JPH0873387A - 脂環式ジオール化合物及びその製造方法 - Google Patents
脂環式ジオール化合物及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH0873387A JPH0873387A JP6234172A JP23417294A JPH0873387A JP H0873387 A JPH0873387 A JP H0873387A JP 6234172 A JP6234172 A JP 6234172A JP 23417294 A JP23417294 A JP 23417294A JP H0873387 A JPH0873387 A JP H0873387A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alicyclic
- formula
- general formula
- cis
- represented
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
合物。 【効果】 官能基であるヒドロキシルメチル基が、ビシ
ナル炭素上に結合していないため、脂環式ポリエステル
等の原料として使用する場合に立体障害が生じにくい。
Description
化合物及びその製造方法に関する。詳しくは、光学材料
や構造材料などのポリエステル、ポリカーボネートや添
加剤として有用な脂環式ジオール化合物及びその製造方
法に関する。
ン酸や脂環式ジオールなどの脂環構造を有するモノマー
を原料として得られるポリエステルは、透明性、耐熱
性、耐薬品性、寸法安定性などの物理的、化学的特性に
優れていることが知られている。かかるポリエステル
は、その脂環骨格が本来もっている特性を生かして、光
ディスク、光カードの基板や液晶表示素子用基板等のよ
うな各種光学材料や構造材料として極めて有用なポリマ
ー素材となる。
アルコール成分としては、たとえば、特開平3−200
830公報、特開平5−5026公報、特開平5−17
560公報等に記載されているビシクロ[2.2.1]
ヘプタン−2, 3−ジメタノール、テトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3, 4−ジメタノール、ヘ
キサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .
09,14]ヘプタデカン−4, 5−ジメタノール等の脂環
式ジオール化合物が知られている。しかし、これらの公
報に記載の脂環式ジオール化合物は、いずれも官能基で
あるヒドロキシメチル基がビシナル炭素上に結合してい
るため、お互いの立体障害が生じ、モノマーの反応性に
乏しく、高分子量化が困難である。その結果、得られて
くる脂環式ポリエステルは、分子量分布も広く、低分子
量縮合体が残存してくるという欠点を持っている。その
ため、従来より知られている脂環式ポリエステルはポリ
マー素材として透明性や機械的強度は優れているもの
の、耐熱性、耐湿性、耐薬品性等の特性を十分に発揮し
ないという問題がある。
うな従来のビシナル結合型の脂環式ジオール化合物の課
題を解決すべくなされたものであり、これに代わる新規
な脂環式ジオール化合物及びその製造方法を提供するも
のである。
る脂環式ジオール化合物、一般式(2):
る脂環式シス−ジオール化合物、および一般式(3):
る脂環式トランス−ジオール化合物、並びに一般式
(4):
る脂環式モノオレフィンを出発原料として、この二重結
合部分を酸化剤を用いて酸化開裂して、一般式(5):
る脂環式シス−ジカルボン酸とし、次いでこれを炭素数
1〜4の1価アルコールでエステル化して、一般式
(6):
1〜4のアルキル基を示す。)で表される脂環式シス−
ジカルボン酸ジエステルとした後、さらにこれを水素化
触媒存在下に、接触水素還元することを特徴とする前記
一般式(2)で表される脂環式シス−ジオール化合物の
製造方法、及び前記一般式(6)脂環式シス−ジカルボ
ン酸ジエステルに、触媒として金属アルコキシド類を作
用させ、エステル基が互いにトランスの立体配置になる
ように異性化して、一般式(7):
1〜4のアルキル基を示す。)で表される脂環式トラン
ス−ジカルボン酸ジエステルとした後、さらにこれを水
素化触媒存在下に、接触水素還元することを特徴とする
前記一般式(3)で表される脂環式トランス−ジオール
化合物の製造方法に関する。
(4)で表される脂環式モノオレフィンは、公知の方法
により製造することができる。すなわち、ジエン化合物
であるシクロペンタジエン又はジシクロペンタジエン
と、脂環式ジエノファイル化合物であるエチレン又はノ
ルボルネンとのディールス・アルダー反応により得るこ
とができる。例えば、シクロペンタジエンとノルボルネ
ンとの反応の場合には、両原料の1:1付加体であるテ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデ
セン(一般式(4)においてnが0)、2:1付加体で
あるヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .0
2,7 .09,14]−4−ヘプタデセン(一般式(4)にお
いてnが1)が得られる。これら一般式(4)で表され
る脂環式モノオレフィンは、ジエン化合物とジエノファ
イル化合物の仕込みのモル量論比や反応条件を適当に選
択することにより、目的物への反応選択率を向上するこ
とが一般的に知られており、減圧蒸留によって容易に単
離することができる。
ス−ジオール化合物は、前記一般式(4)で表される脂
環式モノオレフィンを出発原料として、この二重結合部
分を酸化剤を用いて酸化開裂し一般式(5)で表される
脂環式シス−ジカルボン酸とし、次いでこれを炭素数1
〜4の1価アルコールでエステル化して前記一般式
(6)で表される脂環式シス−ジカルボン酸ジエステル
とした後、さらにこれを水素化触媒存在下に、接触水素
還元することにより得ることができる。
段階で酸化開裂してジカルボン酸を得る方法としては、
たとえば、過マンガン酸塩を用いる方法[ジャーナル・
オブ・ケミカル・ソサイアティ・パーキン・トランス・
1(J.Chem.Soc.,Perkin.Tran
s.1)806頁(1973年)]、重クロム酸塩を用
いる方法[オルガニック・シンセシス(Org.Syn
th.)第4巻698頁(1963年)]、ルテニウム
金属触媒存在下で過ヨウ素酸塩を用いる方法[ジャーナ
ル・オブ・オルガニック・ソサイアティ(J.Org.
Chem.)第46巻19頁(1981年)]、硝酸を
用いる方法(特開昭59−190945公報)、オゾン
を用いる方法[ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカ
ル・ソサイアティ(J.Am.Chem.Soc. )第
81巻4273頁(1959年)]等が知られている。
本発明の一般式(5)で表される脂環式シス−ジカルボ
ン酸の製造には、これら公知の酸化開裂反応をそのまま
採用することができる。
々検討したところ、酸化剤として過マンガン酸塩、重ク
ロム酸塩または硝酸を用いる方法では、一般式(5)で
表される脂環式シス−ジカルボン酸の収率は低かった。
一方、酸化剤として過ヨウ素酸塩を用いる方法及びオゾ
ンを用いる方法では、いずれも一般式(5)で表される
脂環式シス−ジカルボン酸を高収率で得られることが判
明したが、反応処理が繁雑であったり、あるいは反応試
薬が高価であったりして工業的製造の見地から不利であ
ることもわかった。
いて、鋭意検討を重ねた結果、酸化剤として過マンガン
酸塩を用い、酸性条件下で酸化反応を行えば、極めて高
収率で一般式(5)で表される脂環式シス−ジカルボン
酸が得られることを新たに見出した。かかる新たな本発
明の酸化開裂反応を利用した一般式(5)で表される脂
環式シス−ジカルボン酸の製造方法は、通常酸化開裂反
応が行われるアルカリ〜中性条件下を、過マンガン酸塩
の酸化力が増大する酸性条件下とすることによりなされ
たものである。以下、一般式(5)で表される脂環式シ
ス−ジカルボン酸の製造について、かかる新たな本発明
の酸化開裂反応について説明する。
しては、過マンガン酸カリウムが一般的である。過マン
ガン酸塩の使用量は、酸化開裂反応が化学量論的反応で
あるため、一般式(4)で表される脂環式モノオレフィ
ン1モルに対して、通常1モル当量以上、好ましくは、
2〜4モル当量使用するのがよい。
硫酸、塩酸、酢酸、硝酸などの各種の無機酸や有機酸が
用いられる。これら酸のなかでも、酸による分解物の生
成が少なく、安価な点から硫酸、塩酸などの無機酸が好
ましい。これらの酸は、水で希釈して水溶液として使用
してもよく、希釈せずにそのまま使用してもよい。かか
る酸の使用量は、一般式(4)で表される脂環式モノオ
レフィン1モルに対して、通常、0.2〜3モル当量、
好ましくは0.4〜2モル当量の範囲で用いられる。
0.2モル当量に満たない場合には低収率となり、3モ
ル当量を越える場合には酸による分解物が副生するた
め、いずれの場合も好ましくない。
としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定され
ず、たとえば、水、アセトン;テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪
族炭化水素類;メチルクロリド、ジクロロメタン、クロ
ロホルム等のハロゲン化炭化水素類等を使用できる。こ
れらの溶媒のなかでも、一般式(4)で表される脂環式
モノオレフィンと過マンガン酸塩の溶解性を考慮すれ
ば、水と有機溶媒の混合溶媒を一般式(4)で表される
脂環式モノオレフィン1重量部に対して1重量部以上用
いるのがよい。より好ましくは、水:アセトンの1:9
〜9:1(重量比)の混合溶媒を一般式(4)で表され
る脂環式モノオレフィン1重量部に対して3重量部以上
用いるのがよい。
式(4)で表される脂環式モノオレフィン、過マンガン
酸塩及び酸は一括して最初から溶媒とともに仕込んで反
応させてもよく、それぞれを連続的若しくは断続的に系
内に加えながら反応させてもよい。また、過マンガン酸
塩のみを先に溶媒に溶解若しくは懸濁させておき続いて
一般式(4)で表される脂環式モノオレフィン及び酸を
連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよ
く、一般式(4)で表される脂環式モノオレフィンのみ
を先に溶媒に溶解若しくは懸濁させておき続いて過マン
ガン酸塩及び酸を連続的若しくは断続的に系内に加えて
反応させてもよい。さらには、一般式(4)で表される
脂環式モノオレフィン及び酸を先に仕込んでおき続いて
過マンガン酸塩を連続的若しくは断続的に系内に加えて
反応させてもよく、過マンガン酸塩及び酸を先に仕込ん
でおき続いて一般式(4)で表される脂環式モノオレフ
ィンを連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させて
もよく、一般式(4)で表される脂環式モノオレフィン
及び過マンガン酸塩を先に仕込んでおき続いて酸を連続
的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよい。
しくは0〜40℃とするのがよい。反応時間は、一般式
(4)で表される脂環式モノオレフィンと過マンガン酸
塩の量論比及び反応温度に依存するが、通常2〜24時
間とするのがよい。
ス−ジカルボン酸ジエステルは、得られた一般式(5)
で表される脂環式シス−ジカルボン酸をp−トルエンス
ルホン酸や硫酸等の酸触媒存在下、炭素数1〜4の1価
アルコールでエステル化するといったごく一般的な方法
により容易に得ることができる。1価アルコールの具体
例としてはメタノール、エタノール、n−またはiso
−プロパノール、n−、sec−またはtert−ブタ
ノール等があげられる。なお、エステル化は、通常、1
価アルコール中で行い、1価アルコールは、一般式
(5)で表される脂環式シス−ジカルボン酸の3重量倍
が必要とされる。
ス−ジオール化合物は、前記で得られた一般式(6)で
表される脂環式シス−ジカルボン酸ジエステルを水素化
触媒の存在下に接触水素還元することにより得ることが
できる。水素化触媒としては、銅・クロマイト触媒、白
金・スズ触媒、ロジウム・スズ触媒、ルテニウム・スズ
触媒、パラジウム・亜鉛触媒等があげられるが、これら
のなかでも銅クロマイト触媒が好ましい。ジエステル化
合物から対応するジオール化合物への接触水素還元に、
触媒として銅・クロマイトを用いることは古くから知ら
れており[例えば、オルガニック・リアクション(Or
g.React.)第8巻1〜27頁(1954
年)]、工業的にもいろいろなグレードの銅クロマイト
触媒が使用されている。銅・クロマイト触媒は、市販さ
れているものをそのまま単独で用いてもよいし、これに
他のスズ、ロジウム、モリブデン、パラジウム、鉄等の
金属系の還元触媒を助触媒として混合・調製して用いて
もよい。
手段をそのまま採用できる。水素化触媒の使用量は、通
常、一般式(6)で表される脂環式シス−ジカルボン酸
ジエステルに対して、0.01重量%〜15重量%の範
囲で用いられる。この範囲より少ないと還元に長時間を
要し、また多いと副反応を並発する恐れがあり工業的製
造の見地から好ましくない。
用する溶媒は、反応に不活性な溶媒であれば特に制限は
なく、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメ
ン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン
等の脂肪族炭化水素、その他アルコール系溶媒、エーテ
ル系溶媒等を使用できる。溶媒の使用量は、一般式
(6)で表される脂環式シス−ジカルボン酸ジエステル
1重量部に対して0.1〜50重量部の範囲で用いるの
が好ましい。
は、常圧以上であればよい。通常は、10kg/cm2
以上とするのがよい。銅・クロマイト触媒を使用する場
合には100kg/cm2 以上とするのが好ましい。よ
り好ましくは200kg/cm2 以上である。これらよ
り圧力が低いと接触水素還元反応の進行が極めて遅く工
業的製造の見地から不利になってくる。また、反応温度
は、副反応を並発しなければ高温である程反応の進行が
速く工業的製造の見地から有利であるが、通常100〜
300℃の範囲で行うのがよい。好ましくは、170〜
300℃の範囲で行うのがよい。反応器は、一般の接触
水素還元に用いる耐圧反応器であれば特に制限はない。
ランス−ジオール化合物の製造方法について説明する。
一般式(3)で表される脂環式トランス−ジオール化合
物は、前記一般式(6)で表される脂環式シス−ジカル
ボン酸ジエステルに、触媒として金属アルコキシド類を
作用させ、エステル基が互いにトランスの立体配置の関
係になるように異性化して、前記一般式(7)で表され
る脂環式トランス−ジカルボン酸ジエステルとした後、
さらにこれを水素化触媒存在下に、接触水素還元するこ
とにより得ることができる。
を作用させることにより、容易に、しかも高収率で起こ
る。一般に、カルボニル基のα位に水素をもつ化合物
は、塩基性触媒の存在下で“ケト−エノレ−ト”型の速
い平衡をもつことは知られており、本発明の異性化反応
はこのことを応用した手法であるが、本発明のような多
環式脂肪族化合物に置換したジエステル基のシス−トラ
ンスの異性化に利用した例はなく、かかる本発明の異性
化は本発明者らが初めて見出したものである。なお、本
発明者らは前記異性化反応の触媒として、水酸化ナトリ
ウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物やリチ
ウムジイソプロピルアミド(LDA)等のアルカリ金属
アミド類を試みたが、上記のアルコキシド系触媒と比較
すると異性化率が低くかったり、副反応を併発したりし
て好結果をもたらすことができなかった。
金属アルコキシド類としては、例えばリチウム、ナトリ
ウムまたはカリウム等のアルカリ金属のメトキシド、エ
トキシド、n−プロポキシド、iso−プロポキシド、
n−ブトキシド、sec−ブトキシド、tert−ブト
キシド、ペントキシド等があげられる。これらのアルカ
リ金属アルコキシドは、別途に合成されたものを用いて
もよく、本異性化反応の同じ系内で合成して用いてもよ
い(例えば、異性化反応に用いる溶媒中、または該反応
に不活性で適当な溶媒中でアルコールとアルカリ金属も
しくはアルカリ金属水素化物とを反応させて合成し、そ
のままその溶液を反応に用いる。)。また、これらの金
属アルコキシド類は、それぞれ単独で使用してもよく、
複数の該アルコキシドを混合して使用してもよい。触媒
の使用量は、特に制限はないが、一般式(6)で表され
る脂環式シス−ジカルボン酸ジエステル1モルに対して
0.05〜0.5モル当量の範囲で使用するのが好まし
い。触媒量が0.05モル当量より少ない場合は、異性
化が起こらないか若しくは進行が極めて遅く実用的では
ない。また、0.5モル当量より多いと、触媒が強アル
カリ性のためいろいろな副反応を併発する危険性がでて
くる。
可能であるが、通常は適当な溶媒を用いる方がよい。使
用する溶媒としては、一般式(6)で表される脂環式ト
ランス−ジカルボン酸ジエステルを完全にまたは部分的
に溶解する事ができ、反応に不活性であれば特に制限は
ない。かかる溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、
ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;メタノール、エタノー
ル等のアルコール類等の有機溶媒があげられる。好まし
くはテトラヒドロフランやジオキサン等のエーテル類等
の非プロトン性の有機溶媒がよい。また、これらの溶媒
は、市販されているものをそのまま使用しても充分に好
結果は得られるが、単蒸留若しくは脱水蒸留したものを
用いると一層よい。
℃、好ましくは−10〜50℃とするのがよい。反応時
間は、上述してきたような条件下では速やかに異性化が
完了する。従ってほとんどの場合5時間以内で充分であ
る。
ランス−ジオール化合物は、前記一般式(7)で表され
る脂環式トランス−ジカルボン酸ジエステルを、水素化
触媒存在下に、接触水素還元することにより得ることが
できる。接触水素還元の各種反応条件は、先に記載した
一般式(6)で表される脂環式シス−ジカルボン酸ジエ
ステルを接触水素還元して、一般式(2)で表される脂
環式シス−ジオール化合物を製造した条件をそのまま適
用できる。
化合物及びその製造方法が提供される。かかる本発明の
脂環式ジオール化合物は光学材料、構造材料などのポリ
エステル、ポリカーボネートの原料や、添加剤として有
用である。特に、官能基であるヒドロキシルメチル基
が、ビシナル炭素上に結合していないため、脂環式ポリ
エステル等の原料として使用する場合に立体障害が生じ
にくい。また、本発明によれば一般式(2)で表される
シス体、または一般式(3)で表されるトランス体のみ
を選択的に製造できるため、シス体またはトランス体の
脂環式骨格のみをポリエステル等のポリマー中に導入で
きる。なお、本発明の新規な脂環式ジカルボン酸及びそ
のジエステルは、一般式(1)で表されるようにシス体
またはトランス体にとらわれずにラセミ体として使用で
きることはもとよりである。
的に説明するが本発明はこれらの実施例のみに何ら限定
されるものではない。また、各脂環式ジオール化合物の
物性値、スペクトル等の測定には次の装置を使用した。
((株)ヤナコ機器開発研究所製)。 NMR:BRUKER ARX300(ブルカー社
製)。 IR:FT−IR FTS−7(バイオ・ラッド社
製)。 元素分析:エレメンタルアナライザー 2400CHN
(パーキンエルマー社製)。
−シス−3, 5−ジカルボン酸ジメチル(一般式(6)
で表される脂環式シス−ジカルボン酸ジエステルで、n
が0、Rがメチル基)の合成 撹拌機、冷却器、温度計、滴下ロートを備えた5Lセパ
ラブルフラスコにアセトン2L、水700mL、硫酸3
5.5mL(0.67モル)、過マンガン酸カリウム3
02g(1.91モル)を仕込み、10〜15℃で撹拌
しながらテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]
−3−ドデセン(一般式(4)で表される脂環式モノオ
レフィンで、nが0)103g(0.64モル)を1時
間かけて滴下し、更に室温で24時間反応を行った。そ
の後、反応混合物より生成した二酸化マンガンを除去し
た後、濾液を減圧濃縮し、脂環式シス−ジカルボン酸
(一般式(5)で、nが0)の粗結晶99gを得た。ジ
メチルスルホキシド(DMSO)110mL、水90m
Lの混合溶媒から再結晶し、融点=250〜255℃の
白色結晶85gを得た。
Lセパラブルフラスコに、上記で得られた脂環式シス−
ジカルボン酸(一般式(5)で、nが0)85g(0.
38モル)、p−トルエンスルホン酸4.3g(22m
モル)、メタノール850mLを仕込み、12時間メタ
ノール還流温度でエステル化した。反応終了後、メタノ
ールを減圧留去し、95gの淡黄色粉末を得た。これを
メタノールから再結晶を行い、融点=98〜100℃の
白色結晶86gを得た(原料脂環式モノオレフィンから
の収率53モル%、以下単に%という)。この結晶は 1
H−NMR、13C−NMR、IRにより同定し、目的の
トリシクロ[5.2.1.02,6 ]ペンタデカン−シス
−3, 5−ジカルボン酸ジメチルであることを確認し
た。
2,6 ]ペンタデカン−シス−3, 5−ジメタノール(一
般式(2)で表される脂環式シス−ジオール化合物で、
nが0)の合成 電磁撹拌機を備えた300mLオートクレーブに、実施
例1(i)で得られたトリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]ペンタデカン−シス−3, 5−ジカルボン酸ジメ
チル30g(0.12モル)、ジオキサン150mL及
び銅クロマイト0.5gを仕込み、続いて水素ガスで系
内を充分に置換した後、200kg/cm2の水素ガス
を仕込み、200℃で20時間撹拌した。反応終了後、
系を60℃以下まで冷却し、触媒をろ別し、ジオキサン
を減圧留去した。得られた淡黄色粉末をメタノール・酢
酸エチル混合溶媒で再結晶し、融点115〜117℃の
白色結晶19.8g(収率85%)を得た。この結晶は
1H−NMR、13C−NMR、IRにより同定し、目的
のトリシクロ[5.2.1.02,6 ]ペンタデカン−シ
ス−3, 5−ジメタノールであることを確認した。以下
に、スペクトルデ−タを示す。
(q,1H)、1.04(dt, 1H)、1.09(d
d,2H)、1.21(dt, 1H)、1.36−1.
48(m, 4H)、1.82(dt, 1H)、2.11
(dt, 2H)、2.23(bs, 2H)、2.22−
2.36(m, 2H)、3.67(bt,2H)、3.
76(bt, 2H)(ppm)。
5、49.48、44.97、36.27、35.2
6、29.32(ppm)。
868、1479、1458、1082、1037、1
012(cm-1)。
−トランス−3, 5−ジカルボン酸ジメチル(一般式
(7)で表される脂環式トランス−ジカルボン酸ジエス
テルで、nが0、Rがメチル基)の合成 撹拌機、温度計、滴下漏斗、及び窒素導入管を備えた5
00mLの四つ口フラスコに、実施例1(i)で得られ
たトリシクロ[5.2.1.02,6 ]ペンタデカン−シ
ス−3, 5−ジカルボン酸ジメチル55.0g(0.2
18モル)、テトラヒドロフラン300mL、カリウム
tert- ブトキシド4.80g(0.043モル)を
仕込み、0℃で2時間撹拌した。水20mLを加えてク
エンチした後、反応混合物を約100mLに減圧濃縮
し、さらに、水300mL、酢酸エチル300mLで分
液抽出を行った。得られた有機層を水洗したのち減圧濃
縮し、54gの淡黄色固体を得た。この固体をメタノー
ルから再結晶し、融点=57〜59℃の白色結晶49g
を得た(収率89%)。この結晶は 1H−NMR、13C
−NMR、IRにより同定し、目的のトリシクロ[5.
2.1.02,6 ]ペンタデカン−トランス−3, 5−ジ
カルボン酸ジメチルであることを確認した。
2,6 ]ペンタデカン−トランス−3, 5−ジメタノール
(一般式(3)で表される脂環式トランス−ジオール化
合物で、nが0)の合成 電磁撹拌機を備えた300mLオートクレーブに、実施
例2(i)で得られたトリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]ペンタデカン−トランス−3, 5−ジカルボン酸
ジメチル30g(0.12モル)、ジオキサン150m
L及び銅クロマイト0.5gを仕込み、続いて水素ガス
で系内を充分に置換した後、200kg/cm2 の水素
ガスを仕込み、200℃で20時間撹拌した。反応終了
後、系を60℃以下まで冷却し、触媒をろ別し、ジオキ
サンを減圧留去した。得られた淡黄色粉末をメタノール
・酢酸エチル混合溶媒で再結晶し、融点125〜130
℃の白色結晶18.5g(収率79%)を得た。この結
晶は 1H−NMR、13C−NMR、IRにより同定し、
目的のトリシクロ[5.2.1.02,6 ]ペンタデカン
−トランス−3, 5−ジメタノールであることを確認し
た。以下に、スペクトルデ−タを示す。
(q,1H)、0.91(d, 1H)、0.98(d
d,2H)、1.32(d, 1H)、1.40−1.4
9(m,4H)、1.42(s, 2H)、1.65−
1.71(m, 1H)、1.98(s, 2H)、3.2
9−3.43(m, 4H)、4.35(t, 2H)(p
pm)。
7、51.29、47.52、39.53、34.5
0、32.82、28.27(ppm)。
873、1476、1452、1091、1056、1
013(cm-1)。
9,13]ペンタデカン−シス−10, 12−ジカルボン酸
ジメチル(一般式(6)で表される脂環式シス−ジカル
ボン酸ジエステルで、nが1、Rがメチル基)の合成 撹拌機、冷却器、温度計、滴下ロートを備えた5Lセパ
ラブルフラスコにアセトン2L、水700mL、硫酸3
5.5mL(0.67モル)、過マンガン酸カリウム3
02g(1.91モル)を仕込み、10〜15℃で撹拌
しながらヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .1
10,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン(一般式
(4)で表される脂環式モノオレフィンで、nが1)1
44g(0.64モル)を1時間かけて滴下し、更に室
温で24時間反応を行った。その後、反応混合物より生
成した二酸化マンガンを除去した後、濾液を減圧濃縮
し、脂環式シス−ジカルボン酸(一般式(5)で、nが
1)の粗結晶151gを得た。ジメチルスルホキシド
(DMSO)140mL、水115mLの混合溶媒から
再結晶し、融点=256〜258℃の白色結晶125g
を得た。
Lセパラブルフラスコに、実施例3(i)で得られた脂
環式シス−ジカルボン酸(一般式(6)で、nが1)1
25g(0.43モル)、p−トルエンスルホン酸4.
83g(25.3mモル)、メタノール1.2Lを仕込
み、12時間メタノール還流温度でエステル反応を行っ
た。反応終了後、メタノールを減圧留去し、138gの
淡黄色粉末を得た。これをメタノールから再結晶を行
い、融点=142〜143℃の白色結晶127gを得た
(収率62%)。この結晶は 1H−NMR、13C−NM
R、IRにより同定し、目的のペンタシクロ[6.5.
1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン−シス−1
0, 12−ジカルボン酸ジメチルであることを確認し
た。
3,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン−シス−10, 1
2−ジメタノール(一般式(2)で表される脂環式シス
−ジオール化合物で、nが1)の合成 電磁撹拌機を備えた300mLオートクレーブに、実施
例3(i)で得られたペンタシクロ[6.5.1.1
3,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン−シス−10, 1
2−ジカルボン酸ジメチル38.2g(0.120モ
ル)、ジオキサン150mL及び銅クロマイト0.5g
を仕込み、続いて水素ガスで系内を充分に置換した後、
200kg/cm2 の水素ガスを仕込み、200℃で2
0時間撹拌した。反応終了後、系を60℃以下まで冷却
し、触媒をろ別し、ジオキサンを減圧留去した。得られ
た淡黄色粉末をヘキサンで再結晶し、融点125〜13
0℃の白色結晶22.3g(収率71%)を得た。この
結晶は 1H−NMR、13C−NMR、IRにより同定
し、目的のペンタシクロ[6.5.1.13,6 .0
2,7 .09,13]ペンタデカン−シス−10, 12−ジメ
タノールであることを確認した。以下に、スペクトルデ
ータを示す。
1.03(m,4H)、1.07(d, 1H)、1.2
3(d,1H)、1.41−1.49(m, 2H)、
1.62(s, 2H)、1.75−1.93(m, 4
H)、2.09(bs, 2H)、2.25−2.38
(m, 2H)、2.25(bs, 2H)、2.45
(d, 2H)、3.61(dd, 2H)、3.71(d
d, 2H)(ppm)。
2、50.12、44.55、43.51、41.3
3、39.69、36.68、35.79、31.18
(ppm)。
875、1484、1457、1017、903(cm
-1)。
9,13]ペンタデカン−トランス−10, 12−ジカルボ
ン酸ジメチル(一般式(7)で表される脂環式トランス
−ジカルボン酸ジエステルで、nが1、Rがメチル基)
の合成 撹拌機、温度計、滴下漏斗、及び窒素導入管を備えた1
Lセパラブルフラスコに、実施例3(i)で得られたペ
ンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペ
ンタデカン−シス−10, 12−ジカルボン酸ジメチル
86.0g(0.270モル)、テトラヒドロフラン5
00mL、カリウムtert- ブトキシド6.06g
(54.0mモル)を仕込み、0℃で2時間撹拌した。
水10mLを加えてクエンチした後、反応混合物を約1
00mLに減圧濃縮し、さらに、水400mL、酢酸エ
チル400mLで分液抽出を行った。得られた有機層を
減圧濃縮し、83gの淡黄色固体を得た。この固体をヘ
キサンから再結晶を行い、融点=52〜53℃の白色結
晶78.2gを得た(収率91%)。この結晶は 1H−
NMR、13C−NMR、IRにより同定し、目的のペン
タシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペン
タデカン−トランス−10, 12−ジカルボン酸ジメチ
ルであることを確認した。
3,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン−トランス−1
0, 12−ジメタノール(一般式(3)で表される脂環
式トランス−ジオール化合物で、nが1)の合成 電磁撹拌機を備えた300mLオートクレーブに、実施
例4(i)で得られたペンタシクロ[6.5.1.1
3,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン−トランス−1
0, 12−ジカルボン酸ジメチル38.2g(0.12
0モル)、ジオキサン150mL及び銅クロマイト0.
5gを仕込み、続いて水素ガスで系内を充分に置換した
後、200kg/cm2 の水素ガスを仕込み、200℃
で20時間撹拌した。反応終了後、系を60℃以下まで
冷却し、触媒をろ別し、ジオキサンを減圧留去した。得
られた淡黄色粉末をヘキサンで再結晶し、融点114〜
115℃の白色結晶23.5g(収率75%)を得た。
この結晶は 1H−NMR、13C−NMR、IRにより同
定し、目的のペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,
7 .09,13]ペンタデカン−トランス−10, 12−ジ
メタノールであることを確認した。以下に、スペクトル
デ−タを示す。
(q,1H)、0.91(d, 1H)、0.98(d
d,2H)、1.04(d, 1H)、1.38(d, 2
H)、1.44(d, 2H)、1.57(d, 1H)、
1.62−1.72(m, 3H)、1.66(bs, 2
H)、1.84−1.93(m, 3H)、2.10
(d,4H)、3.52−3.68(m, 4H)(pp
m)。
8、49.22、47.77、45.81、45.2
9、36.84、36.46、35.07、34.1
7、31.36(ppm)。
925、2886、2868、1481、1458、1
040、903(cm-1)。
ス−ジカルボン酸ジエステルは、得られた一般式(5)
で表される脂環式シス−ジカルボン酸をp−トルエンス
ルホン酸や硫酸等の酸触媒存在下、炭素数1〜4の1価
アルコールでエステル化するといったごく一般的な方法
により容易に得ることができる。1価アルコールの具体
例としてはメタノール、エタノール、n−またはiso
−プロパノール、n−、sec−またはtert−ブタ
ノール等があげられる。なお、エステル化は、通常、1
価アルコール中で行い、1価アルコールは、一般式
(5)で表される脂環式シス−ジカルボン酸の3重量倍
以上が必要とされる。
℃、好ましくは−10〜50℃とするのがよい。反応時
間は、上述してきたような条件下では速やかに異性化が
進行するので、従って、ほとんどの場合5時間以内で充
分である。
ス−3,5−ジカルボン酸ジメチル(一般式(6)で表
される脂環式シス−ジカルボン酸ジエステルで、nが
0、Rがメチル基)の合成 撹拌機、冷却器、温度計、滴下ロートを備えた5Lセパ
ラブルフラスコにアセトン2L、水700mL、硫酸3
5.5mL(0.67モル)、過マンガン酸カリウム3
02g(1.91モル)を仕込み、10〜15℃で撹拌
しながらテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン(一般式(4)で表される脂
環式モノオレフィンで、nが0)103g(0.64モ
ル)を1時間かけて滴下し、更に室温で24時間反応を
行った。その後、反応混合物より生成した二酸化マンガ
ンを除去した後、濾液を減圧濃縮し、脂環式シス−ジカ
ルボン酸(一般式(5)で、nが0)の粗結晶99gを
得た。ジメチルスルホキシド(DMSO)110mL、
水90mLの混合溶媒から再結晶し、融点=250〜2
55℃の白色結晶85gを得た。
Lセパラブルフラスコに、上記で得られた脂環式シス−
ジカルボン酸(一般式(5)で、nが0)85g(0.
38モル)、p−トルエンスルホン酸4.3g(22m
モル)、メタノール850mLを仕込み、12時間メタ
ノール還流温度でエステル化した。反応終了後、メタノ
ールを減圧留去し、95gの淡黄色粉末を得た。これを
メタノールから再結晶を行い、融点=98〜100℃の
白色結晶86gを得た(原料脂環式モノオレフィンから
の収率53モル%、以下単に%という)。この結晶は1
H−NMR、13C−NMR、IRにより同定し、目的
のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−シス−
3,5−ジカルボン酸ジメチルであることを確認した。
2,6]デカン−シス−3,5−ジメタノール(一般式
(2)で表される脂環式シス−ジオール化合物で、nが
0)の合成 電磁撹拌機を備えた300mLオートクレーブに、実施
例1(i)で得られたトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−シス−3,5−ジカルボン酸ジメチル
30g(0.12モル)、ジオキサン150mL及び銅
クロマイト0.5gを仕込み、続いて水素ガスで系内を
充分に置換した後、200kg/cm2の水素ガスを仕
込み、200℃で20時間攪拌した。反応終了後、系を
60℃以下まで冷却し、触媒をろ別し、ジオキサンを減
圧留去した。得られた淡黄色粉末をメタノール・酢酸エ
チル混合溶媒で再結晶し、融点115〜117℃の白色
結晶19.8g(収率85%)を得た。この結晶は1H
−NMR、13C−NMR、IRにより同定し、目的の
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−シス−
3,5−ジメタノールであることを確認した。以下に、
スペクトルデータを示す。
ランス−3,5−ジカルボン酸ジメチル(一般式(7)
で表される脂環式トランス−ジカルボン酸ジエステル
で、nが0、Rがメチル基)の合成 撹拌機、温度計、滴下漏斗、及び窒素導入管を備えた5
00mLの四つ口フラスコに、実施例1(i)で得られ
たトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−シス−
3,5−ジカルボン酸ジメチル55.0g(0.218
モル)、テトラヒドロフラン300mL、カリウムte
rt−ブトキシド4.80g(0.043モル)を仕込
み、0℃で2時間撹拌した。水20mLを加えてクエン
チした後、反応混合物を約100mLに減圧濃縮し、さ
らに、水300mL、酢酸エチル300mLで分液抽出
を行った。得られた有機層を水洗したのち減圧濃縮し、
54gの淡黄色固体を得た。この固体をメタノールから
再結晶し、融点=57〜59℃の白色結晶49gを得た
(収率89%)。この結晶は1H−NMR、13C−N
MR、IRにより同定し、目的のトリシクロ[5.2.
1.02,6]デカン−トランス−3,5−ジカルボン
酸ジメチルであることを確認した。
2,6]デカン−トランス−3,5−ジメタノール(一
般式(3)で表される脂環式トランス−ジオール化合物
で、nが0)の合成 電磁撹拌機を備えた300mLオートクレーブに、実施
例2(i)で得られたトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−トランス−3,5−ジカルボン酸ジメ
チル30g(0.12モル)、ジオキサン150mL及
び銅クロマイト0.5gを仕込み、続いて水素ガスで系
内を充分に置換した後、200kg/cm2の水素ガス
を仕込み、200℃で20時間撹拌した。反応終了後、
系を60℃以下まで冷却し、触媒をろ別し、ジオキサン
を減圧留去した。得られた淡黄色粉末をメタノール・酢
酸エチル混合溶媒で再結晶し、融点125〜130℃の
白色結晶18.5g(収率79%)を得た。この結晶は
1H−NMR、13C−NMR、IRにより同定し、目
的のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−トラ
ンス−3,5−ジメタノールであることを確認した。以
下に、スペクトルデータを示す。
Claims (7)
- 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (式中、nは0又は1を示す。)で表される脂環式ジオ
ール化合物。 - 【請求項2】 一般式(2): 【化2】 (式中、nは0又は1を示す。)で表される脂環式シス
−ジオール化合物。 - 【請求項3】 一般式(3): 【化3】 (式中、nは0又は1を示す。)で表される脂環式トラ
ンス−ジオール化合物。 - 【請求項4】 一般式(4): 【化4】 (式中、nは0又は1を示す。)で表される脂環式モノ
オレフィンを出発原料として、この二重結合部分を酸化
剤を用いて酸化開裂して、一般式(5): 【化5】 (式中、nは0又は1を示す。)で表される脂環式シス
−ジカルボン酸とし、次いでこれを炭素数1〜4の1価
アルコールでエステル化して、一般式(6): 【化6】 (式中、nは0又は1を示し、Rは炭素数1〜4のアル
キル基を示す。)で表される脂環式シス−ジカルボン酸
ジエステルとした後、さらにこれを水素化触媒存在下
に、接触水素還元することを特徴とする請求項2記載の
脂環式シス−ジオール化合物の製造方法。 - 【請求項5】 酸化剤として過マンガン酸塩を用いて、
酸性条件下で酸化開裂することを特徴とする請求項4記
載の製造方法。 - 【請求項6】 一般式(6): 【化7】 (式中、nは0又は1を示し、Rは炭素数1〜4のアル
キル基を示す。)で表される脂環式シス−ジカルボン酸
ジエステルに、触媒として金属アルコキシド類を作用さ
せ、エステル基が互いにトランスの立体配置になるよう
に異性化して、一般式(7): 【化8】 (式中、nは0又は1を示し、Rは炭素数1〜4のアル
キル基を示す。)で表される脂環式トランス−ジカルボ
ン酸ジエステルとした後、さらにこれを水素化触媒存在
下に、接触水素還元することを特徴とする請求項3記載
の脂環式トランス−ジオール化合物の製造方法。 - 【請求項7】 酸化剤として過マンガン酸塩を用いて、
酸性条件下で酸化開裂することを特徴とする請求項6記
載の製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06234172A JP3102282B2 (ja) | 1994-09-02 | 1994-09-02 | 脂環式ジオール化合物及びその製造方法 |
US08/522,711 US5670696A (en) | 1994-09-02 | 1995-09-01 | Alicyclic bifunctional compounds and processes for their preparation |
US08/796,344 US5808133A (en) | 1994-09-02 | 1997-02-07 | Alicyclic bifunctional compounds and processes for their preparation |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06234172A JP3102282B2 (ja) | 1994-09-02 | 1994-09-02 | 脂環式ジオール化合物及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0873387A true JPH0873387A (ja) | 1996-03-19 |
JP3102282B2 JP3102282B2 (ja) | 2000-10-23 |
Family
ID=16966802
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06234172A Expired - Lifetime JP3102282B2 (ja) | 1994-09-02 | 1994-09-02 | 脂環式ジオール化合物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3102282B2 (ja) |
-
1994
- 1994-09-02 JP JP06234172A patent/JP3102282B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3102282B2 (ja) | 2000-10-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3844789B2 (ja) | 新規脂環式ジオール及びその製造法 | |
JP3102282B2 (ja) | 脂環式ジオール化合物及びその製造方法 | |
JP2008133223A (ja) | エキソ型ヒドロキシテトラシクロドデカンカルボン酸類及びその製造方法 | |
US5808133A (en) | Alicyclic bifunctional compounds and processes for their preparation | |
JP3304638B2 (ja) | 脂環式ジカルボン酸及びそのエステル、並びにそれらの製造方法 | |
EP0144484B1 (en) | Dicyclopentadiene dicarboxylic acid derivatives and process for their preparation | |
JP3844790B2 (ja) | 新規な脂環式ジオール及びその製造方法 | |
JP4286745B2 (ja) | エキソ−多環式ラクトン(メタ)アクリレートの製造方法 | |
CN115433097B (zh) | 一种无金属制备4-丁氧基苯甲酸(2-二乙胺基乙基)酯的方法 | |
JP2004018422A (ja) | 脂環式スピロ酸二無水物及びその製造法 | |
JP4340817B2 (ja) | 脂環式ジオール及びその製造方法 | |
JP2721554B2 (ja) | ペルヒドロ‐1,4:5,8‐ジメタノナフタレン‐2,3‐ジメタノールの製造方法 | |
JP4862979B2 (ja) | 脂環式含酸素化合物及びその製造法 | |
JP3741224B2 (ja) | 脂環式トランス−ジカルボン酸ジエステルの製造方法 | |
JP3993427B2 (ja) | 脂環式ヒドロキシカルボン酸の製造方法 | |
JPH0356429A (ja) | 縮合環含有化合物の製造方法 | |
JP2001151728A (ja) | 脂環式ジカルボン酸誘導体の製造法及び脂環式ジカルボン酸誘導体 | |
JPH09249613A (ja) | 新規脂環式化合物及びその製造方法 | |
JP2733325B2 (ja) | オクタヒドロジメタノナフタレン環含有化合物の製造方法 | |
JP2005060257A (ja) | 光学活性ノルボルネンカルボン酸類の製造方法 | |
CN116730785A (zh) | 一种光促进合成酯类化合物的方法 | |
JPH08119939A (ja) | 高純度エーテル型ビスマレイミドの製造方法 | |
CN102718695B (zh) | 一种氮杂双环[3.3.0]辛烷衍生物的合成方法 | |
JPH10130253A (ja) | 新規な脂環式テトラカルボン酸二無水物、その中間体及びそれらの製造法 | |
JPH0399040A (ja) | オクタヒドロジメタノナフタレン環含有化合物の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080825 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080825 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090825 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090825 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090825 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100825 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100825 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110825 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110825 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120825 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120825 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130825 Year of fee payment: 13 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |