JPH0865065A - 差動増幅回路 - Google Patents

差動増幅回路

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JPH0865065A
JPH0865065A JP6221077A JP22107794A JPH0865065A JP H0865065 A JPH0865065 A JP H0865065A JP 6221077 A JP6221077 A JP 6221077A JP 22107794 A JP22107794 A JP 22107794A JP H0865065 A JPH0865065 A JP H0865065A
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transistors
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gain
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、差動増幅回路において、出力信号の
利得の分流比に対する直線性を向上させ得るようにす
る。 【構成】第1の差動対(Q31及びQ32)と、入力信
号(S1)を入力する第2の差動対(Q34及びQ3
5)とに設定する第1及び第2の分流比(1−K2 及び
2 )、又は第2のトランジスタ(Q32)で駆動する
第3の差動対(Q37及びQ38)と、第4のトランジ
スタ(Q35)で駆動する第4の差動対(Q39及びQ
40)とに設定する第3及び第4の分流比(1−K1
びK1 )を零以外に設定する。これにより電流が零とな
るトランジスタ同士の掛算が発生せず、出力信号(S
2)の利得(GAC2 )の第4及び第2分流比(K1 及び
2 )に対する直線性を従来に比して少なくとも半分向
上させ得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【目次】以下の順序で本発明を説明する。 産業上の利用分野 従来の技術(図7及び図8) 発明が解決しようとする課題(図7及び図8) 課題を解決するための手段(図1) 作用(図1) 実施例(図1〜図6) 発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は差動増幅回路に関し、例
えば、陰極線管を使用したコンピユータ用表示装置に送
出する映像信号の利得を可変するものに適用し得る。
【0003】
【従来の技術】従来、陰極線管を使用したコンピユータ
用表示装置では、赤、緑及び青の3原色の映像信号を同
一の大きさで与えても、製造誤差により、表示面上のそ
れぞれの映像信号の輝度が不揃いになる。このため3原
色の映像信号の大きさを相対的に調節して表示面上のホ
ワイトバランスをとる必要がある。また表示面の全体の
輝度は、設置場所の明るさ等、使用状態に応じて調節さ
れる。この際、例えば図7に示す利得調節増幅回路を3
つ用いて、3原色の映像信号の大きさを相対的及び全体
的に調節していた。
【0004】すなわち利得調節増幅回路1は、3原色の
うち1つの映像信号S1を利得可変増幅段1Aに入力
し、メイン調節段1Bで設定した分流比Kと、サブ調節
段1Cで設定した分流比Lとの積に応じて映像信号S1
の利得を最大値から逓減した映像信号S2を出力する。
【0005】メイン調節段1Bは、電流I1 を流す定電
流源2で差動対のトランジスタQ1及びQ2を駆動す
る。トランジスタQ1に流れる電流I2 は、次式、
【数1】 となる。トランジスタQ2に流れる電流I3 は、次式、
【数2】 となる。
【0006】サブ調節段1Cは、電流I4 を流す定電流
源3で差動対のトランジスタQ3及びQ4を駆動する。
トランジスタQ3に流れる電流I5 は、次式、
【数3】 となる。トランジスタQ4に流れる電流I6 は、次式、
【数4】 となる。
【0007】利得可変増幅段1Aは、メイン調節段1B
の差動出力を差動対のトランジスタQ5及びQ6のベー
スと、差動対のトランジスタQ7及びQ8のベースとに
それぞれ与える。トランジスタQ5及びQ6は、エミツ
タが定電流源4に共通に接続されて定電流I7 /nで駆
動される。トランジスタQ7及びQ8はエミツタが定電
流源5に共通に接続されて定電流I7 /nで駆動され
る。これによりトランジスタQ5及びQ7にそれぞれ流
れる電流I8 は、次式、
【数5】 となる。
【0008】また利得可変増幅段1Aは、メイン調節段
1Bの差動出力を差動対のトランジスタQ9及びQ10
のベースに与える。トランジスタQ9及びQ10はエミ
ツタが定電流源5に共通に接続されて定電流I7 で駆動
される。これによりトランジスタQ9に流れる電流I9
は、次式、
【数6】 となる。トランジスタQ10に流れる電流I11は、次
式、
【数7】 となる。
【0009】利得可変増幅段1Aは、サブ調節段1Cの
差動出力を差動対のトランジスタQ11及びQ12のベ
ースと、差動対のトランジスタQ13及びQ14のベー
スとにそれぞれ与える。トランジスタQ11及びQ12
のエミツタはトランジスタQ5のコレクタに共通に接続
されている。またトランジスタQ13及びQ14のエミ
ツタはトランジスタQ7のコレクタに共通に接続されて
いる。これによりトランジスタQ11及びQ13に流れ
る電流I12は、次式、
【数8】 となり、分流比K及びLの積に比例した電流I12が得ら
れる。
【0010】トランジスタQ11の電流I12は、カレン
トミラーのトランジスタQ15及びQ16で折り返さ
れ、トランジスタQ9及びQ10の負荷トランジスタQ
17及びQ18を介してトランジスタQ13の電流I12
として与えられる。これによりトランジスタQ18に流
れる電流I15は、(7)式及び(8)式より、次式
【数9】 となる。
【0011】トランジスタQ9及びQ10の差動出力は
コレクタよりそれぞれ差動対のトランジスタQ19及び
Q20のベースと、差動対のトランジスタQ21及びQ
22のベースとにそれぞれ与えられる。トランジスタQ
21及びQ22のエミツタと定電流I16を流す定電流源
7との接続中点には、抵抗R1 及び増幅器8を介して、
信号源VINより映像信号S1が入力される。トランジス
タQ19及びQ20は、定電流I16を流す定電流源9に
接続されている。
【0012】これにより抵抗R2 を介して電源VCCに共
通に接続されたトランジスタQ20及びQ22のコレク
タに発生する出力電圧V1 は、映像信号S1により抵抗
1に流れる電流をΔI16とすると、次式
【数10】 となる。このときの全体の利得GT1は、次式、
【数11】 となる。また交流成分のみの利得GAC1 は、(11)式よ
り、次式、
【数12】 となる。従つて図8に示すように、利得GAC1 は、(1
2)式でK=1、L=0のとき最大R2 /R1 となる。
またホワイトバランスをとる際、K=1のままLを調節
して(すなわち1に近接させて)ドライブ調節すると、
利得GAC1 は、R2 /R1 から低下する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の利得
調節増幅回路1では、K=0及びL=0、K=0及びL
=1、K=1及びL=0、K=1及びL=1の4モード
において、電流が0になつたトランジスタ同士で掛け算
する等の組み合わせが発生する。このため利得GAC1
直線性は、この4モードを中心として低下して、利得G
AC1 の特性は実際上、図8に示す直線状とならず、波打
つ曲線状となる。従つて製造段階でホワイトバランスを
とつても、表示面の全体の輝度を調節するためKの値が
変更されると、ホワイトバランスがくずれるという問題
があつた。
【0014】すなわち利得GAC1 の特性は、トランジス
タQ22の電流を制御するトランジスタQ10の出力の
特性で決まる。トランジスタQ10の出力の特性は、ト
ランジスタQ10の電流I11の特性と、トランジスタQ
5及びQ11の電流I8 及びI12の特性とに影響され
る。K=0、L=0のとき、電流I8 及びI12は、
(5)式及び(8)式より、それぞれ0となり、トラン
ジスタQ5及びQ11の電流の直線性は最も低下する。
一方、K=1やL=1のときトランジスタQ5及びQ1
1の電流は飽和して、トランジスタの電流の直線性は低
下する。このため例えばトランジスタQ5及びQ11の
掛け算の出力の直線性は低下する。
【0015】またトランジスタQ11の電流I12を折り
返すカレントミラーのトランジスタQ15及びQ16
は、電流I12の値が0に近接するに従つて正しい値で折
り返すことが困難になる。さらにK=0及び1のとき、
トランジスタQ10の電流I11は、飽和及び0となり、
その直線性は低下する。このようにして上述の4モード
において、利得GAC1 の直線性は最も低下する。
【0016】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、出力信号の利得の分流比に対する直線性を向上させ
得る差動増幅回路を提案しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、第1及び第2のトランジスタ(Q
31及びQ32)でなり、第1のプリアンプ(10C)
で第1の分流比(1−K2 )を第1のトランジスタ(Q
31)に設定すると共に、第2の分流比(K2)を第2
のトランジスタ(Q32)に設定する第1の差動対(Q
31及びQ32)と、第3及び第4のトランジスタ(Q
34及びQ35)でなり、第1のプリアンプ(10C)
で第1の分流比(1−K2 )を第3のトランジスタ(Q
34)に設定すると共に、第2の分流比(K2 )を第4
のトランジスタ(Q35)に設定する第2の差動対(Q
34及びQ35)と、第5及び第6のトランジスタ(Q
37及びQ38)でなり、第2のプリアンプ(10B)
で第3の分流比(1−K1)を第5のトランジスタ(Q
37)に設定すると共に、第4の分流比(K1 )を第6
のトランジスタ(Q38)に設定して、第2のトランジ
スタ(Q32)で駆動する第3の差動対(Q37及びQ
38)と、第7及び第8のトランジスタ(Q39及びQ
40)でなり、第2のプリアンプ(10B)で第3の分
流比(1−K1 )を第7のトランジスタ(Q39)に設
定すると共に、第4の分流比(K1 )を第8のトランジ
スタ(Q40)に設定して、第4のトランジスタ(Q3
5)で駆動する第4の差動対(Q39及びQ40)とを
設け、入力信号S1が第2の差動対(Q34及びQ3
5)の共通エミツタ側に与えられ、出力信号S2を第
1、第5及び第8のトランジスタ(Q31、Q37及び
Q40)の共通コレクタ又は第3、第6及び第7のトラ
ンジスタ(Q34、Q38及びQ39)の共通コレクタ
より出力する。
【0018】
【作用】第1の差動対(Q31及びQ32)と、入力信
号(S1)を入力する第2の差動対(Q34及びQ3
5)とに設定する第1及び第2の分流比(1−K2 及び
2 )、又は第2のトランジスタ(Q32)で駆動する
第3の差動対(Q37及びQ38)と、第4のトランジ
スタ(Q35)で駆動する第4の差動対(Q39及びQ
40)とに設定する第3及び第4の分流比(1−K1
びK1 )を零以外に設定することにより、電流が零とな
るトランジスタ同士の掛算が発生せず、出力信号(S
2)の利得(GAC2 )の第4及び第2分流比(K1 及び
2 )に対する直線性を従来に比して少なくとも半分向
上させ得る。
【0019】
【実施例】以下図面について、本発明の一実施例を詳述
する。
【0020】図1において、10は全体として陰極線管
を使用したコンピユータ用表示装置に与える映像信号の
大きさを調節する利得調節増幅回路を示し、3原色の映
像信号のそれぞれに使用されて、3原色の映像信号の大
きさを相対的及び全体的に調節する。利得調節増幅回路
10は、3原色の映像信号のうち1つの映像信号S1を
利得可変増幅段10Aに入力し、メイン調節段10Bで
設定した分流比K1 と、サブ調節段10Cで設定した分
流比K2 との積に応じて利得を最大値から逓減して増幅
した映像信号S2を出力する。
【0021】メイン調節段10Bは、差動対のトランジ
スタQ27及びQ28のそれぞれのエミツタをレンジ拡
大用抵抗R8を介して接続している。トランジスタQ2
8のエミツタと抵抗R8との接続中点は、電流I17を流
す定電流源11に接続されている。トランジスタQ27
に流れる電流I18は、次式、
【数13】 となる。トランジスタQ28に流れる電流I19は、次
式、
【数14】 となる。トランジスタQ27のベースは増幅器12を介
してメイン制御電圧VCONT1 に接続されている。トラン
ジスタQ28のベースはバイアス電源VZ8に接続されて
いる。これにより図2に示すように、メイン制御電圧V
CONT1 が例えば0〔V〕から5〔V〕に増加するに従つ
て、分流比K1 は0から1に直線的に増加する。
【0022】サブ調節段10Cは、差動対のトランジス
タQ29及びQ30のそれぞれのエミツタをレンジ拡大
用抵抗R9を介して接続している。トランジスタQ30
のエミツタと抵抗R9との接続中点は、電流I20を流す
定電流源13に接続されている。トランジスタQ29に
流れる電流I21は、次式、
【数15】 となる。トランジスタQ30に流れる電流I22は、次
式、
【数16】 となる。トランジスタQ29のベースは増幅器14を介
してサブ制御電圧VCONT2 に接続されている。トランジ
スタQ30のベースはバイアス電源VZ9に接続されてい
る。これにより図3に示すように、サブ制御電圧V
CONT2 が例えば0〔V〕から5〔V〕に増加するに従つ
て、分流比K1 は零とならないαから1に直線的に増加
する。
【0023】利得可変増幅段10Aは、サブ調節段10
Cの差動出力を差動対のトランジスタQ31及びQ32
のベースに与える。トランジスタQ31及びQ32は、
エミツタが負荷用トランジスタQ33を介して定電流源
15に共通に接続されて定電流I23で駆動される。これ
によりトランジスタQ31に流れる電流I24は、次式、
【数17】 となる。トランジスタQ32に流れる電流I25は、次
式、
【数18】 となる。
【0024】また利得可変増幅段10Aは、サブ調節段
10Cの差動出力を差動対のトランジスタQ34及びQ
35のベースに与える。トランジスタQ34及びQ35
は、エミツタが負荷用トランジスタQ36を介して定電
流源16に共通に接続されて定電流I23で駆動される。
トランジスタQ36と定電流源16との接続中点には、
抵抗RINを介して信号源VINより映像信号S1が入力さ
れる。
【0025】これによりトランジスタQ34に流れる電
流I26は、映像信号S1により抵抗RINに流れる電流を
ΔI23とすると、次式、
【数19】 となる。トランジスタQ35に流れる電流I27は、次
式、
【数20】 となる。
【0026】さらに利得可変増幅段10Aは、メイン調
節段10Bの差動出力を差動対のトランジスタQ37及
びQ38のベースに与える。トランジスタQ37及びQ
38のエミツタは共通にトランジスタQ32のコレクタ
に接続されている。これによりトランジスタQ37に流
れる電流I28は、次式、
【数21】 となる。トランジスタQ38に流れる電流I29は、次
式、
【数22】 となる。
【0027】また利得可変増幅段10Aは、メイン調節
段10Bの差動出力を差動対のトランジスタQ39及び
Q40のベースに与える。トランジスタQ39及びQ4
0のエミツタは共通にトランジスタQ35のコレクタに
接続されている。これによりトランジスタQ39に流れ
る電流I30は、次式、
【数23】 となる。トランジスタQ40に流れる電流I31は、次
式、
【数24】 となる。
【0028】トランジスタQ31、Q37及びQ40
は、コレクタが共通に接続され抵抗RL1を介して電源V
CCに接続されている。これによりこのコレクタに発生す
る出力電圧V2 は、次式、
【数25】 となる。このときの全体の利得GT2は、次式、
【数26】 となる。また交流成分のみの利得GAC2 は、(26)式よ
り、次式、
【数27】 となる。
【0029】因みに、抵抗RL1は抵抗RINの約5倍に設
定されている。トランジスタQ33及びQ36のベース
はバイアス電源VZ10 に接続されている。トランジスタ
Q34、Q38及びQ39は、コレクタが共通に接続さ
れ抵抗RL2を介して電源VCCに接続されている。
【0030】以上の構成において、図2及び図3に示す
特性を得る際、例えば定電流源11及び13の電流I17
及びI20はそれぞれ2I23に等しく設定され、増幅器1
2及び14は、図4に示すように構成されているものと
して考える。
【0031】すなわちメイン制御電圧VCONT1 (ここで
は0〔V〕〜5〔V〕)は、ユーザによつて任意の値に
調節されて、増幅器12Aを介してアツテネータR10
入力される。アツテネータR10の出力は、メイン制御電
圧VCONT1 を5〔V〕としたときの出力が2R8 23
なるタツプ位置から取り出されている。アツテネータR
10の出力はバイアス電源VZ8の負極側に与えられ、バイ
アス電源VZ8の正極側からトランジスタQ27のベース
に与えられる。これによりメイン制御電圧VCONT1 を0
〔V〕から5〔V〕に増加して、トランジスタQ27の
入力電圧をVZ8からVZ8+2R8 23に増加すると、図
5に示すように、分流比K1 は0から1まで直線的に増
加する。
【0032】図4に示すように、サブ制御電圧VCONT2
(ここでは0〔V〕〜5〔V〕)は、製造工程において
ホワイトバランスをとるため任意の値に調節されて、増
幅器14Aを介してアツテネータR11に入力される。ア
ツテネータR11の出力は、サブ制御電圧VCONT2 を5
〔V〕としたときの出力が2R9 23となるタツプ位置
から取り出されている。アツテネータR11の出力はバイ
アス電源VZ8の負極側に与えられ、バイアス電源VZ8
正極側からトランジスタQ29のベースに与えられる。
抵抗R9 は抵抗R8 に比して例えば数倍に設定され、バ
イアス電源VZ9は、次式、
【数28】 に示すようにバイアス電源VZ8に比して小さく設定され
る。
【0033】これによりサブ制御電圧VCONT2 を0
〔V〕から5〔V〕に増加して、トランジスタQ29の
入力電圧をVZ8からVZ9+2R9 23に増加すると、図
5に示すように、分流比K2 はαから1まで直線的に増
加する。このときのαは、次式、
【数29】 により求められる。
【0034】分流比K1 及びK2 が図5に示す特性を有
することにより、図6に示すように、分流比K2 がK2
=1に設定されると、利得可変増幅段10Aの利得G
AC2 は、分流比K1 が0から1まで増加するに従つて、
0からRL1/RINまで増加する。一方、分流比K2 がK
2 =αに設定されると、利得GAC2 は、分流比K1 が0
から1まで増加するに従つて、0から(RL1/RIN)α
まで増加する。分流比K2 がα<K2 <1に設定される
と、利得GAC2 は、K2 に応じた傾きを有する直線とな
る。
【0035】抵抗R9 が抵抗R8 に比して大きく設定さ
れて、分流比K2 の最小値αは零にならず、トランジス
タQ32及びQ35のそれぞれの電流I25及びI27は零
にならない。これにより、電流が零となるトランジスタ
同士で掛け算する組み合わせは発生しないことになる。
従つて利得GAC2 の直線性は従来に比して少なくとも半
分向上することになる。また分流比の積を折り返すカレ
ントミラーが無いことにより、利得GAC2 の直線性は一
段と向上する。
【0036】以上の構成によれば、差動対Q31及びQ
32と、映像信号S1を入力する差動対Q34及びQ3
5とに設定する分流比(1−K2 )及びK2 、又はトラ
ンジスタQ32で駆動する差動対Q37及びQ38と、
トランジスタQ35で駆動する差動対Q39及びQ40
とに設定する分流比(1−K1 )及びK1 のうち、分流
比(1−K2 )及びK2 を零以外に設定することによ
り、電流が零となるトランジスタ同士の掛算が発生せ
ず、映像信号S2の利得GAC2 の分流比K1 及びK2
対する直線性を従来に比して少なくとも半分向上させる
ことができる。
【0037】また利得GAC2 をメイン調節段10B及び
サブ調節段10Cでそれぞれ独立して制御できることに
より、特に広帯域増幅回路のように消費電力が大きい集
積回路には最適である。
【0038】さらに利得可変増幅段10Aの素子数が従
来に比して約半分で済むことにより、全体を一段と小さ
く構成することができる。
【0039】なお上述の実施例においては、利得GAC2
がK1 2 に比例する交流成分をトランジスタQ31、
Q37及びQ40のそれぞれの出力の合計から得て、こ
の利得GAC2 を調節する場合について述べたが、本発明
はこれに限らず、利得が1−K1 2 に比例する交流成
分をトランジスタQ34、Q38及びQ39のそれぞれ
の出力の合計から得て、この交流成分の利得を調節する
場合にも適用できる。この場合にも上述と同様の効果を
得ることができる。
【0040】また上述の実施例においては、電流が零と
なるトランジスタ同士で掛け算する組み合わせを発生さ
せないため、分流比K2 の最低値αを零とならないよう
に設定する場合について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、電流が零となるトランジスタ同士で掛け算する組み
合わせを発生させないため、分流比K1 の最低値を零と
ならないように設定する場合にも適用できる。
【0041】さらに上述の実施例においては、利得可変
増幅段10Aの分流比をメイン調節段10Bとサブ調節
段10Cとによつて設定する場合について述べたが、本
発明はこれに限らず、利得可変増幅段10Aの分流比を
設定する2つの回路のうち一方の回路が分流比の最低値
を零とならないように設定するものであれば任意の構成
のものを使用して良い。
【0042】さらに上述の実施例においては、陰極線管
を使用したコンピユータ用表示装置に与える映像信号の
利得を調節する場合について述べたが、本発明はこれに
限らず、陰極線管以外の表示装置、例えば液晶表示装置
やプラズマ表示装置に与える映像信号の利得を調節する
場合にも適用できる。
【0043】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、第1の差
動対と、入力信号を入力する第2の差動対とに設定する
第1及び第2の分流比、又は第2のトランジスタで駆動
する第3の差動対と、第4のトランジスタで駆動する第
4の差動対とに設定する第3及び第4の分流比を零以外
に設定することにより、電流が零となるトランジスタ同
士の掛算が発生せず、出力信号の利得の第4及び第2分
流比に対する直線性を従来に比して少なくとも半分向上
させ得る差動増幅回路を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による差動増幅回路の一実施例による利
得調節増幅回路を示す接続図である。
【図2】メイン調節段の分流比の特性を示す直線図であ
る。
【図3】サブ調節段の分流比の特性を示す直線図であ
る。
【図4】メイン制御電圧用増幅器と、サブ制御電圧用増
幅器の詳細な構成を示す接続図である。
【図5】分流比の設定方法の説明に供する直線図であ
る。
【図6】積算した分流比による利得制御特性を示す直線
図である。
【図7】従来の利得調節増幅回路の説明に供する接続図
である。
【図8】従来の利得制御特性の説明に供する直線図であ
る。
【符号の説明】
1、10……利得調節増幅回路、1A、10A……利得
可変増幅段、1B、10B……メイン調節段、1C、1
0C……サブ調節段、2〜7、9、11、13、15、
16……定電流源、8、12、12A、14、14A…
…増幅器。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1及び第2のトランジスタでなり、第1
    のプリアンプで第1の分流比を当該第1のトランジスタ
    に設定すると共に、第2の分流比を当該第2のトランジ
    スタに設定する第1の差動対と、 第3及び第4のトランジスタでなり、上記第1のプリア
    ンプで上記第1の分流比を当該第3のトランジスタに設
    定すると共に、上記第2の分流比を当該第4のトランジ
    スタに設定する第2の差動対と、 第5及び第6のトランジスタでなり、第2のプリアンプ
    で第3の分流比を当該第5のトランジスタに設定すると
    共に、第4の分流比を当該第6のトランジスタに設定し
    て、上記第2のトランジスタで駆動する第3の差動対
    と、 第7及び第8のトランジスタでなり、上記第2のプリア
    ンプで上記第3の分流比を当該第7のトランジスタに設
    定すると共に、上記第4の分流比を当該第8のトランジ
    スタに設定して、上記第4のトランジスタで駆動する第
    4の差動対とを具え、入力信号が上記第2の差動対の共
    通エミツタ側に与えられて、出力信号を上記第1、第5
    及び第8のトランジスタの共通コレクタ、又は上記第
    3、第6及び第7のトランジスタの共通コレクタより出
    力することを特徴とする差動増幅回路。
  2. 【請求項2】上記第1及び第2の分流比、又は上記第3
    及び第4の分流比はそれぞれ零とならないように設定さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の差動増幅回路。
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