JP3018032B2 - グリコヘモグロビンの自動測定方法 - Google Patents

グリコヘモグロビンの自動測定方法

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JP3018032B2 JP8281719A JP28171996A JP3018032B2 JP 3018032 B2 JP3018032 B2 JP 3018032B2 JP 8281719 A JP8281719 A JP 8281719A JP 28171996 A JP28171996 A JP 28171996A JP 3018032 B2 JP3018032 B2 JP 3018032B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速液体クロマト
グラフィを原理とするグリコヘモグロビンの改良された
自動測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヘモグロビンに糖が結合したグリコヘモ
グロビン(HbA1 )は糖尿病患者に多く見られ、殊に
HbA1cは人間ドック等の健康スクリーニングや糖尿病
の長期コントロールの指標として重要な測定項目となっ
てきている。これは、HbA1cがグリコヘモグロビン
(HbA1 )中最も多く存在し、糖尿病での増加も他の
成分に比べて著しく多い上に、HbA1cの値が、過去1
〜3カ月間の平均空腹時血糖値と良い相関関係を示すこ
とによる。
【0003】ところで、グリコヘモグロビンにはHbA
1cの他にHbA1a、HbA1b等があり、これらは比色
法,電気泳動法,ミニカラム法,高速液体クロマトグラ
フィなどにより分画測定される。この内臨床検査の分野
では、所要時間や分離性能の点から最近は高速液体クロ
マトグラフィ(HPLC法)が繁用されている。
【0004】ただ、過去の血糖値と良い相関を示すのは
HbA1cの内安定型と言われるもので、他に割合は少な
いが不安定型のものがある。その割合は、健常人で空腹
時全HbA1c中10〜15%程度と言われている。この
不安定型HbA1cは、ヘモグロビンのβ鎖N端末とグル
コースの還元性端末とが可逆的にShiff塩基結合し
たもので、血糖濃度に依存して比較的短時間の内に生成
分解する。従って、糖尿病患者が健常人よりも多く、全
HbA1cに対し10〜20%にも及ぶことがある。ま
た、空腹時よりも食後の方が多くなり、採血時の状態に
大きく影響される。
【0005】一方安定型HbA1cは、不安定型HbA1c
から緩徐に持続的に且つ不可逆的に生成され、過去の長
期にわたる血糖レベルをよく反映する。従って、安定型
のみを分離して測定することが望ましい。しかし、両者
は構造的に究めて類似しており、液体クロマトグラフィ
での分離はかなり困難である。
【0006】これに対処する一つの方法として、長さの
長い高分解能カラムを用いて、分離性能を向上させるこ
とが行われている。この方法は化学処理によるグリコヘ
モグロビンの変性を来たしにくい利点はあるが、良好に
分離させるには1検体に十数分以上もの分析時間を必要
とする。そのため、測定検体数の増加や緊急時の測定に
十分対処できない欠点があった。更に、このタイプのも
のはカラムが長いために装置が大型化するし高価にな
る。
【0007】一方、安定型HbA1cを分離測定するもう
一つの方法として、前処理で不安定型HbA1cを化学的
に分解除去する方法がある。これは、不安定型HbA1c
がグルコースと一時的に結合(Shiff塩基結合)し
ているため分解しやすいことに着目したものである。例
えば、洗浄赤血球を等張リン酸緩衝液(37℃,4時
間)や生理食塩水(室温,14時間)でインキュベイト
して不安定型HbA1cからグルコースを分離させる方法
がある。
【0008】或いは、全血に溶血試薬を加えて35℃で
十数時間インキュベイトする方法もある。これは、試料
を溶血させ希釈することで不安定型HbA1cの濃度を減
少させるもので、特にpH6以下の酸性領域で効果が大き
く反応も早いし、温度を上げると効果が大きい。更に、
従来ミニカラム法に使用されているホウ酸を含む市販の
不安定型HbA1c除去試薬を加えるとより効果がある。
【0009】しかし、これらの前処理は時間がかかると
ともに、不安定型HbA1cの分解に伴って他のグリコヘ
モグロビンや純ヘモグロビン(HbA0 )の分解や変性
も同時に進行する。
【0010】また溶血するタイプでは、溶血後の経過時
間や測定までの経過温度によって安定型HbA1cの量も
変動してしまう欠点があった。特に、多数の検体を自動
測定する場合に血液試料を分解試薬を含む溶血液で希釈
しておくと、待機中の検体のうち、後で測定する検体の
経過時間が長くなり、分解反応が過剰に進行して検体が
変性してしまう欠点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高速液体ク
ロマトグラフィにより不安定型HbA1c除去試薬(分解
試薬)を用いて迅速なグリコヘモグロビンの分析を行な
うとともに、不安定型HbA1c以外のグリコヘモグロビ
ンの分解や変性を押さえて高精度で再現性良く安定型H
bA1cの測定を行なう方法を提供することを目的とす
る。また本発明は、装置の構造が比較的シンプルで試料
の取り扱いや準備に手が掛からないグリコヘモグロビン
分析方法を提供することを目的とする。
【0012】更に本発明は、高速液体クロマトグラフ装
置において試料(血液試料に限らない)と反応試薬の混
合液の温度をコントロールするのに最適な試料導入バル
ブを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、多数の血液
試料を全血或いは血球層のまま待機させておき、測定の
順番がきた時点でサンプリングして速やかに不安定型H
bA1c除去試薬を含む溶血液で希釈して混合し、混合開
始から一定の定められた時間経過後に、高速液体クロマ
トグラフ装置のカラムに注入することにより達成され
る。尚、以下「試料」とは試料容器に採取した全血試料
(或いは血球層)を言い、「検体」とはこの試料を溶血
液で希釈した混合液を言う。
【0014】更に、混合液(検体)をカラムに注入する
までに加温することにより反応を促進し、より迅速な測
定をなすことができる。この加温を、試料導入バルブの
試料ループ部分で行なうと、他に加温ゾーンを設けたり
余分な検体を加温する必要もなく、省スペース化や省エ
ネルギー化が図れる。
【0015】またマニュアルで試薬を混合する手間を省
き、マニュアル混合による誤差や、混合後測定までの試
料の変性を防ぐことにより達成される。
【0016】次に、本発明方法の手順や測定装置の構成
を説明する。まず、各患者や被検者から採取された血液
試料は、採血管やサンプリングカップ等の試料容器に入
れられ、全血或いは血球層のまま試料保持部に待機させ
ておく。全血或いはそれを遠心分離した血球層を使用す
るので前処理が不要で簡便である。尚、血球層を使用す
るのは、血漿を他の検査に使用した残りを有効に利用す
る場合も想定してのことであるが、全血でも長時間待機
させておくと底の方に血球成分が沈降する。これらに対
処するために、サンプリングは試料容器の底に近い部分
から行なうとよい。尚、サンプリングされた血液試料中
の赤血球の割合にバラツキがあっても、HbA0 や他の
HbA1 に対するHbA1cの割合は各試料毎に一定故、
問題はない。血液試料には、通常抗凝固剤を加える。抗
凝固剤としては、ヘパリン、EDTA−2Na等通常市
販のものが使用できる。
【0017】各試料容器は、ラックやスネークチェン,
ターンテーブル等の保持手段に多数保持され、順次サン
プリング位置に送り込まれる。
【0018】サンプリング部では、ポンプの吸引作用で
サンプリングノズルから所定量(1乃至数μl 程度)の
試料が吸引され、別途供給される不安定型HbA1c除去
試薬を含んだ溶血液により希釈され、混合される。希釈
倍率は、数十〜数百倍、特に100〜400倍程度であ
る。
【0019】サンプリングや希釈の手順は、各種ポンプ
の構造や組合せ等により種々な構成や変形例が考えられ
るが、要は測定直前の数十秒〜数分以内にサンプリング
した血液試料を除去試薬を含む溶血・洗浄液で希釈し、
混合開始後一定の時間経過後に試料導入バルブを介して
カラム内に注入できる構成のものであればよい。これら
の動作は自動的に且つ連続して行えるものであること、
汚染防止の工夫がなされていることが必要である。
【0020】不安定型HbA1c除去試薬としては、ホウ
酸やリン酸化合物、或いはこれらを含む市販の試薬等が
用いられる。pHは酸性のものがよい。溶血剤は、一般市
販のものが用いられる。
【0021】カラムとしては、例えば球状イオン交換ゲ
ル(陽イオン、陰イオン)を充填したような高速液体ク
ロマトグラフィ用のものが用いられ、この分離能により
検体の処理時間が規制される。
【0022】溶血後の反応の進み具合は当然に不安定型
HbA1c除去試薬の性能に左右されるが、また反応開始
後の経過時間と経過温度の関数ともなる。測定に要する
時間は、サンプリングや希釈混合、送液、洗浄等の操作
をする時間と加温時間の和であり、多数の試料を処理す
るには測定時間が短い方がよい。従って、試薬の不安定
型HbA1c分解能力が低ければ、不都合例えば試料の変
質を来さない範囲で検体(混合液)の送路を加温するこ
とにより反応時間の短縮が図れる。この場合、分析時間
や試薬の分解能力を勘案して、測定までの時間が一定に
なるように、試料導入バルブ部分を含む送路の全体或い
は一部を温度コントロールする。加温温度は、試薬の分
解能力や加温時間を考慮して、30℃〜65℃より好ま
しくは40〜55℃程度とする。65℃以上では蛋白質
の変性が起こり好ましくない。30℃以下だと、夏期で
は冷却の必要性が生じることもある。
【0023】次に、洗浄液について説明する。洗浄液
は、前回の検体を測定した後汚染を防止するためにサン
プリングノズルや各流路を洗浄するものである。しか
し、本発明ではサンプリンした試料を溶血液で希釈混合
する構成を採っているため、本来洗浄液と溶血液の2系
統の送液系が必要となる。勿論この構成でもかまわない
が、両者を併用し溶血・洗浄液として用いると、送液ポ
ンプが1個少なくてすむし、配管や送液シーケンスが簡
単になる利点がある。
【0024】また本発明では、血液試料と溶血液との混
合開始から一定時間経過後に混合液(検体)のカラムへ
の注入を行わせる構成をとっている。従って、何らかの
理由、例えばラックの移動がスムースにいかなかったと
か、割込み測定をするタイミングが合わなかった等によ
り、次回の注入タイミングから逆算して混合開始が間に
合わない場合には、その回の混合や注入を行わずに空の
測定動作を行わせることが望ましい。この混合タイミン
グのずれは、1種類の溶離液を用いる場合には問題にな
らない。しかし、濃度やpHが異なる2種以上の溶離液を
用いる場合には、注入タイミングが狂うとカラム内のバ
ランスを崩すことによる。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、本発明方法を具現化したグ
リコヘモグロビン測定装置の一例を示して、本発明方法
を詳細に説明する。尚、本例では、溶血液と洗浄液を共
通に使用し、試料導入バルブの試料ループで検体を加温
している。
【0026】第1図は、本発明方法を実施化したグリコ
ヘモグロビン自動測定装置の一例を示すフローダイヤグ
ラム、第2図は同じくサンプリング部のフローダイヤグ
ラム、第3図は試料導入バルブの概略斜視図である。
【0027】この装置は、全血試料或いは血球層を入れ
た複数の試料容器を保持しプールしておく試料保持部1
と、試料のサンプリングや溶血液との希釈混合を行なう
サンプリング部2、溶離液や溶血・洗浄液、廃液の各容
器を収納するボトルユニット部3、試料導入バルブやカ
ラム,測光手段等を含む分析部4の他、プログラムや入
力した指令に基づき装置全体の作動を制御し,測定値の
記憶や演算を行い,その結果を患者番号や測定日時等と
ともにプリンター等の表示装置に出力する記憶・制御
部、作動指令の入力等を行なう操作キーボード等から構
成される。記憶・制御部は、例えばマイクロコンピュー
タ5が用いられ、また表示装置には他にデジタル表示器
が用いられる。
【0028】次に、各部の構成や動作を説明する。まず
試料保持部1は、複数の試料容器6を保持したラック7
を多数組載置するようになっており、各ラック7は試料
容器6を順次サンプリング位置に置くように矢印方向に
駆動される。また緊急測定のための割込測定ポート8を
設けてもよい。
【0029】サンプリング部2には、2つのノズル9、
10を備えたサンプリングノズル機構11と、溶血・洗
浄液ポンプ(P1 )、試料吸引ポンプ(P2 )、検体導
入ポンプ(P3 )及び希釈分注槽12が設けられてい
る。試料吸引ポンプ(P2 )の容量は1〜数μl、洗浄
液ポンプ(P1 )と検体導入ポンプ(P3 )の容量は数
百μlである。サンプリングノズル機構11は、回転と
ともに上下動する。尚、溶血・洗浄液13は前記した不
安定型HbA1c分解試薬や溶血剤を試料の希釈液に溶解
したもので、本例ではこの液を各ポンプやノズルその他
の流路の洗浄用と併用している。また、本発明で試料1
4とは試料容器6に採取した全血試料或いは血球層を言
い、検体15とはこの試料14を溶血・洗浄液13で数
十〜数百倍に希釈したものを云う。
【0030】サンプリング部2では、まず試料吸引ポン
プ(P2 ) を駆動して所定量の試料14を第1のノズル
9から吸引する。次に、希釈分注槽12上にサンプリン
グノズル機構11を移動して第2のノズル10から溶血
・洗浄液13を吐出させ、第1のノズル9の外壁を洗浄
する。この目的のために、第2のノズル10の先端を第
1のノズル9の方に曲げてある。廃液は、廃液バルブ1
6を通ってボトルユニット部3のドレインボトル17に
導かれる。次いで、ポンプ(P1 )・(P2 )を駆動し
て、希釈分注槽12にサンプリングした試料14と所定
量の溶血・洗浄液13を吐出する。この吐出で両者13
・14は撹拌される。更に、第1のノズル9で吸入・吐
出を繰り返して十分に撹拌混合するようにしてもよい。
この混合された検体15を、検体導入ポンプ(P3 )の
吸入作用によって第1のノズル9から吸引し分析部4の
試料導入バルブ18に送り込む(第1図、第2図の状
態)。
【0031】その後、希釈分注槽12,配管,第1のノ
ズル9外壁等を溶血・洗浄液13で洗浄し、廃液を廃棄
して次の試料吸引に備える。
【0032】一方、試料導入バルブ18の試料ループ1
8aに送り込まれた検体15は、該試料ループ18a内
に保持され、加温される。試料ループ18aは、第3図
に示すようにループ加温器18bで囲まれ、さらに保温
カバー18cで該ループ加温器18bと試料導入バルブ
18の主要部を覆う。図中、符号18dは検体用出入
管、18eは溶離液用出入管、18fはモータ、18g
はギヤボックス、18hは保温用のブロックである。保
温カバー18cは、このブロック18hにねじ止めされ
る。
【0033】この方式による加温は、試料ループ18a
内にある検体のみが確実に加温されるのでエネルギーに
無駄がないし、加温しない部分即ち不安定型HbA1c
十分に分離除去されていない検体がカラム19に注入さ
れる危険性もない。
【0034】次いで試料導入バルブ18のモータ18f
が回転して第4図の如き状態となり、試料ループ18a
内の検体15はボトルユニット部3から送られてくる溶
離液により押し出されて、カラム19に注入される。検
体15の各成分即ちHbA1a、HbA1b、HbA1c、H
bA0 等は、カラム19内で分離され、順次光度計20
で測光されてドレイン容器21に廃棄される。測光結果
はマイクロコンピュータ5に送られ、各分画パターンと
ピークの溶出時間, 各成分の含有%等が演算されプリン
ター22で描出される。尚、カラム19の前には夾雑物
を除去するフィルター24を配置し、全体を恒温槽25
内に収納しておくと安定した測定が行える。
【0035】以上の操作を、第2図に基づきポンプ(P
1 )・(P2 )・(P3 )の作動及び溶血・洗浄液13
用の流路切り換えバルブ38・39の流路状態について
まとめると、表1のようになる。尚、各ポンプの↓は吸
引、↑は排出、無記入は停止を示す。
【表1】
【0036】前記操作において、試料14のサンプリン
グ量を1.5μl、これを希釈する溶血・洗浄液13 量
を450μlとすると希釈倍率は300倍となる。また
検体15の加温時間や温度は、不安定型HbA1c除去試
薬の分解能力によるが、本出願人が”21H”なる名称
で販売している、リン酸化合物系の不安定型HbA1c
去試薬を含む溶血液を使用した場合、上記希釈倍率のも
ので、48℃だと2分40秒が最適な条件である。尚、
60℃では2分、40℃では3分、33℃では4分で不
安定型HbA1cの分解がほぼ完全に行なわれる。
【0037】ところで、本例では3種類の溶離液を用い
ている。各溶離液(A)・(B)・(C)は、送液シー
ケンスに基づき加熱コイル26、冷却コイル27、脱泡
装置28・29・30を通り、夫々切り換えバルブ31
・32・33によって順次マニホルド34に送り込まれ
る。マニホルド34で一つの流路となった各溶離液は、
送液ポンプ35で試料導入バルブ18に圧送され、続い
てカラム19に注入され、検体15を搬送しつつ光度計
20を通ってドレイン容器21に到る。図中符号36は
圧力検出器、37はダンパである。
【0038】第1図及び第2図中、符号38・39は溶
血・洗浄液13用の流路切り換えバルブ、40は同じく
溶血・洗浄液13用の液切れセンサー、41はドレイン
ボトル17用の吸引エアポンプ、42は表示器、43は
操作キーボードである。
【0039】以上の説明は連続的に並べられた試料を測
定する場合であり、この場合常に一定のシーケンスで作
動させれば希釈から注入までの時間は一定になる。しか
し、採血の時間的バラツキ等で試料容器がラック7等に
不連続に置かれている場合等では、次の試料を捜すため
に余分な不規則の時間が必要である。緊急測定のために
割込みポートに試料容器をセットした場合にも、血液試
料の吸引タイミングがずれることがある。そこで、検体
15のカラム19への注入が終わった時点で次の試料を
捜しておき、次の注入の時間から逆算して必要なタイミ
ングで希釈を開始させるようにするとよい。
【0040】希釈開始について、既に次回の注入に間に
合わないことが判明しておれば、その回は混合やカラム
への検体の注入を取りやめ、一回の測定分の送液ケーシ
ングを続けることで、濃度やpHの異なる3種類の溶離液
を用いる場合でもカラムの平衡条件を崩すことなく安定
した測定を続行させることができる。
【0041】従来法との比較 (等張リン酸緩衝液による血球洗浄法との比較) その
結果は表2に示す通り、従来法による不安定型HbA1c
分画の除去と同等の効果が得られた。血球洗浄法と21
Hを併用したものを比較対象としたが、これ以上の不安
定型HbA1c分画の低下や、変性によるA1 a+b成分
の増加も認められなかった。 尚、前処理もせず、不安
定型HbA1c除去試薬も用いない場合(21L)、全て
の値が高い。L−A1 c+S−A1 cに於ける21Lと
他の処理の差が不安定型HbA1cと推察できる。本例で
は、不安定型HbA1cは、ヘモグロビン全体の約0.7%
である。
【表2】
【0042】測定は以下の条件によった。 ・21L:不安定型HbA1c除去試薬を含まない溶血・
洗浄液。 ノニオン系界面活性剤1g/l リン酸2水素カリ0.1g /l リン酸1水素カリ0.3g/l pH7.5 ・21H:不安定型HbA1c除去試薬を含む溶血・洗浄
液 ノニオン系界面活性剤1g/l リン酸化合物 0.1g /l KOH 0.3g/l pH6 ・“S”+21L:血球洗浄法(37℃)で6時間イン
キュベートしたもの。Sは、Salineを示す。等張
リン酸緩衝液(14容)に洗浄赤血球(1容)を加え:
連続回転混和しながら37℃で6時間インキュベーショ
ンすることにより、不安定型HbA1cを除去する。その
後、血球層を分取し、21Lで300倍に希釈して測
定。 ・“S”+21H:Salineに21Hを負荷した。
S+21Lと同様に等張リン酸緩衝液で処理した血球層
を分取し、21Hで300倍に希釈して測定。 ・検体 :健常人。採血直後に実験。 ・測定条件:何れも、実施例の方法による。加温温度4
8℃、加温時間2分40秒、測定時間4分。n=5。
【0043】本発明方法は、以上詳述したように高速液
体クロマトグラフィを原理とするグリコヘモグロビンの
自動測定方法の改良に係り、各患者から採取した多数の
血液試料を全血或いは血球層のまま試料保持部に待機さ
せておき、測定の直前(数十秒〜数分前)にサンプリン
グして不安定型HbA1c除去試薬を含む溶血・洗浄液に
より釈液混合し、混合開始から一定時間経過後に高速液
体クロマトグラフ装置のカラムに注入するようにしたも
のである。また、必要に応じて希釈後カラムに注入する
までに加温するものである。
【0044】
【発明の効果】従って、高性能の長いカラムを用いる
従来方法に比べて大幅に迅速な測定が行えるとともに、
それと同等程度の精度を得ることができる。マニュア
ルで試薬を混合する手間を省き、手作業希釈による誤差
のない正確な測定が可能になる。全血或いはそれを遠
心分離した血球層を使用するので前処理が不要である。
予め溶血試薬で希釈しておかないので、測定までの試
料の変性がなく、不安定型HbA1c以外のグリコヘモグ
ロビンの分解や変性を押さえて安定型HbA1cの正確な
測定ができる。測定値が不安定型HbA1cの影響を受
けないので、採血の時間的制約がなく、患者に負担をか
けない。更に、測定直前に試料を溶血し、常に一定の
タイミングでカラムに注入されるので、安定した分析が
可能となる。特に、試料が不連続でセットされた場合で
も、カラムの平衡化条件を崩すことがないので、クロマ
トパターンが安定する。等多くの優れた効果を有するも
のである。
【0045】一方、本発明の試料導入バルブは、試料液
と反応試薬を一定時間所定温度に加温するものである。
そして、試料ループ内にある検体のみを確実に加温でき
るのでエネルギーに無駄がないし、加温しない部分がカ
ラムに注入される危険性もなく、正確に制御できる。ま
た、従来の試料導入バルブに簡単な改良を施すだけで簡
単に得られるし、他に加温装置を設けなくてもよいの
で、余分なスペースが入らない等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施化したグリコヘモグロビン自
動測定装置の一例を示すフローダイヤグラムである。
【図2】図1と同様のサンプリン部のフローダイヤグラ
ムである。
【図3】試料導入バルブの概略斜視図である。
【図4】カラムへの検体注入時の試料導入バルブの状態
を示す平面図である。
【符号の説明】
1 試料保持部 2 サンプリング部 4 分析部 6 試料容器 9、10 ノズル 11 サンプリングノズル機構 12 希釈分注槽 13 溶血・洗浄液 14 試料 15 検体 18 試料導入バルブ 19 カラム P1 溶血・洗浄液ポンプ P2 試料吸引ポンプ P3 検体導入ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/72 G01N 33/72 A 35/10 35/06 F (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 30/20 G01N 30/04 G01N 30/26 G01N 30/88 G01N 33/50 G01N 33/72 G01N 35/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高速クロマトグラフィーによりグリコヘモ
    グロビンの分画を測定する装置において、不安定型Hb
    1c除去試薬を含む溶血液を、試料ループを含む各流
    路やサンプリングノズル部を洗浄する洗浄液として使用
    することを特徴とするグリコヘモグロビンの自動測定装
    置。
  2. 【請求項2】試料容器に採取した多数の血液試料を全血
    或いは血球層のまま待機させ、試料容器を順次サンプリ
    ング部に送り込み、サンプリングノズルから吸収した血
    液試料を不安定型HbA1c除去試薬を含む溶血液と混
    合して希釈させ、該混合液に一部を試料導入バルブの試
    料ループに導き、混合開始から一定時間後にカラムに注
    入して、不安定型HbA1cを除去或いは低減した状態
    で測定するものである請求項1記載のグリコヘモグロビ
    ンの自動測定装置。
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