JPH0866067A - 超音波モータ用圧電振動子およびその製造方法 - Google Patents

超音波モータ用圧電振動子およびその製造方法

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JPH0866067A
JPH0866067A JP19068094A JP19068094A JPH0866067A JP H0866067 A JPH0866067 A JP H0866067A JP 19068094 A JP19068094 A JP 19068094A JP 19068094 A JP19068094 A JP 19068094A JP H0866067 A JPH0866067 A JP H0866067A
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ultrasonic motor
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vibrator
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JP19068094A
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Hiroaki Saigo
郷 宏 明 西
Mayumi Kawasaki
崎 まゆみ 川
Nobuhiro Maruko
子 展 弘 丸
Koichi Kanayama
山 光 一 金
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 対向する側面にそれぞれ固定具と結合させる
ための棒状の結合部材7a,7b が突設され、かつ該結合部
材7a,7b の一部が圧電振動子側面の節部に形成された凹
部11a,11b に嵌合されてなる超音波モータ用圧電振動子
1。グリーンシートを積層一体化してグリーンシート積
層体とし、前記グリーンシート積層体の対向する側面の
節部となる部位にそれぞれ凹部を形成した後焼成してセ
ラミック積層体とし、前記凹部に結合部材の一端を嵌合
して、結合部材を有する積層型圧電振動子を得る超音波
モータ用圧電振動子の製造方法。 【効果】超音波モータへの組み込みが容易であり、圧電
振動子の固有振動を阻害することがない。特殊な技術を
用いることなく、結合部材を有する超音波モータ用圧電
振動子を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、固定具と結合させるため
の結合部材を有する超音波モータ用圧電振動子およびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、超音波モータは周囲に磁界
を生じないモータとして、機器の小型化用途などに注目
されている。超音波モータの分類としては、定在波型と
進行波型がある。進行波型は回転モータ用として一般化
しており、定在波型はリニア動作用として期待されてい
る。
【0003】このような超音波モータでは、圧電振動子
を固定し加圧することが不可欠であるが、モータの動作
特性は圧電振動子の固定方法および固定位置によって大
きく変化する。特に定在波型(多重モード型)モータで
は、2つの固有振動のマッチングが重要であるが、圧電
振動子の固定位置が、2つの固有振動特性にそれぞれ独
立に影響を及ぼす。このため圧電振動子の固定は、圧電
振動子の固有振動を阻害しない振動の節部での固定が基
本とされる。
【0004】節部での固定方法としては、固定具による
方法が簡便であるが、これは一定面積の接着面を必要と
するため、理想的なポイント固定が難しい。また、節部
のボルト締めなどによる締め付け固定は、圧電振動子の
安定固定が難しく、その機構も複雑になる。
【0005】このため圧電振動子を加工してその節部に
固定のための手段を設けることが考えられる。圧電セラ
ミックス振動子の加工は、焼結前または焼結後に行うこ
とができるが、焼結前は、セラミックス振動子の粉末成
形体が強度的に脆いため加工が困難であり、焼結後の加
工は超音波加工などの特殊技術が必要であった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、このような従来技術に鑑みて
なされたものであって、固定具への取付けが容易な超音
波モータ用圧電振動子を提供することを目的とするとと
もに、このような超音波モータ用圧電振動子が容易に得
られるような製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る超音波モータ用圧電振動子
は、一体焼結型の超音波モータ用積層型圧電振動子であ
って、対向する側面にそれぞれ固定具と結合させるため
の棒状の結合部材が突設され、かつ該結合部材の一部が
圧電振動子側面の節部に形成された凹部に嵌合されてな
ることを特徴としている。
【0008】本発明では、前記積層型圧電振動子が縦振
動モード−屈曲振動モード利用の振動子であることが望
ましい。本発明に係る超音波モータ用圧電振動子の製造
方法は、電歪効果を有するセラミック材料を主成分とす
るグリーンシートを積層一体化してグリーンシート積層
体とし、前記グリーンシート積層体の対向する側面の圧
電振動子を形成したときに節部となる部位にそれぞれ凹
部を形成した後焼成してセラミック積層体とし、前記セ
ラミック積層体の凹部に、固定具と結合させるための棒
状の結合部材の一端を嵌合して、側面から突出する結合
部材を有する積層型圧電振動子を得ることを特徴として
いる。
【0009】本発明の超音波モータ用圧電振動子は、固
定具を結合させるための結合部材を有しているため、超
音波モータへの組み込みが容易である。本発明の超音波
モータ用圧電振動子のグリーンシート積層体からの製造
方法は、粉末成形体から作製する圧電振動子の製造方法
と異なり穴開け加工が容易であり、特殊技術を必要とせ
ずに、孔開け加工を行うことができる。
【0010】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る超音波モータ
用圧電振動子およびその製造方法について具体的に説明
する。
【0011】図1(A)は、本発明に係る超音波モータ
用圧電振動子の一実施例を示す概略斜視図であり、
(B)は同圧電振動子の概略断面図である。なお図1
(B)において結合部材7a,7bのネジ山は省略し
た。
【0012】本発明に係る超音波モータ用圧電振動子
は、図1に示すように一体焼結型の超音波モータ用積層
型圧電振動子であって、圧電振動子10の対向する側面
の節部に固定具と結合させるための棒状の結合部材7
a、7bが側面から突出するように設けられている。
【0013】圧電振動子10は、後述するように縦振動
−屈曲振動を利用した積層型の圧電振動子であり、駆動
電圧を印加することにより圧電振動子10の可動子と対
向する面(摺動面)の端部に楕円運動が励振され、一定
方向への駆動力が発生する。図1では駆動力は、矢印ま
たは反矢印の向きに生じる。
【0014】圧電振動子10の摺動面の駆動方向に対し
て前後の端部には、耐磨耗部材13a,13bが駆動方
向に対してほぼ直角に線状に設けられている。本実施例
では、耐磨耗部材13a,13bが圧電振動子10の摺
動面端部に線状に形成されているが、本発明では、摺動
面の駆動方向に対して前後の端部近傍に面状に設けられ
ていてもよく、摺動面の全面に設けられていてもよい。
【0015】耐磨耗部材13a,13bの厚さは、特に
限定されないが、通常10〜1000μm、より好まし
くは100〜600μmである。耐磨耗部材13a,1
3bの材料としては、ソーダガラス、鉛ガラス、ホウ珪
酸ガラス(例:PyrexTM)、クラウンガラス、フリ
ントガラス、重フリントガラス、石英ガラスなどのガラ
ス;アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素、炭化
タングステン、炭化チタンなどのセラミックス;および
ガラスコーティングしたセラミックスなどを挙げること
ができる。これらのなかでは、石英ガラスであることが
好ましい。
【0016】また、耐磨耗部材13a,13bの表面粗
さは、小さいことが好ましく、具体的には触針式表面あ
らさ測定機で測定した中心線平均あらさ(Ra)が5〜
50Åの範囲であることが好ましい。
【0017】このような耐磨耗部材13a,13bは、
圧電振動子10に、たとえば接着剤などを用いて設ける
ことができる。圧電振動子10の対向する側面の節部に
は、固定具と結合させるための棒状の結合部材7a、7
bが側面から突出するように形成されている。ここで節
部とは該圧電振動子に駆動電圧を印加して縦振動−屈曲
固有振動を発生させたときに振幅が零となる部位を表
す。
【0018】圧電振動子10の対向する側面の節部に
は、それぞれ凹部11a,11bが形成されており、こ
の凹部11a,11bにそれぞれ結合部材7a、7bの
一方の端部が嵌合され、他方の端部が側面から突出して
いる。
【0019】本実施例では結合部材7a、7bは、ネジ
山が形成されているが、本発明では結合部材7a、7b
は、ネジ山が形成されていない円筒状の部材であっても
よい。また凹部11a、11bは貫通孔であって、結合
部材が1本の棒状であってもよい。
【0020】圧電振動子10は、縦振動−屈曲振動を利
用した積層型の圧電振動子である。圧電振動子10は、
図2(B)に示すように上部のA要素およびB要素、中
間部のC要素、下部のA’要素およびB’要素の5つの
駆動要素に区分される。各駆動要素のうち、A要素、
A’要素、B要素およびB’要素は屈曲2次励振用であ
り、C要素は縦1次励振用である。
【0021】図2(A)、(C)に示すように、A要
素、A’要素、B要素、B’要素およびC要素は、圧電
効果を有する材料を主成分とするセラミックシート3
が、それぞれ内部に内部電極2aまたは2bを介装しつ
つ複数枚積層されている。圧電振動子10の対向する一
方の面には外部電極5a,5b,5c,5d,5eが形
成され、他方の面には外部電極5が形成されている。
【0022】A要素、A’要素、B要素およびB’要素
は、セラミックシート3が内部電極2bを介装しつつ積
層されており、また、A要素とB要素、A’要素とB’
要素とは、絶縁部4bによって長辺方向のほぼ中央で区
分される。
【0023】そして、A要素の内部電極2bは、一層お
きに短辺方向の一方の端部が外部電極5cと接続されて
おり、外部電極5cと接続されていない内部電極2bの
短辺方向の端部は、外部電極5と接続されている。A’
要素の内部電極2bは、一層おきに短辺方向の一方の端
部が外部電極5dと接続されており、外部電極5dと接
続されていない内部電極2bの短辺方向の端部は、外部
電極5と接続されている。
【0024】B要素の内部電極2bは、一層おきに短辺
方向の一方の端部が外部電極5bと接続されており、外
部電極5bと接続されていない内部電極2bの短辺方向
の端部は、外部電極5と接続されている。B’要素の内
部電極2bは、一層おきに短辺方向の一方の端部が外部
電極5eと接続されており、外部電極5eと接続されて
いない内部電極2bの短辺方向の端部は、外部電極5と
接続されている。
【0025】C要素は、セラミックシート3が内部電極
2aを介装しつつ積層されており、前記A要素、B要素
のように絶縁部は設けられていない。そして、C要素の
内部電極2aは、短辺方向の一方の端部は一層おきに外
部電極5aと接続されており、外部電極5aと接続され
ていない内部電極2aの短辺方向の端部は、外部電極5
と接続されている。
【0026】また、A要素、A’要素、B要素、B’要
素およびC要素は、図2(C)に示すように、絶縁部4
aが積層方向に対して左右交互に位置するように複数形
成されている。なお、絶縁部4aは、必ずしも左右交互
に配置する必要はなく、積層方向に隣り合うセラミック
シート間では、ずれた位置となり、一層おきのセラミッ
クシート間では、同じ位置になるように配置すれば良
い。なお、絶縁部4aは通常空所である。
【0027】セラミックシート3は、複数枚積層されて
いるが、通常、A要素、A’要素、B要素およびB’要
素では2〜30枚、好ましくは3〜20枚が積層され、
C要素では2〜30枚、好ましくは3〜20枚が積層さ
れている。
【0028】セラミックシート3は、圧電効果を有する
材質で形成されており、たとえば、PbTiO3、Pb
ZrO3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、Pb(Ni1/3
Nb2/ 3)O3などのセラミックスを主成分としている。
【0029】前記圧電振動子10は、縦振動モード−屈
曲振動モード利用の振動子である。圧電振動子10は、
外部電極5,5a,5b,5c,5d,5eに電圧を加
えれば、圧電振動子10の積層方向に電界が印加され
る。そして電界が印加されると、A要素とB要素が逆向
きに、A’要素とB’要素が逆向きに伸縮し、屈曲2次
振動を励振するとともにC要素は独立に伸縮し、縦1次
振動を励振する。なおA要素とA’要素とは同じ向きに
伸縮する。
【0030】このような圧電振動子10を駆動させる具
体的な方法としては、たとえば下記のような方法が挙げ
られる。A要素とB要素、A’要素とB’要素がそれぞ
れ逆向きの分極(ポーリング)がされ、A要素、A’要
素およびC要素にそれぞれ同じ向きに分極されている圧
電振動子10に、駆動電圧を、A要素、A’要素、B要
素およびB’要素には sinωt(ωは角周波数)の周波
数で印加し、C要素には cosωt(ωは角周波数)の周
波数で印加する。これにより、A要素、A’要素、B要
素およびB’要素により屈曲振動が励振され、C要素に
より伸縮振動が励振されることにより、圧電振動子10
は、駆動方向端部において楕円運動をおこない、駆動力
が一定方向に発生する。そして、駆動力は圧電振動子1
0摺動面と可動子等との接触部、あるいは耐磨耗部材1
3a,13bと可動子等との接触部に伝達されるので、
接触部で生じる摩擦力によって振動子10は超音波モー
タとして駆動する。
【0031】このような本発明の超音波モータ用圧電振
動子は、たとえば図3に示すように固定具に結合され
る。図3(A)は、図1に示す超音波モータ用圧電振動
子を固定具に固定した状態を示す概略斜視図であり、図
3(B)は同概略側面図である。なお、各図において同
一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0032】図3では、固定具20として端部に結合部
材7a,7bを挿入するための切欠23を有し、上面の
中央部にネジ(おねじ)22を有するコの字型の部材が
用いられている。超音波モータ用圧電振動子1の結合部
材7a,7bはそれぞれ切欠23に挿入され、ナット2
5a,25bにより固定されている。
【0033】本発明の超音波モータ用圧電振動子は、固
定部に結合させ固定するための結合部材を有しているの
で、超音波モータへの安定固定が容易である。しかも、
結合部材が圧電振動子の振動の節部に設けられているの
で、圧電振動子の固有振動を阻害することがない。
【0034】以上、本発明の超音波モータ用圧電振動子
について説明したが、本発明はこれに限定されず種々変
形可能であり、圧電振動子として様々な形態の積層型圧
電素子を用いることができる。
【0035】本発明の超音波モータ用圧電振動子は、た
とえば下記にようにして製造することができる。まず、
主成分となるセラミックスの仮焼粉末に、溶媒、結合
剤、可塑剤などを加えた後にこれらを混合し、泥漿を調
製する。
【0036】この際、溶媒として水を用いる場合には、
結合剤として、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、ワックス系滑剤、カ
ルボキシメチルセルロースなどが用いられ、可塑剤とし
て、グリセリン、ポリアルキルグリコール、ソルビタン
酸エステル類、トリエチレングリコール、ペトリオー
ル、ポリオールなどが用いられる。また、溶媒としてエ
チルアルコール、メチルエチルケトン、ベンゼン、トル
エンなどの有機溶媒を用いる場合には、結合剤として、
ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルブチラール、セルロースアセテートなどが用い
られ、可塑剤として、ジブチルフタレート、ポリエチレ
ングリコール、グリセリンなどが用いられる。
【0037】得られた泥漿を、ドクターブレード法、押
出成形法などの方法により薄板状に成形し、所定の形状
に切断してグリーンシートを得る。このグリーンシート
の厚さは、特に限定されないが、好ましくは0.02〜
2mm、さらに好ましくは0.05〜0.5mmであ
る。
【0038】グリーンシートの成形方法としては、溶媒
として水を用い、押出成形法によりシートを得る方法が
好ましい。このような成形方法によれば、結合剤および
/または可塑剤の配合量を減少させることが容易であ
り、しかも焼成時にシート同士が接着しにくくなる。こ
のためグリーンシートを積層して焼成する際に、絶縁部
4a,4bにおいて、上下のシート3が接着することを
防止でき、この部分に空所(絶縁部)を確実に形成する
ことが容易になる。なお、有機溶媒を用いた押出成形
法、または有機溶媒もしくは水を用いたドクターブレー
ド法によっても、結合剤および可塑剤の種類や配合量に
よっては、絶縁部4a,4bを確実に形成できるような
グリーンシートを得ることも可能である。
【0039】溶媒として水を用い、押出成形法により、
グリーンシートを成形する際の結合剤の添加量は、仮焼
粉末の量を100重量部とした場合に、通常1〜10重
量部、好ましくは2〜5重量部である。また、可塑剤の
添加量は、仮焼粉末の量を100重量部とした場合に、
通常1〜10重量部、好ましくは2〜5重量部である。
【0040】膜状の内部電極2a,2bは、たとえばグ
リーンシートの表面に金属ペーストを塗布することによ
り形成することができる。内部電極2a,2bを形成す
る金属としては、たとえば白金、パラジウム、銀−パラ
ジウム合金、銀などが例示される。
【0041】グリーンシートは、積層後焼成されること
から、内部電極2a,2bを形成するための金属ペース
トとしては、セラミックスの焼成温度で焼付け可能な金
属ペーストを選択することが好ましい。なお、金属ペー
ストには、焼成後にグリーンシートと内部電極2a,2
bとの密着強度を向上させるために、ジルコニア粉末、
ガラス粉末、前記電歪セラミックスの粉末等を混合させ
るようにしても良い。
【0042】金属ペーストをグリーンシートの表面に塗
布形成する際には、内部電極2a,2bの周縁の一端
部、または、その長さ方向の中央部にペースト非塗布部
分を設け、内部電極2a,2bの端部に絶縁部4aの予
定部分を形成するとともに、内部電極2bの間に絶縁部
4bの予定部分を形成する。なお、絶縁部4aは、形状
や位置は特に限定されず、グリーンシートの一角部に形
成するようにしてもよい。
【0043】このような内部電極2a,2bの膜厚は、
特に限定されないが、焼成後の膜厚で、好ましくは0.
5〜20μm、さらに好ましくは1〜10μmである。
なお、金属ペーストの塗布は、スクリーン印刷法、ロー
ラー印刷法等の方法で行なうことができる。
【0044】そして、内部電極2aまたは2bが形成さ
れたグリーンシートを、絶縁部4aが積層方向に対して
左右交互に位置するように複数枚積層した後、内部電極
2aが形成され積層されたグリーンシートの上下に内部
電極2bが形成され積層されたグリーンシートを重ね合
わせてグリーンシート積層体を形成する。
【0045】次に、得られたグリーンシート積層体の対
向する側面の節部となるべき部位凹部を形成する。すな
わち、このグリーンシート積層体から圧電振動子を製造
したときに得られた圧電振動子側面の節部となる部位に
凹部を形成する。
【0046】次に、この凹部が形成されたグリーンシー
ト積層体を所定の温度で脱脂および焼成してセラミック
シートの積層体とするとともに、内部電極2a,2bを
焼き付け、セラミックシートと内部電極2a,2bとを
接着する。脱脂に先立って積層体をさらに所定の大きさ
に切断しても良いが、焼成後に切断するようにしても良
い。なお、焼成によって上下のセラミックシート同士は
相互に接着せず、絶縁部4a,4bが確実に形成され
る。
【0047】得られたセラミックシート積層体(圧電振
動子)の凹部に必要に応じて切削加工などを行い、該凹
部に固定具と結合させるための棒状の結合部材の一端を
嵌合する。なお、結合部材を凹部に嵌合する際には、接
着剤などを用いてもよい。
【0048】このようにして、対向する側面に、固定具
と結合させるための棒状の結合部材が側面から突出する
ように設けられている圧電振動子を得る。圧電振動子1
0は、図2(A)、(C)に示すように、一方の側面で
はC要素の内部電極2aが一層おきに外部電極5aと接
続され、A要素の内部電極2bが一層おきに外部電極5
cと接続され、A’要素の内部電極2bが一層おきに外
部電極5dと接続され、B要素の内部電極2bが一層お
きに外部電極5bと接続され、B’要素の内部電極2b
が一層おきに外部電極5eと接続されている。また、他
方の側面では、内部電極2aおよび2bが一層おきに外
部電極5と接続されている。ここで、外部電極5a,5
b,5c,5d,5eは、相互に絶縁して形成されてい
る。
【0049】このような外部電極5,5a,5b,5
c,5d,5eは、圧電振動子10の長さ方向の側面に
電極材料を塗布することにより容易に形成することがで
きる。外部電極5,5a,5b,5c,5d,5eに用
いられる電極材料としては、特に限定されないが、たと
えば銀、ハンダなどが用いられる。
【0050】
【発明の効果】本発明の超音波モータ用圧電振動子は、
固定部に結合するための結合部材を有しているので、超
音波モータへの組み込みが容易である。また、結合部材
は振動の節部に設けられているので圧電振動子の固有振
動を阻害することがない。
【0051】本発明の超音波モータ用圧電振動子の製造
方法は、特殊な技術を用いることなく、固定部に結合す
るための結合部材を有する超音波モータ用圧電振動子を
製造することができる。
【0052】以上、本発明の超音波モータ用圧電振動子
の製造方法について圧電素子が縦振動モード−屈曲振動
モード利用の振動子の場合を例にあげて説明したが、本
発明はこれに限定されず、様々な形態の積層型圧電素子
に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は、本発明に係る超音波モータ用圧電
振動子の一実施例を示す概略斜視図であり、(B)同圧
電振動子の概略断面図である。
【図2】 (A)は、積層型圧電振動子の一例を示す概
略側面図であり、(B)は、同圧電振動子を長さ方向に
要素区分した説明図であり、(C)は、同圧電振動子の
駆動方向の概略側面図である。
【図3】 (A)は、図1に示す超音波モータ用圧電振
動子を固定具に固定した状態を示す概略斜視図であり、
(B)は同概略側面図である。
【符号の説明】
1 … 超音波モータ用圧電振動子 7a,7b … 結合部材 10 … 圧電振動子 11a,11b … 凹部
フロントページの続き (72)発明者 金 山 光 一 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井石油化学工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一体焼結型の超音波モータ用積層型圧電
    振動子であって、対向する側面にそれぞれ固定具と結合
    させるための棒状の結合部材が突設され、かつ該結合部
    材の一部が圧電振動子側面の節部に形成された凹部に嵌
    合されてなることを特徴とする超音波モータ用圧電振動
    子。
  2. 【請求項2】 前記積層型圧電振動子が縦振動モード−
    屈曲振動モード利用の振動子である請求項1に記載の超
    音波モータ用圧電振動子。
  3. 【請求項3】 圧電効果を有するセラミック材料を主成
    分とするグリーンシートを積層一体化してグリーンシー
    ト積層体とし、 前記グリーンシート積層体の対向する側面の圧電振動子
    を形成したときに節部となる部位にそれぞれ凹部を形成
    した後焼成してセラミック積層体とし、 前記セラミック積層体の凹部に、固定具と結合させるた
    めの棒状の結合部材の一端を嵌合して、側面から突出す
    る結合部材を有する積層型圧電振動子を得ることを特徴
    とする超音波モータ用圧電振動子の製造方法。
JP19068094A 1994-08-12 1994-08-12 超音波モータ用圧電振動子およびその製造方法 Pending JPH0866067A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005065358A (ja) * 2003-08-12 2005-03-10 Seiko Instruments Inc 積層圧電振動体を用いた超音波モータおよびそれを用いた電子機器
JP2008179163A (ja) * 2008-03-31 2008-08-07 Brother Ind Ltd 液体圧力発生機構の製造方法
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JP2011172466A (ja) * 2010-01-19 2011-09-01 Tdk Corp 圧電アクチュエータ

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