JPH0866061A - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JPH0866061A
JPH0866061A JP6195538A JP19553894A JPH0866061A JP H0866061 A JPH0866061 A JP H0866061A JP 6195538 A JP6195538 A JP 6195538A JP 19553894 A JP19553894 A JP 19553894A JP H0866061 A JPH0866061 A JP H0866061A
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JP
Japan
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piezoelectric vibrator
ultrasonic motor
driving
coupling member
face
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JP6195538A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Saigo
郷 宏 明 西
Nobuhiro Maruko
子 展 弘 丸
Mayumi Kawasaki
崎 まゆみ 川
Koichi Kanayama
山 光 一 金
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 1個の圧電振動子に駆動電圧を印加すること
により2種の異なった固有振動を励振し、この2種の固
有振動が合成した楕円運動と、前記圧電振動子と駆動面
との間の摩擦力とを駆動力とする定在波型超音波モータ
において、駆動面と対向する面の駆動方向の端部近傍に
耐摩耗部材が設けられた圧電振動子と、該圧電振動子を
磁性体からなる駆動面に押圧するための磁石が結合部材
により結合され、該磁石は前記駆動面と非接触状態であ
ることを特徴とする超音波モータ。 【効果】 加圧機構の簡略化、およびモータの小型化を
図れ、しかも駆動効率が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は圧電振動子の押圧手段とし
て磁力を用いた定在波型超音波モータに関するものであ
る。
【0002】
【発明の技術的背景】一般に超音波モータでは、圧電振
動子を固定し、駆動面などに加圧することが必要であ
る。圧電振動子を駆動面に対し加圧固定する方法として
は、通常ねじやスプリングによる機械的加圧手段が用い
られるが、この方法は部品点数が多くなり、加圧機構が
複雑になるため、モータ構成の自由度に対して制限が大
きい。また、スプリングなどの加圧手段と回転体などが
接触することにより、モータの効率を低下させることが
あった。
【0003】そこで加圧機構を簡略化するために種々の
方法が検討されており、たとえば、特開昭59−185
179号公報には、超音波モータの振動子と移動体(回
転体)とを加圧接触させる手段として磁石を用いる方法
が提案されている。ここで示されている超音波モータ
は、進行弾性波型モータであり、このようなモータは、
駆動力を得るために振動子と移動体との間全体に大きな
接触面積を必要とする。駆動力を生み出すためには、単
位面積当たり一定以上の加圧力を必要とするが、接触面
積が大きいと加圧力が分散するため、駆動力を生み出す
には大きな加圧力が必要となる。また、同公報の実施例
中にみられるような磁石と磁性体(振動子)の間に介在
物(摩擦体)がある場合にはその磁力は著しく弱まるた
め、磁力の利用によって加圧を行う場合には広範囲の接
触面積をカバーする大型で強力な磁石が必要となる。従
って進行弾性波型モータでは、モータを小型化するため
の手段、振動子と移動体とを加圧接触させる手段として
磁石を使用することには限界がある。
【0004】また、特開平4−88890号公報には、
進行波型超音波モータと永久磁石の組み合わせによる弾
性移動体と移動子間の加圧機構を不要とした回転型モー
タ及びリニア型モータが提案されている。しかしながら
ここで示されているモータは、前記と同様の欠点を有す
る他、振動体をレーストラック状にするため形状の自由
度がなく、またリニア型の場合には移動子の特性として
磁性と弾性とを両立させた材質が必要などの問題があ
る。
【0005】
【発明の目的】本発明は上記のような従来技術に鑑みて
なされたものであって、加圧機構の簡略化、およびモー
タの小型化を図れるような超音波モータを提供すること
を目的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係る超音波モータは、1個の圧
電振動子に駆動電圧を印加することにより2種の異なっ
た固有振動を励振し、この2種の固有振動が合成した楕
円運動と、前記圧電振動子と駆動面との間の摩擦力とを
駆動力とする定在波型超音波モータにおいて、駆動面と
対向する面の駆動方向の端部近傍に耐摩耗部材が設けら
れた圧電振動子と、該圧電振動子を磁性体からなる駆動
面に押圧するための磁石が結合部材により結合され(合
わさって一体になっており)、かつ該磁石は前記駆動面
と非接触状態であることを特徴としている。
【0007】本発明では、前記結合部材が磁性体からな
り、前記磁石は結合部材に磁力により結合していてもよ
い。また、前記圧電振動子が縦振動モード−屈曲振動モ
ード利用の積層型圧電振動子であることが好ましい。そ
して、前記圧電振動子と結合部材とが非接着(非固定)
の状態で結合されていることが好ましい。さらに、前記
圧電振動子と結合部材とが弾性部材を介して結合されて
いる(合わさっている)ことが好ましい。
【0008】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る超音波モータ
について具体的に説明する。図1(A)は本発明に係る
超音波モータの一実施例を示す概略正面図であり、
(B)は(A)に示す超音波モータの概略側面図であ
る。図2は、図1に示す超音波モータの概略斜視図であ
る。
【0009】図1および図2に示すように、本実施例で
は超音波モータ1は、ほぼ矩形の結合部材11の一面の
ほぼ中央に圧電振動子10が配設され、同一面の対向す
る辺の近傍にそれぞれ磁石12a,12bが配設されて
いる。
【0010】結合部材11は、合成樹脂、金属などから
形成されている。本実施例では、結合部材11は、ほぼ
矩形であるが本発明では結合部材11の形状は、圧電振
動子10と磁石12a,12bとを結合しうる形状であ
れば特に限定されず、たとえば棒状であってもよい。ま
た、本実施例では結合部材11の一面のほぼ中央に溝が
形成され、該溝部に圧電振動子10が配設されている
が、本発明ではこの溝は、必ずしも形成する必要はな
い。
【0011】圧電振動子10は、後述するように縦振動
−屈曲振動を利用した圧電振動子であり、駆動電圧を印
加することにより圧電振動子10の駆動面20と対向す
る面(摺動面)の両端部に楕円運動が発生し、一定方向
への駆動力が生じる。図1(B)では超音波モータ1
は、矢印方向または反矢印方向に移動する。
【0012】圧電振動子10の摺動面の駆動方向に対し
て前後の端部、すなわち圧電振動子10に駆動力を発生
させる部位には、耐磨耗部材13a,13bが駆動方向
に対してほぼ直角に線状に設けられている。本実施例で
は、耐磨耗部材13a,13bが圧電振動子10の摺動
面端部に線状に形成されているが、本発明では、摺動面
の駆動方向に対して前後の端部近傍に面状に設けられて
いてもよい。
【0013】耐磨耗部材13a,13bの厚さは、特に
限定されないが、通常10〜1000μm、より好まし
くは100〜600μmである。耐磨耗部材13a,1
3bの材料としては、ソーダガラス、鉛ガラス、ホウ珪
酸ガラス(例:PyrexTM)、クラウンガラス、フリ
ントガラス、重フリントガラス、石英ガラスなどのガラ
ス;アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素、炭化
タングステン、炭化チタンなどのセラミックス;および
ガラスコーティングしたセラミックスなどを挙げること
ができる。これらのなかでは、石英ガラスであることが
好ましい。
【0014】また、耐磨耗部材13a,13bの表面粗
さは、小さいことが好ましく、具体的には触針式表面あ
らさ測定機で測定した中心線平均あらさ(Ra)が5〜
50Åの範囲であることが好ましい。
【0015】このような耐磨耗部材13a,13bは、
圧電振動子10に、たとえば接着剤などを用いて設ける
ことができる。磁石12a,12bは、結合部材11の
圧電振動子10が配設さている面と同一の面に、圧電振
動子10を中心としてほぼ対称に配設されている。ま
た、磁石12a,12bと、駆動面20とは接触するこ
とがないように設けられる。すなわち、駆動面20と
は、前記耐磨耗部材13a,13bのみが接触するよう
に磁石12a,12bを設ける。
【0016】この磁石12a,12bは、通常結合部材
11の一面に接着されるが、結合部材11が磁性体であ
る場合は、磁石12a,12bと結合部材11とは磁力
で結合されていてもよい。
【0017】圧電振動子10は、縦振動−屈曲振動を利
用した圧電振動子であり、たとえば図3に示すような縦
振動モード−屈曲振動モード利用の圧電振動子である。
このような圧電振動子10は、図3(B)に示すように
上部のA要素およびB要素、中間部のC要素、下部の
A’要素およびB’要素の5つの駆動要素に区分され
る。各駆動要素のうち、A要素、A’要素、B要素およ
びB’要素は屈曲2次励振用であり、C要素は縦1次励
振用である。
【0018】図3(A)、(C)に示すように、A要
素、A’要素、B要素、B’要素およびC要素は、圧電
効果を有する材料を主成分とするセラミックシート3
が、それぞれ内部に内部電極2aまたは2bを介装しつ
つ複数枚積層されている。圧電振動子10の対向する一
方の面には外部電極5a,5b,5c,5d,5eが形
成され、他方の面には外部電極5が形成されている。
【0019】A要素、A’要素、B要素およびB’要素
は、セラミックシート3が内部電極2bを介装しつつ積
層されており、また、A要素とB要素、A’要素とB’
要素とは、絶縁部4bによって長辺方向のほぼ中央で区
分される。
【0020】そして、A要素の内部電極2bは、一層お
きに短辺方向の一方の端部が外部電極5cと接続されて
おり、外部電極5cと接続されていない内部電極2bの
短辺方向の端部は、外部電極5と接続されている。A’
要素の内部電極2bは、一層おきに短辺方向の一方の端
部が外部電極5dと接続されており、外部電極5dと接
続されていない内部電極2bの短辺方向の端部は、外部
電極5と接続されている。
【0021】B要素の内部電極2bは、一層おきに短辺
方向の一方の端部が外部電極5bと接続されており、外
部電極5bと接続されていない内部電極2bの短辺方向
の端部は、外部電極5と接続されている。B’要素の内
部電極2bは、一層おきに短辺方向の一方の端部が外部
電極5eと接続されており、外部電極5eと接続されて
いない内部電極2bの短辺方向の端部は、外部電極5と
接続されている。
【0022】C要素は、セラミックシート3が内部電極
2aを介装しつつ積層されており、前記A要素、B要素
のように絶縁部は設けられていない。そして、C要素の
内部電極2aは、短辺方向の一方の端部は一層おきに外
部電極5aと接続されており、外部電極5aと接続され
ていない内部電極2aの短辺方向の端部は、外部電極5
と接続されている。
【0023】また、A要素、A’要素、B要素、B’要
素およびC要素は、図3(C)に示すように、絶縁部4
aが積層方向に対して左右交互に位置するように複数形
成されている。なお、絶縁部4aは、必ずしも左右交互
に配置する必要はなく、積層方向に隣り合うセラミック
シート間では、ずれた位置となり、一層おきのセラミッ
クシート間では、同じ位置になるように配置すれば良
い。また、絶縁部4aは通常空所である。
【0024】セラミックシート3は、通常、A要素、
A’要素、B要素およびB’要素では2〜30枚、好ま
しくは3〜20枚が積層され、C要素では2〜30枚、
好ましくは3〜20枚が積層されている。
【0025】セラミックシート3は、圧電効果を有する
材質で構成されており、たとえば、PbTiO3、Pb
ZrO3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、Pb(Ni1/3
Nb2/ 3)O3などを主成分としている。
【0026】前記圧電振動子10は、外部電極5,5
a,5b,5c,5d,5eに電圧を加えれば、圧電振
動子10の積層方向に電界が印加される。そして電界が
印加されると、A要素とB要素が逆向きに、A’要素と
B’要素が逆向きに伸縮し、屈曲2次振動を励振すると
ともにC要素は独立に伸縮し、縦1次振動を励振する。
なおA要素とA’要素とは同じ向きに伸縮する。
【0027】このような圧電振動子10を駆動させる具
体的な方法としては、たとえば下記のような方法が挙げ
られる。A要素とB要素、A’要素とB’要素がそれぞ
れ逆向きの分極(ポーリング)がされ、A要素、A’要
素およびC要素にそれぞれ同じ向きに分極されている圧
電振動子10に、駆動電圧を、A要素、A’要素、B要
素およびB’要素には sinωt(ωは角周波数)の周波
数で印加し、C要素には cosωt(ωは角周波数)の周
波数で印加する。これにより、A要素、A’要素、B要
素およびB’要素により屈曲振動が励振され、C要素に
より伸縮振動が励振されることにより、圧電振動子10
は、駆動方向端部において楕円運動をおこない、駆動力
が一定方向に発生する。そして、駆動力は耐磨耗部材1
3a,13bと駆動面20との接触部に伝達されるの
で、接触部で生じる摩擦力によって圧電振動子10は駆
動する。
【0028】このような圧電振動子10は、たとえば下
記のようにして製造することができる。まず、主成分と
なるセラミックスの仮焼粉末に、溶媒、結合剤、可塑剤
などを加えた後にこれらを混合し、泥漿を調製する。
【0029】この際、溶媒として水を用いる場合には、
結合剤として、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、ワックス系滑剤、カ
ルボキシメチルセルロースなどが用いられ、可塑剤とし
て、グリセリン、ポリアルキルグリコール、ソルビタン
酸エステル類、トリエチレングリコール、ペトリオー
ル、ポリオールなどが用いられる。また、溶媒としてエ
チルアルコール、メチルエチルケトン、ベンゼン、トル
エンなどの有機溶媒を用いる場合には、結合剤として、
ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルブチラール、セルロースアセテートなどが用い
られ、可塑剤として、ジブチルフタレート、ポリエチレ
ングリコール、グリセリンなどが用いられる。
【0030】得られた泥漿を、ドクターブレード法、押
出成形法などの方法により薄板状に成形し、所定の形状
に切断してグリーンシートを得る。このグリーンシート
を乾燥後、所定の形状に切断することによりセラミック
シート前駆体が得られる。このセラミックシート前駆体
の厚さは、特に限定されないが、好ましくは0.02〜
2mm、さらに好ましくは0.05〜0.5mmであ
る。
【0031】グリーンシートの成形方法としては、溶媒
として水を用い、押出成形法によりシートを得る方法が
好ましい。このような成形方法によれば、結合剤および
/または可塑剤の配合量を減少させることが容易であ
り、しかも乾燥時にシート同士が接着しにくくなる。こ
のためセラミックシート前駆体を積層して焼成する際
に、絶縁部4a,4bにおいて、上下のシートが接着す
ることを防止でき、この部分に空所(絶縁部)を確実に
形成することが容易になる。なお、有機溶媒を用いた押
出成形法、または有機溶媒もしくは水を用いたドクター
ブレード法によっても、結合剤および可塑剤の種類や配
合量によっては、絶縁部4a,4bを確実に形成できる
ようなグリーンシートを得ることも可能である。
【0032】結合剤および可塑剤の種類や量およびグリ
ーンシートの乾燥条件は、セラミックシート3同士を1
50℃以下、200kg/cm2 以下の条件で加圧した
場合に、引張り剪断接着強さが焼成前のセラミックシー
ト3自身の引張り強さの10%以下、好ましくは5%以
下となるように選ばれる。
【0033】溶媒として水を用い、押出成形法により、
グリーンシートを成形する際の結合剤の添加量は、仮焼
粉末の量を100重量部とした場合に、通常1〜10重
量部、好ましくは2〜5重量部である。また、可塑剤の
添加量は、仮焼粉末の量を100重量部とした場合に、
通常1〜10重量部、好ましくは2〜5重量部である。
【0034】膜状の内部電極2a,2bは、たとえば、
セラミックシート前駆体の表面に金属ペーストを塗布す
ることにより形成することができる。内部電極2a,2
bを形成する金属としては、たとえば白金、パラジウ
ム、銀−パラジウム合金、銀などが例示される。
【0035】セラミックシート前駆体は、積層状態で焼
成されることから、内部電極2a,2bを形成するため
の金属ペーストとしては、セラミックシート前駆体の焼
成温度で焼付け可能な金属ペーストを選択することが好
ましい。なお、金属ペーストには、焼成後にセラミック
シート3と内部電極2a,2bとの密着強度を向上させ
るために、ジルコニア粉末、ガラス粉末、前記圧電セラ
ミックスの粉末等を混合させるようにしても良い。
【0036】金属ペーストをセラミックシート前駆体の
表面に塗布形成する際には、内部電極2a,2bの周縁
の一端部、または、その長さ方向の中央部にペースト非
塗布部分を設け、内部電極2a,2bの端部に絶縁部4
aの予定部分を形成するとともに、内部電極2bの中央
部に絶縁部4bの予定部分を形成する。なお、絶縁部4
aは、形状や位置は特に限定されず、セラミックシート
前駆体の一角部に形成するようにしてもよい。
【0037】このような内部電極2a,2bの膜厚は、
特に限定されないが、焼成後の膜厚で、好ましくは0.
5〜20μm、さらに好ましくは1〜10μmである。
なお、金属ペーストの塗布は、スクリーン印刷法、ロー
ラー印刷法等の方法で行なうことができる。
【0038】そして、このように内部電極2aまたは2
bが形成されたセラミックシート前駆体を、絶縁部4a
が積層方向に対して左右交互に位置するように複数枚積
層した後、内部電極2aが形成され積層されたセラミッ
クシート前駆体の上下に内部電極2bが形成され積層さ
れたセラミックシート前駆体を重ね合わせてセラミック
シート前駆体の積層体を形成する。
【0039】この積層体を熱プレスで圧着した後、所定
の温度で脱脂および焼成するとともに、内部電極2a,
2bを焼き付け、セラミックシート3と内部電極2a,
2bとを接着する。なお、脱脂に先立って積層体をさら
に所定の大きさに切断しても良いが、焼成後に切断する
ようにしても良い。このように積層体を焼成しても、上
下のセラミックシート3同士は相互に接着せず、絶縁部
4a,4bが確実に形成される。
【0040】圧電振動子10は、図3(A)、(C)に
示すように、一方の側面ではC要素の内部電極2aが一
層おきに外部電極5aと接続され、A要素の内部電極2
bが一層おきに外部電極5cと接続され、A’要素の内
部電極2bが一層おきに外部電極5dと接続され、B要
素の内部電極2bが一層おきに外部電極5bと接続さ
れ、B’要素の内部電極2bが一層おきに外部電極5e
と接続されている。また、他方の側面では、内部電極2
aおよび2bが一層おきに外部電極5と接続されてい
る。ここで、外部電極5a,5b,5c,5d,5e
は、相互に絶縁して形成されている。
【0041】このような外部電極5,5a,5b,5
c,5d,5eは、圧電振動子10の長さ方向の側面に
電極材料を塗布後焼付することにより容易に形成するこ
とができる。
【0042】外部電極5,5a,5b,5c,5d,5
eに用いられる電極材料としては、特に限定されない
が、たとえば銀、ハンダなどが用いられる。本発明の超
音波モータは、圧電振動子を磁性体からなる駆動面に押
圧するための手段として磁石を用いているので、加圧機
構を簡略化することができる。
【0043】また、圧電振動子の摺動面の特定の位置に
耐摩耗部材を設け、駆動面との接触部分を限定している
ので、不要な摩擦抵抗を防ぐことができるとともに、駆
動の妨げとなる逆向きの楕円運動の影響を防ぐことがで
き、駆動効率を高めることができる。さらに、駆動に必
要な加圧力を小型の磁石で得ることができ、超音波モー
タの小型化が図れる。
【0044】本発明の超音波モータを駆動させる駆動面
は平滑な磁性体であればよく、水平方向の他、鉛直方向
へも駆動させることができる。また、2つ以上の圧電振
動子を組み合わせることによって、移動範囲の限定され
ないX−Y平面自由走行が可能である。さらに、ベアリ
ングへ直接加圧することによる簡易機構の回転型モータ
を構成することもできる。
【0045】以上、本発明の超音波モータについて説明
したが、本発明はこれに限定されず種々変形可能であ
り、たとえば図4に示すように圧電振動子10と結合部
材11とが弾性部材14を介して結合されていてもよ
い。
【0046】図4は、本発明の超音波モータに係る第2
の実施例を示す概略正面図である。なお、各図において
同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。本
実施例では、圧電振動子10の摺動面と対向する面のほ
ぼ全面と、結合部材11の一面とは、弾性部材14を介
して結合されている。
【0047】弾性部材14の材料としては、シリコーン
ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イ
ソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴ
ム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシニ
トリルゴム、アクリルゴム、水素添加ニトリルゴム、ウ
レタンゴムなどの弾性材料が挙げられる。
【0048】弾性部材14の厚さは、通常0.1〜2.
5mm、好ましくは0.1〜1mm程度である。弾性部
材14と圧電振動子10、および弾性部材14と結合部
材12とは、それぞれ接着剤などにより結合することが
できる。
【0049】本発明の超音波モータは、圧電振動子を磁
性体からなる駆動面に押圧するための手段として磁石を
用い、かつ圧電振動子の摺動面に耐摩耗部材を設け、駆
動面との接触部分を限定しているので、前記第1の実施
例と同様の作用効果を奏する。
【0050】また、本発明の超音波モータは、圧電振動
子と結合部材とが弾性部材を介して結合されているの
で、圧電振動子の固有振動が弾性部材により結合部材と
弾性的に分離され、圧電振動子の共振特性を低下させる
ことないため高効率のモータ動作が可能となる。
【0051】次に、本発明の超音波モータの実験例を示
し、本発明をさらに具体的に説明する。前記第1の実施
例に示した超音波モータを用い試験を行った。圧電振動
子は、積層方向に、A要素、A’要素、B要素および
B’要素の内部電極が13層、C要素の内部電極が14
層である積層型の圧電振動子であり。この圧電振動子
は、115μm厚のセラミックシートが40枚積層され
ており、寸法は、長さ×幅×高さ=21.0mm×4.
8mm×5.4mmである。また、圧電振動子の上下に
は、絶縁層を形成してある。結合部材は樹脂性であり2
5mm×28mmの大きさである。磁石による加圧力は
285gfであり、超音波モータの重量は16gであ
る。
【0052】このような構成の超音波モータを用い、駆
動電圧4Vp-p で垂直に設けられた平滑な磁性体面上を
走行させたところ、水平方向には55mm/s、鉛直上
方向には26mm/sの移動速度が得られた。
【0053】
【発明の効果】本発明の超音波モータは、加圧機構の簡
略化、およびモータの小型化を図れ、しかも駆動効率が
高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係る超音波モータの一実施例
を示す概略正面図である。(B)は(A)に示す超音波
モータの概略側面図である。
【図2】 図1に示す超音波モータの概略斜視図であ
る。
【図3】(A)は、積層型圧電振動子の一例を示す概略
側面図であり、(B)は、同圧電振動子を長さ方向に要
素区分した説明図であり、(C)は、同圧電振動子の駆
動方向の概略側面図である。
【図4】本発明に係る超音波モータの他の実施例を示す
概略正面図である。
【符号の説明】
1 … 超音波モータ 10 … 圧電振動子 11 … 結合部材 12a,12b … 磁石 13a,13b … 耐摩耗部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金 山 光 一 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井石油化学工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1個の圧電振動子に駆動電圧を印加する
    ことにより2種の異なった固有振動を励振し、この2種
    の固有振動が合成した楕円運動と、前記圧電振動子と駆
    動面との間の摩擦力とを駆動力とする定在波型超音波モ
    ータにおいて、駆動面と対向する面の駆動方向の端部近
    傍に耐摩耗部材が設けられた圧電振動子と、該圧電振動
    子を磁性体からなる駆動面に押圧するための磁石が結合
    部材により結合され、該磁石は前記駆動面と非接触状態
    であることを特徴とする超音波モータ。
  2. 【請求項2】 前記結合部材が磁性体からなり、前記磁
    石は結合部材に磁力により結合している請求項1に記載
    の超音波モータ。
  3. 【請求項3】 前記圧電振動子が縦振動モード−屈曲振
    動モード利用の積層型圧電振動子である請求項1または
    2に記載の超音波モータ。
  4. 【請求項4】 前記圧電振動子と結合部材とが非接着
    (非固定)の状態で結合されている請求項1〜3のいず
    れかに記載の超音波モータ。
  5. 【請求項5】 前記圧電振動子と結合部材とが弾性部材
    を介して結合されている請求項1〜4のいずれかに記載
    の超音波モータ。
JP6195538A 1994-08-19 1994-08-19 超音波モータ Pending JPH0866061A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005295656A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Seiko Instruments Inc 超音波モータおよび超音波モータ付き電子機器
JP2009011058A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 Canon Inc 振動波駆動装置

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JP2005295656A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Seiko Instruments Inc 超音波モータおよび超音波モータ付き電子機器
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