上述の弱フッ酸で処理した後、P−C
VD装置22でSi34でできたキャップ層を形成す
る。即ち、P−CVD装置は容量結合形RFプラズマC
Vで、その製膜条件はSiH4=10sccm、NH4=15
sccm、N2=50sccm、圧力0.75Torr、RF電源パ
ワー100W、30分の製膜で約1.5μmのSi34
よりなるキャップ層を形成した。
【0027】この状態で先ほどSiC層形成の時に用い
た帯域溶融装置31を用いてシリコン層の溶融再結晶化
による粒径拡大を行った。条件は、下部から1200℃
に加熱し、上部ヒーターは徐々にシリコンが熔けるまで
昇温しその温度に固定して基板の移動を行うものであ
る。搬送速度は0.2mm/sec、N2ガス雰囲気中で行っ
た。基板全面の溶融再結晶化処理が終わると、表面を弱
フッ酸で処理し、Si34層などの高抵抗層を除去す
る。
【0028】引続き、LP−CVD装置22を用いて厚
さ約30μm多結晶シリコン層を堆積した。製膜条件
は、原料ガスとしてSiH4を用い、流量は50sccm、
圧力は10Torr、950℃で製膜を行った。このとき、
多結晶シリコン層をn型にするため、PH3ガスを5scc
m流した。なお、SiC層および再結晶シリコン層がp
型の場合、B26を流してp型多結晶シリコン層を形成
することもできる。
【0029】さらに、BBr3の熱拡散によりp/n接
合を形成する。なお、ベースがp型の場合、POCl3
によりn型の接合層を形成することもできる。
【0030】このBBr3の熱拡散条件は、表面を弱フ
ッ酸で処理した後、石英チューブの熱拡散炉に入れ、N
2をキャリアガスとして25℃でBBr3をバブリングし
たものを50sccm、N2=5slm、O2=150sccm、反
応温度950℃で60分間拡散を行った。この後、表面
の高抵抗層を弱フッ酸で処理する。この状態で表面抵抗
を測定すると60Ωcmから70Ωcmが得られた。
【0031】さらに、反射防止膜16としてSi34
を先ほどと同様にP−CVD法にて600〜800オン
グストローム形成する。
【0032】さらに、電子ビーム蒸着により表面電極1
7および裏面電極11を形成する。裏面電極11として
はカーボン基板12が導電性を有するためそのままでも
電極として使用できるがシート抵抗を下げて太陽電池の
FFを向上させるためAl電極を形成した。蒸着は真空
雰囲気、基板温度200℃で行い厚さ5μm形成した。
また、表面電極17はメタルマスクを用いて櫛形電極を
形成した。蒸着は真空雰囲気、基板温度200℃、金属
としてはTi、Pd、Agをそれぞれ500オングスト
ローム、300オングストローム、5μm形成し、その
後、オーミック接合を形成するため、N2雰囲気中40
0℃で30分間シンターする。
【0033】以上のようにして、本発明の薄膜太陽電池
18が形成される。この薄膜太陽電池18のIV特性図
を図4に示している。また、これに対して、実施例1の
ような不純物添加したn型SiC層を形成しなかったと
きの薄膜太陽電池のIV特性図を図5に示している。図
4と図5を比較すると、本発明の薄膜太陽電池18のI
V特性が向上しているのが解る。
【0034】(実施例2)本実施例としてSiH4ガス
を用いてSiC層を形成する場合について説明する。
【0035】カーボン基板は、実施例1で用いたものと
同じプレ成型した発砲黒鉛上に熱CVDにより、熱分解
炭素を形成した物を用いる。このカーボン基板上のSi
C層の形成は、SiCのドーパントとなるガスとシリコ
ン原子を含むシリコン膜を形成できる材料ガスを含む雰
囲気ガス中で、カーボン基板を高温に加熱して雰囲気ガ
スと反応させて、ドープトSiC層をカーボン基板上に
形成する。このSiC層の形成は、LP−CVDにより
行った。LP−CVDの構造は図2と同じであり作製条
件は次のようになる。
【0036】即ち、カーボン基板を石英チューブででき
た反応炉に入れ、ロータリーポンプとメカニカルブース
ターポンプで5mTorr以下まで排気し、1350℃まで
昇温する。原料ガスとしてSiH4ガスを10sccmとド
ーピング用のガスとしてB26ガスを1sccm、Arガス
を100sccmの流量比になるように流した。熱分解によ
り生成したSiCの多結晶を形成した。このようにし
て、厚さ約1μmのp型多結晶SiC層を形成した。
【0037】この後、弱フッ酸で表面処理をして、引続
き再結晶化多結晶シリコン膜を形成して実施例1と同様
に薄膜太陽電池を形成する。
【0038】したがって、以上の実施例1,2の薄膜太
陽電池において、低コストで高性能な薄膜太陽電池の基
板として、カーボン基板は最有力である。つまり、シリ
コンの溶融温度1450℃以上で安定な金属は、タング
ステンなどの高価な高融点金属か、アルミナなどのセラ
ミック材料に限定される。ステンレスやニッケルは10
00以上では耐熱性はない。耐熱性のある基板材料に限
定すればセラミックなどよりもカーボンの方が低コスト
化ができる。従来、問題となっていたのは、このカーボ
ン基板とシリコン層との界面にできるSiC層の直列抵
抗であるが、このSiCの結晶性を上げて、さらに不純
物添加を行うことにより界面にあった直列抵抗を低減化
することができる。これにより、太陽電池のFF低下の
問題を解決することができる。
【0039】また、このSiCを薄膜太陽電池のベース
層と同じ導電型にすることにより、太陽電池特性が向上
するローハイ接合を形成することができ、帯域溶融法で
は形成の難しかったローハイ接合によるBSF層を形成
することができる。
【0040】ローハイ接合(例えばp+/p-(n+
-))の関係がよい。このp+/p-(n+/n-)の関
係であれば、p-領域に光キャリアが閉じ込められ、裏
面電極(この場合カーボン電極)でのキャリアの再結合
を低減することができて特性が向上する。SiCとSi
という融点の違う材料を2度に分けて形成することによ
ってドープ量の濃度差を持たせることができるようにな
ったのが本発明の特徴の一つである。
【0041】図6にn型ヘテロ接合BSFの概念図を示
す。図6において、領域IIで生成されたホールは障壁を
越えて領域Iへ入ることができず、キャリアを領域IIに
閉じ込める働きがある。このため、領域Iでのキャリア
の再結合を減少させることができて太陽電池特性が向上
する。
【0042】さらに、カーボン基板をC源としてSiC
層を形成すればSiC層を均一に形成することができ
て、コーティング層として基板からの金属不純物などの
拡散を防止して太陽電池特性低下を防止することができ
る。
【0043】SiC層を均一に製作する必要があるの
で、耐熱溶融法が最適である。600℃でのアニールで
はSiは溶融せず、SiとCは反応せずSiC層は形成
されない。アモルファスシリコンをアニールによりシリ
コン層だけを結晶化する方法があるが、この場合、結晶
粒径は小さく光生成キャリアの寿命が非常に小さくなり
特性はかなり低下する。帯域溶融法では結晶粒径の大き
な多結晶シリコンが形成できる。
【0044】SiC結晶は、2000℃以上でも安定な
ので本発明に記載された帯域溶融法などでは溶融不可能
である。SiC層とSi層の溶融を2回に分けるのは、
2角層の物性、バンドギャップやドーパントの濃度を連
続的ではなく急峻に分離したいからである。SiC層と
Si層の溶融がかなり違うので2つの層を急峻に分離す
ることができる。
【0045】さらに、このSiC層の形成を多結晶シリ
コン薄膜作製と同一のプロセスの中で行うことにより、
SiC多結晶のエピタキシャルプロセスで使われるよう
な特殊なガスやるつぼなどを用いることなくSiC層を
形成することができる。また、SiCへ直接不純物添加
をするよりも、SiとCの反応中に不純物添加すること
により低温でドープトSiCを形成することができる。
さらに、反応温度と反応速度を制御することにより、高
品質なドープト多結晶SiCを形成することができる。
【0046】上記SiとCは約1450℃から反応を始
めるが、出来上がったSiC結晶は、通常よくコーティ
ング材などに用いられるくらい高温にも安定で、融点2
700℃以上、昇華温度2200℃で、2000℃近い
温度でもコーティング材として用いることができる。こ
れにSiとCの反応中に不純物添加をすることにより低
温でドープトSiCを形成でき、SiCの直列抵抗を問
題のないレベルにまで下げることができる。また、この
SiCとSiでヘテロ接合を形成することが可能であ
る。したがって、SiC層上のSi層を溶融再結晶して
もSiC層は熔けることはなくローハイ接合を形成する
のに必要な不純物の濃度差が維持される。このようにし
て、裏面でのヘテロ接合BSF層の形成が可能となる。
【0047】カーボン基板上にpoly−Si層を形成
する場合に比べて、SiC層は薄くてよい。厚さ1〜1
0μm程度で効果がある。
【0048】
【発明の効果】以上により本発明によれば、シリコンカ
ーボンにドーピングを行うことにより直列抵抗を低減
し、また、カーボン基板上にドープトシリコンカーボン
層を形成することによりカーボン基板からの不純物拡散
を低減し、さらに、ヘテロ接合構造によるキャリアの閉
じ込めを行うことにより薄膜太陽電池特性を向上させる
ことができるため、低コストなカーボン基板上に高品質
な薄膜太陽電池を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における薄膜太陽電池の構造
を示す断面図である。
【図2】多結晶シリコンを形成するLP−CVD装置の
一部破断斜視図である。
【図3】多結晶シリコンの溶融再結晶により粒径拡大を
行う帯域溶融再結晶化装置の構成を示す断面図である。
【図4】実施例1の薄膜太陽電池のVI特性図である。
【図5】実施例1の不純物添加したn型SiC層を形成
しなかった場合の薄膜太陽電池のIV特性図である。
【図6】BSFの働きを示す概念図である。
【図7】SiCとCのX線回折結果を示す図である。
【符号の説明】
12 カーボン基板 13 SiC層 14 Si多結晶層 15 Si多結晶層接合層 18 薄膜太陽電池

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボン基板上に、ドーピングによりn
    型またはp型の導電性を有するシリコンカーボン層を設
    け、該シリコンカーボン層上に該シリコンカーボン層と
    同じ導電型の第1の半導体薄膜を設け、該第1の半導体
    薄膜と導電型が異なる第2の半導体薄膜を設けた薄膜太
    陽電池。
  2. 【請求項2】 シリコンカーボンのドーパントとなるガ
    スを含む雰囲気ガス中で、カーボン基板上に堆積した多
    結晶シリコンまたは非晶質シリコンを溶融し、この溶融
    シリコン層と該カーボン基板を反応させて、ドープトシ
    リコンカーボン層を該カーボン基板上に形成する工程
    と、 該ドープトシリコンカーボン層上に該ドープトシリコン
    カーボン層と同じ導電型の第1の半導体薄膜を形成する
    工程と、 該第1の半導体薄膜と導電型が異なる第2の半導体薄膜
    を形成する工程とを含む薄膜太陽電池の製造方法。
  3. 【請求項3】 シリコンカーボンのドーパントとなるガ
    スとシリコン原子を含むシリコン膜を形成できる材料ガ
    スを含む雰囲気ガス中で、カーボン基板を高温に加熱し
    て該雰囲気ガスと反応させて、ドープトシリコンカーボ
    ン層を該カーボン基板上に形成する工程と、 該ドープトシリコンカーボン層上に該ドープトシリコン
    カーボン層と同じ導電型の第1の半導体薄膜を形成する
    工程と、 該第1の半導体薄膜と導電型が異なる第2の半導体薄膜
    を形成する工程とを含む薄膜太陽電池の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008513976A (ja) * 2004-09-15 2008-05-01 フラウンホッファー−ゲゼルシャフト ツァー フェーデルング デア アンゲバンテン フォルシュング エー ファー 半導体層の再結晶化及びドーピングを同時に行うための方法並びにこの方法によって製造される半導体層構造
JP2017022283A (ja) * 2015-07-13 2017-01-26 株式会社ディスコ 多結晶SiCウエーハの生成方法

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