JPH086369Y2 - 端子構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は端子構造に係り、特に機械体に固定され、回
路ユニットへ電源及び信号を供給する端子構造に関す
る。

従来の技術 従来、計器等に於ける回路ユニットへの外部電源及び
外部信号との導通は、第３図に示す構成とされていた。
１は機械体ボディで端子２が固定されている。５は外装
ケースで外装ケース５の外側に外部電源及び外部信号を
回路ユニット３に供給するフレキシブル基板等により構
成された外部回路６等が配設されている。８は外部回路
６と回路ユニット３とを導通させる為のビスで、ビス８
には座金９が組み込まれ、この座金９を介して外部回路
６の銅ハク部７とビス８との導通が行なわれる。ビス８
を端子２に螺入することにより外装ケース５及び回路ユ
ニット３を機械体ボディ１に固定する。このとき端子２
が回路ユニットの銅ハク部４に圧着されビス８との導通
がはかられ、ビス８を介して外部回路６と回路ユニット
３との導通をはかっていた。

考案が解決しようとする課題 しかるに、従来の端子構造では機械体ボディ及び機械
体ボディへ固定される端子は、部品精度及び組付精度の
関係上同一平面に構成する事は困難であり、部品精度及
び組付精度確保する為には特殊な治具等を必要とし、コ
ストアップや組付作業の困難を生じてしまい、又、端子
を同一平面上に構成しないで回路基板に圧着させると回
路基板が変形し、銅ハクにより構成される回路配線の断
線や半田付部のクラック発生が生じてしまう等の問題点
があった。

本考案は上記の点に鑑みてなされたもので、部品精度
のバラツキや組付バラツキによる回路基板への変形スト
レスによる悪影響がなく、しかも通常組付及び部品精度
管理で充分な低コストで品質良好な端子構造を提供する
ことを目的とする。

課題を解決するための手段 本考案は上記課題を解決するために外部回路と回路ユ
ニットとを複数の固定箇所で導電ビスを介して電気的に
接続しつつ機械体に固定する構造の端子構造において、 前記外部回路、及び、前記回路ユニットを介して前記
導電ビスが螺入され、前記外部回路、及び、前記回路ユ
ニットを前記導電ビスとで挟持して前記外部回路と前記
回路ユニットとを前記導電ビスを介して電気的に接続す
るネジ螺入部及び前記機械体に係合する係合部よりなる
接続部材と、 前記機械体に設けられ、前記複数の固定箇所のうち少
なくとも一つの固定箇所で前記接続部材の係合部を圧入
固定し他の固定箇所では前記接続部材の係合部を前記導
電ビスの螺合時の移動方向に移動可能に保持する複数の
保持部とを具備してなる。

作用 本考案によれば、機械体に設けられた複数の保持部の
うち少なくとも一つの固定箇所で接続部材の係合部が圧
入固定され、他の固定箇所では接続部材の係合部を移動
可能に保持することにより、機械体に歪み等があって
も、機械体と接続部材とは少なくとも一つの固定箇所で
圧入固定され、他の固定箇所では互いに移動可能な構造
とされているため、他の固定箇所では接続部材を外部回
路及び回路ユニットの形状に応じて移動させることがで
き外部回路及び回路ユニットの形状に応じた位置で挟持
できしたがって、外部回路と回路ユニットとを導電ネジ
と接続部材とで確実に挟持でき、互いに確実に接続でき
ると共に、外部回路及び回路ユニットが機械体の歪に応
じて変形されることがない。

実施例 第１図は本考案の一実施例の断面図を示す。同図中、
11は請求の範囲中の、機械体に相当する機械体ボディで
合成樹脂等の絶縁材料よりなり、請求の範囲中の接続部
材に相当する端子部材12を保持する。端子部材12は機械
体ボディ11と可動状態に保持され、請求の範囲中の導電
ビスに相当するビス18により回路基板13に圧着され導通
する。回路基板13は回路ユニットを構成する基板で、電
源信号の接続部分に孔部13aが形成され、孔部13aの周囲
には銅ハク14が形成される。

15は外装ケースで回路ユニットにより構成された装置
を収納するめたのケースでビス18が貫通する貫通孔15a
を有する。外装ケース15の外面には電源信号等をやり取
りする請求の範囲中の外部回路に相当する外部回路16が
配設される。外部回路16はフレキシブル基板等で構成さ
れ、接続部分に対応して孔部16aが形成されている。孔
部16aの周囲には配線用の銅ハク17が形成されている。

ビス18にはワッシャ19が取付けられ、ビス18は外部回
路16に形成された孔部16a,外装ケース15に形成された貫
通孔15a,回路基板13に形成された孔部13aを貫通して端
子部材12の螺入孔部12bに螺入される。

端子部材12と、外装ケース15とは第２図に示すように
係合する。

第２図に示すように、端子部材12の係合部12aの高さ
寸法ｂに対する機械体ボディ11の係合穴の高さ寸法ａ
は、複数の端子部材12のうち少なくとも１つがａ≒ｂと
構成されており、他の端子部材12との係合穴11aの高さ
寸法ａ′はａ′＞ｂと構成される。機械体ボディ11の係
合穴11aの高さ寸法ａ′に係合される端子部材12は、回
路基板13圧着方向Ａに移動可能に仮固定されている。

ビス18を外部回路16,外装ケース15,回路基板13を介し
て端子部材12の螺入孔12bに螺入すると端子部材12が回
路基板方向に移動して、回路基板13に圧着される。これ
により外部回路16はワッシャ17,ビス18,端子部材12を介
して回路基板13と導通がはかれる。

複数の端子部材12が回路基板13圧着方向で互いにズレ
ていても端子部材12は、回路基板13圧着方向へ移動可能
に仮固定されている為、第１図に点線で示す様に回路基
板13の方へスライドし圧着固定される。したがって、回
路基板13は変形ストレスを受けずに確実に導通をはかれ
る。

一般的に機械体ボディ11に端子部材12を固定しようと
すると、部品精度及び組付精度の関係上同一平面に構成
する事は困難である。このため、部品精度及び組付精度
を確保しようとすると特殊な治具等を必要とし、コスト
アップや組付作業の困難を生じるが、本実施例のように
端子部材を移動可能な構成とすることにより比較的簡単
な構成で同一平面を得ることができ、回路基板の変形が
生じなくなり、銅ハクにより構成される回路配線の断線
や半田付部のクラック等が発生しにくい。

したがって、部品精度のバラツキや組付バラツキによ
る回路基板への変形ストレスによる悪影響が防止でき、
しかも通常組付及び部品精度管理で充分な低コストで品
質良好な端子構造を提供する事が出来る。

考案の効果 上述の如く、本考案によれば、機械体に設けられた複
数の保持部のうち少なくとも一つの固定箇所で接続部材
の係合部が圧入固定され、他の固定箇所では接続部材の
係合部を移動可能に保持することにより、機械体に歪み
等があっても、機械体と接続部材とは少なくとも一つの
固定箇所で圧入固定され、他の固定箇所では互いに移動
可能な構造とされているため、導電ビス螺入時に接続部
材と導電ビスとで外部端子と回路ユニットとを挟持した
際、接続部材が外部回路及び回路ユニットの形状に応じ
て移動させることができ、外部回路及び回路ユニットを
外部回路及び回路ユニットの形状に応じた位置で挟持で
きしたがって、外部回路及び回路ユニットを確実に接続
できると同時に機械体への固定が行なえると共に外部端
子及び回路ユニットの接続及び固定時に外部回路及び回
路ユニットの変形を防止でき、これにより、回路ユニッ
ト上の配線の剥離等の悪影響を発生させることなく固定
できる等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は本考案の
一実施例の要部の斜視図、第３図は従来の一例の断面図
である。 11……機械体ボデイ、12……端子部材、13……回路基
板、15……外装ケース、16……外部回路、18……ビス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外部回路と回路ユニットとを複数の固定箇
   所で導電ビスを介して電気的に接続しつつ機械体に固定
   する構造の端子構造において、 前記外部回路、及び、前記回路ユニットを介して前記導
   電ビスが螺入され、前記外部回路、及び前記回路ユニッ
   トを前記導電ビスとで挟持して前記外部回路と前記回路
   ユニットとを前記導電ビスを介して電気的に接続するネ
   ジ螺入部及び前記機械体に係合する係合部よりなる接続
   部材と、 前記機械体に設けられ、前記複数の固定箇所のうち少な
   くとも一つの固定箇所で前記接続部材の係合部を圧入固
   定し他の固定箇所では前記接続部材の係合部を前記導電
   ビスの螺合時の移動方向に移動可能に保持する複数の保
   持部とを具備してなる端子構造。