JPH0860002A - 2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランの製造法 - Google Patents

2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランの製造法

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JPH0860002A
JPH0860002A JP22238594A JP22238594A JPH0860002A JP H0860002 A JPH0860002 A JP H0860002A JP 22238594 A JP22238594 A JP 22238594A JP 22238594 A JP22238594 A JP 22238594A JP H0860002 A JPH0860002 A JP H0860002A
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JP
Japan
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phthalide
amount
sodium hydroxide
methyl
precipitate
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JP22238594A
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Inventor
Toshiyuki Nakai
敏行 中井
Tadashi Imai
正 今井
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Yamada Chemical Co Ltd
Original Assignee
Yamada Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】2−(4’−ジブチルアミノ−2’−ヒドロキ
シベンゾイル)安息香酸とその1〜1.2倍モル量の4
−メトキシ−2−メチルジフェニルアミンとを96%以
上の濃硫酸中0〜30℃で反応させた後、この反応液を
氷水中に投入して生じるフタリド含有沈澱物をろ別する
工程と、この沈澱物を、互いに分液可能な水酸化ナトリ
ウム水溶液と有機溶剤との混合液中で80〜100℃、
1〜3時間処理して沈澱物中のフタリドを閉環する工程
とからなり、前記沈澱物の中和に消費される以外の水酸
化ナトリウムの量を前記2−(4’−ジブチルアミノ−
2’−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸の0.2〜0.
4倍モル量としてなる、179〜186℃の範囲に融点
を有する2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミ
ノフルオランの製造法。 【効果】本発明の製造法によれば、高品質の高融点型フ
ルオラン化合物を収率良く得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、179〜186℃の範
囲に融点を有する2−アニリノ−3−メチル−6−ジブ
チルアミノフルオラン(以下高融点型フルオラン化合物
という)の製造法に関するものである。
【0002】本発明の高融点型フルオラン化合物は、そ
れ自体殆ど無色で、大気中において極めて安定で昇華
性、自然発色性(地肌かぶり)が無く、有機溶剤に極め
て良く溶解する。そして顕色剤によって速やかに黒色に
発色し、発色画像の耐光性、耐湿性に優れている。この
為、感圧記録紙、感熱記録紙等の記録材料用発色剤とし
て使用し得る極めて価値のある化合物である。
【0003】
【従来技術と発明が解決しようとする課題】2−アニリ
ノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランに低融
点型の結晶変態と高融点型の結晶変態があるという報告
は、特開昭60−202155号公報(以下日本化薬公
報という)により初めて公表された。
【0004】日本化薬公報によれば高融点型フルオラン
化合物は、従来の通常の方法では製造できないとされて
いた。事実、日本化薬公報に通常の方法の一例として掲
げられた「参考例」には融点148〜152℃の低融点
型フルオラン化合物を得た例が記載されている。更に、
日本化薬公報でいうところの通常の方法とみられる特開
昭59−190891号公報(以下保土谷化学工業公報
という)の製造例にも、融点145〜148℃の2−ア
ニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン
(以下低融点型フルオラン化合物という)を得た例が記
載されている。
【0005】その後、特開平3−195775号公報
(山本化成公報という)で高融点型フルオラン化合物の
製造法が提案されたが、この製法は上記した保土谷化学
工業公報や日本化薬公報に記載された低融点型フルオラ
ン化合物の製法と殆ど差異のみられないものであった。
即ち、保土谷化学工業公報や日本化薬公報に記載の方法
と山本化成公報に記載の方法とは、いずれも2−(4’
−ジブチルアミノ−2’−ヒドロキシベンゾイル)安息
香酸と4−メトキシ−2−メチルジフェニルアミンとを
硫酸の存在下に反応させた後、この反応液を氷水中に投
入して生じるフタリド含有沈澱物をろ別する工程と、こ
の沈澱物を水酸化ナトリウム水溶液と有機溶剤(トルエ
ン)との混合液中で80〜100℃、1〜3時間処理し
て沈澱物中のフタリドを閉環する工程とからなる点で共
通している。
【0006】前二者に記載の方法と後者の山本化成公報
に記載の方法との間の差異を強いてあげれば、フタリド
含有沈澱物の中和後にフタリドの閉環反応に用いられる
アルカリの使用量であり、前二者では明確にされていな
かったか或いは少ない方の原料の0.1倍モル使用され
ていたアルカリの使用量が後者では少ない方の原料の
0.5〜15倍モル量とされている点である。本発明
は、この様な状況下において高融点型フルオラン化合物
の、更に改良された合成法を探求の結果到達したもので
ある。
【0007】
【課題を解決する為の手段と作用】即ち本発明は、2−
(4’−ジブチルアミノ−2’−ヒドロキシベンゾイ
ル)安息香酸とその1〜1.2倍モル量の4−メトキシ
−2−メチルジフェニルアミンとを96%以上の濃硫酸
中0〜30℃で反応させた後、この反応液を氷水中に投
入して生じるフタリド含有沈澱物をろ別する工程と、こ
の沈澱物を、互いに分液可能な水酸化ナトリウム水溶液
と有機溶剤との混合液中で80〜100℃、1〜3時間
処理して沈澱物中のフタリドを閉環する工程とからな
り、前記沈澱物の中和に消費される以外の水酸化ナトリ
ウムの量を前記2−(4’−ジブチルアミノ−2’−ヒ
ドロキシベンゾイル)安息香酸の0.2〜0.4倍モル
量としてなる、179〜186℃の範囲に融点を有する
高融点型2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミ
ノフルオランの製造法に係るものである。本発明の更に
望ましい態様は、上記フタリドを閉環する工程における
水層1000ml当たりに含まれる水酸化ナトリウムの
量を3〜30gとするものである。
【0008】2−(4’−ジブチルアミノ−2’−ヒド
ロキシベンゾイル)安息香酸と4−メトキシ−2−メチ
ルジフェニルアミンとの反応は、96%以上の濃度の濃
硫酸の存在下に0〜30℃でおこなう。上記の反応温度
が低すぎると反応が進行し難くなり、また逆に高すぎる
と原料やフタリドの分解などによりフタリドの収量が減
少する。
【0009】ろ別したフタリド含有沈澱物中に存在する
挟雑物は、ろ別時の沈澱物の水洗によってある程度除去
できる。しかし、この沈澱物中には未だ除去しきれな
い、濃硫酸や未反応の原料等が存在しており、特にその
内の酸性物質は、後のフタリドの閉環反応に必要なアル
カリの一部を消費してしまう。本発明で水酸化ナトリウ
ムの量的範囲を定めるにあたり、前記沈澱物の中和に消
費される水酸化ナトリウムを除外したのは、このためで
ある。
【0010】この水酸化ナトリウム量が前記の範囲より
も少ないと閉環反応に時間がかかり実用的でなくなる。
逆に前記の範囲よりも多い場合は、閉環反応は短時間で
終了する。しかし、閉環反応に適切な80〜100℃の
高温まで反応系を昇温させる過程で閉環反応がかなり進
行する為、水酸化ナトリウムを前記範囲を越えて使用す
る必要性はそれほどない。むしろ水酸化ナトリウムは少
な目の方が経済的であり、後記する様に、水層を分液に
最適な状態に調節する際にも都合がよい。フタリドを閉
環する工程における水層1000ml当たりに含まれる
水酸化ナトリウムの量が3より少ない場合は反応速度が
小さすぎる。逆に30gを越える場合は、目的物が着色
しやすくなる。
【0011】フタリドの閉環によって生成する本発明の
目的物は有機溶剤層に溶解するから、この有機溶剤層と
無機塩などが溶存乃至は混在する水層とを分液し、有機
溶剤層から目的物を晶析させれば良い。この際、分液効
果を高める為に、水層を副生成物がとけ込み易いアルカ
リ濃度に調節したりすることもできる。分液作業により
得た有機溶剤層には、各種の夾雑物や着色物質が含まれ
ているので、これらを除去するため活性炭などを加えた
後ろ過し、ろ液の有機溶剤層から目的物を晶析するとよ
い。フタリドの閉環反応の際の有機溶剤としては、前記
した公開公報に記載のトルエン他各種のものを使用する
ことができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 98%硫酸170gに20〜25℃で2−(4’−ジブ
チルアミノ−2’−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸3
6.9gを加え溶解した。その後、冷却し5〜10℃で
4−メトキシ−2−メチルジフェニルアミン23.9g
を1時間かけて徐々に加えて溶解し、次いで7℃で30
時間攪拌しつつ反応をおこなった。この反応液中の未反
応の2−(4’−ジブチルアミノ−2’−ヒドロキシベ
ンゾイル)安息香酸は当初使用量の1%であり、未反応
4−メトキシ−2−メチルジフェニルアミンは4%であ
った。反応混合物を氷水500g中に注加し、析出した
固形物を濾集し、水3000mlで洗浄した。得られた
フタリドを含有するペーストを、トルエン300ml中
に投入、更に28.8%水酸化ナトリウム水溶液35.
8gを徐々に加えて中和した。中和後48%水酸化ナト
リウム水溶液2.5gを加えて85〜90℃まで昇温
し、攪拌下に同温度で1.5時間反応させた。TLCに
て末反応フタリドが存在しないことを確認(閉環反応の
終了)した後、水層1000ml当たりに存在する水酸
化ナトリウムの重量を確認したところ5.33gであっ
た。閉環後アルカリ濃度を7%に調整して有機溶剤層を
分取し、活性炭2.0g、及び活性白土2.0gを加え
て85℃で30分緩やかに攪拌した後、同温度に維持し
たままで30分かけてろ過し、ろ液を濃縮後に冷却して
目的とする色素を晶析させた。 収量478g 収率90%、mp184〜185℃。
【0013】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、高品質の高融
点型フルオラン化合物を収率良く得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−(4’−ジブチルアミノ−2’−ヒ
    ドロキシベンゾイル)安息香酸とその1〜1.2倍モル
    量の4−メトキシ−2−メチルジフェニルアミンとを9
    6%以上の濃硫酸中0〜30℃で反応させた後、この反
    応液を氷水中に投入して生じるフタリド含有沈澱物をろ
    別する工程と、この沈澱物を、互いに分液可能な水酸化
    ナトリウム水溶液と有機溶剤との混合液中で80〜10
    0℃、1〜3時間処理して沈澱物中のフタリドを閉環す
    る工程とからなり、前記沈澱物の中和に消費される以外
    の水酸化ナトリウムの量を前記2−(4’−ジブチルア
    ミノ−2’−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸の0.2
    〜0.4倍モル量としてなる、179〜186℃の範囲
    に融点を有する2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチ
    ルアミノフルオランの製造法。
  2. 【請求項2】 フタリドを閉環する工程における水層1
    000ml当たりに含まれる水酸化ナトリウムの量が3
    〜30gである請求項1記載の2−アニリノ−3−メチ
    ル−6−ジブチルアミノフルオランの製造法。
JP22238594A 1994-08-12 1994-08-12 2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランの製造法 Pending JPH0860002A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102977640A (zh) * 2012-12-03 2013-03-20 吴江市社翊纺织有限公司 一种不溶性服装染料

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