JPH085925B2 - マレイミド系共重合体の製造方法 - Google Patents
マレイミド系共重合体の製造方法Info
- Publication number
- JPH085925B2 JPH085925B2 JP62019946A JP1994687A JPH085925B2 JP H085925 B2 JPH085925 B2 JP H085925B2 JP 62019946 A JP62019946 A JP 62019946A JP 1994687 A JP1994687 A JP 1994687A JP H085925 B2 JPH085925 B2 JP H085925B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- maleimide
- polymerization
- monomer
- parts
- stability
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F222/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a carboxyl radical and containing at least one other carboxyl radical in the molecule; Salts, anhydrides, esters, amides, imides, or nitriles thereof
- C08F222/36—Amides or imides
- C08F222/40—Imides, e.g. cyclic imides
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はマレイミド系共重合体の製造方法に係り、特
に、乳化重合時及び重合終了後のラテックス安定性を高
めマレイミド系共重合体を安定に製造する方法に関す
る。
に、乳化重合時及び重合終了後のラテックス安定性を高
めマレイミド系共重合体を安定に製造する方法に関す
る。
[従来の技術] マレイミド系共重合体は高い熱変形温度を有し、熱安
定性も優れていることから、耐熱性が要求される部品の
成形材料等として広く利用されている。このような耐熱
性に優れたマレイミド系共重合体の製造方法について
は、既に多くの提案がなされており、それらはマレイミ
ド系単量体にエチレン系不飽和ニトリルと芳香族ビニル
単量体を重合させる方法と、無水マレイン酸系共重合体
をアンモニア又はアルキルアミン、芳香族アミンと反応
させる方法とに大別される。
定性も優れていることから、耐熱性が要求される部品の
成形材料等として広く利用されている。このような耐熱
性に優れたマレイミド系共重合体の製造方法について
は、既に多くの提案がなされており、それらはマレイミ
ド系単量体にエチレン系不飽和ニトリルと芳香族ビニル
単量体を重合させる方法と、無水マレイン酸系共重合体
をアンモニア又はアルキルアミン、芳香族アミンと反応
させる方法とに大別される。
しかして、マレイミド系共重合体の製造方法について
は、その用途の拡大と共に、特性を更に改良する技術に
ついての提案がなされている。
は、その用途の拡大と共に、特性を更に改良する技術に
ついての提案がなされている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、工業的生産ベースでの製造方法となる
と、マレイミドの特性から、重合時及び重合終了時の重
合体のラテックス安定性に欠けるという問題があり、安
定生産を実現し得なかった。
と、マレイミドの特性から、重合時及び重合終了時の重
合体のラテックス安定性に欠けるという問題があり、安
定生産を実現し得なかった。
例えば、N−フェニルマレイミド単量体を出発原料と
する製造方法において、次のようなことがいえる。
する製造方法において、次のようなことがいえる。
即ち、N−フェニルマレイミド単量体(以下「N・PM
I」と略記する場合がある。)の特徴として、乳化重合
又は懸濁重合等の水中分散系の重合場において、加水分
解を起こし不安定要因を与える。このN・PMIの加水分
解は一般に [N・PMI][N−フェニルマレアミン酸]の様にな
り、反応はアルカリ領域で起こり易い。
I」と略記する場合がある。)の特徴として、乳化重合
又は懸濁重合等の水中分散系の重合場において、加水分
解を起こし不安定要因を与える。このN・PMIの加水分
解は一般に [N・PMI][N−フェニルマレアミン酸]の様にな
り、反応はアルカリ領域で起こり易い。
一方、N・PMIを含有する系内のpHの経時変化は、第
1図に示す通りである。なお、図中、−○−及び…△…
は、以下の配合(重合部)を示す。DMWは脱イオン水、S
LSはラウリル硫酸ソーダ(乳化剤)である。
1図に示す通りである。なお、図中、−○−及び…△…
は、以下の配合(重合部)を示す。DMWは脱イオン水、S
LSはラウリル硫酸ソーダ(乳化剤)である。
第1図より明らかなように、SLSの有無により前半に
おけるpH低下度は異なるが、いずれも加水分解によるフ
ェニルマレアミン酸生成によるpHの経時変化が著しく、
中性領域においても、N・PMIの加水分解は起こる。
おけるpH低下度は異なるが、いずれも加水分解によるフ
ェニルマレアミン酸生成によるpHの経時変化が著しく、
中性領域においても、N・PMIの加水分解は起こる。
このような加水分解反応の生成物であるフェニルマレ
アミン酸は、重合反応性も低く、このため、耐熱性向上
を目的として添加するN・PMIの添加効率が下ると同時
に、ラテックス安定性を著しく低下させることとなる。
アミン酸は、重合反応性も低く、このため、耐熱性向上
を目的として添加するN・PMIの添加効率が下ると同時
に、ラテックス安定性を著しく低下させることとなる。
従って、N−フェニルマレアミン共重合体を安定に製
造するには、N・PMIの加水分解を抑制することが最大
のポイントとなる。
造するには、N・PMIの加水分解を抑制することが最大
のポイントとなる。
従来、マレイミドを含む芳香族ビニル共重合体のラテ
ックス安定性を得る方法として、一般に、脱イオン水や
乳化剤の増量及び分散剤の添加等が行なわれている。し
かし、これらの方法では重合体のラテックス安定性の改
善効果は小さく、逆に乾燥重合体を得るための後工程、
例えば、造粒、水洗、乾燥工程でのマイナス面が大きい
などの問題があり、根本的な解決には至らない。即ち、
脱イオン水の増量は系中の樹脂固形分が低くなり、重合
サイズの低下等のために製造効率が下り、工業的製造方
法としては不利である。また、乳化剤の増量はマレイミ
ド系共重合体では本質的な改善効果は低く、逆に樹脂粉
末を得る為の凝固剤を増さねばないないという問題を生
じる。更に、分散剤は一般的に乳化剤に近い為、凝固剤
の増量等を必要とし、工業的には得策ではない。
ックス安定性を得る方法として、一般に、脱イオン水や
乳化剤の増量及び分散剤の添加等が行なわれている。し
かし、これらの方法では重合体のラテックス安定性の改
善効果は小さく、逆に乾燥重合体を得るための後工程、
例えば、造粒、水洗、乾燥工程でのマイナス面が大きい
などの問題があり、根本的な解決には至らない。即ち、
脱イオン水の増量は系中の樹脂固形分が低くなり、重合
サイズの低下等のために製造効率が下り、工業的製造方
法としては不利である。また、乳化剤の増量はマレイミ
ド系共重合体では本質的な改善効果は低く、逆に樹脂粉
末を得る為の凝固剤を増さねばないないという問題を生
じる。更に、分散剤は一般的に乳化剤に近い為、凝固剤
の増量等を必要とし、工業的には得策ではない。
[問題点を解決するための手段及び作用] 本発明は上記従来の問題点を解決し、乳化重合時及び
重合終了時のラテックス安定性を高めマレイミド系共重
合体を安定に製造する方法を提供するものであって、 芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及び
マレイミド系単量体を乳化重合してマレイミド系共重合
体を製造する方法において、芳香族ビニル系単量体とシ
アン化ビニル系単量体とを乳化剤の存在下に重合させ、
重合転化率が50%を超えた時点で反応系にマレイミド系
単量体を溶解させた重合性単量体、追加の乳化剤及び炭
酸水素ナトリウムを添加して重合を行なうことを特徴と
するマレイミド系共重合体の製造方法、 を要旨とするものである。
重合終了時のラテックス安定性を高めマレイミド系共重
合体を安定に製造する方法を提供するものであって、 芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及び
マレイミド系単量体を乳化重合してマレイミド系共重合
体を製造する方法において、芳香族ビニル系単量体とシ
アン化ビニル系単量体とを乳化剤の存在下に重合させ、
重合転化率が50%を超えた時点で反応系にマレイミド系
単量体を溶解させた重合性単量体、追加の乳化剤及び炭
酸水素ナトリウムを添加して重合を行なうことを特徴と
するマレイミド系共重合体の製造方法、 を要旨とするものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のマレイミド系共重合体の製造方法において
は、まず芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量
体とを乳化剤の存在下に重合させ、重合転化率が50%を
越えた時点で反応系にマレイミド系単量体を溶解させた
重合性単量体、追加の乳化剤及び炭酸水素ナトリウムを
添加して重合を行なう。
は、まず芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量
体とを乳化剤の存在下に重合させ、重合転化率が50%を
越えた時点で反応系にマレイミド系単量体を溶解させた
重合性単量体、追加の乳化剤及び炭酸水素ナトリウムを
添加して重合を行なう。
本発明において、芳香族ビニル系単量体としては、例
えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、クロルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられる。
また、シアン化ビニル系単量体としては、例えばアクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、クロルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられる。
また、シアン化ビニル系単量体としては、例えばアクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
また、マレイミド系単量体としては、例えばマレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、
N−イソプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド等が挙げられ、これらのうち、特に、N−フェニルマ
レイミドが好適である。これらのマレイミド系単量体は
1種もしくは2種以上混合して用いることができる。
ド、N−メチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、
N−イソプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド等が挙げられ、これらのうち、特に、N−フェニルマ
レイミドが好適である。これらのマレイミド系単量体は
1種もしくは2種以上混合して用いることができる。
本発明において、これらの単量体の好ましい配合割合
は、全単量体に対する重量部で、芳香族ビニル系単量体
55〜85重量部、シアン化ビニル系単量体10〜40重量部、
マレイミド系単量体5〜35重量部である。
は、全単量体に対する重量部で、芳香族ビニル系単量体
55〜85重量部、シアン化ビニル系単量体10〜40重量部、
マレイミド系単量体5〜35重量部である。
本発明の好ましい実施態様においては、前述の単量体
の混合物をラジカル開始剤の存在下に乳化重合させるに
際し、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル系単量体
の一部を予め乳化重合系に仕込み加温攪拌して、重合を
開始し、その後、重合転化率が50%を超えた時点で、残
りの芳香族ビニル単量体と、マレイミド系単量体を溶解
したシアン化ビニル系単量体とをStabilizing Solusion
(脱イオン水の一部に乳化剤の一部とpH緩衝剤即ち炭酸
水素ナトリウムを溶解させた溶液)と同時に且つ連続的
に添加し、重合を行なわせる。
の混合物をラジカル開始剤の存在下に乳化重合させるに
際し、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル系単量体
の一部を予め乳化重合系に仕込み加温攪拌して、重合を
開始し、その後、重合転化率が50%を超えた時点で、残
りの芳香族ビニル単量体と、マレイミド系単量体を溶解
したシアン化ビニル系単量体とをStabilizing Solusion
(脱イオン水の一部に乳化剤の一部とpH緩衝剤即ち炭酸
水素ナトリウムを溶解させた溶液)と同時に且つ連続的
に添加し、重合を行なわせる。
なお、本発明においてpH緩衝剤として炭酸水素ナトリ
ウムを用いる理由は、他の緩衝剤に比し、炭酸水素ナト
リウムが最も高いラテックス安定性を得ることができ、
しかもラテックスの着色等を生じることがなく、極めて
効果が優れているためである。このような発明の方法に
より、著しく優れた効果が得られ、従来法では不可能で
あった、ラテックス安定性に優れたマレイミド系共重合
体を、高重合速度、高転化率で安定に製造することが可
能となり、工業的規模での生産に極めて有利となる。
ウムを用いる理由は、他の緩衝剤に比し、炭酸水素ナト
リウムが最も高いラテックス安定性を得ることができ、
しかもラテックスの着色等を生じることがなく、極めて
効果が優れているためである。このような発明の方法に
より、著しく優れた効果が得られ、従来法では不可能で
あった、ラテックス安定性に優れたマレイミド系共重合
体を、高重合速度、高転化率で安定に製造することが可
能となり、工業的規模での生産に極めて有利となる。
なお、本発明において乳化剤としては特に制限はな
く、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の一般に
広く用いられている乳化剤を用いることができる。
く、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の一般に
広く用いられている乳化剤を用いることができる。
本発明の方法で製造されるマレイミド系共重合体は、
耐熱性が高く、高温成形時に着色や熱分解を起こしにく
く、優れた特性を有する。このようなマレイミド系共重
合体は、単独で使用しても良いが、かかる共重合体とAB
S樹脂、AES樹脂、AAS樹脂及び、PVC、PC、ナイロン等と
ブレンドすることで、より耐熱性、耐候性、耐衝撃性等
に優れた樹脂組成物とすることができ、各種分野におけ
る用途、例えば自動車用部品、電気機器部品、建材等の
分野に於いて、有効に使用することができる。
耐熱性が高く、高温成形時に着色や熱分解を起こしにく
く、優れた特性を有する。このようなマレイミド系共重
合体は、単独で使用しても良いが、かかる共重合体とAB
S樹脂、AES樹脂、AAS樹脂及び、PVC、PC、ナイロン等と
ブレンドすることで、より耐熱性、耐候性、耐衝撃性等
に優れた樹脂組成物とすることができ、各種分野におけ
る用途、例えば自動車用部品、電気機器部品、建材等の
分野に於いて、有効に使用することができる。
[実施例] 以下、実施例、比較例及び実験例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、
以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下に
おいて「部」は「重量部」を示す。
体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、
以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下に
おいて「部」は「重量部」を示す。
実施例1 窒素ガス置換した攪拌機付反応機内の、脱イオン水21
0部、ラウリル硫酸ソーダ2.0部、硫酸カリウム0.3部、N
aHCO30.1部からなる乳化系にα−メチルスチレン(以下
「AMS」と略記することがある。)50.0部、アクリロニ
トリル(以下「AN」と略記することがある。)10.0部を
仕込み、窒素気流下で70℃の温度に上げ重合を開始し
た。300分間重合した(転化率57%)ところで、残りの
α−メチルスチレン20.0部及びアクリロニトリル10.0部
に溶解したN−フェニルマレイミド10.0部を、Stabiliz
ing Solusion(イオン交換水30部にラウリル硫酸ソーダ
0.5部、NaHCO30.2部を溶解した溶液)と共に、各々、1.
333部/10分、1.023部/10分の添加速度で、同時に且つ連
続的に添加し、重合を行った。全原料を添加し終った
後、乳化重合系を引き続き120分間、同じ温度に維持し
て重合を行い、最終転化率及びpHを測定した。
0部、ラウリル硫酸ソーダ2.0部、硫酸カリウム0.3部、N
aHCO30.1部からなる乳化系にα−メチルスチレン(以下
「AMS」と略記することがある。)50.0部、アクリロニ
トリル(以下「AN」と略記することがある。)10.0部を
仕込み、窒素気流下で70℃の温度に上げ重合を開始し
た。300分間重合した(転化率57%)ところで、残りの
α−メチルスチレン20.0部及びアクリロニトリル10.0部
に溶解したN−フェニルマレイミド10.0部を、Stabiliz
ing Solusion(イオン交換水30部にラウリル硫酸ソーダ
0.5部、NaHCO30.2部を溶解した溶液)と共に、各々、1.
333部/10分、1.023部/10分の添加速度で、同時に且つ連
続的に添加し、重合を行った。全原料を添加し終った
後、乳化重合系を引き続き120分間、同じ温度に維持し
て重合を行い、最終転化率及びpHを測定した。
最終転化率はサンプリングした少量のラテックスから
水を蒸発除去して固形分を取得し、固形分重量から単量
体以外の添加物重量を差し引いた重量の、全単量体重量
に対する割合で示した。その結果最終転化率は98.7%
で、pHは6.8であった。
水を蒸発除去して固形分を取得し、固形分重量から単量
体以外の添加物重量を差し引いた重量の、全単量体重量
に対する割合で示した。その結果最終転化率は98.7%
で、pHは6.8であった。
また、得られた重合体について安定性を調べた。安定
性は、重合体40mlを直径35mmのガラス容器に入れ、ハミ
ルトン攪拌機(ホモジナイザー)で18,000rpmの回転速
度で攪拌し、試料が凝集してコアグラム化し、試料が回
転しなくなるまでの時間で表わした。
性は、重合体40mlを直径35mmのガラス容器に入れ、ハミ
ルトン攪拌機(ホモジナイザー)で18,000rpmの回転速
度で攪拌し、試料が凝集してコアグラム化し、試料が回
転しなくなるまでの時間で表わした。
その結果、安定性は10分27秒であった。なお、重合に
より得られた重合体はコアグラムも0.1wt%で、全く問
題のない高品質なものであった。
より得られた重合体はコアグラムも0.1wt%で、全く問
題のない高品質なものであった。
実施例2 実施例1においてN−フェニルマレイミドを増量して
耐熱性を増すため、単量体組成を初期重合はAMS40.0
部、AN8.0部の単量体組成で重合反応を開始し、残りの
単量体の添加時点を転化率53.4%に達した点とし、AMS2
1.0部及びAN11.0部に溶解したN−フェニルマレイミド2
0.0部の添加速度を1.733部/10分としたこと以外は、実
施例1と同じ様にStabitizing Solusionと共に添加し、
重合を行った。
耐熱性を増すため、単量体組成を初期重合はAMS40.0
部、AN8.0部の単量体組成で重合反応を開始し、残りの
単量体の添加時点を転化率53.4%に達した点とし、AMS2
1.0部及びAN11.0部に溶解したN−フェニルマレイミド2
0.0部の添加速度を1.733部/10分としたこと以外は、実
施例1と同じ様にStabitizing Solusionと共に添加し、
重合を行った。
実施例1と同様にして、最終転化率、pH及び安定性を
調べたところ、最終転化率は97.0%、pHは6.3であっ
た。
調べたところ、最終転化率は97.0%、pHは6.3であっ
た。
また、安定性は、8分17秒と十分満足すべきものであ
り、重合により得られた全ての重合体を200メッシュの
金網で濾過しても、コアグラムは全単量体仕込みの量0.
2%であり、全く問題はなかった。
り、重合により得られた全ての重合体を200メッシュの
金網で濾過しても、コアグラムは全単量体仕込みの量0.
2%であり、全く問題はなかった。
比較例1〜3 脱イオン水、乳化剤の全量を初期添加して、pH緩衝剤
NaHCO3を第1表に示す量としたこと以外は、実施例1と
同様にして重合を行ない、NaHCO3の添加量に対する安定
性を調べた。結果を第2表に示す。
NaHCO3を第1表に示す量としたこと以外は、実施例1と
同様にして重合を行ない、NaHCO3の添加量に対する安定
性を調べた。結果を第2表に示す。
第2表より、NaHCO3の添加量を増すと、安定性は若干
良くなるが、コアグラムが増して改良効果は認められな
いことが明らかである。
良くなるが、コアグラムが増して改良効果は認められな
いことが明らかである。
比較例4 NaHCO3を添加しなかったこと以外は実施例1と同様に
して重合を行なった。結果を第2表に示す。
して重合を行なった。結果を第2表に示す。
第2表より明らかなように、pH緩衝剤NaHCO3を添加し
ない場合には、乳化剤等を分割添加しても全く効果がな
い。
ない場合には、乳化剤等を分割添加しても全く効果がな
い。
比較例5、6 Stabilizing Solusionの添加時間を第1表に示す如く
変えたこと以外は、実施例1と同様にして重合を行なっ
た。結果を第2表に示す。
変えたこと以外は、実施例1と同様にして重合を行なっ
た。結果を第2表に示す。
第2表より明らかなように、本例における安定性は他
の比較例に比し若干改良されるもののNaHCO3の添加時期
をN−フェニルマレイミドの添加時期に合わせた実施例
1に比し、相当安定性は劣り、工業的生産を考えた場
合、満足すべきレベルに達していない。
の比較例に比し若干改良されるもののNaHCO3の添加時期
をN−フェニルマレイミドの添加時期に合わせた実施例
1に比し、相当安定性は劣り、工業的生産を考えた場
合、満足すべきレベルに達していない。
比較例7〜9 N−フェニルマレイミドの添加時期及び、Stabilizin
g Solusionの添加方法を第1表に示す如く変えたこと以
外は実施例1と同様にして重合を行なった。結果を第2
表に示す。
g Solusionの添加方法を第1表に示す如く変えたこと以
外は実施例1と同様にして重合を行なった。結果を第2
表に示す。
第2表より、安定性を得るためには、N−フェニルマ
レイミドは水中にできるだけ存在させない方が効果があ
る事が明確に表われている。
レイミドは水中にできるだけ存在させない方が効果があ
る事が明確に表われている。
なお、Stabilizing Solusionの分割を行なっていない
比較例7、8は、重合終了時のラテックスの色の淡黄色
化やピンキングが見られ、安定性についても十分ではな
かった。しかし、Stabilizing SolusionをN−フェニル
マレイミドの添加後迄延長した比較例9は、実施例1に
相当するものであった。
比較例7、8は、重合終了時のラテックスの色の淡黄色
化やピンキングが見られ、安定性についても十分ではな
かった。しかし、Stabilizing SolusionをN−フェニル
マレイミドの添加後迄延長した比較例9は、実施例1に
相当するものであった。
実験例1 pH緩衝剤の種類に対する安定性の比較実験を行なっ
た。
た。
なお、実験は、実施例1と同様に行なった。結果を第
3表に示す。
3表に示す。
第3表より、pH緩衝剤としてはNaHCO3が最も効果的で
あることが明らかである。
あることが明らかである。
実験例2 実施例1、2及び比較例1〜3で得られたラテックス
をスチームストリッピングして単量体を除去した後、こ
れに塩化カルシウムを加えて共重合体を凝固させ、分
離、水洗、乾燥して白色の樹脂粉末を得た。得られた樹
脂粉末のガラス転移温度(DSC法による)を測定し、結
果を第4表に示した。また、各々の重合体樹脂粉末77部
と、乳化重合によって製造したポリブタジエン65部に対
しスチレンとアクリロニトリルとの重量比7:3である単
量体混合物35部を乳化グラフト重合させて製造したABS
樹脂粉末23部とを配合して得た樹脂組成物を、バンバリ
ーミキサーによって混練し、このペレットから圧縮成形
により作成した1/2インチ×1/2インチ×5インチの大き
さの試験片について、ASTM648−56(18.6kg/cm2)に従
って熱変形温度を測定した。結果を第4表に示す。
をスチームストリッピングして単量体を除去した後、こ
れに塩化カルシウムを加えて共重合体を凝固させ、分
離、水洗、乾燥して白色の樹脂粉末を得た。得られた樹
脂粉末のガラス転移温度(DSC法による)を測定し、結
果を第4表に示した。また、各々の重合体樹脂粉末77部
と、乳化重合によって製造したポリブタジエン65部に対
しスチレンとアクリロニトリルとの重量比7:3である単
量体混合物35部を乳化グラフト重合させて製造したABS
樹脂粉末23部とを配合して得た樹脂組成物を、バンバリ
ーミキサーによって混練し、このペレットから圧縮成形
により作成した1/2インチ×1/2インチ×5インチの大き
さの試験片について、ASTM648−56(18.6kg/cm2)に従
って熱変形温度を測定した。結果を第4表に示す。
第4表より明らかなように、本発明により得られるマ
レイミド系共重合体は熱安定性に優れ、またこれを用い
ることにより耐熱性に優れた成形品を得ることができ
る。
レイミド系共重合体は熱安定性に優れ、またこれを用い
ることにより耐熱性に優れた成形品を得ることができ
る。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明のマレイミド系共重合体の
製造方法によれば、乳化重合時ないし、重合終了後のラ
テックスの安定性を著しく高め、極めて安定にマレイミ
ド系共重合体を製造することが可能となる。しかして、
本発明の方法により、得られるマレイミド系共重合体
は、着色等を生じることもなく、また、熱安定性にも優
れ、極めて耐熱性に優れた成形品を製造することができ
る。
製造方法によれば、乳化重合時ないし、重合終了後のラ
テックスの安定性を著しく高め、極めて安定にマレイミ
ド系共重合体を製造することが可能となる。しかして、
本発明の方法により、得られるマレイミド系共重合体
は、着色等を生じることもなく、また、熱安定性にも優
れ、極めて耐熱性に優れた成形品を製造することができ
る。
本発明の方法によれば、高品質マレイミド系共重合体
を工業的に有利に製造することができる。
を工業的に有利に製造することができる。
第1図はN−フェニルマレイミド単量体を含む系のpHの
経時変化を示すグラフである。
経時変化を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系
単量体及びマレイミド系単量体を乳化重合してマレイミ
ド系共重合体を製造する方法において、芳香族ビニル系
単量体とシアン化ビニル系単量体とを乳化剤の存在下に
重合させ、重合転化率が50%を越えた時点で反応系にマ
レイミド系単量体を溶解させた重合性単量体、追加の乳
化剤及び炭酸水素ナトリウムを添加して重合を行なうこ
とを特徴とするマレイミド系共重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62019946A JPH085925B2 (ja) | 1987-01-30 | 1987-01-30 | マレイミド系共重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62019946A JPH085925B2 (ja) | 1987-01-30 | 1987-01-30 | マレイミド系共重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63189401A JPS63189401A (ja) | 1988-08-05 |
JPH085925B2 true JPH085925B2 (ja) | 1996-01-24 |
Family
ID=12013371
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62019946A Expired - Fee Related JPH085925B2 (ja) | 1987-01-30 | 1987-01-30 | マレイミド系共重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH085925B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100429245C (zh) * | 2005-12-16 | 2008-10-29 | 中国石油天然气股份有限公司 | 马来酰亚胺类树脂乳液的制备方法 |
CN105524391A (zh) * | 2015-12-30 | 2016-04-27 | 宁波科普特新材料有限公司 | 一种超高耐热asa材料及其制备方法 |
-
1987
- 1987-01-30 JP JP62019946A patent/JPH085925B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63189401A (ja) | 1988-08-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4163948B2 (ja) | 総固形分含量の高いアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンラテックスの製造方法 | |
JPS6256884B2 (ja) | ||
US3957912A (en) | Method for preparation of abs type resins | |
JPH0250923B2 (ja) | ||
JPH035405B2 (ja) | ||
JPS6239173B2 (ja) | ||
JPH0124805B2 (ja) | ||
WO2003033595A1 (fr) | Composition de resine thermoplastique dotee d'une excellente resistance aux chocs | |
JP2005509702A (ja) | 熱可塑性樹脂及びその製造方法 | |
JP2005509702A6 (ja) | 熱可塑性樹脂及びその製造方法 | |
JPH085925B2 (ja) | マレイミド系共重合体の製造方法 | |
JPS6039687B2 (ja) | 熱可塑性樹脂の製造方法 | |
CN101503546B (zh) | 耐候型耐热阻燃树脂组合物及制备方法 | |
JPS6321682B2 (ja) | ||
CN101503544B (zh) | 一种提高了光泽度的耐热阻燃树脂组合物及其制备方法 | |
JPS61272259A (ja) | 耐熱性熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH0548769B2 (ja) | ||
JPH02240113A (ja) | スチレン/メタクリル酸コポリマーの大きいビーズの製造法 | |
JPS61192736A (ja) | 均一な粒径を有し、且つ、熱安定性が改善された成型用組成物の製法 | |
JPH0587532B2 (ja) | ||
JPH0548247B2 (ja) | ||
JPS6257643B2 (ja) | ||
US4035564A (en) | Polymerization process for producing polychloroprene particles | |
JPS5986613A (ja) | α−メチルスチレン共重合体の製造方法 | |
CN101503552B (zh) | 提高了光泽度的卤素取代基马来酰亚胺类耐热阻燃树脂组合物及其制备方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |