JP2007325366A - 圧電アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】加工に際し高い精度を要求されずに作製することができ、厚み縦振動を用いる場合に比べて低背な圧電アクチュエータを提供する。
【解決手段】矩形板状の第一の圧電素子3、第二の圧電素子4の主面どうしを接着し、第一の圧電素子3が曲げ振動モードを、第二の圧電素子4が厚みすべり振動モードを励起する構成とする。これらの振動を位相90°ずらして励起することで、第二の圧電素子4の上面に設けた突起部5に楕円運動が発生し、これに加圧接触された移動体が駆動される。
【選択図】図1
【解決手段】矩形板状の第一の圧電素子3、第二の圧電素子4の主面どうしを接着し、第一の圧電素子3が曲げ振動モードを、第二の圧電素子4が厚みすべり振動モードを励起する構成とする。これらの振動を位相90°ずらして励起することで、第二の圧電素子4の上面に設けた突起部5に楕円運動が発生し、これに加圧接触された移動体が駆動される。
【選択図】図1
Description
本発明は、X−Yステージ等の位置決め機構、リニアモータ、回転モータ等の送り機構、あるいはパーツフィーダの搬送機構等に用いられる圧電アクチュエータに関し、特に、被駆動体(移動体)を直線方向に移動させるタイプの圧電アクチュエータに関するものである。
従来から、圧電素子を用いて移動体を直線方向に駆動するタイプの圧電アクチュエータには、さまざまな提案がなされている。
例えば、矩形板状に形成された弾性体に2つの異なる曲げ振動モードを励起させ、これら2つの曲げ振動モードの組み合わせにより所定の質点に楕円運動を生じさせる圧電アクチュエータがある(例えば、特許文献1参照)。
例えば、矩形板状に形成された弾性体に2つの異なる曲げ振動モードを励起させ、これら2つの曲げ振動モードの組み合わせにより所定の質点に楕円運動を生じさせる圧電アクチュエータがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、振動時に生じる節の延びる方向が互いに略直交する2つの曲げ振動モードを励起し、一方の振動モードの振動の節と、他方の振動モードの振動の腹との交点に突起部を配置する構成となっている(特許文献1の図6参照)。
このように突起部を配置することにより、突起部を特許文献1の図6における矢印X方向、及び矢印Z方向でそれぞれ最も大きく変位させることができ、これらの変位の組み合わせにより突起部にXZ面上で楕円運動を発生させ、高出力な圧電アクチュエータが得られる。
このように突起部を配置することにより、突起部を特許文献1の図6における矢印X方向、及び矢印Z方向でそれぞれ最も大きく変位させることができ、これらの変位の組み合わせにより突起部にXZ面上で楕円運動を発生させ、高出力な圧電アクチュエータが得られる。
また、厚み縦振動を生じる圧電素子及び厚みすべり振動を生じる圧電素子を連結した圧電アクチュエータが知られている(例えば、特許文献2)。
特許文献2では、厚み縦振動により伸縮方向に変形するように上下方向に分極された圧電体からなる伸縮変位部と、厚みすべり振動により剪断変位を行うように水平方向に分極された圧電体からなる剪断変位部とが、上下に連結された構成となっている。
特許文献2では、厚み縦振動により伸縮方向に変形するように上下方向に分極された圧電体からなる伸縮変位部と、厚みすべり振動により剪断変位を行うように水平方向に分極された圧電体からなる剪断変位部とが、上下に連結された構成となっている。
この圧電アクチュエータの動作の概略は、特許文献2の図5及び図6に示されているように、伸縮変位部による上下方向の単振動と、剪断変位部による水平方向の単振動とを、位相を90°ずらして発生させることにより、アクチュエータ先端の突起部に楕円運動を発生させ、移動体を駆動するものである。
特開2004−320846号公報
特開2005−237173号公報
しかしながら、特許文献1に記載の圧電アクチュエータの構成においては、突起部の配置が、一方の振動モードの節と他方の振動モードの腹の交点に限られるため、突起部を形成する際、高い加工精度が要求されるという問題があった。
また、特許文献2に記載の圧電アクチュエータの構成においては、厚み縦振動を利用して上下方向の振動を発生させているため、振動の変位を大きくしてアクチュエータの出力を高めるためには、伸縮変位部の厚みを大きくする必要があり、アクチュエータの低背化の妨げとなっていた。
また、特許文献2に記載の圧電アクチュエータの構成においては、厚み縦振動を利用して上下方向の振動を発生させているため、振動の変位を大きくしてアクチュエータの出力を高めるためには、伸縮変位部の厚みを大きくする必要があり、アクチュエータの低背化の妨げとなっていた。
本発明の目的は、加工に際し高い精度を要求されずに製作することができ、低背な圧電アクチュエータを提供することである。
本発明の圧電アクチュエータは、板状に形成され、少なくとも外側主面に平面電極を有し、厚み方向に分極された第一の圧電素子と、板状に形成され、少なくとも外側主面に平面電極を有し、主面に平行な方向に分極され、厚みすべり振動モードを励起するように駆動される第二の圧電素子と、前記第二の圧電素子の外側主面上に固定された凸状の突起部とを備えてなり、前記第一の圧電素子と前記第二の圧電素子とは、それぞれの主面どうし対向して固定され、当該対向する面には共通の電極が形成され、前記第一の圧電素子は、前記第二の圧電素子の分極の向きと平行な方向に延びる節を持った曲げ振動モードを励起するように駆動され、前記第一の圧電素子の平面電極と、前記第二の圧電素子の平面電極とに、位相差を有する交流電圧を与えることにより、前記曲げ振動モード及び前記厚みすべり振動モードの組み合わせによって前記突起部に楕円運動を起こさせるものである。
この構成に係る圧電アクチュエータによれば、突起部の変位のうち、前記突起部の運動によって移動体が移動する方向の変位成分が、厚みすべり振動によって形成される。これにより、突起部の配置を曲げ振動の腹上の特定の点に限る必要がなくなり、高い加工精度を必要とされず、安価に圧電アクチュエータを作製することができる。
また、突起部の変位のうち、前記突起部の運動によって移動体が移動する方向に垂直な変位成分が、前記第一の圧電素子の曲げ振動モードにより形成される。これにより、厚み縦振動を利用する場合に比べて、圧電アクチュエータを低背化することができる。
また、突起部の変位のうち、前記突起部の運動によって移動体が移動する方向に垂直な変位成分が、前記第一の圧電素子の曲げ振動モードにより形成される。これにより、厚み縦振動を利用する場合に比べて、圧電アクチュエータを低背化することができる。
前記第一の圧電素子と前記第二の圧電素子とは、それぞれの主面の全面において接着されていることが好ましい。このような構成であれば、前記第一の圧電素子が曲げ振動モードを励起するように駆動されると、前記第一の圧電素子が前記第二の圧電素子に全面的に接着されているので、前記第一の圧電素子は、前記第二の圧電素子分極の向きと平行な方向に延びる節を持ちつつ、その厚み方向に撓み振動が生じることになる。したがって、移動体が移動する方向に垂直な変位成分を発生させることが容易にできる。
また、前記圧電アクチュエータでは、前記第一の圧電素子と前記第二の圧電素子との厚みの和をt、前記第一の圧電素子が振動して湾曲する辺に沿った方向の前記第一の圧電素子と前記第二の圧電素子とが重ねられた最大幅をwとしたときに、w/t比が3以上であることが望ましい。w/t比が3以上であると、第一の圧電素子および第二の圧電素子が振動して湾曲しやすくなる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る圧電アクチュエータ1の外観斜視図である。図1において、X軸、Y軸、Z軸の関係を図示している。
本発明の圧電アクチュエータ1は、振動体2によって構成されている。振動体2は、ともに矩形板状に形成された、第一の圧電素子3及び第二の圧電素子4を有している。
図1は、本発明に係る圧電アクチュエータ1の外観斜視図である。図1において、X軸、Y軸、Z軸の関係を図示している。
本発明の圧電アクチュエータ1は、振動体2によって構成されている。振動体2は、ともに矩形板状に形成された、第一の圧電素子3及び第二の圧電素子4を有している。
第一の圧電素子3、第二の圧電素子4ともに、ほぼ同じ寸法の矩形(長方形又は正方形)の板状に形成されている。矩形板の厚み方向をZ軸に、矩形板の直交する二辺の方向をそれぞれX軸、Y軸にとっている。
第二の圧電素子4の上面(+Z方向を向いた面)の中央部には突起部5が接着・固定されている。この突起部5をXZ面内で楕円運動させることにより、突起部5に圧接された移動体10(図6に示す)を駆動する。
第二の圧電素子4の上面(+Z方向を向いた面)の中央部には突起部5が接着・固定されている。この突起部5をXZ面内で楕円運動させることにより、突起部5に圧接された移動体10(図6に示す)を駆動する。
第一の圧電素子3は、矢印P3で示すように厚み方向(Z方向)に分極されており、また、その外側の主面には電極6が形成され、内側の主面には電極7が形成されている。
第一の圧電素子3及び第二の圧電素子4の材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3,PZT)等の圧電セラミックスが好適に用いられる。
この第一の圧電素子3は、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3,PZT)等の圧電セラミックス粉末の薄板状の成形体を焼成処理して焼結体を得た後、この焼結体の表面に電極6、7を形成して得られる。
第一の圧電素子3及び第二の圧電素子4の材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3,PZT)等の圧電セラミックスが好適に用いられる。
この第一の圧電素子3は、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3,PZT)等の圧電セラミックス粉末の薄板状の成形体を焼成処理して焼結体を得た後、この焼結体の表面に電極6、7を形成して得られる。
第二の圧電素子4は、矢印P4で示すように主面に平行で、かつ、矩形の1辺に平行な方向(X方向)に分極されており、また、その外側の主面には電極9が形成され、内側の主面には電極8が形成されている。
なお、電極8は前記電極7が形成されている場合は形成を省略することができ、電極7は前記電極8が形成されている場合は形成を省略することができる。また、前記電極7、電極8の何れか一方又は両方を、後述する導電性を持つ接着剤で形成することもできる。
なお、電極8は前記電極7が形成されている場合は形成を省略することができ、電極7は前記電極8が形成されている場合は形成を省略することができる。また、前記電極7、電極8の何れか一方又は両方を、後述する導電性を持つ接着剤で形成することもできる。
この第二の圧電素子4も第一の圧電素子3と同様の工法によって得られる。
なお、第一の圧電素子3、第二の圧電素子4の分極は電極6〜9の形成前に行うが、所定の温度条件下で、それぞれ直流電界を印加する。直流電界の方向をそれぞれ設定することにより、第一の圧電素子3の分極の方向を、矢印P3で示すように厚み方向(Z方向)とすることができ、第二の圧電素子4の分極の方向を、矢印P4で示すようにX方向とすることができる。
なお、第一の圧電素子3、第二の圧電素子4の分極は電極6〜9の形成前に行うが、所定の温度条件下で、それぞれ直流電界を印加する。直流電界の方向をそれぞれ設定することにより、第一の圧電素子3の分極の方向を、矢印P3で示すように厚み方向(Z方向)とすることができ、第二の圧電素子4の分極の方向を、矢印P4で示すようにX方向とすることができる。
一方、突起部5は第二の圧電素子4の上面に固定されたものであり、移動体10に加圧接触して、摩擦を生じるため、耐摩耗性のある材料が望ましい。例えば、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、サイアロン、炭化チタン、窒化チタン等のセラミックスや金属材料が用いられる。
また、突起部5の形状に関して、図1においては角柱状として例示しているが、実際はこれに限るものではなく、例えば図2に示すような、円柱や半円柱を横に寝かせたものであっても構わない。
また、突起部5の形状に関して、図1においては角柱状として例示しているが、実際はこれに限るものではなく、例えば図2に示すような、円柱や半円柱を横に寝かせたものであっても構わない。
第1の圧電素子3と第二の圧電素子4は、電極7及び/又は電極8を介して接合・固定されている。ここで、2つの素子の固定に、導電性を持つ接着剤を用いることができる。これにより電極7及び/又は電極8は同一電位になり、第1の圧電素子3と第二の圧電素子4の共通電極となる。
接合箇所は、少なくともX方向に沿った節Nに当たる領域、つまり振動体2のX方向に延びる二つの端辺(図4(a)参照)である。好ましくは、第1の圧電素子3と第二の圧電素子4との両主面の全面どうしを接着剤で接着することが、接合を強固にできるので好ましい。
接合箇所は、少なくともX方向に沿った節Nに当たる領域、つまり振動体2のX方向に延びる二つの端辺(図4(a)参照)である。好ましくは、第1の圧電素子3と第二の圧電素子4との両主面の全面どうしを接着剤で接着することが、接合を強固にできるので好ましい。
また、前記圧電アクチュエータでは、前記第一の圧電素子と前記第二の圧電素子との厚みの和をt、前記第一の圧電素子が振動して湾曲する辺に沿った方向の前記第一の圧電素子と前記第二の圧電素子とが重ねられた最大幅をwとしたときに、w/t比が3以上であることが望ましい。w/t比が3以上であると、第一の圧電素子および第二の圧電素子が振動して湾曲しやすくなる。一方、w/t比が20以下であると第一の圧電素子と前記第二の圧電素子とを合わせた素子厚みが湾曲しても移動体10を強固に支えることができるという利点があるので、w/t比は20以下であることが望ましい。
本発明の圧電アクチュエータの動作は、以下のとおりである。
図3に、本発明の圧電アクチュエータを駆動するための結線図を示す。
図3において、第一の圧電素子3と第二の圧電素子4とを導電性を持つ接着剤で接着しており、電極7(又は電極8)が共通電極となって、グランド電位となっている場合を示している。
図3に、本発明の圧電アクチュエータを駆動するための結線図を示す。
図3において、第一の圧電素子3と第二の圧電素子4とを導電性を持つ接着剤で接着しており、電極7(又は電極8)が共通電極となって、グランド電位となっている場合を示している。
交流電源Vaは、第一の圧電素子3を駆動するための電源であり、電極6と共通電極7との間に接続される。交流電源Vbは、第二の圧電素子4を駆動するための電源であり、電極9と共通電極7との間に接続される。
図4(a)に振動体2に励起される曲げ振動モードの様子を示し、図4(b)に厚みすべり振動の様子を示す。
図4(a)に振動体2に励起される曲げ振動モードの様子を示し、図4(b)に厚みすべり振動の様子を示す。
図4(a)の曲げ振動モードは、Y方向1次の曲げ振動モードである。
この振動は、第一の圧電素子3を、このY方向1次の曲げ振動モードの共振周波数近傍で駆動することによって得られる。ここで、共振周波数は、用いる圧電アクチュエータのサイズ特に幅によって変わるのはいうまでもなく、このため、第一および第二の圧電素子の幅wに合わせて駆動周波数を適正化することが好ましい。
この振動は、第一の圧電素子3を、このY方向1次の曲げ振動モードの共振周波数近傍で駆動することによって得られる。ここで、共振周波数は、用いる圧電アクチュエータのサイズ特に幅によって変わるのはいうまでもなく、このため、第一および第二の圧電素子の幅wに合わせて駆動周波数を適正化することが好ましい。
第一の圧電素子3に、図3に示した交流電源Vaによって、Y方向1次の曲げ振動モードの共振周波数近傍の電圧を印加すると、第一の圧電素子3にY方向1次の伸び振動(31振動モード)が発生する。ここで、第一の圧電素子3と第二の圧電素子4の主面どうしが対向して接着されていることにより、第一の圧電素子のY方向の伸びが第二の圧電素子4により拘束するため、結果として面外方向(Z方向)の曲げ振動が生じる。
この曲げ振動は、図4(a)の破線Nに示すように、第二の圧電素子4の分極方向P4と平行な方向(X方向)に延びる二つの端辺において、X方向に沿った節Nを持っている。この曲げ振動によって、第二の圧電素子4の上面に固定された突起部5を、Z方向に往復運動させるができる。
特に、振動体2をY方向に二分した領域Mが腹となり、この領域MでZ方向の振幅が一番大きくなる。この曲げ振動モードの腹となる位置Mに突起部5を固定することで、突起部5をZ方向において最も大きな振幅で変位させることができる。
特に、振動体2をY方向に二分した領域Mが腹となり、この領域MでZ方向の振幅が一番大きくなる。この曲げ振動モードの腹となる位置Mに突起部5を固定することで、突起部5をZ方向において最も大きな振幅で変位させることができる。
一方、図4(b)は第二の圧電素子4を駆動することで得られる、厚みすべり振動モードを示す。
第二の圧電素子4は矢印P4の向き(X方向)に分極されているため、図3に示した交流電源Vbによって第二の圧電素子4にZ方向の電界を印加すると、いわゆる「15振動モード」の変位が発生し、結果として図4(b)のようなX方向の厚みすべり振動が得られる。
第二の圧電素子4は矢印P4の向き(X方向)に分極されているため、図3に示した交流電源Vbによって第二の圧電素子4にZ方向の電界を印加すると、いわゆる「15振動モード」の変位が発生し、結果として図4(b)のようなX方向の厚みすべり振動が得られる。
このすべり振動によって、第二の圧電素子4の上面に固定された突起部5を、X方向に往復運動させることができる。ここで、第二の圧電素子4の上面に着目すると、この面の変形はほとんど起こらず、X方向に並進運動するのみであるため、この面のどこに突起部5を配置しても、そのX方向の変位の大きさは変わらないことがわかる。
以上のことから、図4(a)の曲げ振動モードの腹となる位置(具体的には、X方向の直線M上に存在する)に突起部5を形成すれば、X方向及びZ方向において最も大きく変位させることができ、これによって移動体10に対して最大の駆動量を与えることができる。
以上のことから、図4(a)の曲げ振動モードの腹となる位置(具体的には、X方向の直線M上に存在する)に突起部5を形成すれば、X方向及びZ方向において最も大きく変位させることができ、これによって移動体10に対して最大の駆動量を与えることができる。
これら2つの振動モードを、位相を略90°ずらして励振することで、突起部5の先端にXZ面内の楕円運動を発生させることができる。
この楕円運動の様子を示したものが、図5である。図5(a)は交流電源Va、Vbの電圧の時間変化を示しており、交流電源Vaは、第一の圧電素子3にVa=A1cos[ω(t-t1)]の交流電圧を印加するものとする。ここでA1は電圧の振幅、ωは角周波数、tは時刻を表す。ωは第一の圧電素子3のY方向1次の曲げ振動モードの共振周波数の近傍の値とする。交流電源Vbは、第二の圧電素子4にVb=A2sin[ω(t-t1)]の交流電圧を印加するものとする。電圧の振幅A2はVaの振幅A1と同じであることもあり、異なっていることもある。
この楕円運動の様子を示したものが、図5である。図5(a)は交流電源Va、Vbの電圧の時間変化を示しており、交流電源Vaは、第一の圧電素子3にVa=A1cos[ω(t-t1)]の交流電圧を印加するものとする。ここでA1は電圧の振幅、ωは角周波数、tは時刻を表す。ωは第一の圧電素子3のY方向1次の曲げ振動モードの共振周波数の近傍の値とする。交流電源Vbは、第二の圧電素子4にVb=A2sin[ω(t-t1)]の交流電圧を印加するものとする。電圧の振幅A2はVaの振幅A1と同じであることもあり、異なっていることもある。
図5(b−1)〜(b−4)は、振動体2の1/4周期ごとの変形の様子を示したものである。
なお、駆動電圧は正弦波に限られるものではなく、例えば、矩形波電圧であってもよい。
時刻t1においては、Vb=0であるため、第二の圧電素子4は変形しない。一方、Vaは負で最大となるため、第一の圧電素子3による曲げ振動モードの変位も最大となる。その結果、時刻t1においては(b−1)に示す、振動体2が上方に凸となるような変形となり、突起部5は上方に大きく変位する。
なお、駆動電圧は正弦波に限られるものではなく、例えば、矩形波電圧であってもよい。
時刻t1においては、Vb=0であるため、第二の圧電素子4は変形しない。一方、Vaは負で最大となるため、第一の圧電素子3による曲げ振動モードの変位も最大となる。その結果、時刻t1においては(b−1)に示す、振動体2が上方に凸となるような変形となり、突起部5は上方に大きく変位する。
電圧の位相が90°ずれた時刻t2においては、Va=0であるため、第一の圧電素子3は変形しない。一方、Vbは正で最大となるため、第二の圧電素子4による厚みすべり振動モードの変位も最大となる。その結果、時刻t2においては(b−2)に示す、振動体2がすべりを起こすような変形となり、突起部5は左方に大きく変位する。
時刻t3においては、電圧の位相が180°ずれ、Vb=0であるため、第二の圧電素子4は変形しない。一方、Vaは正で最大となるため、第一の圧電素子3による曲げ振動モードの変位も最大となる。その結果、時刻t3においては(b−3)に示すように、振動体2が下方に凸となるような変形となり、突起部5は下方に大きく変位する。
時刻t3においては、電圧の位相が180°ずれ、Vb=0であるため、第二の圧電素子4は変形しない。一方、Vaは正で最大となるため、第一の圧電素子3による曲げ振動モードの変位も最大となる。その結果、時刻t3においては(b−3)に示すように、振動体2が下方に凸となるような変形となり、突起部5は下方に大きく変位する。
時刻t4では270°の位相となり、Va=0となり、第一の圧電素子3は変形しない。一方、Vbは負で最大となるため、第二の圧電素子4による厚みすべり振動モードの変位も最大となる。その結果、時刻t4においては(b−4)に示すように、振動体2がすべりを起こすような変形となり、突起部5は右方に大きく変位する。
以上のように、第一の圧電素子3と第二の圧電素子4に位相の90°ずれた交流電圧を印加しているので、突起部5にZ−X面内の楕円運動を生じさせることができる。
以上のように、第一の圧電素子3と第二の圧電素子4に位相の90°ずれた交流電圧を印加しているので、突起部5にZ−X面内の楕円運動を生じさせることができる。
したがって、図6に示すように、圧電アクチュエータ1を支持フレーム(図示せず)に保持し、その突起部5を、ガイドレールに噛み合わされてガイドレールの長さ方向、つまりX方向に移動可能な移動体10に、所定の圧力で当接させれば、圧電アクチュエータ1を駆動することによってこの移動体10をX方向に移動させることができる。
なお、図5に示した動作の例では、突起部5に反時計回りの楕円運動が発生し、移動体10は左方向へと移動する例を示したが、交流電源Va、Vbの位相差を逆転させることにより、突起部5の楕円運動及び移動体10の移動方向を逆転させることができる。
なお、図5に示した動作の例では、突起部5に反時計回りの楕円運動が発生し、移動体10は左方向へと移動する例を示したが、交流電源Va、Vbの位相差を逆転させることにより、突起部5の楕円運動及び移動体10の移動方向を逆転させることができる。
また、本実施形態では、突起部5を1つだけ設けた振動体について説明したが、利用する曲げ振動モードの腹の上であれば、突起部を複数設けることが可能である。
なお、本実施形態の圧電アクチュエータでは、図4(a)に示すような、Y方向1次の曲げ振動モードを利用していたが、本発明はこれに限るものではない。
すなわち、第二の圧電素子4による厚みすべり振動の変位の方向(X方向)と平行な方向に沿って延びる節を持った曲げ振動モードであれば、1次の曲げ振動モードでなくても利用することができる。この場合も、突起部5を設ける位置は、曲げ振動モードの腹の上に配置する必要がある。
なお、本実施形態の圧電アクチュエータでは、図4(a)に示すような、Y方向1次の曲げ振動モードを利用していたが、本発明はこれに限るものではない。
すなわち、第二の圧電素子4による厚みすべり振動の変位の方向(X方向)と平行な方向に沿って延びる節を持った曲げ振動モードであれば、1次の曲げ振動モードでなくても利用することができる。この場合も、突起部5を設ける位置は、曲げ振動モードの腹の上に配置する必要がある。
例えば、図7に示すように、振動体2にY方向3次の曲げ振動を励起させることが可能である。図7では、第一の圧電素子3を、Y方向3次の曲げ振動モードの共振周波数近傍で駆動している。この共振周波数近傍の電圧を印加すると、第一の圧電素子3にY方向3次の屈伸振動が発生する。ここで、第一の圧電素子3と第二の圧電素子4の主面どうしが対向して接着されていることにより、第一の圧電素子のY方向の屈伸が第二の圧電素子4により拘束されるため、結果として面外方向(Z方向)の曲げ振動が生じる。
このとき振動体2はX方向に延びる二端辺(N1の辺、N4の辺)、及びこれらの二端辺間を3等分した位置において、X方向に沿った節N1〜N4を持っている。この3次の曲げ振動によって、第二の圧電素子4の上面に固定された突起部5を、Z方向に往復運動させることができる。
特に、振動体2をY方向に二分した領域、M1,M2が腹に当たる領域となり、この領域M1,M2でZ方向の振幅が一番大きくなる。この曲げ振動モードの腹となる位置M1,M2に突起部5を固定することで、突起部5をZ方向において最も大きな振幅で変位させることができる。図7は、2つの腹の上にそれぞれ2つ、合計4つの突起部5を設けた例を示している。
特に、振動体2をY方向に二分した領域、M1,M2が腹に当たる領域となり、この領域M1,M2でZ方向の振幅が一番大きくなる。この曲げ振動モードの腹となる位置M1,M2に突起部5を固定することで、突起部5をZ方向において最も大きな振幅で変位させることができる。図7は、2つの腹の上にそれぞれ2つ、合計4つの突起部5を設けた例を示している。
また本発明では、一般に、Y方向奇数次の曲げ振動モードを利用することが可能である。
また、曲げ振動モードを励起するための第一の圧電素子3としては、単板のみならず、積層圧電素子を用いることも可能である。このような構成をとることにより、より低電圧で高い出力を得ることが可能となる。
また、曲げ振動モードを励起するための第一の圧電素子3としては、単板のみならず、積層圧電素子を用いることも可能である。このような構成をとることにより、より低電圧で高い出力を得ることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、曲げ振動モード及び厚みすべり振動モードを組み合わせて移動体を駆動することにより、突起部を固定する位置に自由度が生まれ、高い加工精度を要求されることなく、圧電アクチュエータを作製することができる。
また、Z方向の変位が大きい曲げ振動モードを利用することにより、厚み縦振動モードを用いる場合に比べて、アクチュエータをZ方向に低背化することが可能となる。
また、Z方向の変位が大きい曲げ振動モードを利用することにより、厚み縦振動モードを用いる場合に比べて、アクチュエータをZ方向に低背化することが可能となる。
図1の構造を有する圧電アクチュエータ1を作製した。
チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O3からなる粒径0.3〜2μmの圧電体セラミックスの仮焼粉末と、有機高分子からなるバインダーと、可塑剤とを混合し、乾燥させてプレス成形用の粉末を作製した。
得られた粉末を金型に充填し、プレス成形して、矩形板状の成形体を作製した。
チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O3からなる粒径0.3〜2μmの圧電体セラミックスの仮焼粉末と、有機高分子からなるバインダーと、可塑剤とを混合し、乾燥させてプレス成形用の粉末を作製した。
得られた粉末を金型に充填し、プレス成形して、矩形板状の成形体を作製した。
この成形体に脱バインダー処理を行い、所定温度で焼成して焼結体を得た。得られた焼結体は、長辺方向10mm、短辺方向6mmで厚みが0.3mmの矩形状単板の形状とした。この単板を2枚用意した。
こうして得られた2枚の単板のうち、1枚の両主面に接着剤を含むAgペーストを塗布して所定温度で硬化させることにより電極を形成し、これらの電極を通して厚み方向に直流電圧を印加して分極処理を施し、第一の圧電素子3を作製した。
こうして得られた2枚の単板のうち、1枚の両主面に接着剤を含むAgペーストを塗布して所定温度で硬化させることにより電極を形成し、これらの電極を通して厚み方向に直流電圧を印加して分極処理を施し、第一の圧電素子3を作製した。
もう1枚の単板は、まず、長辺方向と直交する両端面(6mm×0.3mmの面)に分極用の電極を形成し、これらの電極を通して主面と平行な方向に直流電圧を印加して、主面と平行な分極状態を形成した。次に、分極用の電極を取り除き、1枚目の単板と同様に、両主面にAgペーストを塗布し、硬化させて駆動用の電極を形成し、第二の圧電素子4を作製した。
次に、上で得られた第二の圧電素子4の一方の主面上に、突起部5を固定した。突起部5の材料には、耐摩耗性に優れたステンレスを用い、エポキシ系接着剤で第二の圧電素子4の主面上に固定した。突起部5を配置する位置は、図4(a)のように、Y方向の1次の曲げ振動モードの腹Mとなる位置、すなわち、短辺(6mmの辺)方向の中心を通る直線上に設定した。この際、長辺方向の位置に関しては、目測で中心付近としたが、この方向の配置に関してはどこに設置してもよく、精密な位置合わせを必要としない。
こうして得られた2枚の圧電素子3、4をAg粉末を含むエポキシ系の導電性接着剤を用いて、主面の全面に接着し、振動体2を形成した。その後、2台の交流電源Va、Vbを用意し、図3に示すように結線した。
この状態で、移動体10を突起部5に加圧接触させ、2枚の圧電素子3、4に位相の90°異なる、第一の圧電素子3のY方向1次の曲げ振動モードの共振周波数59kHzの交流電圧を印加して移動体10を駆動することができた。
この状態で、移動体10を突起部5に加圧接触させ、2枚の圧電素子3、4に位相の90°異なる、第一の圧電素子3のY方向1次の曲げ振動モードの共振周波数59kHzの交流電圧を印加して移動体10を駆動することができた。
1・・・圧電アクチュエータ
2・・・振動体
3、4・・・圧電素子
5・・・突起部
6、7、8、9・・・駆動電極
10・・・移動体
M・・・腹
N・・・節
2・・・振動体
3、4・・・圧電素子
5・・・突起部
6、7、8、9・・・駆動電極
10・・・移動体
M・・・腹
N・・・節
Claims (3)
- 板状に形成され、少なくとも外側主面に平面電極を有し、厚み方向に分極された第一の圧電素子と、
板状に形成され、少なくとも外側主面に平面電極を有し、主面に平行な方向に分極され、厚みすべり振動モードを励起するように駆動される第二の圧電素子と、
前記第二の圧電素子の外側主面上に固定された凸状の突起部とを備えてなり、
前記第一の圧電素子と前記第二の圧電素子とは、それぞれの主面どうし対向して固定され、当該対向する面には共通の電極が形成され、
前記第一の圧電素子は、前記第二の圧電素子の分極の向きと平行な方向に延びる節を持った曲げ振動モードを励起するように駆動され、
前記第一の圧電素子の平面電極と、前記第二の圧電素子の平面電極とに、位相差を有する交流電圧を与えることにより、前記曲げ振動モード及び前記厚みすべり振動モードの組み合わせによって前記突起部に楕円運動を起こさせる、圧電アクチュエータ。 - 前記第一の圧電素子と前記第二の圧電素子とは、対向する主面の全面において接着されている請求項1記載の圧電アクチュエータ。
- 前記第一の圧電素子と前記第二の圧電素子との厚みの和をt、前記第一の圧電素子が振動して湾曲する辺に沿った方向の前記第一の圧電素子と前記第二の圧電素子とが重ねられた最大幅をwとしたときに、w/t比が3以上である請求項1又は請求項2記載の圧電アクチュエータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006150523A JP2007325366A (ja) | 2006-05-30 | 2006-05-30 | 圧電アクチュエータ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009240076A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Taiheiyo Cement Corp | 超音波モータ装置 |
KR101055553B1 (ko) | 2009-10-30 | 2011-08-08 | 삼성전기주식회사 | 압전모터 |
JP2016040987A (ja) * | 2014-08-13 | 2016-03-24 | セイコーエプソン株式会社 | 圧電駆動装置及びその駆動方法、ロボット及びその駆動方法 |
-
2006
- 2006-05-30 JP JP2006150523A patent/JP2007325366A/ja not_active Withdrawn
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