JP3915671B2 - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの排気ガス中に含まれる排気微粒子を捕集するパティキュレートフィルタの再生に関し、エンジンの排気浄化装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ディーゼルエンジンの排気ガス中には、パティキュレートと称される微粒子が含まれており、これを捕集して除去するパティキュレートフィルタが排気通路に備えられることがある。このフィルタは、エンジンの運転時間の増加と共に排気微粒子の捕集量が増加して目詰まりを起こすので、適宜その対策がとられる。
【0003】
目詰まりを解消してパティキュレートフィルタを再生するため、従来、ヒータやバーナ等で捕集した排気微粒子を燃焼除去する方式がとられていたが、この方式はコスト高を招いたり急激な温度上昇によってフィルタにクラックを誘起するおそれがある等の理由から、最近では、比較的低温下での排気微粒子の燃焼除去が可能な方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この方式は酸化触媒物質を担持させたパティキュレートフィルタを用いており、まずフィルタに流入する排気ガス温度を上昇させてフィルタの酸化触媒機能を活性状態とし、その上でフィルタへ燃料を供給することによりフィルタの酸化触媒機能を利用して燃料を酸化反応させ、その際の酸化反応熱でフィルタを昇温するように構成されている。こうすることにより、捕集された排気微粒子は速やかに燃焼除去されて目詰まりが解消されることになる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−303980号公報(第3頁、第15頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パティキュレートフィルタに流入する排気ガス温度を上昇させることにより速やかにフィルタを再生しようとする場合、高温の排気ガスが流入するフィルタの前方部分(エンジン側)及びその中心部分は昇温が速やかで、早期に活性状態に到達して排気微粒子の燃焼除去が開始される一方、通常排気ガスからの熱伝達が悪いフィルタの後方部分(反エンジン側)や外周部分は昇温が遅れ、フィルタ全体として見ると再生に時間がかかるという問題が生じることがある。特に、長手方向或いは径方向に大サイズとされたフィルタの場合、問題は一層顕在化する。
【0007】
この問題を解決する方策として、排気ガス温度をさらに上昇させて再生時間の短縮を図ることが考えられるが、その場合には、フィルタの後方部分や外周部分は再生に適切な温度に速やかに到達するかもしれないが、一方で前方部分及びその中心部分は過度に昇温されることになり、フィルタの溶損や、酸化触媒をフィルタに担持させた場合にはこの酸化触媒の劣化等を誘起するおそれが生じる。
【0008】
また、フィルタへ燃料を供給して担持した酸化触媒によって酸化反応させると、継続して発生する酸化反応熱が蓄積されてフィルタの後方部分の温度は上昇し続けることになり、この場合、後方部分が過度に温度上昇するという問題が生じることがある。
【0009】
そこで、本発明は、以上の現状に鑑み、過度の温度上昇によるパティキュレートフィルタの損傷やフィルタに担持させた酸化触媒の劣化等を招くことなく、フィルタの再生時間を短縮可能なエンジンの排気浄化装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0011】
まず、請求項1に記載の発明は、エンジンの排気通路に備えられて排気微粒子を捕集すると共に酸化触媒機能を有するパティキュレートフィルタと、該フィルタに捕集される排気微粒子の捕集量を検出する捕集量検出手段と、エンジンの燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射手段と、該燃料噴射手段を制御することにより噴射量と噴射時期とを含む噴射態様を制御する噴射制御手段と、上記捕集量検出手段によって検出された捕集量が所定値以上となったときに、ピストンの圧縮上死点近傍での主噴射に続いて膨張行程で後噴射を実行させてフィルタに捕集された排気微粒子を燃焼させるように上記噴射制御手段を作動させるフィルタ再生手段とを有するエンジンの排気浄化装置に関するもので、上記フィルタの後方部分に関連する温度を検出する温度検出手段と、上記フィルタの前方部分に関連する温度を検出する第2の温度検出手段と、再生期間中に検出されたフィルタの前方部分に関連する温度と後方部分に関連する温度との間の温度差を算出する温度差算出手段と、再生開始時点からの経過時間を計時する計時手段とを備え、上記フィルタ再生手段は、再生期間中、上記温度差算出手段によって算出された温度差が基準温度差以下となったとき、フィルタの溶損を抑制するために上記後噴射における噴射量の減量と噴射時期の進角の少なくとも一方を実行するように噴射制御手段を作動させると共に、上記計時手段によって計時された経過時間が所定時間を経過していないときには、上記温度差算出手段によって算出される温度差に関係なく、フィルタの溶損を抑制するための上記後噴射における噴射量の減量と噴射時期の進角のいずれもを実行しないようにすることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、後噴射の噴射態様を、例えば再生期間中の初期には、パティキュレートフィルタに燃料を供給して酸化反応熱を積極的に利用する再生初期モードに設定する一方、後期には、酸化反応熱の発生を抑制気味とするように燃料を供給する再生後期モードに設定することができる。まず、初期には後噴射の噴射態様を再生初期モードに設定することにより、この後噴射を介して供給された燃料のフィルタにおける酸化反応によってフィルタの後方部分や外周部分も含めてフィルタは速やかに昇温されるから、再生時間の短縮が図られる。
【0013】
一方、再生が進行すると、継続して供給される燃料の酸化反応に伴い、フィルタの後方部分では酸化反応熱が滞留することによって過度の温度上昇が懸念されるが、この発明によれば、後噴射の噴射態様を再生初期モードから再生後期モードへ変更することで、酸化反応熱によるフィルタの過度の温度上昇が効果的に抑制される。したがって、過度の温度上昇によるフィルタの溶損やフィルタに担持させた酸化触媒の劣化等が未然に防止されるようになる。その場合、再生の進行に伴ってフィルタの後方部分に関連する温度が前方部分に関連する温度に所定範囲内で近づくと後噴射の噴射態様を再生初期モードから再生後期モードへ変更することにより、再生の精度が向上する。ところで、通常再生初期には前述した両温度間の温度差は小さく、再生の進行に伴って温度差は一旦拡大するため、この再生初期の小さい温度差を検出して基準温度差以下であると誤判定するおそれがあるが、再生開始後、所定時間が経過するのを待って判定するので、誤って後噴射が再生後期モードへ移行するのを防止することができる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載のエンジンの排気浄化装置において、パティキュレートフィルタの上流側の排気通路に酸化触媒装置が配置されていることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、酸化触媒装置における燃料の酸化反応熱を利用することができるから、フィルタへ流入する排気ガスの速やかな昇温により、再生の開始を容易にすると共に再生時間のさらなる短縮が可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0037】
本発明は、図1に示すディーゼルエンジン1に適用されている。このエンジン1は、例えば4気筒エンジンであって、エンジン本体2のシリンダボア内を上下動するピストン3が4つ備えられている(図1には1つのみ図示)。エンジン本体2のシリンダヘッドには気筒毎にインジェクタ4が備えられており、このインジェクタ4はピストン3が画成する気筒内燃焼室に燃料を直接噴射する。
【0038】
そして、図外の燃料タンクとインジェクタ4との間の燃料供給経路上に高圧燃料ポンプ5及びコモンレール6が配置されている。ポンプ5は燃料タンクからコモンレール6に燃料を圧送し、コモンレール6は圧送された燃料を蓄積する。インジェクタ4が開弁すると、コモンレール6に蓄積された燃料がインジェクタ4の噴口から高圧で噴射される。このとき、インジェクタ4の開弁時間とコモンレール6内の燃圧を制御することにより燃料噴射量が制御可能である。また、インジェクタ4の開弁時期を制御することにより燃料噴射時期が制御可能である。なお、図中、燃料供給経路上の矢印は燃料の流れを示す。
【0039】
吸気通路10には、上流側から順に、エアクリーナ11、エアフロメータ12、過給機のコンプレッサ13、インタークーラ14、吸気量を調節するスロットル弁15、吸気温センサ16、吸気圧センサ17、そして吸気弁18が備えられている。
【0040】
排気通路20には、上流側から順に、排気弁21、過給機のタービン22、第1排気温センサ23、酸化触媒装置24、第2排気温センサ25、上流側圧力センサ26、排気ガス中の排気微粒子を捕集するパティキュレートフィルタ27、下流側圧力センサ28、そして第3排気温センサ29が備えられている。また、排気通路20の比較的上流部と吸気通路10の比較的下流部との間にEGR通路30が配設され、該通路30上に排気還流量を調節するEGR弁31が備えられている。なお、フィルタ27には白金等の貴金属を含む酸化触媒物質がコーティングされている。第1〜第3排気温センサ23,25,29はもちろん温度検出手段であり、また、上流側及び下流側圧力センサ26,28は捕集量検出手段を構成する。
【0041】
そして、エンジン本体2のクランクケースにはエンジン回転数センサ41が、またシリンダブロックには水温センサ42が設けられている。コモンレール6には燃料の蓄圧を検出するコモンレール圧センサ43が設けられている。車室にはアクセルペダル44の踏み込み量を検出するアクセル開度センサ45が設けられている。
【0042】
このエンジン1のコントロールユニット50は、上記各センサで検出される吸気量、吸気温、吸気圧、酸化触媒装置24に流入する排気温、パティキュレートフィルタ27に流入する排気温、フィルタ27から出た後の排気温、フィルタ27を挟む上流側及び下流側圧力、エンジン回転数、冷却水温、コモンレール6内の燃料蓄圧、並びにエンジン負荷等に基づいて、インジェクタ4及び高圧燃料ポンプ5に制御信号を出力する。
【0043】
コントロールユニット50は、エンジン回転数センサ41によるエンジン回転数とアクセル開度センサ45によるエンジン負荷とから求められる基本燃料噴射量を冷却水温や吸気温等で補正して目標燃料噴射量を算出する。一方、図2に示すような特性マップを参照し、後噴射を実行するか否かを判定する。後噴射とは、ピストン3の圧縮上死点近傍で燃料を噴射する主噴射より後の膨張行程中に燃料を噴射することをいい、その目的は、後噴射で生成した未燃成分を酸化触媒装置24や酸化触媒を担持したパティキュレートフィルタ27で酸化反応させてこれらを昇温させることにより、フィルタ27が捕集した排気微粒子を燃焼除去して、このフィルタ27を速やかに再生することにある。
【0044】
図2に示したように、高負荷かつ高回転領域及び低負荷かつ低回転領域ではいずれも後噴射は実行されない。これは、およそ次のような理由による。すなわち、捕集した排気微粒子を燃焼除去するためには、酸化触媒を担持したパティキュレートフィルタ27ないし排気ガスを概ね400℃程度に昇温させなければならないといわれている。まず、高負荷かつ高回転領域では主噴射を実行するだけで排気ガス温度が当該温度に到達するから、後噴射を実行する必要がない。一方、低負荷かつ低回転領域では主噴射を実行するだけでは排気ガス温度は200℃程度でしかない。したがって、たとえ酸化触媒装置24で後噴射による未燃成分を酸化反応させても、フィルタ27に流入する排気ガスの温度が400℃程度に上昇することがなく、本来の後噴射の目的が達成されない。
【0045】
図3に、符号Aで示す主噴射と符号Bで示す後噴射とを行う場合の噴射量及び噴射時期を例示する。ここでは、後述するパティキュレートフィルタ27の再生初期と後期とにおける主噴射及び後噴射の噴射態様の一例を示す。なお、噴射時期については、ピストン3の圧縮上死点におけるクランク角を0°としている。
【0046】
次に、パティキュレートフィルタ27を再生する場合の制御例について説明する。
【0047】
まず、パティキュレートフィルタ27の前方部分及び後方部分に関連する温度に基いて後噴射の噴射態様を制御する場合のフローチャート例を図4に示す。
【0048】
コントロールユニット50は、ステップS1で、エンジン回転数センサ41によるエンジン回転数と、アクセル開度センサ45によるエンジン負荷とを読み込み、ステップS2で、フィルタ27が捕集した排気微粒子の捕集量を検出する。この捕集量は、フィルタ27を挟んで備えられた上流側及び下流側圧力センサ26,28による上流側圧力と下流側圧力との圧力差で代用する。なお、圧力差の代わりに圧力比を用いてもよい。
【0049】
また、ステップS3で、フィルタ27を挟んで備えられた第2及び第3排気温センサ25,29によってフィルタ27の前方部分及び後方部分に関連する温度tf,trを検出する。この場合、フィルタ27の前方部分及び後方部分に関連する温度tf,trとして、第2及び第3排気温センサ25,29によって検出されたフィルタ27へ流入する排気ガス温度及びフィルタ27から出た後の排気ガス温度を用いたが、フィルタ27自体の前方部分及び後方部分の温度を検出して採用すれば、再生の精度面でさらに好ましい。なお、第2排気温センサ25の代わりに第1排気温センサ23を用いてもよい。
【0050】
そして、ステップS4で、エンジン回転数とエンジン負荷とが図2に照らして後噴射実行領域にあると判定すると、ステップS5で、再生開始フラグFが0か否かを判定する。なお、制御開始に当ってこのフラグFは0にセットされており、0のときには再生は実行されていない。
【0051】
ステップS5でYESと判定すると、ステップS6で、上記圧力差が予め設定された所定値α1以上か否かを判定し、YESと判定するとフィルタ27が目詰まりしていることを意味するから、ステップS7〜S12で、フィルタ27の再生つまり後噴射を実行する。
【0052】
すなわち、ステップS7で、タイマを予め設定された時間T1にセットし、ステップS8で、時間T1が経過したか否かを判定し、NOと判定するとステップS9で、後噴射の噴射態様を再生初期モードに設定し、ステップS10で、再生開始フラグFを0から1へ変更してセットする。この場合の後噴射の再生初期モード例を図5及び図6の特性マップに示す(図3も参照)。これらのマップはコントロールユニット50に備えられており、例えば、エンジン回転数が1000rpmでエンジン負荷が10%の場合の噴射態様は、1気筒1ストローク当りの噴射量が20.5mm、或いは噴射時期がクランク角で31°に設定される。
【0053】
一方、ステップS8でYESと判定すると、ステップS11で、フィルタ27の前方部分に関連する温度tfから後方部分に関連する温度trを減じて算出された温度差が予め設定された基準温度差Δt以下か否かを判定する。この基準温度差Δtは、後噴射の噴射態様を再生初期モードから再生後期モードへ変更する場合の判定基準となるものであって、フィルタ27の後方部分の過度の温度上昇によるフィルタ27の溶損やフィルタ27に担持させた酸化触媒の劣化等を生じさせないよう、少なくともフィルタ27の後方部分に関連する温度trが前方部分に関連する温度tfを超えないように設定されている。
【0054】
ステップS11でNOと判定すると、ステップS9へ進んで再生初期モードで後噴射を継続する一方、YESと判定すると、ステップS12で、後噴射の噴射態様を再生後期モードに設定し、ステップS10へ進む。この場合の後噴射の再生後期モード例を図7及び図8の特性マップに示す(図3も参照)。例えば、エンジン回転数が1000rpmでエンジン負荷が10%の場合の噴射態様は、1気筒1ストローク当りの噴射量が18mm、或いは噴射時期がクランク角で26°に設定される。すなわち、前述した再生初期モードに比較して噴射量は減量され、また噴射時期は進角されている。これにより、再生後期においては再生初期に比較して、酸化触媒装置24やフィルタ27へ供給される燃料が減量されることになる。
【0055】
なお、上記時間T1を設定した目的は、通常再生初期には前述した両温度tf,tr間の温度差は小さく、再生の進行に伴って温度差は一旦拡大するため、この再生初期の小さい温度差を検出して基準温度差Δt以下であると誤判定して、後噴射が再生後期モードへ移行するのを防止することにある。
【0056】
こうすることによって、初期には後噴射における噴射量や噴射時期を再生初期モードに設定することにより、この後噴射を介して供給された燃料のフィルタ27における酸化反応を積極的に利用することで、フィルタ27の後方部分や外周部分も含めてフィルタ27は速やかに昇温されるから、再生時間の短縮が図られる。その場合、酸化触媒装置24における燃料の酸化反応熱を利用することができるから、フィルタ27へ流入する排気ガスの速やかな昇温により、再生の開始を容易にすると共に再生時間のさらなる短縮が可能となる。
【0057】
そして、再生の進行に伴ってフィルタ27の前方部分及び後方部分に関連する温度tf,tr間の温度差が基準温度差Δt以下になると、酸化反応熱の発生を抑制するように後噴射の噴射態様を再生初期モードから再生後期モードへ変更することにより、フィルタ27全体の温度がほぼ均一とされながら、かつ、フィルタ27の後方部分の過度の温度上昇が効果的に抑制される。したがって、過度の温度上昇によるフィルタ27の溶損やフィルタ27に担持させた酸化触媒の劣化等が未然に防止されるようになる。
【0058】
そして、上記ステップS5でNOと判定すると、このことはフィルタ27の再生がすでに実行中であることを意味するから、次いでステップS13で、上記圧力差が予め設定された所定値α2以上か否かを判定する。なお、この所定値α2は上記所定値α1を再生開始圧力とすれば再生終了圧力に相当するものであって、圧力差がこの所定値α2にまで低下すると、フィルタ27の再生を終了することになる。もちろん、この所定値α2は所定値α1より小さく設定されている。
【0059】
ステップS13でYESと判定すると、再生を継続させるためステップS8へ進む一方、NOと判定すると、再生を終了させるため、ステップS14で、再生開始フラグFを1から0へ変更してセットする。
【0077】
さらに、詳細な説明は省略するが、フィルタ27の再生に際し、コントロールユニット50が後噴射における噴射態様を再生初期モードから再生後期モードへ徐々に変更することも可能である。すなわち、フィルタ27の前方部分及び後方部分に関連する温度tf,tr間の温度差に基き、そして、上記温度差が所定値Δtに近づくにつれて、前出の図5〜図8に示す特性マップに基いて補間法によって噴射量或いは噴射時期を補正計算することにより、噴射態様を再生初期モードから再生後期モードへと徐々に変化させることができる。
【0078】
こうすることによって、フィルタ27の後方部分の温度上昇に応じた緻密な制御が可能となり、フィルタ27の後方部分の過度の温度上昇によるフィルタ27の溶損やフィルタ27に担持させた酸化触媒の劣化等が確実に防止され、再生の精度がさらに向上する。
【0079】
なお、本発明では、後噴射の噴射態様の変更に際し、噴射量の減量と噴射時期の進角のいずれか一方を実行してもよいし、或いは両方を実行してもよい。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、パティキュレートフィルタを再生するに際し、後噴射によって燃料を供給するように構成されたエンジンにおいて、例えば再生期間中の初期には、後噴射の噴射態様をフィルタに燃料を供給して酸化反応熱を積極的に利用する再生初期モードに設定することにより、供給された燃料のフィルタにおける酸化反応によってフィルタの後方部分や外周部分も含めてフィルタを速やかに昇温することができ、もって再生時間の短縮が図られる。一方、後期には、酸化反応熱の発生を抑制気味とするような再生後期モードに設定することにより、フィルタの過度の温度上昇が効果的に抑制される。したがって、過度の温度上昇によるフィルタの溶損やフィルタに担持させた酸化触媒の劣化等が未然に防止されるようになる。その場合、再生の進行に伴ってフィルタの後方部分に関連する温度が前方部分に関連する温度に所定範囲内で近づくと後噴射の噴射態様を再生初期モードから再生後期モードへ変更することにより、再生の精度が向上する。ところで、通常再生初期には前述した両温度間の温度差は小さく、再生の進行に伴って温度差は一旦拡大するため、この再生初期の小さい温度差を検出して基準温度差以下であると誤判定するおそれがあるが、再生開始後、所定時間が経過するのを待って判定するので、誤って後噴射が再生後期モードへ移行するのを防止することができる。
【0082】
また、請求項2に記載の発明によれば、触媒装置における燃料の酸化反応熱を利用することができるから、フィルタへ流入する排気ガスの速やかな昇温により、再生の開始を容易にすると共に再生時間のさらなる短縮が可能となる。
【0091】
このように、本発明は、過度の温度上昇によるパティキュレートフィルタの損傷やフィルタに担持させた酸化触媒の劣化等を招くことなく、フィルタの再生時間を短縮可能なエンジンの排気浄化装置を提供するもので、エンジンの排気浄化装置の技術分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るエンジンのシステム構成図である。
【図2】 後噴射を実行する領域を示す特性マップである。
【図3】 主噴射及び後噴射の噴射態様の一例を説明するための図である。
【図4】 パティキュレートフィルタの再生制御例を説明するためのフローチャートである。
【図5】 再生初期の後噴射における噴射量を示す特性マップである。
【図6】 同じく後噴射における噴射時期を示す特性マップである。
【図7】 再生後期の後噴射における噴射量を示す特性マップである。
【図8】 同じく後噴射における噴射時期を示す特性マップである。
【符号の説明】
1 エンジン
3 ピストン
4 インジェクタ(燃料噴射手段)
20 排気通路
23,25,29 排気温センサ(温度検出手段)
24 酸化触媒装置
26,28 圧力センサ(捕集量検出手段)
27 パティキュレートフィルタ
50 コントロールユニット(噴射制御手段、フィルタ再生手段、温度差算出手段、計時手段)

Claims (2)

  1. エンジンの排気通路に備えられて排気微粒子を捕集すると共に酸化触媒機能を有するパティキュレートフィルタと、該フィルタに捕集される排気微粒子の捕集量を検出する捕集量検出手段と、エンジンの燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射手段と、該燃料噴射手段を制御することにより噴射量と噴射時期とを含む噴射態様を制御する噴射制御手段と、上記捕集量検出手段によって検出された捕集量が所定値以上となったときに、ピストンの圧縮上死点近傍での主噴射に続いて膨張行程で後噴射を実行させてフィルタに捕集された排気微粒子を燃焼させるように上記噴射制御手段を作動させるフィルタ再生手段とを有するエンジンの排気浄化装置であって、上記フィルタの後方部分に関連する温度を検出する温度検出手段と、上記フィルタの前方部分に関連する温度を検出する第2の温度検出手段と、再生期間中に検出されたフィルタの前方部分に関連する温度と後方部分に関連する温度との間の温度差を算出する温度差算出手段と、再生開始時点からの経過時間を計時する計時手段とを備え、上記フィルタ再生手段は、再生期間中、上記温度差算出手段によって算出された温度差が基準温度差以下となったとき、フィルタの溶損を抑制するために上記後噴射における噴射量の減量と噴射時期の進角の少なくとも一方を実行するように噴射制御手段を作動させると共に、上記計時手段によって計時された経過時間が所定時間を経過していないときには、上記温度差算出手段によって算出される温度差に関係なく、フィルタの溶損を抑制するための上記後噴射における噴射量の減量と噴射時期の進角のいずれもを実行しないようにすることを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  2. パティキュレートフィルタの上流側の排気通路に酸化触媒装置が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの排気浄化装置。
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