JPH086107B2 - 予め細霧化された燃料を利用する放出物の低減方法 - Google Patents

予め細霧化された燃料を利用する放出物の低減方法

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JPH086107B2
JPH086107B2 JP61505447A JP50544786A JPH086107B2 JP H086107 B2 JPH086107 B2 JP H086107B2 JP 61505447 A JP61505447 A JP 61505447A JP 50544786 A JP50544786 A JP 50544786A JP H086107 B2 JPH086107 B2 JP H086107B2
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ペトロファーム、インコーポレーテッド
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Description

【発明の詳細な説明】 1.序論 本発明は、重質の原油および残油を含む、高粘性炭化
水素類の利用に関するものである。より詳しくは、本発
明は、連続的水性相中に分散された炭化水素液滴が、炭
化水素/水界面で該液滴を取り囲んでいるバイオ乳化剤
[bioemulsifier]、および特に微生物的なバイオ乳化
剤、の存在によって合体から実質的に安定化される (a)化学的に非安定化水−中−炭化水素エマルジョン
類; (b)化学的に安定化水−中−炭化水素エマルジョン
類; および (c)バイオ乳化剤安定化水−中−炭化水素エマルジョ
ン類、または炭化水素ゾル類[hydrocarbosols]を含む
低粘性水−中−炭化水素エマルジョン類の形成を通して
粘稠な炭化水素類の利用に関する。さらにまた、本発明
は、炭化水ゾルおよび粘稠な炭化水素類で作ったその他
の水−中−粘性炭化水素エマルジョンの双方を含む予め
細霧化された燃料の燃焼に関する。
既存的なパイプラインあるいは、タンカーおよびバー
ジ(平底の荷船)が含まれるその他の方法によっての高
粘性炭化水素類の輸送は、現在、これらをポンプ送でき
る形態におき変えるための該炭化水素の粘度の減少なし
では実質的に無理であった。たとえ長距離輸送が因子で
なくても、粘性を減少することは、燃えやすい燃料とし
て高粘性炭化水素類の有効使用のためにやはり必要であ
る。本発明は、加熱またはより軽質の石油原料での希釈
を必要とする方法よりも潜在的により経済的な御し難い
重質原油または残油の粘度低減の代換的手段を示すもの
である。水−中−炭化水素エマルジョンの形成は重質炭
化水素材料の粘度を効果的に減少させ、これにより船輸
送および既存の装置を用いてのポンプ送ならびに顧みて
その取扱いが容易となる。さらに本発明の方法によって
形成される予め細霧化された燃料は、脱水化または解乳
状化することなく、既存の手段で直接燃やすことがで
き、放出物の減少を潜在的にまねくことになる。事実、
非乳化形態における燃焼が環境基準に合わなければ高粘
性炭化水素類は、予め細霧化された燃料であるかかる高
粘性炭化水素類を使用して環境に適合し得るきれいな燃
焼燃料に相対的にし得る。
長い輸送時間および/または途中操業休止の可能性が
もち上がることとなる製造地より利用地への輸送距離が
無視することができない、あるいは長い貯蔵期間が要求
される情況下では、炭化水素ゾルの使用は特に有利であ
る。なぜなら、微生物的なバイオ乳化剤は、炭化水素/
水界面に卓越的に存在し、本質的に炭化水素液滴の表面
を覆っているので、該炭化水素液滴は合体を効果的に阻
止されておりそして炭化水素ゾルの低減された粘度は超
時間的に効果的に維持されている。炭化水素ゾルの実質
的な安定性および改良されたポンパビリティー[pumpab
ility]は、長い距離にわたって実践的に輸送され得る
または利用される前の長い期間にわたる不変性をとどめ
るものへと該炭化水素ゾルをなさせる。
2.発明の背景 2.1 粘稠な炭化水素類 高品質で、比較的安価な、軽質の原油のたくさんの量
が現在世界中の地質学的場所から回収され得るものであ
るにもかかわらず、石油燃料および石油製品の常に増加
する消費ならびにこのような高い要求によって促進され
たエネルギー危機は、世界の至るところにまた存在する
低比重で、粘稠な炭化水素の莫大な貯蔵を持つことに興
味をそそいでいる。天然に埋蔵されて存在する粘稠な炭
化水素類は、通常、粘性原油、ビチューメン(瀝青)ま
たはタールとして一般的に分類されており、また重質原
油、天然ビチューメン、未加工ビチューメン、オイルサ
ンド、タールサンド、瀝青砂または瀝青堆積物および天
然アスファルトとさまざまに呼称されており、これらの
すべての物質は、化学的に段階的であり、規格化された
分析なくしては区別をすることができないものである。
〔粘性炭化水素類の一般的な論議およびこれらの正確な
定義および分類については、メイヤー[Mayer]のザ
フューチャー オブ ヘビー クルード アンド ター
ルサンド,第1頁,ミニング インフォメーショナル
サービス,マックグロウ ヒルズ,インコーポレーテッ
ド,ニューヨーク(1981)[The Future of Heavy Cru
de and Tar Sands,p.1,Mining Infometional Service,M
cGraw Hill,Inc.New York(1981)]中の「序論」を参
照のこと。また同書第6.2節を参照のこと。〕 重質原油埋蔵の地質学的分布は、第1表に示される
〔メイヤー[Mayer]とデッツマン[Dietzman](198
1),ザ フューチャー オブ ヘビー クルード ア
ンド タールサンド,第16〜28頁,ミニング インフォ
メーショナル サービス,マックグロウヒルズ,インコ
ーポレーテッド,ニューヨーク(1981)中の「重質原油
の世界地図」より抜粋。〕。認定量における石油の総見
積り量は、6200×109バーレルである。ベネズエラが、
この総量のおよそ半分である30000×109バーレルでこの
リストの首位をなしている。カナダが2950×109バーレ
ル(この総量は、ビチューメンとしての炭化水素を含
む)でこれにすぐ続き、そして米国が77×109バーレル
と見積られている。設定量においてこれらの数値を述べ
ると、20゜APIより軽い石油の全世界埋蔵量は約660×10
9バーレルと見積られている。まだ発見されていない埋
蔵量は900×109バーレルと見積られている。これゆえ、
重質原油は在来の石油よりもおよそ4倍ほど豊富であ
る。さらに在来の原油の製造過程より生成する重質残油
の量を考慮すると、全世界に存在する重質油の量は実際
たいへんな量である。
従来の軽質原油の保存量が重質原油よりもかなり早く
枯渇することおよび粘性炭化水素類の世界的保存量の開
発が、世界の燃料需要を支持するための結局必要となる
ことが明らかである。重質原油の有意義な産出が、まず
蒸気補助高収率化法[steam−assisted enhanced recov
ery method]により始められた。例えば最近の評価で
は、カルフォルニアにおける重質原油の産出が1日当り
250,000バーレルと認定されている。将来的見積り〔バ
ーネア[Barnea]、ザ フューチャー オブ ヘビー
クルード アンド タールサンド,第13〜15頁,ミニン
グ インフォメーショナル サービス,マックグロウヒ
ルズ,インコーポレーテッド,ニューヨーク(1981)中
の「重質原油およびタールサンドの将来」〕は、2000年
までに、重質油およびタールサンドからのビチューメン
の産出が世界の石油全産出の1/3まで増加するであろう
ことを計画している。重質油資源のこのように急速な発
展は、石油紀を拡張しそして、 (1) 存在するエネルギー下部構造から利益を受ける
ために重質油からの製品を認め、 (2) 輸送セクターへの燃料供給と石油化学プラント
への供給用蓄積を保証し、 (3) 石油産出国を増加させて、世界石油価格に関す
る安定化因子であり、 (4) 石油産出の戦略的および政治的観点を低減さ
せ、そして、 (5) 石油転化およびその他合成石油製造のための安
易性についての多額の資本投下の必要性を遅期すること
になるだろう。
残渣燃料油に関して、米国における最近の傾向は、か
かる原料に対する要求が減少した。その結果、コーカー
(cokers)と他の重質末端クラッキングに手ごろな主要
な投資を行なう精製業者は、原油の各バレルからの軟質
分の生産増加を進めている。その結果、残油生産能力の
減少および燃料品質が下降した。
5年前、17゜のAPI比重を有する1%硫黄残渣燃料油
は、普通であった。今日、代表的な1%硫黄残渣油は10
゜のAPI比重を有し、そして“負比重”即ち零以下、の
油を含む低比重油ですらその有効性を高めた。この特性
変化の一つの理由は、精製業者が使用した原油スレート
(Slate)の混合である。第三次回収技術の広い適用、
より深い井戸からの原油の増加および過去における好ま
しくない開発、即ちより深い埋蔵に関して、原油品質
は、下降し続けていると予想し得る。事実“スウィート
(甘い)”な高品質原油は、より重質油よりおそらくよ
り価格高となり、大量使用がなくなるであろう。
低級原油との組合せは、より有利な軽質分収量を増加
するように能力が増加させられるという精製業者に変化
させた。最後に、コーヒー、油質油クラッカー、ビスブ
レーカーおよび他の方法の適用が増加した。最終結果
は、高品質残渣燃料油の大量生産能力を有する精製業者
がほとんどいないということである。この傾向の支持
は、“直留(ストレートラン)”残渣燃料油が相対的に
希少であることである。残渣燃料油の品質低下につい
て、これらおよび将来的に残渣油を環境に許容される方
法で燃焼する能力に関する心配が持ち上った。高品質物
質と同様に低品質物品をもきれにい燃焼させる開発が明
らかに必要である。
2.2 粘性炭化水素類の輸送 産出井から外への、タンカーからのあるいは特にパイ
プラインを通してのものである、活性炭化水素類の輸送
の問題は、ポンパビリティーの問題である。従って、重
質原油のような粘性炭化水素類の輸送に関する方法は、
該油をポンプ送可能な形態へと改良することに焦点をし
ぼっていた。二つの一般的アプローチが考えられてい
る。ワックス状の原油に関しては、これらの油をその流
動点、すなわち、油中のワックス結晶がその流動のため
の能力で阻止される温度で、輸送することが望ましい。
これを終結へと導く1つの方法は、流動点の低下と流動
性を維持する流動点降下剤の使用である。一般的に、こ
の方法は、周囲の温度での輸送を可能とするために十分
低粘度となる油のみに価値がある。
高粘性原油に関しては、採用されたアプローチは、粘
度を減少することであった。原油をパイプラインによっ
て輸送すべき場合、従来のポンプ送設備を用いて従来の
ラインを通して流すのに十分な程度、粘度は低減される
べきである。パイプライン送する目的のため、重質原油
の粘度を低減させるために数種の方法が用いられてい
る。これらの方法は、油/固体スラリーの調製、低減化
粘度のエマルジョンを形成するための油の水との混合、
粘度をより低いものとするための油の加熱およびコンデ
ンセート[condensate]、ガソリンまたはナフサのよう
な低粘度炭化水素での該油の希釈を含むものである〔ス
ローン[Sloan]ら、ザ フューチャー オブ ヘビー
クルード アンド タールサンド,第719〜726頁,ミ
ニング インフォメーショナル サービス,マックグロ
ウヒルズインコーポレーテッド,ニューヨーク(1981)
中の「重質油のパイプライン輸送」〕。
パイプラインを通しての輸送あるいは井よりのポンプ
送のための水−中−油型エマルジョンの形成による粘性
炭化水素類の粘度の低減に関する報告された方法は、化
学的添加物の使用を含むものであった。提案されている
または使用されている化学品の中に、水酸化ナトリウム
やアンモニアのようなアルカリ類〔米国特許第3,380,53
1号、第3,487,844号および第3,006,354号〕、非イオン
性界面活性剤〔米国特許第3,425,429号および第3,467,1
95号〕および非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活
性剤の組合せ〔米国特許第4,239,052号および4,249,554
号〕がある。水−中−油型エマルジョンの不安定性は問
題となり得るものであり、例えば、水−中−油型エマル
ジョンはポンプ送できない形態へと破壊もしくは転化し
てしまうことが公知である。安定性を維持するために使
用される化学品の量の増加は、禁止することと同様に高
いコストへとつながるものである。
重質原油のパイプライン化に関する最近の見解(スロ
ーン[Sloan]ら、上記)において、パイプライン化へ
のアプローチとしてのエマルジョンの商業的適用は、も
しあるとしても限られたものであったと指摘している点
は特筆すべきである。またスローンらが、粘度を低減さ
せるための加熱および希釈方法は、これらがエネルギー
集約的でかつ比較的高価なものとなるという事実にもか
かわらず、重質原油のパイプライン化輸送に関して主た
る候補にとどまっていることを認めているこもと特記す
べきことである。
2.3 水−中−油型エマルジョンの燃焼 先行技術において公知である燃焼可能なエマルジョン
の非常に大多数は、燃料を高めるために油中に比較的少
量の水(1〜10容量%)が主として存在してなる、油−
中−水型エマルジョンである。いくつかの燃焼可能な水
−中−油型エマルジョンが論述されている〔米国特許第
3,958,915号、第4,273,611号,第4,382,802号および第
4,392,865号を参照のこと。〕しかしながら、注意すべ
きことは、油相は、室温にて液体である例えば灯油、ガ
ソリン、軽油、重油などのような、軽質の低粘度燃料お
よび他の低粘度油であった。燃焼可能なチクソトロピー
的ジェット燃料および他の安全な燃料が米国特許第3,35
2,109号、第3,490,237号および第4,089,940号に論述さ
れている。静止(定常)状態下で、これらの水−中−油
型エマルジョンは、1000cpsの、そして好ましくは50,00
0〜100,000cpsの見かけ静止粘度を有するゲルの形態に
ある。これらのチクソトロピーな水−中−油型エマルジ
ョンは高いポンプ(高いせん断)速度下で低い粘度を示
す。
2.4 微生物性界面活性化合物 多くの微生物が、成長およびエネルギー産出に関する
唯一の炭素源として炭化水素を利用し得る。炭化水素基
質は、直鎖状、分岐状、環状あるいは芳香族状であり得
る。このような水不溶性基質を迅速に同化するために、
微生物は、これら自身と油との間の広範な接触領域を必
要とされる。これは取囲む水性媒体中の油のエマルジョ
ン化により達成される。炭化水素分解微生物は、このよ
うなエマルジョン化を促進する界面活性剤をしばしば合
成しそして分泌する。
例えばn−デカンにおけるマイコバクテリウム・リュ
ードクロス[Mycobacterium rhodochrous]NCIB9905の
成長は、アール エス ホルドム[R.S.Holdom]ら〔ジ
ェイ アプル バクテリオル[J.Appl.Bacteriol.],3
2,448(1969)〕により非イオン性清浄剤であると報告
された界面活性剤を産出する。ジェイ イグチ[J.Igui
chi]ら〔アグリック バイオル ケム[Agric.Biol.Ch
em.],33,1657(1969)〕はカンジダ・ペトロフィリウ
ム[Candida petrophilium]がペプチド類と脂肪酸分と
より構成された界面活性剤を産出することを見出してお
り、またティー スズキ[T.Suzuki]ら〔アグリック
バイオル ケム,33,1919(1969)〕は、アルスロバク
ター[Arthrobacter]、ブレビバクテリウム[Brevibac
terium]、コリネバクテリウム[Corynebacterium]お
よびノカルジア[Nocardia]の種々の種族の培養ブロス
の油相においてトレハロース−脂質を発見した。ワグナ
ー[Wagner]はノルカルジア・リュードクロス[Nocard
ia rhodochrous]およびマイコバクテリウム・フレイ
[Mycobacterium phlei]によるトレハロース−脂質の
産出およびこれらの油回収における使用を報告している
〔米国特許第4,392,892号および第4,286,660号〕。
トルロプシス・グロペニギーセリ[Torulopsis grop
engiesseri]はソホロース−脂質を産出することが見出
されており、一方ラムノリヒドは、ケイ.ヒサツカ[K.
Hisatsuka]ら〔アグリック バイオルケム,35,686(1
971)〕によりシュードモナス・アエルギノーザ[Pseud
omonas aeruginosa]種S7B1によって産出されること
が、またエス イトウ[S.Itoh]ら〔アグリック バイ
オル ケム,36,2233(1971)〕により別のシュードモ
ナス・アエルギノーザ種、KY4025によって産出されるこ
とが報告されている。灯油におけるコリネバクテリウム
・ヒドロカーボクラストス[Corynebacterium hydocar
boclastus]の成長は、ジェイ イー ジャジック[J.
E.Zajic]および彼の協力者達〔デブ インダ ミクロ
ビル[Dev.Ind.Microbil],12,87(1971);バイオテ
クノル バイオエング[Biotechnol.Bioeng.],14,331
(1972);ケモスフェアー[Chemosphere],51(197
2);クリット レブ ミクロバイオル[Crit.Rev.Micr
obiol.],,39;米国特許第3,997,398号〕によって、
数ある特徴のなかで、灯油、バンカーC重油[BunkerC
fuel oli]および他の重油類をエマルジョン化する細胞
外へテロポリサッカライドを産出するものであることが
報告されている。
ガトニック[Gutnick]らはアシネトバクター・カル
コアセチカス[Acinetobacter calcoaceticus]ATCC310
12(アシネトバクター種ATCC 31012と以前指定されそ
してまたRAG−1とも呼ばれている)がエマルザン[emu
lsan]類と呼ばれる界面活性細胞外プロテイン会合リポ
ポリサッカリドボイオポリマー[interfacially activ
eextracellular protein−associated lipopolysacchar
ide biopolymers]を産出することを発見した。これら
の生体高分子[biopolymer]は、成長時に微生物細胞の
カプセルまたは外層として産出されそして増殖され、そ
してこれらが細胞外製品として採収され得るところの媒
体中へ最終的に解放もしくは脱却される。アシネトバク
ター・カルコアセチカス ATCC 31012はエタノールま
たは脂肪酸塩において成長された場合にα−エマルザン
を産出し[米国特許第4,230,801号;第4,234,689号およ
び第4,395,354号〕、また原油またはヘキサデカンにお
いて成長された場合にβ−エマルザンを産出する〔米国
特許第3,941,692号〕。このα−エマルザンとβ−エマ
ルザンはプサイ−エマルザンの呼ばれるO−脱アシル化
形態へと誘導され得る〔米国特許第4,380,504号〕。α
−エマルザン、β−エマルザンおよびプサイ−エマルザ
ンは、それぞれアポ−α−エマルザン、アポ−β−エマ
ルザンおよびアポ−プサイ−エマルザンを産出するため
に除タイパク化され得る[米国特許第4,311,830号,第
4,311,829号および第4,311,831号]。
クーパー[Cooper]とザジック[Zajic]〔アドブ
アピル ミクロバイオル[Adv.Appl.Microbiol.],26;
229〜253(1980)〕は微生物による界面活性剤の産出を
再調査している。論述された界面活性剤のいくつかを第
2表に列挙する。
3.発明の概要 本発明は、一般にAPI比重が約20゜APIないしそれ以
下、150゜Fでの粘度が約100センチポイズないしそれ以
上、パラフィン分が約50重量%ないしそれ以下、および
芳香族分が約15重量%ないしそれ以上であることで特徴
づけられる、高粘性原油および残油を包含する粘性炭化
水素類の(a)現在粘性のない物質を取扱うために用い
られる方法によって施設において貯蔵し得るまたは輸送
し得るおよび(b)上質の燃焼可能な燃料として直接燃
焼可能であるところのエマルジョン形態への操作するた
めの新規な化合物および方法を提供するものである。
輸送目的に関する好ましい実施態様において、粘性炭
化水素類のエマルジョン化形態は、個々の炭化水素液滴
が炭化水素/水界面に卓越して存在する水溶性バイオ乳
化剤分子によって本質的に取囲まれたものとなるバイオ
乳化剤安定化水−中−油型エマルジョンとして定義され
る炭化水素ゾルであり、このバイオ乳化剤分子は液滴合
体に対して有効な障害(バリヤー)を形成し、そしてこ
れにより連続的な低粘度水性相中に分散した不連続な炭
化水素液滴の保持を促進する。本発明の炭化水素ゾル
は、粘性炭化水素出発物質のものと比較して少なくとも
約10の因数、好ましくは少なくとも102の因数だけ低減
された粘度を有するものであり、該炭化水素ゾルの粘度
は少なくとも約1日、好ましくは約30日の期間の間定常
な状態下でこのように低減され続けているものである。
炭化水素ゾルを形成するための界面活性剤パッケージ
は、水溶性化学的界面活性剤あるいは水溶性化学的およ
び/または生物学的補助界面活性剤[co−surfactant]
類の組合せを、好ましくは非イオン性およびアニオン性
界面活性剤を、高分子量、かなり特異的な三次元構造、
疎水性および親水性状態、重合性状態および/または、
炭化水素類におけるわずかな溶解性を含む(もちろんこ
れらに限定されるわけではない。)いくつかの特性ゆえ
に、炭化水素/水界面に堅固に結合しそして水−中−炭
化水素エマルジョン中の個々の炭化水素液滴の表面を本
質的に取囲み、効果的に不連続な液滴を維持しかつ合体
を阻止しそして水−中−炭化水素エマルジョンへ実質的
安定性を添えるものであるバイオ乳化剤と組合せること
で構成される。
極めて御し難い重質原油および重質残油からの水−中
−炭化水素エマルジョンの形成用界面活性剤パッケージ
は提供される。若し、水−中−炭化水素エマルジョンの
形態で取扱うことが不可能でなければ以前には困難であ
った次の残渣物質を乳化し、燃料として使用することを
可能とするある種の界面活性剤が見い出された;熱分解
ピッチ類を含むピッチ類、ビスブレーカー残渣物、標準
真空残油を含む真空残油、接触分解残油、接触水素化残
油、コーカー残油、重質油(HO)分解残油、残油油超臨
界抽出(ROSE)残油、タール、カットバック タール
(cutback tars)およびビチューメン、かかる界面活性
剤パッケージは、(a)界面活性重合性安定剤を含む化
学安定剤を有し、あるいは無しの水性非イオン化学界面
活性剤および/または(b)微生物ポリカッカリドを含
むレオロジー制御剤から成る。
方法は、脱イオン化水、都市水、塩水(ブライン)ま
たはアルコール/水混合物など種々で構成される水性相
中に約90重量%以下の炭化水素を含有する炭化水素ゾル
を形成するために油に対し約1:100〜約1:20,000の割合
で、界面活性剤パッケージが使用される、粘性炭化水素
類を輸送するために提供される。そしてこの炭化水素ゾ
ルは従来の手段により航送されあるいは従来の非加熱化
パイプラインによってポンプ送され得るものである。
方法はまた、予め細霧化された燃料、すなわち炭化水
素ゾル燃料あるいは水−中−炭化水素エマルジョン燃料
を形成することによって粘性炭化水素類を利用すること
およびこれらを従来の燃焼設備において燃焼されること
を提供するものである。乳化状態の粘性炭化水素の燃料
は、燃料放出の減少をもたらす。
驚くべきことに、50%以上のアスファルテン含量の熱
分解ピッチ類を含む極めて高アスファルテン含量の粘性
炭化水素が水−中−炭化水素エマルジョンに乳化し得、
燃焼して著しく微粒子放出が減少することが見い出され
た。事実、乳化高アスファルテン含量物質は、非乳化の
同一物質よりも約6倍きれいに燃焼することが観察され
た。更に驚くべきことに、乳化高アスファルテン含量物
質は、約1/10〜1/12のアスファルテン含有非乳化重質油
の微粒子放出割合に対しほぼ50%〜70%減少した微粒子
放出割合で燃焼し得る。
4.術語 「炭化水素ゾル[hydrocarbosol]」という用語は、
個々の炭化水素液滴が炭化水素/水界面に卓越して存在
する水溶性バイオ乳化剤によって本質的に取囲まれたあ
るいは覆われたものである任意のバイオ乳化剤安定化水
−中−炭化水素エマルジョンであると定義され、ここに
おいてバイオ乳化剤分子は液滴合体を有効的に阻害しそ
してこれゆえ連続的低粘度水性相中に懸濁あるいは分散
した不連続的炭化水素液的の保持を促進するものであ
る。
「水溶性[water−soluble]」という用語は、水−分
散性物質を含むものとして定義される。
「粘性炭化水素[viscous hydrocarbon]」という用
語は、一般的に約102〜106センチポイズあるいはそれ以
上の粘度により特徴ずけられ、またこの他一般的に、し
かしながら必ずしも必要であることはないが、約20゜AP
Iあるいはそれ以下のAPI比重、高い金属含有率、高い硫
黄含有率、高いアスファルテン含有率および/または高
い流動点に特徴ずけられる任意の天然産出原油あるいは
精製操作後に残る残油として定義される。「粘性炭化水
素」という用語はまた、次の術語、すなわち減圧残留
物、ビスコシティーブレーキング装置[vis−breaker]
残留物、接触分解装置残留物、接触水素化残留物、コー
クス器残留物、重質油(HO)分解残油、ROSE(残油超臨
界抽出)残留物、タールおよびカットバックタール、ビ
チューメン、ピッチ、熱分解ピッチ類、および炭化水素
製造工程の残留物として述べられるその他の用語を包含
するものとして認識されるべきである。
「予め細霧化された燃料[pre−atomized fuel]」と
いう用語は、粘性炭化水素から作られ、そして燃焼可能
な燃料としての使用のために本明細書において述べられ
る方法によって形成される任意の炭化水素ゾルおよび任
意の水−中−粘性炭化水素エマルジョンとして定義され
る。
「バイオ乳化剤[bioemulsifier]」は、高分子量、
重合性状態、かなり特異的な三次元構造、疎水性および
親水性部分および炭化水素類におけるわずかな溶解性を
含む(もちろんこれらに限定されるわけではない。)い
くつかの特性ゆえに、炭化水素/水界面に堅固に結合し
そして水−中−炭化水素エマルジョン中の個々の炭化水
素液滴の表面を本質的に覆い、効果的に不連続な液滴を
維持しかつ合体を阻止しそしてこれにより水−中−炭化
水素エマルジョンに実質的安定性を添えるものである任
意の生物学的誘導物質として定義されるものである。バ
イオ乳化剤の1つの例として、α−エマルザンがある。
「バイオ界面活性剤[biosurfactant]」という用語
は、水と炭化水素との間の界面張力を低減し、そしてこ
の結果として添加的界面領域の創造に関するエネルギー
的要求(組合されたエネルギー)を減少させるものであ
る任意の生物学的誘導物質と定義されるものである。バ
イオ界面活性剤の1つの例として糖脂質がある。
「界面活性剤パッケージ[surfactant package]」と
いう用語は、50重量%ないしそれ以下のパラフィン分お
よび15重量%ないしはそれ以上の芳香族分ならびに150
゜Fでの約100センチポイズないしはそれ以上の粘度で
一般的に特徴づけられる粘性炭化水素類の水−中−炭化
水素エマルジョンを形成するために有用な任意の組成物
として定義され、該組成物は、化学界面活性剤、化学補
助界面活性剤類の組合せ、補助界面活性剤(類)とバイ
オ界面活性剤(類)の組合せ、化学界面活性剤(類)と
バイオ界面活性剤(類)との組合せ、または化学界面活
性剤(類)とバイオ界面活性剤(類)とバイオ乳化剤
(類)との組合せにより構成され得、また該組成物は化
学乳化安定剤をも含み得、そして化学的、および/また
はバイオロジー的レオロジー制御剤が加えられた該組成
物は水性形態中に存在し得るものである。
これらの化合物のポリサッカリド構造およびこれらの
物質の異例なバイオ乳化剤活性度を反映するものである
「エマルザン[emalusan]類」という用語は、アシネト
バクター・カルコアセチカス[Acinetobacter calcoace
ticus]ATCC 31012およびその誘導体もしくは変異体に
より産出されるカプセル的/細胞外的微生物タンパク会
合リポヘテロポリサッカリド類と属的に識別され、これ
はα−エマルザンおよびβ−エマルザンに細別される。
「アポエマルザン」という名称は、該エマルザン類より
得られるこれらの除タンパク化リポポリサッカリド類と
して属的に識別される。
「α−エマルザン類」という用語はアシネトバクター
・カルコアセチカス ATCC 31012およびその誘導体も
しくは変異体により産出される細胞外微生物タンパク会
合リポポリサッカライド類を定義し、そのリポポリサッ
カリド成分(すなわち結合プロテインのないもの)は、
多量のD−ガラクトースアミンおよびアミノウロン酸に
より構成される完全にN−アシル化されかつ部分的にO
−アシル化されたヘテロポリサッカリド類であり、該リ
ポポリサッカリド成分は、(1)脂肪酸が約10〜約18個
の炭素原子を含み、そして(2)このような脂肪酸の約
50重量%ないしはそれ以上が2−ヒドロキシドデカン酸
および3−ヒドロキシドデカン酸で構成されるものであ
る脂肪酸エステルを少なくとも5重量%含有するもので
ある。したがって、以下、除タンパク化α−エマルザン
類は「アポ−α−エマルザン類」と呼称される。
「β−エマルザン類」という用語は、アシネトバクタ
ー・カルコアセチカス ATCC 31012およびその変異体
により産出される細胞外微生物タンパク会合リポポリサ
ッカリド類を定義し、そのリポポリサッカリド成分(す
なわち結合プロテインのないもの)は、多重のD−ガラ
クトースアミンおよびアミノウロン酸により構成される
完全にN−アシル化されかつ部分的にO−アシル化され
たヘテロポリサッカリド類であり、このポリサッカリド
成分は、(1)脂肪酸が約10〜約18個の炭素原子を含
み、そして(2)このような脂肪酸の約50重量%未満が
2−ヒドロキシドデカン酸で構成されるものである脂肪
酸エステルを5重量%未満含有するものである。この除
タンパク化β−エマルザン類は「アポ−β−エマルザン
類」と呼称される。
「プサイ−エマルザン類」という用語は、エマルザン
類より得られるO−脱アシル化細胞外タンパク会合微生
物ポリサッカリド類を定義し、このようなプサイ−エマ
ルザン類の無タンパク成分は多重のD−ガラクトースア
ミンおよびアミノウロン酸により構成される完全にN−
アシル化されたヘテロポリサッカリド類でありそして0
〜1%の脂肪酸エステルを含み、もしこれが存在する場
合、該脂肪酸は約10〜約18個の炭素原子を含むものであ
る。これらの無タンパク成分はその製法に関係なく「ア
ポ−プサイ−エマルザン類」と呼称される。
「ポリアニオン性 ヘテロポリサッカリド バイオポ
リマー[polyanionic heteropolysaccharide biopolyme
r]」という用語は、(a)実質的にすべての糖分がN
−アシル化アミノ糖であり、この一部がN−アシル化−
D−ガラクトースアミンでまた他部がN−アシル化アミ
ノウロン酸であり、このようなヘテロポリサッカリドの
N−アシル基の一部がN−3−ヒドロキシドデカノイル
基であり、また(b)このようなヘテロポリサッカリド
の少なくとも0.2ミクロモル/ミリグラムが、(1)脂
肪酸が約10〜約18個の炭素原子を含みかつ(2)このよ
うな脂肪酸の約50重量%ないしそれ以上が2−ヒドロキ
シドデカン酸および3−ヒドロキシドデカン酸で構成さ
れるものである脂肪酸エステルからなるものである生体
高分子を定義するものである。
5.図面の簡単な説明 第1図は、ボスカン[Boscan]原油で調製されたエマ
ルザン安定化炭化水素ゾルに関する粘度対水含有量のグ
ラフ的表示である。なお図中(30%水における)鎖線は
最適に近い操作状態を示すものである。
第2図は重質原油(ボスカン)およびボスカン原油で
調製された2つのエマルザン安定化炭化水素ゾルに関す
る粘度対温度のグラフ的表示である。
第3図は、界面活性剤パッケージへのエマルザンの添
加の粘度における効果を示す、テキサス、ファイヤフロ
ッド[Texas fireflood]原油および非イオン性界面活
性剤とアニオン性界面活性剤とよりなる界面活性剤パッ
ケージで調製された2つのエマルジョンに関する粘度対
時間のグラフ的表示である。
第4図は、界面活性剤パッケージへのエマルザンの添
加の粘度における効果を示す、テキサス、ファイヤフロ
ッド原油、および非イオン性界面活性剤よりなる界面活
性剤パッケージで調製された2つのエマルジョンに関す
る粘度対時間のグラフ的表示である。
第5図は、界面活性剤パッケージへのエマルザンの添
加の粘度における効果を示す非イオン性界面活性剤とア
ニオン性界面活性剤よりなる界面活性剤パッケージを用
いたカンザス[Kansas]原油と蛇口水とで構成される2
つのエマルジョンに関する粘度対時間のグラフ的表示で
ある。
第6図は、界面活性剤パッケージへのエマルザンの添
加の粘度における効果を示す、非イオン性界面活性剤と
アニオン性界面活性剤よりなる界面活性剤パッケージを
用いたカンザス原油およびテキサス塩水で調製された2
つのエマルジョンに関する粘度対時間のグラフ的表示で
ある。
第7図は、界面活性剤パッケージへの乳化安定剤(エ
マルザン、あるいは従来用いられている乳化安定剤であ
るスルホン化リグニンおよびスルホン化ナフタレン)の
添加の粘度における効果を比較する、テキサス、ファイ
ヤフロッド原油および非イオン性界面活性剤とアニオン
性界面活性剤で構成される界面活性剤パッケージで調製
された4つのエマルジョンに関する粘度対時間のグラフ
的表示である。
第8図は3インチパイプラインを通しての炭化水素ゾ
ルの形成およびポンプ送に用いられるパイロット試験シ
ステムの概略的表示である。
第9図は、炉の前部壁面からの距離の関数としての、
第6号重油および第6号重油より調製された予め細霧化
された燃料の燃焼時における火炎軸に沿った固体濃度に
おける変化のグラフ的表示である。
第10図は、炉の前部壁面からの距離の関数としての、
第6号重油および第6号重油より調製された予め細霧化
された燃料の燃焼時における軸まわりの火炎温度の変化
のグラフ的表示である。
第11図は、乳化ピッチ、即ち水−中−ピッチの燃焼時
に測定した余分の酸素レベルの関数として、2つの燃料
プレヒート温度で燃焼した煙道ガスCO濃度のグラフ的表
示である。そして、 第12図は、乳化ピッチ、即ち水−中−ピッチの燃焼時
に測定した余分の酸素レベルの関数として、2つの燃料
プレヒート(予熱)温度で燃焼し、測定した不透明度の
グラフ的表示である。
6.発明の詳細な説明 6.1 界面活性剤パッケージ 本発明の界面活性剤パッケージは、極めて種々の化学
的および微生物的界面活性剤で調製され得、そして好ま
しくは、油−中−水型に対抗する、水−中−油型エマル
ジョンを形成するために水溶性界面活性剤で調製され
る。この界面活性剤パッケージは、多数の化学界面活性
剤を単独で、あるいは同種の化学共同性界面活性剤と組
合せて(例えば水溶性非イオン性界面活性剤類の組合
せ)あるいは異種の化学共同性界面活性剤と組合せて
(例えば、水溶性の非イオン性、アニオン性、カチオン
性および/または両性界面活性剤の組合せ)使用して調
製され得、さらにまた、(a)共同性界面活性剤(類)
として単独の水溶性バイオ界面活性剤もしくはバイオ界
面活性剤の組合せおよび/または(b)乳化安定剤
(類)として単独の水溶性バイオ乳化剤もしくはバイオ
乳化剤の組合せと組合せて調製され得る。ある例におい
て、化学乳化安定剤はまたバイオ乳化剤に代えて使用さ
れ得る。ある例において、界面活性剤パッケージ含有水
性層にレオロジー制御剤を加えることも同様に好まし
い。さらに、微生物性界面活性剤のみ、すなわちバイオ
界面活性剤とバイオ乳化剤との組合せ群のみよりなる界
面活性剤パッケージを調製することも可能である。本発
明の界面活性剤パッケージは、乳化される粘性油の種類
により変化する。以下の一般的組成物は説明のために提
示される。粘性原油に関して、界面活性剤パッケージは
少なくとも1つの化学界面活性剤と少なくとも1つのバ
イオ乳化剤で構成されることで調製され得る。これらは
また、少なくとも1つの水溶性非イオン性界面活性剤、
少なくとも1つの水溶性アニオン性界面活性剤および少
なくとも1つのバイオ乳化剤で構成されることで調製さ
れ得る。粘性残油に関して、界面活性剤パッケージは、
少なくとも1つの水溶性非イオン性界面活性剤もしくは
少なくとも1つのアニオン性界面活性剤もしくは非イオ
ン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤の組合せで構成
されることで調製され得、そしてさらにバイオ界面活性
剤および/またはバイオ乳化剤を含んでも調製され得
る。
界面活性剤パッケージにおいて使用されるのに適した
水溶性非イオン性化学界面活性剤の種類を第3表に列挙
する。
第 3 表 非イオン性化学界面活性剤のクラスおよびサブクラス アルコール類、エトキシ化 アルキルフェノール類、エトキシ化 カルボン酸エステル類、エトキシ化 グリセロールエステル類 ポリエチレングリコールエステル類 アンヒドロソルビトールエステル類 天然、脂肪および油、エトキシ化 エチレンおよびジエチレングリコールエステル類 プロパンジオールエステル類 その他のカルボン酸エステル類 カルボン酸アミド類、エトキシ化 アミン類、ポリオキシアルキル化 ポリアルキレンオキサイドブロックコポリマー類 ポリ(オキシエチレン−コ−オキシプロピレン) ブロックコポリマー類 リバース(reverse)ブロックコポリマー類 ポリアルキレンオキサイドコポリマー類 粘性原油のための界面活性剤パッケージにおいて、好
ましい水溶性非イオン性化学界面活性剤はエトキシ化ア
ルキルフェノールおよびエトキシ化アルコールである。
粘性残油のための界面活性剤パッケージにおいて、好ま
しい水溶性非イオン性界面活性剤はまたエトキシ化アル
キルフェノールポリオキシアルキル化アミンおよびポリ
アルキレンオキサイドブロックコポリマー類である。エ
トキシ化アルキルフェノール類は一般式 RXC6H4(OC2H4nOH (式中、Rは約8〜12個の炭素原子を含むアルキル基
(すなわち約C8〜約C12)、xはアルキル基の数を表わ
すもので1または2であり、そしてnは約1〜約150の
範囲にあるエトキシ基の数(エチレンオキサイドのモ
ル)を表わす。)のものである。〔市販に得られるエト
キシ化アルキルフェノールの一覧については、エンサイ
クロペディア オブ ケミカル テクノロジー,キルク
−オスマー(第3版),第22巻,第366〜第367頁,ジョ
ンウィレイ アンド サンズ,ニューヨーク(1983年)
[Encyclopedia of Chemical Technology,Kirk−Othmer
(Third Edition),Volume22,pp.366−367,John Willey
& Sons,New York(1983)]中の「界面活性剤および
清浄システム」を参照のこと。〕粘性原油のための界面
活性剤パッケージにおいて、好ましいエトキシ化アルキ
ルフェノールは、8または9個の炭素原子のR基を有し
かつ約7〜約150のエトキシ基を有するものである。エ
トキシ化アルキルフェノールの特に好ましいものの例と
しては、約40のエトキシ基を有するモノノニルフェノー
ルである。粘性残油のための界面活性剤パッケージにお
いて、好ましいエトキシ化アルキルフェノールは8また
は9個の炭素原子のアルキル基を有しかつ約9〜約150
のエトキシ基を有するものである。該粘性残油に用いら
れるエトキシ化アルキルフェノールの特に好ましいもの
の例としては、約16のエトキシ基を有するモノオクチル
フェノール、約40のエトキシ基を有するモノノニルフェ
ノールおよび約150のエトキシ基を有するジノニルフェ
ノールである。
エトキシ化アルコール類は一般式 R(OC2H4nOH (式中Rは約6〜約18個の炭素原子を含む脂肪族基
(線状または分岐状)を表わし、またnは、約2〜約10
0の範囲であり得るエトキシ基の数を表わす。)のもの
である。〔市販に得られるエトキシ化アルコールの一覧
については、エンサイクロペディア オブ ケミカル
テクノロジー、上記、第364〜365頁中の「界面活性剤お
よび洗浄システム」を参照のこと。〕エトキシ化アルコ
ールの例は、約3〜約9のエトキシ基を有するエトキシ
化トリメチルノナノールおよび約3〜約30のエトキシ
基、しかし好ましくは約7以上のエトキシ基を有しかつ
約11〜約15個の炭素原子のR基を持つエトキシ化第2ア
ルコールを含むものである。
ポリオキシアルキル化アミン類は一般式 RxNy(CH2 (式中Rは2または3個の炭素原子を含むオキシアル
キル基を表わすものである。このR基は約4〜約500の
範囲の数であり得、この数はxによって表わされる。ア
ミン基の数はyによって表わされそしてアルキル基は好
ましくはエチル(C2H4)である。)好ましいポリオキシ
アルキル化アミンとしては2または3個の炭素原子のR
基を有しかつ約50〜約450のオキシアルキル基を有する
ものである。ポリオキシアルキル化アミンの特に好まし
いものの例としては、約50のエトキシ基を有するおよび
約60のプロポキシ基を有するポリオキシアルキル化ジア
ミンである。
ポリ(オキシエチレン−コー−オキシプロピレン)ブ
ロック共重合体類は、一般式 (式中、はオキシエチレン基の数を表わし、かつ
はオキシプロピレン基の数を表わす。)のものである。
好ましいブロック共重合体類は、出発ブロックの分子量
が800〜1,000ダルトンであり、エチレンオキサイドが付
加され最終ブロックコポリマーは80%エチレンオキサイ
ドであり、そして最終分子量が約4,500ダルトンであるE
OPOEOブロック共重合体類である。
本発明の界面活性剤パッケージにおいて用いられるの
に適した水溶性アニオン性化学界面活性剤の種類を第4
表に列挙する。
第 4 表 アニオン性化学界面活性剤のクラスおよびサブクラス カルボン酸類およびその塩類 スルフォン酸類およびその塩類 リグノスルフォネート類 アルキルベンゼンスルフォネート類 アルキルベンゼンスルフォネート類、高分子化 アルキルアリールスルフォネート類、短鎖 アルキルアリールスルフォネート類、高分子化 ナフタレンスルフォネート類 アルキルナフタレンスルフォネート類、高分子化 ナフタレン/ホルムアルデヒド縮合重合体類 ペトロリアムスルフォネート類 エステル、エーテルまたはアミド結合を有するス ルフォン酸塩類(スルフォコハク酸ジアルキル) その他のスルフォン酸塩類 硫酸エステル類および硫酸塩類 アルコール類、スルフェート化 アルコール類、エトキシ化およびスルフェート化 アルキルフェノール類、エトキシ化および/また はスルフェート化 酸、アミド、およびエステル類、スルフェート化 天然脂肪および油類、スルフェート化 リン酸およびポリリン酸エステル類(および塩類) アルコールおよびフェノール類、アルコキシ化および
リン酸化(およびこれらの塩類) その他のリン酸およびポリリン酸エステル類(および
これらの塩類) カルボン酸エステル類 粘性原油および粘性残油の双方に用いられる界面活性
剤パッケージにおいて、好ましい水溶性アニオン性化学
界面活性剤は非イオン性界面活性剤のスルフォン化ある
いはスルフェート化形態である。粘性原油のための界面
活性剤パッケージにおいて、エトキシ化アルコール硫酸
エステル類が好ましい。粘性残油のための界面活性剤パ
ッケージにおいて、スルフォン化あるいはスルフェート
化エトキシ化アルキルフェノール類およびエトキシ化ア
ルコール硫酸エステル類が好ましい。粘性原油油および
粘性残油の双方のための界面活性剤パッケージにおい
て、アルキルアリールスルフェートがまた好ましいアニ
オン性化学界面活性剤である。エトキシ化およびスルフ
ェート化アルコールは一般式 R(OC2H4nOSO3M (式中Rは約6〜約16個、好ましくは約12〜約14個、
の炭素原子を含む脂肪族基を、nは、約1〜約4、好ま
しくは約2〜約3の範囲である得るエトキシ基の数を表
わし、またMは、これに限定されるわけではないが、ア
ンモニウム(NH4)、ナトリウム(Na)、カリウム
(K)、カルシウム(Ca)またはトリエタノールアミ
ン、を含み、好ましくはアンモニウムである。)のもの
である。〔市販に得られるエトキシ化アルコール硫酸エ
ステルの一覧については、エンサイクロペディア オブ
ケミカル テクノロジー、上記、第357頁中の「界面
活性剤および洗浄システム」を参照のこと。〕エトキシ
化アルコール硫酸エステルのアルコール分は偶数または
奇数またはこれらの混合物であり得る。粘性原油のため
の界面活性剤パッケージにおいて、エトキシ化アルコー
ル硫酸エステルの特に好ましいものの例としてはポリ
(3)エトキシC12〜C14線状第1アルコール硫酸エステ
ル、アンモニウム塩である。非エトキシ化アルコール硫
酸エステル、すなわち上記した一般式R(OC2H4nOSO3
M(ただしn=0である。)で表わされるスルフェート
化アルコールを使用することも可能である。残油のため
の界面活性剤パッケージにおいて、非エトキシ化アルコ
ール硫酸エステルの特に好ましいものの例は、スルフェ
ート化ラウリルアルコールのナトリウム塩である。
スルフェート化エトキシ化アルキルフェノール類は一
般式 RC6H4(OC2H4nOSO3M (式中、Rは少なくとも約8または約9個の炭素原子
を含む脂肪酸基を、nは約1〜約100、好ましくは約4
〜約9の範囲であり得るエトキシ基の数を表わし、また
Mは、これに限定されるわけではないが、アンモニウム
(NH4 +)、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)および
カルシウム(Ca++)またはトリエタノールアミン(TE
A)を含むものであり、好ましくはアンモニウムであ
る。)のものである。
スルフェート化エトキシ化アルキルフェノールの特に
好ましいものの例は、約4つのエトキシ基(これに限定
されるわけではない。)を含むスルフェート化ノニルフ
ェノールエトキシレートのアンモニウム塩である。
スルフォン化アルキルアリールは一般式 RnArm(SO3xM (式中、Arはベンジル、ナフチル、フェニル、トリ
ル、キシリルまたはエチルフェニルである芳香族基で、
Rは約2〜約16個の炭素原子を含む線状または分岐鎖状
アルキル基で、nは1または2で、mは1またはそれ以
上で、xは少なくとも約1であり、そしてMは、これに
限定されることはないが、アンモニウム、ナトリウム、
カリウム、カルシウムまたはトリエタノールアミンを含
むものである。)ものである。〔市販に得られるスルフ
ォン化アルキルアリールの一覧については、エンサイク
ロペディア オブ ケミカル テクノロジー、上記、第
358頁中の「界面活性剤および洗浄システム」を参照の
こと。〕スルフォン化アルキルアリールの一例としては
変性アミンドデシルベンゼンスルフォネートがある。粘
性原油のための界面活性剤パッケージにおいて、特に好
ましいアルミルアリールスルフォネートの例としては、
高分子化アルキルナフタレン スルフォネートのナトリ
ウム塩がある。
本発明の界面活性剤パッケージにおいて用いられる好
ましい水溶性微生物性界面活性剤は、バイオ乳化剤、す
なわち、高分子量、重合性状態、かなり特異的三次元構
造、疎水性および親水性状態、および油中におけるわず
かな溶解性のような特性によって、水−中−油型エマル
ジョン中の不連続な個々の油滴を維持して油/水界面を
有効に覆いこれにより合体よりエマルジョンを実質的に
安定化させる物質、として機能する任意の微生物性ある
いは他の生物学的誘導物質である。とりわけ好ましいバ
イオ乳化剤は、アシネトバクター[Acinetobacter]属
およびアルスロバクター[Arthrobacter]属の細菌によ
って産出されるヘテロポリサッカリドバイオポリマーで
あり、そして特に、アシネトバクター・カルコアセチカ
ス[Acinetobacter calcoaceticus]の菌株により産出
されたものである。このようなアシネトバクター ヘテ
ロポリサッカリド生体高分子は、これらに限定されるわ
けではないが、第4節に定義され、そして米国特許第4,
395,353号、第4,395,354号、第3,941,692号、第4,380,5
04号、第4,311,830号、第4,311,829号および第4,311,83
1号(関連により編込まれる。)にそれぞれ述べられ
た、アシネトバクター・カルコアセチカス ATCC 3101
2(マリーランド州ロックビル[Rockville,MD]のザ
アメリカン タイプカルチャー コレクション[the Am
erican Type Culture Collection]に供託)により産出
された、ポリアニオン性ヘテロポリサッカリドバイオポ
リマー類、α−エマルザン類、β−エマルザン類、プサ
イ−エマルザン類、アポ−α−エマルザン類、アポ−β
−エマルザン類およびアポ−プサイ−エマルザン類を含
むものである。用いられ得るその他のアシネトバクター
・カルコアセチカス物質は、菌株NS−1(NRRL B−15
847)、NS−4(NRRL B−15848)、NS−5(NRRL B
−15849)、NS−6(NRRL B−15860)およびNS−7
(NRRL B−15850)の産物である。前記「NS」菌株は
イリノイ州ペオリア「Peoria,IL」のザ ノーザン レ
ジオナル リサーチ センター[the Northern Regiona
l Reseach Center]に供託されており、そして前記NRRL
加入番号を指定されている。アシネトバクター・カルコ
アセチカスの「NS」菌株は、ここに関連により編込まれ
るものである。サー[Sar]とローゼンベルグ[Rosenbe
rg]、カレント ミクロバイオル[Current Microbi
d.](6):309〜314(1983)により詳述されてい
る。その他のアシネトバクター・カルコアセチカス ヘ
テロポリサッカリド バイオポリマーは、アシネトバク
ター・カルコアセチカス BD4により産出されたもので
ある〔テイラーとジュニ、ジェイ バクテリオル81:688
〜693(1961)[Taylor and Juni,J.Bacteriol.81:688
−693(1961)]、ここにおいて関連により編込まれ
る。〕。特に好ましいアシネトバクター ヘテロポリサ
ッカリド バイオポリマーは、α−エマルザン類であ
り、これの製造はさらに米国特許第4,230,801号および
第4,234,689号(ここにおいて、関連により編込まれ
る。)に詳述されている。該α−エマルザン類は、約20
0単位/ミリグラムないしそれ以上の比乳化活性度で特
徴づけられる(ここにおいて、比乳化活性度の1単位/
ミリグラムは、1:1容量比(v/v)のヘキサデカン/2−メ
チルナフタレン1mlおよびトリス−マグネシウム緩衝液
7.5mlを含んでなる標準炭化水素混合物を用いて100ケレ
ット[Klett]吸収単位を得るものであるバイオ乳化剤
のミリグラム当りの乳化活性度の量として定義され
る。)。
前述のアシネトバクター バイオ乳化剤は、本発明の
界面活性剤パッケージにおいて、こらに限定されるわけ
ではないが、発酵後保存ブロス[post−fermentation w
hole broth]、発酵後培養ブロスの無細胞[例えば、ミ
リポアフィルター[Millipore−Filter]にかけた)上
澄液または不完全無細胞上澄液、細胞それ自身、プロテ
アーゼ処理液状または乾燥物質、およびプロテアーゼ処
理限外濾過処理液状または乾燥物質を含む種々の形態で
用いられ得る。
多くのその他の微生物有機体が、本発明の界面活性剤
パッケージにおいて使用される、バイオ界面活性剤およ
びバイオ乳化剤を含む生物学的界面活性剤の源泉として
与えられ得る。これらの微生物のいくつかとこれらが産
出する化合物の種類が第5表に列挙されるが、この表
は、すべてを表わすものではない。本発明の界面活性剤
パッケージはまた、酸素非含有アミン類、酸素含有アミ
ン類、アミド結合アミン類および第4級アンモニウム塩
を含む(これらに限定されるわけではない。)水溶性カ
チオン性化学界面活性剤を用いて調製され得る。微生物
性界面活性剤と組合せてのカチオン性化学界面活性剤の
使用は、生物学的化合物の電荷特性を考慮することを要
求する。例えば、カチオン性化学界面活性剤は、おそら
く中性の微生物性界面活性剤と組合せて用いることが最
適であり、またおそらく好ましいポリアニオン性ヘテロ
ポリサッカリド バイオ乳化剤と組合せて用いないこと
が最適である。
微生物バイオ乳化剤の代替品、化学乳化安定剤を界面
活性剤パッケージ類に使用し得る。例えば、変性リグニ
ン類、例えばクラフトプロセス(kraft process)リグ
ニン類またはスルフォネート化フェノールフォルムアル
デヒドポリマー類のような界面活性高分子安定剤は、エ
マルジョン安定性を付与するために含まれるだろう。
乳化すべき炭化水素の密度があまりに大きいために炭
化水素液滴は、エマルジョンを沈降しがちである場合
に、かかる沈降を妨げまたは防止するために界面活性剤
パッケージ含有水性層にレオロジー制御剤を加えること
が好ましいであろう。レオロジー制御剤は、これらに限
定されるわけではないが、キサンタン(xanthans)のよ
うな微生物ポリサッカリド類を含む。
界面活性剤パッケージは、バイオ乳化剤を用いずに、
非イオン性化学界面活性剤または非イオン性およびアニ
オン性化学界面活性剤の組合せ(好ましくは、約1:1の
重量比)により調製され得るが、エマルジョンの安定化
のために、約1〜約50重量%の範囲のバイオ乳化剤また
は化学乳化剤を共に用いて調製される。約10〜約20重量
%の範囲および特にほぼ10〜15重量%のバイオ乳化剤ま
たは化学乳化安定剤で構成される界面活性剤パッケージ
が好ましい。バイオ乳化剤から成る界面活性剤パッケー
ジの例としては、(a)約10〜約15重量%のα−エマル
ザンと長さにおいて約11〜約15個の炭素原子の炭素鎖を
有するエトキシ化第2アルコール〔例えばタージトール
15−S−X[Tergitol 15−S−X](ユニオンカーバ
イトコーポレーション[Union Carbide Corp.])〕
(ここでXはエチレンオキサイドのモル数を表わしそし
て好ましくは7より多きい。)の組合せ、(b)約10〜
約15重量%のα−エマルザンと約20〜約25重量%のエト
キシ化トリメチルノナノール〔例えば、タージトールTM
N−6[Tergitol TMN−6](ユニオンカーバイトコー
ポレーション)〕および約60〜約70重量%のエトキシ化
アルキルフェノール〔例えばトリトン X−114[Trito
n X−114](ローン アンド ハース カンパニー
[Rohn & Hass Co.])〕の組合せ、そして(c)約15
重量%のα−エマルザンと約8または9個の炭素原子の
R基を有するエトキシ化アルキルフェノールの組合せが
ある。特に好ましい炭化水素ゾル形成用界面活性剤パッ
ケージは、約10〜約20重量%のα−エマルザンを、非イ
オン性エトキシ化アルキルフェノール〔例えばタージト
ール NP−40[Tergitol NP−40]〕とアニオン性エト
キシ化アルコール硫酸エステル〔例えば、アルフォニッ
ク 1412−A[Alfonic 1412−A](コノコ インコ
ーポレーテッド[Conoco,Inc.])〕の、該非イオン性
およびアニオン性界面活性剤の割合を約1:1で用いたも
のと組合せて構成される。特に好ましい炭化水素ゾル形
成用界面活性剤パッケージはα−エマルザン約15重量
%、タージトールNP−40約42.5重量%およびアルフォニ
ック1412−A的42.5重量%よりなる界面活性剤パッケー
ジにより例示される。界面活性剤パッケージは全濃度で
あるいは希釈水性溶液中で調製され得る。
粘性残油に用いる界面活性剤パッケージの例として、
アニオン性界面活性剤の組合せで、エトキシ化スルフェ
ートノニルフェノール85重量%および少なくとも約500
ダルトン、好ましくは少なくとも約2000ダルトンの分子
量を有する高分子化アルキルナフタレン スルフォン酸
のナトリウム塩15重量%である。
ピッチを原料にして水−中−炭化水素エマルジョン形
成用に好ましく、そして他の粘性残油の乳化に充分に作
用する界面活性剤パッケージの例として、約50重量%の
ポリ(オキシエチレン−コー−オキシプロピレン)ブロ
ック コポリマー[例えば、プルロニックF38、バスフ
ワイヤンドット コーポレーション(Pluronic Fc38
(BASF Wyamdotte Corp.))]、約20重量%のエトキシ
化ジアルキルフェノール[例えば、DNP150,ケマック
コーポレーション(Cheman Corp.)、150のエトキシ基
を有するジノニルフェノール]、約20重量%のエトキシ
化モノアルキルフェノール[例えば、タージトールNP−
40、ユニオン カーバイト コーポレーション]および
約10重量%の界面的に活性な化学高分子化安定剤[例え
ば、好ましくは、クラフト プロセス変性リグニン、例
えばインダリンAT(Indulin AT)(ウエストバコ コー
ポレーション、Westvaco Corp.)または代りのスルフェ
ネート化フェノールホルムアルデヒドポリマー例えば、
ダグサド17(Daxad(7)(ダブリュ.アール.グレー
ス アンド カンパニー、W.R.Grace & Co.)]から構
成されるものがある。熱分解ピッチに対しては、キサン
タン(Xanthan)[例えば、フロドリル−S(Flodrill
−S)(プフィッツァーPfizer)]のようなレオロジー
制御剤を含むことが好ましい。レオロジー制御剤をすで
に界面活性剤パッケージが加えられている水性層に、水
性層の1%以下、好ましくは約0.15%の量で主に加え
る。
6.2 粘性原油および残油 本発明の界面活性剤パッケージ組成物は、これによっ
て輸送および/または直接燃焼され得るものとなる水−
中−油型エマルジョンにおいて多数の炭化水素類を乳化
するまでは乳化するおよび実質的に安定化させるために
用いられ得るものである。本発明のおいて使用するのに
適した粘性炭化水素類の一般的に容認された正確な定義
がないので、これらはこれらの一般的特性の用語におい
て論述されるのが最良である。粘性炭化水素類は、天然
発生粘性原油類(重質原油とも呼ばれる)ならびに熱分
解ピッチ、減圧残油、その他の残燃料油およびアスファ
ルトなどのような精製過程からの残留するバレル[barr
el]底部製品を包含するものである。〔第4節、術語、
上記参照のこと。〕低い比重は高い密度と必ずしも一致
しないが、これらの特性は粘性炭化水素類において一般
に相関する。
一般に以下の特性は、原油と残油の種類、本発明の組
成物と方法によりより容易とされ得る取扱いおよび利用
を象徴するものである。
1. 低いAPI比重、一般に約20゜APIであるまたはそれ以
下である。これは安易に計測されるためそして20゜API
原油は従来の製造技法で回収されうる低い方の限度と概
略一致するために、最もひんぱんに用いられる基準であ
る。
2. 約102〜106センチポイズ(cp)の範囲の粘度、ある
いはいくつかの場合においてはこれよりもさらに高い粘
度。
3. 高い金属含有量。例えば重質原油しばしば500ppmの
高さほどのニッケルおよびバナジウム含有量を有する。
4. 高い硫黄含有量。例えば3重量%ないしそれ以上。
5. 高いアスファルテン含有量。
6. 高い流動点。
もちろん、より軽質な原油もまた本発明の界面活性剤
パッケージで乳化および/または安定化され得るもので
あることは、注意すべきことである。しかしながら、軽
質油の輸送および燃焼は、高粘性の原油および残油の場
合と同様の問題が存在しないので、本発明の組成物およ
び方法は、特に重質原料の使用に注がれるものである。
それにもかかわらず、放射を減少させる目的で、これら
の軽質油を材料として予め細霧化された燃料を形成する
ために有用なものである。本発明の界面活性剤パッケー
ジを用いて、乳化され得るものであり、そして輸送およ
び/または燃焼の目的のために乳化するのに、最も有用
なものであるこれらの粘性炭化水素類は、約50重量%な
いしそれ以下のパラフィン含有量および15重量%ないし
それ以上の芳香族含有量を有しかつ150゜Fでの100セン
チポイズないしそれ以上の粘度を有するものとして一般
的に定義される。粘性残油は一般に、約4〜約40重量%
の範囲のパラフィン含量、約15〜約70重量%の範囲の芳
香族含量および約5〜約80重量%の範囲のアスファルテ
ン含量により特徴づけられる。
さらに限定的には、本発明の界面活性剤パッケージを
用いて有効に乳化され安定化され得る原油の種類は、ボ
スカン[Boscan](ベネズエラ)原油、東テキサス原
油、ジャバロ[Jabaro]およびバルトラ[Bartra](ペ
ルー)原油、エルジャボ[El Jabo](ベネズエラ)原
油およびカンザス原油を含むものである。本発明の界面
活性剤パッケージを用いて有効に乳化され安定化され得
る特定の粘性残油は、カルフォルニア減圧残油、オクラ
ホマ減圧残油、ジャーマン ビスブレーカー[Garman v
is−breaker]残油、テキサス ビスブレーカー残油、
接触水素化残油、ROSE残油、カットバックタールおよび
熱分解ピッチを含むものである。
さらにまた、米国工業規格(ASTM)級第6号油として
分類されるもののような残燃料油または乳化され得る。
ときどき「バンカー C[Bunker C]油と呼ばれる、
第6号油は、商業的および工業的加熱において最も使用
される高粘度油である。これらの利用は通常、貯蔵タン
クにおいてポンプ送し得るように予熱することを必要と
し、そしてバーナーにおいて細霧化し得るようにさらに
予熱することを必要とする。乳化されていない形態にお
ける第6号燃料の取扱いに必要とされる特別な装置と維
持は、通常小さな設備における使用を阻害するものであ
る。第6号重油のASTM標準仕様は第6表に要約される
〔1981 ブック オブ エイエスティーエム スタンダ
ーズ,パート23[1981 Book of ASTM Standards,Part2
3]中、「重油に関する標準仕様」、ASTM指定D396〜8
0〕 6.3 エマルジョン形成 第6.1節の界面活性剤パッケージは、約90重量%程度
の多くの第6.2節で述べた粘性炭化水素を含有する水−
中−油型エマルジョンを形成するために用いられ得る。
炭化水素が乳化されるところの水性相は、脱イオン水、
都市水源よりの水またはどんな水でも、あるいは、油産
出、輸送もしくは利用の地のすぐ近くに存在する、遺留
水または塩水のような比較的多量の溶解固形分を有する
水なども含まれる任意の水であり得る。水性相はまた、
メタノール/水、エタノール/水あるいはその他の低級
アルコール/水混合物のようなアルコール/水混合物で
あり得、そしてさらに抗腐食剤、抗汚濁剤または燃焼改
良剤などのような添加剤を含み得る。水−中−油型エマ
ルジョンは好ましくは約60/40〜約80/20の油/水比、そ
してさらに好ましくは約65/35〜約75/25の油/水比で含
むものである。
水−中−油型エマルジョンの形成において、特定の輸
送または利用要件に適するものへと満足なエマルジョン
特性を維持する一方、できるだけ少量の界面活性剤パッ
ケージを使用することが経済的に望ましい。第6.1節の
界面活性剤パッケージは、約1:35〜約1:20,000の界面活
性剤パッケージ:炭化水素の重量比において用いられ得
る。用いられるこの比率は、乳化される炭化水素の種類
および/または乳化する目的に依存し得る。
水−中−油型エマルジョン形成は、多数の好ましい手
段によって導びかれ得る。例えば、界面活性剤パッケー
ジの有効量を含む水性相が、好ましい混合装置にかけら
れる直前に計量注入により炭化水素相へ接触されること
ができる。計量は、好ましくは、所望する炭化水素/水
比が比較的一定に保たれるように維持される。ポンプ装
置、インライン定常混合器[in−line static mixer]
またはコロイドミルなどのような混合装置は、乳化を引
き起すために十分な撹拌を与えるために用いられ得る。
より特定の例として、残油の輸送または利用に関し、約
30%(v/v)の水性相中の加熱残油を、第6.1節の界面活
性剤パッケージの1つを用いて、精油所の減圧蒸留装置
に存在する際に乳化することが可能である。
6.3.1 高温における予め細霧化された燃料の形成 いくつかの低比重残滓性炭化水素類は、極端に粘稠で
あり、そしてこれらを取扱うに十分な流体とするため非
常に高い温度を必要とする。このような炭化水素類は、
212゜Fで約1000cp以上である粘度により特徴づけられ
る。このように高い温度を維持することは、これらの炭
化水素類の長期貯蔵および輸送に経済的に適さない。ま
たこれらの粘性炭化水素類を多くのより軽質の油(カッ
ターストック)と調合することは、取扱うことのできる
粘度を達成するために必要とされるより軽質な油の量か
あるいはより軽質の油の均質な調合をなさせない粘性炭
化水素の好ましからざる特性のいづれかの原因で経済的
に好ましくないものとなる。
本発明は、極度に粘稠な炭化水素を取扱うための新し
いアプローチを、予め細霧化された燃料を形成するため
のこのような炭化水素の水中へ安定な分散によって提供
するものである。予め細霧化された燃料の形成は、粘性
炭化水素が流体となるように該粘性炭化水素を高温へ加
熱することにより達成される。この加熱炭化水素相は、
第6.1節で述べたような適当な界面活性剤および/また
は安定剤を含有している水性相と接触させられる。予め
細霧化された燃料の成功裡な形成を達成するための重要
なポイントは、水性相に蒸発をなさせないように導入過
程全般を通じた圧力の維持である。適当な圧力、すなわ
ち水性相中の水の沸騰を阻止するために必要とされる圧
力よって、水性相は液体状態をとどめ、これにより連続
水相中への炭化水素相の安定な分散をなさせる。得られ
た加熱状態の予め細霧化された燃料は、適当な熱交換器
を用いて迅速に冷却されるため、予め細霧化された燃料
の出口温度が大気圧において水性相の気化温度より低い
ものである。あるいはこれに代えて、圧力が減少されそ
して混合物が予め細霧化された燃料中に含まれる水の部
分をフラッシングすることにより冷却される。
6.3.2 熱分解炭化水素排出物を用いての予め細霧化さ
れた燃料の形成 精製工業において一般に知られているように、熱分解
装置の排出物より得られる残滓性炭化水素類は一般的で
はない問題を有している。高比重炭化水素のより多くの
量を得る操作において必要とされる極度の条件は、独特
な非混合性の留分への分離の可能性が必常に大きな残留
物をもたらす。この現象の起こる理由は十分明らかなも
のではないが、アスファルテンなどのような高分子量成
分の不安定化が一因となっていると考えられている。こ
のような炭化水素類が第6.3節で述べられたような予め
細霧化された燃料の形成に用いられる際、得られる水−
中−油型エマルジョンは、静置の短い時間の後に3つの
相に分離する。これらの層は低API比重炭化水素底部
相、水/界面活性剤中間相および高圧API比重炭化水素
上部相よりなるものである。特定な理論により結合ある
いは拘束されることを求めることなく、分離は、「粘着
性のある状態」およびオストワルド熱成現象[Ostwald
ripening phenomena]の双方に帰するものである複合相
互作用の発現に十分な時間を許すものである、この予め
細霧化された燃料のゆっくりとした冷却により起るもの
であることを本発明者らは理論立てた。分離へ向かう傾
向は適当な熱交換器の使用あるいは炭化水素の軟化点よ
りも少なくとも約100゜F低い温度へのこの新しく形成
された予め細霧化された燃料を迅速に急冷する方法によ
って減少され得る。水−中−油型エマルジョンの混合装
置に存在する際の迅速な急冷によって、時間の経過によ
って分離するものではない安定した予め細霧化された燃
料が達成される。さらに加熱された予め細霧化された燃
料の迅速な急冷は、上記した複合相互作用が起こるのに
十分な時間を許さないことが理論づけられた。
6.3.3 スラリーの予め細霧化された燃料との混合 液体燃料のbtu(英国式燃料単位)含有量を高めるた
めの経済的方法は、低軟化点燃料中へ高軟化点の炭化水
素性原料(例えば、石炭、コークス、ROSE残油等)を加
入させることにより達成される。これは通常高軟化点炭
化水素を非常に小さな粒子(通常直径約100μm)を形
成するように粉砕しそして次に、液体燃料中へこの固体
粒子を分散させることにより行なわれる。しかしながら
液体中の固体の分散は、増加した粘度などのような好ま
しからざる特性を有する燃料の製造という結果に終わ
る。
高軟化点の炭化水素性原料(例えば石炭、コークス、
ROSE残油等)を経済的に利用する新しい方法は、これら
を予め細霧化された燃料中へ加入することにより達成さ
れる。これは、最初に、高軟化点の物質を非常に微細な
粒子(通常約30μm未満)に粉砕し、そして次に該粒子
を予め細霧化された燃料に適合する界面活性剤パッケー
ジを含有する連続水性相へ分散させることによりスラリ
ーを形成することにより行なわれる。
分散された粒子のスラリーは適当な比率で、スラリー
を形成するために用いられたもの以外の炭化水素により
調製された予め細霧化された燃料と混合される。このス
ラリーの予め細霧化された燃料との混合は、混合される
前のスラリーもしくは予め細霧化された燃料よりも低い
粘度を有する液体燃料を提供する。スラリー/予め細霧
化された燃料混合物において観察される減少された粘度
の理由は十分明らかにされてはいないが、特定の理論に
より結合あるいは拘束されることを求めることなく、本
発明者らは、粒子から粒子への相互作用の低減がその一
因となっていることと考える。
6.3.4 きれいな燃焼用の予め細霧化された燃料を得る
ための高粘性炭化水素の乳化 いかなる特定の理論により拘束あるいは限定されるこ
とを求めることなく、出願人は、ここに記載の予め細霧
化された燃料の燃焼により達成された微粒子放出物の低
減が水−中−炭化水素エマルジョン中の炭化水素相の粒
子または液滴の大きさに関連することを理論だてる:一
般的に言って、粒子径が小さくなればなる程、燃焼がき
れいになる。次のパラメーターは、粒子径低減に最も大
きな衝撃を与えるものであると確認された:炭化水素粘
度(温度)、界面活性剤特性(界面張力、溶解性等)、
界面活性剤処理割合(表面積保護)、エナージー入力
(剪断)および水温(界面活性剤易動度)。少なくとも
50μmおよび好ましくは20μmもしくはそれ以下に粒子
径を低減することが好ましい。
説明として、熱分解でガス油からエチレン製造時に製
造された副産物である熱分解ピッチ(シェル オイル
コーポレーション)で作られた水−中−炭化水素エマル
ジョンの粒子径特性について研究した。炭化水素:水=
70:30でエマルジョンを形成した。使用した界面活性剤
は、47.24重量%のEOPOEOブロックコポリマー[プルロ
ニックF38(バスフ ワイアンドット コーポレーショ
ン]、21.38重量%の150のエトキシ基を有するジノニル
フェノール[DNP150(ケマック コーポレーショ
ン)]、21.38重量%の40のエトキシ基を有するモノノ
ニルフェノール[タージトールNP−40(ユニオン カー
バイト コーポレーション)]および変形リグニン[イ
ンダリンAT(ウエストバコ コーポレーション)]から
構成されるものであった。エマルジョンは、炭化水素と
水性相をG−10シャーロット コロイド ミル[Charlo
tte Colloid Mill]に供給して形成した。
炭化水素粘性の粒子径に対する影響は、エマルジョン
形成前に炭化水素相の入口温度を変化させて研究した。
界面活性剤パッケージは、界面活性剤/炭化水素を1/25
0(w/w)の処理割合で使用した。水相の入口温度は、83
〜85゜Fであった。生産レートは、2gpmで、ミルの間隙
は0.035インチであった。許容可能な粒子径(約50μm
またはそれ以下)は、200゜F(2,310cp)〜290゜F(1
00cp)の炭化水素温度範囲に渡って達成された。最大容
量画分用の最小粒子径(約20μmまたはそれ以下)は、
230゜F(610cp)〜250゜F(310cp)の炭化水素温度内
で生じた。
界面活性剤濃度の粒子径に対する影響は、界面活性剤
処理割合を変更することにより研究した。コロイドミル
に対する炭化水素および水性相の入口温度は、それぞれ
250゜Fおよび80゜Fであった。生産レートは、2gpmで
ミルの間隙は0.035インチであった。界面活性剤/炭化
水素が1/450(w/w)程度の処理割合は使用し得るが、最
大容量画分用の最大粒径(約20μmまたはそれ以下)は
1/125またはそれ以上の処理割合で得られた。処理割合
は、制御用粒子径の測定では最も臨界的な変数の一つで
あることが認められた。
入口水温の粒子径に対する影響を測定するために行な
った試験において、特別の試験条件のもとで明確なまた
は重要な相関関係が存在しないことが示された。その条
件は次のようであった:入口水温80゜F,103゜Fおよび1
18゜F、入口炭化水素温度250゜F、界面活性剤/炭化
水素の処理割合は1/125(w/w)、生産レート2gpm、間隙
0.035インチ。
レオロジー的添加物の粒子径に対する影響は、0.15%
で粘性改質剤[キサンタン(xanthan)例えばプフィッ
ツァーからのフロッドリル−S(Flodrill−S)]を界
面活性剤/炭化水素を1/125〜1/265(w/w)に変化する
界面活性剤処理割合で水性相に加えて研究した。入口炭
化水素および水温は、それぞれ250゜Fおよび80゜Fで
あった。生産レートは、2gpmであり、間隙は0.035イン
チであった。粘性改質剤を加えると、与えられた界面活
性剤濃度で粒子径において約30%の総降下を生じた。水
性相経由で追加粘性を導入することにより、炭化水素/
水混合物がより小さな粒子径を生ずるようにより大きな
エナジー入力(即ち、より剪断すること)経験すること
は示される。
6.4 エマルザン安定化炭化水素ゾルの特性 水−中−炭化水素エマルジョンの炭化水素液滴は製造
過程において通常表面へと上昇し、そして水性相上に
「浮く」こととなる。これはクリーミングとして公知で
あり、また炭化水素相の密度が水性相のそれよりも低い
ためおよび分散された相における該液滴がブラウン運動
により安定化されるには大きすぎるためにもたらされる
ものである。「クリーム」が与えられた時間の間乱され
ないものをとどめている場合、液滴は合体し、2つの分
離した相へ発展することとなる。エマルザン、特にα−
エマルザンは合体の阻止においてきわめて有効であり、
そして「クリーム」中のエマルザン安定化液滴は水性相
中へ容易に再分散し得る。
エマルジョン安定性を制御する主な要因は、静電(帯
電)効果および立体高価である。エマルザン類の特性
は、これらの機構の最適な開拓に役立つものである。こ
れらの大きさ分子量およびかなり特異的な三次元構造
は、炭化水素/水界面の有効な被覆をもたらすものであ
る。これは隣接する液滴が衝突した際の油の油への接触
を効果的に阻止するものである。同時に、エマルザン類
のポリアニオン性状態に、斥力を生みそして炭化水素液
滴間における衝突頻度を顕著に減少させるものである負
に帯電したエマルジョン液滴の表面をもたらす。加え
て、水相における多分子性エマルザンミセルの不存在お
よび炭化水素相におけるエマルザン溶解性の欠除は、油
/水界面へのエマルザン分子の効果的な移動および付着
をもたらす。エマルジョン安定化に関する最終的な化学
的要求はこれにより非常に小さなものとなりそして油滴
の大きさ、すなわち望まれる界面的領域に直接関係する
ものとなる。
エマルザン類が既存のエマルジョン安定剤を超えて与
える利点は、以下に要約される。炭化水素ゾルにおい
て、エマルザンは油/水界面のみに卓越的に存在し、本
質的に水相中および油相中のいずれにも数え得るエマル
ザンは見出すことができない。過剰な水の存在において
も、非常にわずかの量のエマルザンが要求されるのみで
ある。エマルザン安定化炭化水素ゾルは、約1:4よりも
低い水:油比においても、油−中−水型エマルジョンへ
の転化を効果的に阻止するものである。これはエマルザ
ンの油中における不溶性に一部よるところであり、また
エマルザン分子の特異的三次元構造に一部帰因するもの
である。
6.5 炭化水素類の調合 いくらかの場合において、炭化水素類は従来の製造方
法に関して粘稠すぎるものであり、また安定な予め細霧
化された燃料中へ取込まれるのに不都合なものとしてし
まう特徴(すなわち、低比重、過剰なパラフィン、芳香
族および/またはアスファルテン含量など)を有するも
のである。製造のために粘度を低減するまたは好ましく
ない特徴を軽減するひとつの方法はこの好ましくない炭
化水素を好ましいものを有する炭化水素と調合すること
であり、これは予め細霧化された燃料の形成に適した特
性を有する炭化水素をもたらすことになる。この方法に
おいて、その他の点で使用不可能な炭化水素は使用可能
な形態へと「調整」され得る。
6.6 炭化水素ゾルの輸送および利用 炭化水素ゾルは、これらがバイオ乳化剤を含有してい
るゆえに、タンカー、バージにおいておよびより重要な
ことには標準的非加熱パイプライン網を含む従来のパイ
プラインを通してこれらを輸送することを許容する特性
を有している。特にパイプライン化のために重要であ
る、炭化水素ゾルにより示される特性はとりわけ、低減
された粘度、比較的剪断速度の高い条件においてもなさ
れる合体に対する安定性、高含塩性水性相での適合する
形成、および非腐食性状態である。約60゜Fでの約500c
p未満の粘度を有する炭化水素ゾルは、許容される流速
およびほどよい圧力低下で、油の輸送のための遠心ポン
プの経済的使用をなさせ得るものである。パイプライン
化の目的のため、約1:100〜約1:5,000の範囲内の比率に
おいて変えられる最小有効濃度で第6.1節の界面活性剤
パッケージを使用することが望ましい。炭化水素ゾルは
非加熱貯蔵タンクにおいて貯蔵され得、そして均質性を
維持するために撹拌が、ここにおいて任意的に与えられ
得る。
これらのものの目的地へ輸送された場合、もし望まれ
るならば炭化水素ゾルは解乳化され得る。より重要なこ
とは、炭化水素ゾルは他の予め細霧化された燃料と同様
に、脱水処理することなく、直接可燃性燃料として利用
することができる。これらは、現在、第6号重油、すな
わちいわゆるバンカーC重油、を発火させるのに用いら
れている燃焼装置、とりわけ、蒸気ボイラ、加熱システ
ム、もしくは溶鉱炉において使用され得るものである。
炭化水素ゾルは、他の予め細霧化された燃料の場合と同
じように、燃料コスト、貯蔵コストおよび原料取扱コス
トを低くすることによって高額でないプラント操作を潜
在的に許容するものとなる。炭化水素ゾルおよびその他
の予め細霧化された燃料は、その状態によって第2号ま
たはそれより高い等級の燃料の置換物として適用され得
る。
利用前の長い貯蔵期間または長い距離にわたる輸送が
要求されない場合には、炭化水素ゾルにより示される安
定性はより臨界的でないものとなる。短い距離の輸送ま
たは現地的利用が計画される場合には、バイオ乳化剤安
定化エマルジョンを形成することは必ずしも必要ではな
い。さらに、燃焼を容易とするために安定化されたエマ
ルジョンを形成することは必ずしも必要ではない、すな
わちエマルジョン安定性は通常良好な燃焼特性には要求
されない。それゆえ燃焼に適した予め細霧化された燃料
は、1つの化学界面活性剤のみで、または化学界面活性
剤を組合せて調製された第6.1節に述べたような界面活
性剤パッケージを用いて粘性炭化水素を乳化して調製さ
れ得る。例えば、70/30の第6号重油/水エマルジョン
は、等重量比の非イオン性化学界面活性剤とアニオン性
化学界面活性剤とにより構成される界面活性剤パッケー
ジを用いて調製され得、そして得られた水−中−油型エ
マルジョン(これもまた予め細霧化された燃料と呼ばれ
る。)は直接燃焼させることが可能である。
7.実 施 例 7.1 バイオ乳化剤の調製 7.1.1 工業級α−エマルザンの調製 米国特許第4,395,354号(関連により編込まれる。上
記)に詳述されているように、エタノールにおける発酵
の間にアシネトバクター・カルコアセチカスATCC 3101
2により産出されたα−エマルザン類は、公知のバイオ
乳化剤である。下記に述べる実験において使用される該
α−エマルザン類は2つの方法のいずれかを用いて調製
された、工業級の(そうでなければ別の方法で指定され
たものである)物質であった。いずれの調製方法も酵素
処理および乾燥を含んでいるが、これらの段階が行なわ
れる順序が異なっていた。一方の方法によると、エタノ
ール媒体におけるアシネトバクター・カルコアセチカス
ATCC31012の発酵より得られたα−エマルザン類を含有
する遠心分離化(約90%の細胞を取去った)発酵ブロス
がドラムにて乾燥されそして得られた物質が使用前に以
下の方法によって処理された。物質、すなわち工業級α
−エマルザンの10重量%懸濁液が脱イオン水において調
製され、そして連続的に撹拌しながら50゜〜60℃へ加熱
した。懸濁液のpHは、50重量%水酸化ナトリウム(所望
ならば希釈される。)を添加することでpH8.5へと調整
された。プロテアーゼ酵素(ノボ インダストリーズ
[NOVO Industries]製、1.5M アルカラーゼ)が1部
(プロテアーゼ):500部(固形α−エマルザン)の値で
添加された。この混合物は撹拌しながら約3時間、50゜
〜60℃に保たれた。反応混合物を遠心分離後視認できる
沈澱性エマルザンの不在によって判断して、反応は完全
に進行させた。酵素処理の完了の後に、反応混合物はプ
ロテアーゼを変性させそしてその活性を失活するために
約70℃へ上げられた。溶液は室温まで冷却され、そして
保存剤であるコーサン PMA−30[Cosan PMA−30](コ
ーサン コーポレーション[Cosan Corporation])が
1部(コーサン):500部(α−エマルジョン溶液)の値
で添加された。もう一方の方法によると、α−エマルザ
ンの酵素処理は、以下の調書に従いドラムによる乾燥の
前に行なわれた。エタノール媒体においてのアシネトバ
クター・カルコアセチカスATCC31012の発酵により得ら
れたα−エマルザンを含有する発酵ブロスは、約90%の
細菌細胞を除去するために遠心分離にかけられた。遠心
分離したブロスに、プロテアーゼ酵素(前記のものと同
じ。)が1グラム(プロテアーゼ):500単位/ミリグラ
ム(比乳化活性度)(ここにおいて比乳化活性度の1単
位/ミリグラムは、1:1容量比のヘキサデカン/2−メチ
ルナフタレン1mlおよびトリス−マグネシウム緩衝液7.5
mlを含んでなる標準炭化水素混合物を用いての100ケレ
ット吸収単位を得るものであるバイオ乳化剤のミリグラ
ム当りの乳化活性度の量として定義される。)の割合で
添加された。プロテアーゼ反応は、上記に述べるように
して完了するまで進行された。プロテアーゼ処理化遠心
分離化ブロスは、次にα−エマルザンの10%(w/v)へ
と蒸発された。このスラリーは噴霧され乾燥され、そし
て得られた物質はまた、工業級α−エマルザンと呼ばれ
た。
7.1.2 アシネトバクター・カルコアセチカスバイオ乳
化剤の付加的な調製 アシネトバクター・カルコアセチカスATCC 31012の
発酵がエタノールにおいて、米国特許第4,395,354号に
おいて論述されるようにして行なわれた。得られたブロ
スの以下の画分は界面活性剤パッケージを調製するため
に用いられた;全ブロス、上澄液、細胞、酵素処理全ブ
ロス、酵素処理上澄液、酵素処理細胞(なお酵素処理
は、上記第7.1.1節の2番目の方法において述べたもの
と同様にして行なわれた。)、均質化細胞、加熱細胞お
よびいわゆる「ミリポア エマルザン」。ミリポア エ
マルザンは細胞を除去するために全ブロスをミリポア
フィルター[Millipore filter]にかけ、続いて酵素処
理(上記に述べた)および限外濾過を行なうことにより
調製される。先述の調製物は、液体あるいは湿潤形態に
おいて使用された。ミリポアエマルザン試料は、界面活
性剤パッケージに使用される前にさらに重炭酸アンモニ
ウムに対して透析されそして凍結乾燥された。
ソープストック[soap stock]におけるアシネトバク
ター・カルコアセチカスATCC 31012の発酵により得ら
れた全ブロスおよび酵素処理全ブロス(米国特許第4,23
0,801号(関連により編込まれる、上記)において述べ
られたものと同様の条件下で行なった。)がまた用いら
れた。
アシネトバクター・カルコアセチカス NS−1(NRRL
B−15847)が、米国特許第4,395,354号において述べ
られたものと同様の条件下で、発酵器中でエタノール媒
体において培養された。全ブロスおよび酵素処理全ブロ
スが界面活性剤パッケージを調製するために用いられ
た。
アシネトバクター・アルコアセチカス菌株NS−4(NR
RL B−15848)、NS−5(NRRL B−15849)、NS−6
(NRRL B−15860)およびNS−7(NRRL B−15850)
が、米国特許第4,395,354号に述べられるように、2%
エタノール媒体中で振とうフラスコ培地において3日間
培養された。酵素処理全ブロス試料は、NS−4、NS−5
およびNS−7の培地から調製された。酵素処理上澄液試
料は、NS−4、NS−5、NS−6およびNS−7の培地から
調製された。これらの調製物はまた界面活性剤パッケー
ジを形成するために用いられた。
7.2 粘性炭化水素特性 7.2.1 ボスカン原油 下記に述べる実験において使用されるボスカン[Bosc
an]原油は、西ベネズエラの油田より産出された重質原
油である。この原油の特性、すなわち比重、API比重
(゜API)、パラフィン含量(重量%)、芳香族含量
(重量%)、アスファルテン含量(重量%)および温度
(華氏)に対する粘度(センチポイズ)特性が実験的に
測定され、そして第7表に要約される。パラフィン、芳
香族およびアスファルテン含量は、下記第7.2.12節に述
べる方法により測定された。 第 7 表 ボスカン原油特性 比 重 0.983 API比重(算出) 12.5゜API パラフィン含量 18.0%(w/w) 芳香族含量 60.0%(w/w) アスファルテン含量 22.0%(w/w) 粘 度(cp) 温 度(゜F) 4,500 140 24,000 100 192,000 60 7.2.2 テキサス ファイヤフロッド原油 下記に述べる実験に用いられるテキサス原油は東テキ
サス(テキサス州 クイットマン[Quitman,TX])の油
田より火攻法[fireflood method]により産出されたも
のである。この原油の特性、すなわち260℃での比重〔A
STM D1217−81〕、API比重、パラフィン含量、芳香族
含量および温度に対する粘度特性が、下記第7.2.12節に
述べるように実験的に測定され、そして第8表に要約さ
れる。 第 8 表 テキサス ファイヤフロッド原油特性 比 重 0.981 API比重(算出) 12.5゜API パラフィン含量 26.1%(w/w) 芳香族含量 51.1%(w/w) 粘 度(cp) 温 度(゜F) 1,748 160 4,085 140 8,752 120 27,615 100 82,000 80 7.2.3 第6号残滓性試験重油 第7.5節において述べる実験に用いられる第6号残滓
性重油がエムアイティー エネルギー ラボラトリー
[MIT Energy Laboratory](マサチューセッツ州 ケ
ンブリッジ)より得られた。この残滓性重油の特性、す
なわちその比重、API比重、パラフィン含量、芳香族含
量、アスファルテン含量および温度に対する粘度特性が
実験的に測定され、そして第9表に要約された。パラフ
ィン、芳香族およびアスファルテン含量は下記第7.2.13
節に述べるようにして測定された。 第 9 表 第6号残滓性試験重油特性 比 重 0.977 API比重(算出) 13.3゜API パラフィン含量 23%(w/w) 芳香族含量 38%(w/w) アスファルテン含量 39%(w/w) 粘 度(cp) 温 度(゜F) 1,200 100 5,000 70 20,000 40 7.2.4 ユニオンカットバックタール 下記に述べる実験において用いられるユニオン[Unio
n]カットバックタールは取扱いを容易とするためにカ
ッターストックと混合されたカリフォルニア残油であ
る。このタールの特性、すなわちその比重、API比重、
パラフィン含量、芳香族含量、アスファルテン含量、灰
分含量および温度に対する粘度特性が実験的に測定され
そして第10表に要約された。パラフィン、芳香族および
アスファルテン含量は下記第7.2.13節に述べる方法によ
り測定された。 第 10 表 ユニオンカットバックタール特性 比 重 0.98 API比重(算出) 12.9゜API パラフィン含量 22%(w/w) 芳香族含量 54%(w/w) アスファルテン含量 24%(w/w) 灰分含量 7%(w/w) 粘 度(cp) 温 度(゜F) 1,796 210 4,490 190 12,347 170 123,479 130 7.2.5 カリフォルニア減圧残油 下記に述べる実験において用いられるカリフォルニア
減圧残油は、カーン カンティ[Kern County]原油か
ら得られるそしてカリフォルニア精油所により与えられ
る減圧残油である。この残油の特性、すなわちその比
重、API比重、パラフィン含量、芳香族含量、アスファ
ルテン含量および温度に対する粘度特性が実験的に測定
され、そして第11表に要約された。パラフィン、芳香族
およびアスファルテン含量は下記第7.2.13節において述
べる方法によって測定された。 第 11 表 カリフォルニア減圧残油特性 比 重 0.9934 API比重(算出) 10.9゜API パラフィン含量 17%(w/w) 芳香族含量 72%(w/w) アスファルテン含量 11%(w/w) 粘 度(cp) 温 度(゜F) 4,490 220 27,838 180 206,540 140 7.2.6 オクラホマ減圧残油 下記に述べる実験において用いられるオクラホマ減圧
残油はある大陸中央部精油所から得られた減圧残油であ
る。この残油の特性、すなわちその比重、API比重、パ
ラフィン含量、芳香族含量、アスファルテン含量および
温度に対する粘度特性が実験的に測定されそして第12表
に要約された。パラフィン、芳香族およびアスファルテ
ン含量は下記第7.2.13節において述べる方法により測定
された。 第 12 表 オクラホマ減圧残油特性 比 重 0.9364 API比重(算出) 16.6゜API パラフィン含量 20%(w/w) 芳香族含量 70%(w/w) アスファルテン含量 10%(w/w) 粘 度(cp) 温 度(゜F) 3,098 220 14,143 180 98,780 140 251,440 120 7.2.7 接触水素化残油(H−OIL) 下記に述べる実験において用いられるH−OILは、残
油が接触水素化されるプロセスにより得られたものであ
る。この残油はルイジアナ州の精油所から得られたもの
である。この残油の特性、すなわちその比重、API比
重、パラフィン含量、芳香族含量、アスファルテン含量
および温度に対する粘度特性が実験的に測定されそして
第13表に要約された。パラフィン、芳香族およびアスフ
ァルテン含量は下記第7.2.13節において述べるようにし
て測定された。 第 13 表 H−OIL特性 比 重 1.0196 API比重(算出) 7.3゜API パラフィン含量 22%(w/w) 芳香族含量 57%(w/w) アスファルテン含量 21%(w/w) 粘 度(cp) 温 度(゜F) 2,424 200 19,936 160 244,705 120 7.2.8 ROSE残油 下記に述べる実験において用いられるROSE残油は、減
圧残油から残存する軽質留分を抽出するものであるROSE
(残油超臨界抽出[Residuum Oil Supercritical Extra
ction])プロセスにより得られるものである。この残
油の特性、すなわちその比重、API比重、パラフィン含
量、芳香族含量、アスファルテン含量および温度に対す
る粘度特性が実験的に測定され、そして第14表に要約さ
れた。パラフィン、芳香族およびアスファルテン含量
は、下記第7.2.13節において述べる方法により測定され
た。 第 14 表 ROS残油特性 比 重 1.17 API比重(算出) −10.6゜API パラフィン含量 4%(w/w) 芳香族含量 18%(w/w) アスファルテン含量 78%(w/w) 7.2.9 ジャーマンビスブレーカー残油 下記に述べる実験において用いられるジャーマンビス
ブレーカー[German vis−breaker]残油は、減圧残油
の熱分解によって得られたものである。ビスブレーカー
は、ドイツ連邦共和国に所在の精油所からのものであっ
た。この残油の特性、すなわちその比重、API比重、パ
ラフィン含量、芳香族含量、アスファルテン含量および
温度に対する粘度特性が実験的に測定されそして第15表
に要約された。パラフィン、芳香族およびアスファルテ
ン含量は下記第7.2.13節において述べる方法によって測
定された。 第 15 表 ジャーマンビスブレーカー残油特性 比 重 0.9553 API比重(算出) 16.6゜API パラフィン含量 17%(w/w) 芳香族含量 61%(w/w) アスファルテン含量 22%(w/w) 粘 度(cp) 温 度(゜F) 2,470 200 16,389 160 174,032 120 7.2.10 テキサスビスブレーカー残油 下記において述べるテキサスビスブレーカー[Texas
bis−breaker]残油は、減圧残油の熱分解によって得ら
れたものである。ビスブレーカー残油は、テキサスに所
在する精油所からのものであった。この残油の特性、す
なわちその比重、API比重、パラフィン含量、芳香族含
量、アスファルテン含量および温度に対する粘度特性が
実験的に測定され、そして第16表に要約された。パラフ
ィン、芳香族およびアスファルテン含量は下記第7.2.13
節において述べる方法により測定された。 第 16 表 テキサスブレーカー残油特性 比 重 0.989 API比重(算出) 11.6゜API パラフィン含量 28%(w/w) 芳香族含量 48%(w/w) アスファルテン含量 24%(w/w) 粘 度(cp) 温 度(゜F) 449 200 898 160 4,624 120 61,782 80 7.2.11 熱分解ピッチ 下記第7.6節に記載の微粒子放出低減試験において使
用された熱分解ピッチは、ガス油を熱分解してエチレン
を産出するエチレンリフォーマーから得た。熱分解ピッ
チは、シェル オイル コーポレーションから提供され
た。この残滓物質の特性、即ちその比重、流動点、軟化
点、パラフィン含量、芳香族含量、アスファルテン含量
および温度に対する粘度が実験的に測定され、第17表に
要約された。ピッチそのままと乳化ピッチの特性の比較
を第18表に示す。 第 17 表 熱分解ピッチ特性 比 重 1.15 流動点 130゜F 軟化点 115゜F パラフィン含量 2%(w/w) 芳香族含量 40%(w/w) アスファルテン含量 58%(w/w) 粘 度(cp) 温 度(゜F) 75 300 510 230 3,100 195 7.2.12 炭化水素特性の測定方法 温度に対する粘度特性は、油を第7〜13表および第15
〜16表の示される温度へと加熱し、レオマト30[Rheoma
t30]レオメーター(コントラーベス エイジー[Contr
aves AG])における粘度を30sec-1の近似剪断速度で測
定することで得られた。
前記実施例にいくつかの油のパラフィン含量および芳
香族含量は、油が、n−ヘプタンおよび塩化メチレンに
おける炭化水素溶解度に基づき留分へと分別される方法
によって測定された。パラフィン含量はn−ヘプタンに
溶解する炭化水素留分として定義される。芳香族含量は
塩化メチレンに溶解する炭化水素留分として定義され
る。
用いられた材料は以下の通りである;0.1ミリグラム
(mg)精度の化学天秤、500ミリメーター(mm)ビュー
レットタイプ クロマトグラフィーカラム、容器重量を
はかった収集フラスコ群、試薬級塩化メチレン、n−ヘ
プタン(99モル%)およびアルミナ吸収剤。このアルミ
ナは310℃に設定したオーブン中で12〜14時間加熱する
ことで活性化された。アルミナはデシケーター中で冷却
されそして使用まで密封容器に入れて保存した。全部の
3/4充填されたクロマトグラフィーカラムが使用され
た。
分離は、試料油の500〜1000mg(±0.1mg)の定量的計
量によって行なわれた。粘性油は、テッシュペーパーで
作られた試料パッチ中において計量され、そして続いて
カラムへと移された。(粘稠でない油は、通常直接カラ
ム中において計量される。)カラムへの試料油の導入の
後、200〜250mlのn−ヘプタンがカラムを通して流され
た。溶剤は、アルミナ充填物を過剰にかき乱さない方法
において添加されることが好ましい。溶離剤は、容器重
量をはかった蒸発フラスコ中に集められた。すべてのn
−ヘプタンがカラムを通して流された後、最初の蒸発フ
ラスコは次の容器重量をはかったフラスコととりかえら
れた。次に塩化メチレンがカラムに導入されカラムを通
して流された。
集められた溶離剤はそれぞれのフラスコから減圧蒸発
およびこれに続く適当な安全な予防措置により除去され
た。乾燥フラスコは再計量されそして試料油の最初の重
量に基づいてパラフィンおよび芳香族の百分率が算出さ
れた。すべての試料は、2度づつ行なわれた。
比重は、試料油の測定容積を計量し、そして油の質量
の同容積の水の対する比を計算することにより測定され
た。API比重は次に一般式: により比重から計算された。
7.2.13 アスファルテン含量を包含する、炭化水素特性
の測定方法 実施例7.2,1、7.2.3ないし7.2.10の炭化水素を特徴ず
けるために用いられる方法は、第7.2.12節のものと本質
的に同様のものである。しかしながら炭化水素類のパラ
フィンおよび芳香族含量に加えてアスファルテン含量を
測定するために新しい手法が用いられた。これは以下に
詳述される。
試料炭化水素のパラフィン、アスファルテンおよび芳
香族含量は、炭化水素がn−ヘプタン中に分散され、ア
スファルテン分が濾過により除去されそして残留成分が
n−ヘプタンおよび塩化メチレンにおける溶解度に基づ
いて分離されるものである方法により得られた。アスフ
ァルテン画分(沈澱物)はn−ヘプタンにおける炭化水
素の分散体より濾別される。パラフィン画分は、n−ヘ
プタンに溶解する部分である。芳香族画分は、塩化メチ
レンに溶解する部分である。
用いられた材料は以下の通りである;0.1ミリグラム
(mg)精度の化学天秤、調合器(オステリザー ギャラ
クシー 14[Osterizer Galaxy14)と500mgマーソン[M
arson]瓶に適合するブレード群、予め計量されたワッ
トマン1号紙[Whatman #1 paper]、漏斗、回転蒸発
装置、500ミリメーター(mm)ビューレットタイプ ク
ロマトグラフィーカラム、容器重量をはかった収集フラ
スコ群、試薬級塩化メチレン、n−ヘプタン(99モル
%)およびアルミナ吸収剤。アルミナは、オーブン中で
310℃で約12〜14時間加熱することで活性化された。こ
のアルミナは冷却されそして使用するまで密封容器中に
て保存された。全量の3/4充填されたクロマトグラフィ
ーカラムが使用された。
1〜2gの炭化水素試料がn−ヘプタン100mlを含むマ
ーソン瓶に定量的に加えられた。最大速度で1〜2分間
調合した後、この瓶およびその内容物はさらに加えられ
たn−ヘプタン100mlで洗浄された。分散した試料は、
ワットマン1号紙を通して濾過されそして濾液は三角フ
ラスコ中に集められた。カラムへの濾液の導入の後に、
流出液が容器重量をはかった蒸発フラスコ中に集められ
た。n−ヘプタンが完全に溶出された後、塩化メチレン
200mlがカラムに加えられそして溶出物質が他の容器重
量をはかった蒸発フラスコ中にカラムが乾燥するまで集
められた。
溶離溶解は、溶剤に適当な温度で回転減圧蒸発器を用
いて除去された。
予め計量された紙およびフラスコは、再計量されて、
そしてアスファルテン、パラフィンおよび芳香族の百分
率が試料の最初の重量に基づいて計算された。個々の試
料は2度づつ行なわてた。パラフィン、芳香族およびア
スファルテン含量に関して前記の表に表わされるすべて
の百分率は、比較の目的のために100%回収率に調整さ
れたものである。
7.3 粘度減少実験 7.3.1 界面活性剤パッケージおよび炭化水素のエマル
ジョン化 ボスカン原油を効果的に乳化するために用いられら5
つの界面活性剤パッケージの組成が第19表に示される。
用いられたα−エマルザンは、第7.1.1節において述べ
られた最初の方法により調製された工業級α−エマルザ
ンであった。化学界面活性剤、タージトール 15−S−
X[Tergitol 15−S−X](ここでXはエチレンオキ
サイドのモル数を表わす。)、タージトール TMN−
6、タージトール NP−40(以上、ユニオン カーバイ
トコーポレーション製)、トリトン X−114[Trion X
−114](ローム アンド ハース カンパニー[Rohm
& Hass Co.]製)およびアルフォニック 1412−A[A
lfonic 1412−A](コノコ[Conoco]製)、市販のも
のとして得られた。エマルジョンは、ある意味でエマル
ジョン中への空気のビーティング[beating]を防止す
る低速にてオステリザー ギャラクシ14調合器中で形成
された。脱イオン水に対するボスカン原油の比は70:30
容量比(v/v)であった。界面活性剤パッケージは1:250
〜1:2,000〔界面活性剤パッケージ:油、重量比(w/
w)。〕の範囲にわたって効果的に用いられた。α−エ
マルザン15%、タージトールNP−40 42.5%およびアル
フォニック1412−A 42.5%よりなる界面活性剤パッケ
ージが、ボスカン原油に対して用いられる好ましい界面
活性剤パッケージであると考察された。油2000部当りこ
の界面活性剤パッケージ1部で形成されたエマルジョン
(70/30、ボスカン原油/脱イオン水)は、少なくとも
3週間にわたり安定でありかつ低減された粘度を維持す
ることが観察された。加えて、この界面活性剤パッケー
ジは70/30のボスカン原油/水エマルジョンを、油20,00
0部当り1部という低い処理率で形成するために用いら
れた。
一般的種類の原油を効果的に〔単独もしくは組合せ
て〕乳化したその他の界面活性剤は、アスフォニック10
12−60(コノコ、インコーポレーテッド製)(10〜12個
の炭素原子(C10〜C12)の鎖長を有しかつ60%エトキシ
化されたエトキシ化線状アルコールである。)、プロト
ウェット4196[Protowet 4196](プロクターケミカル
カンパニー[Proctor Chemical Co.]製)(エトキシ
化ノニルフェノールのスルホ酢酸エステルのナトリウム
塩である。)、プロトウェット4337(プロクターケミカ
ル カンパニー製)(スルホ酢酸化ジシクロヘキシルの
ナトリウム塩である。)、ツウィーン80(アイシーアイ
アメリンズ インコーポレーテッド[ICI Americas,I
nc.]製)(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノ
オレアーテである。)、プルロニック F88[Pluronic
F88](バスフ ワイアンドット[BESF Wyandotte]
製)、(酸化プロピレンと酸化エチレンのブロック共重
合体である。)、ペトロネート L[Petronate L]
(ウィトコ ケミカル コーポレーション[Witoco Che
mical Corp.]製)(ペトロリアム スルフォネートの
ナトリウム塩である。)、およびコノコAXS[Conoco AX
S](コノコ、インコーポレーテッド製)(スルフォン
化キシレンのアンモニウム塩である。)を含むものであ
る。
オクラホマ減圧残油を乳化するために効果的に用いら
れたいくつかの界面活性剤パッケージが第20表に列挙さ
れる。用いられたα−エマルザンは第7.1.2節において
述べられた方法によるエマルザンの全ブロスから調製さ
れたものであった。界面活性剤、テトロニック 707[T
etronic 707](バスフ ワイアンドット コーポレー
ション製)、アリパル EP−110[Alipal EP−110]、
アリパル CO−436(以上、ジエイエフ コーポレーシ
ョン[GAF Corp.]製)、ダキサッド17[Daxad 17]
(ダブル アール グレース アンドカンパニー[W.R.
Grace & Co.]製)、ノプコサント[Nopcosant](ダ
イアモンド シャムロック[Diamond Shamrock]製)、
トリトンX[Triton X]群およびタモール850[Tamol
850](ローム アンド バース カンパニー製)、タ
ージトールNP(Tergitol NP)群[ユニオン カーバイ
ト コーポレーション製)ならびにコンコ スルフェー
ト219[Conco Slufate 219](コンチネンタル ケミカ
ル カンパニー[Continental Chemical Co.]製)は市
販のものとして得られた。エマルジョンは、ある意味で
エマルジョン中への空気のビーティングを防止する中速
にてオステリザー ギャラクシー14調合器中で形成され
た。蛇口水に対するオクラホマ減圧残油の比率は、70:3
0重量比(w/w)であった。界面活性剤パッケージは1:10
〜1:250(界面活性剤パッケージ:水)の重量比(w/w)
の範囲にわたって効果的に使用された。ダキサッド17
15%およびアリパルCO−436 85%よりなる界面活性剤
パッケージがオクラホマ減圧残油に対して用いられる好
ましい界面活性剤パッケージであると考察された。この
界面活性剤パッケージを用いて調製されたエマルジョン
は、少なくとも5週間にわたり安定でかつ低減された粘
度を維持することが観察された。この構成物は、70/30
の残油/水エマルジョンを、油750部当り1部という低
い値で処理して形成するために用いられた。
第7.2.4節〜第7.2.10節において述べられた残滓性炭
化水素は、第20表に挙げられた界面活性剤のいくつかの
ものを用いて安定な予め細霧化された燃料へと首尾よく
乳化された。カリフォルニアおよびオクラホマ減圧残油
に関しては、好ましい界面活性剤パッケージは第19番の
ものであった。ユニオンカットバックタールに関して
は、好ましい界面活性剤パッケージは第25番のものであ
った。第18番の界面活性剤パッケージは、ジャーマンビ
スブレーカー残油での使用に関して好ましいものであ
り、また第17番の界面活性剤パッケージは、テキサスビ
スブレーカー残油、ROSE残油および接触水素化残油での
使用に関して好ましいものであった。
第7.2.11節において述べられた熱分解ピッチは、プル
ロニックF38(バスフ ワイアンドット コーポレーシ
ョン)47.24%[Pluronic F38(BASF Wyandotte Cor
p.)]21.38%、ジノニルフェール(DNP)150[ケマッ
ク コーポレーション(Chenac Corp.)]21,38%、タ
ージトールNP−40 21.38%、およびインデュリン エ
イティー(ウェストヴァコ コーポレーション)[Indu
lin AT(Westvaco Corp.)]10%を含む界面活性剤パッ
ケージを用いて予め細霧化された燃料へと首尾よく乳化
された。現在まで試験されてきた界面活性剤のすべての
うちこの界面活性剤は、熱分解ピッチのみならず前に述
べられた他の残油をも乳化するために使用し得る意味で
最も使用用途がひろい。ダクサド17(ダブリュー アー
ル ダレース アンド カンパニー)[Daxad 17(W.R.
Grace & Co.)は、インデュリンATの代用となり得る。
第21表は、種々の界面活性剤パッケージを用いて安定
なエマルジョン(第3章参照のこと。)へとうまく乳化
されたあるいはいまだうまく乳化されない油の種類を列
挙するものである。安定なエマルジョンを形成するため
にうまく乳化されたとして掲げられたすべての油は、α
−エマルザン(工業級)15%、タージトールNP−40 4
2.5%およびアルフォニック1412−A 42.5%(重量パ
ーセント)よりなる界面活性剤パッケージを、油500重
量部当り1重量部用いて、乳化され得るものである。パ
ラフィンおよび芳香族含量(重量パーセント)を測定す
るのに用いられた方法は第7.2.12節および第7.2.13節に
述べられているものである。
7.3.2 予め細霧化された燃料の粘度の水性相中のメタ
ノールの影響 予め細霧化された燃料が、水性相中に取込まれたメタ
ノールを有するものとして調合器中において低速で(あ
る意味ではエマルジョン中への空気のビーティングを防
止する。)形成された。用いられた炭化水素はアメリア
フューエル オイル[Amelia Fuel oil]と呼ばれ
る、第6号残滓性重油類の混合物であった。アメリア
フューエル オイルの比重は0.996でまたAPI比重は10.6
゜APIであった。温度に対する粘度特性は第22表に示さ
れる。 第 22 表 アメリア フューエル オイルの粘度対温度 粘 度(cp) 温 度(゜F) 1,046 100 1,405 90 2,190 80 3,578 70 6,209 60 界面活性剤パッケージはα−エマルザン(工業級)15
%、タージトールNP−40 42.5%およびアルフォニック
1412−A 42.5%(重量パーセント)よりなるものであ
った。
界面活性剤パッケージは、メタノールおよび脱イオン
水を種々の割合で含んでいる水性相へと添加された。水
性相は約15秒間低速で調合されて、アメリアフューエル
オイルの水性相に対する割合が70:30容量比(v/v)であ
る予め細霧化された燃料を形成した。予め細霧化された
燃料における界面活性剤パッケージのアメリアフューエ
ルオイルに対する最終的割合が1:250であるように、界
面活性剤パッケージの十分な量が水性相へと加えられ
た。第23表は、水性相の組成が変化させられた場合にお
ける予め細霧化された燃料の粘度の変化を要約したもの
である。この結果は、少なくとも約45%以下のメタノー
ルの添加は、界面活性剤パッケージによる粘度減少に顕
著な影響をもたらすものではないことが提示している。 第 23 表 粘度における水性相中のメタノールの影響 メタノール(%) 水(%) 粘度(cp) 0 100.0 58.5 1.0 99.0 29.2 2.5 97.5 32.1 4.9 95.1 61.2 10.0 90.0 34.3 11.5 88.5 37.9 12.9 87.1 35.0 15.0 85.0 39.4 24.7 75.3 76.4 44.3 55.7 82.3 100.0 0 1753.7 1.重量パーセント 2.100゜Fにおける値 7.3.3 予め細霧化された燃料の粘度における水含有量
の影響 実験が、第7.2.1節において述べられたボスカン原
油、第7.2.3節において述べられた第6号残滓性試験重
油および第7.3.2節において述べられたアメリアフュー
エル オイルを用いて、予め細霧化された燃料の粘度に
おける油相に対する水性相の割合の変化の影響を測定す
るために行なわれた。実験のすべての3セットにおいて
用いられた界面活性剤パッケージは、α−エマルザン
(工業級)15%、タージトールNP−40 42.5%およびア
ルフォニック1412−A 42.5%(重量パーセント)より
なるものであった。第24表、第25表および第26表に報告
される粘度は、第7.2.12節において述べるようにしてレ
オマット30において測定されたものである。
ボスカン原油は界面活性剤パッケージを油に対し1:25
0の比で用いて、種々の水の割合で調合器で低速にて
(第7.3.1節におけるものと同様)乳化された。粘度は1
00゜Fで測定された。データは第24表に表として示され
そして第1図にグラフ的に表わされた。
同様に、第6号残滓性試験重油が、界面活性剤パッケ
ージを油に対し1:250の比で用いて、種々の脱イオン水
の割合で乳化された。粘度は100゜Fで測定された。デ
ータは第25表に表として示された。
さらに、アメリアフューエルオイルが、界面活性剤パ
ッケージを油に対し1:250の比で用いて、メタノール13.
3重量%および脱イオン水86.7重量%でなる水性相の種
々の割合において乳化された。粘度は100゜Fで測定さ
れた。データは第26表に表として示された。
3つの場合のすべてにおいて、油:水比が増加する
と、粘度は同様に増加した。
7.3.4 炭化水素ゾルにおける温度影響 炭化水素ゾルが、α−エマルザン(工業級)15%、タ
ージトールNP−40 42.5%およびアルフォニック1412−
A 42.5%(重量パーセント)よりなる界面活性剤パッ
ケージを油に対し1:250の比で用いて、ボスカン原油を7
2:28および63:37の油:水容量比として調合器で低速に
て(第7.3.1節におけるものと同様)調製された。エマ
ルザン安定化ボスカン原油炭化水素ゾルの温度に対する
粘度特性が、乳化されていない該原油の温度に対する粘
度特性と比較された。炭化水素ゾルにおける温度影響
は、第2図に画かれるように、炭化水素ゾルがこの原油
から調製されたものである原油におけるものよりもかな
り低く表われるものであった。
7.3.5 比較定常試験 この実験の目的は、化学界面活性剤がバイオ乳化剤と
共に、あるいはバイオ乳化剤なしで構成する界面活性剤
パッケージを用いて調製された粘性原油の水−中−油型
エマルジョンの定常状態下における安定性を測定するこ
とである。特に、該水−中−油型エマルジョンが破壊あ
るいは転化されることなく低減された粘度を維持した時
間経過の測定は、このようなエマルジョンが輸送および
/または貯蔵目的のために取扱うことができることの容
易性と成功性を評価するために望まれた。水−中−粘性
原油エマルジョンの挙動は、エマルジョン破壊をなくし
そして操作の再スタート前の再乳化の必要性を省くため
にエマルジョン安定性が望まれるパイプライン化操作に
おけるポンプ破損および休業の可能性に関してさらに興
味のあるものであった。
第27表にその組成が示される数種の界面活性剤パッケ
ージが、界面活性剤パッケージの油に対する比が重量比
(w/w)で1:500であるところの水−中−油型エマルジョ
ン〔油:水=70:30、容積比(v/v)による。〕を調製す
るために用いられた。第27表の界面活性剤パッケージを
形成するために用いられた界面活性剤は、市販に得られ
るものである;タージトールNP−40(ユニオン カーバ
イト コーポレーション製)またはアルフォニック1412
−A(コノコ インコーポレーテッド製)。界面活性剤
パッケージは、すぐ下の表に示すようにα−エマルザン
(工業級)を用いてあるいは用いないで調製された。
これらの実験に関する水−中−油型エマルジョンを調
製するために用いられた方法は以下の通りである。適当
な容器中に、最終的なエマルジョンにおいて70容量%を
占めるように、原油のある量が計量されて入れられた。
用いられた原油は、上記第7.2.1節および第7.2.2節にお
いて述べられたようなボスカンおよびテキサスファイア
フロッド原油であり、またさらにカンザス原油であっ
た。油は次に50〜60℃へ加熱された。別の容器中へ、最
終的なエマルジョンにおいて界面活性剤パッケージの油
に対する1:500重量比(w/w)が得られるように、選ばれ
た特別の界面活性剤パッケージ(第25表を参照のこ
と。)が計量されて入れられた。十分調製された水が、
最終的エマルジョンにおいて30容量%の水性相を与える
ように界面活性剤パッケージへと加えられた。3種類の
水性相、すなわち、蛇口水、脱イオン水またはテキサス
塩水が用いられた。テキサス塩は、以下の概算濃度〔パ
ートパーミリオン(ppm)〕のイオンで構成されてい
る;ナトリウム28,600、カルシウム1,800、マグネシウ
ム290、第二鉄27、バリウム17、塩素47,900、重炭酸塩5
40、および硫酸塩12。水性相は油相へ添加されそして第
7.3.1節に述べるように、すなわち、ある意味でエマル
ジョン中へ空気のビーティングが防止されるような低速
で代表的調合器ブレードを用いて調合された。それぞれ
のエマルジョンは最高29日間の期間密封容器中で保存さ
れた。粘度は毎日、RV3スピンドルを備えたブルックフ
ィールドRVTビスコメーター[Brookfield RVT Viscomet
er](ブルックフィールド エンジニアリング[Brookf
ield Enginering]製)を用いて、10rpm、包囲温度(70
〜80゜F)で計測した。エマルジョンの5つのグループ
が試験にかけられそしてこれらの組成は第28表に示され
る。
グループ1〜7(第28表参照)に関する結果はそれぞ
れ第29表〜第35表に表として示された。
グループ1に関する結果は、テキサスファイヤーフロ
ッド原油の蛇口水中のエマルジョンに関して、共同性界
面活性剤であるタージトールNP−40およびアルフォニッ
ク1412−Aを含む界面活性剤パッケージへのα−エマル
ザン(工業級)15重量%の添加は、α−エマルザン50重
量%の添加よりも好ましく、また、界面活性剤パッケー
ジよりのα−エマルザンの排除よりも好ましいことを示
している。グループ2に関する結果は、ボスカン原油の
脱イオン水中のエマルジョンに関して、どちらのエマル
ジョンすなわち、α−エマルザンを有するあるいは有し
ないエマルジョンの計測された粘度も満足しうるほど低
速されたものではあるが、タージトールNP−40のみを含
む界面活性剤パッケージへのα−エマルザン15重量%の
添加は粘度低減を改良するものではないことを示してい
る。グループ3に関する結果は、ボスカン原油のテキサ
ス塩水中のエマルジョンに関して、タージトールNP−40
のみを含む界面活性剤パッケージへのα−エマルザンの
添加は、α−エマルザンを有しない界面活性剤パッケー
ジよりの結果と顕著な相違を生じるものではないことを
示している。しかしながらいずれの界面活性剤パッケー
ジ、すなわちα−エマルザンを有するものあるいは有し
ないもの、も満足すべき低減された粘度も生むものであ
った。この結果はさらに塩水が水性相として使用できる
ことを示している。グループ4に関する結果は、テキサ
スファイヤーフロッド原油の脱イオン水中のエマルジョ
ンに関して、タージトールNP−40のみを含む界面活性剤
パッケージへのα−エマルザン15重量%の添加は、界面
活性剤パッケージよりα−エマルザンを省いたものより
好ましいことを示している。グループ5の結果は、テキ
サスファイヤーフロッド原油のテキサス塩水中のエマル
ジョンに関して、タージトールNP−40のみを含む界面活
性剤パッケージへのα−エマルザンの添加は、α−エマ
ルザンを有しない界面活性剤パッケージからの結果と顕
著な相違を生じるものではないことを示すものである。
しかしながらいずれの界面活性剤パッケージ、すなわち
α−エマルザンを有するものあるいは有しないもの、も
満足すべき低減された粘度を生むものであった。グルー
プ4のデータとグループ5のデータとの比較は、テキサ
スファイヤーフロッド原油の水−中−油型エマルジョン
の粘度における水性相の違いの影響を劇的に例証するも
のである。このデータは、テキサス塩水の使用が、テキ
サスファイヤーフロッド原油で水−中−油型エマルジョ
ンを形成することに関して、脱イオン水の使用よりも好
ましいことを示している。グループ6および7の結果
は、カンザス原油の蛇口水中のまたはテキサス塩水中の
エマルジョンに関し、共同性界面活性剤であるタージト
ールNP−40およびアルフォニック1412−Aを含む界面活
性剤パッケージへのα−エマルザン15重量%の添加は、
界面活性剤パッケージからのα−エマルザンの排除より
も好ましいものであることを示している。これらのグル
ープよりの結果は、同じ原油のエマルジョンの時間に対
する粘度特性が水性相の関数としてどのように劇的に変
化するかを、また1つの種類の原油/水エマルジョンの
時間に対する粘度の挙動がその他の種類の原油/水エマ
ルジョンのものと顕著に異なることを例証していいる。
テキサスファイヤーフロッド原油またはカンザス原油
を乳化するために用いられる界面活性剤パッケージにお
けるα−エマルザンの存在は、グループ1,4,6および7
よりのデータ(0%および15%のα−エマルザンに関す
る第29,32,34および35表)がグラフとして表わされた第
3,4,5および6図において見られるように、エマルジョ
ン安定性および低減された粘度の維持に顕著な影響をも
つものである。それぞれの図における低い方の曲線は、
α−エマルザン安定化炭化水素ゾルに関する粘度対時間
特性を表わすものである。α−エマルザン安定化炭化水
素ゾルの粘度は、α−エマルザンを含まない界面活性剤
パッケージで形成されたエマルジョンのものよりも顕著
に低減され続けている。
7.3.6 安定剤比較 実験は、α−エマルザンのエマルジョン安定化効果
を、他の公知の化学エマルジョン安定剤である、スルフ
ォン化ナフタレンおよびスルフォン化リグニンのものと
比較するために行なわれた。特に、75゜Fにおける時間
に対する粘度特性は、α−エマルザン、スルフォン化ナ
フタレンもしくはスルフォン化リグニンのいずれかを含
むまたは全く安定剤を含まない4つのエマルジョンに関
して追求された。すべてのエマルジョンは、70:30の
油:水容量比で第7.2.2節に述べられたテキサスファイ
アーフロッド原油で形成された。界面活性剤パッケージ
は、油に対し1:500の重量比で用いられた。結果は第7
図に示される。α−エマルザン安定化炭化水素ゾルは、
α−エマルザン15重量%、タージトールNP−40 42.5重
量%およびアルフォニック1412−A 42.5重量%よりな
る界面活性剤パッケージを用いて調製された。これの時
間に対する粘度特性は黒くぬりつぶした丸により描かれ
た曲線である。スルフォン化ナフタレン安定化炭化水素
ゾルは、スルフォン化ナフタレン15重量%、タージトー
ルNP−40 42.5重量%およびアルフォニック1412−A42.
5重量%よりなる界面活性剤パッケージを用いて調製さ
れた。これの時間に対する粘度特性は黒くぬりつぶした
三角により描かれた曲線である。スルフォン化リグニン
安定化炭化水素ゾルはスルフォン化リグニン15重量%、
タージトールNP−40 42.5重量%およびアルフォニック
1412−A 42.5重量%よりなる界面活性剤パッケージを
用いて調製された。これの時間に対する粘度特性は黒く
ぬりつぶした逆さの三角により描かれた曲線である。4
番目のエマルジョン(比較対照)は、タージトールNP−
40 50重量%およびアルフォニック1412−A 42.5重量
%で添加的なエマルジョン安定剤を有さずになる界面活
性剤パッケージを用いて調製された。それの時間に対す
る粘度特性は、白ぬきの四角により描かれた曲線であ
る。
エマルジョン形成の直後を、測定のゼロ時とした。そ
の後、エマルジョンは静置的に28日間保たれ、そしてそ
の間粘度における増加があるか否かを測定するために、
4つのエマルジョンの経過時間時の粘度が、毎日計測さ
れた。第7図において星印として表わされる点は、スル
フォン化ナフタレン安定化エマルジョンに関して8日
で、スルフォン化リグニン安定化エマルジョンに関して
12日で、これらの2つのエマルジョンが不首尾に終わ
る、すなわち油−中−水型エマルジョンに転化したこと
を表わしている。第7図から、この実験条件下におい
て、α−エマルザンがテキサスファイヤーフロッド原
油:水エマルジョンの安定剤として2つの化学安定剤
(スルフォン化リグニンおよびスルフォン化ナフタレ
ン)のものまたは共同性界面活性剤(タージトールNP−
40およびアルフォニック1412−A)のみのもののいずれ
よりもより効果的であることを見ることができる。
純正級、工業級、全ブロス、上澄液およびアシネトバ
クター・カルコアセチカスATCC 31012細菌性細胞の形
態におけるα−エマルザン調製物(第7.1節参照)が、
オクラホマ減圧残油のエマルジョンの形成および安定性
に対するこれらの能力によって比較された。すべてのエ
マルジョンは70:30の油対水重量比で調製された。水性
相は200重量部の油に対し1重量部の界面活性剤パッケ
ージを含んでいた。85重量%を占める界面活性剤はトリ
トン−165、アリパルEP−110またはアリパルCO−436の
いずれかであった。性能はエマルジョン粘度、相分離お
よび炭化水素混入度により特徴づけられた。最も大きな
違いはエマルジョン形成より2日またはそれ以上経過し
て表われた。すべての場合においてα−エマルザン調製
物は、界面活性剤総量の15重量%を構成するものであっ
た。工業級α−エマルザンは、共同性界面活性剤の存在
にかかわらず、純正製品よりもより低い粘度のエマルジ
ョンを生みだした。全ブロス、上澄液および細胞中のα
−エマルザンは、用いられた共同性界面活性剤に依存し
て異なった応答をするものであった。最も有利な結果は
全ブロスで見られた。全ブロスは工業級または純正製品
よりもより流動性のあるエマルジョンを繰返し生むもの
であった。すべてのα−エマルザン調製物が、時間の経
過においてエマルジョンの安定性および低粘度の維持に
おいて等しく効果的であるわけではなかった。細胞中に
存在するα−エマルザンは低減された粘度を示すエマル
ジョンの維持において変動的な結果を示したが、この物
質は、クリーミングを常に阻止するものであった。加え
て、酵素処理は、この炭化水素でのエマルジョンの調製
に関するエマルザンの性能においてほとんど利益を与え
なかった。したがって、全ブロスで得られる一定の結果
により、オクラホマ減圧残油のエマルジョン化に関し
て、これが選ばれたα−エマルザン源となる。
炭素源としてソープストックを用いたアシネトバクタ
ー・カルコアセチカス ATCC31012培地より産出された
α−エマルザンは、エタノールにおいて培養される培地
より産出されたものと同様の結果を示した。第7.1.2節
において述べられるようなアシネトバクター・カルコア
セチカスのNS菌株類により産出された物質の調製物は、
オクラホマ減圧残油のエマルジョンを形成しそして安定
化するために用いられた。すべてのエマルジョンは、7
0:30の油対水重量比で調製された。水性相は200重量部
の油に対して1重量部の界面活性剤パッケージを含んで
いた。85重量%を占める界面活性剤はアリパルCO−436
であった。すべての場合において、このNS菌株物質は界
面活性剤パッケージ総量の15重量%を構成した。
バイオ乳化剤の他に、エマルジョン安定剤としても公
知である在来的な合成界面活性剤があり、これらの物質
の例としてスルフォン化リグニンやスルフォン化ナフタ
レンがある。これらの界面活性剤によるα−エマルザン
の置き換えは、また水−中−油型エマルジョンの形成を
許容するものではあるが、スルフォン化リグニンは炭化
水素の使用に関して低減された粘度のエマルジョンを生
成しないので、スルフォン化ナフタレンが粘性残油での
使用に関してα−エマルザンの一般に満足できる置換物
である。これらのスルフォン化ナフタレン類は、非常に
流動的なエマルジョンを形成するのみならず、これらは
また、全く阻害されなかった場合、油のクリーミングを
最小化するものである。これらの特定なアニオン性界面
活性剤は、前に述べたようなすべての共同性界面活性体
類を共に用いて良好に達成され、そしてエマルジョンを
うまく形成するものである。
7.3.7 スラリーの予め細霧化された燃料との混合 カリフォルニア減圧残油から安定な予め細霧化された
燃料を形成しまたROSE残油から安定なスラリーを形成す
るために効果的に用いられる界面活性剤パッケージの組
成は、第20表において挙げられた、パッケージ17であ
る。用いられたα−エマルザンは第7.1.1節において述
べられるような工業級のエマルザンより調製された。界
面活性剤リグノソル BD[Lignosol BD](リード リ
ミテッド ケミカル ディビジョン[Reed Ltd.Chemica
l Div.]製)、トリトンX群(ローム アンド ハース
カンパニー製)およびタージトールNP群(ユニオンカ
ーバイト コーポレーション製)は市販のものとして得
られた。予め細霧化された燃料とスラリーは双方とも得
られる分散体中への空気の混入を防止するようにして高
速でオステリザーギャラクシー14調合器中で形成され
た。カリフォルニア残油およびROSEのそれぞれの水相に
対する比率は、70/30の重量比であった。界面活性剤パ
ッケージは、予め細霧化された燃料およびスラリーの双
方に関して1:100(界面活性剤/炭化水素)の重量比で
あった。トリトンX−405 42.8%、タージトールNP−4
0 28.6%、リグノソルBD 14.2%および工業級α−エ
マルザン14.2%よりなる界面活性剤パッケージは、カリ
フォルニア減圧残油およびROSE残油の双方での使用にお
いて好まし界面活性剤パッケージであった。スラリーの
予め細霧化された燃料との混合の結果が、第36表に示さ
れる。 第 36 表 予め細霧化された燃料/スラリー混合物の粘度 粘度(CP) 1.予め細霧化された燃料 220 2.スラリー 515 3.50/50重量比(w/w)の予め細霧化 された燃料/スラリー 175 7.3.8 圧力下高温での予め細霧化された燃料の形成 高温かつ圧力下に安定な予め細霧化された燃料を形成
するために効果的に用いられた界面活性剤パッケージの
組成は以下の通りであった;ナコーナル90−F[Naccon
al90−F](ステパン ケミカル カンパニー[Stepan
Chemical Co.]製)88.5重量%、およびα−エマルザ
ン全ブロス11.5重量%。用いられたα−エマルザンは、
第7.1.2節において述べられるような発酵後全ブロスか
ら調製された。炭化水素相の水性相に対する比は、70:3
0(カリフォルニア減圧残油/蛇口水)重量比である。
界面活性剤は、1:200(界面活性剤/炭化水素)重量比
で用いられた。
予め細霧化された燃料は、第6.3節において述べられ
たものに以下の変更を加えて形成された;予め細霧化さ
れた燃料は300゜Fで形成されかつ約70psi圧が水性相の
蒸発を防止するために維持された。予め細霧化された燃
料は次に適当な熱交換器を用いて212゜Fよりも低い温
度へと冷却されそして圧力が解除された。前述の実験
が、ナコナール 90−Fのみを含む界面活性剤を用いて
も同様の結果で達成された。
7.3.9 熱分解炭化水素排出物を用いての予め細霧化さ
れた燃料の形成 ジャーマンビスベーカー残油より安定な予め細霧化さ
れた燃料を形成するために効果的に用いられた界面活性
剤パッケージの組成は次の通りであった;トリトンX−
705(ローム アンド ハース カンパニー製)50重量
%、タージトールNP−70(ユニオンカーバイド コーポ
レーション製)33.3重量%および全ブロスα−エマルザ
ン16.7重量%。用いられたα−エマルザンは、第7.1.2
節において述べた方法に従い発酵後全ブロスより調製さ
れた。予め細霧化された燃料は、得られた分散体中への
空気の混入を防止するようにして最高速でオステリザー
ギラクシー14調合器中で形成された。炭化水素相の水
性相に対する比は69.2:30.8重量比であった。界面活性
剤パッケージは1:350(界面活性剤:炭化水素)の重量
比で用いられた。
予め細霧化された燃料の形成に用いられた方法は、第
6.3節において述べられるものに、次の変更を加えたも
のである;予め細霧化された燃料を形成するために用い
られた水は、2の部分にわけられる、すなわち、水の3
7.5重量%は容器中に入れられそして雪泥(スラッシュ
[Slush])を形成するために部分的に凍結され、そし
て水の62.5重量%は界面活性剤パッケージと組合されそ
して第6.3節において述べられるような予め細霧化され
た燃料を形成するために用いられた。この時点における
炭化水素相の水性相に対する割合は、ジャーマンビスベ
ーカー残油78.3重量%および水/界面活性剤パッケージ
21.7重量%であった。新しく形成された加熱状態の予め
細霧化された燃料は次に凍結されている残りの水と組合
されそしてこの全混合物は、直ちに氷浴中へ移された。
これは予め細霧化された燃料の、炭化水素の軟化点より
も少なくとも100゜F低い温度への早速のかつ迅速な急
冷をもたらすものであった。この方法を用いて調製され
た予め細霧化された燃料は数週間にわたって安定でかつ
低減された粘度を維持するものであることが観察され
た。
7.4 パイプライン化パイロット試験 パイロット規模実地試験が、炭化水素ゾルがパイプラ
イン化模擬条件下でどのように達成されるかを測定する
ために行なわれた。第7.2.1節において述べられたボス
カン原油の約29バーレル(BBL)が水−中−油型エマル
ジョンを形成するために、約12バーレルの水性相中に乳
化された。最終的な油相の水相に対する比は70:30容量
比であった。水性相は、ツルサ[Tulsa]、オクラホマ
都市システムにより供給される蛇口水(溶解固形物総
量:221ppm、全硬度:151ppm)よりなるものであった。エ
マルジョン化は温められた油を界面活性剤含有水性相へ
遠心ポンプを用いて混合することによって行なわれた。
用いられた界面活性剤パッケージはα−エマルザン(工
業級)およびタージトーマルNP−40がそれぞれ15重量%
および85重量%で構成されるものであった。界面活性剤
パッケージは500重量部の油に対して1重量部の界面活
性剤パッケージの処理割合で使用された。
得られた炭化水素ゾルは、遠心ポンプを用いて、96時
間の間、6.7ft/secの平均速度でパイプ環(内径3.125イ
ンチ、長さ2,560フィート)を連続的に循環された。こ
れは第8図に概略的に示される。
完全な試験が行なわれている間、観察される炭化水素
ゾル粘度は100cpより低い値を保っていた。〔圧力降下
/流速データは、操作を通じて炭化水素ゾルに関し60゜
Fで約70cpの見かけ粘度を示した。〕これは、約192,00
0cpである乳化される前のボスカン原油の粘度と劇的に
対比されるものである。連続試験期間の終了時に、該環
をめぐる流れは、ポンプ故障を想定するために中断され
た。3日間の操業停止の後、ポンプ送は、炭化水素ゾル
特性における変化を何ら示さずに再び続けられた。圧力
降下と流速は再始業後も操業停止前のものと同じであっ
た。再乳化の必要性はなかった。
この試験の間、炭化水素ゾルは約380マイルの実績物
理距離をポンプ送された。これは17分間に一度ポンプを
通過するものであった。この様式において、炭化水素ゾ
ルは化学パイプラインにおいて26,000マイルの距離をポ
ンプ送したものと概略等しい負荷(剪断力)を受けた。
(パイプ径、ポンプ通過、流速等を考慮。)このような
負荷は、従来の界面活性剤により安定化された水−中−
油型エマルジョンの失敗(転化)をひき起こすものとし
て公知である。試験の完了における炭化水素ゾルの研究
室的評価は、脱乳状化が望まれる場合には、このエマル
ジョンは標準的な石油業界の技術を用いて容易に脱乳状
化されうることを示した。第37表は、パイプライン化パ
イロット試験の適切な数値、結果および条件を要約した
ものである。 第 37 表 パイプライン化パイロット試験の概要 油/水比 70/30 界面活性剤パッケージ/油比 1/500 総操業時間 96時間 首尾よく再始業させる前の操業停止時間 64時間 操業中の平均流速 160gpm 平均流速 6.69ft/分 パイプ内径 3.125インチ ポンプ送距離 約380マイル ポンプ通過回数 約530 エマルジョンの見かけ粘度 70cp 60゜Fでのボスカン原油の粘度 190,000cp 20インチラインにおける比較流速 210,000BBL/日 30インチラインにおける比較流速 475,000BBL/日 7.5 予め細霧化された燃料の直接燃焼試験 7.5.1 炉組立品および計器 直接燃焼試験は、次の配置よりにより本質的に構成さ
れる大規模な(1メガワット)炉組立品において行なわ
れた;バーナー、れんが被覆実験用チャンバー(あるい
はまた耐火被覆燃焼トンネルとも呼ばれる。)、アフタ
ーバーナー、水冷(冷壁)チャンバーおよび排気区画よ
りなり、それぞれ長さ1.14メートル(m)、4.55m、1.2
4m、4.55mおよび1.65mである。用いられた設備のその他
の主な構成品は、燃料の貯蔵、計測、供給および制御の
ためのシステム、燃焼空気のポンプ送、予熱および計測
のためのシステム、ならびに燃焼産物の清浄およびポン
プ送のためのシステムを含むものである。
炉組立品は、減圧下に搾取しそして試料を連続的に接
続されたガス分析器の一組、限定的にはケミルミネッセ
ントNO−NOxガス分析器[Chemiluminescent NO−NOX G
as Analyzer](サーモ エレクトロン コーポレーシ
ョン[Therno Electoron Corporation]製、モデル10
A)、赤外線CO分析器[Infrared CO Analyzer](ベッ
クマン,インコーポレーテッド[Beckman,Inc]製、モ
デル685)、赤外線CO2分析器(ベックマン インコーポ
レーテッド製、モデル685)および常磁性O2分析器[Par
amagnetic O2 Analyzer](ベックマン インコーポレ
ーテッド製、モデル755)へ試料輸送ラインを介して通
過させるものである燃焼ガスをサンプリングするための
水冷した試験装置を装備している。炉組立品はまた、実
験用燃焼トンネル中での種々の火炎位置での軸まわりの
火炎温度を計測するための水冷した吸引高温計を装備し
ている。炉組立品はまた、燃焼ガス(微粒子を含む。)
が減圧下に搾取され、水を用いて急冷され、そして試料
採取列(その最初の構成品は固形物を採取するためのフ
ィルター(紙)である。)を通して流されるところの水
冷した水急冷サンプリング装置を装置している。この装
備は、燃焼ガス中の固形物の定量のために与えられる。
7.5.2 燃焼試験のための予め細霧化された燃料の調製 予め細霧化された燃料の油相として用いられる第6号
残滓性試験重油の特性は第7.2.3節中に述べられてい
る。第38表はこの重油の元素分析を要約するものであ
る。これの燃焼熱は18,384Btu/lbであった。 第 38 表 第6号残滓性試験重油元素分析 成 分 炭 素 85.63 水 素 10.69 窒 素 0.47 硫 黄 2.30 酸 素 0.91 灰 分 0.08 水 0.10 アスファルテン 10.44 第6号重油は、α−エマルザン(工業級)15重量%、
タージトールNP−40 42.5重量%およびアルフォニック
1412−A 42.5重量%よりなる界面活性剤パッケージを
用いて乳化された。界面活性剤パッケージは油250重量
部当り1重量部の割合で用いられた。得られる予め細霧
化された燃料における油の水に対する比は約70:30の容
量比であった。予め細霧化された燃料の110ガロンがガ
ウリン[Gaulin]機械式ホモジナイザーを有する燃料調
製システムにおいて調製された。界面活性剤パッケージ
を含有する水性溶液が、遠心ポンプを介して、第6号重
油供給ライン上に位置するミキシングーT[mixing−
T]への供給された。この配置は、45g.p.h.高圧機械式
ホモジナイザー(ガウリン)へ導入される前に油と水の
インライン予備混合を提供するものであった。1000psi
の最小均質化圧力が予め細霧化された燃料を調製するた
めに採釈された。得られた予め細霧化された燃料は、80
゜Fで70〜120cpの範囲の粘度を有していた。
油および水の双方の流速の正確な制御は、70/30の水
/水容量比をこの連続混合操作において維持するために
要求される。水流量の正確な制御は、きわめて低い流速
が要求されることに帰因する問題であることを証明し、
そして調製の間における油/水比が65/35から75/25の間
で変化したことが概算された。2つのバーレル(筒)の
予め細霧化された燃料が次の組成で調製された;バーレ
ル第1番−72.25重量%油:28.75重量%水、およびバー
レル第2番69.78重量%油:30.22重量%水。予め細霧化
された燃料の双方のバーレルが燃焼の1週間前に調製さ
れ、そしてこの時間の間には全く分離が生じなかった。
燃焼試験の前に双方のバーレルが低速撹拌器を用いて撹
拌された。
7.5.3 燃焼試験方法 採用された炉組立品の種類における第6号重油を燃焼
するための規格方法が、インライン燃料加熱器が使用さ
れなかったことを除いて実行され、そして予め細霧化さ
れた燃料は約90゜Fの温度で発火された。
耐熱被覆燃焼トンネルは、天然ガスを用いて操作温度
(約1000℃)へとされた。次にガスガンが取り除かれそ
してY−ジェット型の二流体噴霧器を備えた規格オイル
ガンと取りかえられた。約60psiの圧縮空気が細霧化さ
れた流体に対して用いられた。
オイルバーナーにおける最初の点火は、規格実施であ
るように第2号油を用いて行なわれた。空気および燃料
流速は約1MWまたは3.4MM Btu/hrの熱的入力を与えるよ
うに調整された。次に、第2号重油から70/30比の予め
細霧化された燃料への単純な負荷時燃料転換は、吸引ホ
ースの第2号重油のバーレルより予め細霧化された燃料
のバーレルへの移動によって行なわれた。
燃料流速における顕著な減少が、予め細霧化された燃
料への転換の直後に起こった。これは主に予め細霧化さ
れた燃料のより高い粘度および燃料ラインにおける結果
的圧力降下に起因するものである。安定な火炎状態が燃
料転換の間維持されたが、良好な火炎状態は、燃料流速
が望まれる最小限以下に降下するために達成されなかっ
た。
燃料流速における初期的降下は、噴霧器の封鎖による
ものと思われた。Y−ジェット噴霧器が取り除かれ、清
掃され、そして再び取付けられた。点火は予め細霧化さ
れた燃料を用いて何ら問題なく行なわれたが、低い燃料
流速が支配していた。次に第2番目の噴霧器である内部
混合型のものが用いられた。再び予め細霧化された燃料
を用いての点火は何ら問題点を示すことなく行なわれた
が、低い燃料流速は存続した。
最終的に、流動の問題は、流量制御バルブの部分的閉
鎖によるものであると考えられた。この閉鎖の状態は測
定できなかった。この制御バルブのまわりの手動バイパ
スバルブが開放され、予め細霧化された燃料の流速は約
4lb/分(約0.9MW入力)の最大値へと増加された。これ
は同様の燃焼条件下で得られる第6号重油のものと非常
に似かよった視認的特性を有する全く満足のゆく火炎を
もたらすものであった。
この安定な火炎は、試験期間の残りの時間を通して維
持された。そしてこの間、最終過剰空気値、固体放射、
および軸まわり火炎温度が測定された。
7.5.4 予備燃焼試験の結果 70/30比の予め細霧化された燃料の可燃性および安定
性が該炉組立品を用いた同様の条件下において、第6号
重油のものに匹敵するものであることが明らかにされ
た。
火炎安定性は、過剰空気、最小燃料流量および噴霧化
条件の重要な燃焼パラメーター群が合致したものでない
場合においてすら、満足のゆくものであることが明らか
にされた。これは、点火の間および燃料流速が満足すべ
き火炎状態に関する限度以下に下降した際に偶然起こっ
た。しかしながらこれらの結果は、点火および火炎安定
性が予め細霧化された燃料の主要な問題ではないことを
示した。
2%未満の最小過剰空気値は、煙道ガス中における視
認性煙あるいは一酸化炭素ももたらすことなく達せられ
た。これらの数値は、第6号重油で得られるものと好ま
しく比較できるものである。第39表は、この短い試験の
間に過剰空気値と煙道ガス組成について調べられた操作
条件の範囲を要約するものであり、興味ある主な点は、
得られた低い過剰空気値である。
これらの条件下における視認火炎長は、約6フィート
であり、そしてこの火炎の一般的な外観は、第6号重油
の火炎のものと非常に似たものであった。高温燃焼帯か
らの出口における排気ガスは少量の[白煙]を含んだも
のとして表われ、これは同様な条件下で石油−水スラリ
ーを燃焼させた際に観察されたものと非常に似たもので
あった。この[白煙]は煙突からの出口においては視認
することができず、そしてその状態は測定されなかっ
た。
水冷された装置が、排気ガスよりおよび火炎の軸に沿
ったところよりの固形物試料を得るために用いられた。
第9図は、第6号重油および70/30比の予め細霧化され
た燃料に関する火炎軸に沿った濃度特性を示す。燃焼室
からの出口における固形物濃度は、これらの2つの燃料
に関してほとんど等しいものであった。火炎内での固形
物濃度は70/30比の予め細霧化された燃料においてわず
かに低いものであった。これらの2つの火炎は、2つの
異なる噴霧器を用いて得られたものであるが、このデー
ターは、90゜Fで発火された予め細霧化された燃料で達
成される炭素焼灼は、噴霧化を容易とするために240゜
Fで発火された第6号重油に関するものに匹敵するもの
であった。
軸まわり火炎温度は、また水冷された吸引高温計を用
いて計測され、そしてこれらは第10図に示される。70/3
0比の予め細霧化された燃料の火炎は、燃焼室の全長に
沿ってわずかに低い温度を示すものであった。これは30
%含水量から予想される急冷効果に全く比較されるもの
であった。100〜150℃の火炎温度における計測された低
減は、多くの工業的燃焼システムにおいて深刻な問題と
なるものではない。
7.5.5 燃焼放出試験の結果 上記の燃焼試験に続き、他の一連の試験燃焼が第40表
に示されるような、油および予め細霧化された燃料を用
いて行なわれた。
予め細霧化された燃料を形成するのに伴なう方法は上
記に述べたものである。これらの燃焼の主な目的は、予
め細霧化された燃料を用いての潜在的放出低減の測定で
ある。第41表において、これらの燃焼試験の結果が示さ
れる。この結果は、このような予め細霧化された燃料の
燃焼がNOxおよびSO2放出において顕著な低減をひき起こ
したことを示すものである。
7.6. 水−中−ピッチ予め細霧化された燃料の直接火熱
および微粒子放出物低減 微粒子放出試験は、第7.2.11節において前に述べられ
た熱分解ピッチで作られた予め細霧化された燃料上で実
行された。ピッチを乳化するため使用される界面活性剤
パッケージは、47.24%のプロニックF38、21..38%のDN
P105ジノニルフェノール、21.38%のタージトールNP−4
0および10%のインデュリンを含んだ。ピッチ対水比は7
0:30であった。界面活性剤パッケージは、炭化水素に対
して1/250の処理割合で使用された。フロドリル−S
(プファイザー)[Flodrill−S(Pfizer)]が水性相
に0.15重量%加えられた。
予め細霧化された燃料は、G−10シャルロットコロイ
ドミル[Charlotte Colloid Mill]にバイキング歯車ポ
ンプによって炭化水素相(ピッチ)および水性相(界面
活性剤溶液)を供給することによって形成された。炭化
水素相入口温度は、250゜Fであった。水性相の入口温
度は、250゜Fであった。ミルの出口において、エマル
ジョンは、エマルジョンを冷却する能力を有するプレー
トとフレームより成る熱交換器を通して周囲温度にまで
転換された。エマルジョンは低い見掛粘度を有すること
を見いだし、またニュートン液体学的性質に近い性質を
表わした。物理的にエマルジョンは、ピッチ球体の99+
%が約20ミクロン以下の直径を有する連続水分散系にお
けるピッチ球体の幅広いサイズ分布を含む。
微粒子放出試験の一群は、350Hpクルーバーブルック
ス シングル バーナー燃料管ボイラーにおいて行なわ
れ公知技術の環境保護庁(EPA)法1〜4および17に従
って実行された。バーナーは、14,700,000Btu/hrの定格
容量を有したが、燃料および蒸気需要の限られた供給の
ため、試験は容量の約37%あるいは燃焼率の約5,500,00
0Btu/hr(mmBtu/hr)において行なわれた。すべての試
験は、未加熱燃焼空気および石英スラリー燃料を噴霧す
るため独創的に開発された注文設計された低圧二重流動
(dual−flvid)噴霧器を使用して行なわれた。圧縮空
気は作動流体の噴霧として用いられた。
煙道化学および不透明度メーター(opacity meter)
を測定するためにマススペクトルを用いて、乳化ピッチ
の燃焼特性が過剰酸素含有の関数として定量化された。
異なる燃料予熱温度、周囲温度または20℃(68゜F)お
よび60℃(140゜F)を用いて行なわれた二つの試験の
一連からの関連データを、第11図および第12図にグラフ
的に示す。一酸化炭素対過剰空気百分率曲線は、予熱燃
料に関して左へシフトすることを示す。これは、良好な
燃焼および低い過剰空気レベルを用いる能力を示す。改
良は、著しく低い燃料粘度とともにより細霧化された燃
料液体粒度分布の結果であるためと確信する。不透明度
対過剰空気グラフ(第12図)も燃料予熱の利益をより顕
著に示す。高い燃料予熱、すなわち60℃は、温水シェル
型熱交換器を用いて成し遂げられる。
加えて、過剰空気レベルの関数としての煙道ガス化学
および不透明度の変化を決定するために、2つの微粒子
放出率がEPA法第17を用いて実施された。それらの後者
の試験の間集められたデータは、すなわち2つの燃料温
度における各々のものは、炭素転換効率および微粒子炭
素温度の計算値とともに第42表に示す。
予熱燃料に関する微粒子放出率は、周囲温度のそれの
半分である。すなわち各々0.034および0.068lbs/mmBtu
であり、これはEPAによる微粒子放出に対して認められ
た0.10lbs/mmBtuより両者とも十分に低い。集められた
微粒子物質は、非常に微細なダークグレイ粒子から成
る。燃料の0.012lbs/mmBtu灰分含有量が2つの試験のた
めに微粒子放出率から除かれた後、予熱および周囲処理
に関する微粒子において各々65%および82%不燃焼炭素
が見い出された。炭素のこの量は、2つの試験に対して
99.96〜99.97および99.89〜99.92%の炭素転換に相当す
る。
微粒子テストの間のSO2放出物は、燃料の硫黄含有量
の関数である。260および235ppmの放出物は予熱および
周囲温度燃料試験に関して、各々0.58lbs/mmBtuに該当
することが計算された。測定および計算されたSO2レベ
ルは、非常にぴったりと一致する。
25.5および19.5ppmにおける試験に関して一酸化炭素
は双方非常に低い放出率である0.025および0.021lbs/mm
Btuに該当することが計算された。65および45ppmのNO2
が0.10および0.08lbs/mmBtuに該当することが計算され
た。これらの放出率はEPAが認めた0.30lbs/mmBtuよりか
なり低い。要約すると、すべての放出物はEPAによって
設定された認定できる範囲中にある。試験データは、別
個の粒子として燃焼(combustion and burn)の間乳化
ピッチの小球体が細霧化された燃料液体粒子から分離す
るという仮定を強力に支持する。
熱分解ピッチ高アスファルテン含有を考慮すると、微
粒子放出試験の結果は、全く驚くものであった。微粒子
試験が特に予熱燃料に対して、非常に低いという事実
は、乳化ピッチの細霧化噴霧特性が燃焼効率を限定する
有力な因子でないという証拠をうらずけとなる。これら
のデータは、予めまたは燃焼中のいずれかに乳化ピッチ
粒子が大部分かたまりにならないことを明確に提案し
た。煙道ガス一酸化炭素レベルおよび不透明度において
予熱する燃料の効果と一致して微粒子放出割合は、1/2
に低減し、また燃焼効率は、乳化燃料が60℃に予熱され
た時約99.89〜99.92%から約99.96〜99.97%に増加し
た。
低燃焼率で行なわれた別個の独立した燃焼の研究にお
いて、生ピッチ、乳化ピッチおよび重油(第6号油)の
燃焼特性が比較された。予熱乳化ピッチに関する微粒子
放出率は、前に得られたそれらと類似していることが見
い出された。比較試験条件のもとで予熱乳化ピッチに関
する微粒子放出率は、重油および加熱細霧化生ピッチの
それらより各々1/2および1/6小さいことが決定された。
結果を第43表に示す。
ここにおいて述べた本発明の多くの変更および変化が
本発明の精神および範疇より逸脱することなく可能であ
ることは明白なことである。論述された特定の実施態様
は実施例としてのみ与えられるものであって、本発明
は、特求の範囲に示される用語によってのみ限定される
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ディール、ジェームス フランシス、サー ド アメリカ合衆国 フロリダ州 32034、フ エルナンディナビ−チ、ザチャリー コー ト 21 (72)発明者 ボールデン、ボール レスター、ジュニア アメリカ合衆国 フロリダ州 32034、フ エルナンディナビ−チ、エイ ファースト アベニュー 2727 (56)参考文献 米国特許2152196(US,A) 米国特許4537600(US,A)

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】約20゜API以下のAPI比重、80゜Fでの粘度
    が約82,000センチポイズ以上を有する炭化水素の燃焼中
    の微粒子放出を低減させる方法であって、水中炭化水素
    エマルジョンを形成し得、水溶性界面活性剤を含有する
    界面活性剤パッケージを含み、炭化水素:水の容量比が
    約60:40から約90:10であり、そして炭化水素が主に約50
    ミクロン以下の粒径を有する水中炭化水素エマルジョン
    形態にある炭化水素を燃焼することを含む上記方法。
  2. 【請求項2】炭化水素が残油である、請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】炭化水素がピッチである、請求項1記載の
    方法。
  4. 【請求項4】水中炭化水素エマルジョン中の炭化水素が
    主に約20ミクロン以下の粒径を有する請求項1記載の方
    法。
  5. 【請求項5】炭化水素が、122゜Fでの粘度が約40,000
    センチポイズ以上、約50重量%以下のパラフィン含量、
    約15重量%以上の芳香族炭化水素含量、および約50重量
    %以上のアスファルテン含量を有する請求項1記載の方
    法。
  6. 【請求項6】水中炭化水素エマルジョンの炭化水素:水
    比が約70:30である、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】約50重量%のポリ(オキシエチレン−コ−
    オキシプロピレン)ブロックコポリマー、約40重量%の
    一般式RxC6H4(OC2H4nOH〔式中、Rは約8−12個の炭
    素原子を含むアルキル基を表し、xはアルキル基の数を
    表しかつ1または2であり、そしてnは約1−150の範
    囲であり得るエトキシ基の数を表す〕のエトキシル化ア
    ルキルフェノールまたはエトキシル化アルキルフェノー
    ルの混合物、および約10重量%の界面活性高分子安定剤
    を含む界面活性剤パッケージを用いて水中炭化水素エマ
    ルジョンを形成する、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】界面活性剤パッケージに含まれる界面活性
    高分子安定剤が変性リグニンであ、請求項7記載の方
    法。
  9. 【請求項9】界面活性剤パッケージに含まれる界面活性
    高分子安定剤が約500−2000ダルトンの分子量を有する
    スルホン化フェノールホルムアルデヒドポリマーであ
    る、請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】炭化水素に基づいて約1/35から約1/450
    の処理割合で界面活性剤パッケージを使用する、請求項
    7記載の方法。
  11. 【請求項11】約50重量%のポリ(オキシエチレン−コ
    −オキシプロピレン)ブロックコポリマー、約20重量%
    の約150個のエトキシ基を有するエトキシル化ジノニル
    フェノール、約20重量%の約40個のエトキシ基を有する
    エトキシル化モノノニルフェノール、および約10重量%
    の変性リグニンを含む界面活性剤パッケージを用いて水
    中炭化水素エマルジョンを形成する、請求項1記載の方
    法。
  12. 【請求項12】炭化水素に基づいて約1/35から約1/450
    の処理割合で界面活性剤パッケージを使用する、請求項
    11記載の方法。
  13. 【請求項13】約47.24重量%のポリ(オキシエチレン
    −コ−オキシプロピレン)ブロックコポリマー、約21.3
    8重量%の約150個のエトキシ基を有するエトキシル化ジ
    ノニルフェノール、約21.38重量%の約40個のエトキシ
    基を有するエトキシル化モノノニルフェノール、および
    約10重量%のクラフトプロセス−変性リグニンを含む界
    面活性剤パッケージを用いて水中炭化水素エマルジョン
    を形成する、請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】炭化水素に基づいて約1/35から約1/450
    の処理割合で界面活性剤パッケージを使用する、請求項
    13記載の方法。
  15. 【請求項15】炭化水素に基づいて約1/250の処理割合
    で界面活性剤パッケージを使用する、請求項13記載の方
    法。
  16. 【請求項16】水中炭化水素エマルジョンの水相にレオ
    ロジー制御剤を加える、請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】レオロジー制御剤がキサンタンである、
    請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】水中炭化水素エマルジョンの水相に水相
    の約0.15重量%の量でレオロジー制御剤を加える、請求
    項16記載の方法。
  19. 【請求項19】未乳化炭化水素の燃焼中に形成される微
    粒子放出と比較して、微粒子放出が少なくとも約2倍だ
    け減少する、請求項1記載の方法。
  20. 【請求項20】未乳化炭化水素の燃焼中に形成される微
    粒子放出と比較して、微粒子放出が少なくとも約5倍だ
    け減少する、請求項1記載の方法。
  21. 【請求項21】約20゜API以下のAPI比重、80゜Fでの粘
    度が約82,000センチポイズ以上を有する炭化水素の燃焼
    中の微粒子放出を低減させる方法であって、水中炭化水
    素エマルジョンを形成し得、水溶性界面活性剤を含有す
    る界面活性剤パッケージを含み、炭化水素:水の容量比
    が約60:40から約90:10であり、そして炭化水素が主に約
    50ミクロン以下の粒径を有する水中炭化水素エマルジョ
    ン形態にある炭化水素を予熱し、燃焼することを含む上
    記方法。
  22. 【請求項22】炭化水素が熱分解ピッチ炭化水素を含む
    請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】水中炭化水素エマルジョン形態にある炭
    化水素少なくとも約60℃に予熱する、請求項21記載の方
    法。
  24. 【請求項24】炭化水素が残油である請求項21記載の方
    法。
  25. 【請求項25】水中炭化水素エマルジョンの炭化水素:
    水比が約70:30である、請求項21または22記載の方法。
  26. 【請求項26】水中炭化水素エマルジョン中の炭化水素
    が主に約20ミクロン以下の粒径を有する請求項21または
    22記載の方法。
  27. 【請求項27】未乳化炭化水素の燃焼中に形成される微
    粒子放出と比較して、微粒子放出が少なくとも約2倍だ
    け減少する、請求項26記載の方法。
  28. 【請求項28】未乳化炭化水素の燃焼中に形成される微
    粒子放出と比較して、微粒子放出が少なくとも約5倍だ
    け減少する、請求項26記載の方法。
  29. 【請求項29】約50重量%のポリ(オキシエチレン−コ
    −オキシプロピレン)ブロックコポリマー、約40重量%
    の一般式RxC6H4(OC2H4nOH〔式中、Rは約8−12個の
    炭素原子を含むアルキル基を表し、xはアルキル基の数
    を表しかつ1または2であり、そしてnは約1−150の
    範囲であり得るエトキシ基の数を表す〕のエトキシル化
    アルキルフェノールまたはエトキシル化アルキルフェノ
    ールの混合物、および約10重量%の界面活性高分子安定
    剤を含む界面活性剤パッケージを用いて水中炭化水素エ
    マルジョンを形成する、請求項21または22記載の方法。
  30. 【請求項30】界面活性剤パッケージに含まれる界面活
    性高分子安定剤が変性リグニンであ、請求項29記載の方
    法。
  31. 【請求項31】界面活性剤パッケージに含まれる界面活
    性高分子安定剤が約500−2000ダルトンの分子量を有す
    るスルホン化フェノールホルムアルデヒドポリマーであ
    る、請求項29記載の方法。
  32. 【請求項32】炭化水素に基づいて約1/35から約1/450
    の処理割合で界面活性剤パッケージを使用する、請求項
    29記載の方法。
  33. 【請求項33】約50重量%のポリ(オキシエチレン−コ
    −オキシプロピレン)ブロックコポリマー、約20重量%
    の約150個のエトキシ基を有するエトキシル化ジノニル
    フェノール、約20重量%の約40個のエトキシ基を有する
    エトキシル化モノノニルフェノール、および約10重量%
    の変性リグニンを含む界面活性剤パッケージを用いて水
    中炭化水素エマルジョンを形成する、請求項21または22
    記載の方法。
  34. 【請求項34】炭化水素に基づいて約1/35から約1/450
    の処理割合で界面活性剤パッケージを使用する、請求項
    33記載の方法。
  35. 【請求項35】約47.24重量%のポリ(オキシエチレン
    −コ−オキシプロピレン)ブロックコポリマー、約21.3
    8重量%の約150個のエトキシ基を有するエトキシル化ジ
    ノニルフェノール、約21.38重量%の約40個のエトキシ
    基を有するエトキシル化モノノニルフェノール、および
    約10重量%のクラフトプロセス−変性リグニンを含む界
    面活性剤パッケージを用いて水中炭化水素エマルジョン
    を形成する、請求項21または22記載の方法。
  36. 【請求項36】炭化水素に基づいて約1/35から約1/450
    の処理割合で界面活性剤パッケージを使用する、請求項
    35記載の方法。
  37. 【請求項37】炭化水素に基づいて約1/250の処理割合
    で界面活性剤パッケージを使用する、請求項35記載の方
    法。
  38. 【請求項38】水中炭化水素エマルジョンの水相にレオ
    ロジー制御剤を加える、請求項21または22記載の方法。
  39. 【請求項39】レオロジー制御剤がキサンタンである、
    請求項38記載の方法。
  40. 【請求項40】水中炭化水素エマルジョンの水相に水相
    の約0.15重量%の量でレオロジー制御剤を加える、請求
    項38記載の方法。
  41. 【請求項41】未乳化炭化水素の燃焼中に形成される微
    粒子放出と比較して、微粒子放出が少なくとも約2倍だ
    け減少する、請求項21または22記載の方法。
  42. 【請求項42】未乳化炭化水素の燃焼中に形成される微
    粒子放出と比較して、微粒子放出が少なくとも約5倍だ
    け減少する、請求項21または22記載の方法。
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