JPH0862800A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法

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JPH0862800A
JPH0862800A JP19397394A JP19397394A JPH0862800A JP H0862800 A JPH0862800 A JP H0862800A JP 19397394 A JP19397394 A JP 19397394A JP 19397394 A JP19397394 A JP 19397394A JP H0862800 A JPH0862800 A JP H0862800A
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acid
layer
bleach
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JP19397394A
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Takatoshi Ishikawa
隆利 石川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】磁気記録された情報のS/N比の劣化を防止す
る。 【構成】透明支持体の一方に、それぞれ少なくとも1層
の赤感層、緑感層及び青感層を有し、支持体の他方に強
磁性微粉末を含む磁性層を有するハロゲン化銀カラー写
真感光材料を、カラー現像の後に漂白定着処理する処理
工程において、該漂白定着液中に少なくとも0.08モ
ル/リットル以上0.4モル/リットル以下の亜硫酸塩
を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感
光材料の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性層を有するハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料の処理方法に関し、特に、磁
気情報の読み取り性能の優れた処理方法を提供すること
にある。
【0002】
【従来の技術】従来、ハロゲン化銀写真感光材料(以下
感材と略す)においては、撮影時やプリント時に各種の
情報を入力したり出力したりすることは殆ど不可能であ
り、わずかに光学的に撮影日時を入力/出力できるのみ
であった。ところで、特開平4−68336、特開平4
−73737、或いは特開平5−88283号明細書に
開示されているように、感材に透明磁気記録層を全面に
付与することにより、撮影の日時、天候、縮小/拡大比
などの撮影条件、再プリント枚数、ズ−ムしたい箇所、
メッセ−ジ、および、現像、プリント条件などを感材に
入力可能となる。またテレビ/ビデオなどの映像機器へ
の入力時においても、各種情報が提供できようになり、
将来有望な方法といえよう。
【0003】他方、こういった感材の処理方法において
は、一般にカラー現像、脱銀、水洗及び安定処理が施さ
れる。ところで、脱銀工程には漂白と定着が分離された
処理方法と、2つの機能が合わさった漂白定着液にて処
理される場合の2つの場合に大別することができる。と
りわけ、撮影用の感光材料は、その塗布銀量が、プリン
ト系材料に比べて多いために、脱銀能力の優れた前者の
系にて処理されるのが一般的であった。ところで、一液
である漂白定着処理においては、処理浴数の減による処
理の簡易化や処理機の小型化が可能となるために、より
望ましい処理の形態ではあるが、本発明に記載の磁性層
を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料を一浴である
漂白定着浴で処理した場合には、特にその磁気記録性能
が劣化してしまい(S/N比の悪化)、満足な情報提供
ができないということが判明した。本発明者らは、磁気
記録性能の劣化の要因を解析したところ、漂白定着液の
pHが、低pHや高pHで上記劣化が一層生じ易いこ
と、更には、カラー現像液の混入量が多い場合に一層生
じ易いことが判明した。更に、本要因の解析を行ったと
ころ、前浴から持ち込まれた現像主薬の酸化物が前記磁
性層に付着したり、漂白定着液であるために、定着剤が
酸化されて生じる微小のイオウ成分が同じく付着し、磁
気記録性能が劣化することが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、透明磁気記録層を有する感材を、磁気記録された情
報のS/N比を劣化させることなく処理するハロゲン化
銀カラー写真感光材料の処理方法を提供するとにあり、
更には、脱銀性能や写真性能が優れた漂白定着処理を供
給することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記処理方
法を行うことにより、解決されるとを見いだした。即
ち、 (1) 像露光された透明支持体上に、それぞれ少なく
とも1層の赤感層、緑感層及び青感層を有し、かつ強磁
性微粉末を含む磁性層を有するハロゲン化銀カラー写真
感光材料を、カラー現像の後に漂白定着処理する処理工
程において、該漂白定着液中に少なくとも0.08モル
/リットル以上0.4モル/リットル以下の亜硫酸塩を
含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光
材料の処理方法。 (2) 漂白定着液中に下記一般式(I)で示されるス
ルフィン酸類の少なくとも一種を含有することを特徴と
する上記第(1)記載のハロゲン化銀カラー写真感光材
料の処理方法。 一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、Rは置換基を表し、nは0〜6の
整数を表す。nが2以上の場合には、Rは同じでも異な
っても良い。Mは水素原子、アルカリ金属類、アルカリ
土類、アンモニウムまたはアミン表す。) (3) 該漂白定着液のpHが4.5〜6.2であるこ
とを特徴とする上記(1)または(2)記載のハロゲン
化銀カラー写真感光材料の処理方法。 (4) 該漂白定着液中にカラー現像液が5〜25%混
入していることを特徴とする上記(1)、(2)または
(3)記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方
法。
【0008】以下本発明の詳細について説明する。本発
明に使用される磁気記録層について詳細を説明する。磁
性層は感光性層と同一の側にあっても反対の側にあって
もよい。また支持体と一体となっていてもよい。好まし
くは、感光性層と反対側に設ける。磁気記録層の記録媒
体としては、磁性粒子がもちいられるが、本発明で用い
られる磁性粒子は、γFe2 3 などの強磁性酸化鉄
(FeOx、 4/3<x≦ 3/2) 、Co被着γFe2 3
などのCo被着強磁性酸化鉄(FeOx、 4/3<x≦3/
2) 、Co被着マグネタイト、その他Co含有の強磁性
酸化鉄、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、
強磁性金属、強磁性合金、さらにその他のフェライト、
例えば六方晶系のBaフェライト、Srフェライト、P
bフェライト、Caフェライトあるいはこれらの固溶体
またはイオン置換体などを使用できるが、Co被着γF
2 3 などのCo被着強磁性酸化鉄で、Fe2+/Fe
3+比が0〜10%のものが透過濃度の点から好ましい。
これらの強磁性粉末の製法は既知であり、本発明で用い
られる強磁性体についても公知の方法にしたがって製造
することができる。強磁性体の形状・サイズについて述
べる。形状としては針状、米粒状、球状、立方体状、板
状等いずれでもよいが、針状が電磁変換特性上好まし
い。粒子サイズは、針状の場合は長軸が0.01〜0.
8μm、長軸/短軸比は2〜100が好ましく、更に長
軸は0.05〜0.3μm、長軸/短軸比は4〜15が
より好ましい。比表面積ではSBET で20m2/g以上が
好ましく、30m2/g以上が特に好ましい。
【0009】強磁性体の飽和磁化(σs )は大きいほど
好ましいが、50emu/g以上、さらに好ましくは70em
u/g以上であり、実用上は100 emu/g以下となる。ま
た、強磁性体の角型比(σr /σs )は40%以上、さ
らには45%以上が好ましい。保磁力(Hc)は小さす
ぎると消去されやすく、大きすぎるとシステムによって
は書き込めなくなるため適度な値が好ましく、200 O
e 以上3000 Oe 以下、好ましくは500 Oe 以上2
000 Oe 以下、さらに好ましくは650 Oe以上95
0 Oe 以下である。
【0010】これらの強磁性体粒子を、例えば特開昭5
9−23505や特開平4−096052記載のものな
どのような、シリカおよび/またはアルミナで表面処理
してもよい。また、特開平4−195726、同4−1
92116、同4−259911、同5−081652
記載のような無機および/または有機の素材による表面
処理を施してもよい。さらに、これらの強磁性体粒子は
その表面にシランカップリング剤又はチタンカップリン
グ剤で処理されてもよい。カップリング剤としては例え
ば特公平1−261469に記載されているような既知
の素材が使えるが、以下の化合物も利用できる。
【0011】 化合物例〔1〕−1. ビニルトリクロルシラン 〃 〔1〕−2. ビニルトリエトキシシラン 〃 〔1〕−3. γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 〃 〔1〕−4. γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 〃 〔1〕−5. N−β(アミノエチル) γ−アミノプロピル メチ ルジメトキシシラン 〃 〔1〕−6. N−フェニル−γ−アミノプロピル トリメトキシシ ラン 〃 〔1〕−7. ビニルオクチルトリメトキシシラン 〃 〔1〕−8. 10−(ビニルオキシカルボニル)ノニル トリメト キシシラン 〃 〔1〕−9. p−ビニルフェニル トリイソプロピルシラン 〃 〔1〕−10. 3−(グリシジルオキシ)プロピル トリエトキシシ ラン 〃 〔1〕−11. −(アクリロイル)プロピル トリメトキシシラン 〃 〔1〕−12. 1−(メタクリロイル)ウンデシル トリメトキシ シラン 〃 〔1〕−13. 3−アミノプロピル トリメトキシシラン 〃 〔1〕−14. 3−フェニルアミノプロピル トリメトキシシラン 〃 〔1〕−15. 3−N,N−ジブチルアミノプロピル トリメトキシ シラン 〃 〔1〕−16. 3−トリメチルアンモニオプロピル トリメトキシシ ラン・アイオダイド 〃 〔1〕−18. 3−イソシアニルプロピル メチルジメトキシシラン 〃 〔1〕−19. 3−(ポリ(重合度10)オキシエチニル)オキシプ ロピル トリメトキシシラン 〃 〔1〕−20. 3−メトキシ(ポリ(重合度6)オキシエチニル)オ キシプロピル トリメトキシシラン 〃 〔1〕−21. デシルトリメトキシシラン
【0012】 化合物例〔2〕−1. イソプロピルトリイソステアロイルチタネート 〃 〔2〕−2. イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネ ート 〃 〔2〕−3. イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート )チタネート 〃 〔2〕−4. テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト) チタネート 〃 〔2〕−5. テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チ タネート 〃 〔2〕−6. テトラ(2,2’−ジアリルオキシメチル−1−ブチ ル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート 〃 〔2〕−7. ビス(ジオクチルパイロホスフェートオキシアセテー トチタネート 〃 〔2〕−8. ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタ ネート 〃 〔2〕−9. イソプロピルトリオクタノイルチタネート 〃 〔2〕−10. イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネー ト 〃 〔2〕−11. イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート 〃 〔2〕−12. イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネ ト 〃 〔2〕−13. イソプロピルトリクミルフェニルチタネート 〃 〔2〕−14. イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル )チタネート 〃 〔2〕−15. ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート 〃 〔2〕−16. ジイソステアロイルエチレンチタネート
【0013】これらのシランカップリング剤及びチタン
カップリング剤の磁気粒子に対する添加量は1.0〜2
00重量%が好ましく、これより少ないと液安定性の点
で劣り多過ぎても同様に液安定性が悪い。好ましくは1
〜75重量%であり、より好ましくは2〜50重量%で
ある。又、本発明のこれらのシランカップリング剤及び
チタンカップリング剤の添加は一般に知られている方法
で本発明の磁気粒子に処理され、その表面を修飾し磁気
材料の塗布液安定性を付与することができる。即ち、カ
ップリング剤は、磁気粒子への直接処理方法とインテグ
ラルブレンド法によって処理される。直接法では乾式法
とスラリー法および、スプレー法に大きく分類される。
直接処理方法で得られた磁気材料はバインダー中に添加
され磁気粒子の表面に確実にカップリング剤が修飾でき
る点で優れている。その中で乾式法は磁気粒子にシラン
カップリング剤のアルコール水溶液、有機溶剤又は水溶
液中で均一に分散させた後乾燥して実施するものであり
一般的である。ヘンシェルミキサー、スーパーミキサ
ー、レデイミキサー、V型ブレンダー、オープンニーダ
ー等の攪拌機を使用するのが好ましい。これらの攪拌機
の中でも特にオープンニーダーが好ましい。磁気粒子と
少量の水、または水を含有する有機溶剤およびカップリ
ング剤を混合しオープンニーダーで攪拌して水を除去し
た後、更に微細分散するのが好ましい。又スラリー法は
磁気材料の製造において磁気粒子をスラリー化する工程
がある場合にそのスラリー中にカップリング剤を添加す
るもので、製造工程で処理できる利点を有する。スプレ
ー法は磁気材料の乾燥工程において磁気粒子にカップリ
ング剤を添加するもので、製造工程で処理できる利点を
有するが処理の均一性に難点がある。インテグラルブレ
ンド法について述べると、カップリング剤を磁気粒子と
バインダー中に添加する方法であり、良く混練する必要
があり簡便な方法である。
【0014】次に本発明の磁性粒子が好ましく用いられ
るバインダーについて記す。本発明に用いられるバイン
ダーは従来、磁気記録媒体用の結合剤として使用されて
いる公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性
樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ又は生分解性ポリマ
ー、天然物重合体(セルロース誘導体,糖誘導体など)
およびこれらの混合物を使用することができる。好まし
い上記樹脂のTgは−40℃〜300℃、重量平均分子
量は0.2万〜100万、好ましくは0.5万〜30万
である。上記熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル・酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル、酢酸ビニルとビニルアル
コール、マレイン酸および/またはアクリル酸との共重
合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニ
ル・アクリロニトロル共重合体、エチレン・酢酸ビニル
共重合体などのビニル系共重合体、ニトロセルロース、
セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、
セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセ
テートブチレート、セルローストリプロピオネート、セ
ルロースドデカノエート樹脂などのセルロース誘導体、
アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリ
エーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレ
タン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ
アミド樹脂、アミノ樹脂、スチレンブタジエン樹脂、ブ
タジエンアクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコ
ーン系樹脂、フッ素系樹脂を挙げることができる。上記
熱硬化性樹脂または、反応型樹脂としては加熱により分
子量がきわめて大きくなる物で、たとえばフェノール樹
脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、硬化型ポリウレタ
ン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シ
リコン樹脂、アクリル系反応樹脂、エポキシ−ポリアミ
ド樹脂、ニトロセルロースメラミン樹脂、高分子量ポリ
エステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、
尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコール/高分
子量ジオール/ポリイソシアネートの混合物、ポリアミ
ン樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。上記放射
線硬化型樹脂としては上記熱可塑性樹脂に放射線硬化官
能基として炭素−炭素不飽和結合を有する基を結合させ
たものが用いられる。好ましい官能基としてはアクリロ
イル基、メタクリロイル基などがある。これらのバイン
ダ−の中ではセルロースジアセテートが好ましい。以上
列挙のバインダー中に、極性基(エポキシ基、CO
2 M、OH、NR2 、NR3 X、SO3 M、OSO
3 M、PO3 2 、OPO3 2 、ただしMは水素、ア
ルカリ金属またはアンモニウムであり、一つの基の中に
複数のMがあるときは互いに異なっていてもよい、Rは
水素またはアルキル基である)を導入したものが磁性体
の分散性、耐久性上好ましい。極性基の含有量としては
ポリマー1グラム当り10-7〜10-3当量が、好ましく
はさらには10-6〜10-4当量が好ましい範囲である。
【0015】以上列挙のバインダーは単独または数種混
合で使用され、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネ
ート系の公知の架橋剤、および/あるいは放射線硬化型
ビニル系モノマーを添加して硬化処理することができ
る。イソシアネート系架橋剤としてはイソシアネート基
を2個以上有するポリイソシアネート化合物で、たとえ
ばトリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5
−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタン
ジイソシアネートなどのイソシアネート類、これらのイ
ソシアネート類とポリアルコールとの反応生成物(例え
ば、トリレンジイソシアナート3mol とトリメチロール
プロパン1mol の反応生成物)、及びこれらのイソシア
ネート類の縮合により生成したポリイソシアネートなど
があげられる。放射線硬化ビニル系モノマーとしては、
放射線照射によって重合可能な化合物であって、炭素−
炭素不飽和結合を分子中に1個以上有する化合物であ
り、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル
アミド類、アリル化合物、ビニルエステル類、ビニルエ
ステル類、ビニル異節環化合物、N−ビニル化合物、ス
チレン、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン
酸、オレフィン酸等があげられる。これらのうち好まし
いものとして(メタ)アクリロイル基を2個以上有す
る、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、などの
ポリエチレングリコールの(メタ)アクリレート類、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリイ
ソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物
との反応物、等がある。これらの架橋剤は、架橋剤を含
むバインダー全体に対して5から45wt%であることが
好ましい。
【0016】また、本発明の磁気記録層に親水性バイン
ダーも使用できる。使用する親水性バインダーとして
は、リサーチ・ディスクロージャー No.17643、2
6頁、および同 No.18716、651頁に記載されて
おり、水溶性ポリマー、セルロースエステル、ラテック
スポリマー、水溶性ポリエステルなどが例示されてい
る。水溶性ポリマーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導
体、カゼイン、寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポ
リビニールアルコール、ポリアクリル酸共重合体、無水
マレイン酸共重合体などであり、セルロースエステルと
してはカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロースなどである。ラテックスポリマーとしては塩
化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合体、
アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有共重
合体、ブタジエン含有共重合体などである。この中で最
も好ましいのはゼラチンである。ゼラチンは、その製造
過程において、ゼラチン抽出前、アルカリ浴に浸漬され
る所謂アルカリ処理(石灰処理)ゼラチン、酸浴に浸漬
される酸処理ゼラチンおよびその両方の処理を経た二重
浸漬ゼラチン、酵素処理ゼラチンのいずれでもよい。必
要に応じて一部分をコロイド状アルブミン、カゼイン、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ースなどのセルロース誘導体、寒天、アルギン酸ソー
ダ、デンプン誘導体、デキストランなどの糖誘導体、合
成親水性コロイド、たとえばポリビニルアルコール、ポ
リ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸共重合体、
ポリアクリルアミドまたはこれらの誘導体、部分加水分
解物、ゼラチン誘導体などをゼラチンと併用してもよ
い。
【0017】ゼラチンを含む磁気記録材料を硬膜するの
は好ましい。磁性記録層に使用できる硬膜剤としては、
たとえば、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如
きアルデヒド系化合物類、ジアセチル、シクロペンタン
ジオンの如きケトン化合物類、ビス(2−クロロエチル
尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,
5−トリアジン、そのほか米国特許第3,288,77
5号、同2,732,303号、英国特許第974,7
23号、同1,167,207号などに記載されている
反応性のハロゲンを有する化合物類、ジビニルスルホ
ン、5−アセチル−1,3−ジアクリロイルヘキサヒド
ロ−1,3,5−トリアジン、そのほか米国特許第3,
635,718号、同3,232,763号、英国特許
第994,869号などに記載されている反応性のオレ
フィンを持つ化合物類、N−ヒドロキシメチルフタルイ
ミド、その他米国特許第2,732,316号、同2,
586,168号などに記載されているN−メチロール
化合物、米国特許第3,103,437号等に記載され
ているイソシアナート類、米国特許第3,017,28
0号、同2,983,611号等に記載されているアジ
リジン化合物類、米国特許第2,725,294号、同
2,725,295号等に記載されている酸誘導体類、
米国特許第3,091,537号等に記載されているエ
ポキシ化合物類、ムコクロル酸のようなハロゲンカルボ
キシアルデヒド類をあげることができる。あるいは無機
化合物の硬膜剤としてクロム明バン、硫酸ジルコニウ
ム、特公昭56−12853号、同58−32699
号、ベルギー特許825,726号、特開昭60−22
5148号、特開昭51−126125号、特公昭58
−50699号、特開昭52−54427号、米国特許
3,321,313号などに記載されているカルボキシ
ル基活性型硬膜剤などを例示できる。硬膜剤の使用量
は、通常乾燥ゼラチンに対して0.01〜30重量%、
好ましくは0.05〜20重量%である。
【0018】前述の磁性体を上記バインダ−中に分散す
る方法は、例えば特願平4−189652の他、種々の
公知の手段が可能であるが、ニーダー、ピン型ミル、ア
ニュラー型ミルなどが好ましく、ニーダーとピン型ミ
ル、もしくはニーダーとアニュラー型ミルの併用も好ま
しい。ニーダーとしては、開放型(オープン)、密閉
型、連続型などがあり、その他3本ロールミル、ラボプ
ラストミル等の混練機も用いられる。また、分散に際し
て特開平5−088283記載の分散剤や、その他の公
知の分散剤が使用できる。
【0019】磁気記録層の厚みは0.1μ〜10μ、好
ましくは0.2μ〜5μ、より好ましくは0.3μ〜3
μである。磁気粒子とバインダーの重量比は好ましくは
0.5:100〜60:100からなり、より好ましく
は1:100〜30:100である。磁性体としての塗
布量は0.005〜3g/m2、好ましくは0.01〜2g/
m2、さらに好ましくは0.02〜0.5g/m2である。
【0020】本発明の磁気記録層は、写真用支持体の裏
面に塗布又は印刷によって全面またはストライプ状に設
けることができる。また、磁性粒子を分散したバインダ
ーの溶液と支持体作成用のバインダーの溶液を全面又は
ストライプ状に共流延して磁気記録層を有する支持体を
作成することも好ましい。この場合、2種類のポリマー
の組成は異なってもよいが同一にするのが好ましい。こ
の磁気記録層を塗布する方法としてはエアードクターコ
ート、ブレードコート、エアナイフコート、スクイズコ
ート、含浸コート、リバースロールコート、トランスフ
ァーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャ
ストコート、スプレイコート、ディップコート、バーコ
ート、エクストリュージョンコート等が利用出来、その
他の方法も可能であり、これらの具体的説明は朝倉書店
発行の「コーティング工学」253頁〜277頁(昭和
46.3.20.発行)に詳細に記載されている。この
ような方法により、支持体上に塗布された磁気記録層は
必要により層中の磁性材料を直ちに乾燥しながら配向さ
せる処理を施したのち、形成した磁気記録層を乾燥す
る。このときの支持体の搬送速度は、通常2m/分〜5
00m/分でおこなわれ、乾燥速度は20℃〜250℃
で制御される。磁性体を配向させるには永久磁石やソレ
ノイドコイルを用いる方法がある。永久磁石の強度は2
000Oe 以上が好ましく、3000 Oe 以上が特に好
ましい。ソレノイドの場合は500 Oe 以上でもよい。
また、乾燥時の配向のタイミングは特願平5−0058
22に記載されているように磁気記録層内の残留溶剤が
5%〜70%の地点が望ましい。又必要により表面平滑
化加工を施したりして、本発明の磁気記録層を製造す
る。これらは、例えば、特公昭40−23625号公
報、特公昭39−28368号公報、米国特許第347
3960号明細書、等に示されている。又、特公昭41
−13181号公報に示される方法はこの分野における
基本的、且つ重要な技術と考えられる。
【0021】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよい。必要に応じて磁気記録層に隣接する
保護層を設けて耐傷性を向上させてもよい。例えば、無
機,有機の微粒子(例えば、シリカ,SiO2 ,SnO
2 ,Al2 3 ,TiO2 ,架橋ポリメチルメタクリレ
ート,炭酸バリウム,シリコーン微粒子など)を添加す
るのは好ましい。
【0022】例えば、磁気記録層に添加物を組み込み、
バック層表面に0.8μ以下の突起をつけることによ
り、磁気入出力時のゴミ付きによる磁気出力エラーを防
止し、かつ磁気特性の一つであるS/N を悪化させずかつ
写真性に影響を与えない方法がある。バック面に表面突
起を付与する方法としてバック面に粒子を添加する、塗
布乾燥時にブラッシングを発生させたり、ベナードセル
を意図的に発生させる方法があるが、表面突起物の形状
を自由にコントロールできる意味でバック面に粒子を添
加する事が好ましい。
【0023】添加される粒子は現像処理液不溶であり、
素材としては無機微粒子、ポリマー粒子、架橋したポリ
マー粒子等が使用できる。本発明の粒子の例として、無
機粒子としては、硫酸バリウム、マンガンコロイド、二
酸化チタン、硫酸ストロンチウムバリウム、二酸化ケイ
素などの無機物の微粉末、更に例えば湿式法やケイ酸の
ゲル化より得られる合成シリカ等の二酸化ケイ素やチタ
ンスラッグと硫酸により生成する二酸化チタン(ルチル
型やアナタース型)等があげられる。また、粒径の比較
的大きい、例えば20μm以上の無機物から粉砕した
後、分級(振動ろ過、風力分級など)する事によっても
得られる。また、高分子化合物としては、ポリテトラフ
ルオロエチレン、セルロースアセテート、ポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリ
レート、ポリメチルアクリレート、ポリエチレンカーボ
ネート、でんぷん等があり、またそれらの粉砕分級物も
あげられる。また、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル、イタコン酸ジエステル、クロトン酸エステ
ル、マレイン酸ジエステル、フタル酸ジエステル、スチ
レン誘導体、ビニルエステル類、アクリルアミド類、ビ
ニルエーテル類、アリル化合物、ビニルケトン類、ビニ
ル異節環化合物、アリル化合物、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、多官能モノマー類、シロキサン3次
元重合物、ベンゾグアナミン/ホルムアルデヒド縮合
物、ベンゾグアナミン/メラミン/ホルムアルデヒド縮
合物、メラミン/ホルムアルデヒド縮合物等の単量体の
1種または2種以上の重合体である高分子化合物を種々
の手段、例えば懸濁重合法、スプレードライ法、あるい
は分散法等によって粒子としたものであっても良い。写
真性を悪化させないため該粒子は平均粒径0.1μから
1μが好ましくその塗布量は1から100mg/m2が好ま
しい。
【0024】該粒子の少なくとも1種以上がモース硬度
が5以上の非球形無機粒子であることが磁気ヘッドに付
いた汚れをクリーニングする効果があり更に好ましい。
非球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム(α
−アルミナ、γ−アルミナ、コランダム等)、酸化クロ
ム(Cr2O3)、酸化鉄(α−Fe2O3)、二酸化珪素、二酸化
チタン、シリコンカーバイト(SiC )等の酸化物、炭化
珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイアモンド等の微粉末
が好ましく、更に好ましくは、酸化アルミニウム、酸化
クロム(Cr2O3)が良い。また、本非球形無機粒子はマグ
ネ層に添加してもよく、またマグネ層上にオーバーコー
トしても良い。この時使用するバインダーは前述マグネ
層バインダーで記述したものが使用でき、好ましくはマ
グネ層のバインダーと同じものがよい。
【0025】次に本発明の透明支持体について詳細を説
明する。本発明の透明支持体は、従来からカラーフィル
ムに実用されているトリアセチルセルロースやポリエチ
レンテレフタレートを使用することはできるが、好まし
くはポリエチレン芳香族ジカルボキシレート系ポリエス
テル支持体を用いるのが磁気記録性の観点で最も望まし
い。本発明のポリエステルは、ジオールと芳香族ジカル
ボン酸を必須成分として形成されるが、その他のジカル
ボン酸との混用もよく使用可能な二塩基酸としては、テ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、
ナフタレンジカルボン酸(2,6−、1,5−、1,4
−、2,7−)、ジフェニレンp,p′−ジカルボン
酸、テトラクロロ無水フタル酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、無水コハク酸、マレイン
酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水シト
ラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、、3,6−エン
ドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、ハロゲン化テレフタル酸、ビス
(p−カルボキシフェンノール)エーテル、1,1−ジ
カルボキシ−2−フェニル エチレン、1,4−ジカル
ボキシメチルフェノール、1,3−ジカルボキシ−5フ
ェニルフェノール、3−スルフォイソフタル酸ソーダ
【0026】等を挙げることができる。必須である芳香
族ジカルボン酸は前述したジカルボン酸の中で、ベンゼ
ン核を少なくとも一個有するものである。次にジオール
としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタン
ジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデ
カンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキ
サンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、
カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、1,4−ベ
ンゼンジメタノール、ジメチロールナフタレン、p−ヒ
ドロキシエチルオキシベンゼン、ビスフェノールA等を
挙げることができる。
【0027】また、必要に応じて、単官能または、3以
上の多官能の水酸基含有化合物あるいは、酸含有化合物
が共重合されていても構わない。また、本発明のポリエ
ステルには、分子内に水酸基とカルボキシル基(あるい
はそのエステル)を同時に有する化合物が共重合されて
いても構わなくサリチル酸などがある。
【0028】これらのジオール、ジカルボン酸のモノマ
ーとしては、まず好ましい芳香族ジカルボン酸として
2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)、テレフ
タル酸(TPA)、イソフタル酸(IPA)、オルトフ
タル酸(OPA)、パラフェニレンジカルボン酸(PP
DC)、ジオールとして、(ポリ)エチレングリコール
(PEGまたはEG))、シクロヘキサンジメタノール
(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、ビ
スフェノールA(BPA)、ビフェノール(BP)、共
重合成分であるヒドロキシカルボン酸としてパラヒドロ
キシ安息香酸(PHBA)、6−ヒドロキシ−2−ナフ
タレンカルボン酸(HNCA)を共重合させたものが挙
げられる。
【0029】これらの中でポリマーとして好ましいの
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレー
ト(PCT)等のホモポリマー、およびテレフタル酸、
ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールのコポリ
マー(テレフタル酸とナフタレンジカルボン酸の混合モ
ル比は0.9:0.1〜0.1:0.9の間が好まし
く、0.8:0.2〜0.2:0.8が更に好まし
い。)、テレフタル酸とエチレングリコール、ビスフェ
ノールAのコポリマー(エチレングリコールとビスフェ
ノールAの混合モル比は0.6:0.4〜0:1.0の
間が好ましく、更には0.5:0.5〜0:0.9が好
ましい。)、イソフタール酸、パラフェニレンジカルボ
ン酸、テレフタル酸とエチレングリコールのコポリマー
(イソフタール酸;パラフェニレンジカルボン酸のモル
比はテレフタル酸を1とした時それぞれ0.1〜0.
5、0.1〜0.5、更に好ましくは、それぞれ0.2
〜0.3、0.2〜0.3が好ましい)、テレフタル
酸、ネオペンチルグリコールとエチレングリコールのコ
ポリマー(ネオペンチルグリコールとエチレングリコー
ルのモル比は1:0〜0.7:0.3が好ましく、より
好ましくは0.9:0.1〜0.6:0.4)テレフタ
ル酸、エチレングリコールとビフェノールのコポリマー
(エチレングリコールとビフェノールのモル比は、0:
1.0〜0.8:0.2が好ましく、さらに好ましくは
0.1:0.9〜0.7:0.3である。)、パラヒド
ロキシ安息香酸、エチレングリコールとテレフタル酸の
コポリマー(パラヒドロキシ安息香酸、エチレングリコ
ールのモル比は1:0〜0.1:0.9が好ましく、さ
らに好ましくは0.9:0.1〜0.2:0.8)等の
共重合体が好ましい。以上の中でも特に好ましいのは
2,6−ナフタレンジカルボン酸を含むポリエステルで
ある。具体的には2,6−ナフタレンジカルボン酸を
0.1〜1.0含むポリエステルである。中でも特に好
ましいのはポリエチレン 2,6−ナフタレートであ
る。
【0030】これらのホモポリマーおよびコポリマー
は、従来公知のポリエステルの製造方法に従って合成で
きる。例えば酸成分をグリコール成分と直接エステル化
反応するか、または酸成分としてジアルキルエステルを
用いる場合は、まず、グリコール成分とエステル交換反
応をし、これを減圧下で加熱して余剰のグリコール成分
を除去することにより、合成することができる。あるい
は、酸成分を酸ハライドとしておき、グリコールと反応
させてもよい。この際、必要に応じて、エステル交換反
応、触媒あるいは重合反応触媒を用いたり、耐熱安定化
剤を添加してもよい。これらのポリエステル合成法につ
いては、例えば、高分子実験学第5巻「重縮合と重付
加」(共立出版、1980年)第103頁〜第136
頁、“合成高分子V”(朝倉書店、1971年)第18
7頁〜第286頁の記載を参考に行うことができる。
【0031】これらのポリエステルの好ましい平均分子
量の範囲は約5000ないし200000である。さら
に、これらのポリエステルには別の種類のポリエステル
との接着性を向上させるために、別のポリエステルを一
部ブレンドしたり、別のポリエステルを構成するモノマ
ーを共重合させたり、または、これらのポリエステル中
に、不飽和結合を有するモノマーを共重合させ、ラジカ
ル架橋させたりすることができる。得られたポリマーを
2種類以上混合したのポリマーブレンドは、特開昭49
−5482、同64−4325、特開平3−19271
8、リサーチ・ディスクロージャー283,739−4
1、同284,779−82、同294,807−14
に記載した方法に従って、容易に形成することができ
る。
【0032】本発明のポリエステルはそのTgが50℃
以上であるが、その使用条件は、一般に十分注意されて
取り扱われるわけではなく、特に真夏の屋外においてそ
の気温が40℃までに晒されることが多々有り、この観
点から本発明のTgは安全をみこして55℃以上が好ま
しい。さらに好ましくは、Tgは60℃以上であり特に
好ましくは70℃以上である。更に完全をきすためには
Tgが90℃以上が好ましい。これは、この熱処理によ
る巻き癖改良の効果が、ガラス転移温度を超える温度に
さらされると消失するため、一般ユーザーに使われた際
に過酷な条件である温度、即ち夏季の温度40℃を超え
る温度以上のガラス転移温度を有するポリエステルが好
ましい。
【0033】次に本発明に用いるポリエステルの好まし
い具体的化合物例を示すが、本発明がこれに限定される
ものではない。 ポリエステル化合物例 P−0:〔テレフタル酸(TPA)/エチレングリコール(EG) )(1 00/100)〕 (PET) Tg=80℃ P−1:〔2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)/エチレングリコー ル(EG)(100/100)〕(PEN) Tg=119℃ P−2:〔テレフタル酸(TPA)/シクロヘキサンジメタノール(CHDM )(100/100)〕 Tg=93℃ P−3:〔TPA/ビスフェノールA(BPA) (100/100)〕 Tg=192℃
【0034】 P−4: 2,6−NDCA/TPA/EG(50/50/100) Tg=92℃ P−5: 2,6−NDCA/TPA/EG(75/25/100) Tg=102℃ P−6: 2,6−NDCA/TPA/EG/BPA(50/50/75/ 25) Tg=112℃ P−7: TPA/EG/BPA(100/50/50)Tg=105℃ P−8: TPA/EG/BPA(100/25/75)Tg=135℃ P−9: TPA/EG/CHDM/BPA(100/25/25/50) Tg=115℃
【0035】 P−10:IPA/PPDC/TPA/EG(20/50/30/100) Tg=95℃ P−11:NDCA/NPG/EG(100/70/30) Tg=105℃ P−12:TPA/EG/BP(100/20/80) Tg=115℃ P−13:PHBA/EG/TPA(200/100/100) Tg=125℃ P−14:PEN/PET(60/40) Tg=95℃ P−15:PEN/PET(80/20) Tg=104℃ P−16:PAr/PEN(50/50) Tg=142℃ P−17:PAr/PCT(50/50) Tg=118℃ P−18:PAr/PET(60/40) Tg=101℃ P−19:PEN/PET/PAr(50/25/25)Tg=108℃ P−20:TPA/5−スルフォイソフタル酸(SIP)/EG(95/5/ 100) Tg=65℃ P−21:PEN/SIP/EG(99/1/100) Tg=115℃
【0036】本発明のこれらの支持体は、50μm以上
300μm以下の厚みである。50μm未満では乾燥時
に発生する感光層の収縮応力に耐えることができず、一
方300μmを越えるとコンパクト化のために厚みを薄
くしようとする目的と矛盾する。より好ましくはその腰
の強さから厚い方が好ましく50〜200μmであり、
更には80〜115μmが好ましく、特に好ましくは8
5〜〜105μmである。以上のような本発明のポリエ
ステルは全てTACよりも強い曲弾性率を有し、当初の
目的であるフィルムの薄手化を実現可能であった。しか
し、これらの中でも強い曲弾性を有しているのがPE
T,PENであり、これを用いるとTACで122μm
必要だった膜厚を105μm以下にまで薄くすることが
可能である。次に本発明のポリエステル支持体は熱処理
を施されることを特徴とし、その際には40℃以上ガラ
ス転移温度以下の温度で0.1〜1500時間行う必要
がある。この効果は熱処理温度が高いほど早く進む。し
かし熱処理温度がガラス転移温度を越えると巻きぐせの
付き易いフイルムとなる。従ってこの熱処理はガラス転
移温度以下で行うことが必要である。
【0037】熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好
ましくはTg −20℃以上Tg未満で熱処理を行う。4
0℃未満で行うと十分な巻き癖効果を得るためには長時
間を要し工業生産性が劣る。熱処理はこの温度範囲内の
一定温度で実施してもよく、冷却しながら熱処理しても
よい。冷却の平均冷却速度は−0.01〜−20℃/時
間、より好ましくは−0.1〜−5℃/時間である。こ
の熱処理時間は、0.1時間以上1500時間以下、さ
らに好ましくは0.5時間以上200時間以下である。
0.1時間以下では十分な効果を得ることができず、1
500時間以上では効果が飽和する一方、支持体の着色
や脆化が起こりやすくなる。
【0038】巻き癖解消の効果をより一層増大させるに
は、この熱処理の前にTg以上融点(DSCで求めた融
解温度)未満の温度で熱処理をし、支持体の熱履歴を消
去させた後、上記40℃以上Tg未満の温度で再熱処理
を行うとよい。本発明では、この熱処理を「前熱処理」
と呼び、前項で述べた40℃以上Tg未満の熱処理を
「後熱処理」と呼び区別する。前熱処理温度はTg以上
融点未満、さらに好ましくはTg+20℃以上結晶化温
度(DSCで求めた結晶化温度)以下で行うのがよい。
融点以上の温度で前熱処理を行うと、支持体の弾性が著
しく低下することにより面状や搬送性に問題が生じる。
前熱処理はこの温度範囲内で、一定温度で実施してもよ
く(定温前熱処理)、降温しながら実施してもよく(降
温前熱処理)、また昇温しながら実施してもよい(昇温
前熱処理)。前熱処理の時間は、0.1分以上1500
時間以下、さらに好ましくは1分以上1時間以下であ
る。0.1分以下では十分な効果を得ることができず、
1500時間以上では効果が飽和する一方で、支持体の
着色や脆化が起こりやすくなる。この前熱処理の後、後
熱処理を実施するが、前熱処理終了温度から後熱処理開
始温度にまで急速冷却してもよく、Tgをまたいで徐々
に後熱処理開始温度にまで冷却してもよい。また一度室
温に冷却した後、後熱処理温度に上昇させてもよい。こ
れらの前熱処理と後熱処理の方法の組み合わせは幾つか
あるが、Tg +20℃以上結晶化温度以下で定温前熱処
理をした後、TgからTg−20℃の温度範囲まで冷却
速度−0.1〜−5℃/時間で冷却しながら後熱処理す
るのが好ましい。
【0039】このような支持体の熱処理は、ロ−ル状で
実施してもよく、またウェブ状で搬送しながら実施して
もよい。ロ−ル状で熱処理する場合、ロ−ルを室温か
ら恒温槽中で熱処理する方法、ウェブ搬送中に所定温
度にした後ロ−ル状に巻取り熱処理する方法のいずれの
方法で実施してもよい。の方法は昇温、降温に時間を
要するが、設備投資が少なくて済む利点がある。の方
法は高温での巻取り設備が必要だが昇温時間を省略でき
る利点がある。ロ−ル状での熱処理では、熱処理中に発
生する熱収縮応力のために、巻締まりによるしわや、巻
芯部の切り口写り等の面状故障が発生しやすい。このた
め、表面に凹凸を付与し(例えばSnO2やSb2O5 等の導電
性無機微粒子を塗布する)、支持体間のきしみを低減さ
せることで巻締まりによるしわを防止したり、支持体の
端部にロ−レットを付与し端部のみ少し高くすることで
巻芯部の切り口写りを防止するなどの工夫を行うことが
望ましい。一方、ウェブ状で熱処理する場合、長大な後
熱処理工程を必要とするが、ロ−ル状での熱処理に比べ
て良好な支持体面状が得られる。これらの熱処理方法の
中で、前熱処理をウェブ状で行い、後熱処理をロール状
で行うのが好ましい。前熱処理をウェブ状で行うと、ロ
−ル状で行った場合に比べ面状故障が起きにくく、後熱
処理は比較的長時間を要するためである。
【0040】これらの熱処理は支持体製膜後、グロ−放
電処理後、バック層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、
下塗り塗布後のどこの段階で実施してもよい。好ましい
のは帯電防止剤塗布後である。これにより熱処理中の支
持体の面状故障となる帯電によるゴミの付着を防ぐこと
ができる。さらにまた本発明のポリエステルを熱処理す
る方法において、時間を短縮するために、予めTg以上
に短時間加熱(好ましくはTgの20℃以上100℃以
下の5分〜3時間処理する)することが好ましい。さら
に熱処理で用いられるロール巻き芯は、そのフィルムへ
の温度伝播が効率よくいくために中空かないしは加熱出
来るように、電気ヒーター内蔵または高温液体を流液で
きるような構造を有するものが好ましい。ロール巻き芯
の材質は特に限定されないが、熱による強度ダウンや変
形のないものが好ましく、例えばステンレス,ガラスフ
ァイバー入り樹脂を挙げることが出来る。
【0041】次に本発明のポリエステルについて、その
写真支持体としての機能を更に高めるために、種々の添
加剤を共存させることが好ましい。これらのポリエステ
ルフィルム中に蛍光防止および経時安定性付与の目的で
紫外線吸収剤を、練り込んでも良い。紫外線吸収剤とし
ては、可視領域に吸収を持たないものが望ましく、かつ
その添加量はポリエステルフィルムの重量に対して通常
0.01重量%ないし20重量%、好ましくは0.05
重量%ないし10重量%程度である。0.01重量%未
満では紫外線劣化を抑える効果が期待できない。紫外線
吸収剤としては2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ド
デシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,
2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾ
フェノンなどのベンゾフェノン系、2(2′−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
(2′−ヒドロキシ3′,5′−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2(2′−ヒドロキシ−3′
−ジ−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール等のベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニ
ル、サリチル酸メチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤が
挙げられる。
【0042】また本発明の好ましい芳香族系ポリエステ
ルの屈折率は、1.6〜1.7と高いのに対し、この上
に塗設する感光層の主成分であるゼラチンの屈折率は
1.50〜1.55とこの値より小さい。従って、光が
フイルムエッジから入射した時、ベースと乳剤層の界面
で反射しやすい。従って、ポリエステル系のフイルムは
いわゆるライトパイピング現象(ふちかぶり)を起こ
す。この様なライトパイピング現象を回避する方法とし
ては、支持体に不活性無機粒子等を含有させる方法、な
らびに染料を添加する方法等が知られている。本発明に
おいて好ましいライトパイピング防止方法は、フイルム
ヘイズを著しく増加させない染料添加による方法であ
る。この時フイルム染色に使用する染料については特に
限定を加えるものでは無いが、色調は感光材料の一般的
な性質上グレー染色が好ましく、また染料はポリエステ
ルフィルムの製膜温度域での耐熱性に優れ、かつポリエ
ステルとの相溶性に優れたものが好ましい。染料として
は、上記観点から三菱化成製のDiaresin、日本
化薬製のKayaset等ポリエステル用として市販さ
れている染料を混合することにより目的を達成すること
が可能である。染色濃度に関しては、マクベス社製の色
濃度計にて可視光域での色濃度を測定し少なくとも0.
01以上であることが必要である。更に好ましくは0.
03以上である。
【0043】本発明によるポリエステルフイルムは、用
途に応じて易滑性を付与することも可能であり、易滑性
付与手段としては特に限定を加えるところでは無いが、
不活性無機化合物の練り込み、あるいは界面活性剤の塗
布等が一般的手法として用いられる。かかる不活性無機
粒子としてはSiO2 、TiO2 、BaSO4 、CaC
3、タルク、カオリン等が例示される。また、上記の
ポリエステル合成反応系に不活性な粒子を添加する外部
粒子系による易滑性付与以外にポリエステルの重合反応
時に添加する触媒等を析出させる内部粒子系による易滑
性付与方法も採用可能である。これら易滑性付与手段に
は特に限定を加えるものでは無いが、写真感光材料用支
持体としては透明性が重要な要件となるため、上記易滑
性付与方法手段では外部粒子系としてはポリエステルフ
イルムと比較的近い屈折率をもつSiO2 、あるいは析
出する粒子径を比較的小さくすることが可能な内部粒子
系を選択することが望ましい。更には、練り込みによる
易滑性付与を行う場合、よりフイルムの透明性を得るた
めに機能付与した層を積層する方法も好ましい。この手
段としては具体的には複数の押し出し機ならびにフィー
ドブロック、あるいはマルチマニフォールドダイによる
共押出し法が例示される。
【0044】これらのポリエステルフイルムを支持体に
使用する場合、これらポリエステル支持体がいずれも疎
水性の表面を有するため、支持体上にゼラチンを主とし
た保護コロイドからなる写真層(例えば感光性ハロゲン
化銀乳剤層、中間層、フィルター層等)を強固に接着さ
せる事は非常に困難である。この様な難点を克服するた
めに用いられている従来技術としては、(1)薬品処
理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処
理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、
レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面
活性化処理をしたのち、直接写真乳剤を塗布して接着力
を得る方法と、(2)一旦これらの表面処理をした後、
あるいは表面処理なしで、下塗層を設けこの上に写真乳
剤層を塗布する方法との二法がある。(例えば米国特許
第2,698,241号、同2,764,520号、同
2,864,755号、同3,462,335号、同
3,475,193号、同3,143,421号、同
3,501,301号、同3,460,944号、同
3,674,531号、英国特許第788,365号、
同804,005号、同891,469号、特公昭48
−43122号、同51−446号等)。
【0045】これらの表面処理は、いずれも、本来は疎
水性であった支持体表面に多少共極性基を作らせる事、
表面の架橋密度を増加させることなどによるものと思わ
れ、その結果として下塗液中に含有される成分の極性基
との親和力が増加すること、ないし接着表面の堅牢度が
増加すること等が考えられる。さらにまたラジカルの発
生による接着機構も考えられる。又、下塗層の構成とし
ても種々の工夫が行なわれており、第1層として支持体
によく接着する層(以下、下塗第1層と略す)を設け、
その上に第2層として写真層とよく接着する親水性の樹
脂層(以下、下塗第2層と略す)を塗布する所謂重層法
と、疎水性基と親水性基との両方を含有する樹脂層を一
層のみ塗布する単層法とがある。
【0046】表面処理の中でも好ましいのは、紫外線照
射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。先
ず紫外線照射処理について以下に記す。これらは特公昭
43−2603号、特公昭43−2604号、特公昭4
5−3828号記載の処理方法などによって行われるの
が好ましい。水銀灯は石英管からなる高圧水銀灯で、紫
外線の波長が180〜320nmの間であるものが好ま
しい。紫外線照射は支持体の延伸工程、熱固定時、熱固
定後の何れでもよい。紫外線照射の方法については、光
源は被支持体の表面温度が150℃前後にまで上昇する
ことが支持体性能上問題なければ、主波長が365nmの
高圧水銀灯ランプを使用することができる。低温処理が
必要とされる場合には主波長が254nmの低圧水銀灯が
好ましい。またオゾンレスタイプの高圧水銀ランプ、及
び低圧水銀ランプを使用する事も可能である。処理光量
に関しては処理光量が多いほど支持体と被接着層との接
着力は向上するが、光量の増加に伴い支持体が着色し、
また支持体が脆くなるという問題が発生する。従って、
通常のポリエステル、ポリオレフィン等のプラスチック
フィルムには、365nmを主波長とする高圧水銀ランプ
で、照射光量20〜10000(mJ/cm2)がよく、より
好ましくは50〜2000(mJ/cm2)である。254nm
を主波長とする低圧水銀ランプの場合には、照射光量1
00〜10000(mJ/cm2)がよく、より好ましくは3
00〜1500(mJ/cm2)である。次にコロナ放電処理
について記すと、、従来公知のいずれの方法、例えば特
公昭48−5043号、同47−51905号、特開昭
47−28067号、同49−83767号、同51−
41770号、同51−131576号等に開示された
方法により達成することができる。放電周波数は50H
z〜5000KHz、好ましくは5KHz〜数100K
Hzが適当であり特に好ましくは10Hz〜30KHz
である。放電周波数が小さすぎると、安定な放電が得ら
れずかつ被処理物にピンホールが生じ、好ましくない。
又周波数が高すぎると、インピーダンスマッチングのた
めの特別な装置が必要となり、装置の価格が大となり、
好ましくない。被処理物の処理強度に関しては、通常は
0.001KV・A・分/m2〜5KV・A・分/m2、好
ましくは0.01KV・A・分/m2〜1KV・A・分/
m2が適当である。電極と誘電体ロールのギャップクリア
ランスは0.5〜2.5mm、好ましくは1.0〜2.0
mmが適当である。コロナ放電処理機はPillar社製
ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデルを用いる
ことができる。又、火焔処理としては天然ガス、液化プ
ロパンガスなどを利用でき空気との混合比が重要であ
る。好ましいガス/空気の混合比は容積比で、プロパン
では1/14〜1/22、より好ましくは1/16〜1
/19である。天然ガスでは1/6〜1/10、より好
ましくは1/7〜1/9である。火焔処理量は、1〜5
0Kcal/m2、より好ましくは3〜20Kcal/m2
である。またバーナーの内炎の先端と支持体の距離を4
cm未満とすることがより効果的である。処理装置として
は春日電気(株)製フレーム処理機を用いることができ
る。処理時の支持体を支えるバックアップローラーは中
空型ロールが好ましく、中に冷却液を透して常時一定の
所定温度にする事が好ましい。
【0047】また効果的な表面処理であるグロー放電処
理は、従来知られているいずれの方法、例えば特公昭3
5−7578号、同36−10336号、同45−22
004号、同45−22005号、同45−24040
号、同46−43480号、米国特許3,057,79
2号、同3,057,795号、同3,179,482
号、同3,288,638号、同3,309,299
号、同3,424,735号、同3,462,335
号、同3,475,307号、同3,761,299
号、英国特許997,093号、特開昭53−1292
62号等を用いることができる。特に本発明で好ましい
Tgが90℃以上200℃以下のポリエステル支持体に
対し要求される接着性付与、黄色化抑制、ブロッキング
防止を同時に満足させる表面処理としてグロー処理がと
くに有効であることがわかった。グロー放電処理の雰囲
気に酸素、窒素、ヘリウムあるいはアルゴンのような種
々のガスを導入しながら行う手法があるが、本発明のポ
リエステル支持体の場合、特殊ガスを導入しても接着性
の著しい効果は見られず、ガスの価格も高価であり工業
的に適しない。これに対して、水蒸気を導入した場合
は、特殊ガスの導入の場合と同等あるいはそれ以上の接
着効果を有し、価格も大幅に安価であり、工業的に優れ
た方法である。
【0048】水蒸気の存在下でグロー放電処理を実施す
る本発明の水蒸気分圧は、10%以上100%以下が好
ましく、更に好ましくは40%以上90%以下である。
10%未満では充分な接着性を得ることが困難となる。
水蒸気以外のガスは酸素、窒素等からなる空気である。
このようなグロー放電の処理雰囲気中に水蒸気を定量的
に導入する方法は、グロー放電処理装置に取付けたサン
プリングチューブからガスを4極子型質量分析器(日本
真空製MSQ−150)に導き、組成を定量しながら行
うことで達成できる。さらに、表面処理すべきフィルム
を予め加熱した状態で真空グロー放電処理を行うと、常
温で処理するのに比べ短時間の処理で接着性が向上し、
黄色化を大幅に減少させることができることを見いだし
た。ここで述べる予熱は後述する卷きぐせ改良のための
熱処理とは異なる。予熱温度は50℃以上Tg以下が好
ましく、70℃以上Tg以下がより好ましく、90℃以
上Tg以下がさらに好ましい。Tg以上の温度で予熱す
ると密着がやや悪化してしまう。真空中でポリマー表面
温度を上げる具体的方法としては、赤外線ヒータによる
加熱、熱ロールに接触させることによる加熱等がある。
例えばフィルム面を115℃に予熱したい場合、115
℃の熱ロールにフィルムを高々1秒間接触するだけで十
分である。加熱方法は前述の方法に限らず、広く公知の
加熱方法を利用することができる。
【0049】このように予熱した支持体をグロー放電処
理するが、上記水蒸気分圧及び支持体の予熱温度等以外
に抑制すべき重要な処理条件として、真空度、電極間電
圧、放電周波数等が挙げられる。これら処理条件を制御
することにより、接着性と黄色化抑制が両立するグロー
放電処理を実施することが可能となる。グロー放電処理
時の圧力は0.005〜20Torrとするのが好ましい。
より好ましくは0.02〜2Torrである。圧力が低すぎ
ると支持体表面を十分に改質することができず、充分な
接着性を得ることができない。一方圧力が高すぎると安
定な放電が起こらない。また、電圧は、500〜500
0Vの間が好ましい。より好ましくは500〜3000
Vである。電圧が低過ぎると支持体表面を十分に改質す
ることができず、十分な接着性を得ることができない。
一方電圧が高すぎると表面が変質してしまい、逆に接着
性が低下する。また、使用する放電周波数は、従来技術
に見られるように、直流から数1000MHz、好まし
くは50Hz〜20MHz、さらに好ましくは1KHz
〜1MHzである。放電処理強度は、0.01KV・A
・分/m2〜5KV・A・分/m2が好ましく、更に好まし
くは0.15KV・A・分/m2〜1KV・A・分/m2
所望の接着性能が得られる。
【0050】このようにして、グロー放電処理を施こし
た支持体は、直ちに冷却ロールを用いて温度を下げるこ
とが好ましい。支持体は温度の上昇に伴ない外力により
塑性変形し易くなり、被処理支持体の平面性が損なわれ
てしまう。さらに低分子量体(モノマー、オリゴマー
等)が支持体表面に析出し、透明性や耐ブロッキング性
を悪化させる可能性がある。次に(2)の下塗法につい
て述べると、これらの方法はいずれもよく研究されてお
り、重層法における下塗第1層では、例えば塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アク
リル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中かち選ば
れた単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポ
リエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチ
ン、ニトロセルロース、など数多くのポリマーについ
て、下塗第2層では主としてゼラチンについてその特性
が検討されてきた。単層法においては、多くの支持体を
膨潤させ、親水性下塗ポリマーと界面混合させることに
よって良好な接着性を達成している場合が多い。本発明
に使用する親水性下塗ポリマーとしては、水溶性ポリマ
ー、セルロースエステル、ラテックスポリマー、水溶性
ポリエステルなどが例示される。水溶性ポリマーとして
は、ゼラチン、ゼラチン誘導体、カゼイン、寒天、アル
ギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニールアルコール、ポ
リアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体などで
あり、セルロースエステルとしてはカルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどである。ラ
テックスポリマーとしては塩化ビニル含有共重合体、塩
化ビニリデン含有共重合体、アクリル酸エステル含有共
重合体、酢酸ビニル含有共重合体、ブタジエン含有共重
合体などである。この中でも最も好ましいのはゼラチン
である。
【0051】本発明に使用される支持体を膨潤させる化
合物として、レゾルシン、クロルレゾルシン、メチルレ
ゾルシン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレ
ゾール、フェノール、o−クロルフェノール、p−クロ
ルフェノール、ジクロルフェノール、トリクロルフェノ
ール、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリフルオロ酢
酸、抱水クロラールなどがあげられる。この中で好まし
いのは、レゾルシンとp−クロルフェノールである。本
発明の下びき層には種々のゼラチン硬化剤を用いること
ができる。ゼラチン硬化剤としてはクロム塩(クロム明
ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グルタ
ールアルデヒドなど)、イソシアネート類、活性ハロゲ
ン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−ト
リアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂などを挙げる
ことができる。
【0052】本発明の下びき層にはSiO2 、Ti
2 、マット剤の如き無機物微粒子又はポリメチルメタ
クリレート共重合体微粒子(1〜10μm)をマット剤
として含有することができる。これ以外にも、下塗液に
は、必要に応じて各種の添加剤を含有させることができ
る。例えば界面活性剤、帯電防止剤、アンチハレーショ
ン剤、着色用染料、顔料、塗布助剤、カブリ防止剤等で
ある。本発明において、下塗第1層用の下塗液を使用す
る場合には、レゾルシン、抱水クロラール、クロロフェ
ノールなどの如きエッチング剤を下塗液中に含有させる
必要は全くない。しかし所望により前記の如きエッチン
グ剤を下塗中に含有させることは差し支えない。本発明
に係わる下塗液は、一般によく知られた塗布方法、例え
ばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテン
コート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、
グラビアコート法、或いは米国特許第2,681,29
4号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージ
ョンコート法により塗布することが出来る。所望によ
り、米国特許第2,761,791号、同3,508,
947号、同2,941,898号、及び同3,52
6,528号明細書、原崎勇次著、「コーティング工
学」253頁(1973年、朝倉書店発行)などに記載
された方法により2層以上の層を同時に塗布することが
出来る。本発明において、好ましいのは支持体がポリエ
チレン-2,6- ナフタレンジカルボキシレートが100 ℃〜
115 ℃の間で24時間熱処理されかつその支持体の厚さが
85μm 〜105 μm であり、その表面が紫外線照射処理又
はグロー放電処理されているものであり、バック側の非
感光性親水性層が1 〜7 μm のゼラチン層であり且つ非
感光性親水性層が0.5 〜5 μm のセルロースバインダー
であることを特徴とするものである。この時バック層の
非感光生親水性層のゼラチン量と反対側の乳剤層のゼラ
チン層の重量比は0.1 〜0.5 が好ましい。
【0053】次に本発明の処理方法について詳細を説明
する。脱銀工程においては、漂白定着工程を有すること
が必須であり、漂白定着工程を有する脱銀工程には、各
種工程が存在する。具体的な工程を以下に示すが、これ
らに限定されるものではない。
【0054】 (工程1) 漂白定着 (工程2) 漂白−漂白定着 (工程3) 漂白−漂白定着−定着 (工程4) 定着−漂白定着 本発明においては、脱銀工程が漂白定着工程のみであっ
て、特に上述の工程1である場合に著しい効果を奏し、
また工程を簡易化できるので好ましい。
【0055】本発明の漂白定着液には保恒剤として、亜
硫酸塩(或いは重亜硫酸塩やメタ重亜硫酸塩類)を0.
08〜0.4モル/リットル、好ましくは0.1〜0.
3モル/リットル含有するとが好ましい。本濃度域より
も低い場合には、磁気記録性能が劣化してしまい、ま
た、濃度が高い場合には脱銀不良等の性能に破綻をきた
す。漂白能を有する処理液に用いられる漂白剤として
は、アミノポリカルボン酸鉄(III)錯体、過硫酸塩、臭
素酸塩、過酸化水素、及び赤血塩等が用いられるが、ア
ミノポリカルボン酸(III) 錯体を最も好ましく用いるこ
とができきる。本発明で使用される第二鉄錯塩は、予め
錯形成された鉄錯塩として添加して溶解してもよく、ま
た、錯形成化合物と第二鉄塩(例えば、硫酸第二鉄、塩
化第二鉄、臭化第二鉄、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(III)ア
ンモニウムなど)とを共存させて漂白能を有する液中で
錯塩を形成させてもよい。錯形成化合物は、第二鉄イオ
ンとの錯形成に必要とする量よりもやや過剰にしてもよ
く、過剰に添加するときには通常0.01〜10%の範
囲で過剰にすることが好ましい。
【0056】なお、本発明において、漂白能を有する液
中の第二鉄錯塩を形成する化合物としては、エチレンジ
アミン四酢酸(EDTA)、1,3−プロパンジアミン
四酢酸(1,3−PDTA)、ジエチレントリアミン五
酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ
二酢酸、メチルイミノ二酢酸、N−(2−アセトアミ
ド)イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、N−(2−カルボ
キシエチル)イミノ二酢酸、N−(2−カルボキシメチ
ル)イミノジプロピオン酸、β−アラニンジ酢酸、1,
4−ジアミノブタン四酢酸、グリコールエーテルジアミ
ン四酢酸、N−(2−カルボキシフェニル)イミノジ酢
酸、エチレンジアミン−N−(2−カルボキシフェニ
ル)−N,N’,N’−三酢酸、エチレンジアミン−
N,N’−ジコハク酸、1,3−ジアミノプロパン−
N,N’−ジコハク酸、エチレンジアミン−N,N’−
ジマロン酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N’−ジ
マロン酸等が挙げられるが、特にこれらに限定されるも
のではない。
【0057】本発明の漂白能を有する処理液における第
二鉄錯塩の濃度としては、0.005〜1.0モル/リ
ットルの範囲が適当であり、0.01〜0.50モル/
リットルの範囲が好ましく、より好ましくは、0.02
〜0.30モル/リットルの範囲である。また漂白能を
有する処理液の補充液中の第2鉄錯塩の濃度としては、
好ましくは、0.005〜2モル/リットル、より好ま
しくは0.01〜1.0モル/リットルである。
【0058】漂白定着液及び/またはこれらの前浴に
は、漂白促進剤として種々の化合物を用いることができ
る。例えば、米国特許第3,893,858 号明細書、ドイツ特
許第1,290,812 号明細書、特開昭53-95630号公報、リサ
ーチディスクロージャー第17129 号( 1978年7月号)に
記載のメルカプト基またはジスルフィド結合を有する化
合物や、特公昭45−8506号、特開昭52-20832号、同53-3
2735号、米国特許3,706,561 号等に記載のチオ尿素系化
合物、あるいは沃素、臭素イオン等のハロゲン化物が漂
白力に優れる点で好ましい。
【0059】その他、本発明に適用されうる漂白定着液
には、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナトリウ
ム、臭化アンモニウム)または塩化物(例えば、塩化カ
リウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム)または沃
化物(例えば、沃化アンモニウム)等の再ハロゲン化剤
を含むことができる。必要に応じ硼砂、メタ硼酸ナトリ
ウム、酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、亜燐酸、燐酸、燐酸ナトリウム、クエン酸、ク
エン酸ナトリウム、酒石酸、マロン酸、コハク酸、グル
タ−ル酸などのpH緩衝能を有する1種類以上の無機酸、
有機酸およびこれらのアルカリ金属またはアンモニウム
塩または、硝酸アンモニウム、グアニジンなどの腐蝕防
止剤などを添加することができる。また漂白定着液に
は、その他各種の蛍光増白剤や消泡剤あるいは界面活性
剤、ポリビニルピロリドン、メタノール等の有機溶媒を
含有させることができる。
【0060】漂白定着液中の定着剤成分は、公知の定着
剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムな
どのチオ硫酸塩;チオシアン酸ナトリウム、チオシアン
酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩;エチレンビスチ
オグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−オクタンジ
オールなどのチオエーテル化合物、メソイオン化合物お
よびチオ尿素類などの水溶性のハロゲン化銀溶解剤であ
り、これらを1種あるいは2種以上混合して使用するこ
とができる。また、特開昭55−155354号に記載された定
着剤と多量の沃化カリウムの如きハロゲン化物などの組
み合わせからなる特殊な漂白定着液等も用いることがで
きる。本発明においては、チオ硫酸塩、特にチオ硫酸ア
ンモニウム塩及びチオ硫酸ナトリウム塩の使用が好まし
い。1リットルあたりの定着剤の量は、 0.3〜2モルが
好ましく、更に好ましくは 0.5〜1.0 モルの範囲であ
る。
【0061】漂白定着液は、前記一般式(I)の化合物
を含有する場合が磁気記録のS/N比を向上するという
意味で好ましい。 一般式(I)
【0062】
【化3】
【0063】式中、Rはベンゼン環の置換基をあらわ
し、nは0〜6の整数を表す。nが2以上の場合は、R
は同じでも異なっても良い。好ましい置換基としては、
炭素数1〜3のアルキルキ,置換アルキル基やアルコキ
シ基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、カルボン
酸、スルホン酸、ハロゲン原子、ホスホン酸等を表す。
アルキル基の置換基としてはヒドロキシ基、カルボン
酸、スルホン酸等が好ましい。Mは水素原子、アルカリ
金属類、アルカリ土類、アンモニウム、アミンを表す。
以下に好ましい化合物の具体例を示すが、これらに限定
されるものでは無い。
【0064】
【化4】
【0065】
【化5】
【0066】
【化6】
【0067】
【化7】
【0068】これらの化合物の添加量は処理液1リット
ル当たり0.01〜2モル、好ましくは0.05〜1モ
ルである。本発明の漂白定着液は、保恒剤として前述し
た亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、亜硫酸アンモニウム)、重亜硫酸塩(例えば、重亜
硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリ
ウム)、メタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウ
ム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウ
ム)等の亜硫酸イオン放出化合物を含有する以外に、ア
ルデヒド類(ベンズアルデキド、アセトアルデヒド
等)、ケトン類(アセトン等)、アルコルビン酸類、ヒ
ドロキシルアミン類等を必要に応じて添加することがで
きる。
【0069】更には漂白定着液は緩衝剤、蛍光増白剤、
キレート剤、消泡剤、防カビ剤等を必要に応じて添加し
ても良い。本発明に用いられる漂白定着液において、好
ましいpH領域は、4.5〜6.2であり、更には5〜
6が好ましい。本pHより高くても低くても磁気記録性
能が十分に発揮せきない場合が生じることがる。
【0070】本発明に用いられる漂白定着浴への補充量
は感光材料1m2当たり、50〜1000ミリリットルで
ある。特に好ましくは100〜800ミリリットルであ
る。特に、カラー現像液の混入量が5〜25%程度混入
している系において、本発明の効果はより一層発揮する
ことが可能である。即ち、前浴がカラー現像液である場
合には、その持ち込み量が仮に役40ミリリットル/平
方メートル程度であるとすると、漂白定着液の補充量は
120〜760ミリリットル程度となる。また、漂白定
着液のオーバーフロー液を再生することで、カラー現像
液の混入量が上記濃度になっていても、本発明の効果を
有効に発揮することができる。漂白定着液の処理温度は
20〜50℃であり、好ましくは30〜45℃である。
処理時間は10秒〜3分、好ましくは20秒〜2分であ
る。
【0071】本発明の漂白能を有する処理液は、処理に
際し、エアレーションを実施することが写真性能をきわ
めて安定に保持するので特に好ましい。エアレーション
には当業界で公知の手段が使用でき、漂白能を有する処
理液中への、空気の吹き込みやエゼクターを利用した空
気の吸収などが実施できる。空気の吹き込みに際して
は、微細なポアを有する散気管を通じて、液中に空気を
放出させることが好ましい。このような散気管は、活性
汚泥処理における曝気槽等に、広く使用されている。エ
アレーションに関しては、イーストマン・コダック社発
行のZ−121、ユージング・プロセス・C−41第3
版(1982年)、BL−1〜BL−2頁に記載の事項
を利用できる。本発明の漂白能を有する処理液を用いた
処理に於いては、攪拌が強化されていることが好まし
く、その実施には特開平3−33847号公報の第8
頁、右上欄、第6行〜左下欄、第2行に記載の内容が、
そのまま利用できる。
【0072】脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法
としては、特開昭 62-183460号に記載の感光材料の乳剤
面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭 62-1834
61号の回転手段を用いて攪拌効果を上げる方法、更には
液中に設けられたワイパーブレードと乳剤面を接触させ
ながら感光材料を移動させ、乳剤表面を乱流化すること
によってより攪拌効果を向上させる方法、処理液全体の
循環流量を増加させる方法が挙げられる。このような攪
拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、定着液のいずれに
おいても有効である。攪拌の向上は乳剤膜中への漂白
剤、定着剤の供給を速め、結果として脱銀速度を高める
ものと考えられる。また、前記の攪拌向上手段は、漂白
促進剤を使用した場合により有効であり、促進効果を著
しく増加させたり漂白促進剤による定着阻害作用を解消
させることができる。
【0073】本発明の感光材料に用いられる自動現像機
は、特開昭 60-191257号、同 60-191258号、同 60-1912
59号に記載の感光材料搬送手段を有していることが好ま
しい。前記の特開昭 60-191257号に記載のとおり、この
ような搬送手段は前浴から後浴への処理液の持込みを著
しく削減でき、処理液の性能劣化を防止する効果が高
い。このような効果は各工程における処理時間の短縮
や、処理液補充量の低減に特に有効である。
【0074】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、p-フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用さ
れ、その代表例としては3-メチル-4- アミノ-N,Nジエチ
ルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N- β- ヒ
ドロキシエチルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチ
ル-N- β-メタンスルホンアミドエチルアニリン、3-メ
チル-4- アミノ-N- エチル- β- メトキシエチルアニリ
ン、4-アミノ-3- メチル-N- メチル-N-(3-ヒドロキシプ
ロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-
(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチ
ル-N- エチル-N-(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-
アミノ-3- エチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピ
ル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピル-N-(3-
ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- プロピル
-N-メチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-ア
ミノ-3- メチル-N- メチル-N-(4-ヒドロキシブチル)ア
ニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロキ
シブチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピル
-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3- エチ
ル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシ-2- メチルプロピル)ア
ニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(4- ヒドロキシ
ブチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(5-
ヒドロキシペンチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N
-(5-ヒドロキシペンチル)-N-(4-ヒドロキシブチル)ア
ニリン、4-アミノ-3- メトキシ-N-エチル-N-(4-ヒドロ
キシブチル)アニリン、4-アミノ-3- エトキシ-N,N- ビ
ス(5- ヒドロキシペンチル)アニリン、4-アミノ-3- プ
ロピル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、及びこれら
の硫酸塩、塩酸塩もしくはp-トルエンスルホン酸塩など
が挙げられる。これらの中で、特に、3-メチル-4- アミ
ノ-N- エチル-N -β-ヒドロキシエチルアニリン、4-ア
ミノ-3- メチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)
アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロ
キシブチル)アニリン、及びこれらの塩酸塩、p-トルエ
ンスルホン酸塩もしくは硫酸塩が好ましい。これらの化
合物は目的に応じ2種以上併用することもできる。
【0075】芳香族第一級アミン現像主薬の使用量はカ
ラー現像液1リットル当たり好ましくは0.0002モ
ル〜0.2モル、さらに好ましくは0.001モル〜
0.1モルである。発色現像液は、ヒドロキシルアミ
ン、ジエチルヒドロキシルアミンの他特開平3−144
446号の一般式(I)で表されるヒドロキシルアミン
類、亜硫酸塩、N,N-ビスカルボキシメチルヒドラジンの
如きヒドラジン類、フェニルセミカルバジド類、トリエ
タノールアミン、カテコールスルホン酸類の如き各種保
恒剤、エチレングリコール、ジエチレングリコールのよ
うな有機溶剤、ベンジルアルコール、ポリエチレングリ
コール、四級アンモニウム塩、アミン類のような現像促
進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、1-フェニル-3
-ピラゾリドンのような補助現像主薬、粘性付与剤、ア
ミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキル
ホスホン酸、ホスホノカルボン酸に代表されるような各
種キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニト
リロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキ
サンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、
1-ヒドロキシエチリデン-1,1- ジホスホン酸、ニトリロ
-N,N,N-トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン-N,
N,N,N- テトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン-
ジ(o- ヒドロキシフェニル酢酸) 及びそれらの塩を
代表例として挙げることができる。
【0076】上記の内、保恒剤としては置換ヒドロキシ
ルアミンが最も好ましく、中でもジエチルヒドロキシル
アミン、モノメチルヒドロキシルアミン或いはスルホ基
やカルボキシ基、水酸基などの水溶性基で置換されたア
ルキル基を置換基として有するものが好ましい。最も好
ましい例としては、N,N−ビス(2−スルホエチル)
ヒドロキシルアミン、モノメチルヒドロキシルアミン、
ジエチルヒドロキシルアミン等があげられる。
【0077】本発明に用いられる発色現像液には必要に
応じて、任意のカブリ防止剤を添加できる。カブリ防止
剤としては、塩化ナトリウム、臭化カリウム、沃化カリ
ウムの如きアルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防
止剤が使用できる。有機カブリ防止剤としては、例えば
ベンゾトリアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、
5−ニトロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリア
ゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−
ベンゾトリアゾール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾ
ール、2−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾール、イ
ンダゾール、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンの
如き含窒素ヘテロ環化合物を代表例としてあげることが
できる。
【0078】本発明に使用されるカラー現像液は、好ま
しいpH領域は9.5〜10.5程度である。現像活性が
維持できるのならば、廃液からのアンモニアガス発生を
防止するという意味でも現像タンク液のpHは低い方が
好ましい。最も好ましいタンク液のpHは9.9〜1
0.4程度である。上記pHを保持するためには、各種緩
衝剤を用いるのが好ましい。緩衝剤としては、炭酸塩、
リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸
塩、グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシ
ン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロ
キシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、
2−アミノ−2−メチル−1, 3−プロパンジオール
塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキシアミノメ
タン塩、リシン塩などを用いることができる。特に炭酸
塩やリン酸塩の使用が好ましい。該緩衝剤の現像液への
添加量は、 0.1モル/リットル以上であることが好まし
く、特に 0.1モル/リットル〜 0.4モル/リットルであ
ることが特に好ましい。また、キレート剤としては生分
解性を有する化合物が好ましい。この例としては、特開
昭63−146998号、特開昭63−199295
号、特開昭63−267750号、特開昭63−267
751号、特開平2−229146号、特開平3−18
6841号、独国特許3739610、欧州特許468
325号等に記載のキレート剤を挙げることができる。
発色現像液の補充タンクや処理槽中の処理液は高沸点有
機溶剤などの液剤でシールドし、空気との接触面積を減
少させることが好ましい。この液体シールド剤としては
流動パラフィンが最も好ましい。また、補充液に用いる
のが特に好ましい。本発明における発色現像液での処理
温度は30〜55℃、好ましくは35〜55℃である。
処理時間は撮影用感材においては20秒〜5分、好まし
くは30秒〜3分20秒である。また、補充量は感材1
平方メートル当たり、30〜800ml好ましくは50
〜500ml程度である。
【0079】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1-フェニ
ル-3- ピラゾリドンなどの3-ピラゾリドン類またはN-メ
チル-p- アミノフェノールなどのアミノフェノール類な
ど公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用
いることができる。本発明に用いられる現像液には、必
要により任意の現像促進剤を添加できる。現像促進剤と
しては、特公昭37-16088号、同37−5987号、同38−7826
号、同44-12380号、同45−9019号及び米国特許第3,813,
247 号等に表わされるチオエーテル系化合物、特開昭52
-49829号及び同50-15554号に表わされるp−フェニレン
ジアミン系化合物、特開昭50−137726号、特公昭44-300
74号、特開昭56−156826号及び同52-43429号等に表わさ
れる4級アンモニウム塩類、米国特許第2,494,903号、
同3,128,182 号、同4,230,796 号、同3,253,919 号、特
公昭41-11431号、米国特許第2,482,546 号、同2,596,92
6 号及び同3,582,346 号等に記載のアミン系化合物、特
公昭37-16088号、同42-25201号、米国特許第3,128,183
号、特公昭41-11431号、同42-23883号及び米国特許第3,
532,501 号等に表わされるポリアルキレンオキサイド、
その他1−フェニル−3−ピラゾリドン類、イミダゾー
ル類、等を必要に応じて添加することができる。
【0080】本発明の感光材料は、脱銀処理後、水洗及
び/又は安定工程を経るのが一般的である。水洗工程で
の水洗水量は、感光材料の特性(例えばカプラー等使用
素材による)、用途、更には水洗水温、水洗タンクの数
(段数)、向流、順流等の補充方式、その他種々の条件
によって広範囲に設定し得る。このうち、多段向流方式
における水洗タンク数と水量の関係は、Journal of the
Society of Motion Picture and Television Engineer
s 第64巻、P. 248〜253 (1955 年5月号)に記載の方法
で、求めることができる。前記文献に記載の多段向流方
式によれば、水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内
における水の滞留時間の増加により、バクテリアが繁殖
し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生
じる。本発明のカラー感光材料の処理において、このよ
うな問題が解決策として、特開昭62-288,838号に記載の
カルシウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる方
法を極めて有効に用いることができる。また、特開昭57
-8,542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダ
ゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素
系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著「防
菌防黴剤の化学」(1986年)三共出版、衛生技術会編
「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技術
会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986年)
に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0081】本発明の感光材料の処理における水洗水の
pHは、4〜9であり、好ましくは5〜8である。水洗水
温、水洗時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定し
得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜10分、好ましくは
25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選択される。更に、本発
明の感光材料は、上記水洗に代り、直接安定液によって
処理することもできる。このような安定化処理において
は、特開昭57-8543 号、同58-14834号、同60-220345 号
に記載の公知の方法はすべて用いることができる。
【0082】また、安定液には色素画像を安定化させる
化合物、例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズア
ルデヒド等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重
亜硫酸付加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導
体、ヘキサヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロ
ール尿素、N−メチロールピラゾールなどのN−メチロ
ール化合物、有機酸やpH緩衝剤等が含まれる。これら
の化合物の好ましい添加量は安定液1リットルあたり
0.001〜0.02モルであるが、安定液中の遊離ホ
ルムアルデヒド濃度は低い方がホルムアルデヒドガスの
飛散が少なくなるため好ましい。このような点から色素
画像安定化剤としては、m−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラミン、N−メチロールピラゾ
ールなどの特開平4−270344号記載のN−メチロ
ールアゾール類、N,N′−ビス(1,2,4−トリア
ゾール−1−イルメチル)ピペラジン等の特開平4−3
13753号記載のアゾリルメチルアミン類が好まし
い。特に特開平4−359249号(対応、欧州特許公
開第519190A2号)に記載の1,2,4−トリア
ゾールの如きアゾール類と、1,4−ビス(1,2,4
−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジンの如きア
ゾリルメチルアミン及びその誘導体の併用が、画像安定
性が高く、且つホルムアルデヒド蒸気圧が少なく好まし
い。また、その他必要に応じて塩化アンモニウムや亜硫
酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、Bi、Alな
どの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤、米国特許4,7
86,583号に記載のアルカノールアミンや、前記の
定着液や漂白定着液に含有することができる保恒剤、例
えば、特開平1−231051号公報に記載のスルフィ
ン酸化合物を含有させることも好ましい。
【0083】水洗水及び/又は安定液には処理後の感光
材料の乾燥時の水滴ムラを防止するため、種々の界面活
性剤を含有することができる。中でもノニオン性界面活
性剤を用いるのが好ましく、特にアルキルフェノールエ
チレンオキサイド付加物が好ましい。アルキルフェノー
ルとしては特にオクチル、ノニル、ドデシル、ジノニル
フェノールが好ましく、またエチレンオキサイドの付加
モル数としては特に8〜14が好ましい。さらに消泡効
果の高いシリコン系界面活性剤を用いることも好まし
い。
【0084】水洗水及び/又は安定液中には、各種キレ
ート剤を含有させることが好ましい。好ましいキレート
剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロ
キシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N,N′
−トリメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−
N,N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などの
有機ホスホン酸、あるいは、欧州特許345,172A
1号に記載の無水マレイン酸ポリマーの加水分解物など
をあげることができる。
【0085】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。自動現像機などを用いた処理におい
て、上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、
蒸発による濃縮を補正するために、適当量の水または補
正液ないし処理補充液を補充することが好ましい。水補
充を行う具体的方法としては、特に制限はないが、中で
も特開平1−254959号、同1−254960号公
報記載の、漂白槽とは別のモニター水槽を設置し、モニ
ター水槽内の水の蒸発量を求め、この水の蒸発量から漂
白槽における水の蒸発量を算出し、この蒸発量に比例し
て漂白槽に水を補充する方法や特開平3−248155
号、同3−249644号、同3−249645号、同
3−249646号公報記載の液レベルセンサーやオー
バーフローセンサーを用いた蒸発補正方法が好ましい。
各処理液の蒸発分を補正するための水は、水道水を用い
てもよいが上記の水洗工程に好ましく使用される脱イオ
ン処理した水、殺菌された水とするのがよい。
【0086】次に本発明の感光材料について説明する。
本発明はは、前述した透過支持体を有する如何なる感光
材料にも適用することができがカラーネガフィルム及び
カラー反転フィルムに適用するのが好ましい。本発明に
おいて適用されるハロゲン化銀乳剤やその他の素材(添
加剤など)および写真構成層(層配置など)、並びにこ
の感材を処理するために適用される処理法や処理用添加
剤としては、下記の特許公報、特に欧州特許EP0,3
55,660A2号(特願平1−107011号)に記
載されているものが好ましく用いられる。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
【表5】
【0092】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
沃臭化銀、沃塩化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀、臭化銀、
塩化銀等の各種ハロゲン組成の乳剤を用いることができ
る。とりわけ、本発明においては沃臭化銀乳剤を含有す
る層を有する事が好ましく、ヨード含量が0.1〜10
モル%程度含有する乳剤の使用が好ましい。。また、塗
布銀量としては、特に制限はないが、2g〜10g/m2
程度、更に好ましくは3〜8g/m2程度含有する場合が
好ましい。また、本発明に用いられる感光材料には各種
カプラーを含有すことができるが詳細は表2に記載した
通りである。更に、シアンカプラーとして、特開平2-33
144 号に記載のジフェニルイミダゾール系シアンカプラ
ーの他に、欧州特許EP0,333,185A2 号に記載の3−ヒド
ロキシピリジン系シアンカプラー(なかでも具体例とし
て列挙されたカプラー(42)の4当量カプラーに塩素離
脱基をもたせて2当量化したものや、カプラー(6)や
(9)が特に好ましい)や特開昭64-32260号に記載され
た環状活性メチレン系シアンカプラー(なかでも具体例
として列挙されたカプラー例3、8、34が特に好まし
い)の使用も好ましい。
【0093】また、本発明に係わる感光材料には、画像
のシャープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層
に、欧州特許EP0,337,490A2 号の第27〜76頁に記載
の、処理により脱色可能な染料(なかでもオキソノール
系染料)を感光材料の680nmに於ける光学反射濃度
が0.70以上になるように添加したりすることができ
る。本発明に係わるカラー写真感光材料には、カプラー
と共に欧州特許EP0,277,589A2 号に記載のような色像保
存性改良化合物を使用するのが好ましい。特にピラゾロ
アゾールカプラーとの併用が好ましい。
【0094】即ち、発色現像処理後に残存する芳香族ア
ミン系現像主薬と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(F)および/
または発色現像処理後に残存する芳香族アミン系発色現
像主薬の酸化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(G)を同時ま
たは単独に用いることが、例えば処理後の保存における
膜中残存発色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反
応による発色色素生成によるステイン発生その他の副作
用を防止する上で好ましい。また、本発明に係わる感光
材料には、親水性コロイド層中に繁殖して画像を劣化さ
せる各種の黴や細菌を防ぐために、特開昭63-271247 号
に記載のような防黴剤を添加するのが好ましい。本発明
において、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の支持体を
除いた乾燥膜厚が25μm以下である場合が、キャリー
オーバー量を少なくし、銀回収率を高めるという意味で
好ましい。とりわけ、13〜23μm程度、更に好まし
くは9〜19μm程度が好ましい。これらの膜厚の低減
はゼラチン量、銀量、オイル量、カプラー量等を減少さ
せることで達成できるが、ゼラチン量の低減して達成す
るのが最も好ましい。ここで、膜厚は、試料を25℃6
0RH%2週間放置後、常法により測定することができ
る。
【0095】本発明に用いられるハロゲン化銀カラー写
真感光材料においては、写真層の膜膨潤度が、1.5〜
4.0であることが、ステインの改良や画像保存性の改
良の点で好ましい。特に、1.5〜3.0において、よ
り一層の効果を得ることができる。本発明の膨潤度と
は、カラー感光材料を33℃の蒸留水に2分間浸漬した
後の写真層の膜厚を乾いた写真層の膜厚で割った値を言
う。
【0096】また、ここで写真層とは、少なくとも1層
の感光性ハロゲン化銀乳剤層を含み、この層と相互に水
浸透性の関係にある積層された親水性コロイド群層をい
う。支持体を隔てて写真感光層と反対側に設けられたバ
ック層は含まない。写真層は写真画像形成に関与する通
常は複数の層から形成され、ハロゲン化銀乳剤層の外に
中間層、フィルター層、ハレーション防止層、保護層な
どが含まれる。
【0097】上記の膨潤度に調整するためにはいかなる
方法を用いても良いが、例えば写真膜に使用するゼラチ
ンの量及び種類、硬膜剤の量及び種類、または写真層塗
布後の乾燥条件や経時条件を変えることにより調節する
ことができる。写真層にはゼラチンを用いるのが有利で
あるが、それ以外の親水性コロイドも用いることができ
る。たとえばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子と
のグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白
質、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、セルローズ硫酸エステル類等の如きセルロー
ス誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体等の糖誘導
体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分
アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリ
ル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビ
ニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一ある
いは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用い
ることができる。ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンの
ほか、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分
解物、ゼラチン酵素分解物も用いることができる。ゼラ
チン誘導体としては、ゼラチンにたとえば酸ハライド、
酸無水物、イソシアナート類、ブロモ酢酸、アルカンサ
ルトン類、ビニルスルホンアミド類、マレインイミド化
合物類、ポリアルキレンオキシド類、エポキシ化合物類
等種々の化合物を反応させて得られるものが用いられ
る。
【0098】前記ゼラチン・グラフトポリマーとして
は、ゼラチンにアクリル酸、メタアクリク酸、それらの
エステル、アミドなどの誘導体、アクリロニトリル、ス
チレンなどの如き、ビニル系モノマーの単一(ホモ)ま
たは共重合体をグラフトさせたものを用いることができ
る。ことに、ゼラチンとある程度相溶性のあるポリマー
たとえばアクリル酸、メタアクリル酸、アクリルアミ
ド、メタアクリルアミド、ヒドロキシアクキルメタアク
リレート等の重合体とのグラフトポリマーが好ましい。
これらの例は米国特許2,763,625号、同2,8
31,767号、同2,956,884号などに記載が
ある。代表的な合成親水性高分子物質はたとえば西独特
許出願(OLS)2,312,708号、米国特許3,
620,751号、同3,879,205号、特公昭4
3−7561号に記載されている。
【0099】硬膜剤としては、例えばクロム塩(クロム
明ばん、酢酸クロムなど)、アルデヒド類(ホルムアル
デヒド、グリオキサール、グリタールアルデヒドな
ど)、N−メチロール化合物(ジメチロール尿素、メチ
ロールジメチルヒダントインなど)、ジオキサン誘導体
(2,3−ジヒドロキシジオキサンなど)、活性ビニル
化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ
−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエ
ーテル、N,N′−メチレンビス−〔β−(ビニルスル
ホニル)プロピオンアミド〕など)、活性ハロゲン化合
物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジ
ンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコフェ
ノキシクロル酸など)、イソオキサゾール類、ジアルデ
ヒドでん粉、2−クロル−6−ヒドロキシトリアジニル
化ゼラチンなどを、単独または組合わせて用いることが
できる。特に好ましい硬膜剤としては、アルデヒド類、
活性ビニル化合物及び活性ハロゲン化合物である。
【0100】本発明に係わる感光材料は可視光で露光さ
れても赤外光で露光されてもよい。露光方法としては低
照度露光でも高照度短時間露光でもよく、特に後者の場
合には一画素当りの露光時間が10-4秒より短いレーザ
ー走査露光方式が好ましい。また、露光に際して、米国
特許第4,880,726 号に記載のバンド・ストップフイルタ
ーを用いるのが好ましい。これによって光混色が取り除
かれ、色再現性が著しく向上する。
【0101】本発明の処理方法は各種感光材料に適用す
ることができる。特にカラーネガフィルム、、カラー反
転フィルム、映画用ネガフィルム、映画用ポジフィルム
等を挙げるころができるが、とりわけ、カラーネガフィ
ルムへの適用が好ましい。
【0102】
【実施例】以下に、本発明を実施例により、更に詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 (1) 支持体の材質等 本実施例で用いた各支持体は、下記の方法により作製し
た。 ・PEN:本文中のP−1に相当する、市販のポリ(エ
チレン−2,6−ナフタレート)ポリマー100重量部
と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(ガイギー社製)を
2重量部と常法により乾燥した後、300℃にて溶融
後、T型ダイから押し出し140℃3.3倍の縦延伸を
行い、続いて130℃で3.3倍の横延伸を行い、さら
に250℃で6秒間熱固定した。このガラス転移点温度
は120℃であった。 ・TAC:トリアセチルセルロースを通常の溶液流延法
により、メチレンクロライド/メタノール=82/8wt
比、TAC濃度13%、可塑剤TPP/BDP=2/1
(ここでTPP;トリフェニルフォスフェート、BD
P;ビフェニルジフェニルフォスフェート)の15wt%
のバンド法にて作製した。
【0103】(2) 下塗層の塗設 上記各支持体は、その各々の両面にコロナ放電処理をし
た後、下記組成の下塗液を塗布して下塗層を延伸時高温
面側に設けた。コロナ放電処理はピラー社製ソリッドス
テートコロナ処理機6KVA モデルを用い、30cm幅支持
体を20m /分で処理する。このとき、電流・電圧の読
み取り値より被処理物は、0.375KV・A・分/m2
処理がなされた。処理時の放電周波数は、9.6KHz 、
電極と誘導体ロールのギャップクリアランスは、1.6
mmであった。
【0104】 ゼラチン 3g 蒸留水 250ml ソジウム−α−スルホジ−2−エチルヘキシルサクシネート 0.05g ホルムアルデヒド 0.02g また、支持体TACに対しては下記組成の下塗層を設けた。 ゼラチン 0.2g サリチル酸 0.1g メタノール 15ml アセトン 85ml ホルムアルデヒド 0.01g
【0105】(3) バック層の塗設 (2)で作成した下塗り済みの支持体の一方の側に、以
下のバック第1層〜第3層を塗布した。 イ)バック第1層 Co含有針状γ−酸化鉄微粉末(ゼラチン分散体 として含有させた。平均粒径0.08μm) 0.2 g/m2 ゼラチン 3 g/m2 下記化8に記載の化合物 0.1 g/m2 下記化9に記載の化合物 0.02g/m2 ポリ(エチルアクリレート)(平均直径0.08μm) 1 g/m2
【0106】
【化8】
【0107】
【化9】
【0108】 ロ)バック第2層 ゼラチン 0.05g/m2 導電性材料〔Sn 2 /Sb2 3 (9:1)、 粒径0.15μm〕 0.16mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 0.05g/m2
【0109】 ハ)バック第3層 ゼラチン 0.5 g/m2 ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.5μm) 0.02g/m2 セチルステアレート(ドデシルベンゼンスルホナート ナトリウム分散) 0.01g/m2 ソジウムジ(2−エチルヘキシル)スルホサクシナート 0.01g/m2 下記化10に記載の化合物 0.01g/m2
【0110】
【化10】
【0111】得られたバック層の抗磁力は960 Oe
であった。
【0112】(4) 支持体の熱処理 上記方法にて、下塗り層、バック層を塗設、乾燥巻き取
りした後、110℃48時間の熱処理を行った。上記の
方法で作成した2種の支持体上に(5)に示す感光層を
塗布し、感光材料を作成した。PEN支持体のものを試
料101、TAC支持体のものを試料102とした。ま
た上記PEN支持体で(4)の熱処理をしていないもの
を試料103とした。
【0113】(5) 感光層の作成 次に、前記で得られたバック層の反対側に発明協会公開
技報、公技番号94−6023号(1994年)の96
頁左欄20行目から114頁に記載されている感光層を
塗設した。
【0114】以上のように作成した感光材料を24mm
幅、160cmに裁断し、さらに感光材料の長さ方向の
片側幅方向から0.7mmの所に2mm四方のパーフォ
レーションを5.8mm間隔で2つ設ける。この2つの
セットを32mm間隔で設けたものを作成し、米国特許
第5,296,887号のFIG.1〜FIG.7に説
明されているプラスチック製のフィルムカートリッジに
収納した。この試料に磁気記録層の塗布面側からヘッド
ギャップ5μm、ターン数2000の入出力可能なヘッ
ドを用いて、感光材料の上記パーフォレーションの間に
100mm/sの送り速度でFM信号を記録した。FM
信号記録後、乳剤面に1000cmsの全面均一露光を
与えて以下に記載の方法で各々の処理を行ったのち、再
び元のプラスチック製のフィルムカートリッジに収納し
た。次に、収納したフィルムを引き出して、上記のヘッ
ドで信号を記録した時と同一速度で信号を読み出し、正
しく出力されるかどうかをを調べた。入力ビット数に対
し、エラーを発生したビット数の比率を第6表に示し
た。このエラー率が0.01%以下なら実用上問題ない
が、0.1%以上だとNGである。また、処理後の感光
材料ついて、残留銀量を以下の方法で測定した。同じく
表1にその程度を示した。
【0115】残留銀量の測定方法:蛍光X線分析法によ
り、1000cmsのグレー露光を与えた感光材料中に
残存している銀量を測定した。次に、実施した処理の詳
細を記す。上記記載の試料は、色温度4800Kで10
00cmsのグレー露光を与え、下記処理工程と処理液
でシネ式自動現像機により処理を行った。尚、漂白定着
液は第6表に示したように、亜硫酸塩の濃度と添加剤を
変更し、その各々について順次処理を行った。
【0116】 (処理工程) 処理工程 温度 時間 補充量* 発色現像 45℃ 60秒 10 漂白定着 40℃ 60秒 25 安 定(1) 40℃ 15秒 − 安 定(2) 40℃ 15秒 − 安 定(3) 40℃ 15秒 20 乾 燥 75℃ 30秒 − (安定は(3)から(1)への3タンク向流方式とした。) *135mm ×24枚撮り1本当たり(約1105mm長)
【0117】各処理液の組成は以下の通りである。 (発色現像液) (単位g) タンク液 補充液 ジエチレントリアミン五酢酸 4.0 4.0 4,5−ジヒドロキシベンゼン−1,3− ジスルホン酸2ナトリウム塩 0.5 0.5 亜硫酸ナトリウム 4.0 8.0 炭酸カリウム 38.0 38.0 臭化カリウム 4.0 − ヨウ化カリウム 1.3mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 4.8 8.0 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕アニリン硫酸塩 18.5 28.0 水を加えて 1.0 リットル 1.0リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.40
【0118】 (漂白定着液) (単位g) タンク液 補充液 エチレンジアミン−(2−カルボキシ フェニル)−N,N’,N’−三酢酸 0.18モル 0.20 モル 塩化第二鉄 0.16モル 0.18モル チオ硫酸アンモニウム水溶液( 700g/リットル) 300 ミリリットル 330 ミリリットル ヨウ化アンモニウム 1.0 − 亜硫酸アンモニウム 第6表参照 第6表参照 p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 20.0 25 コハク酸 12.0 12.0 添加剤 I−2 0.15 モル 0.20 モル 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH(硝酸とアンモニア水で調整) 6.0 5.5
【0119】 (安定液) タンク液と補充液は同じ処方 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム O.02 脱イオン水(導電率5μs/cm以下) 1000 ミリリットル pH 6.5 漂白定着液は、処方を変更したその各々についてランニ
ング処理を行った。また、各ランニング処理において、
スタート時と終了時のイエローステインの濃度変化(ス
テインの上昇)を測定した。使用した銀回収装置はマツ
ダ産業製(BF12)を改造して使用した。以上の結果
を第6表に記載した。
【0120】
【表6】
【0121】第6表の結果より明らかなように、ランニ
ング液にて好ましい亜硫酸塩の濃度を含有する本発明の
漂白定着液を適用することにより、迅速処理において充
分な漂白性能を得ることができ、ステインの上昇も少な
い。かつ磁気記録層に記録された信号を損なうことなく
処理できることが判る。また、支持体に熱処理をしたP
EN(試料101)を選択した場合、更に磁気記録情報
の読み取りエラーが減少することが判った。
【0122】実施例2 本願実施例1に記載の試料101を色温度4800Kで
連続階調ウェッジ露光を与え、以下に示す処理工程及び
処理液でシネ式自動現像機でランニング処理(現像液の
累積補充量が、そのタンク容量の3倍になるまで)をし
た。尚、漂白定着液は第7表に示したように、添加剤及
び亜硫酸塩の濃度を第7表に記載のように変更し、その
各々について順次交換しランニング処理を行なった。ラ
ンニング処理終了後、実施例1と同様にして、試料10
1〜103にFM信号と露光を与え、第7表に示すよう
に個々の漂白定着液組成と組み合わせて処理を行い、磁
気記録情報読み取り精度と残留銀量について評価した。
処理工程及び処理液組成を以下に示す。
【0123】 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 1分15秒 45.0℃ 260ミリリットル 3リットル 漂白定着 1分15秒 40.0℃ 360ミリリットル 3リットル 水 洗 20秒 40.0℃ 800ミリリットル 1リットル 安 定(1) 20秒 40.0℃ − 1リットル 安 定(2) 20秒 40.0℃ 260ミリリットル 1リットル 乾 燥 30秒 65℃ *補充量は感光材料1m2 当たり 安定液は(2)から(1)への向流方式である。尚、現
像液の漂白定着工程への持ち込み量、漂白定着液の水洗
工程への持ち込み量及び水洗液の安定工程への持ち込み
量は感光材料1m2 当たりそれぞれ40ミリリットル、35ミリ
リットル、35ミリリットル、35ミリリットルであった。また、クロス
オーバーの時間はいずれも4秒であり、この時間は前工
程の処理時間に包含される。平衡時に於ける漂白定着液
中の現像液の混入量は10% である。
【0124】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 4.0 4.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 6.7 炭酸カリウム 40.0 40.0 臭化カリウム 2.0 − ヨウ化カリウム 1.3mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 4.8 6.8 ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル)ヒドロキシルアミン 8.0 12.9 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕アニリン硫酸塩 10.0 15.3 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.55
【0125】 (漂白定着) タンク液(g) 補充液(g) エチレンジアミン−(2−カルボキシ フェニル)−N,N’,N’−三酢酸 0.08モル 0.10 モル エチレンジアミン四酢酸 0.10モル 0.12モル 塩化第二鉄 0.18モル 0.22モル チオ硫酸アンモニウム水溶液( 700g/リットル) 300 ミリリットル 330 ミリリットル ヨウ化アンモニウム 1.0 − 亜硫酸アンモニウム 第7表参照 第7表参照 コハク酸 12.0 12.0 添加剤 (第7表参照) 0.15 モル 0.20 モル イミダゾール 15 30 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH(硝酸とアンモニア水で調整) 6.0 5.5
【0126】(水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−
120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同ア
ンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに
通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg
/リットル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール
酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム150
mg/リットルを添加した。この液のpHは6.5〜7.
5の範囲にあった。
【0127】 (安定液) タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル) ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0 リットル pH 8.5 結果を第7表に示した。
【0128】
【表7】
【0129】第7表の結果においては、一般式(I)の
化合物を添加したほうが、磁気記録のエラー率が向上し
ているのがわかる。また、支持体に熱処理をしたPEN
(試料101)を選択した場合、更に磁気記録情報の読
み取りエラーが減少することが実施例1同様に判った。
【0130】実施例3 本願実施例1に記載の試料101を色温度4800Kで
連続階調ウェッジ露光を与え、以下に示す処理工程のシ
ネ式自動現像機で処理をした。尚、漂白定着液は第8表
に示したように、発色現像液の混入量及び亜硫酸塩の濃
度及びpHを変更し、その各々について順次処理を行な
った。処理終了後、実施例1と同様にして、磁気記録情
報読み取り精度に関して評価した。処理工程及び処理液
組成を以下に示す。
【0131】
【0132】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 4.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 炭酸カリウム 40.0 臭化カリウム 1.5 ヨウ化カリウム 1.3mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 6.0 ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル)ヒドロキシルアミン 8.0 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕アニリン硫酸塩 15.0 水を加えて 1.0 リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05
【0133】 (漂白定着) タンク液(g) エチレンジアミン−(2−カルボキシ フェニル)−N,N’,N’−三酢酸 0.06モル エチレンジアミン四酢酸 0.10モル 塩化第二鉄 0.15モル チオ硫酸アンモニウム水溶液( 700g/リットル) 250 ミリリットル ヨウ化アンモニウム 1.0 亜硫酸アンモニウム 第8表参照 p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 20.0 コハク酸 12.0 上記発色現像液 第8表参照 水を加えて 1.0 リットル pH(硝酸とアンモニア水で調整) 第8表参照
【0134】 (安定液) (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル) ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0 リットル pH 8.5 結果を第8表に示した。
【0135】
【表8】
【0136】第8表の結果においては、一般式(I)の
化合物を添加したほうが、磁気記録のエラー率が低下し
ているのがわかる。また、支持体に熱処理をしたPEN
(試料101)を選択した場合、更に磁気記録情報の読
み取りエラーが減少することが実施例1同様に判った。
【0137】
【発明の効果】本発明の構成に従えば、乳剤層と反対側
のバック面に磁気記録層を有する感光材料を用いて、迅
速な脱銀処理を達成することができ、かつ磁気記録の読
み取りエラーを防ぐことができた。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正内容】
【0116】 (処理工程) 処理工程 温度 時間 補充量*(ミリリットル) 発色現像 45℃ 60秒 10 漂白定着 40℃ 60秒 25 安 定(1) 40℃ 15秒 − 安 定(2) 40℃ 15秒 − 安 定(3) 40℃ 15秒 20 乾 燥 75℃ 30秒 − (安定は(3)から(1)への3タンク向流方式とした。) *135mm ×24枚撮り1本当たり(約1105mm長)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像露光された透明支持体上に、それぞれ
    少なくとも1層の赤感層、緑感層及び青感層を有し、か
    つ強磁性微粉末を含む磁性層を有するハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料を、カラー現像の後に漂白定着処理する
    処理工程において、該漂白定着液中に少なくとも0.0
    8モル/リットル以上0.4モル/リットル以下の亜硫
    酸塩を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写
    真感光材料の処理方法。
  2. 【請求項2】 漂白定着液中に下記一般式(I)で示さ
    れるスルフィン酸類の少なくとも一種を含有することを
    特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀カラー写真感光
    材料の処理方法。 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは置換基を表し、nは0〜6の整数を表す。
    nが2以上の場合には、Rは同じでも異なっても良い。
    Mは水素原子、アルカリ金属類、アルカリ土類、アンモ
    ニウムまたはアミンを表す。)
  3. 【請求項3】 該漂白定着液のpHが4.5〜6.2で
    あることを特徴とする請求項1または2記載のハロゲン
    化銀カラー写真感光材料の処理方法。
  4. 【請求項4】 該漂白定着液中にカラー現像液が5〜2
    5%混入していることを特徴とする請求項1、2または
    3記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
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