JPH0860146A - 陰極線管用蛍光体 - Google Patents

陰極線管用蛍光体

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JPH0860146A
JPH0860146A JP19556994A JP19556994A JPH0860146A JP H0860146 A JPH0860146 A JP H0860146A JP 19556994 A JP19556994 A JP 19556994A JP 19556994 A JP19556994 A JP 19556994A JP H0860146 A JPH0860146 A JP H0860146A
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JP
Japan
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phosphor
nickel
electron beam
fluorescent substance
zns
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JP19556994A
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English (en)
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Yukio Tokunaga
幸男 徳永
Masayuki Yamada
雅之 山田
Seihachi Sakai
清八 坂井
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Kasei Optonix Ltd
Original Assignee
Kasei Optonix Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 陰極線管内で散乱される低加速電圧、低電流
密度の電子線による励起下での発光輝度を低下させ、通
常の電子線励起条件での発光輝度の低下がほとんどなく
高コントラストの陰極線管用蛍光体を提供しようとする
ものである。 【構成】 本発明は、蛍光体表面にNi及び/又はNi
化合物を、好ましくは、0.001〜5重量%の範囲で
付着してなる陰極線管用蛍光体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極線管に使用される
蛍光体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、カラ−テレビジョン用、ディスプ
レイ用等の陰極線管には青色若しくは緑色発光蛍光体と
して硫化亜鉛蛍光体が、また、赤色発光蛍光体としては
酸硫化イットリウム蛍光体が主に使用されている。これ
らの蛍光体は発光効率が高く、高輝度であるが、陰極線
管の蛍光膜として用いると、電子線を直接照射する特定
の部位以外の、発光して欲しくない部位が陰極線管線内
で散乱する微弱で低エネルギ−の電子線によって発光す
るため、画像のコントラストを低下させるという欠点が
あった。
【0003】即ち、一般の陰極線管は電子銃から出射さ
れた電子線がシャドウマスクの穴を通り抜けて画素を構
成する蛍光面の所望の部位に照射され、その部位の蛍光
体が発光する。ところが、所望の部位にのみ電子線が照
射されればよいが、実際には電子線はシャドウマスクの
穴のエッジ部分で散乱されたり、シャドウマスクの表面
で反射し、また、陰極線管の管壁で反射を繰り返しなが
ら最終的に蛍光面に到達するものもあり、散乱された低
エネルギーの電子線が所望の部位以外の場所で蛍光面を
発光させて画像のコントラストを低下させるという問題
があった。
【0004】そこで、陰極線管の実際の動作条件により
生ずる電子線の直接照射を受けた場合(実際の励起条件
で)の発光輝度は高く、実際の励起条件よりも加速電
圧、あるいは電流密度の低い電子線の照射を受けた場合
には発光輝度が低い、そのような蛍光体を用いればコン
トラストの向上が期待できる。
【0005】このような効果をねらった技術としては、
一次焼成で蛍光体作成後、二次焼成で蛍光体表面層にキ
ラー成分をドーピングし、非発光層を形成する方法(特
開昭60ー156786号公報、特開昭60ー1567
87号公報、特開昭60ー199090号公報、特開昭
60─199091号公報、特開昭、同199092号
公報)、蛍光体表面にコバルトメッキをする方法(特開
昭62ー121783号公報)、電子線バリヤ材として
Ti化合物を表面に付着する方法(特開昭62ー101
685号公報)などが知られている。
【0006】しかし、上記のキラー成分のドーピングや
従来公知の表面付着物による電子線の吸収は制御が難し
く、低エネルギー電子線による励起での発光を抑制しよ
うとすると、高エネルギー電子線で励起した場合の発光
効率も低下するという問題があった。また、上記のドー
ピング剤や表面付着物の体色が蛍光体に付着するという
不都合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解消し、陰極線管内で散乱される電子線、即ち、低
加速電圧、低電流密度の電子線による励起下での発光輝
度を低下させ、通常の電子線励起条件での発光輝度の低
下がほとんどない蛍光体を提供しようとするものであ
り、特に、陰極線管の蛍光膜に適用するときに、高コン
トラストが得られる蛍光体を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明は、電子線吸収
効率の高いNi及び/又はNi化合物を蛍光体表面に付
着させることにより、陰極線管の蛍光膜に適した高コン
トラスト蛍光体の提供を可能にした。
【0009】上記のNi及び/又はNi化合物の付着量
は、蛍光体母体に対して、0.001〜5重量%の範囲
が適している。また、前記Ni化合物としては、水酸化
ニッケル、燐酸ニッケル及び酸化ニッケルが好ましい。
【0010】
【作用】本発明者等は、陰極線管用蛍光体のコントラス
トを向上させるために、蛍光体表面への付着物を種々検
討する中で、Ni及び/又はNi化合物が電子線吸収剤
としての機能を有し、低エネルギ−電子線ほど吸収割合
が高く、高エネルギ−電子線をほとんど吸収しないこと
を見出した。そこで、Ni及び/又はNi化合物を蛍光
体表面に付着することにより、陰極線管内で散乱する電
子線の励起による蛍光体の発光を大幅に抑制し、かつ、
蛍光膜の所望の位置に直接照射される高エネルギ−電子
線はほとんど吸収されずに効率的に所望の蛍光体を励起
するので、高コントラストで高輝度の発光が得られる陰
極線管を容易に提供することができる。
【0011】本発明の蛍光体表面に付着させるNi及び
/又はNi化合物としては、特に制限はなく、その構成
成分中にニッケル元素が含まれていればよいが、電子線
吸収効果が大きく、蛍光体への付着が容易であるところ
から、水酸化ニッケル、燐酸ニッケル及び酸化ニッケル
を用いるのが特に好ましい。
【0012】図1は、ZnS:Cu,Al緑色発光蛍光
体表面に、Niに換算して0〜8wt%の水酸化ニッケル
を付着して、水酸化ニッケル付着量をパラメータとして
電子線の一定電流密度下における加速電圧に対する発光
輝度の変化を示したグラフである。蛍光体表面には、水
酸化ニッケルが付着されているため、加速電圧10kV
以下の低電圧の下では、電子線が表面で吸収される割合
が高く、表面処理を施していないものに比べ輝度が低く
なっている。
【0013】図示していないが、蛍光体表面への水酸化
ニッケルの付着量がニッケル元素の量に換算して蛍光体
に対して0.001重量%より少ないと、低エネルギ−
電子線による励起下での発光輝度がほとんど低下せず、
これを陰極線管の蛍光膜として用いても、陰極線管内の
散乱電子線による発光のために画像コントラストの改良
効果が得られない。
【0014】一方、図1から分かるように、蛍光体表面
への水酸化ニッケルの付着量がニッケルの量に換算して
5重量%より多くなると、蛍光体の体色による蛍光体か
らの発光光の吸収などが原因となり、低エネルギ−の電
子線のみならず、加速電圧20kV以上の高速電子線で
励起しても発光輝度が低下するため、実用に供すること
ができない。
【0015】なお、この傾向は、水酸化ニッケル以外の
ニッケル化合物を蛍光体表面に付着させた場合にもほぼ
同様であった。したがって、蛍光体表面へのニッケル化
合物の付着量はニッケルの量に換算して蛍光体に対して
0.001〜5重量%とするのが良く、特に0.01〜
1.0重量%とするのがより好ましい。
【0016】本発明で使用される、Ni及び/又はNi
化合物を付着させる蛍光体としては、ZnS:Ag,A
l蛍光体、ZnS:Ag,Cl蛍光体、ZnS:Zn蛍
光体、ZnS:Cu,Al蛍光体、ZnS:Cu,A
u,Al蛍光体、ZnS:Au,Al蛍光体、(Zn,
Cd)S:Cu,Al蛍光体、Y2 2 S:Eu蛍光
体、Y2 3 :Eu蛍光体等の外、これらの蛍光体表面
に顔料や、塗布性を改良するための表面処理剤を付着さ
せた蛍光体など、カラ−TV用陰極線管の蛍光膜として
用いられている蛍光体や、Ni,Co等の重金属を蛍光
体中に含有する硫化亜鉛系蛍光体などが用いられる。
【0017】しかし、ニッケル化合物は、それ自身が緑
色の体色を有しているものが多く、緑色発光蛍光体に対
してその付着量を増しても、高エネルギ−電子線による
励起下での発光輝度の低下が少ない。例えば、水酸化ニ
ッケルや燐酸ニッケルでは、ニッケルの量に換算してお
よそ5重量%まで付着量を増やしても緑色以外の発光色
を有する蛍光体に付着させた場合に比べて高エネルギ−
電子線による励起下での発光輝度の低下は小さく、一
方、低エネルギ−電子線による励起下での発光輝度の低
下率は大きくなるため、コントラストの改良効果も大き
い。それ故、ZnS:Cu,Al蛍光体、ZnS:C
u,Au,Al蛍光体、ZnS:Au,Al蛍光体、
(Zn,Cd):Cu,Al蛍光体等の緑色発光蛍光体
の表面にニッケル化合物を付着させるのが特に好まし
い。
【0018】
【実施例】
(実施例1)ZnS:Cu,Al緑色発光蛍光体100
gに純水300mlを加えて蛍光体の懸濁液を作成し
た。この懸濁液を撹拌しながら、ニッケルの量に換算し
て10重量%の硫酸ニッケル水溶液を10ml添加し、
これに苛性ソーダを添加してpHを8.0に調整し、そ
のまま10分間撹拌した後、撹拌を止めて静置し、蛍光
体を沈降させた。デカンテーションにより上澄み液を除
去し、1リットルの純水で2回水洗した。次に得られた
沈殿を濾過し、乾燥した後に篩を通し、ニッケルの量に
換算して1.0重量%の水酸化ニッケルを表面に付着さ
せたZnS:Cu,Al緑色発光蛍光体(1)を得た。
【0019】次いで、ガラス製のテストピースにこの蛍
光体を沈降塗布し、アクリルラッカーフィルミングとメ
タルバックを施し、デマウンタブル電子線励起装置にて
電流密度が1.0μA/cm2 で加速電圧がそれぞれ5
kVと25kVの電子線を照射して、発光輝度を測定し
た。一方、比較のため、表面にニッケル化合物を付着さ
せていないZnS:Cu,Al緑色発光蛍光体(R1)
を、同様にしてガラス製のテストピース上に沈降塗布
し、アクリルラッカーフィルミングとメタルバックを施
し発光輝度を測定した。
【0020】その結果、蛍光体(R1)の発光輝度を1
00%とした時、表面に水酸化ニッケルを付着させた本
発明の蛍光体(1)の発光輝度は、加速電圧25kVの
高電圧の電子線励起下では97%であり、ニッケル化合
物を付着させていない蛍光体(R1)とほぼ同等である
のに対し、加速電圧5kVの低電圧の電子線励起下では
81%であって、ニッケル化合物を付着させていない蛍
光体(R1)と比べて発光輝度が低かった。この結果か
ら陰極線管の蛍光膜として用いた場合、散乱電子線等に
よる影響を受け難くて高いコントラストが得られること
が分かる。
【0021】(実施例2)10重量%の硫酸ニッケル水
溶液に代えて、ニッケルの量に換算して1重量%の硫酸
ニッケル水溶液を10ml添加し、苛性ソーダに代えて
5重量%の燐酸水素二ナトリウム水溶液を10ml添加
した以外、実施例1の蛍光体(1)と同様にしてニッケ
ルの量に換算して0.1重量%のニッケルを含有する燐
酸ニッケルを表面に付着させたZnS:Cu,Al緑色
発光蛍光体(2)を得た。
【0022】次に、このようにして得られた蛍光体
(2)と表面にニッケル化合物を付着させていないZn
S:Cu,Al緑色発光蛍光体蛍光体(R1)とをそれ
ぞれガラス製のテストピースに沈降塗布し、アクリルラ
ッカーフィルミングとメタルバックを施し、デマウンタ
ブル電子線励起装置にて電流密度が1.0μA/cm2
で加速電圧がそれぞれ5kVと25kVの電子線を照射
して発光輝度を測定した。
【0023】その結果、蛍光体(R1)の発光輝度を1
00%とした時、表面に水酸化ニッケルを付着させた本
発明の蛍光体(2)の発光輝度は、加速電圧25kVの
高電圧の電子線励起下では98%であり、ニッケル化合
物を付着させていない蛍光体(R1)とほぼ同等である
のに対し、加速電圧5kVの低電圧の電子線励起下では
90%であって、ニッケル化合物を付着させていない蛍
光体(R1)と比べて発光輝度が低かった。この測定結
果から陰極線管の蛍光膜として用いた場合、散乱電子線
等による影響を受け難く、高いコントラストが得られる
ことが分かる。
【0024】(実施例3)ZnS:Cu,Al緑色発光
蛍光体に代えてZnS:Ag,Cl青色発光蛍光体を用
い、10重量%の硫酸ニッケル水溶液に代えて、ニッケ
ルの量に換算して1重量%の硫酸ニッケル水溶液を1m
l添加した以外、実施例1の蛍光体(1)と同様にして
ニッケル量に換算して0.01重量%のニッケルを含有
する水酸化ニッケルを表面に付着させたZnS:Ag,
Cl青色発光蛍光体(3)を得た。
【0025】次に、このようにして得られた蛍光体
(3)と表面にニッケル化合物を付着させないZnS:
Ag,Cl青色発光蛍光体(R2)とをそれぞれガラス
製のテストピースに沈降塗布し、アクリルラッカーフィ
ルミングとメタルバックを施し、デマウンタブル電子線
励起装置にて電流密度が1.0μA/cm2 で加速電圧
がそれぞれ5kVと25kVの電子線を照射して、発光
輝度を測定した。
【0026】その結果、蛍光体(R2)の発光輝度を1
00%とした時、表面に水酸化ニッケルを付着させた本
発明の蛍光体(3)の発光輝度は、加速電圧25kVの
高電圧の電子線励起下では98%であり、ニッケル化合
物を付着させていない蛍光体(R2)とほぼ同等である
のに対し、加速電圧5kVの低電圧の電子線励起下では
92%であって、ニッケル化合物を付着させていない蛍
光体(R2)と比べて発光輝度が低かった。この測定結
果から陰極線管の蛍光膜として用いた場合、散乱電子線
等による影響を受け難く、高いコントラストが得られる
ことが分かる。
【0027】(実施例4)ZnS:Ag,Cl青色発光
蛍光体に代えて、Y2 2 S:Eu赤色発光蛍光体を用
いる以外は実施例3の蛍光体(3)と同様にしてニッケ
ルの量に換算して0.01wt%のニッケルを含有する
水酸化ニッケルを表面に付着させたY2 2 S:Eu赤
色発光蛍光体(4)を得た。
【0028】次に、このようにして得られた螢光体
(4)と表面にニッケル化合物を付着させていないY2
2 S:Eu赤色発光蛍光体(R3)とをそれぞれガラ
ス製のテストピースに沈降塗布し、アクリルラッカーフ
ィルミングとメタルバックを施し、デマウンタブル電子
線励起装置にて電流密度が1.0μA/cm2 で加速電
圧がそれぞれ5kVと25kVの電子線を照射して、発
光輝度を測定した。
【0029】その結果、ニッケル化合物を付着させてい
ない蛍光体(R3)の発光輝度を100%とした時、表
面に水酸化ニッケルを付着させた本発明の蛍光体(4)
の発光輝度は、加速電圧25kVの高電圧の電子線励起
下では98%であり、蛍光体(R3)とほぼ同等である
のに対し、加速電圧5kVの低電圧の電子線励起下では
92%であって、ニッケル化合物を付着させていない蛍
光体(R3)と比べて発光輝度が低かった。この測定結
果から陰極線管の蛍光膜として用いた場合、散乱電子線
等による影響を受け難く、高いコントラストが得られる
ことが分かる。
【0030】(実施例5)10重量%の硫酸ニッケル水
溶液に代えて、ニッケルの量に換算して1重量%の硫酸
ニッケル水溶液を1ml添加すること以外は実施例1の
蛍光体(1)と同様にしてニッケルの量に換算して0.
01重量%のニッケルを含有する水酸化ニッケルを表面
に付着させたZnS:Cu,Al緑色発光蛍光体を得た
後、この蛍光体を450℃で1時間ベ−キングし、螢光
体の表面に付着させた水酸化ニッケルを酸化ニッケルに
化学変化させてなる本発明のZnS:Cu,Al緑色発
光蛍光体(5)を得た。
【0031】これとは別に、表面にニッケル化合物を付
着させていないZnS:Cu,Al緑色発光蛍光体を4
50℃で1時間ベ−キングして表面にニッケル化合物が
付着していないZnS:Cu,Al緑色発光蛍光体(R
4)を得た。次にこのようにして得られた蛍光体(5)
と蛍光体(R4)とを、それぞれガラス製のテストピー
スに沈降塗布し、アクリルラッカーフィルミングとメタ
ルバックを施し、デマウンタブル電子線励起装置にて電
流密度が1.0μA/cm2で加速電圧がそれぞれ5k
Vと25kVの電子線を照射して、発光輝度を測定し
た。
【0032】その結果、水酸化ニッケルを付着させてい
ない蛍光体(R4)の発光輝度を100%とした時、表
面に酸化ニッケルを付着させた本発明の蛍光体(5)の
発光輝度は、加速電圧25kVの高電圧の電子線励起下
では98%であり、蛍光体(R4)とほぼ同等であるの
に対し、加速電圧5kVの低電圧の電子線励起下では8
8%であって、蛍光体(R5)と比べて発光輝度が低か
った。この測定結果から陰極線管の蛍光膜として用いた
場合、散乱電子線等による影響を受け難くて高いコント
ラストが得られることが分かる。
【0033】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用し、蛍光体
表面にニッケル及び/又はニッケル化合物からなる電子
線吸収剤を表面に付着させることにより、通常の大きさ
のエネルギーの電子線の励起では通常の発光輝度を示
し、低加速電圧、低電流密度等の低エネルギ−の電子線
による励起時の発光輝度を低く抑えることができるの
で、これを通常の陰極線管の蛍光膜として適用した場
合、シャドウマスクの穴を通して直接照射される電子線
に対しては従来通り高輝度に発光し、陰極線管内で乱反
射等による散乱によって生じた低エネルギ−の電子線の
照射を受けても殆ど発光せず、その結果、画像のコント
ラストを向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の蛍光体に照射される電子線の加
速電圧と発光輝度との関係を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体表面にNi及び/又はNi化合物
    を付着してなる陰極線管用蛍光体。
  2. 【請求項2】 前記Ni及び/又はNi化合物中のNi
    含有量が前記蛍光体母体に対して0.001〜5重量%
    である請求項1記載の陰極線管用蛍光体。
  3. 【請求項3】 前記Ni化合物が水酸化ニッケル、燐酸
    ニッケル及び酸化ニッケルの中の少なくとも1種である
    請求項1又は2記載の陰極線管用蛍光体。
JP19556994A 1994-08-19 1994-08-19 陰極線管用蛍光体 Pending JPH0860146A (ja)

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