JPH087203B2 - カテコールアミンの分析方法および分析装置 - Google Patents

カテコールアミンの分析方法および分析装置

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JPH087203B2
JPH087203B2 JP2157022A JP15702290A JPH087203B2 JP H087203 B2 JPH087203 B2 JP H087203B2 JP 2157022 A JP2157022 A JP 2157022A JP 15702290 A JP15702290 A JP 15702290A JP H087203 B2 JPH087203 B2 JP H087203B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は生体液中のカテコールアミンの分析方法に係
わり、特に試料生体液中の残存蛋白等の分析に不要な共
存成分を除去する分析方法並びに分析装置に関する。
[従来の技術] カテコールアミンはエピネフリン(E)、ノルエピネ
フリン(NE)、ドーパミン(DA)等の総称であり、副腎
髄質ホルモンや交感神経伝達物質として重要な働きをし
ている。そして、褐色細胞腫や交感神経芽細胞腫の診
断、治療効果の判定のために血液や尿などの生体液中の
カテコールアミンが測定されており、臨床医学的にも極
めて重要な要素である。
しかし、生体液中のカテコールアミンの濃度は低く、
その測定には高感度と高選択性を備えたものが要求され
る。こうした分析、測定に最も適したものとして高速液
体クロマトグラフィ(HPLC)が広く用いられている。
前記HPLCの検出方法には電気化学検出法や蛍光法が知
られているが、前者は特異性にやゝ欠けるので、カテコ
ールアミンと不要成分の分離検出が困難である〔臨事検
査,32,No.12,第1522〜1527頁(1988年11月)〕。
後者はトリヒドロキシインドール(THI)法とジフェ
ニルエチレンジアミン(DPE)法があるが、THI法はドー
パミン(DA)の感度が低く血中レベルの測定が困難であ
るためDPE法が一般に用いられている。
また、酸処理アルミナを用いてカテコール化合物を抽
出するアルミナ抽出法、陽イオン交換カラムによりアミ
ノ化合物等のイオンを吸着溶出させる陽イオン交換法、
硼酸ゲルを用いる硼酸ゲル法などがある。
[発明が解決しようとする課題] 前記方法によるカテコールアミンの回収率は、陽イオ
ン交換法が約85%、硼酸ゲル法が60〜80%、アルミナ抽
出法が60〜70%であり、いずれの方法も不十分であっ
た。
これらの方法においては、試料生体液の前処理(除蛋
白操作)による測定誤差も含まれている。こうしたカテ
コールアミンの分析には、試料生体液の保存方法も含め
多くの工程と複雑な操作が必要なために、高度に熟練し
たオペレータが求められていた〔ジャーナル オブ ク
ロマトグラフィ,344,第61〜70頁(1985年)〕。
前記従来技術は、いずれもカテコールアミンの回収率
が低く(85%以下)、再現性も悪いので高精度の分析法
としては不十分である。また前処理における蛋白の除去
(除蛋白率99%以上)が容易でなく、従って、カテコー
ルアミン回収率の最も高い前記陽イオン交換カラム法に
おいても、該カラムの充填剤がスチレン−ビニルベンゼ
ン系ポリマゲルであるため、該充填剤に試料生体液中の
残存蛋白が疎水結合によって吸着され、カテコールアミ
ンの完全な吸着を妨げるためにカテコールアミンの回収
率が向上しないと云う問題がある。
さらにまた、試料生体液中のカテコールアミン以外の
陽イオン性成分や中性物質を吸着して、クロマトグラム
上に不要なピークとなって現われ、カテコールアミンの
ピークと重なって分析を妨害するなどの問題がある。
本発明の目的は、プレカラムを用い、該カラムでの蛋
白や不要共存成分の吸着を防ぎ、これらのクロマトグラ
ム上のピークを低減してカテコールアミン分析の精度を
向上した分析方法、並びに該分析装置を提供することに
ある。
[課題を解決するための手段] 前記目的を達成する本発明の要旨は下記のとおりであ
る。
〔1〕 液体クロマトグラフィによる生体液中のカテコ
ールアミンの分析方法において、 試料生体液中の蛋白成分を限外ろ過膜を用いて遠心分
離により除く工程、 前記除蛋白試料生体液に必要量の誘導体(ラベル)化
試薬として1,2−ジフェニルエチレンジミン,フェリシ
アン化カリウム,モリブデン酸アンモニウムおよびアセ
トニトリルの混合物を添加し、該液中のカテコールアミ
ンをラベル化する工程、 前記ラベル化カテコールアミンを含む試料生体液を、
表面に疎水性基を有するメタクリレート系ポリマゲルを
充填したプレカラムに導入し、該ポリマゲルに前記ラベ
ル化カテコールアミンを吸着させ、分析の不要共存成分
を前処理液により洗浄,除去する工程、 溶離液により前記プレカラムに吸着されているラベル
化したカテコールアミンを離脱させ、有機シラン処理さ
れたシリカ系ゲルを充填剤とする分離カラムに導入する
工程、 前記分離カラムに吸着させたラベル化カテコールアミ
ンを、少なくともエピネフリン、ノルエピネフリン、ド
ーパミンの順に溶離液で展開し、順次、蛍光検出器によ
り検出する工程、 を含むことを特徴とするカテコールアミンの分析方法。
〔2〕 前記前処理液および/または溶離液が硼酸塩を
含み、前記前処理液のpHが6.5〜7.5である前記のカテコ
ールアミンの分析方法。
〔3〕 あらかじめ除蛋白された試料生体液中のカテコ
ールアミンをラベル化(誘導体化)試薬と反応させる恒
温手段を備えた反応容器と、 前記試料生体液中のラベル化カテコールアミンを吸着
し、共存不要成分を前処理液により分離除去し得る充填
剤が充填されたプレカラムと、 前記プレカラムの下流に設けられ、該プレカラムによ
って共存不要成分を除去した前記ラベル化カテコールア
ミンを吸着し、溶離液により少なくともエピネフリン、
ノルエピネフリン、ドーパミンを順次展開し得る充填剤
が充填された分離カラムと、 前記分離カラムから順次展開される前記分析成分を検
出する蛍光検出器を有し、 前記反応容器、プレカラム、分離カラムおよび蛍光検
出器は配管で連結されており、該配管はプレカラムおよ
び分離カラムに前記前処理液または溶離液を任意に導入
し得るよう切換弁を備え、 前記プレカラムの充填剤は、表面に炭素数1〜6のア
ルキル基またはフェニル基を有するメタクリレート系ポ
リマゲルであり、前記分離カラムの充填剤は有機シラン
処理したシリカ系ゲルであることを特徴とするカテコー
ルアミンの分析装置。
本発明においては、あらかじめ除蛋白した試料生体液
中の残存蛋白が、前処理用のプレカラムに吸着されない
ように該プレカラムの充填剤として、母材が親水性のメ
タクリレート系ポリマゲルの表面に疎水性基を有するゲ
ルを用いる。これによって疎水性の蛋白の吸着を防止し
た。即ち、プレカラムでカテコールアミンと残存蛋白成
分を分離したことにある。
前記メタクリレート系ポリマゲル表面の疎水性基とし
ては、炭素数1〜6個のアルキル基、フェニル基がよ
い。
なお、プレカラムは、ゲルろ過クロマトグラフィの原
理である、 VM=Vo+Vi (但し、VM:カラム内の全移動層容量 Vo:ゲル粒子外部容量 Vi:ゲル粒子内部容量) に基づき、その大きさを内径4mm×長さ10mmとした場
合、内容積VMは126μとなる。これによって、該ポリ
マゲルの粒径,ポアーサイズ等を選定し、前記残存蛋白
をはじめ不要成分物質の吸着を抑制することができる。
本発明の前記ポリマゲルとしては粒径5〜50μm、ポ
アーサイズ50〜500Åのものが好ましい。
[作用] クロマトグラム上のカテコールアミンのピークを妨害
するものが少ないのは、前記ポリマゲルの表面の疎水性
基が逆相クロマトグラフィと同様に作用しカテコールア
ミンを吸着、濃縮するためである。但し、上記疎水性基
は逆相クロマトグラフィで用いられる吸着ゲル、例え
ば、オクタデシルシラン化シリカゲルのように分子鎖が
大きくないので比較的低吸着能であるために、蛋白やそ
の他の不要成分物質の吸着が少なく、前処理液によって
容易に洗浄、除去できるためと考える。
[実施例] 本発明を実施例により具体的に説明する。
〔実施例1〕 まず、本発明の分析工程を示す。
工程1:生体液中のカテコールアミンの安定化 試料生体液としては、EDTA採血による血漿を用いた場
合について説明する。
初めに200mM硼酸バッファ(pH:7.3)、1mMアスコルビ
ン酸、1mM EDTAからなる液を調製し、該液600μを前
記試料生体液600μに加えて十分混合する。
工程2:除蛋白 上記工程1で得た試料溶液を分画分子量が1万の限外
ろ過膜(アミコン社製Centricon−10)を用いて遠心分
離(2000G,20分)を行い、ろ液をカテコールアミン分析
試料(以下サンプルと云う)とする。
工程3:カテコールアミンのラベル化 ラベル化(誘導体化)試薬として、20mM 1,2−ジフ
ェニルエチレンジミン(1,2−DPE),12mMフェリシアン
化カリウム,12mMモリブデン酸アンモニウムおよび40%
アセトニトリルからなる溶液を調製する。
該試薬50μと前記工程2で得たサンプル500μと
を混合し、45℃,3分間ラベル化反応を行い、速やかに次
の工程に移す。
工程4:プレカラムによる吸着,濃縮 前記工程3で得たラベレ化カテコールアミンを含むサ
ンプルをプレカラムに導入しプレカラム中の前記疎水性
基を有するアクリレート系ポリマゲル(三菱化成製:But
yl−CQP−30S,疎水性基がブチル基,ポアーサイズ300
Å)に吸着して濃縮すると同時に、不要な共存成分を前
処理液で洗浄,除去する。
なお、本実施例においてはプレカラムサイズは内径4m
m×長さ10mmである。また、サンプルの移送,吸着およ
び洗浄には50mM硼酸、0.1M NaCl、1mM EDTAから成る
前処理液を用いた。この前処理液をプレカラムに2ml流
し、サンプル中のラベル化カテコールアミンを濃縮する
と共に、不要成分を洗浄、除去した。
工程5:分析 前記プレカラムに吸着されているラベル化カテコール
アミンを、溶離液で分離展開してクロマトグラフィ分析
を行う。
本実施例の溶離液はアセトニトリル/メタノール/水
の容積比が5/2/5溶液〔50mM硼酸バッファ、10mMドデシ
ルスルホン酸ナトリウム(SDSと云う)〕を用いた。
なお、分離カラムは内径4.6mm×長さ80mmのものに、
シリカ−ODS(粒径3μm)を充填したものである。ま
た、送液流速は前処理液および溶離液共に1ml/分であ
る。
工程6:クロマトグラム 分離カラムで分離されたラベル化カテコールアミンは
蛍光々度計(日立製作所製:F−1050)により励起波長
(Ex)345nm,モニタ波長(Em)485nmで検出し、カテコ
ールアミンの定量分析を行った。
以上の方法で、NE,EおよびDAをそれぞれ1pM/mlを含む
標準サンプルを測定し、その測定値を用いて濃度計算す
る外部標準法によって求めた。
その結果、再現性を示すCV(標準偏差SD/平均値X)
値は4%以下、添加回収率96%以上と優れており、分析
に要する時間も3分以内と高速分析を行うことができ
た。なお、本実施例により得られたクロマトグラムを第
2図に示す。
〔実施例2〕 本発明のカテコールアミン分析装置の流路系統図の一
例を第1図に示す。
本システムは、オートサンプラ1と、データ処理装置
33を備えた分析部19とで構成されている。
オートサンプラ1のサンプルステージ3にはサンプル
ラック2が装着され、該サンプルラックには各種の試料
4と、蛍光ラベリング用の反応試薬5、内部標準溶液
6、標準サンプル7がそれぞれの容器に収納されて装着
されている。サンプルとしての血漿や尿などは予め前記
工程1,2で除蛋白処理したものを用いる。
また、サンプルステージ3の近傍には反応容器8、ノ
ズル洗浄槽9、ドレインポート10、注入ポート11が併設
されている。ノズル13の駆動機構12はX,Y,Z方向に自在
に駆動できる機能を有し、ノズル13を縦横上下自在に駆
動して、前記サンプルを始め各容器や各ポート上に移動
させることができる。
ノズル13はフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレ
ン)製の管14で三方弁15を介して、分注ポンプ16および
洗浄液17の容器に連結されている。
分注ポンプ16はパルスモータで駆動するシリンジポン
プを使用している。反応容器恒温槽18は反応容器8を所
定の温度に保つため温度センサを備え、また、サンプル
ステージ3には冷却装置が組込まれており、サンプルラ
ック2上のサンプルや試薬を低温で保持できるよう温度
センサと制御装置により温度制御される。
分析部19は、サンプルの濃縮と不純物除去を行なうプ
レカラム系、サンプル成分の分離を行なう分離カラム
系、検出器およびデータ処理部からなる。
プレカラム系では、前処理液20がポンプ21により一定
流速で送液され、サンプルインジェクタ22を経由してプ
レカラム23に流入する。サンプルインジェクタ22には、
オートサンプラ1の注入ポート11から注入されたサンプ
ルの所定量を計量して分析部に導入する計量管24が設け
られている。プレカラム23はその温度を所定温度に保持
する恒温槽が設けられている。
分離カラム系では、溶離液25がポンプ26により一定流
速で送液され、カラム切換バルブ28を経由して分離カラ
ム29に流入する。カラム切換バルブ28を切換えることに
より、溶離液はプレカラム23を経て流れ、プレカラムで
処理されたサンプルを分離カラム29に移送する。分離カ
ラム29は、所定の温度に保持する恒温槽が設けられてい
る。
検出器31は、分離カラム29から溶出するサンプル成分
の蛍光強度を測定する蛍光光度計でフローセル32を有し
ている。
データ処理部は、検出器31の測定結果を演算処理する
データ処理装置33、各種センサの測定値の演算処理,メ
モリおよび各部装置の制御を行なうCPU34、出力プリン
タ35、CRT36等を備えている。なお、切換コック37、38
は、前処理液20、溶離液25、ポンプ21、26内の液を必要
に応じて排出できるように設けられている。
第3図に分析工程のフローチャートを示す。該フロー
に基づき、本実施例の分析方法について述べる。
(1)反応容器洗浄 ノズル13を反応容器8の位置に移動し、分注ポンプ16
を駆動して洗浄液17を注入する。注入量は反応容器の容
量より多量に注入し、余剰の洗浄液はオーバーフローさ
せドレインポート10から排出する。以上の動作を数回
(例えば3回)繰り返し、反応容器8内を洗浄する。
管14内に空気が有る場合にはノズル13をドレインポー
ト10に移動し、洗浄液の吸入吐出を数回行なうことによ
りノズル内の空気を追い出す。
(2)サンプル分注 ノズル13を分析すべきサンプルが入った試料4の位置
に移動し、所定量のサンプルを吸入する。また、この
際、カラム等の装置全体の回収率の変動を補正するため
に、内部標準液6(本実施例では、イソプロテレノール
を使用)を同様の操作で吸入する。
ノズル13を反応容器8の位置に移動させ、吸入したサ
ンプルを反応容器8に分注する。
(3)ノズル洗浄 ノズル13をドレインポート10に移動し、洗浄液を吐出
して、ノズル内壁に付着しているサンプルを洗い出した
後、ノズル洗浄槽9に移動し槽内に降下させて、洗浄液
を吐出しノズル劣端外側を洗浄する。
(4)試薬分注混合 ノズル13をラベル化用の反応試薬5の位置に移動し、
該試薬を所定量吸入する。
ノズル13を反応容器8の位置に移動させ、吸入した反
応試薬を反応容器に注入し、先に注入したサンプルと混
合する。混合の方法は空気吐出による方法、外部からの
振動,攪拌等による方法があるが、低粘性液体であれ
ば、高速吐出することにより混合される。
(5)反応 上記サンプルと反応試薬の混合液を反応容器8内で所
定時間反応させ、サンプルの誘導体化(ラベル化)を行
なう。
(6)サンプル導入 前記反応が終了したラベル化サンプルは、ノズル13で
吸入し注入ポート11に移動してサンプルインジェクタ22
の計量管24に導入する。次いでサンプルインジェクタ22
を切換え、前処理液20を流入することによりラベル化サ
ンプルはプレカラム23に送られる。
(7)濃縮、洗浄 プレカラム23に移送されたラベル化サンプルは、前記
アクリレート系ポリマゲルによって吸着、濃縮させると
共に、分析の妨害となる残存蛋白等の不要成分物質を前
処理液を流すことによって排出口39から排出する。
(8)サンプル移送 カラム切換バルブ28を切換えて、流路40、41間にプレ
カラム23を連結し、溶離液25をプレカラム23を経由して
流すことにより、該プレカラムで濃縮されたラベル化サ
ンプルを離脱させ、分離カラム29に移送する。ラベル化
サンプルの全部が分離カラム29に移動した時点で、カラ
ム切換バルブ28を再び切換える(第1図に示す状態)
と、溶離液25はプレカラム23を経由せず直接分離カラム
29に流れ、プレカラム23には前処理液20が流れる。
(9)分離 溶離液25を分離カラム29に流し、目的のラベル化カテ
コールアミンを分離する。
上記ラベル化カテコールアミンの分離と並行して、プ
レカラム23に前処理液を流し、次のラベル化サンプルを
受け入れるための再生処理を行う。
(10)測定 分離カラム29により分離,溶出したラベル化カテコー
ルアミンの分析成分は、順次検出器31のフローセル32に
導入し蛍光強度を検出する。
(11)データ処理、出力 前記検出結果は、データ処理装置33で演算処理して各
成分の濃度を求め、CPU34によりCRT36およびプリンタ35
に上記演算データおよびクロマトグラムを出力する。
なお、標準サンプルの測定は、クロマトグラムフロー
チャートに基づき分析する。この場合クロマトグラムの
ピーク高さ,面積等から試薬の健全度を、ピークの形状
(割れ、リーディング、テーリング)でカラム,溶離液
の健全度を判定することができる。上記の結果がよけれ
ば未知サンプルの測定に移る。
なお、本実施例における蛍光ラベリングは、除蛋白し
たサンプル500μ、蛍光ラベリング用反応試薬450μ
および内部標準溶液50μを混合し、温度45℃,3分間行
った。また、前処理液および溶離液はそれぞれ1ml/分で
流入した。分析条件を第1表に示す。
また、分析結果のクロマトグラムを第4図に、同一サ
ンプルを用いた場合の再現性(CV値)と回収率を第2表
に示す。
第2表から明らかなように、本実施例においては、N
E,EおよびDAともにCV値2.5%以下、回収率98%以上と優
れている。
〔実施例3〕 カテコールアミン分析装置の他の一例の流路系統図を
第5図に示す。
実施例2では、第1図に示すように、前処理液および
溶離液の移送ポンプとして、それぞれポンプ21および26
を用いたが、本実施例ではこれらを一つのポンプ26′で
兼用した点が特徴である。
従って、前処理液20と溶離液25とはそれぞれの開閉弁
42と43とを交互に開閉して移送する。その他はほゞ実施
例2の第1図と同様である。
オートサンプラ1でラベル化されたサンプルは、注入
ポート11からサンプルインジェクタ22の計量管24に導入
される。サンプルインジェクタ22とカラム切換弁28を切
換えることにより、プレカラム23にラベル化サンプルが
移送される。その際、開閉弁42を開、同43を閉とするこ
とによって前処理液20を流入させ、残存蛋白等の不要成
分を洗浄除去する。
次に、カラム切換弁28を切換え、開閉弁42を閉、同43
を開とすることにより、溶離液25が流入して、プレカラ
ム23に吸着されているラベル化サンプルが分離カラム29
に移送され、分離カラムによって脱着、分離されたラベ
ル化カテコールアミンが検出器31に移送されて蛍光強度
が測定される。
本実施例においては、移送ポンプが一つで済み、前処
理液および溶離液の消費量が少なくてすむと云う効果が
ある。また、プレカラムの洗浄状態がクロマトグラムに
連続的に得られるので、分析結果の判定に好都合であ
る。
本実施例も前記実施例2と同じく除蛋白したサンプル
を用い、分析条件等も第1表と同様に行った。但し、プ
レカラムの充填剤として第3表に示すものを用いた。な
お、サンプルとしては、EDTA採決による血漿に、1pMの
カテコールアミンと内部標準液であるイソプロテレノー
ルを添加したものを用いた。
第3表の充填剤を充填したプレカラムを用いて処理し
たサンプルのクロマトグラムを第6図に示す。
第6図から明らかなように、Butyl−CQP−30Sを充填
剤とするプレカラムを用いた場合が最もよい分析結果を
示している。
これに対して、CQP−10、L−1180ではNEピークに不
要共存成分のピークが重なって分析精度が低下してい
る。また、CQP−30ではカテコールアミン類のピーク高
が低下しており、回収率が低いことを示している。
また、Phenyl−CQP−30Sは、Butyl−CQP−30Sに比べ
若干ノイズが大きい。
〔実施例4〕 Butyl−CQP−30Sを充填したプレカラムを用いて、カ
テコールアミンの回収率に対する前処理液の添加塩の影
響について検討した。
該塩として、硼酸(+NaCH)、酢酸(+NaOH)、硝酸
リチウム、塩化ナトリウム、リン酸カリウムについて行
った。なお、各塩の濃度は、0.1M、pH7.0で、1mMのEDTA
を添加した。その他の条件は実施例3と同様である。
測定結果を第7図に示す。
図から明らかなように、硼酸塩を添加した前処理液を
用いた場合のカテコールアミンの回収率が100%に最も
近い。他の塩を用いた場合は、不要共存成分のピークと
重なって、見かけ上100%を超えてしまう場合があり好
ましくない。
〔実施例5〕 次に、Butyl−CQP−30Sを充填したプレカラムを用い
て、カテコールアミンの回収率に及ぼす前処理液のpHの
影響について検討した。
前処理液として、0.1M硼酸、1mMのEDTAを添加し、pH
の調節はNaOHの添加量を変えて行った。
測定結果を第8図に示す。
図から明らかなように、前処理液のpHとしては矢印で
示すpH6.5〜7.5の範囲が好ましい。
〔実施例6〕 次に、溶離液に添加するバッファの影響について検討
した。
溶離液としては、アセトニトリル/メタノール/水
(容積比:5/2/5)に10mM SDS、50mMバッファ、pH7.2
で、バッファとして硼酸アンモニウム塩、酢酸ナトリウ
ム塩およびりん酸カリウム塩をそれぞれ用いた場合につ
いてのクロマトグラムを比較した。なお、前処理液とし
ては、0.1M硝酸リチウム、1mM EDTAを用いた。また、
分析は、第5図に示す装置を用い第1表と同様の条件で
行った。
分析結果のクロマトグラムを第9図に示す。
図から明らかなように、溶離液も硼酸塩を添加した場
合が不要共存成分のピークが少ない。
〔実施例7〕 次に、カテコールアミンの回収率に及ぼす溶離液中の
バッファのpHの影響について検討した。
バッファとしては、50mM硼酸アンモニウム塩にNaOHを
添加してpHを調節した。
なお、測定条件は実施例6と同様にして行った。測定
結果を第10図に示す。
図から明らかなように、pH7付近が回収率100%に最も
近いことが分かる。
〔比較例〕
プレカラムの充填剤にButyl−CQP−30Sを、分離カラ
ムの充填剤にスチレン−ジビニルベンゼン系ポリマゲル
を用いた以外は、実施例3と同様にしてカテコールアミ
ンを分析した。
測定結果を第11図に示す。
第6図−aと比較しても分かるように、不要共存成分
が多く、正確な回収率が得られない。
[発明の効果] 本発明によれば、プレカラム充填剤として、前記メタ
クリレート系ポリマゲルを用いたことにより、カテコー
ルアミン以外の残存蛋白等の不要共存物質を容易に除去
することでき、カテコールアミンの回収率を高めること
ができると云う効果があり、カテコールアミンの分析精
度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第5図は本発明のカテコールアミン分析装
置の流路系統図、第2図,第4図,第6図および第9図
はカテコールアミンのクロマトグラム、第3図は本発明
のカテコールアミンの分析工程を示すフロー図、第7図
は前処理液の塩の種類とカテコールアミンの回収率との
関係を示すグラフ、第8図は前処理液のpHとカテコール
アミンの回収率との関係を示すグラフ、第10図は、溶離
液pHとカテコールアミンの回収率との関係を示すグラ
フ、第11図は比較例のカテコールアミンのクロマトグラ
ムである。 1……オートサンプラ、2……サンプルラック、3……
サンプルステージ、4……試料、5……反応試薬、6…
…内部標準溶液、7……標準サンプル、8……反応容
器、9……ノズル洗浄槽、10……ドレインポート、11…
…注入ポート、12……駆動機構、13……ノズル、14……
管、15……三方弁、16……分注ポンプ、17……洗浄液、
18……反応容器恒温槽、19……分析部、20……前処理
液、21……ポンプ、22……サンプルインジェクタ、23…
…プレカラム、24……計量管、25……溶離液、26……ポ
ンプ、28……カラム切換バルブ、29……分離カラム、31
……検出器、32……フローセル、33……データ処理装
置、34……CPU、35……出力プリンタ、36……CRT、37,3
8……切換コック、40,41……流路、42,43……開閉弁、4
4……恒温槽、45……制御回線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 順吉 茨城県勝田市大字市毛882番地 株式会社 日立製作所那珂工場内 (72)発明者 野上 太郎 茨城県勝田市大字市毛882番地 株式会社 日立製作所那珂工場内 (56)参考文献 特開 昭60−142250(JP,A) 特開 昭62−90533(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体クロマトグラフィによる生体液中のカ
    テコールアミンの分析方法において、 試料生体液中の蛋白成分を限外ろ過膜を用いて遠心分離
    により除く工程、 前記除蛋白試料生体液に必要量の誘導体(ラベル)化試
    薬として1,2−ジフェニルエチレンジミン,フェリシア
    ン化カリウム,モリブデン酸アンモニウムおよびアセト
    ニトリルの混合物を添加し、該液中のカテコールアミン
    をラベル化する工程、 前記ラベル化カテコールアミンを含む試料生体液を、表
    面に疎水性基を有するメタクリレート系ポリマゲルを充
    填したプレカラムに導入し、該ポリマゲルに前記ラベル
    化カテコールアミンを吸着させ、分析の不要共存成分を
    前処理液により洗浄,除去する工程、 溶離液により前記プレカラムに吸着されているラベル化
    したカテコールアミンを離脱させ、有機シラン処理され
    たシリカ系ゲルを充填剤とする分離カラムに導入する工
    程、 前記分離カラムに吸着させたラベル化カテコールアミン
    を、少なくともエピネフリン、ノルエピネフリン、ドー
    パミンの順に溶離液で展開し、順次、蛍光検出器により
    検出する工程、 を含むことを特徴とするカテコールアミンの分析方法。
  2. 【請求項2】前記前処理液および/または溶離液が硼酸
    塩を含み、前記前処理液のpHが6.5〜7.5である請求項1
    に記載のカテコールアミンの分析方法。
  3. 【請求項3】あらかじめ除蛋白された試料生体液中のカ
    テコールアミンをラベル化(誘導体化)試薬と反応させ
    る恒温手段を備えた反応容器と、 前記試料生体液中のラベル化カテコールアミンを吸着
    し、共存不要成分を前処理液により分離除去し得る充填
    剤が充填されたプレカラムと、 前記プレカラムの下流に設けられ、該プレカラムによっ
    て共存不要成分を除去した前記ラベル化カテコールアミ
    ンを吸着し、溶離液により少なくともエピネフリン、ノ
    ルエピネフリン、ドーパミンを順次展開し得る充填剤が
    充填された分離カラムと、 前記分離カラムから順次展開される前記分析成分を検出
    する蛍光検出器を有し、 前記反応容器、プレカラム、分離カラムおよび蛍光検出
    器は配管で連結されており、該配管はプレカラムおよび
    分離カラムに前記前処理液または溶離液を任意に導入し
    得るよう切換弁を備え、 前記プレカラムの充填剤は、表面に炭素数1〜6のアル
    キル基またはフェニル基を有するメタクリレート系ポリ
    マゲルであり、前記分離カラムの充填剤は有機シラン処
    理したシリカ系ゲルであることを特徴とするカテコール
    アミンの分析装置。
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