JPH087335B2 - 親水性プラスチック物品の着色方法 - Google Patents

親水性プラスチック物品の着色方法

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JPH087335B2
JPH087335B2 JP1285985A JP28598589A JPH087335B2 JP H087335 B2 JPH087335 B2 JP H087335B2 JP 1285985 A JP1285985 A JP 1285985A JP 28598589 A JP28598589 A JP 28598589A JP H087335 B2 JPH087335 B2 JP H087335B2
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    • B29D11/00894Applying coatings; tinting; colouring colouring or tinting
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明はレンズ製造作業においてインラインで着色工
程を行う親水性ソフトコンタクトレンズの着色に関す
る。
背景および先行技術 ソフトコンタクトレンズとして有用な親水性ポリマー
は、典型的には1つ以上のヒドロキシル基を含有するモ
ノマーから誘導された軽度に橋かけしたコポリマーであ
る。該ポリマーは、水和状態においては通常技術的に
「ヒドロゲル」と呼ばれ、非水和状態においては「キセ
ロゲル」と呼ばれる。キセロゲルは、具体的には溶解せ
ずに多量の水を吸収すなわち吸水膨潤させる能力を有す
る凝集性の三次元ポリマー構造または網目と定義され
る。現在、特に商業的に受け入れられている特定の種類
のポリマーはアクリル酸エステルから誘導されるポリマ
ーである。O.WichterleおよびD.Limに1961年3月28日に
与えられた米国特許第2,976,576号明細書ならびに1972
年6月20日に与えられた米国特許再第27,401号明細書
は、それぞれソフトコンタクトレンズとしてアクリル酸
エステルヒドロゲルを用いることを記載してある初期の
特許明細書である。以後の多くの特許明細書のみならず
他の技術論文も、主として含有するコモノマーの種類お
よび/または割合が異なる多数の他のアクリル酸エステ
ル系ヒドロゲルの調製を教示している。
一般に、アクリル酸エステルヒドロゲルは、すべて、
エステル部分が少なくとも1個の親水基を含む多量のア
クリル酸またはメチクリル酸の水溶性モノエステルおよ
び重合する際に親水基含有モノマーを橋かけさせる少量
のアクリル酸またはメタクリル酸の二官能ジエステルを
共重合させ、そして生成コポリマーを水和させることに
よって誘導される。
上記キセロゲル状のポリマー物質をレンズに機械加工
あるいは成形するのに種々の方法が用いられている。1
つの方法では、所望のモノマーを流し込型に入れ両方の
光学的表面を型の中で形成させるように、その型中でモ
ノマーと混合させた触媒によって重合を開始させる。別
の方法は、流し込型を用いて片方の光学的表面を形成さ
せ、次いで旋盤または他の機械加工手段を用いてもう1
方の光学的表面をカットすることを含む。米国特許第4,
188,353号明細書に、液状モノマーを容器の中に流し込
み、モノマーを重合させて容器内で非球面の光学的表面
を形成する固体を形成させ、そしてカットならびに研磨
作業の間、容器にレンズ物質を支持させながら固体レン
ズ物質上に第2の光学的表面をカトすることによる、プ
ラスチックの非球面レンズの製造方法が開示されてい
る。
前記方法のいずれにおいても、レンズを成形および/
または機械加工した後に、通常レンズを成形手段から取
り出し、さらに公知の方法によって、レンズをばり取り
し、洗浄し、研磨し、水和させ、殺菌し、検査し、かつ
包装する。水和は通常レンズを食塩水溶液中に数時間置
くことによって行う。或る最終用途の場合には、水和剤
は水性緩衝液であるとができ、水和のあとで生理食塩水
でレンズを平衡させることかできる。
近年、着色親水性ソフトコンタクトレンズの市場が開
発されてきた。着色は強烈な光から使用者を守るのに有
用であることができる。また、レンズは、目の本来の色
を強調するためだけでなく、時にはみにくい容貌を隠す
ための美容上の目的から着色することもある。
この種の物質の着色は、過酷な課題であった。着色剤
は最終製品の光学的性質に支障をきたすことなく含有さ
せなければならない。着色剤は貯蔵中およびオートクレ
ーブにかける際に浸出に耐えなければならず、またプラ
スチック物質の日常的な洗浄および殺菌に用いられる試
薬の存在下で分解してはならない。着色剤は長時間光に
曝して褪色してはならず、また無毒で生理的に安定であ
るばかりでなく物理的に炎症を超させないものでなけれ
ばならない。工業的見地から、着色剤は実際的でないほ
どには、複雑でないか、時間を要しないか、または労働
集約的ではない工程で用いられることが必要である。
ソフトコンタクトレンズの公知の工業的着色法は、最
終の水和状態のコンタクトレンズを製造し、それを包装
し、さらに製造工程の追加部分として、意図する着色手
段に付することに基づいている。この段階における着色
に関する技術の総説は欧洲特許出願第84302443.1号、公
告第0122771号明細書(1984年10月24日)に示されてい
る。この製造追加部分は、工程全体の時間と複雑さを増
し、特にソフトコンタクトレンズのマスクされた部分に
着色する場合には、製造の前段階で行われた工程の重複
と繰返しをもたらした。一旦レンズを水和させると、最
乾燥工程によってレンズはもろくなり過ぎて細工(たと
えば加工)できなくなるので、さらに加工するためにキ
セロゲルに戻すことはできず、レンズを染色する最良の
場所は水和の間であるというのが常識である。従って、
加工の間にレンズを染色するのは不可能であると考えら
れていた。
本発明の目的は、ヒドロゲル物質の着色を一貫製造工
程の一部として行い、それによって製造時間のみなら
ず、労力および材料の費用の大幅に減少させる方法を提
供することである。
本発明の別の目的は、色品質および形状再現性という
点から価値の高い着色物質を製造することである。
他の目的および利点は以下の記述ならびに実施例から
明らかとなろう。
発明の要約 本発明は、親水性物質を、キセロゲル状態にある間に
着色することができるという発見に基づいている。すな
わち、着色作業は、製造工程の初期の段階で、ポリマー
物質を水和させる前に行うことができる。着色物質をこ
の初期の段階で適用させることは、製造工程の正確さな
らびに再現性を改善するだけでなく最終製品の品質を高
めることが見出された。さらに、まだ水和していない間
にポリマーを着色することは、着色工程を別個の、次の
製造工程として残して置くのではなくて、一貫製造工程
の部分として組込むことができるようにする。従って、
この発見は親水性プラスチック物質の反覆処理を著しく
低減させ、はじめて全工程の自動化をして効率的にでき
るものである。上記において有用と認められた着色剤
は、水和していないポリマー物質の細孔内に不溶性染料
として沈澱させることができる可溶化建染染料前駆物質
である。
従って、本発明は、概括的な言葉では、キセロゲル状
のプラスチック物質を調製し、該物質がまだ水和してい
ない状態にある間に、前記物質の細孔に可溶化建染染料
を含浸させ、次いで前記細孔内に不溶性建染染料を沈澱
させる工程よりなる着色親水性プラスチック物品の製造
方法ということができる。着色親水性プラスチック物質
は技術上の慣例のように研磨し、仕上げ、(所望の含水
量まで水和させて)殺菌し、さらに検査し、包装するこ
とができる。
本発明の好適な態様は、カップ状容器のように成形さ
れたアーバーを有する流し込型を用意し、該容器にレン
ズ形成性モノマー液体を充填し、該液体を重合させて前
記カップ状容器の底部によって形成させた1つの光学的
表面を有するレンズブランクを生成させ、前記流し込型
を精密マンドレル上に取付けてある間に前記ブランクに
第2の光学的表面を生成させ(たとえば加工し)、該ブ
ランクの細孔に可溶化建染染料前駆物質の分散液を含浸
させさらに該細孔内に不溶性建染染料を沈澱させ、まだ
前記流し込型に取付けてある間前記建染染料沈澱の前後
にブランクを洗浄し、該ブランクを乾燥して実質的にキ
セロゲルの状態に戻し、ばり取りし、該ブランクをさら
に処理して着色水和ソフトコンタクトレンズに変え、次
いで該レンズを水和させる工程よりなる着色ソフトコン
タクトレンズの一貫製造方法である。前記は好適な態様
であるけれども、たとえば旋盤がけ、流し込成形および
回転注型のようなあらゆる他の現在公知のレンズ形成法
の中のキセロゲル段階で該方法を用いることができる。
別の好適な態様においては、インラインで行う着色工
程は、適当な型の中に流し込んで第1の光学的表面を生
成させた後、前記物品の細孔に前駆物質として35゜乃至
85℃の範囲内の温度で可溶化建染染料分散液を含浸さ
せ、該物品を洗浄し、該物品の細孔中に水不溶性の建染
染料を沈澱させて該物品をもう1度洗浄し;該物品を実
質的に以前のキセロゲルの状態にまで乾燥し;該キセロ
ゲルの物品を包装した完全水和コンタクトレンズに変え
ることによって行われる。
発明の詳細な説明 本発明は概して親水性プラスチック物質の着色に適用
可能であるけれども、本発明の好適な適用は親水性ソフ
トコンタクトレンズの着色に関し、従って本発明を該適
用に基づいて記述する。
好適な態様においては、操作を研磨した凸面または凹
面の底部を有するカップ状の流し込型の中に光学的ブラ
ンクを流し込むことによって開始する。光学的ブランク
の注型においては、所望のモノマーおよび触媒を型の中
に注入し、重合すると、型の磨かれた凸面または凹面の
底部によって形成される光学的底面を有する固体ブラン
ク(ボタンと呼ばれることがある)が形成される。レン
ズブランクの第2の光学的表面を生成させるには、流し
込型を精密マンドレルを有するカッターに取り付け、旋
盤がけ、研磨またはレーザー加工によって所望のレンズ
表面形状を生成させる。
上記の操作において、流し込む液体はソフトコンタク
トレンズまたは他のヒドロゲルプラスチック物質の製造
用の技術的に公知の通常のモノマーおよびモノマー混合
物のうちの任意のものであることができる。たとえば、
前記米国特許第2,976,576号明細書および同再第27,401
号明細書に記載されているヒドロキシエチルメタクリレ
ートおよびエチレングリコールジメタクリレートモノマ
ー混合物だけでなく米国特許第3,503,393号明細書に記
載されているヒドロキシアルキルメタクリレートおよび
ビニルピロリドンも出発物質として使用することができ
る。特定の適当な出発物質には、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、グリセロールタメクリレート、グリシジルメタクリ
レート、メチルメタクリレート、ジメチルアミノエチル
メタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、コラーゲ
ン、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等があ
る。また、TEFILCON、PHEMFILCON、HEFILCON A、HEFILC
ON B、PERFILCON A、LIDOFICON B、TETRAFILCON A、DRO
XIFILCON A、OCUFILCON B、BUFILCON A、BUFILCON 45、
BUFILCON 55、CROFILCON A、DELTAFILCON A、ETAFILCON
AおよびPOLYMACONのようなポリマーとなるモノマー物
質も含まれる。
流し込型自体、上部がカップ状をしたアーバーを含む
ことができ、かつ重合条件下で必要な強度および安定性
を有し、光学的品質の表面を有するように成形させるこ
とができる熱可塑性物質よりなることができる。適当な
熱可塑性物質には、ポリエチレンおよびポリプロピレン
のようなポリオレフィン、NYLON 6およびNYLON 66のよ
うなナイロン、プロピレンコポリマー、ポリスルホン、
エチレンビニルアセテート等がある。金属または合金か
ら型をつくることも可能である。
レンズ形成性液体および触媒を流し込型に充填した
後、オーブン内での硬化またはU.V.およびマイクロウエ
ーブを含む放射線のような他の技術の使用および水なら
びにシリコーン油のような伝熱流体を有する欲の使用を
含む適当な公知の硬化条件の下で重合を開始させ、完了
させる。硬化後、前記のように、流し込型を精密カッタ
ーに取り付けて、得られたレンズブランクの前曲面のカ
ットおよび研磨を行う。
レンズブランクは、製造のこの段階において、まだ水
和されていない状態にある間、好ましくはまだ流し込型
のアーバーに取り付けてある間に、適当な着色物質の適
用によって着色することができることが本発明の特徴で
ある。これは、カットし、研磨したレンズを、ばり取
り、水和、平衡化、殺菌等のために流し込型から取り出
し、さらに次の別個の製造工程として、通常の着色装置
に取り付けて着色物質を適用させる従来の工程と対照的
である。
この段階で着色を行うことができるという発見は著し
い利点がある。丁度このときな、レンズは流し込型のア
ーバーの中の中心位置にあり、従ってこの中心位置に保
持する間にレンズを着色することは、着色を次の別個の
製造工程で行った場合にレンズを再び精密に中心合せを
するという従来必要であった余分の工程を省くというこ
とが理解されよう。従って、時間ならびに労力の可なり
の節約になるばかりでなく、着色レンズの再生産性を向
上させる。また、本発明のように乾燥状態でレンズを着
色する場合には、染料の強化カプセル封入が得られ、色
の濃い、品質の良好な製品が得られる。さらに、着色の
間に起るあらゆる有限のキセロゲルの水和または膨潤も
乾燥によって完全に変えることができ、そのためレンズ
の寸法上の変化はほとんど全く経験されない。従って、
まだ着色していないレンズをキセロゲルの状態から水和
させるのに用いる標準的な工程の一部としてレンズをば
り取りし、研磨し、水和させることができる。
この段階で着色を行うには、取付具、溜めおよびプラ
ンジャーを含む通常の着色装置をレンズにはめ、着色物
質を適用させる。本発明の目的のためには、まず染料前
駆物質として建染染料の可溶化ロイコ硫酸エステルの水
溶性分散液を適用して水和していないポリマー物質の細
孔に含浸させ、次いで適当な現象液を用いて細孔内に不
溶性染料を沈澱させることによって着色を行う。
好適な種類の建染染料はアントラキノン、アントロ
ン、インジゴイドおよびチオインジゴイドである。長年
にわたって多種類の有用な可溶化ロイコ硫酸エステルが
考案され、合成された。その多くのものは市販され、混
合物がいかなる所望範囲の色調も生成させるのに十分な
ほど多くの色を有している。下記の染料前駆物質が本発
明の実施に特に有用であることが知られているが、ただ
しいかなる意味においてもこの特定の選択に限定される
ものではない。
ジブロモジベンゾ(b,def)クリセン−7,14−ジオン 16,23−ジヒドロイナフト(2,3−a:2′,3′−i)ナフ
ト(2′,3′:6,7)インドロ(2,3−c)カルバゾール
−5,10,15,17,22,24−ヘキソン N,N′−(9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソ−1,5,アン
トラセン−ジイル)−ビスベンズアミド 6,6′−ジエトキシ−−2,2′−(3H,3′H)ビベンゾ
(b)チオフェン−3,3′−ジオン 7,16−ジクロロ−6,15−ジヒドロ−5,9,14,18−アント
ラジン−テトロン 16,17−ジメトキシジナフト(1,2,3−cd:3′,2′,1′−
1m)ペリレン−5,10−ジオン の各可溶化ロイコ硫酸エステル。
可溶化染料前駆物質は処理液中の十分に分散し、分散
液の粒子は十分に細かいことが望ましい。これを達成す
るための好ましいやり方は溶解に助けるための超音波振
動による水溶性分散液の生成を必要とし、染料の溶解を
最大にするために分散液を加熱することが通常必要であ
る。使用する可溶性ロイコ硫酸エステルの物理的特性に
よっては長時間の超音波処理を用いることができるが、
通常4分乃至5分で十分である。高温を用いる場合に
は、該温度は35℃乃至85℃にわたることができるが、40
℃乃至60℃が好ましく、ただし最適条件は個々の可溶化
ロイコ硫酸エステルごとに決められる。超音波処理およ
び適当な場合には加熱のあとで、大きすぎる粒子をすべ
て除去するように水溶性分散液を過することができ
る。
水溶性分散液を含む処理液を予め定められた条件下で
水和していないレンズに適用する。水不溶性凝集体をレ
ンズ表面下にレンズ全体の厚さの僅か約10%を形成させ
れば通常は十分である。着色によって付与される色は、
この段階で或る状態を観察することによって調節するの
が便利であろう。従って、色を濃くする可能な方法は、
好ましくは含浸水溶性分散液の0.01重量%乃至10重量%
であるロイコエステルの比率を高めることである。他の
方法は処理液に曝露する時間を増大させることである。
通常、15秒乃至2分曝露が好ましく、過度の時間を避け
るために、通常はロイコエステルの濃度を高めるのが好
ましいであろう。
含浸水溶性分散液への親水性ポリマーの曝露時間はポ
リマーから分散液を蒸留水で洗い落すことによって調節
することができる。ポリマー表面に付着している純水の
滴がポリマーから可溶化ロイコ硫酸エステルを抽出する
ことによって染料濃度の低い色の薄い滴をもたらすこと
ができる。極端な場合には、このことによって品質管理
検査によって可成りの比率の染着物体の不合格品を生じ
ることがある。この問題は、すべての残留水膜を均一で
最少にするように、純水洗浄の直ぐ後で洗浄剤洗浄を行
うことによって解消させることができる。良好と認めら
れている洗浄剤洗浄液はソフトコンタクトレンズ用のBa
rnes−Hind洗浄液であるが、他の液も使用できる。
レンズを染料前駆物質で処理し、さらに純水および界
面活性剤溶液で洗浄した後、レンズの細孔内に染料を不
溶性として沈澱させることによって染料をレンズに固着
させる。沈澱工程は2つの段階があり、第1は硫酸エス
テルの酸触媒加水分解による建染染料の対応するロイコ
すなわち還元型の生成である。この加水分解は酸がなく
ても起ることができるが、その条件では反応が遅いの
で、酸触媒の使用が好ましい。第2段階では、還元され
たロイコ型を酸化して建染染料とするが、これは単に空
気に曝露することによって達成することができるであろ
うし、また紫外線によって加速することもできるであろ
う。この2つの段階の操作は、たとえば亜硝酸酸化剤の
酸性触媒(たとえば酢酸または硫酸)溶液であることが
できる酸性酸化媒質の使用によって行うのが好ましい。
酸性触媒は0.1乃至30重量%の広範な濃度範囲で使用
することができるが、より一般的には1乃至5重量%で
ある。通常、酸性触媒および酸化剤は同一溶液に含ま
れ、染料前駆物質が既に浸透した親水性プラスチック物
品の洗浄部位に適当な濃度および適当な温度で適用され
る。
酸化剤が、好適な亜硝酸ナトリウムである場合には、
酸性触媒といっしょであるよりは染料前駆物質の水溶性
分散液中に含むのがよい。この方法は、現象液が貯蔵中
に有毒な三価の窒素を含むヒュームを発生することがあ
り得ずまた、建染染料を過度に酸化させる危険性も遥か
に少ないという利点を与える。この目的のために、水溶
性染料分散液中の酸化剤の濃度は0.1乃至20重量%が好
ましいが、より一般的には0.5乃至5重量%である。
建染染料を現像液で沈澱させる場合に、沈澱は明瞭な
色の変化を生じるのでプロセスの終点は明かである。終
点の認知を容易にするために、標準色の物品を比較のた
めに接近させて置くことができる。
上述のように着色操作が完了すると、親水性プラスチ
ック物質は一部水和するようになる。次の乾燥段階のば
り取り操作を容易にするために、温かい温度のオーブン
内に数分間置くことによってプラスチック物質上の水分
をすべて蒸発させることが必要である。
乾燥した着色レンズは、次に流し込型のアーバーから
取り外し、通常のようにばり取りし、研磨し、さらに、
研磨コンパウンドを除去し、かつまたゆるく付着してい
る染料粒子をすべて取除くために超音波洗浄浴に入れる
ことができる。
これに続いて、これも通常の方法によってレンズを水
和させる。生理食塩水中に12乃至18時間浸漬させてこれ
を行うのが好ましい。最後に、品質管理手段によってレ
ンズを精査し、適当なガラスの小びんに封入してたとえ
ば120℃で50分間オートクレーブにかけることができ
る。オートクレーブ処理は製品を殺菌し、かつヒドロゲ
ルマトリックス内の染料の凝集を助けるという2重の目
的を果たす。さらに、最終製品は包装、ラベル張りの準
備ができる。
以下の実施例は本発明の例証とさる特定の態様の述べ
る。部および百分率は特に断らなければ重量単位のもの
である。
実施例 1. カップ状容器のように成形したポリエチレン製流し込
型のアーバーに、溶剤としてエチレングリコール15ml中
にヒドロキシエチルメチクリレート(HEMA)95重量%お
よびエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)5
重量%を含むモノマー混合物15mlと過硫酸アンモニウム
6%水溶液0.05mlおよびメタ重亜硫酸ナトリウム12%水
溶液0.05mlを混合することにより調製した注型用液体を
満たす。流し込型をオーブン内に入れ、そこで約70℃で
12時間共重合を行わせる。次に重合したレンズブランク
を含む流し込型のアーバーを、レンズの心出しのために
精密マンドレルを有する旋盤に取付け、前曲面を生成さ
せ、次いで研磨する。
着色取付具、溜め、およびプランジャーを、まだ流し
込型のアーバーに取付けてある間にレンズにはめる。2.
0gの可溶化16,17−ジメトキシジナフト(1,2,3−cd:
3′,2′,1′−1m)ペリレン−5,10−ジオンを20mlの純
水中に十分に分散させる。この水溶性染料分散液を50℃
に加温した後、流し込型のアーバー中に水和していない
レンズブランクの1つの表面を30分間覆うように適用
し、その後過剰のものを純水で洗浄して除去する。
2mlの濃硫酸の50ml純水溶液に0.5gの亜硝酸ナトリウ
ムを加え、得られる亜硝酸現像液を、染料前駆物質で処
理の済んだプラスチックレンズに適用する。1.5分後、
アーバー中に含まれるレンズを純水で十分に洗浄する。
レンズは淡緑青色の淡い色調を得たことがわかる。水溶
性染料前駆物質分散液の接触時間を1.5分に増すことに
よって、淡緑青色の中間色を生成させることができ、該
時間を3.5分に延すことによってかなり黒ずんだ色調を
生成させることができる。
着色作業に続いて、レンズを55℃のオーブンに5分間
入れて、レンズを実質的にキセロゲル状態に戻し、さら
に流し込型のアーバーから取外してばり取りをし、研磨
して超音波洗浄にかける。
生理食塩水溶液中に一夜間浸漬してレンズを水和さ
せ、さらに殺菌し、検査し、包装し、ラベルを貼付す
る。
実施例 2. 商品名CSIと呼ぶレンズの製造に用いられるキセロゲ
ルボタンをアーバーに取付け、底部曲面をカットし、研
磨する。前部曲面をカットするためにレンズを再取付け
する。研磨後、レンズをアーバーから取外す。
レンズをドーム状の着色取付具に取付け;溜めおよび
プランジャーをレンズにはめる。1.00gmの可溶化16,17
−ジメトキシジナット(1,2,3−cd:3′,2′,1′−1m)
ペリレン−5,10−ジオンおよび0.6gmの可溶化N,N′−
(9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソ−1,5−アントラセ
ン−ジイル)−ビスベンズアミドをメタノール16mlおよ
び蒸留水24ml中に分散させる。この染料分散液を40℃に
加温した後、水和されていないレンズの片面を35秒間覆
うように適用し、その後過剰物を蒸留水および希釈した
Barnes−Hindコンタクトレンズクリーナーで洗浄して除
去する。
2ml濃硫酸50のml蒸留水溶液に亜硝酸ナトリウム0.5gm
を添加する。得られる亜硝酸溶液を染料前駆物質で処理
されたレンズに適用する。1.0分後、レンズを蒸留水で
洗浄する。レンズは黄緑色の薄い色調を得たことが認め
られる。
着色作業後、レンズを50℃のオーブンに入れてレンズ
の水分を蒸発させる。レンズをばり取りし、研磨しさら
に超音波洗浄にかける。
一夜間生理的食塩水溶液に浸漬することによってレン
ズを水和させ、さらに検査し、包装し、殺菌しかつラベ
ルを貼付する。
実施例 3. 成形された底部曲面を有するbufilcon55製ボタンを含
むアーバーを旋盤に取付ける。前部曲面をカットし、研
磨する。
着色取付具、溜めおよびプランジャーをレンズにはめ
る。1.8gmの可溶化7,16−ジクロロ−6,15−ジヒドロ−
5,9,14,18−アンドラジン−テトロンをメタノール4mlお
よび蒸留水36ml中に分散させる。この染料分散液を62℃
に加温した後、水和されていないレンズの片面を25秒間
覆うように適用し、その後蒸留水および希釈したBarnes
−Hindコンタクトレンズクリーナーで洗浄して過剰物を
除去する。
2ml濃硫酸の50ml蒸留水溶液に0.25gmの亜硝酸ナトリ
ウムを添加する。得られる亜硝酸溶液を、染料前駆物質
で処理したレンズに適用する。1.5分後、レンズを蒸留
水で洗浄する。レンズは青色の薄い色調を得たことが認
められる。
着色作業の後、レンズを50℃のオーブンに10分間入れ
て、レンズの水分を蒸発させる。レンズをばり取りし、
研磨しさらに超音波洗浄にかける。
レンズを一夜間生理食塩水溶液に浸漬して水和させ、
さらに検査し、包装し、殺菌しかつラベルを貼付する。
実施例 4. bufilcon45製ボタンをアーバーに取付ける。底部曲面
をカットし、研磨する。レンズを再取付けして前部曲面
を生成させ、さらに研磨する。まだアーバーに取付けて
ある間に、着色取付具、溜め、およびプランジャーをレ
ンズにはめる。1.650gmの可溶化N,N′−(9,10−ジヒド
ロ−9,10−ジオキソ−1.5−アントラセンジイル)−ビ
スベンズアミドをメタノール14mlおよび蒸留水26ml中に
分散させる。この染料分散液を32℃に加温した後、水和
していないレンズの片面を30秒間覆うように適用し、そ
の後、蒸留水および希釈したBarnes−Hindコンタクトレ
ンズクリーナーで洗浄して過剰物を除去する。
2ml濃硫酸の50ml蒸留水溶液に0.5gmの亜硝酸ナトリウ
ムを添加する。得られる亜硝酸溶液を、染料前駆物質で
処理したレンズに適用する。1.0分後、レンズを蒸留水
で洗浄する。レンズは黄色の薄い色調を得たことが認め
られる。
着色作業後、レンズを50℃のオーブン内に10分間入れ
て、レンズの水分を蒸発させる。レンズをばり取りし、
研磨し、さらに超音波洗浄にかける。
レンズを一夜間、生理食塩水溶液に浸漬して水和さ
せ、さらに検査し、包装し、殺菌しかつラベルを貼付す
る。
実施例 5 polymacon製ボタンをアーバーに取付ける。底部曲面
を形成させ、かつ研磨する。レンズを再取付して、前部
曲面を生成させる。研磨後、レンズをアーバーに取付け
たままにし、着色取付具、溜め、およびプランジャーを
レンズにはめる。2.2gmの可溶化16,23−ジヒドロイナフ
ト(2,3−a:2′3′−i)ナフタ(2′,3′:6,7)イン
ドロ(2,3−c)カルバゾール−5,10,15,17,22,24−ヘ
キソンをメタノール10mlおよび蒸留水10ml中に分散させ
る。この染料分散液を62℃に加温後、水和していないレ
ンズの片面を120秒間覆うように適用し、その後蒸留水
および希釈したBarnes−Hindコンタクトレンズクリーナ
ーで洗浄して過剰物を除く。
2ml濃硫酸の50ml蒸留水溶液に0.5gmの亜硝酸ナトリウ
ムを加える。得られる亜硝酸溶液を、染料前駆物質で処
理したレンズに適用する。1.0分後、レンズを蒸留水で
洗浄する。レンズは茶色の薄い色調を得たことが認めら
れる。
着色作業の後、レンズを50℃のオーブン内に入れてレ
ンズの水分を蒸発させる。レンズをばり取りし、研磨し
さらに超音波洗浄にかける。
一夜間、生理食塩水溶液に浸漬してレンズを水和さ
せ、さらに検査し、包装し、殺菌しかつラベルを貼付す
る。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a. モノマー物質をキセロゲル状態のコン
    タクトレンズ中間体物品に変え; b. 前記物品上に少なくとも1つの光学的表面を生成さ
    せ; c. 35゜乃至85℃の範囲の温度で前記物品の細孔に前駆
    物質の形の可溶化建染染料の分散液を含浸させ、該物品
    を洗浄し、該物品の細孔中に水不溶性の形の建染染料を
    沈澱させ、そして該物品をもう1度洗浄することによっ
    て該物品を着色し; d. 前記物品を乾燥して実質的に以前のキセロゲル状態
    にし; e. 前記物品をばり取り及び研磨し;そして f. 前記キセロゲル物品を包装された完全水和コンタク
    トレンズに変える: 工程よりなる、モノマーのレンズ形成物質を包装された
    完全水和コンタクトレンズに変える作業の間に着色工程
    をインラインで行う着色水和コンタクトレンズの製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記染料がアントラキノン、アントロン、
    インジゴイドおよびチオインジゴイド染料よりなる群か
    ら選ばれる建染染料である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記建染染料を酸化によって沈澱させる請
    求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】前記染料を酸性酸化媒質で沈澱させる請求
    項1記載の方法。
  5. 【請求項5】前記建染染料前駆物質を前記レンズの凸面
    に適用する請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】レンズの中心および縁をマスクしてほぼヒ
    トの虹彩の環状着色部分の周囲に透明な縁部を残す請求
    項1記載の方法。
  7. 【請求項7】カップ状容器のように形成されたアーバー
    を有する流し込型を備え、該容器にレンズ形成性モノマ
    ー液体を充填し、該液体を重合させて該カップ状容器の
    底部によって形成された1つの光学的表面を有するブラ
    ンクをつくり、前記流し込型が精密マンドレル上に取付
    けてある間に該ブランク上に第2の光学的表面を生成さ
    せ、該ブランクの細孔に可溶化建染染料前駆物質分散液
    を含浸させ、さらに該細孔内に不溶性建染染料を沈澱さ
    せることによって前記の得られたレンズを着色させ、ブ
    ランクが前記流し込型の中にまだ取り付けられている間
    前記建染染料の沈澱前後にブランクを洗浄し、該ブラン
    クを乾燥して実質的にキセロゲルの状態に戻し、ばり取
    りし、さらに該ブランクを着色水和ソフトコンタクトレ
    ンズに変えるようにさらに加工する工程よりなる着色水
    和ソフトコンタクトレンズの製造方法。
  8. 【請求項8】前記建染染料がアントラキノン、アントロ
    ン、インジゴイドおよびチオインジゴイド染料よりなる
    群から選ばれる請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】前記建染染料を酸化により沈澱させる請求
    項7記載の方法。
  10. 【請求項10】前記建染染料を酸性酸化媒質で沈澱させ
    る請求項7記載の方法。
  11. 【請求項11】キセロゲル状態の親水性プラスチックレ
    ンズ物質を調製し、該物質の細孔に可溶化建染染料前駆
    物質の分散液を含浸させ、該細孔内に前記建染染料を沈
    澱させ、前記物質を乾燥させ、ばり取り及び研磨し、さ
    らに該レンズ物質を水和させてヒドロゲル状態にする工
    程よりなる着色ソフトコンタクトレンズ製造方法。
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