JPH08672Y2 - カメラ保持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、撮影時にカメラを保持するカメラ保持装置
の構造に関するものである。

〔従来の技術〕

カメラで写真撮影を行う場合に、セルフタイマー機能
を使う場合はもちろん、通常の撮影を行う場合にも手振
れを防止するために、カメラを所定の位置に固定，保持
することが好ましい。このようにカメラを保持する手段
としては、安定性が良く、多方向の調整が可能な三脚が
従来より使用されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、三脚は多数の調整ネジやクランク機構
を有するため構成が複雑で高価であるとともに、取扱い
も煩雑であるという問題点があった。また、装置自体が
大きく持ち運びが不便であり、撮影が大掛かりになるた
め、旅行先でのスナップ写真等のごく身近な撮影には適
さなかった。

〔考案の目的〕

本考案はかかる点に鑑みてなされたものであり、ロー
コスト且つ操作が簡便なカメラ保持装置を提供すること
を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するために、下面に凸状部を
有するカメラ保持手段と、この保持手段の凸状部を挿入
するための挿入部を弾性材とした支持脚とからなり、撮
影状態でカメラを被写体に向けて動かしたとき、これら
凸状部と挿入部との摩擦によって上記カメラ保持手段を
位置決め、固定して支持するとともに、当該保持手段の
角度を調整保持できるようにした。

〔作用〕

本考案は以上のように構成しているため、カメラ保持
手段にカメラをセットした後に、被写体に合わせてカメ
ラを動かせば、保持手段の凸状部と支持脚の挿入部との
摩擦によってカメラが所望の角度に固定される。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を添付図面を参照しつつ詳細
に説明する。

第２図には、実施例に係るカメラ保持装置10,11,12を
備えたセルフタイマーユニット14と、このユニット14に
セットされたレンズ付きフイルムユニット16の様子が示
されている。レンズ付きフイルムユニット16（以下、単
に「フイルムユニット」と称する）は、予め内部に写真
フイルムやシャッタ等の撮影機構（図示せず）を内蔵し
た所謂使い捨てカメラに相当するものであり、例えば本
出願人により「写るんですHi」という商品名で販売され
ている。図中、符号17はファインダー開口、18は撮影レ
ンズである。また、符号19はシャッタボタンであり、押
圧することによって内蔵されたシャッタ装置を駆動する
ようになっている。

セルフタイマーユニット14は上述したカメラ保持装置
10〜12と、タイマー本体15からなる。タイマー本体15の
側面にはセルフタイマーのセットレバー22、上面にはレ
リーズボタン23がそれぞれ設けられている。セットレバ
ー22はガイド溝24に沿って上下に回動し、押し下げた際
にタイマーのセットが行われるようになっている。ま
た、レリーズボタン23はタイマーセット後に押圧するこ
とによってタイマーの作動を開始させる。

カメラ保持装置（10,11,12）は、フイルムユニット16
を載置して固定する底板10と、この底板10とタイマー本
体15とを同時に支持するネオプレンゴム製の脚部11,12
とから構成されている。底板10はタイマー本体15と一体
成形され、隆起した縁部によってフイルムユニット16を
位置決めする。

第１図及び第３図には、第２図のＹ−Y,X−Ｘの各断
面によって、上記タイマー本体15及び保持装置10,11,12
の内部構造が示されている。図において、タイマー本体
15はベローズ26と、このベローズ26を伸縮させる上記セ
ットレバー22と、ベローズ26の位置を固定，解除する操
作部27と、ベローズ26の下端を支持するベローズ固定座
31とから構成されている。

このうちセットレバー22は、ピン28を介してベローズ
26の接続部材29に回動自在に接続され、本体に固定され
た取付け軸30を中心に回動する。このセットレバー22の
取付け軸30側の先端にはフイルムユニットのシャッタボ
タン19を押圧するレリーズ押圧部32が一体成形され、セ
ットレバー22の回動によって開口33を通ってシャッタボ
タン19を押圧する。なお、セットレバー22は、バネ34に
よって常に時計方向に回動するように付勢されている。

操作部27は前記レリーズボタン23と、ベローズ26の位
置を固定する係止レバー36とから構成される。係止レバ
ー36は鍵型に成形され、軸38を中心に微小範囲で回動す
る。すなわち、係止レバー36は復元バネ39によって常に
時計方向に回動するように付勢されるとともに、作用端
40が上記レリーズボタン23によって押圧されると、バネ
39の力に抗して反時計方向に回動するようになってい
る。係止レバー36の内側には上下２ヵ所に係止部42,43
が形成され、これらの箇所にセットレバー22の突起45が
係合することによって、ベローズ26の位置決めが行われ
る。なお、レリーズボタン23の内部にはバネ46が備えら
れており、レリーズボタン23を常時上方に付勢してい
る。

第４図には、ベローズ固定座31の内部構造が示されて
いる。ベローズ固定座31内には、ベローズ26の下端に設
けられた抜け防止用の隆起部60が係合する溝が形成され
ている。また、ベローズ26内の空気量の調整を行うバル
ブユニット56が内蔵さている。このバルブユニット56
は、ゴムパッキン52,バルブ固定材53,タイヤフラム54及
びバルブクッション55から構成されている。このうち、
ゴムパッキン52はベローズ26とベローズ固定座31との密
閉を行うものであり、中央に大きめの通孔52aが形成さ
れている。バルブ固定材53はダイヤフラム54を固定する
もので、ゴムパッキン52より小径の通孔53aが形成され
ている。ダイヤフラム54は可撓性を有する金属薄板また
はゴム等の弾性材で成形され、ベローズ26内の空気圧に
よって破線のように湾曲し、吸排口59内の空気の流量を
調整するようになっている。バルブクッション55は変形
するダイヤフラム54を下方から支持するものであり、フ
ェルトや発泡性ウレタン材等によって成形される。

ベローズ固定座31の53と54の間には、周囲に形成され
た空気通路58b,58cに空気を送り込むための一本の空気
溝58aが形成されている。なお、空気溝58a,空気通路58
b,58c及び吸排口59は、ベローズ26が伸縮状態から伸長
状態に達するまでに約10秒かかるように設定，調整され
ている。

脚部11は、第１図に示されているように、タイマー本
体15の下面に設けられた突起62aが挿入する挿入孔63が
形成されている。この挿入孔63には前後にテーパが形成
されており、テーパ角の範囲内で突起62aが前後に回動
してチルト調整を行なえるようになっている。また、脚
部11は上述したようにネオプレンゴムで成形されている
ため、突起62aと挿入孔63との摩擦は大きく、この摩擦
によって確実に位置固定・支持が行われ、カメラ保持装
置の角度が保持される。なお、もう一方の脚部12につい
ては図示していないが、脚部11と同様の挿入孔が形成さ
れ、突起62bに対して同様の作用を行うようになってい
る。

次に、以上のように構成された実施例の動作及び作用
について説明する。

まず、セルフタイマーユニット14にフイルムユニット
16をセットするに際し、タイマー本体15のセットレバー
22を引き下げ、フイルムユニット16の装着準備状態にす
る。セットレバー22を引き下げると、第５図のように当
該レバー22はバネ34の力に抗して取付け軸30を中心に反
時計方向に回動し、ベローズ26が収縮する。ベローズ26
が収縮すると、ベローズ固定座31内のダイヤフラム54が
空気圧によって第４図の破線のように湾曲し、空気溝58
aを通った空気が右側の空気通路58bのみならず左側の空
気通路58cをも通って吸排口59に達し、ベローズ26内の
空気が一気に外部に排出される。

そして、セットレバー22の突起45が係止レバー36の下
側の係止部43に係合し、ベローズ26は収縮状態を維持す
る。この際、セットレバー22のレリーズ押圧部32はタイ
マー本体15の開口より上方に退避しているため、フイル
ムユニット16は底板10上にスムーズにセットされる。

次に、撮影をするに先立ちフイルムユニット16が被写
体に対して適切な角度になるように、フイルムユニット
16を手で前後に動かして調整する。フイルムユニット16
を動かすと、タイマー本体15の突起62a,62bが脚部11,12
の挿入孔63内で前後に回動し、ネオプレンゴムの摩擦作
用でフイルムユニット16が位置決め、固定して支持さ
れ、角度がそのままの状態で保たれる。

そして、レリーズボタン23を押圧すると、レリーズボ
タン23の先端23aが係止レバー36の作用端40を押圧し、
当該係止レバー36が復帰バネ39の力に抗して反時計方向
に回動する。係止レバー39が反時計方向に回動すると、
セットレバー22の突起45と係止部43の係止が解除され、
ベローズ26が上昇し始める。この時、ベローズ固定座31
内のダイヤフラム54が真直状態になり、左側の空気通路
58cが閉鎖されるため、吸排口59から吸入された空気は
右側の空気通路58a,空気溝58aを通って、ベローズ26内
に徐々に送り込まれ、ベローズ26がこれに伴って徐々に
伸長し始める。

ベローズ26が伸長すると、これに伴ってセットレバー
22が時計方向に回動し、ベローズ26が伸長限界に達した
時点でセットレバー22のレリーズ押圧部32がフイルムユ
ニット16のシャッタボタン19を押圧し、撮影が行われ
る。

なお、上記実施例ではレンズ付きフイルムユニットの
支持装置について説明したが、これに限らず通常のカメ
ラにも適用できることは言うまでもない。

〔考案の効果〕

撮影状態でカメラを被写体に向けて動かしたとき、カ
メラ保持手段の凸状部と弾性材で成形された支持脚の挿
入部との摩擦によって、カメラ保持手段を位置決め、固
定して支持するとともに、当該保持手段の角度を調整保
持できるようにしているため、カメラ保持装置のローコ
スト化及び操作の簡便化を図れるという効果がある。

また、保持手段の構成によって使い捨てカメラ等の簡
易カメラにも適用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す断面図（第２図のＹ
−Ｙ方向の断面図）である。 第２図は、実施例に係るカメラ保持装置を用いたセルフ
タイマー装置の構成を示す斜視図である。 第３図は、第２図のＸ−Ｘ方向の断面図である。 第４図は、実施例の要部を示す断面図である。 第５図は、実施例の作用を説明するための断面図であ
る。 10……底板 11,12……脚部 14……セルフタイマーユニット 16……レンズ付きフイルムユニット 62a,62b……突起 63……挿入孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下面に凸状部を有するカメラ保持手段と、
   この保持手段の凸状部を挿入するための挿入部を弾性材
   とした支持脚とからなり、撮影状態でカメラを被写体に
   向けて動かしたとき、これら凸状部と挿入部との摩擦に
   よって上記カメラ保持手段を位置決め、固定して支持す
   るとともに、当該保持手段の角度を調整保持できるよう
   にしたことを特徴とするカメラ保持装置。