JP2006286774A - 積層型圧電アクチュエータおよび積層型圧電アクチュエータ接着体 - Google Patents

積層型圧電アクチュエータおよび積層型圧電アクチュエータ接着体 Download PDF

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雅幸 渡邉
Kazumasa Asumi
一将 阿隅
Noboru Miyata
昇 宮田
Kenji Kumamoto
憲二 熊本
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Abstract

【課題】 圧電駆動部の端部における絶縁破壊の発生を抑制し、かつ、機械的強度を適切に保持した積層型圧電アクチュエータを提供する。
【解決手段】 アクチュエータ10は、圧電セラミックス層11と内部電極層12とが交互に積層されてなる圧電駆動部2と、圧電セラミックス層11どうしがその中央部で接合層14により接合され、その外周部に圧電セラミックス層11どうしが不連続となる不連続層15が形成されてなる応力吸収層部3と、圧電不活性な保護層部4とを有している。接合層14の中心から外周までの距離cと、内部電極層12の中心から外周までの距離aとを、0.73≦c/a≦0.95、の関係が満たされるように設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は積層型圧電アクチュエータおよび積層型圧電アクチュエータ接着体に関する。
圧電セラミックス層と電極層とを交互に積層した圧電駆動部を有し、電極層を一層おきに接続して一対の駆動電極を構成し、この駆動電極に所定の電圧を印加することにより、圧電セラミックス層を積層方向に伸縮させる積層型圧電アクチュエータが知られている。
このような積層型圧電アクチュエータの伸縮方向端には、一般的に、圧電不活性な保護層部が設けられており、これにより、積層型圧電アクチュエータの各種装置への組み込みや複数の積層型圧電アクチュエータどうしの伸縮量を増大させるような接着を容易としている。
ここで、積層型圧電アクチュエータどうしをその端面全体で接着してしまうと、圧電駆動部が収縮した際の撓みに保護層部が追従することができずに、圧電駆動部と保護層部の境界近傍に大きな応力が発生し、これによって圧電駆動部の端部(つまり、保護層部との境界近傍)においてクラックが生じ、絶縁破壊を起こすことが知られている。また、この現象は積層型圧電アクチュエータを単体で所定の治具に接着固定した場合にも同様に発生する。このような絶縁破壊は積層型圧電アクチュエータの通常の駆動電圧で発生し、製品寿命を短くしてしまうという問題がある。そこで、この問題を解決する方法として、保護層部の外周に輪環状のスリットを形成して、圧電駆動部と保護層部との境界近傍に発生する応力を緩和する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1では圧電板と金属板を接着剤を用いて積層接着した構造のアクチュエータしか示されておらず、このような接着型の積層型圧電アクチュエータと、所謂、一体焼成型の積層型圧電アクチュエータとでは、接着剤層と金属板の存在の有無に起因して、積層型圧電アクチュエータにおける応力分布に差が生じるものと考えられる。そのため、特許文献1で規定するスリット形成条件が、一体焼成型の積層型圧電アクチュエータにはそのまま適用できないおそれがある。
特開2000−49396号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、一体焼成型の積層型圧電アクチュエータの圧電駆動部の端部における絶縁破壊の発生を抑制し、かつ、機械的強度を適切に維持した積層型圧電アクチュエータおよび積層型圧電アクチュエータ接着体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の第1の観点によれば、圧電セラミックス層と電極層とが交互に積層されてなる圧電駆動部と、圧電セラミックス層どうしがその中央部で接合され、その外周部は圧電セラミックス層どうしが不連続となることで応力を吸収する応力吸収層部と、圧電不活性な保護層部とを有し、前記電極層が1層おきに接続されてなる、一体焼成型の積層型圧電アクチュエータであって、
前記応力吸収層部において圧電セラミックス層どうしを接合している接合部におけるその中心から外周までの距離cと、前記電極層の中心から外周までの距離aとは、0.73≦c/a≦0.95、の関係を満たすことを特徴とする積層型圧電アクチュエータ、が提供される。
この積層型圧電アクチュエータにおいては、応力吸収層部は圧電駆動部と保護層部との間に設けることが好ましい。
本発明の第2の観点によれば、圧電セラミックス層と電極層とが交互に積層されてなる圧電駆動部と、圧電不活性な保護層部と、圧電セラミックス層どうしがその中央部で接合され、その外周部は圧電セラミックス層どうしが不連続となることで応力を吸収する応力吸収層部とを有し、前記電極層が1層おきに接続されてなる、一体焼成型の積層型圧電アクチュエータであって、
前記応力吸収層部による応力緩和効果により、前記圧電駆動部の積層方向端部で絶縁破壊する確率が、その中央部で絶縁破壊する確率よりも小さいことを特徴とする積層型圧電アクチュエータ、が提供される。
これらの積層型圧電アクチュエータにおいて、応力吸収層部は、圧電セラミックス層どうしを接合している中央部の外周にチタン酸鉛を主成分とする粉末が充填された不連続層を有する構造とすることが好ましく、このような構造の積層型圧電アクチュエータは、所定パターンで電極ペーストが印刷されたグリーンシートと、チタン酸鉛を主成分とする粉末を有するペーストが不連続層のパターンで、かつ、圧電セラミックス層と同時焼成が可能な電極材または圧電セラミックス材のペーストが不連続層のパターンの内側に印刷されたグリーンシートと、を用いた一体焼成法により好適に製造される。
本発明の第3の観点によれば、複数の一体焼成型の積層型圧電アクチュエータをその伸縮方向に接着してなる積層型圧電アクチュエータ接着体であって、
前記積層型圧電アクチュエータは、圧電セラミックス層と1層おきに接続される電極層とが交互に積層されてなる圧電駆動部と、当該圧電駆動部の積層方向端に設けられた圧電不活性な保護層部と、を有し、
前記積層型圧電アクチュエータどうしを接着する接着部におけるその中心から外周までの距離cと、前記電極層の中心から外周までの距離aとは、0.73≦c/a≦0.95、の関係を満たすことを特徴とする積層型圧電アクチュエータ接着体、が提供される。
本発明に係る、応力吸収層部を有する一体焼成型の積層型圧電アクチュエータは、応力吸収層部によって圧電駆動部と保護層部との境界近傍における応力集中が緩和される構造を有しているので、圧電駆動部において保護層部に近接した部分で絶縁破壊の発生を抑制することができる。同時に、応力吸収層部における圧電セラミックス層間の接合強度も適切に確保されているので、応力吸収層部において機械的な破壊が発生することも抑制される。こうして、長寿命な積層型圧電アクチュエータを実現することができる。また、複数の一体焼成型の積層型圧電アクチュエータをその伸縮方向に接着してなる積層型圧電アクチュエータ接着体では、積層型圧電アクチュエータが応力吸収層部を有していない場合でも、各接着面においてその外周部に非接着部が形成されるために、保護層部が圧電駆動部の変形に追従することができ、これにより圧電駆動部と保護層部との境界近傍での応力集中を緩和することができるので、絶縁破壊の発生を抑制することができる。また、積層型圧電アクチュエータを接着保持するために十分な接着面積が確保されているために接着部での接着強度が確保され、機械的破壊を抑制することができる。こうして、長寿命な積層型圧電アクチュエータ接着体を実現することができる。なお、応力吸収層部を有する積層型圧電アクチュエータを用いて、このような接着体を構成することは、より好ましい。
図1に積層型圧電アクチュエータ(以下、「アクチュエータ」という)の概略構造を表す断面図を示す。このアクチュエータ10は、所謂、グリーンシートを用いた一体焼成法(同時焼成法)により製造されるものであり、圧電セラミックス層11と内部電極層12とが交互に積層されてなる圧電駆動部2を有しており、これら内部電極層12は1層おきに一対の外部電極13に接続されている。圧電セラミックス層11としては、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)系の圧電セラミックスが好適に用いられる。内部電極層12としては、この圧電セラミックスと同時焼成が可能な金属材料が、製造工程における焼成温度に応じて適宜選択され、一般的に、銀−パラジウム、銀、パラジウム、白金等が用いられる。
圧電駆動部2の両端(圧電セラミックス層11と内部電極層12の積層方向端)には、圧電セラミックス層11どうしがその中央部の接合層14で接合され、この接合層14の外周部は圧電セラミックス層11どうしが不連続となることで応力を吸収する応力吸収層部3が設けられている。以下、応力吸収層部3における圧電セラミックス層11どうしの不連続部分を‘不連続層’と呼ぶこととし、図1において符号‘15’で示す)
接合層14としては、内部電極層12と同じ電極材料(但し、外部電極13とは導通させない)や、圧電セラミックス層11と同じ圧電セラミックス材料、圧電セラミックス層11と異なる組成を有するが製造時に一体焼結が可能な圧電セラミックス材料が好適に用いられる。
不連続層15は、空隙(スリット)であってもよいが、このような空隙にチタン酸鉛を主成分とする粉末が充填されている構造とすることが好ましい。このような空隙にチタン酸鉛が充填された不連続層15を形成する方法としては、例えば、圧電セラミックス層11を形成するためのグリーンシートに所定のパターンで、チタン酸鉛のペーストを印刷しておく方法が挙げられる。これは、チタン酸鉛のキュリー温度は約490℃であり、焼成段階の降温中に同温度時に発生する相転移による体積変化で自己破壊する結果、焼結されない性質を利用したものである。
なお、一体焼成法ではグリーンシートを熱圧着してバルクを形成するが、グリーンシートどうしが熱圧着により接着される場合には、この接合層14は圧電セラミックス層11の一部として形成されることとなり、そのような構造とすることも好ましい。応力吸収層部3に形成する接合層14および不連続層15の数は、圧電駆動部2の駆動によってアクチュエータ10の内部に発生する応力を吸収することができるように、保護層部4と圧電駆動部2における圧電セラミックス層11の積層数に応じて定められる。
アクチュエータ10の両端には、圧電セラミックス層11が一体的に接合されてなる圧電不活性な保護層部4が形成されている。保護層部4は、圧電セラミックス層11を形成するための複数枚のグリーンシートを熱圧着して、または厚いグリーンシートを製造して、応力吸収層部3に熱圧着させることによって、形成することができる。また、アクチュエータ10は治具16に接着して挟持されており、治具16間には一定の予圧が掛けられている。
図2にアクチュエータ10における内部電極層12と接合層14の平面形状の位置および寸法の関係を、積層方向から見て重ね合わせて示す。この図2において、内部電極層12の凸部は外部電極13との接続のために設けられるもので、図2ではこの凸部が下側に記されているが、凸部が上側に位置した状態と下側に位置した状態が、紙面に垂直な方向に交互に配置される。内部電極層12の外側は、圧電セラミックス層11の外周部であり、圧電不活性な部分となる。この部分の幅は、アクチュエータ10の大きさに応じて、適宜、定められる。
図2に示すように、応力吸収層部3を構成する接合層14の中心から外周までの距離を“c”とし、内部電極層12の中心から外周までの距離を“a”とする。ここで、例えば、接合層14の形状が長方形であれば、長辺への距離と短辺への距離には差が生じるが、そのような場合には、距離cとして短い方の値を選択するものとし、内部電極層12についても距離aを同様に設定する。アクチュエータ10では、0.73≦c/a≦0.95、の関係が満たされるように、距離a,cを定める。
ここで応力吸収層部を有しないアクチュエータの変形に着目すると、図3に模式的に示すように、そのようなアクチュエータ99では、圧電駆動部97が伸長すると、保護層部98の外周部が圧電駆動部97側に引き込まれるような変形が生じる。このような変形が生じた場合には、圧電駆動部97と保護層部98の境界近傍に大きな引張応力が発生し、これにより剥離が生じ、さらに絶縁破壊が生じる。
このような変形はアクチュエータ10を駆動した場合の変形にも適用されるが、アクチュエータ10では、応力吸収層部3を設け、しかも、比c/aの値を前記範囲に設定すること、つまり、応力吸収層部3における接合層14および不連続層15の寸法を圧電駆動部2の変形量を決める内部電極層12の形状に対して適切に設定されているので、応力吸収層部3に掛かる引張応力を小さくすることができ、剥離破壊の発生を抑制することができる。
これに対して、この比c/aが0.73未満の場合には、接合部の面積が小さくなるために、アクチュエータの機械的強度が応力吸収層において低下する。このような機械的強度の低下は、アクチュエータを治具に固定する作業の際や、駆動中の破壊原因となる。一方、比c/aが0.95以上である場合、つまり、不連続層15の内周が内部電極層12の外周より外側に位置するかまたはアクチュエータ10の中心部への切り込みが狭い場合には、保護層部4は治具16に接着されているために変形することができないので、圧電駆動部2において発生する変形に基づく内部応力を応力吸収層部3で十分に吸収することができず、応力吸収層部3の外周部に大きな引張応力が作用して、応力吸収層部3で剥離破壊が生じてしまう。
比c/aを前記範囲に設定することにより、アクチュエータ10では、アクチュエータ10を駆動した際の破壊モードは、圧電駆動部2の端部での破壊モードよりも、圧電駆動部2の中心部での破壊モードが主となる。つまり、圧電駆動部2の端部で絶縁破壊する確率が、その中央部で絶縁破壊する確率よりも小さくなる。一般的に、アクチュエータの破壊強度は、圧電駆動部の中心部で起こるものの方が圧電駆動部の端部で起こるものよりも長寿命である。アクチュエータ10を前記構造とすることにより、従来よりも大きな変位や大きな発生力の素子の耐久性を向上させることができるために、アクチュエータの寿命を飛躍的に長寿命化させることができるようになり、実用化に有効である。これに対して、従来の応力吸収層部3を有しない場合や応力吸収層部3における接合層14および不連続層15の形状設定が不適切なアクチュエータでは、アクチュエータの端部における絶縁破壊や剥離破壊が主な故障原因になる。
表1に示す各種の形状パラメータを有するアクチュエータを作成し、その破壊電圧を調べた。ここで、圧電駆動部を構成し、変位を生じる圧電セラミックス層の1層の厚さは約54μmであり、その層数は170層である。また、応力吸収層部を構成する不連続層の数は5層とし、保護層部の厚さを約0.25mmとした。
表1に示す「素子幅」は、図2に示す圧電セラミックス層11の一辺の長さ(形状)を示している。表1中の「電極幅a」は図2中の“a”と同じである。表1に示す各試料では、内部電極層の形状を長方形に設定しているために、内部電極層における中心から短辺への距離を「電極幅b」で示している。表1中の「曲率R1」は、四角形状の内部電極層の4隅に設けた曲率を示しており、比較例および実施例1,2には曲率は設けられておらず、実施例3〜5では2mmの曲率が設けられている。
表1中の「接合幅c」は図2中の“c”と同じである。前述の通り、内部電極層が長方形に設定されているために、接合部の外周が内部電極層の外周から同じ幅だけ内側に設けられるように、接合部の形状も長方形に設定されている。そのため、接合部における中心からその短辺への距離を「接合幅d」で示している。表1中の「曲率R2」は、四角形状の接合部の4隅に設けた曲率を示しており、比較例および実施例1,2には曲率は設けられておらず、実施例3〜5では2mmの曲率が設けられている。差Wはaとcの差を示しており、この差Wは、接合部の外周(つまり、不連続層の内周)が内部電極層よりもどの程度内側に設けられているかを表している。
表1に比c/aを併記する。また、各アクチュエータの積層方向端面に厚さ5mmのアルミナ板を、各アクチュエータの積層方向端面が全面接着されるように取り付け、各アクチュエータに10V/secの昇電圧速度で印加電圧を増大するように駆動した場合の絶縁破壊電圧値を測定し、比較例における絶縁破壊電圧の平均値を“1”として、各実施例の絶縁破壊電圧値を標準化した。その結果および試験に供した試料数nを表2に示す。さらに、図4に試料数の分布を標準化された破壊電圧に対して表したグラフを示す。
表2および図4に示されるように、実施例1〜5では、比較例(接合部の外周と内部電極層の外周が一致)と比較して、絶縁破壊電圧の向上が認められた。また、比較例では殆どの試料が圧電駆動部の端部における絶縁破壊であったが、実施例の殆どの試料は圧電駆動部の中央部において絶縁破壊が発生していることが確認された。
内部電極層に曲率R1を設けることによって、内部電極層の四隅での電荷集中が抑制されて絶縁破壊が起こり難くなり、また、接合部に曲率R2を設けることで、応力集中を緩和することができると考えられる。このような効果は、比c/aによる効果と合わさって絶縁破壊電圧に現れるために、表1からその単独の効果については確認はできないが、比c/aの値が小さく、しかも、曲率R1,R2を設けることで、絶縁破壊電圧の標準偏差が小さくなっており、絶縁破壊特性のばらつきが小さくなることがわかる。
Figure 2006286774
Figure 2006286774
次に、別の実施の形態について説明する。アクチュエータにおいて応力吸収層部を設ける位置は、アクチュエータの駆動時における破壊がアクチュエータの圧電駆動部の中央部で生じるようになる限りにおいて、アクチュエータの端部側に限定されるものではない。そこで、例えば、図5に示すアクチュエータ20のように、圧電駆動部2を分断するように、複数箇所に応力吸収層部3を設けた構成としてもよい。応力吸収層部3は変位を生じない部分であるから、応力吸収層部3の数を多くすると、アクチュエータ20の大型化や全長に対する変位量割合の低下を招くために、十分な素子寿命が得られる範囲で、応力吸収層部3の配設数を少なくすることが好ましい。
次に、さらに別の実施の形態について説明する。図6に複数のアクチュエータ30をその伸縮方向に接着接続したアクチュエータ接着体40を示す。各アクチュエータ30は、圧電駆動部2と保護層部4(それぞれ、図1に示す圧電駆動部2,保護層部4と同じ)を有しており、前述したアクチュエータ10のような応力吸収層部3は有していない。
各アクチュエータ30の接着面の形状を、内部電極層12の形状と重ねた平面図として図7に示す。この接着面における接着層35の中心から外周までの距離c′と、内部電極層12の中心から外周までの距離aとは、0.73≦c′/a≦0.95、の関係を満たすように設定されている。つまり、接着部35を、先に説明したアクチュエータ10に設けられた応力吸収層部3の接合層14と同様の形状に設定する。
アクチュエータ30を駆動すると、先に図3に示した変形が生ずるが、アクチュエータどうしの接合面の外周は固定されていないために、保護層部4が圧電駆動部2の変形に追従することができる。こうして、圧電駆動部2と保護層部4の境界近傍に発生する引張応力が小さくなるために、圧電駆動部2の端部における絶縁破壊の発生を抑制することができる。
なお、先に図1および図5に示したアクチュエータ10,20は、応力吸収層部3を有しているので、複数のアクチュエータ10,20をその伸縮方向に接着接続する場合には、その端面全体で接着しても構わないが、図6,図7に示したように接着部35を形成することは、応力吸収の観点から、より好ましいものである。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。例えば、アクチュエータとして、四角柱状のもの(アクチュエータ10)を示したが、円柱状や円筒状のアクチュエータであってもよい。円柱状のアクチュエータの場合には、内部電極層および接合層の平面形状はそれぞれ円形とすることが好ましく、この場合、応力吸収層部3を構成する接合部の中心から外周までの距離cは接合部の半径に等しく、内部電極層の中心から外周までの距離aは内部電極層の半径に等しくなる。
積層型圧電アクチュエータの概略構造を表す断面図。 積層型圧電アクチュエータにおける内部電極層と接合層の平面形状の位置および寸法の関係を積層方向から見て重ね合わせて示す図。 応力吸収層部を有しない積層型圧電アクチュエータの変形を模式的に示す図。 試料数の分布を標準化された破壊電圧に対して表したグラフ。 別の積層型圧電アクチュエータの概略構造を表す断面図。 アクチュエータ接着体の概略構造を示す断面図。 アクチュエータどうしの接着面の形状を内部電極層の形状と重ねて示す平面図。
符号の説明
2;圧電駆動部
3;応力吸収層部
4;保護層部
10・20・30;積層型圧電アクチュエータ
11;圧電セラミックス層
12;内部電極層
13;外部電極
14;接合層
15;不連続層
16;治具
35;接着層
40;アクチュエータ接着体
97;圧電駆動部
98;保護層部
99:アクチュエータ

Claims (6)

  1. 圧電セラミックス層と電極層とが交互に積層されてなる圧電駆動部と、圧電セラミックス層どうしがその中央部で接合され、その外周部は圧電セラミックス層どうしが不連続となることで応力を吸収する応力吸収層部と、圧電不活性な保護層部とを有し、前記電極層が1層おきに接続されてなる、一体焼成型の積層型圧電アクチュエータであって、
    前記応力吸収層部において圧電セラミックス層どうしを接合している接合部におけるその中心から外周までの距離cと、前記電極層の中心から外周までの距離aとは、0.73≦c/a≦0.95、の関係を満たすことを特徴とする積層型圧電アクチュエータ。
  2. 前記応力吸収層部は前記圧電駆動部と前記保護層部との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電アクチュエータ。
  3. 圧電セラミックス層と電極層とが交互に積層されてなる圧電駆動部と、圧電不活性な保護層部と、圧電セラミックス層どうしがその中央部で接合され、その外周部は圧電セラミックス層どうしが不連続となることで応力を吸収する応力吸収層部とを有し、前記電極層が1層おきに接続されてなる、一体焼成型の積層型圧電アクチュエータであって、
    前記応力吸収層部による応力緩和効果により、前記圧電駆動部の積層方向端部で絶縁破壊する確率が、その中央部で絶縁破壊する確率よりも小さいことを特徴とする積層型圧電アクチュエータ。
  4. 前記応力吸収層部は、前記圧電セラミックス層どうしを接合している中央部の外周にチタン酸鉛を主成分とする粉末が充填された不連続層を有していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の積層型圧電アクチュエータ。
  5. 所定パターンで電極ペーストが印刷されたグリーンシートと、チタン酸鉛を主成分とする粉末を含有するペーストが前記不連続層のパターンで、かつ、圧電セラミックス層と同時焼成が可能な電極材または圧電セラミックス材のペーストが前記不連続層のパターンの内側に印刷されたグリーンシートと、を用いた一体焼成法により製造されていることを特徴とする請求項4に記載の積層型圧電アクチュエータ。
  6. 複数の一体焼成型の積層型圧電アクチュエータをその伸縮方向に接着してなる積層型圧電アクチュエータ接着体であって、
    前記積層型圧電アクチュエータは、圧電セラミックス層と1層おきに接続される電極層とが交互に積層されてなる圧電駆動部と、当該圧電駆動部の積層方向端に設けられた圧電不活性な保護層部と、を有し、
    前記積層型圧電アクチュエータどうしを接着する接着部におけるその中心から外周までの距離cと、前記電極層の中心から外周までの距離aとは、0.73≦c/a≦0.95、の関係を満たすことを特徴とする積層型圧電アクチュエータ接着体。
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