JPH086440B2 - タイル壁の施工構造及びその施工法 - Google Patents

タイル壁の施工構造及びその施工法

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JPH086440B2
JPH086440B2 JP4177746A JP17774692A JPH086440B2 JP H086440 B2 JPH086440 B2 JP H086440B2 JP 4177746 A JP4177746 A JP 4177746A JP 17774692 A JP17774692 A JP 17774692A JP H086440 B2 JPH086440 B2 JP H086440B2
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謙二 成田
和幸 西澤
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元旦ビューティ工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば建築物の外装
壁や内装壁、あるいはその他の装飾壁などの壁体をタイ
ルブロックを用いて乾式にて施工して構築するタイル壁
の施工構造及びその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のタイル壁の施工構造にお
いては、例えば特開平1−158161号公報(特願昭
62−315097号)あるいは特開平1−15816
2号公報(特願昭62−315098号)などに開示さ
れているような構成を有するものがある。
【0003】このような従来構造のものは、建築物の壁
体の下地材に係合凸条を有する取付け面板を固定し、こ
の取付け面板に設けた係合凸条にタイルブロックの裏面
に形成した係合溝を係合させて支持させるとともに、前
記取付け面板の係合凸条に弾性片を有する固定保持部材
を係着し、この固定保持部材の弾性片にて取付け面板の
係合凸条に係合させたタイルブロックを弾性的に押圧し
て支持することにより、簡単な操作でタイルブロックの
下地材への取付けが行なえるというすぐれた効果を有し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のタイル壁の施工構造では、タイルブロックを取
付け面板に取り付ける際、タイルブロックの先鋭な部
分、あるいは比較的小さな段差部分に、固定保持部材の
弾性片を作用させて固定するものであり、これによっ
て、取付時に、タイルブロック自身の重量と、取付けに
要する力の大部分が、固定保持部材の弾性片との接触部
分に作用するようになっているために、タイルブロック
の押圧部分に欠けが生じたり、固定保持部材の弾性片が
変形し易い。
【0005】そして、このように欠けたタイルブロック
をそのまま用いた場合には、極めて脆弱な壁体として構
築されるために、スクラップにして再度施工し直すか、
接着剤を用いて補強するしかなく、経済性及び施工効率
が低下する。
【0006】しかも、タイルブロックは、成分となる土
の違いにより焼き上げた後の色が決まり、たとえ同一形
状を成していても、焼きによる収縮や脆さ等の性質に微
妙な差異が現われるばかくでなく、一つの壁面を多種の
色のタイルブロックを組み合わせて壁体を構築すること
が多いために、脆さの性質が強い色のタイルブロックを
使用すると、施工時におけるスクラップ率が非常に高く
なるという問題があった。
【0007】
【発明の目的】この発明の目的は、施工時におけるタイ
ルブロックの欠けを確実に防止し、スクラップ率の極減
化及び施工効率の向上を図り、経済性を高めることがで
きるようにしたタイル壁の施工構造及び施工方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、この発明は、建築物の壁体の下地を構成する支
持部材の表面側にタイルブロックの裏面側を固定保持部
材を介して乾式にて弾性的に係合支持させて施工してな
るタイル壁の施工構造において、前記支持部材の表面側
に上顎面と下顎面とからなる凹状の被係合部を所要数形
成し、この被係合部に対応して係合する凸状の係合部を
前記タイルブロックの裏面側に形成するとともに、前記
固定保持部材は、外側に延びて内側下方に屈曲させた先
端を前記タイルブロックの係合部の上面部に弾性的に接
触させ、かつ、その上面部の少なくとも一部が前記支持
部材の被係合部の上顎面に弾性的に接触するように起立
させた係止片と、この係止片に対して略L字状に垂下さ
、かつ、その下端が前記支持部材の被係合部の下顎面
に弾性的に接触する垂下片とを有し、前記支持部材の被
係合部の下顎面に、前記タイルブロックの係合部の下面
を弾性的に押圧保持させてなる構成としたものであ
る。
【0009】また、この発明は、上記の構成において、
固定保持部材を予め支持部材の被係合部に仮止めした
後、タイルブロックの係合部を支持部材の被係合部の上
下顎面間に係合させ、タイルブロックの係合部の下面部
を支持部材の被係合部の下顎面に弾性的に押圧保持させ
てなることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】すなわち、この発明は、上記の構成を採用する
ことにより、支持部材の表面側の形成された凹状の被係
合部に、タイルブロックの裏面側に形成された凸状の係
合部を係合させ、かつ、固定保持部材の係止片の外側に
延びて内側下方に屈曲させた先端を、タイルブロックの
係合部の上面部に弾性的に接触させるとともに、その係
止片の上面部の少なくとも一部を支持部材の被係合部の
上顎面に接触させる一方、係止片に対して略L字状に垂
下させた固定保持部材の垂下片の下端を支持部材の被係
合部の下顎面に弾性的に接触させて、タイルブロックの
係合部の下面部を支持部材の被係合部の下顎面に弾性的
に押圧保持させるようになっているために、タイルブロ
ックの係合部が支持部材の被係合部の上下両顎面間に弾
性的にかつ強固に保持される。
【0011】また、固定保持部材の係止片の先端を、肉
厚で欠けの生じにくいタイルブロックの係合部の上面部
に弾性的に接触させるようになっているために、タイル
ブロックに欠けが生じることがなく、これによって、ス
クラップ率の極減化及び施工効率の向上が図れる。
【0012】しかも、タイルブロックと固定保持部材と
の間には直接的な係合関係がないために、施工性及び取
付に対する確実性を高め、タイルブロックと支持部材が
一旦係合した後は、固定保持部材の係上片が弾性機能を
損しない限り、タイルブロックが自然の力で脱落するこ
とがない。
【0013】さらに、固定保持部材を予め支持部材の被
係合部に仮止めした後、タイルブロックの係合部を支持
部材の被係合部の上下顎面間に係合させ、タイルブロッ
クの係合部の下面部を支持部材の被係合部の下顎面に弾
性的に押圧保持させてなるために、施工後、タイルブロ
ックに損傷が生じても、その損傷したタイルブロックだ
けの交換が容易に行なえ、これによって、メンテナンス
の向上が図れる。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照しなが
ら詳細に説明すると、図1に示すように、図中1は例え
ば建築物の外装壁体の下地を構成する支持部材としての
中空セメントパネルである。
【0015】このセメントパネル1の表面1a側には、
所定の間隔を存して被係合部2が上下に所要数形成さ
れ、この被係合部2は、上顎面21と下顎面22とで凹
状に形成されているとともに、その上顎面21は、外側
に向け下向きのテーパ面に形成されている一方、前記下
顎面22の外側先端上面には、Rを持たせた突部11が
突設されている。
【0016】また、図中3はタイルブロックで、このタ
イルブロック3の裏面3a側には、所定の間隔を存して
肉厚な係合部4が形成され、この係合部4は、凸状に形
成されて、前記セメントパネル1の被係合部2の上下両
顎面21,22間に対応して係合可能になっている。
【0017】さらに、前記タイルブロック3の係合部4
の上面部4aには、図2に示すように、複数条の係止段
部5が内外前後方向、つまり、タイルブロック3の脱落
方向に対して鋸歯状に設けられ、この係止段部5には、
後述する固定保持部材6の係止片7の先端7aがラチェ
ット式に係止可能になっているとともに、その下面部4
bの内側先端下部には、前記セメントパネル1の被係合
部2を形成する下顎面22に突設した突部11と係合可
能なRを持たせた突部41が突設されている。
【0018】そして、図中6は例えばバネ鋼などの弾性
素材からなる固定保持部材で、図3に示すように、外側
に延びて内側下方に屈曲させた先端7aを前記タイルブ
ロック3の係合部4の上面部4aに弾性的に接触可能に
した係止片7と、この係止片7に起立させてその上端8
aが前記セメントパネル1の被係合部2の上顎面21に
弾性的に接触可能にした起立片8と、前記係止片7に対
して略L字状に垂下されかつその下端9aが前記セメン
トパネル1の被係合部2の下顎面22に弾性的に接触可
能にした垂下片9とからなっている。
【0019】しかして、上記の構成からなるタイル壁を
構築し施工するには、まず、セメントパネル1の被係合
部2の上下両顎面21,22間に固定保持部材6を挿着
し、この固定保持部材6の係止片7に起立させた起立片
8の上端8aをセメントパネル1の被係合部2のテーパ
状上顎面部21に、その垂下片9の下端9aをセメント
パネル1の被係合部2の下顎面22に弾性的に接触保持
させて仮止めする。
【0020】次いで、このように固定保持部材6が取り
付けられたセメントパネル1の被係合部2に、タイルブ
ロック3の係合部4を挿入し係合させる。
【0021】このとき、固定保持部材6の係止片7の先
端7aは、タイルブロック3の係合部4の上面部4aを
弾性的に押圧するように接触し、セメントパネル1の被
係合部2の下顎面22に、タイルブロック3の係合部4
の下面部4bを弾性的に押圧保持されるように接触させ
るともに、タイルブロック3の係合部4の上面部4aに
設けた係止段部5に弾性的に係止し、これによって、セ
メントパネル1へのタイルブロック3の取付けが行なわ
れるようになっているものである。
【0022】なお、上記の実施例においては、固定保持
部材6の係止片7に起立片8を起立させて、この起立片
8の上端8aをセメントパネル1の被係合部2のテーパ
状上顎面21に弾性的に接触させるようにしたが、他の
例として、例えば図4に示すように、係止片7の上端部
7bを直接セメントパネル1の被係合部2のテーパ状上
顎面21に弾性的に接触させるように構成することも可
能である。
【0023】また、図5はこの発明に係る他の実施例を
示し、セメントパネル1の被係合部2にタイルブロック
3の係合部4を係合させるに際し、図4に示すような固
定保持部材6を用い、かつ、セメントパネル1の被係合
部2を形成する下顎面22と、タイルブロック3の係合
部4の下面部4bとをテーパ面に形成して互いに係合さ
せてなる構成を有するものである。
【0024】さらに、下地を構成する支持部材として中
空セメントパネルを用いて説明したが、他の支持部材と
しては、例えば窯業系パネル、金属板のロールフォーミ
ング材、アルミ押出成形材などが好適に使用される。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明は、支持部材の表面側の形成された凹状の被係合部
に、タイルブロックの裏面側に形成された凸状の係合部
を係合させ、かつ、固定保持部材の係止片の外側に延び
て内側下方に屈曲させた先端を、タイルブロックの係合
部の上面部に弾性的に接触させるとともに、その係止片
の上面部の少なくとも一部を支持部材の被係合部の上顎
面に接触させる一方、係止片に対して略L字状に垂下さ
せた固定保持部材の垂下片の下端を支持部材の被係合部
の下顎面に弾性的に接触させて、タイルブロックの係合
部の下面部を支持部材の被係合部の下顎面に弾性的に押
圧保持させるようになっていることから、タイルブロッ
クの係合部を支持部材の被係合部に弾性的にかつ強固に
保持させることができる。
【0026】しかも、固定保持部材の係止片の先端を、
肉厚で欠けの生じにくいタイルブロックの係合部の上面
に弾性的に接触させるようになっているために、タイル
ブロックに欠けが生じることがなく、これによって、ス
クラップ率の極減化を図ることができるとともに、経済
性を高め、施工効率の向上を図ることができる。
【0027】また、タイルブロックと固定保持部材との
間には直接的な係合関係がないために、施工性及び取付
に対する確実性を高め、タイルブロックと支持部材が一
旦係合した後は、固定保持部材の係止片が弾性機能を損
しない限り、タイルブロックが自然の力で脱落すること
がない。
【0028】しかも、本願の固定部材は、係止片と垂下
片からなる単純な形状であり、支持部材に設けた凹状の
被係合部内に位置する形状であるため、製作の手間が掛
からず、部材コスト(部材費)を低く抑えることができ
る。
【0029】さらに、固定保持部材を予め支持部材の被
係合部に仮止めした後、タイルブロックの係合部を支持
部材の被係合部の上下顎面間に係合させ、タイルブロッ
クの係合部の下面部を支持部材の被係合部の下顎面に弾
性的に押圧保持させてなるために、施工後、タイルブロ
ックに損傷が生じても、その損傷したタイルブロックだ
けの交換を容易に行なうことができ、これによって、メ
ンテナンスの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るタイル壁の施工構造の一実施例
を示す要部縦断面図。
【図2】同じく固定保持部材によるタイルブロツクの支
持部材への取付状態を示す要部拡大縦断面図。
【図3】同じく固定保持部材の斜視図。
【図4】同じく固定保持部材の他の例を示す斜視図。
【図5】この発明に係るタイル壁の施工構造の他の実施
例を示す要部拡大縦断面図。
【符号の説明】
1・・・支持部材(中空セメントパネル)、 2・・・被係合部、 21・・・上顎面、 22・・・下顎面、 3・・・・・・タイルブロック、 4・・・係合部、 4a・・・上面部、 4b・・・下面部、 6・・・固定保持部材、 7・・・係止片、 7a・・先端、 8・・・起立片、 8a・・・上端、 9・・・垂下片、 9a・・・下端。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建築物の壁体の下地を構成する支持部材の
    表面側にタイルブロックの裏面側を固定保持部材を介し
    て乾式にて弾性的に係合支持させて施工してなるタイル
    壁の施工構造において、 前記支持部材の表面側に上顎面と下顎面とからなる凹状
    の被係合部を所要数形成し、この被係合部に対応して係
    合する凸状の係合部を前記タイルブロックの裏面側に形
    成するとともに、 前記固定保持部材は、外側に延びて内側下方に屈曲させ
    た先端を前記タイルブロックの係合部の上面部に弾性的
    に接触させ、かつ、その上面部の少なくとも一部が前記
    支持部材の被係合部の上顎面に弾性的に接触するように
    起立させた係止片と、この係止片に対して略L字状に垂
    下され、かつ、その下端が前記支持部材の被係合部の下
    顎面に弾性的に接触する垂下片とを有し、 前記支持部材の被係合部の下顎面に、前記タイルブロッ
    クの係合部の下面部を弾性的に押圧保持させたことを特
    徴とするタイル壁の施工構造。
  2. 【請求項2】建築物の壁体の下地を構成する支持部材の
    表面側にタイルブロックの裏面側を固定保持部材を介し
    て乾式にて弾性的に係合支持させて施工してなるタイル
    壁の施工方法において、 前記支持部材の表面側に上顎面と下顎面とからなる凹状
    の被係合部を所要数形成し、この被係合部に対応して係
    合する凸状の係合部を前記タイルブロックの裏面側に形
    成するとともに、 前記固定保持部材は、外側に延びる先端を内側下方に屈
    曲させて前記タイルブロックの係合部の上面部に弾性的
    に接触させ、かつ、その上端が前記支持部材の被係合部
    の上顎面に弾性的に接触するように起立させた係止片
    と、この係止片に対して略L字状に垂下され、かつ、
    の下端が前記支持部材の被係合部の下顎面に弾性的に接
    触する垂下片とを有し、 前記固定保持部材を予め前記支持部材の被係合部に仮止
    めした後、前記タイルブロックの係合部を前記支持部材
    の被係合部の上下顎面間に係合させ、前記タイルブロッ
    クの係合部の下面部を前記支持部材の被係合部の下顎面
    に弾性的に押圧保持させてなることを特徴とするタイル
    壁の施工方法。
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