JPH0875850A - 多目標レーダの画像処理方法及び装置 - Google Patents

多目標レーダの画像処理方法及び装置

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JPH0875850A
JPH0875850A JP6211462A JP21146294A JPH0875850A JP H0875850 A JPH0875850 A JP H0875850A JP 6211462 A JP6211462 A JP 6211462A JP 21146294 A JP21146294 A JP 21146294A JP H0875850 A JPH0875850 A JP H0875850A
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誠人 木谷
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博 宮内
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益輝 砂山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水面上に浮上している艦船などのような比較的
長い周期で動揺する複数の目標を、それら目標の動揺周
期よりも十分に短い時間で、かつ十分実用に耐え得る品
質をもって画像化し、ひいてはこれら目標についての迅
速かつ確実な識別を可能ならしめる多目標レーダの画像
処理方法及び装置を提供する。 【構成】複数の目標全てについての位置情報を予め一括
して取得するとともに、これら位置情報を取得した各目
標についての (a) 位置情報に基づきレーダビームを照射してその振幅
/位相情報を採取する工程、(b) この採取された振幅/
位相情報に基づき同目標を画像化する工程、(c) 識別情
報に基づきこの得られる目標情報から目標を識別する工
程をこれら目標の動揺周期よりも十分短い周期で時分割
的に繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、航空機等の飛行体に
搭載された逆合成開口レーダを通じて得られる複数の目
標についての画像を処理するに好適な多目標レーダの画
像処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、逆合成開口レーダとは、
目標とする物体の回転運動によって、その物体のレーダ
画像を得る技術である。
【0003】また、こうした逆合成開口レーダ技術を用
いて航空機等の飛行体からその目標とする艦船等につい
ての画像を採取し、かつこれを識別する装置として、図
3に示される装置が一般に知られている。
【0004】すなわちこの装置は、同図3に示されるよ
うに、大きくは、空中線装置10、送受信装置20、信
号処理装置30、及び表示装置40によって構成される
ものであり、基本的には、送受信装置20及び空中線装
置10を通じて方位面及び仰角面に所定のビーム幅にて
放射したレーダビームの目標による反射波を、これら空
中線装置10及び送受信装置20を通じて受信し、この
受信によって得られるビデオ信号を信号処理装置30を
通じて所定に画像化して表示装置40に表示するよう動
作する。
【0005】ここで、信号処理装置30は、上記得られ
るビデオ信号に基づきレーダ捜索呂域に存在する目標を
検出して、その位置情報を表示装置40に出力するとと
もに、同位置情報を上記空中線装置10にフィードバッ
クする目標検出回路31を具えて構成されており、空中
線装置10でゃ、制御回路11を通じて、空中線12か
ら発せられる上記レーダビームを、このフィードバック
される位置情報に基づき走査しつつ、その対象となる目
標を捕捉する。
【0006】ただし、上記レーダ捜索領域には通常、目
標となる艦船等が複数存在することから、こうした目標
の捕捉に際しては、レーダ操作員等によって、画像化す
べき目標の優先順位が決められ、この決められた優先順
位のもとに1つの目標が選択されるのが普通である。こ
うして1つの目標が選択されることにより、この選択さ
れた目標についての位置情報が上記目標検出回路31か
ら空中線装置10内の制御回路11へフィードバックさ
れ、この制御回路11を通じて、空中線12から発せら
れる上記レーダビームが該選択された目標を追尾するよ
う制御される。こうして目標の検出、並びに選択が行わ
れた後は、この選択された目標に対して連続的にレーダ
ビームが照射される。
【0007】他方、同じく信号処理装置30にある画像
処理回路32は、こうして捕捉(選択)される目標から
のレーダ反射波(目標の面積に対応)を直交検波して得
られるI/Qビデオ信号、すなわち振幅/位相情報に、
図4に示される態様での画像化処理を施して、その得ら
れる目標画像を表示装置40に表示するとともに、同画
像情報を識別処理回路33に伝送する。
【0008】すなわちこの画像処理回路32では、同図
4に示されるように、 (1) 2次元(距離方向及びアジマス方向)に広がってい
る目標情報(振幅/位相情報)を、例えば距離方向に圧
縮することでその距離成分を補正する(距離補正部32
1)。
【0009】(2) この距離補正された目標情報に更に、
目標の動揺(回転運動)によって生じるドプラ周波数に
よるドプラ補正を施して、移動する目標の速度成分を取
り除く(ドプラ補正部322)。
【0010】(3) こうしてドプラ補正された目標情報
を、方位方向(スィープ方向)と距離方向(レンジ方
向)とに適宜の分解能にてコーナターン処理する(コー
ナターンメモリ323)。
【0011】(4) 最後に、このコーナターン処理した情
報をFFT(高速フーリエ変換)処理して画像化し、こ
れを表示装置40及び識別処理回路33に出力する(F
FT部324)。
【0012】といった処理を行うものであり、こうして
この画像処理回路32を通じて処理された情報は、例え
ば図5に示される態様で、表示装置40に画像表示され
ることとなる。
【0013】因みにこの図5において、縦軸はドプラ周
波数fdを、また横軸は距離(レンジ)Rを表してお
り、この目標画像における例えば縦方向のサイズS1や
横方向のサイズS2等に関する情報が、上記識別処理回
路33においてその予め登録されているデータベース内
の識別情報(特徴情報)と比較されて、当該目標の艦
種、艦名等が判別される。そして上記例示した装置の場
合、この判別された艦種、艦名等の情報も、表示装置4
0に併せ表示されることとなる。なお、識別処理回路3
3内のデータベースと比較される目標の特徴情報は、レ
ーダ操作員等によって人為的に識別処理回路33に入力
されることもある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうした逆
合成開口レーダによる画像処理は、上述のように、目標
自身の回転運動によって生じるドプラ周波数を検出する
ことによりその画像化が行われるものであることから、
これによって得られる画質の品質も、該目標の回転運動
の大きさに依存して決定される。
【0015】上述した艦船の場合、この目標としての回
転運動は、水面上に浮上していることによる動揺によっ
て発生するものであることから、この動揺の大きさによ
って、上記得られる画像の品質も変化する。そして、こ
うしたレーダ画像から目標とする艦船の艦種や艦名等の
識別を行う場合には、特にその得られる画質の品質が問
題となるため、高い精度を維持してこれらの識別を行う
ためには、少なくともその動揺周期以上の時間をかけ
て、上記の画像処理及び識別処理を行わざるを得ない。
一般に、水面上での艦船の動揺は、その周期が最長で2
0〜30秒であることを考慮すれば、一隻の艦船を画像
化しかつその艦種や艦名を識別するのに、20〜30秒
の時間を費やさざるを得ないことになる。しかも、ここ
で例示した多目標レーダにあっては通常、その捜索領域
に存在する複数の艦船について、順次上記の画像処理及
び識別処理を繰り返すものであることから、目標となる
艦船が例えばN隻(Nは整数)存在する場合には、更に
そのN倍の処理時間が必要とされることになる。
【0016】図6に、こうした多目標レーダの画像処理
装置を通じて行われている画像処理方法の概念を模式的
に示す。
【0017】この図6に示されるように、従来は、画像
化すべき1つの目標を選択した後、同目標の動揺(回転
運動)が最大となるまでの期間(20〜30秒間)連続
してこれを追尾しつつ、その上述した画像化及び識別を
行い続け、その後、次に選択された目標にレーダビーム
を移して同様の処理を繰り返すものであることから、対
象となる複数の目標の全てについてその画像化・識別を
終えるまでには、上記のように 1動揺周期(20〜30秒)×N(目標数) [秒] として表される膨大な時間が必要とされ、対象となる目
標の数が少ない場合にはまだしも、より遠距離からより
多くの目標を捉えてこれを画像化・識別しようとする場
合、或いは自機位置の秘匿のための電力の放射を極力短
時間に抑えたい場合などには問題となる。
【0018】この発明は、こうした実情に鑑みてなされ
たものであり、水面上に浮上している艦船などのような
比較的長い周期で動揺する複数の目標を、それら目標の
動揺周期よりも十分に短い時間で、かつ十分実用に耐え
得る品質をもって画像化し、ひいてはこれら目標につい
ての迅速かつ確実な識別を可能ならしめる多目標レーダ
の画像処理方法及び装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明では、上記得ら
れる画質の品質は確かに目標の動揺の大きさに依存する
ものの、1つの目標についてこれを画像化するに要する
時間自体はビデオ信号の処理系のみに依存する極めて短
い時間であり、また、たとえ目標の動揺周期に対応する
全ての時間に渡って1つの目標を連続して画像化し続け
ても、同目標の回転運動の大きさの変化はこの画像化に
要する時間に比べて非常に緩やかであるために、得られ
る画像の品質自体には大きな変化が見られないことに着
目して、前記目標の検出に際して得られるビデオ信号に
基づき、前記複数の目標全てについての位置情報を予め
一括して取得するとともに、これら位置情報を取得した
各目標についての(a) 位置情報に基づきレーダビームを
照射してその振幅/位相情報を採取する工程、(b) この
採取された振幅/位相情報に基づき同目標を画像化する
工程、(c) 識別情報に基づきこの得られた目標画像から
目標を識別する工程をこれら目標の動揺周期よりも十分
短い周期で、時分割的に繰り返すようにする。
【0020】
【作用】上記(a) 〜(c) の工程自体は従来から知られた
工程ではあるが、1つの目標についてこれを画像化する
に要する時間自体は、上述のようにビデオ信号の処理系
のみに依存する極めて短い時間であることから、複数の
目標全てについての位置情報を予め一括して取得してこ
れを適宜に記憶してさえおけば、事実上は、上記ビデオ
信号の処理系における処理速度(時間)に応じて、これ
ら取得された位置情報に基づく上記複数の目標各々の捕
捉(レーダビームの振り分け)、及びこれら捕捉される
目標についての画像化を行うことはできる。そしてここ
では、上記(a) 〜(c) の工程が時分割的に、しかも各々
同じ目標に対して順次再帰的に繰り返されることから、
こうした処理が目標の上記動揺周期に対応する時間(例
えば20〜30秒間)だけ維持されるものとすれば、前
述した品質の高い画像を得るための条件、すなわち目標
の動揺周期に対応する全ての時間に渡って目標を追尾、
監視する条件が、擬似的にではあれ満たされることとな
り、従来の処理方法によって得られる画像の品質と大差
ない品質で、これら複数の目標を順次再帰的に画像化す
ることができるようになる。
【0021】なお、このような画像処理方法によれば、
上記(a) の情報採取のための工程とそれ以降(b) 〜(c)
の画像化・識別にかかる工程とは互いに独立して実行さ
せることが可能であることから、複数の目標のうちの第
2番目以降に評価される目標についての上記(a) 〜(c)
の工程を、その各々1つ前に評価される目標についての
上記(b) 〜(c) の工程と並行実行させて、上記の画像化
を更に効率のよいものとすることもできる。すなわちこ
れには、1つの目標についての識別処理が行われている
間、この識別処理される情報(目標画像情報)を記憶保
持しておくための適宜の画像メモリを用意しておけばよ
い。
【0022】
【実施例】図1に、この発明にかかる多目標レーダの画
像処理装置についての一実施例を示す。
【0023】この図1においても、前述した逆合成開口
レーダ技術を用いて航空機等の飛行体からその目標とす
る艦船等についての画像を採取し、かつこれを識別する
装置について示している。またこの図1において、先の
図3に示した装置と同一の要素には各々同一の符号を付
して示しており、これら要素についての重複する説明は
割愛する。
【0024】さてこの実施例にかかる装置では、同図1
に示されるように、前記空中線装置として電子走査型空
中線装置50を採用して、前記放射するレーダビームの
走査制御にかかる能率・応答性を高めている。
【0025】すなわちこの電子走査型空中線装置50
は、空中線52をアレイ構成とし、各アレイの位相を制
御回路51を通じて制御することによって、電子的にア
ンテナビームの方向を制御するものである。なお、上記
各アレイには送受信用の増幅器(図示せず)が含まれて
おり、これら各アレイでは、送受信装置20から加えら
れる送信電力の増幅・放射、及び目標から反射される電
力の高周波増幅等も併せ行うものとする。こうして高周
波増幅された目標からの受信電力(反射電力)が、その
後送受信装置20に加えられ、この送受信装置20を通
じて更に、増幅され、周波数変換され、検波されて、前
述したビデオ信号となり、信号処理装置60に入力され
る。
【0026】信号処理装置60は、基本的には前述した
信号処理 装置30(図3)と同様、この入力されるビ
デオ信号に基づきレーダ捜索領域に存在する目標を検出
して、その位置情報を表示装置40に出力するととも
に、同位置情報を上記空中線装置50にフィードバック
する目標検出回路61を具えて構成されるが、この実施
例による信号処理装置60では更に、上記レーダ捜索領
域に存在する全ての目標について該目標検出回路61に
より検出される位置情報が一括して記憶格納される追尾
メモリ回路64を具えるものであり、目標検出回路61
では、この追尾メモリ回路64に一括記憶された全ての
目標の位置情報を、前述した目標の動揺周期(20〜3
0秒)よりも十分に短い周期にて順次読み出しつつ、こ
れを上記空中線装置50の制御回路51にフィードバッ
クするよう動作する。また、目標検出回路61によるこ
うした位置情報の読み出し、並びに読み出した位置情報
の空中線装置50へのフィードバックは、目標の1動揺
周期内で繰り返し実行されるものとする。
【0027】これにより空中線装置50では、その制御
回路51を通じて、空中線52を構成する各アレイの位
相を上記フィードバックされる位置情報に基づき上記の
周期で次々に制御して、同空中線52から発せられるレ
ーダビームを、都度対象となる目標に対し、その選択さ
れている期間だけ連続して照射するようになる。なおこ
こでも、上記複数の目標の選択順位、すなわち追尾メモ
リ回路64に記憶されている位置情報の目標検出回路6
1を通じた読み出し順位は、これら目標の目標検出回路
61及び表示装置40を通じた検出時に、レーダ操作員
等によって適宜に決められるものとする。
【0028】他方、同じく信号処理装置60にある画像
処理回路62は、これも基本的には先の画像処理回路3
2(図3)と同様、こうして捕捉(選択)される目標か
らのレーダ反射波(目標の面積に対応)を直交検波して
得られるI/Qビデオ信号、すなわち振幅/位相情報
に、先の図4に示したものと同様の態様での画像化処理
を施す回路である。ただしこの実施例により信号処理装
置60では、この画像化される情報についても、これを
一時的に記憶保持するための画像メモリ回路65を具え
て構成されており、上記画像処理回路62によって画像
化された情報は、一旦この画像メモリ回路65に記憶保
持され、この記憶保持された画像情報が、表示装置40
に表示されるとともに、識別処理回路63に入力される
ようになっている。表示装置40では、こうして記憶保
持される画像情報(目標情報)を、先の図5に例示した
態様にて表示する。
【0029】また、識別処理回路63も先の識別処理回
路33(図3)と同様、目標とする各種艦船についての
特徴情報を識別情報として持つデータベースを内蔵し、
上記画像メモリ回路65に記憶保持されている画像情報
をこのデータベース内の識別情報と照合して、当該目標
の艦種、艦名等の判別を行う回路である。そしてこの判
別結果も、上記目標画像に併せて表示装置40に表示さ
れる。
【0030】なお、この実施例による信号処理装置60
において、上記画像メモリ回路65に記憶保持すべき画
像情報の切り替えは、上記目標検出回路61による追尾
メモリ64からの目標位置情報の読み出しタイミングに
応じて同目標検出回路64から出力されるとするクリア
信号CRによってなされるものとする。すなわちこの画
像メモリ回路65へは、上記画像処理回路62によって
画像化された情報が上記識別回路63を通じて識別処理
されている期間、同目標についての画像情報が記憶保持
されるものとする。
【0031】図2は、こうした実施例装置を通じて実行
される画像処理動作を時系列的に示したものであり、以
下、同図2を併せ参照して、この発明にかかる画像処理
方法を更に詳述する。
【0032】まず、この図2において、「#1」、「#
2」、「#3」、… 「#N」は、数Nだけ検出された
とする目標(艦船)の各々について、その選択順位に従
って便宜的に付した番号であり、それぞれ該当する枠の
横の幅T1が、これら目標各々についての画像化を要す
る時間を表しているものとする。
【0033】また、同図2において、T2は、目標であ
る艦船の、前述した水面上での動揺(回転運動)の周期
時間(20〜30秒)を表し、またT3は、この実施例
装置による、上記数Nの目標についての画像情報採取に
かかる周期時間を表すものとする。
【0034】すなわちこの実施例装置では、レーダ捜索
領域に存在するN隻の艦船を検出してその各位置情報を
上記追尾メモリ回路64に格納した後、目標検出回路6
1によるこれら位置情報の所定周期(この周期時間は当
該装置における上記1目標の画像化に要する時間T1に
応じて経験的に定まる)での読み出しに応じて、以下に
列記する態様をもって、これら目標の画像化、並びに識
別にかかる処理を実行する。
【0035】(1) 第1番目の艦船(#1)の位置情報に
基づき、該第1番目の艦船(#1)に対してレーダビー
ムを連続照射し、その反射される面積分の振幅/位相情
報を、空中線装置50及び送受信装置20を通じて採取
する(図2における時間t11 の期間)。
【0036】(2) この得られた第1番目の艦船(#1)
の振幅/位相情報に基づき、これを画像処理装置62を
通じて画像化しつつ、第2番目の艦船(#2)の位置情
報に基づき、該第2番目の艦船(#2)に対してレーダ
ビームを連続照射し、その反射される面積分の振幅/位
相情報を空中線装置50及び送受信装置20を通じて採
取する(図2における時間t12 の期間)。
【0037】(3) 上記画像化された第1番目の艦船(#
1)についての画像情報を画像メモリ回路65に記憶保
持して、その識別処理回路63による識別処理、及び表
示装置40を通じての画像表示を行いつつ、上記得られ
た第2番目の艦船(#2)の振幅/位相情報に基づき、
これを画像処理装置62を通じて画像化し、更に第3番
目の艦船(#3)の位置情報に基づき、該第3番目の艦
船(#3)に対してレーダビームを連続照射して、その
反射される面積分の振幅/位相情報を空中線装置50及
び送受信装置20を通じて採取する(図2における時間
t13 の期間)。
【0038】(4) 前記クリア信号CRに基づき上記第1
番目の艦船(#1)についての画像情報を画像メモリ回
路65からクリアするとともに、上記画像化された第2
番目の艦船(#2)についての画像情報を同画像メモリ
回路65に記憶保持して、その識別処理回路63による
識別処理、及び表示装置40を通じての画像表示を行い
つつ、上記得られた第3番目の艦船(#3)の振幅/位
相情報に基づき、これを画像処理装置62を通じて画像
化し、更に第4番目の艦船の位置情報に基づき、該第4
番目の艦船に対してレーダビームを連続照射して、その
反射される面積分の振幅/位相情報を空中線装置50及
び送受信装置20を通じて採取する(図2における時間
t14 の期間)。
【0039】(5) 上記(4) に準じた処理を、第N番目の
艦船(#N)についての振幅/位相情報が採取されるま
で繰り返し、該第N番目の艦船(#N)についての振幅
/位相情報が採取されたところで、この採取された第N
番目の艦船(#N)の振幅/位相情報に基づきこれを画
像処理装置62を通じて画像化する。そしてこれと並行
して、先の第1番目の艦船(#1)についての再度の振
幅/位相情報の採取を開始する(図2における時間t21
の期間)。
【0040】以上、(1) 〜(5) の処理が、該実施例装置
による上記N隻の艦船についての1周期分の画像化・識
別処理として、上記の時間T3内に実行されるものであ
り、この時間T3を経た時点において、上記N隻の艦船
についての1通りの画像化、並びに識別は達せられる。
【0041】そしてこの実施例装置では、こうした(1)
〜(5) の処理を、上記 艦船の1動揺周期期間T2(2
0〜30秒)内で繰り返すことによって、上記表示され
る(画像メモリ回路65に記憶保持される)画像情報の
品質を維持し、ひいては上記識別処理における識別精度
を維持するようにしている。
【0042】すなわち前述したように、 ◆たとえ、艦船の動揺周期に対応する全ての時間に渡っ
て1つの艦船を連続して画像化し続けても、同艦船の回
転運動の大きさの変化はこの画像化に要する時間に比べ
て非常に緩やかであるために、得られる画像の品質自体
には大きな変化が表れない。
【0043】ことから、そしてまた ◆上記(1) 〜(5) の処理が、上記艦船の1動揺周期に対
応する時間T3だけ維持されるものとすれば、こうした
環境に利用される逆合成開口レーダにおいて品質の高い
画像を得るための条件、すなわち艦船の1動揺周期に対
応する全ての時間に渡って目標を追尾、監視する条件
が、擬似的にではあれ満たされる。
【0044】ことから、こうした実施例による画像処理
方法によっても、従来の画像処理方法によって得られる
画像の品質と大差ない品質で、これら対象となるN隻の
艦船についての画像が得られるようになる。
【0045】このように、この実施例による画像処理方
法によれば、先の図6と対比して明らかなように(図6
に付記される時間T1及びT2はそれぞれ図2における
上記時間T1及びT2に対応する)、時間的に長い周期
で動揺する複数の艦船を非常に短時間に(従来の方法に
比べれば1/Nの時間で)画像化し、かつその艦種、艦
名等について識別することが可能となる。したがって、
前述したようなより遠距離からより多くの目標を捉えて
これを画像化・識別しようとする場合、或いは自機位置
の秘匿のために電力の放射を極力短時間に抑えたい場
合、などには特に有効である。
【0046】なお、上記の実施例によれば、上記複数の
目標(艦船)のうちの第2番目以降に評価される目標に
ついての振幅・位相情報の採取工程、画像化工程、及び
識別処理(表示)工程と、その各々1つ前に評価される
目標についての画像化工程、及び識別処理(表示)工程
とが、各々並行して実行されることから、実用上最も効
率のよいかたちで、上記各目標についての画像化処理及
び識別処理が行われることとなるが、この発明にかかる
画像処理方法は必ずしもこのような方法に限定されな
い。要は、これら目標全てを画像化するまでの工程、す
なわち図2でいう各目標の画像採取周期(時間T3)
が、少なくとも目標の動揺周期(時間T2)よりも十分
短い周期で時分割的に繰り返されるものでありさえすれ
ば、上記に準じたかたちでの効率のよい画像化、及び識
別処理を実現することはできる。
【0047】また、上記の実施例では、信号処理回路6
0の構成として、目標検出回路61からのクリア信号C
Rによって画像メモリ回路65が周期的にクリアされる
構成としてが、同画像メモリ回路65に記憶保持されて
いる画像情報が都度新たに書き込まれる画像情報によっ
て上書きされるものとすれば、こうした目標検出回路6
1からのクリア信号は不要となる。
【0048】また、上記の実施例では、電子走査型の空
中線装置50自身が送受信用の高周波増幅器を内蔵する
としたが、これたの高周波増幅も送受信装置20にて一
括して行う構成とすれば、空中線装置50には、前述し
た位相制御用の位相器のみを持たせることで足りる。
【0049】また、この空中線装置50としても、前述
した時分割によるビーム振り分け制御に感度よく応答で
きるものでさえあれば、いかなるタイプの装置を採用し
てもよく、前述したタイプの空中線装置に限られるわけ
ではない。
【0050】ところで、上記の実施例では基本的に、目
標検出回路61を通じてそのレーダ領域に存在する複数
の目標を検出し、その位置情報を追尾メモリ回路64に
格納した後は、この格納された位置情報に基づいて各目
標の上述した画像採取処理(時間T3にかかる処理)が
これら目標の1動揺周期内で繰り返されるとしたが、他
に例えば、上記目標の検出、及び該検出された目標位置
情報の追尾メモリ回路64への格納を上記画像採取処理
(時間T3にかかる処理)の1処理毎に行って、これら
対象となる各目標の移動量を見るようにすることもでき
る。
【0051】すなわちこれによれば、上記目標の位置情
報が検出され、追尾メモリ回路64に格納される都度、
その処理の周期時間と、同時間内における目標各々の移
動量とから、これら各目標の移動速度を推定することが
できるようになり、こうして推定される各目標の移動速
度情報を画像処理回路62に反映させるようにすれば、
例えば図4に示される構成を有するとするこの画像処理
回路62の構成を簡略化することも可能となる。
【0052】また、ここで述べたような多目標レーダ自
体は、無人で飛行する飛行体に搭載することもできる。
すなわちこのような場合、上記表示装置40は必ずしも
必要とされないし、表示のための選択順位等も決める必
要はなくなる。そして、このような場合には通常、画像
化される複数の目標の上記識別される内容に基づいて当
該飛行体自身の操舵制御等が行われることとなる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、複数の目標全てについての位置情報を予め一括して
取得するとともに、これら位置情報を取得した各目標に
ついての振幅/位相情報を採取する工程と、この採取さ
れた振幅/位相情報に基づき同目標を画像化する工程
と、識別情報に基づきこの得られた目標画像から目標を
識別する工程とを、これら目標の動揺周期よりも十分短
い周期で時分割的に繰り返すようにしたことから、対象
とする複数の目標全てについての画像化を非常に短い時
間にて実現することができるようになる。しかも、目標
の動揺周期に対応する全ての時間に渡ってこれら各目標
の追尾、監視を行うようにすれば、従来得られた画像の
品質と大差ない品質の画像が得られるようになり、これ
ら目標の識別精度も、上記得られる各々の画像において
良好に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる多目標レーダの画像処理装置
についてその一実施例構成を示すブロック図である。
【図2】この発明にかかる多目標レーダの画像処理方法
の一実施例であり、かつ図1に示される実施例装置を通
じて実行される画像処理の概念を模式的に示したタイム
チャートである。
【図3】従来の多目標レーダの画像処理装置についてそ
の構成例を示すブロック図である。
【図4】逆合成開口レーダを通じて採取されるビデオ信
号を画像化する回路の一般的な構成を示す機能ブロック
図である。
【図5】画像化された目標の表示装置への表示例を示す
略図である。
【図6】多目標レーダにおける従来の画像処理方法を模
式的に示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10、50 空中線装置 11、51 制御回路 12、52 空中線 20 送受信装置 30、60 信号処理装置 31、61 目標検出回路 32、62 画像処理回路 33、63 識別処理回路 40 表示装置 64 追尾メモリ回路 65 画像メモリ回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動揺する複数の目標に対応したビデオ信
    号を航空機等の飛行体に搭載された逆合成開口レーダを
    通じて採取するとともに、これら採取されたビデオ信号
    に基づいて前記目標の各々を画像化し、かつその識別情
    報に基づいて目標種別等識別する多目標レーダの画像処
    理方法において、 前記ビデオ信号に基づき前記複数の目標全てについての
    位置情報を予め一括して取得し、これら位置情報を取得
    した各目標についての(a) 位置情報に基づきレーダビー
    ムを照射してその振幅/位相情報を採取する第1の工
    程、(b) この採取された振幅/位相情報に基づき同目標
    を画像化する第2の工程、(c) 識別情報に基づきこの得
    られた目標画像から目標を識別する第3の工程をこれら
    目標の動揺周期よりも十分短い周期で時分割的に繰り返
    すようにしたことを特徴とする多目標レーダの画像処理
    方法。
  2. 【請求項2】 前記複数の目標のうちの第2番目以降に
    評価される目標についての前記第1乃至第3の工程は、
    その各々1つ前に評価される目標についての前記第2乃
    至第3の工程に並行して実行される請求項1記載の多目
    標レーダの画像処理方法。
  3. 【請求項3】 動揺する複数の目標に対応したビデオ信
    号を航空機等の飛行体に搭載された逆合成開口レーダを
    通じて採取するとともに、これら採取されるビデオ信号
    に基づいて前記目標の各々を画像化し、かつその識別情
    報に基づいて目標種別等を識別する多目標レーダの画像
    処理装置において、 前記ビデオ信号に基づいて前記複数の目標各々の位置を
    検出する目標位置検出手段と、 これら検出される目標の位置情報がこれら目標の数分だ
    け一括して記憶される第1のメモリ手段と、 この第1のメモリ手段に記憶された各目標の位置情報に
    基づき、これら目標の動揺周期よりも十分短い周期で各
    目標に対するレーダビームの振り分け制御を行うレーダ
    ビーム制御手段と、 このレーダビーム制御に応じて逐次受信される信号の振
    幅/位相情報に基づき各該当する目標の画像化を行う画
    像処理手段と、 識別情報に基づきこの画像化された目標画像から当該目
    標を識別する識別処理手段と、 少なくとも1つの目標についての識別処理が行われる
    間、この識別処理される目標画像を記憶保持する第2の
    メモリ手段と、 を具えることを特徴とする多目標レーダの画像処理装
    置。
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