JP2003083036A - パティキュレートフィルタの再生制御装置 - Google Patents
パティキュレートフィルタの再生制御装置Info
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Abstract
できるパティキュレートフィルタの再生制御装置を提供
する。 【解決手段】 排気浄化装置10は、制御部16と、パ
ティキュレートフィルタ44と、圧力センサ50,51
と、温度センサ52,53などを具備している。制御部
16は、温度センサ52によって検出される温度が所定
値以上の状態が所定時間以上継続し、かつ、温度センサ
52,53の温度差が所定値以下となったときに、再生
が完了したと判断する。制御部16は、再生完了直後に
圧力センサ50,51の差圧などに基いてフィルタ44
の捕集量を求め、その捕集量を灰分とみなす。この灰分
に応じて、制御部16は、次回の強制再生条件を補正す
る。
Description
ジン等の内燃機関の排気を浄化するパティキュレートフ
ィルタの再生制御装置に関する。
(排出ガス)を浄化するための装置として、酸化触媒と
パティキュレートフィルタを用いる連続再生式DPF
(Dieselparticulate filter)が知られている。この種
の浄化装置は、排気中のNOxを酸化触媒によって酸化
させてNO2に変化させ、NO2によってパティキュレ
ートフィルタ中のスート(主として炭素)を燃焼させる
ことができる。
ュレートフィルタにスートが過剰に堆積すると、エンジ
ン出力が低下するばかりか、スート燃焼時の異常高温に
よって、パティキュレートフィルタが溶損するおそれが
ある。このため、堆積したスートを、何らかの昇温手段
によって的確なタイミングで強制的に燃焼(すなわち強
制再生)させる必要がある。強制再生の手段として、エ
ンジンの膨張行程あるいは排気行程で燃料の噴射(いわ
ゆるポスト燃料噴射)を行うことが知られている。
キュレートフィルタの前後差圧や排気流量等に基いてパ
ティキュレートの捕集量を推定し、所定の捕集量を超え
たときに強制再生条件が成立したと判断するようにして
いる。しかしパティキュレートフィルタが捕集する物質
には、スート以外に、強制再生では燃焼させることので
きないエンジンオイルや燃料中の物質、あるいは酸化ス
ケール等の灰分が存在する。これらの灰分は、車両が走
行するにつれて次第にパティキュレートフィルタに堆積
してゆく。
トの堆積推定値と実際のスート堆積量の誤差が大きくな
り、強制再生を適正な時期に行うことができなくなる。
例えば灰分の捕集量が多くなると、スート堆積量が少な
くても強制再生条件が成立することになり、その結果、
強制再生のインターバルが短縮し、燃費の悪化をまねく
ことになる。
分を推定するために、特開平7−11935号公報に記
載されているように、強制再生の実施回数をカウント
し、そのカウント数に基いてパティキュレートフィルタ
の圧力損失を補正する排気ガス浄化装置が提案されてい
る。あるいは特開平9−280036号公報には、強制
再生時の最高温度から真のスート捕集量を推定し、強制
再生実施前の推定値との差から灰分量を推定することが
記載されている。
−11935号公報に記載されている技術は、強制再生
の実施回数のみに基いて、見込みによる灰分量推定を行
うため、例えばエンジンオイルの品質が悪かった場合
や、排気系へのオイル混入などの変動要因に対処するこ
とができず、正確な灰分量推定が不可能である。
載されている従来技術は、強制再生時の最高温度に基い
て灰分量を推定している。しかしながらエンジンの運転
状態によって排気中の酸素量が相違し、燃焼速度がばら
つくため発熱率も異なり、強制再生時の最高温度がばら
つくことにより、灰分量の推定精度が十分ではない。
量を高精度に推定することのできるパティキュレートフ
ィルタの再生制御装置を提供することにある。
トフィルタの再生制御装置は、請求項1に記載したよう
に、パティキュレートフィルタの捕集量を推定する捕集
量推定手段と、強制再生手段と、再生完了判定手段と、
灰分堆積量算出手段と、補正手段とを備えている。
射を行うなどの昇温手段によって排気温度を上昇させ、
パティキュレートフィルタに堆積しているスートを再燃
焼させる。再生完了判定手段の好ましい態様では、パテ
ィキュレートフィルタに関する温度が所定温度以上の状
態が所定時間以上継続し、かつ、パティキュレートフィ
ルタの入口側温度と出口側温度との差が所定温度以下と
なったときに、再生が完了したと判断する。
フィルタの再生完了が判定されたときに、上記捕集量推
定手段により推定される捕集量に基いて、灰分堆積量を
求める。上記補正手段は、灰分堆積量算出手段により求
めた灰分堆積量に基いて、上記捕集量推定手段による推
定捕集量あるいは上記所定値を補正する機能を有してい
る。
灰分堆積量算出手段によって算出された灰分堆積量が許
容値を超えているときに警報を発する警報手段を備えて
いるとよい。
パティキュレートフィルタの上流側圧力と下流側圧力と
の差に基いて捕集量を推定する。この場合、比較的簡便
に堆積量を推定できる一方で、パティキュレートフィル
タ内に堆積する灰分も含めて堆積量を推定することにな
る。しかし本発明では、上記補正手段により、灰分を除
くパティキュレートの推定捕集量に応じて適切な強制再
生制御を実現できるので、簡便かつ高精度に強制再生制
御を行うことが可能である。
て、図1と図2を参照して説明する。図1は、内燃機関
の一例として、排気浄化装置10を備えたディーゼルエ
ンジン11を模式的に示している。このエンジン11
は、エンジン本体12と、吸気系13および排気系14
と、EGR装置15と、マイクロコンピュータ等を用い
た制御部(コントロールユニット)16などを備えてい
る。
焼室21と、燃料噴射弁22などを含んでいる。EGR
装置15は、EGR弁23と、EGRクーラ24と、ア
クチュエータ25などを含んでいる。EGR弁23は、
制御部16によって制御されるDCサーボモータを用い
たアクチュエータ25によって開度を変化させることが
できる。EGR弁23は、EGR通路26に設けられて
いる。
サ31と、インタークーラ32と、吸気絞り弁33など
を含んでいる。吸気絞り弁33は、アクチュエータ34
によって開度を変化させることができる。コンプレッサ
31の上流側にエアフローセンサ35が設けられてい
る。吸気絞り弁33の下流側に吸気圧センサ36が設け
られている。
41と、排気絞り弁42と、酸化触媒43と、パティキ
ュレートフィルタ44と、外囲器45などを含んでい
る。外囲器45に、酸化触媒43とパティキュレートフ
ィルタ44が収納されている。パティキュレートフィル
タ44は排気中のパティキュレートを捕集することがで
きる。排気絞り弁42はアクチュエータ46によって開
度を変化させることができる。図1に示す排気絞り弁4
2はフィルタ44の下流側に設けられているが、排気絞
り弁42を酸化触媒43の上流側に設けてもよい。
を検出するために、フィルタ44の上流側に第1の圧力
センサ50が設けられ、フィルタ44の下流側に第2の
圧力センサ51が設けられている。
44との間に、パティキュレートフィルタ44の入口側
温度を検出する第1の温度センサ52が設けられてい
る。パティキュレートフィルタ44の出口側に、パティ
キュレートフィルタ44の出口側温度を検出する第2の
温度センサ53が設けられている。これら温度センサ5
2,53の少なくとも一方の検出値に基いて、パティキ
ュレートフィルタ44に関する温度を検出することがで
きる。
算機能と各種マップを記憶するメモリ等を有する電子部
品等によって構成されている。この制御部16には、運
転状態検出手段の一例であるエンジン回転数センサ54
と、噴射量検出器55が接続されている。運転状態検出
手段として、エンジン回転数センサ54以外に、吸入空
気量あるいは排出ガス空燃費のうち少なくとも1つを検
出するようにしてもよい。
って検出されるフィルタ44の前後差圧と、温度センサ
52の検出温度と、エンジン回転数センサ54によって
検出されるエンジン回転数に基き、予め作成されたマッ
プにより、パティキュレートフィルタ44のスートの堆
積量を推定するようになっている。すなわち、制御部1
6と圧力センサ50,51とエンジン回転数センサ54
などは、この発明で言う捕集量推定手段として機能す
る。
よび噴射時期を制御する機能を有している。すなわちこ
の制御部16は、ポスト噴射制御手段およびメイン噴射
制御手段としても機能する。ここで言うメイン噴射と
は、エンジン11の運転状態に応じて、エンジン本体1
2の圧縮上死点付近で燃料を噴射する通常の燃料噴射操
作である。
ンジン本体12の膨張行程あるいは排気行程において、
燃料噴射弁22から燃焼室21内に燃料を噴射する操作
である。ポスト燃料噴射が行われると、連続再生時より
も高い温度域でスートと燃料が排ガス中のO2と反応し
て燃焼し、パティキュレートフィルタ44の強制再生が
なされる。すなわち制御部16と燃料噴射弁22等は、
この発明で言う強制再生手段(昇温手段)としても機能
する。
て、図2のフローチャートを参照して説明する。エンジ
ン11が運転されると、排気中に含まれるパティキュレ
ートがパティキュレートフィルタ44に捕捉される。
って酸化されてNO2に変化する。このNO2によっ
て、フィルタ44中のスートが比較的低い温度域(例え
ば270℃〜350℃前後)で燃焼することによって、
パティキュレートフィルタ44の連続再生が行われる。
酸化触媒43の酸素の変換効率は、ある温度域(例えば
200℃以上の活性温度域)で最大となるから、排気温
度がこの温度域にあればNO2によってスートが燃焼
し、連続再生を行うことができる。
スートが許容値を超えたとき、すなわち図2中のステッ
プS1において強制再生開始条件が成立したとき、強制
再生を開始する。この実施形態の場合、捕集量推定手段
(制御部16および圧力センサ50,51等)によって
求めたパティキュレートフィルタ44の推定捕集量が設
定値(例えば堆積量が25グラム)を超えたときに、強
制再生条件が成立したと判断する。
スト燃料噴射)が開始される。ポスト燃料噴射が行われ
ると、エンジンの膨張行程あるいは排気行程において燃
焼室21内に噴射された燃料がパティキュレートフィル
タ44に到達し、連続再生時よりも高い温度域(例えば
500℃〜550℃以上)にてスートと燃料が排ガス中
のO2と反応して燃焼する。
センサ52によって検出されるパティキュレートフィル
タ44の入口側温度が、強制再生可能な所定温度A(例
えば550℃)を超えているか否かが判断される。ここ
で入口側温度が所定温度A以上であれば強制再生が開始
されたと判断し、ステップS4に移る。
温度A以上の状態が所定時間T1以上継続したか否かが
判断される。ここで言う所定時間T1は、強制再生が十
分完了する時間である。ステップS4において“YE
S”であれば、ステップS5に移る。
によって検出されるフィルタ44の出口側温度t1と、
第1の温度センサ52によって検出されるフィルタ44
の入口側温度t2との差が算出され、その差の絶対値
(|t1−t2|)が所定温度B以下になったか否かが
判断される。これらのステップS3,S4,S5と温度
センサ52,53とタイマを含む制御部16等は、この
発明でいう再生完了判定手段として機能する。
ば、フィルタ44内の可燃物質が燃え尽き、フィルタ4
4が完全再生されたと判断される。このためステップS
6にて強制再生が完了したと判断する。所定温度Bは、
温度センサ52,53のばらつき等を考慮した値であ
る。なお、ステップS5において“NO”であれば、強
制再生を続行する。
(制御部16および圧力センサ50,51等)によっ
て、強制再生完了直後のパティキュレートフィルタ44
の捕集量W1を推定する。強制再生完了直後はスートが
ほぼ完全に燃焼し、実質的に灰分のみが残っているはず
であるから、ステップS7で求めた捕集量W1を灰分と
みなす(ステップS8)。すなわちステップS7,S8
は、この発明でいう灰分堆積量算出手段として機能す
る。
分)W1に応じて、次回の強制再生条件の補正を行う。
例えば強制再生を開始する判断基準となる捕集量のしき
い値に灰分W1を加算するとか、あるいは、捕集量推定
手段によって求める捕集量推定値から灰分W1を減算す
る。こうすることにより、灰分W1を除く捕集量が所定
値を超えたときに次回の強制再生が開始されるようにす
る。すなわちステップS9は、この発明でいう補正手段
として機能する。
が許容値を超えているか否かが判断され、灰分W1が許
容値を超えている場合には、運転席の計器板等に設けた
アラームランプを点灯させるとか、警報音を出すなどの
警報手段を作動させ、車両の乗員等に知らせる。灰分W
1が許容値を超えている場合、パティキュレートフィル
タ44の清掃を行い、灰分を除去することによって性能
の維持を図る。
が成立していない場合(“NO”の場合)、ステップS
20に移行する。ステップS20では、温度センサ52
によって検出されるフィルタ44の入口側温度が連続再
生等の再生可能な所定温度Cを超えているか否かが判断
される。ここで入口側温度が所定温度C以上であれば、
再生が開始されたと判断しステップS21に移る。
定温度C以上の状態が所定時間T2以上継続したか否か
が判断される。ここで言う所定時間T2は、例えば通常
走行時(高速走行等)において連続再生が十分完了する
時間である。ステップS21において“YES”であれ
ば、ステップS22に移る。
3によって検出されるフィルタ44の出口側温度t1
と、第1の温度センサ52によって検出されるフィルタ
44の入口側温度t2との差が算出され、その差の絶対
値(|t1−t2|)が所定温度D以下になったか否か
が判断される。
ば、再生によってフィルタ44内のスートが燃え尽きた
と判断できるため、ステップS23において再生が完了
したと判断する。そののち強制再生の場合と同様にステ
ップS7以降の処理を行う。上記ステップS22におい
て“NO”であれば、再生を続行する。ステップS20
〜S22は、この発明でいう再生完了判定手段として機
能する。
23は、制御部16に予め組込まれている所定のプログ
ラムに基いて自動的になされる。以上説明した実施形態
のパティキュレートフィルタ44の再生制御装置は、フ
ィルタ44が捕集した灰分量を除く捕集推定量に基い
て、次回の強制再生時期を判断するため、強制再生のイ
ンターバルを適正に保つことができ、燃費の悪化を防ぐ
ことができる。
キュレートフィルタや強制再生手段の具体的な態様をは
じめとして、捕集量推定手段、再生完了判定手段、灰分
堆積量算出手段、補正手段など、この発明の構成要素を
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更して実施でき
ることは言うまでもない。
ィキュレートフィルタの再生完了が判定されたときに、
捕集量推定手段によって推定される捕集量に基いて灰分
堆積量を求めるため、再生完了後にパティキュレートフ
ィルタに残存する灰分堆積量を的確に求めることができ
る。そしてこの灰分堆積量に基いて推定捕集量あるいは
強制再生用の所定値を補正するので、堆積灰分の影響を
精度良く排除することが可能となり、適切な強制再生制
御を実現できる。
1による効果に加えて、パティキュレートフィルタの再
生が完了した時点を的確に判定でき、灰分堆積量を精度
良く求めることができる。
堆積が過大になったときに警報を発することにより、パ
ティキュレートフィルタ等の整備を促すことができるた
め、性能が低下した状態のまま使用が継続されることを
防止できる。
ルタ再生制御装置の処理内容を示すフローチャート。
Claims (3)
- 【請求項1】内燃機関の排気通路に設けられ排気中のパ
ティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタ
と、 上記パティキュレートフィルタによる捕集量を推定する
捕集量推定手段と、 上記捕集量推定手段が推定した捕集量が所定値に達する
と上記パティキュレートフィルタを強制的に再生する強
制再生手段と、 上記パティキュレートフィルタの再生が完了したことを
判定する再生完了判定手段と、 上記パティキュレートフィルタの再生完了が判定された
とき上記捕集量推定手段により推定される捕集量に基い
て灰分堆積量を求める灰分堆積量算出手段と、 上記灰分堆積量算出手段により算出された灰分堆積量に
基いて、上記捕集量推定手段による推定捕集量あるいは
上記所定値を補正する補正手段と、 を具備したことを特徴とするパティキュレートフィルタ
の再生制御装置。 - 【請求項2】上記再生完了判定手段は、上記パティキュ
レートフィルタに関する温度が所定温度以上の状態が所
定時間以上継続し、かつ、上記パティキュレートフィル
タの上流と下流の温度差が所定温度以下のときに再生完
了と判断することを特徴とする請求項1記載のパティキ
ュレートフィルタの再生制御装置。 - 【請求項3】上記灰分堆積量算出手段によって算出され
た灰分堆積量が許容値を超えているときに警報を発する
警報手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1
記載のパティキュレートフィルタの再生制御装置。
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