JPH0861044A - ディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置 - Google Patents

ディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置

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JPH0861044A
JPH0861044A JP6322872A JP32287294A JPH0861044A JP H0861044 A JPH0861044 A JP H0861044A JP 6322872 A JP6322872 A JP 6322872A JP 32287294 A JP32287294 A JP 32287294A JP H0861044 A JPH0861044 A JP H0861044A
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JP
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temperature
regeneration
particulate filter
diesel particulate
combustion
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Application number
JP6322872A
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English (en)
Inventor
Keiichi Kato
恵一 加藤
Nobushi Yasuura
信史 保浦
Hideji Yoshida
秀治 吉田
Naoharu Morita
尚治 森田
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディーゼルパティキュレートフィルタ(DP
F)の再燃焼温度を最適化して、DPFの割れ・溶損、
パティキュレートの燃え残りを防止する。 【構成】 システムとしては特に、DPFの上流側温度
を検出するDPF温センサを配設する。再生要求フラグ
がセットされている場合は、700℃におけるDPFの
温度上昇率△TF700 を求める(ステッフ゜605)。そして、△
TF700 の検出後はこの△TF700 に基づいて以降の目
標エア流量を算出する(ステッフ゜606)。 【効果】 △TF700 はパティキュレート捕集量との間
に明瞭な相関を示し、△TF700 が大きいほど捕集量が
多くなる。従って、△TF700 が大きいほどエア流量を
少なくすることで緩慢な再燃焼状態としてDPFの割れ
・溶損を防止し、△TF700 が小さいほどエア流量を多
くして激しい再燃焼状態としてパティキュレートの燃え
残りを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディーゼルパティキュ
レートフィルタ(Diesel Paticulate Filter;以下、D
PFという)の再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、DPFに捕集されたパティキュレ
ートを燃焼させ、DPFの目詰まりを解消させるための
DPF再生装置が知られている。こうした再生装置で
は、DPF近傍にヒータを設けると共にエアポンプでD
PFに空気を送り込めるように構成し、DPFが所定の
目詰まり状態になったらヒータ及びエアポンプをオンに
してDPFのパティキュレートを加熱再燃焼せしめるよ
うになっていた。この再生処理の開始条件は、エンジン
回転数の累積値が所定値になったこと、走行距離が所定
値になったこと、DPF上下流の差圧が所定値になった
こと、等の各種条件の一つ又は複数にて判断されること
が多く、さらにエンジン負荷による補正を加えるものも
あった。いずれもパティキュレートの捕集量が一定値に
達したと予測されたら再生処理を開始する構成であっ
た。
【0003】ところで、再生処理の際のDPFトラップ
の温度が低いと、再燃焼がトラップの前方から後方に進
むにつれてトラップ内部への放熱によって燃焼温度が下
がってしまい、パティキュレートの再燃焼が不十分に終
わる場合があった。このため、特開平2−256813
号では、パティキュレート捕集量が一定値に達したとき
のDPFトラップ温度を検出し、この温度に基づいて再
燃焼時のエア流量を補正するようにしていた。また、特
開平3−141812号では、DPFの温度を検出し、
DPFが低温のときはパティキュレート捕集量が普通よ
り多くなってから再生を開始するようにし、発熱量を高
めることで放熱を抑え、再燃焼が不十分に終わらないよ
うにする工夫がなされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この特開平3−141
812号では、パティキュレート捕集量と再生処理中の
発熱量とが対応することについては認識されていた。し
かし、パティキュレートの捕集量は直接検出できないた
め、再生処理中の発熱量及び燃焼温度を正確に知ること
はできなかった。仮りに、パティキュレート捕集量が正
確に分かったとしても、燃焼温度はパティキュレートの
成分によっても変わってくる。パティキュレートの成分
は、例えば、エンジン回転数や負荷等のエンジンの運転
状態、さらには、エンジンオイルの種類、エンジン固体
差等により大きくばらつく。
【0005】このため、従来の装置では、DPF再生処
理の最中の燃焼温度が高すぎたり、低すぎたりする場合
があった。そして、燃焼温度が高すぎるとDPFの割れ
や溶損、低すぎるとパティキュレートの燃え残りが発生
してしまうという問題があった。
【0006】そこで、本発明は、DPF再生処理中の燃
焼温度が、パティキュレートの量及び成分によって高す
ぎたり低すぎたりすることのない、良好な再生処理を可
能にすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明のDPFの再生装置は、請求項1に記載し、
図1にも例示した様に、ディーゼルパティキュレートを
捕集するためのDPFが所定の目詰まり状態になったと
き、該DPFを加熱せしめてディーゼルパティキュレー
トを燃焼させ、DPFの目詰まりを解消させる再燃焼手
段を備えたDPFの再生装置において、前記再生処理中
の燃焼状態に関する情報を検出する燃焼状態検出手段
と、該燃焼状態検出手段の検出結果から判明する燃焼状
態に基づいて、該再生処理中の発熱量を予測する発熱量
予測手段と、該発熱量予測手段の予測した発熱量に応じ
て、当該再生処理中の前記再燃焼手段による燃焼の条件
を制御する燃焼条件制御手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0008】また、本発明は、請求項2に記載した様
に、この請求項1記載のDPFの再生装置において、前
記発熱量予測手段は、再燃焼開始直後から所定期間内に
おける燃焼の進み具合いに基づいて発熱量を予測し、前
記燃焼条件制御手段は、前記所定期間後における燃焼条
件を、発熱量が大きいと予測されたときほど緩やかな再
燃焼となるように制御することを特徴とするDPFの再
生装置としても発明を完成している。
【0009】さらに、請求項3に記載した様に、これら
請求項1又は請求項2記載のDPFの再生装置におい
て、前記燃焼状態検出手段は、再燃焼中の温度を検出す
る手段であり、前記発熱量予測手段は、再燃焼開始後の
温度変化の状態に基づいて発熱量を予測することを特徴
とするDPFの再生装置をも完成している。
【0010】また、請求項4に記載した様に、この請求
項3記載のディーゼルパティキュレートフィルタの再生
装置において、前記発熱量予測手段は、フィルタ上流側
の温度に基づいて発熱量を予測することが望ましい。加
えて、請求項5に記載した様に、より望ましい態様とし
て、この請求項3又は請求項4記載のDPFの再生装置
において、前記発熱量予測手段は、再燃焼開始後の温度
増加率に基づいて発熱量を予測することを特徴とするD
PFの再生装置をも完成している。
【0011】そして、請求項6に記載した様に、最も望
ましい態様として、この請求項5記載のDPFの再生装
置において、前記発熱量予測手段は、再燃焼開始後の温
度増加率の最大値に基づいて発熱量を予測することを特
徴とするDPFの再生装置をも完成している。
【0012】また、請求項7に記載した様に、請求項5
記載のDPFの再生装置において、前記発熱量予測手段
は、再燃焼の温度が所定温度にあるときの温度増加率に
基づいて発熱量を予測することとしている。加えて、請
求項8に記載した様に、この請求項7記載のDPFの再
生装置において、前記所定範温度がディーゼルパティキ
ュレートの着火直後の温度範囲内で選ばれることとして
いる。
【0013】そして、請求項9に記載した様に、より具
体的には、請求項7又は請求項8記載のDPFの再生装
置において、前記所定範温度が500℃〜800℃の範
囲内で選ばれることとしている。さらに請求項10に記
載した様に、これら請求項1〜請求項9のいずれか記載
のDPFの再生装置において、前記発熱量予測手段は、
DPFの再生開始時の温度を加味して前記発熱量を予測
することを特徴とするDPFの再生装置をも完成してい
る。
【0014】また、請求項11に記載の様に、請求項1
0記載のディーゼルパティキュレートフィルタの再生装
置において、前記発熱量予測手段は、再生開始時の温度
が高いほど前記発熱量を大きく予測するように構成され
ていることを特徴とするディーゼルパティキュレートフ
ィルタの再生装置をも完成している。
【0015】
【作用】各請求項に記載した本発明のDPFの再生装置
によれば、DPFが所定の目詰まり状態になったとき、
再燃焼手段がDPFを加熱せしめてパティキュレートの
再燃焼を開始させる。すると、燃焼状態検出手段及び発
熱量予測手段が、再生処理中の燃焼状態に関する情報を
検出し、発熱量を予測する。そして、燃焼条件制御手段
が、この予測発熱量に応じて当該再生処理中の再燃焼の
条件を制御する。
【0016】ところで、再生処理中のDPF下流温度を
検出し、次回の再生開始条件としての差圧の判定基準を
補正する技術は従来考えられていた(特開平3−186
14号)。しかし、本発明では、「次回」ではなく「今
回実行中」の、また「再生開始条件」ではなく「再生処
理条件」を変更等する点で、これとはまったく異なる技
術思想を提供するものである。今回実行中の再燃焼の条
件を設定・変更等制御するからこそ、DPFの割れ・溶
損や、パティキュレートの燃え残りを解消できるのであ
り、この点で、今回の条件を制御するのか次回の条件を
制御するのかの作用上の大きな相違がある。
【0017】また、請求項2記載のDPFの再生装置に
よれば、上記作用を実現するに当たって、発熱量予測手
段が再燃焼開始直後から所定期間内における燃焼の進み
具合いに基づいて発熱量を予測し、燃焼条件制御手段
は、この所定期間後における燃焼条件を、発熱量が大き
いと予測されたときほど緩やかな燃焼となるように制御
する。これは、パティキュレート捕集量及び成分から発
熱量が大きいときほど燃焼が激しく進み易いので、燃焼
の進み具合によって発熱量を精度よく予測できるからで
ある。そして、発熱量が大きいほど緩やかな燃焼とする
ことで、DPFが溶損等の損傷を受けないようにしてい
るのである。
【0018】ここで、所定期間とは時間で設定されてい
てもよいし、燃焼状態がある状態に達するまでの期間で
設定されていてもよい。また、発熱量を予測するに十分
な情報を得るまでの期間として設定されていてもよい。
加えて、所定期間自体が固定である必要もなく、可変と
しておいても構わない。いずれにしても、パティキュレ
ートの量及び成分によって燃焼初期の状態に明確な差が
生じるので、発熱量の予測は再燃焼開始後の短い時間内
に可能となる。従って、今回の燃焼条件を速やかに最適
な条件に制御することが可能となるのである。
【0019】さらに、請求項3記載のDPFの再生装置
によれば、再燃焼開始後の温度変化の状態に基づいて発
熱量を予測する。これは、発熱量に対応する燃焼状態
は、温度変化として現れてくるからである。すなわち、
発熱量が大きい場合には、それだけ激しく燃焼が行わ
れ、温度変化も急激となったり、温度ピーク自体が早く
かつ高く現れたりするからである。
【0020】また、請求項4記載の装置では、フィルタ
上流側の温度を検出することにより発熱量を予測するの
で、燃焼が下流へと進行しなくても、再生初期の段階で
発熱量を予測できる。その結果、予測した発熱量に対し
て今回実行中の再燃焼の条件に早期に反映できる。
【0021】請求項5記載のDPFの再生装置によれ
ば、温度そのものではなく、再燃焼開始後の温度増加率
に基づいて発熱量を予測する。燃焼が急激に行われてい
るか否かは、温度上昇率として明瞭に把握することがで
きるからである。請求項6記載のDPFの再生装置によ
れば、特に、温度増加率の最大値に基づいて発熱量を予
測する。これは、情報として検出し易く、かつ検出誤差
も少ないからである。すなわち、温度上昇率は、温度上
昇曲線の傾きから得ることができるが、上昇率は複雑に
変化しながらやがてピークに至るので、どのタイミング
で検出した結果を用いて発熱量を予測するのかが複雑・
困難になるおそれがあるが、最大値は的確に把握するこ
とができるからである。
【0022】なお、以上の作用は、本発明者らの以下の
実験によっても明かである。本発明者らは、後述実施例
の様な装置を用いて、DPFに対してパティキュレート
捕集量の多い場合(13g/リットル)と少ない場合(4g
/リットル)とについて、同じ加熱条件及びエア供給条件で
再燃焼をしてDPFの上流側中心部の温度を計測する実
験をしてみた。そして、再生開始後の時間を横軸にと
り、DPFの温度TF及び温度上昇率△TFを縦軸にと
って整理した。この結果を図2に示す。図から明かな様
に、パティキュレート捕集量が多い方が燃焼開始直後よ
り高温となり、温度TFのピークも高く、かつ早めに現
れた。そして、その後はTFが徐々に減少していくこと
が分かった。また、温度上昇率△TFに直すと、捕集量
の多い少ないによる燃焼状態の差が一層明瞭になった。
すなわち、捕集量の多いときほど、温度上昇率△TFが
高く、急激に温度が上昇することが分かった。また、温
度上昇率最大値△TFMも高くなった。
【0023】そこで、さらに実験を進めて種々の捕集量
と温度上昇率最大値△TFMとの関係を求めて整理して
みた。この結果が図3である。図から分かる様に、DP
F温度上昇率の最大値△TFMとパティキュレート捕集
量には相関関係があることが分かる。パティキュレート
の捕集量というのは発熱量と等価であるため、DPF温
度上昇率の最大値△TFMを知れば、パティキュレート
の捕集状況を、パティキュレートの成分バラツキも含め
たパティキュレートの発熱量として知ることができるこ
とが分かった。
【0024】また、DPF温度上昇率の最大値△TFM
は、DPF温度TFのピークよりも時間的に早いタイミ
ングで発生している。また、フィルタ上流側の温度で全
体の発熱量を予測できるのは、パティキュレートの捕集
量分布がフィルタ全体に渡ってほぼ均一であるという事
実に基づいている。従って、フィルタ上流側のDPF温
度上昇率の最大値△TFMをパラメータとして本発明を
実現すれば、なるべく早い時期に燃焼状態の最適化が実
現できる。
【0025】一方、その後の実験により、再生処理を開
始してからのDPFの上流側中心部温度とそのときの温
度上昇率の関係をパティキュレート捕集量毎に整理して
みると、図4に示す様に、500〜800℃、特に60
0〜700℃付近で捕集量と温度上昇率との間に明瞭な
相関関係が認められる。これは、パティキュレートの着
火温度が約500℃であることと関連し、着火直後の燃
焼状況とパティキュレートの発熱量とが相関関係を持つ
ためと考えられる。そして、500〜800℃、特に6
00〜700℃での温度上昇率を検出することでパティ
キュレート捕集量(=発熱予想量)を知ることができる
ことが分かる。そして、700℃について整理すると、
温度上昇率とパチキュレート捕集量との関係が、図5に
例示するように明瞭に整理できる。なお、図4の例で
は、ちょうど、この600〜700℃での温度上昇率は
最大温度上昇率にもなっている。
【0026】この様に、再燃焼の温度が所定温度範囲内
にあるとき、より具体的にはパティキュレートの着火直
後の温度範囲内にあるとき、他の見方としてはDPFが
500〜800℃の範囲内になっているときの温度増加
率に基づいて発熱量がほぼ的確に予測できるのである。
そして、温度上昇率最大値で発熱量を予測する場合と比
べたとき、所定温度での温度上昇率で発熱量を予測する
方が、迅速に判断をすることができる点で有利となる。
なぜなら、温度上昇率最大値を求めるには温度上昇率が
目に見えて低下し始めるまで待たねばならないが、例え
ば700℃の温度上昇率なら700℃になったときに直
ちに判明するからである。
【0027】なお、発熱量が多いと予測されるため燃焼
状態を緩やかにすべきときには、後述実施例のシステム
でいえば、再燃焼のためにDPFに供給するエアの量を
少な目にすればよい。逆に、発熱量が少ないと予測され
るときには、エア供給量を多目にして、燃焼を活発化す
ることで、パティキュレートの燃え残りを防止するとよ
い。
【0028】また、さらに実験を進めた結果によれば、
再生開始時のパティキュレート捕集量及びフィルタ温度
を種々に変えたときの再生中のDPFの上流中心部の温
度は、図6に示すようになる。即ち、捕集されたパティ
キュレートに電気ヒータを用いて着火・燃焼させると、
やがて温度のピークを迎え、その後、徐々に温度が下降
することが分かる。そして、同図に示されるように、D
PFの温度上昇率dT/dtは、パティキュレート捕集
量と相関があるだけでなく、再生初期温度によっても微
妙に違いがあることが分かる。
【0029】そこで、この図6の結果を、再生初期温度
をパラメータとして、パティキュレートの着火温度付近
の温度である700℃における温度上昇率dT/dtと
パティキュレート捕集量の関係としてグラフ化すると図
7のようになる。即ち、温度上昇率dT/dtとパティ
キュレート捕集量はほぼ直線関係であり、更に、再生初
期温度により温度上昇率とパティキュレート捕集量の関
係が変化し、初期温度が高いほどグラフは上側にほぼ平
行に移動することが分かる。
【0030】そこで、この再生初期温度を加味すれば、
より正確にパティキュレート捕集量を予測でき、もって
正確な発熱量の予測を可能ならしめることが分かる。請
求項10,11に記載した装置は、まさに、この点から
採用されたものであり、再生初期温度を加味することに
よってより正確な発熱量予測が可能となり、もって、よ
り正確にDPFの再生燃焼を制御することができる様に
なす。
【0031】なお、初期温度の加味の仕方としては、初
期温度とは無関係に決定した温度上昇率とパティキュレ
ート捕集量との関係をテーブル等として記憶しておき、
これに基づいて予測したパティキュレート捕集量を初期
温度に基づいて補正するといった手法でもよいし、最初
から初期温度別に温度上昇率とパティキュレート捕集量
との関係をテーブル化しておき、温度上昇率と初期温度
をパラメータとして直接予測する様にしてもよいし、そ
の他の手法を採用してもよい。なお、こうしたテーブル
を用いる場合のパティキュレートの捕集量というのは、
重量としての捕集量ではなく、発熱量としての捕集量と
しておくのがよい。そうしておけば、燃焼に最も適した
物理量となり、捕集量≒発熱量となるからである。
【0032】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。実
施例は、図8に全体構成を示すように、デュアルDPF
システムに応用したものである。実施例のシステムで
は、ディーゼルエンジン1の排気側には、エンジンより
排出されるパティキュレートを捕集するためのDPF5
とDPF8が、排気管の分岐下流側に並列に設けられて
いる。更に、DPF5,8の上流側には、捕集されたパ
ティキュレートに着火するための電気ヒータ6,9が設
けられており、DPF5,8の上流側中心点にDPF温
測定用のセンサ7,10が設けられている。そして、排
気管は再び合流し、マフラ19へと接続されている。ま
た、ディーゼルエンジン1の吸気側にはエアクリーナ2
0が設けられている。
【0033】一方、排気管の分岐部2カ所には、排気切
り替え弁13,14が配設され、パティキュレートを捕
集するDPFを選択できるように構成されている。図8
は、DPF8側で排気中のパティキュレートを捕集する
状態を示している。再生処理用に設けられたエアポンプ
(A/P)2の吐出側は、エア制御弁15,17を介し
て、DPF5,8の上流側に接続されている。また、A
/P2の吸入側には、A/P用エアクリーナ21が設け
られている。DPF5,8の下流側は、それぞれエア制
御弁16,18を開くことによって大気解放となるよう
にされている。エア制御弁15〜18は、再生するDP
Fに燃焼用のエアを供給する流路を構成するためのもの
であり、図8では、DPF5側の再生のために、A/P
2からエア制御弁15、DPF5、エア制御弁16、そ
して、大気解放というエア流路が構成されている。
【0034】なお、本実施例システムでは、これらの構
成部品の他に、DPF5,8の上下流で発生する差圧を
検出するための差圧センサ4、排気温度を検出するため
の排気温センサ12、エンジン回転数センサ11が設け
られている。そして、各センサ4,7,10,11,1
2からの検出信号はいずれも電子制御回路(ECU)3
へ入力される。ECU3は、DPF5,8の再生処理の
ため、これらの検出信号に基づいて所定の演算処理を実
行し、A/P2、電気ヒータ6,9、排気切り替え弁1
3,14、エア制御弁15〜18の駆動制御を行ってい
る。
【0035】以下、DPFの再生処理の詳細について説
明する。再生処理自体を説明する前に、再生処理の実行
の指示に関連するものとして、パティキュレート捕集中
のECU3の動作を図9のフローチャートに従って説明
する。本ルーチンは、例えば、1秒毎に実行されるもの
である。
【0036】本ルーチンでは、まず、対象としているD
PFが再生処理中であるか否かを判定する(ステップ4
00)。再生中の場合は処理を終え、再生中でない場合
だけ次のステップに進む。次のステップではバルブ類の
駆動を行う(ステップ401)。DPF5でパティキュ
レートを捕集するべき場合には、排気切り替え弁13,
14は、共に、図8の状態と反対に下側へ駆動し、エア
制御弁15〜18をすべて閉弁状態に駆動する。エア制
御弁15〜18をこのように駆動するのは、排気圧力が
A/P2へ加わらないようにするためである。
【0037】次に、ステップ402〜404を実行し
て、DPFに対するパティキュレート捕集量の検出を行
う。まず、エンジン回転数センサ11からのエンジン回
転数NEと、排気温センサ12からの排気温TEXから
下記(1)式の様に排気ガスの体積流量Qを算出する
(ステップ402)。
【0038】
【数1】 Q=f(NE,TEX) …(1) ここで、f(NE,TEX)は、NE,TEXを変数と
する関数を意味する。TEXをも変数として考慮するの
は、吸気量だけでなく、燃焼による体積膨張をも加味す
るためである。
【0039】次に、差圧センサ4からのDPF前後差圧
△Pを取り込む(ステップ403)。そして、差圧△P
と排気ガス流量Qとから、下記(2)式にて、DPFの
目詰まり量としてパティキュレート捕集量PTを求める
(ステップ404)。
【0040】
【数2】 PT=f(△P,Q) …(2) ここでも、f(△P,Q)は、△P,Qを変数とする関
数を意味する。この後、パティキュレート捕集量PTが
設定値、すなわち、DPFの目詰まりの限界値に達した
かどうかの判定を行う(ステップ405)。設定値に達
した場合は再生要求フラグをセットし(ステップ40
6)、設定値に達してない場合は再生要求フラグをクリ
アし(ステップ407)、その後、本処理を終える。
【0041】次に、本実施例の特徴である再生処理につ
いて図10、図11のフローチャートに従って説明す
る。本ルーチンも、例えば、1秒毎に実行されるもので
ある。この再生処理ルーチンでは、まず、再生要求フラ
グがセットされているかどうかの判定を行う(ステップ
500)。再生要求フラグがセットされている場合はス
テップ501へ進み、該フラグがセットされていない場
合は本再生処理のルーチンを終了する。
【0042】ステップ501では、下記(3)式を用い
て、再生対象となっているDPFの温度上昇率△TF
(i)を求める。
【0043】
【数3】 △TF(i)=TF(i)−TF(i−1) …(3) ここで、(i)等の添字は時刻を意味し、(i)は現
在、(i−1)は1回前を意味する。また、DPF温度
TFは、当然のことながら、再生対象となっているDP
Fの方の温度センサの検出信号から採用する。例えば、
DPF5側の再生処理を行う場合であれば、TFとして
はDPF温センサ7からの値を用いる。1回前の値とし
ては、ECU3のRAMに記憶しておいた値を用いる。
なお、再生処理が実際に開始されるまでは△TF(i)
=0となる。
【0044】こうして今回の温度上昇率△TF(i)が
算出されたら、次に、前回のDPF温度上昇率△TF
(i−1)と今回のDPF温度上昇率△TF(i)を比
較する(ステップ502)。△TF(i)≧△TF(i
−1)ならば、「Y」へ進んでDPF温度上昇率最大値
△TFMを更新し(ステップ503)、A/P2の目標
エア流量としてイニシャル設定値をセットする(ステッ
プ504)。イニシャル設定値としては、パティキュレ
ート成分が標準の状態であると推定して良好な再生が得
られるエア流量が選ばれている。
【0045】一方、△TF(i)<△TF(i−1)な
らば、ステップ502から「N」の方へ進み、この時点
でのDPF温度上昇率最大値△TFMに基づいて、△T
FMに対応した値としてA/P2の目標エア流量を決定
する(ステップ505)。この決定方法としては、例え
ば、図12の様に、パティキュレート捕集量をパラメー
タとしたマップを読みとるようにすればよい。パティキ
ュレート捕集量は、図3のマップにより、DPF温度上
昇率最大値△TFMの関数として容易に、かつ、精度よ
く求めることができる。図3のマップにおけるパティキ
ュレート捕集量とは、パティキュレートの単純な重量を
いうものではなく、パティキュレートの成分ばらつきも
含めて見た燃焼成分の量の大小、すなわち、発熱量の大
小に対応するものである。
【0046】なお、この図12のマップは、パティキュ
レート捕集量が多いほどエア供給量を少なくするように
なっている。これは、捕集量が多い程、発熱量が大きく
なってしまうため、酸素不足気味で燃焼させることで、
緩やかな燃焼を実現するためである。また、図12のマ
ップでは、捕集量が少ないときには、酸素量が過多とな
るようにこのエア供給量が設定されている。これは、燃
焼を激しくして再生中のDPF温度がある程度以上に保
たれるようにすることで、パティキュレートの燃え残り
をなくすためである。
【0047】こうして、DPF温度上昇率最大値△TF
Mが検出されるまではA/P2の目標エア流量がイニシ
ャル設定値とされ、一旦、DPF温度上昇率最大値△T
FMが検出されると、その後は、その△TFMに従って
A/P2のエア流量が決定されることを意味する。
【0048】こうしてエア流量が定められたら、再生開
始後経過時間tをインクリメントする(ステップ50
6)。続いて、再生開始後経過時間tとヒータ通電時間
tAを比較する(ステップ507)。再生開始後経過時
間tがヒータ通電時間tAより小さい場合は、電気ヒー
タに通電を継続するべき期間であると判断して、電気ヒ
ータの通電制御を行う(ステップ508)。また、再生
開始後経過時間tが電気ヒータ通電時間tAより大きい
場合は、電気ヒータの通電期間は過ぎたと判断して電気
ヒータをOFFさせる(ステップ509)。このように
tA経過後に電気ヒータをOFFにするのは、パティキ
ュレートは着火しさえすれば、後は自然に燃焼するから
である。
【0049】また、これに続いて、再生開始後経過時間
tと再生終了時間tBを比較する(ステップ510)。
再生開始後経過時間tが再生終了時間tBより小さい場
合は再生を続行するべき状態にあると判断し、上述ステ
ップ504又は505で算出した目標エア流量になるよ
うにA/P2の駆動を行う(ステップ511)。一方、
再生開始後経過時間tが再生終了時間tBより大きい場
合には再生を終了させるため、ステップ512以下へ進
む。再生終了に当たっては、まずA/P2をOFFさせ
(ステップ512)、次に再生要求フラグをクリアし
(ステップ513)、次回再生に備えるため、再生経過
時間t及びDPF温度上昇率最大値△TFMをクリアす
る(ステップ514,515)。なお、再生終了時間t
Bは、DPF再生処理に当たってパティキュレートの燃
え残りが生じないような十分な時間を設定してある。
【0050】以上説明した様に、本実施例によれば、D
PF再生処理中のエア供給量は、△TFMが大きいほど
緩やかに燃焼が進み、△TFMが小さいほど激しく燃焼
が進むように決定される。この結果、いかなる状態で再
生処理が開始されても、DPFの過熱を防止して割れ・
溶損を起こすことがなく、逆にパティキュレートの燃え
残りも生じさせない。
【0051】また、△TFMに基づいてエア供給量を決
定しているので、DPF再生処理の開始後早期に最適な
再燃焼状態にすることができる。加えて、△TFMをパ
ラメータとするので、検出精度がよく、再生中の発熱量
を正確に予測することができる。
【0052】次に、第2実施例について説明する。第2
実施例は請求項7〜請求項9に対応するものである。な
お、この第2実施例も、システムのハード構成及びパテ
ィキュレート捕集量チェックルーチンは上述の実施例
(第1実施例)と同様である。異なるのは、DPF再生
処理ルーチンの一部である。
【0053】第2実施例の特徴であるDPF再生処理ル
ーチンについて図13、図14のフローチャートに従っ
て説明する。本ルーチンも、例えば、1秒毎に実行され
るものである。この再生処理ルーチンでも、まず、再生
要求フラグがセットされているか否かの判定を行う(ス
テップ600)。再生要求フラグがセットされている場
合はさらに検出フラグがセットされているか否かの判定
を行う(ステップ601)。この検出フラグとは、後述
のステップ607でセットされるフラグであり、ある温
度での温度上昇率が検出されたときセット状態とされる
ものである。
【0054】従って、最初は検出フラグはリセット状態
になっているので、ステップ601は「NO」と判定さ
れることになる。続くステップでは、DPFの温度TF
が700℃以上になったか否かを判定する(ステップ6
02)。700℃未満のときには、A/P2の目標エア
流量としてイニシャル設定値をセットする(ステップ6
03)。イニシャル設定値としては、パティキュレート
成分が標準の状態であると推定して良好な再生が得られ
るエア流量が選ばれている。そして、検出フラグはオフ
状態のままとする(ステップ604)。
【0055】一方、TF≧700℃のときには、下記
(4)式を用いて、再生対象となっているDPFの温度
上昇率△TF700 を求める(ステップ605)。
【0056】
【数4】 △TF700 =TF(i)−TF(i−1) …(4) ここでも、(i)等の添字は時刻を意味し、(i)は現
在、(i−1)は1回前を意味する。
【0057】こうして700℃になったときの温度上昇
率△TF700 が算出されると、次に、図5として既に説
明したマップより、パティキュレート捕集量(=発熱
量)を予測し、さらに、前述の実施例と同様に図12の
マップより、パティキュレート捕集量(=発熱量)に対
応してA/P2の目標エア流量を決定する(ステップ6
06)。
【0058】なお、図5,図12の各マップにおけるパ
ティキュレート捕集量も、パティキュレートの単純な重
量にだけ対応するものではなく、パティキュレートの成
分ばらつきも含めて見た燃焼成分の量の大小、すなわ
ち、発熱量の大小に対応するものである。
【0059】こうして、700℃でのDPF温度上昇率
△TF700 が検出されるまではA/P2の目標エア流量
がイニシャル設定値とされ、700℃でのDPF温度上
昇率△TF700 が検出されると、検出フラグをセットす
る(ステップ607)。従って、この後は、ステップ6
02〜607はパスされるようになる。
【0060】こうしてステップ603又はステップ60
6でエア流量が定められたら、再生開始後経過時間tを
インクリメントする(ステップ608)。後は、第1実
施例とほぼ同様に処理が進行し、再生開始後経過時間t
とヒータ通電時間tAとの比較結果に基づいて電気ヒー
タへの通電継続又は通電停止を行い(ステップ609〜
611)、再生開始後経過時間tと再生終了時間tBと
を比較した結果によりA/P2の駆動又は停止を行う
(ステップ612〜614)。そして、A/P2を停止
した後は再生要求フラグ及び再生経過時間tをクリアし
て次回に備える(ステップ615,616)。
【0061】以上説明した様に、本実施例によれば、D
PF再生処理中のエア供給量は、△TF700 が大きいほ
ど緩やかに燃焼が進み、△TF700 が小さいほど激しく
燃焼が進むように決定される。この結果、いかなる状態
で再生処理が開始されても、DPFの過熱を防止して割
れ・溶損を起こすことがなく、逆にパティキュレートの
燃え残りも生じさせない点で第1実施例と同様の効果を
奏する。
【0062】一方、本実施例特有の効果として、700
℃での温度上昇率△TF700 をパラメータとしている結
果、第1実施例の様に温度上昇率が最大値になったか否
かという面倒な判定をしなくてよい。温度上昇率の最大
値を検出するには、温度上昇率が目に見えて低下し始め
たことを検知する必要があるため、やや判定に時間がか
かる。これに対し、第2実施例ではある温度での温度上
昇率を検知するだけでよいので、判定に時間がかから
ず、速やかに目標エア流量を最適化することができる点
で有利となる。
【0063】次に、第3実施例について説明する。第3
実施例は請求項10,11に対応するものである。な
お、この第3実施例も、システムのハード構成及びパテ
ィキュレート捕集量チェックルーチンは上述の第1実施
例と同様である。また、DPF再生処理ルーチンは、第
2実施例に近いものであるが、再生開始温度に応じた補
正を行う点で第2実施例と異なっている。
【0064】この第3実施例では、図15に示すよう
に、標準的な再生初期温度(例えば頻度として最も多い
約250℃)に対する温度上昇率dT/dtとパティキ
ュレート捕集量の換算テーブルを記憶しておく。第3実
施例におけるDPF再生処理ルーチン(図16,図1
7)も定時毎に実行されるものであり、例えば、1秒毎
に実行される。
【0065】この再生処理ルーチンでも、まず、再生要
求フラグがセットされているか否かの判定を行う(ステ
ップ700)。再生要求フラグ=0(=リセット)であ
る場合は本ルーチンを終了するが、再生要求フラグ=1
(=セット)である場合は、初期温度検出フラグのチェ
ックを行う(ステップ701)。初期温度検出フラグ
は、再生初期温度の取り込みが完了したことを示すフラ
グである。このフラグは、後述するように、再生を完了
するときに0にリセットされるものである(ステップ6
23)。初めてステップ701が実行されるときには0
にリセットされているから、ステップ702に進むこと
になる。
【0066】よって、本ルーチンによる再生開始直後に
は、まず、再生初期温度TF0として、その時のフィル
タ温度TFを記憶する(ステップ702)。そして、初
期温度検出フラグを1にセットして、次回からは再生初
期温度TF0の更新が行われないようにする(ステップ
703)。これにより、次回ステップ701の処理を行
うとき、ステップ702,703の処理は行われず、再
生初期温度TF0は再生が完了するまでステップ702
で記憶した値が保持されることになる。
【0067】なお、ステップ702において記憶する再
生初期温度には、フィルタ5の温度センサ7で検出した
フィルタ上流中心部の温度を用いている。温度センサ7
は本来上流中心部でのフィルタ温度の温度上昇率を検出
するためのものであるが、再生動作に入る前の状態を考
えてみると、排気ガスによりフィルタ全体が均熱化され
ているため、フィルタ内部であれば特に測温位置によら
ず再生初期温度が検出できる。よって、これをもって再
生初期温度として構わないのである。
【0068】こうして再生初期温度が記憶されたら、P
M算出フラグのチェックを行う(ステップ704)。P
M算出フラグとは、フィルタ温度TFの上昇率△TFに
基づくパティキュレート捕集量の算出が完了したことを
示すフラグであり、本ルーチンの最後に0にリセットさ
れる(ステップ722)。よって、再生を開始した時に
はPM算出フラグは0であるため、最初は、パティキュ
レート捕集量の算出及びエア流量の設定を行うためにス
テップ705〜712の方を実行する。一方、一旦パテ
ィキュレート捕集量の算出が行われるとPM算出フラグ
は1とされるので(ステップ712)、ステップ705
〜712の処理は飛ばされ、ステップ713へと処理が
進む。
【0069】まず、PM算出フラグ=0の場合の処理に
ついて説明する。この処理では、まず、温度上昇率を算
出するのに適した温度(本実施例では700℃)に達し
たかどうかの判定を行う(ステップ705)。再生の極
初期の段階では当然フィルタ温度TFは700℃に達し
ていないため、NOと判定され、A/P2の目標エア流
量として、イニシャル値を設定する(ステップ70
6)。実際には、温度上昇率によるパティキュレート捕
集量算出が行われるまでの間のエア流量はこのイニシャ
ル値になるわけであり、従って、イニシャル値として
は、再生時期判定ルーチンにおけるフィルタ目詰まり量
設定値に達したときの最も標準的なパティキュレート捕
集状態において良好な再生が得られるような値が選定さ
れることになる。一方、フィルタ温度TFが700℃以
上となった場合には(ステップ705=YES)、本実
施例の特徴部分であるパティキュレートの捕集量算出及
び再生パラメータの変更を行う。
【0070】まず、第2実施例と同様に、数3の(3)
式を用いて、再生対象となっているDPFの温度上昇率
△TF(i)を求める。そして、図15のような標準的
な再生初期温度であり頻度としても最も多い約250℃
に対する温度上昇率dT/dtとパティキュレート捕集
量の換算テーブルから、標準パティキュレート捕集量と
してPMstdを算出する(ステップ708)。
【0071】次に、実際の再生初期温度TF0に応じて
パティキュレート捕集量を補正するための補正係数Kp
mを算出する(ステップ709)。補正係数Kpmの算
出方法としては、再生初期温度TF0が250℃の時は
補正が効かないようにするためKPm=1であり、発明
の作用の項で説明した図7からも分かる通り、再生初期
温度TF0が250℃以上の場合はパティキュレート捕
集量を多目に補正するため補正係数Kpm>1となり、
再生初期温度TF0が250℃以下の場合はパティキュ
レート捕集量を少な目に補正するため補正係数Kpm<
1となる。従って、再生初期温度TF0に対する補正係
数Kpmは図18のような換算テーブルから算出すれば
よい。本実施例では、この補正係数Kpm用の換算テー
ブルをECU3が記憶している。
【0072】こうして再生初期温度TF0に基づく補正
係数Kpmが求められたら、下記(5)式の様に、ステ
ップ708で算出した標準的なパティキュレー捕集量P
Mstdにステップ709で算出した補正係数Kpmを
乗ずることで最終的なパティキュレート捕集量PMを算
出する(ステップ710)。
【0073】
【数5】 PM=PMstd×Kpm …(5) そして、再生パラメータとしてA/P2の設定エア流量
を第1,第2実施例と同様に図12のマップより、決定
する(ステップ711)。
【0074】そして、最後に、PM算出フラグを1にセ
ットする(ステップ712)。こうすることで、次回本
ルーチンが実行されるときには、ステップ705〜71
2は飛ばされ、ステップ711で設定したエア流量が変
更されずに保持されることになる。
【0075】以上ステップ704〜712の処理をまと
めると、まず再生が開始されるとステップ706でエア
流量がイニシャル値に設定され、次にフィルタ温度TF
が700℃に達するとステップ707〜712で、温度
上昇率と再生初期温度によって算出されたパティキュレ
ート捕集量に応じてエア流量が設定され、その後はその
エア流量設定値が保持されるということになる。
【0076】こうしてステップ706又はステップ71
1でエア流量が定められたら、再生開始後経過時間tを
インクリメントする(ステップ713)。後は、第1実
施例,第2実施例とほぼ同様に処理が進行し、再生開始
後経過時間tとヒータ通電時間tAとの比較結果に基づ
いて電気ヒータへの通電継続又は通電停止を行い(ステ
ップ714〜716)、再生開始後経過時間tと再生終
了時間tBとを比較した結果によりA/P2の駆動又は
停止を行う(ステップ717〜719)。そして、A/
P2を停止した後は再生要求フラグ、再生経過時間t、
PM算出フラグ及び初期温度検出フラグをそれぞれ0に
リセットして次回に備える(ステップ720〜72
3)。
【0077】以上のように、本実施例によれば、パティ
キュレート着火直後の温度上昇率から標準的なパティキ
ュレート捕集量を算出し、更に、その値を、再生開始時
のフィルタ温度で補正することで、実際に捕集されてい
るパティキュレートの発熱量をより正確に予測すること
ができる。この補正もまた、再生初期温度TF0に基づ
いているので、再生の初期の段階で再生パラメータを正
確に決定できることとなる。これらにより、上述した他
の実施例同様、運転状態変化によるパティキュレート成
分のバラツキ、エンジン等の個体差によらず、常に安定
した再生を実現することが可能である。
【0078】以上本発明の実施例を説明したが、本発明
はこれに限られるものではなく、本発明の要旨の範囲内
において種々なる態様にて実施することができることは
もちろんである。例えば、実施例では再生パラメータの
内のエア供給量を最適値に変更する様に構成したが、電
気ヒータ電力の方を最適値に変更する様に構成すること
もでき、エア供給量及び電気ヒータ電力を共に変更する
様に構成しても構わない。実施例では電気ヒータを途中
でOFFにして電力消費を抑える構成としたが、電気ヒ
ータをOFFにせずに着火及び保温を兼ねさせるシステ
ムであれば、電力制御も燃焼状態の制御として効果的と
なるからである。
【0079】
【発明の効果】本発明のDPFの再生装置によれば、D
PF再生処理中の燃焼温度が、パティキュレートの量及
び成分によって高すぎたり低すぎたりすることがなく、
DPFの割れや溶損を引き起こすこともなく、かつ、パ
ティキュレートの燃え残りを生じさせることもない。
【0080】また、請求項2〜9記載のDPFの再生装
置によれば、再燃焼開始後早い時期に発熱量を予測し、
速やかに最適な再燃焼状態に制御することができる。特
に、請求項4記載のDPFの再生装置によれば、再燃焼
が下流側まで進まなくても発熱量を予測でき、早期に最
適な再燃焼状態に制御する上で特に有効である。また、
請求項6記載のDPFの再生装置によれば、簡単かつ正
確に発熱量を予測することができる。
【0081】そして、請求項7〜9記載のDPFの再生
装置によれば、ある温度での温度上昇率を捉えるだけで
よいので、検出が迅速になされ、速やかに再生燃焼条件
を最適化できる点で一層優れたものとなる。また、請求
項10,11記載のDPFの再生装置によれば、より正
確に発熱量を予測でき、より正確に再生燃焼条件を最適
化できる点でより一層優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を例示するブロック図である。
【図2】 本発明の作用に関する説明図である。
【図3】 本発明の作用に関する説明図である。
【図4】 本発明の作用に関する説明図である。
【図5】 本発明の作用に関する説明図である。
【図6】 本発明の作用に関する説明図である。
【図7】 本発明の作用に関する説明図である。
【図8】 実施例のシステムの構成図である。
【図9】 実施例でのパティキュレート捕集量チェック
ルーチンのフローチャートである。
【図10】 第1実施例でのDPF再生処理ルーチンの
フローチャートである。
【図11】 第1実施例でのDPF再生処理ルーチンの
フローチャートである。
【図12】 第1,第2実施例でのエア供給量決定用の
マップに対応するグラフである。
【図13】 第2実施例でのDPF再生処理ルーチンの
フローチャートである。
【図14】 第2実施例でのDPF再生処理ルーチンの
フローチャートである。
【図15】 第3実施例における標準パティキュレート
捕集量PMstd算出用のテーブルに対応するグラフで
ある。
【図16】 第3実施例でのDPF再生処理ルーチンの
フローチャートである。
【図17】 第3実施例でのDPF再生処理ルーチンの
フローチャートである。
【図18】 第3実施例における補正係数Kpm算出用
のテーブルに対応するグラフである。
【符号の説明】
1・・・ディーゼルエンジン、2・・・エアポンプ(A
/P)、3・・・電子制御回路(ECU)、4・・・差
圧センサ、6,9・・・電気ヒータ、5,8・・・DP
F、7,10・・・DPF温センサ、11・・・エンジ
ン回転数センサ、12・・・排気温センサ、13,14
・・・排気切り替え弁、15〜18・・・エア制御弁、
19・・・マフラ、20・・・エアクリーナ、21・・
・A/P用エアクリーナ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01N 9/00 ZAB Z (72)発明者 森田 尚治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼルパティキュレートを捕集する
    ためのフィルタが所定の目詰まり状態になったとき、該
    フィルタを加熱せしめてディーゼルパティキュレートを
    燃焼させ、フィルタの目詰まりを解消させる再燃焼手段
    を備えたディーゼルパティキュレートフィルタの再生装
    置において、 前記再生処理中の燃焼状態に関する情報を検出する燃焼
    状態検出手段と、 該燃焼状態検出手段の検出結果から判明する燃焼状態に
    基づいて、該再生処理中の発熱量を予測する発熱量予測
    手段と、 該発熱量予測手段の予測した発熱量に応じて、当該再生
    処理中の前記再燃焼手段による燃焼の条件を制御する燃
    焼条件制御手段とを備えたことを特徴とするディーゼル
    パティキュレートフィルタの再生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のディーゼルパティキュレ
    ートフィルタの再生装置において、 前記発熱量予測手段は、再燃焼開始直後から所定期間内
    における燃焼の進み具合いに基づいて発熱量を予測し、 前記燃焼条件制御手段は、前記所定期間後における燃焼
    条件を、発熱量が大きいと予測されたときほど緩やかな
    燃焼となるように制御することを特徴とするディーゼル
    パティキュレートフィルタの再生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のディーゼル
    パティキュレートフィルタの再生装置において、 前記燃焼状態検出手段は、再燃焼中の温度を検出する手
    段であり、 前記発熱量予測手段は、再燃焼開始後の温度変化の状態
    に基づいて発熱量を予測することを特徴とするディーゼ
    ルパティキュレートフィルタの再生装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のディーゼルパティキュレ
    ートフィルタの再生装置において、 前記発熱量予測手段は、フィルタ上流側の温度に基づい
    て発熱量を予測することを特徴とするディーゼルパティ
    キュレートフィルタの再生装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4記載のディーゼル
    パティキュレートフィルタの再生装置において、 前記発熱量予測手段は、再燃焼開始後の温度増加率に基
    づいて発熱量を予測することを特徴とするディーゼルパ
    ティキュレートフィルタの再生装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のディーゼルパティキュレ
    ートフィルタの再生装置において、 前記発熱量予測手段は、再燃焼開始後の温度増加率の最
    大値に基づいて発熱量を予測することを特徴とするディ
    ーゼルパティキュレートフィルタの再生装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のディーゼルパティキュレ
    ートフィルタの再生装置において、 前記発熱量予測手段は、再燃焼の温度が所定温度にある
    ときの温度増加率に基づいて発熱量を予測することを特
    徴とするディーゼルパティキュレートフィルタの再生装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のディーゼルパティキュレ
    ートフィルタの再生装置において、前記所定範温度がデ
    ィーゼルパティキュレートの着火直後の温度範囲内で選
    ばれることを特徴とするディーゼルパティキュレートフ
    ィルタの再生装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は請求項8記載のディーゼル
    パティキュレートフィルタの再生装置において、前記所
    定範温度が500℃〜800℃の範囲内で選ばれること
    を特徴とするディーゼルパティキュレートフィルタの再
    生装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項9のいずれか記載の
    ディーゼルパティキュレートフィルタの再生装置におい
    て、前記発熱量予測手段は、ディーゼルパティキュレー
    トフィルタの再生開始時の温度を加味して前記発熱量を
    予測することを特徴とするディーゼルパティキュレート
    フィルタの再生装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のディーゼルパティキ
    ュレートフィルタの再生装置において、前記発熱量予測
    手段は、再生開始時の温度が高いほど前記発熱量を大き
    く予測するように構成されていることを特徴とするディ
    ーゼルパティキュレートフィルタの再生装置。
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US7069721B2 (en) 2004-02-02 2006-07-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust emission control system for internal combustion engine and exhaust emission control method
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