JPH0859042A - コントローラ - Google Patents

コントローラ

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JPH0859042A
JPH0859042A JP22236594A JP22236594A JPH0859042A JP H0859042 A JPH0859042 A JP H0859042A JP 22236594 A JP22236594 A JP 22236594A JP 22236594 A JP22236594 A JP 22236594A JP H0859042 A JPH0859042 A JP H0859042A
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tension
fuzzy
winding
wound
controller
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JP22236594A
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English (en)
Inventor
Katsuharu Shimo
勝晴 下
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Inoue Kinzoku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Inoue Kinzoku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多品種の被巻取物を巻き取る巻取機におい
て、品種の変更時や同じ被巻取物であっても設定値及び
測定値の巻取速度,巻取張力等の運転条件を変更した場
合でも、張力が安定して度々その最適な制御定数を変更
する手間がいらないコントローラを提供することを目的
とする。 【構成】 複数種類の被巻取物1の特性に応じた所定の
設定張力を入力する張力設定部6と、前記被巻取物1の
張力を検知する張力検出器2と、前記設定張力及び検出
張力とから張力偏差及びその時間変化率を求めるファジ
ィ前処理部7と、ファジルールテーブル4で規定された
ルール基づいてファジィ推論を行う前件部8及び後件部
9とを備え、該後件部9の結果に基づいて巻取機リール
5の駆動源である電動機モータMのトルクをファジィ制
御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙,フィルム,スチー
ル等の各種の被巻取物をロール状に巻き取る巻取機をフ
ァジィ制御したコントローラに関し、特に多品種少量の
被巻取物を断続的に巻き取る巻取機の制御装置として有
効に利用される。
【0002】
【従来の技術】被巻取物の巻取機は、製紙業,樹脂フィ
ルム製造業,金属加工業等において利用されている。そ
して、常に同じ材質で同じ厚みの被巻取物を巻き取る場
合には、巻取軸の駆動源として用いるモータの速度制御
条件を一定にするだけで、安定した巻取が可能である。
しかし、同一の巻取機において、材質,厚みが異なる被
巻取物を巻き取る場合や、巻取速度,巻取張力を変化さ
せたい場合には、巻取を均一にして材料に傷やしわをつ
けないために、また巻取後の形状維持等のために被巻取
物の特性に応じた巻取張力の制御条件を設定し直す必要
があった。このため、従来は、被巻取物を入れ換える時
に制御条件を変更するためのシステムとして、例えば、
被巻取物の張力を検知して、その張力値を制御対象とし
たPI制御,PID制御等によりモータの速度制御を行
っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したP
ID制御においては、良好な速度制御動作が得られるよ
うに被巻取物の特性に応じてその比例ゲインK,積分
時間T,微分時間TからなるPID定数を設定する
必要がある。例えば、図7に示す如く、巻き取りの際に
比較的高い或る目標張力Sが必要とされる被巻取物に
対してPID定数を最適に設定した場合、その目標張力
に至るまでの履歴特性Hは、早く立ち上がりしか
もオーバシュート及びアンダーシュートを小さくして制
御することができる。
【0004】しかし、かかる履歴特性Hを有するべく
設定したPID定数のままで、目標張力Sよりも低い
目標張力Sの他の被巻取物の巻取を開始すると、目標
張力Sに対する偏差が大きくなってハンチングする履
歴特性Hをとり、いわゆる巻取特性が悪くなる。この
ため、銅箔やプラスチックフィルム等が被巻取物の場合
には、必要以上に張力をかけて巻き取ってしまい、被巻
取物が伸びたり、製品の厚みが変化してしまうという問
題があった。また、コーティング層を有する樹脂材を巻
き取る場合には、巻き取った時にコーティング層が押し
つぶされたりして、製品不良となる場合があった。一
方、このような問題を防ぐために、張力値が目標張力よ
りもオーバしないようにPID定数を余裕をもった値に
変更すると、定常状態の張力値に至るまでの時間がかか
り、被巻取物の段取り変えに要する時間がかかり、品種
変えを迅速に行うことができないという問題がある。
【0005】さらに、履歴特性Hにおいて、定常状態
の目標張力Sに至った後に、外乱により張力値が変化
した場合の修正特性も、目標張力Sの時のPID定数
のままであると、張力値は、ハンチングしてしまう(図
7参照)。従って、PID制御により多品種の被巻取物
の巻取を制御する場合には、被巻取物の材質,厚みによ
り、また設定値及び測定値の巻取速度,巻取張力の変化
によりその都度PID定数を変える必要があった。ま
た、一旦PID定数を設定した場合でも、ハンチングが
生じたりすると、外部入力装置によりこのPID定数の
修正を行う必要があった。そして、かかるPID定数の
設定,修正には、熟練能力が必要であって、誰でも簡単
にできるものでもなかった。
【0006】さらにまた、巻始めの張力が弱いと巻き終
わった後に、自重により巻取リールから被巻取物の全体
が離脱してしまう場合もあるため、巻始めから巻き終わ
りまでの間、一定の張力で巻き取る定張力制御を行うの
でなくて、巻始めの張力を大きくするいわゆるテーパ張
力制御を行う場合もあり、このような制御を行うには従
来のPID制御では不十分であった。
【0007】本発明は、かかる点に鑑み、被巻取物の材
質,厚み等の特性を変化した場合や、同じ被巻取物であ
っても巻取速度,巻取張力等の運転条件を変更したい場
合にでも、製品を不良としないようにして最適制御でき
るように制御することのできる新規なシステムを提供す
ることを目的とし、ファジィ推論による制御によりその
目的の達成ができたので、以下説明する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載のコントローラは、複数種類の被巻取物(被巻出物も
含む、以下同じ)を巻き取る(巻き出しも含む、以下同
じ)べく配置された巻取機(巻出機も含む、以下同じ)
において、該被巻取物について検知した張力信号がファ
ジィコントローラに入力され、該ファジィコントローラ
からは前記張力信号と設定張力値間の偏差、及びその時
間変化率を夫々ファジィ集合として、所定のファジィル
ールテーブルに基づいて、少なくとも巻取機リールの駆
動源のトルクをファジィ制御した装置である。
【0009】本発明に係る請求項2記載のコントローラ
は、複数種類の被巻取物を巻き取るべく配置された巻取
機において、該巻取機リールを巻取駆動させる駆動源
と、前記被巻取物に応じた所定の設定張力を入力する張
力設定部と、前記被巻取物の張力を検知する張力検知器
とを備え、前記設定張力及び検知張力とから張力偏差を
求めるとともに該張力偏差の時間変化率を求めるファジ
ィ前処理部とを備え、前記張力偏差及び張力偏差の時間
的変化率をファジィ推論の前件部におけるファジィ集合
として夫々所定のメンバーシップ関数で表現され、前記
駆動源のトルクをファジィ推論の後件部のファジィ集合
として所定のメンバーシップ関数で表現されるとともに
これら前件部と後件部間のファジィルールが予め設定さ
れ、該ファジィルールに基づいた最適操作量が推論され
て、該最適操作量により少なくとも前記駆動源がトルク
制御される装置である。
【0010】本発明に係る請求項3記載のコントローラ
は、請求項1又は2記載のシステムにおける前記駆動源
の速度も後件部のファジィ集合を構成し、最適操作量が
駆動源の速度と駆動源のトルクである装置である。
【0011】本発明に係る請求項4記載のコントローラ
は、請求項1乃至3の内のいずれかに記載のシステムに
おける前記前件部のファジィ集合として、被巻取物の巻
取速度及び/又はその時間変化率を加えた装置である。
【0012】本発明に係る請求項5記載のコントローラ
は、請求項1乃至4の内のいずれかに記載のシステムに
おける前記前件部のファジィ集合として、巻取軸の速度
及び/又はその時間変化率を加えた装置である。
【0013】本発明に係る請求項6記戟のコントローラ
は、請求項1乃至5の内のいずれかに記載のコントロー
ラにおける前記巻取機が多軸構成である装置である。
【0014】
【作用】図1及び図2に示す本発明に係るクレーム対応
図を参照して説明する。図1は請求項1に関するクレー
ム対応図である。図1おいて、図示しない巻出装置及び
フィード装置により繰り出された被巻取物1の張力値は
張力検知部2により検知され、ファジィコントローラ3
に入力される。このファジィコントローラ3は、被巻取
物1の材質,厚み等の特性に応じて設定される設定張力
値が入力されている。そして、このファジィコントロー
ラ3では、該被巻取物1について検知した張力値と設定
張力値間の偏差、及びその時間変化率を夫々ファジィ集
合として、これらの関係を複数の「IF〜THEN」ル
ールで予め設定している所定のファジィルールテーブル
4に基づいて推論し、少なくとも巻取機リール5の駆動
源Mのトルクを制御する。ここで、「少なくとも」とい
うのは、請求項3記載の如く駆動源Mの速度もトルクと
とともに制御する場合も含む意味である。
【0015】図2は請求項2に関するクレーム対応図で
ある。図2において、設定張力値は張力設定部6によっ
て被巻取物1の特性に応じた値、または変更すべき任意
な張力値に設定される。この設定張力値と、張力検知部
2で検知された被巻取物1の張力値とはファジィ前処理
部7に入力され、ここで、設定張力値と検知張力値間の
偏差(張力偏差)を求めるとともに該偏差の時間変化率
が求められる。一方、ファジィ推論の前件部8におい
て、前記張力偏差及びその時間変化率を夫々ファジィ集
合として所定のメンバーシップ関数で表現し、さらに駆
動源Mのトルクの値を前記ファジィ推論の後件部9のフ
ァジィ集合とする所定のメンバーシップ関数で表現する
とともにこれら前件部8と後件部9間のファジィルール
がファジィルールテーブル4に予め設定されている。
【0016】而して、前記張力偏差及び該偏差の時間的
変化率についてファジィルールテーブル4で規定される
ファジィルールに基づいて後件部9において推論された
値を並列処理して結果として最適操作量が推論される。
この最適操作量の値とは、少なくとも前記駆動源Mのト
ルクの値である。なお、前記メンバーシップ関数はプラ
ス,マイナス,零等の評価度合いを複数のラベル毎に分
割して規定される例えば三角形状の関数である。
【0017】請求項3乃至5においては、これら発明の
実体たる構成要素は図1及び図2に記載されたものと同
様であり、ただファジィ集合を構成する要素を張力値の
他に請求項3では後件部のファジィ集合に駆動源の速度
を加え、請求項4では前件部のファジィ集合として、巻
取軸の速度及び/又はその時間変化率を加え、請求項5
では前件部のファジィ集合として、巻取軸の速度及び/
又はその時間変化率を加えたものでありる。これによ
り、よりきめ細かいファジィ制御が可能となる。
【0018】請求項6では、巻取機を一軸だけでなく、
巻取軸を複数備えた多軸構造にして各軸の巻取制御をし
て、巻取効率を上げたものである。
【0019】
【実施例】以下、本発明に係るコントローラについて図
面を参照して説明する。図3は本発明に係るコントロー
ラの全体構成を例示するブロック図である。本例のコン
トローラが対象とする巻取機11においては、巻取機リ
ール12に巻き取られる被巻取物13は、巻出装置14
から繰り出され、フィードロール15a,15bを介し
て供給される構成である。ここで、被巻取物13とは、
例えば紙,樹脂材等からなるフィルム,スチール等の多
品種のシート状物であり、しかもそれらの材質,厚み,
コーティング層の有無等も種々のものが供給される。
【0020】フィードロール15bと巻取機リール12
の間には、被巻取物13の張力を検知する張力検知部1
6が設けられている。本例での張力検知部16は送りロ
ーラ16a,16b間に検知ロール16cを設け、該検
知ロール16cにかかる垂直分力を荷重計または歪みゲ
ージからなる検知部16dで検知するものである。
【0021】前記巻取機リール12を回転駆動させる駆
動源は、電動機モータMで発生する所定の速度でかつ所
定のトルクを有する回転力を回転制御器17を介して又
は介することなく伝達される回転力である。ここでの電
動機モータMは、そのトルク及び速度制御がモータドラ
イバ18により供給される電圧及び電流等によって制御
可能に構成したACサーボモータ,DCサーボモータ,
インバータ,ベクトルインバータ等である。回転制御器
17は、図面上で表しているように被巻取物の巻取制御
にはパウダークラッチ等が用いられ、他方巻出制御には
図示していないがバウダーブレーキ又はエアーディスク
ブレーキが用いられる。前記モータドライバ18は、フ
ァジィコントローラ19から出力されるトルク指令MT
Q及び速度指令VSに基づいて電動機モータMを制御し
ている。
【0022】図4は、ファジィコントローラ19のブロ
ック図を示し、図5は本例におけるファジィ集合を規律
するメンバーシップ関数を例示している。ファジィコン
トローラ19の推論制御部20は、所定の複数のファジ
ィ集合に基づき前件部21からその結論部である後件部
22へ至り、さらに複数の後件部22の結果の論理和2
3を行うファジィ推論処理と、推論結果を確定値にする
ディファジファイア処理24を行うものである。そし
て、本例では前件部21は6つのファジィ集合で規律さ
れている。すなわち、前記張力検知器16で検知される
張力信号TD,フィードロール15bに同軸に設けた速
度検知器PG1により検知される被巻取物13の巻取速
度信号(以下、ウエブ速度信号と称する。)V1,外部
入力手段である張力設定器21により任意に設定入力さ
れる張力設定信号TS,電動機モータMに同軸に設けた
速度検知器PG2により検知される巻取軸速度信号N1
である。ここで、巻取軸速度信号N1は、巻取リール1
2の軸芯にあたる巻取軸12aの速度に対応した信号と
いう意味である。上記した各各信号は、A/D変換器2
5においてデジタル信号に変換された後、前件部21の
ファジィ集合を規律するべくファジィ前処理部26で処
理される。
【0023】このファジィ前処理部26は、張力偏差T
1(=TS−TD),張力変化率T2(=dT1/d
t),ウエブ速度V1,ウエブ速度変化率V2(=dV
1/dt),巻取軸速度N1,巻取軸速度変化率N2
(=dN2/dt)を求める。ここで、ウエブ速度V1
を入力しているのは、巻取機リール12の直径(D)の
値を、演算式K×V1/N1(Kは定数)により求
め、さらには巻取機リール12のトルクT=D/2×
TD=K×D(Kは定数)を求めるためである。同
様にウエブ速度変化率V2は、巻取機リール12の直径
(D)乃至巻取機リール12のトルクの変化率を求める
ためである。
【0024】而して、T1,T2,V1,V2,N1,
N2の6つのファジィ集合を規律するデジタル値が推論
制御部20に入力され、これらの関係を前件部21及び
後件部22との関係を規律する知識ベースとして予め
「IF〜,THEN〜」の複数のプロダクションルール
により作成したファジィルールテーブル27に基づいて
いわゆるマムダニ法によるファジィ推論が行われる。こ
こで、図4において第1前件部,第2前件部…,第1後
件部,第2後件部…としているのは、各ルールで規律さ
れるIF項を第1前件部,第2前件部…とし、THEN
項を第1後件部,第2後件部…としている。
【0025】なお、図4における推論制御部20におい
て推論結果までの手順を制御するのが推論用CPU28
であり、またその推論専用メモリとして推論用メモリ2
9がセットされている。そして、推論専用CPU28は
ファジィコントーラ19全体の手順を制御するCPU3
0との間はインターフェース31を通して接続されたマ
スター・スレーブ構成である。而して、CPU30はイ
ンターフェース31を通して推論制御部20の動作を制
御するとともに、前記A/D変換器25,ファジィ前処
理部26,ディファジファイア処理24により最適操作
量が決定された値をアナログ制御量に変換するD/A変
換器32を制御している。その全体プログラムはROM
33に格納され、RAM34を作業メモリとしている。
【0026】本例によるファジィ推論方法については、
説明の便宜上、前件部21のファジィ集合が張力偏差T
1と張力偏差変化率T2に限り、またその後件部22の
ファジィ集合が電動機モータMの巻取軸トルク指令MT
Qに限って図示した図5,図6及び表1〜表4を参照し
て以下説明する。図5は前件部21における張力偏差T
1と張力偏差変化率T2、及び後件部22における巻取
軸トルク指令MTQを夫々以下の表1〜表3示す7つの
ラベル毎に区分し、各ラベルを三角形のメンバーシップ
関数で規律した場合の全体としてのメンバシップ関数を
示している。縦軸は0から1までの範囲でのグレードを
示している。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】そして、前件部21と後件部22間のプロ
ダクションルールを表にしたもの、すなわち前記ファジ
ィルールテーブル27の内容を以下の表4に示してい
る。
【0031】
【表4】
【0032】ここで、表4において〜の欄における
プロダクションルール〜を「IF〜,THEN〜」
で記述すると以下のようになる。
【0033】そして、この4つのルールが適用される例
に基づいて本例のファジィ推論について説明すると、今
現在の張力偏差T1と張力偏差変化率T2の値を、図6
において縦太線35a,35bとする。図6の(a)乃
至(d)は夫々前記ルール乃至に相当するメンバー
シップ関数のみを示している。縦太線35a,35bと
メンバーシップシップ関数との交点が現在時点における
ファジィ評価値、すなわちグレードを示している。そし
て、前件部21では、張力偏差T1と張力偏差変化率T
2との論理積を取っているので、その共通するグレード
として2つのグレードの最小値が前件部21のグレード
となる。このようにして決まったグレードに対応して、
巻取軸トルク指令MTQのメンバーシップ関数をカット
したのが図面で各々示す斜線図である。
【0034】以上のようにして、4つのルールの夫々に
対して巻取軸トルク指令MTQのメンバーシップ関数を
斜線でカットしたものが4つでき、そして、これら斜線
部は現在時点においてプロダクションルールを適用した
結果である。このため、これらの結果たる斜線部分の論
理和23をとることで、ルール乃至を全て満足する
推論結果とすることができる〔図6(e)参照〕。
【0035】このような手順でファジ推論をした後に、
電動機モータMを制御するためのトルクの値を確定する
必要があり、このために本例ではディファジファイア処
理24において、前記全ての斜線部分の重心演算を行
い、その値を最適なトルク操作量MTQとしてモータド
ライバ18に指令する。モータドライバ18は、トルク
指令の場合には、電動機モータMを該最適なトルク操作
量となるように電流制御する。
【0036】なお、上記した実施例において、図5及び
図6,表1乃至表4においては、後件部22のファジィ
集合としては巻取軸トルク指令MTQのみについて説明
したが、速度指令VSについても同様にしてマムダニ法
によるファジィ推論が行われ、このときにはモータドラ
イバ18は電動機モータMを最適な速度操作量となるよ
うに電圧制御する。従って、この場合には、電流及び電
圧制御が可能な電動機モータを用いる。
【0037】さらに、本例では、前件部21を構成する
ファジィ集合を、張力偏差T1及びその時間変化理率T
2に限ってその作用を説明したが、これだけでも従来の
PID制御と比較すると十分にその効果を奏することが
できたが、上記した他の4つのファジィ集合を加えるこ
とで、より精度の高いファジィ制御ができることは勿論
である。
【0038】また、上記した実施例は巻取機に適用した
場合であるが、巻出機の巻出制御用として適用できるの
は勿論である。さらに、巻取トルクの定張力制御だけで
なく、ファジィルールテーブルの変更によりテーパ張力
制御においても適用できる。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、多
品種の被巻取物を巻き取るようにした巻取機において、
品種の変更時や同じ被巻取物であっても設定値の変更及
び測定値の巻取速度,巻取張力等の渕定値が変動した場
合でも、予め決めたファジィルールテーブルに基づく推
論結果により従来のPID制御に比べてより最適な制御
ができることが確認された。また、これにより品種変え
の時には、設定張力値のみの変更操作するだけでよいの
で、操作が簡単となり、特別な熟練のない者でも操作が
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコントローラの請求項1に関する
クレーム対応図である。
【図2】本発明に係るコントローラの請求項2に関する
クレーム対応図である。
【図3】本発明に係るコントローラの全体構成を例示す
るブロック図である。
【図4】ファジィコントローラの内部構成を例示するブ
ロック図である。
【図5】前件部及び後件部のメンバーシップ関数を例示
するグラフである。
【図6】本例の推論手順を具体的に説明するためのメン
バーシップ関数を示すグラフである。
【図7】従来の制御方法の問題点を説明するための特性
図である。
【符号の説明】
1,13…被巻取物 2,16…張力検知部 3,19…ファジィコントローラ 4,27…ファジィルールテーブル 5,12…巻取機リール 6…張力設定部 7…ファジィ前処理部 8,21…前件部 9,22…後件部 11…巻取機 14…巻出装置 18…モータドライバ 19…ファジィコントローラ 20…推論制御部 23…論理和 24…ディファジファイア処理 26…ファジィ前処理部 28…推論用CPU 30…CPU M…電動機モータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種類の被巻取物(被巻出物も含む、
    以下同じ)を巻き取る(巻き出しも含む、以下同じ)べ
    く配置された巻取機(巻出機も含む、以下同じ)におい
    て、該被巻取物について検知した張力信号がファジィコ
    ントローラに入力され、該ファジィコントローラからは
    前記張力信号と設定張力値間の偏差、及びその時間変化
    率を夫々ファジィ集合として、所定のファジィルールテ
    ーブルに基づいて、少なくとも巻取機リールの駆動源の
    トルクをファジィ制御したことを特徴とするコントロー
    ラ。
  2. 【請求項2】 複数種類の被巻取物を巻き取るべく配置
    された巻取機において、該巻取機リールを巻取駆動させ
    る駆動源と、前記被巻取物に応じた所定の設定張力を入
    力する張力設定部と、前記被巻取物の張力を検知する張
    力検知器とを備え、前記設定張力及び検知張力とから張
    力偏差を求めるとともに該張力偏差の時間変化率を求め
    るファジィ前処理部とを備え、前記張力偏差及び張力偏
    差の時間的変化率をファジィ推論の前件部におけるファ
    ジィ集合として夫々所定のメンバーシップ関数で表現さ
    れ、前記駆動源のトルクをファジィ推論の後件部のファ
    ジィ集合として所定のメンバーシップ関数で表現される
    とともにこれら前件部と後件部間のファジィルールが予
    め設定され、該ファジィルールに基づいた最適操作量が
    推論されて、該最適操作量により少なくとも前記駆動源
    がトルク制御されることを特徴とするコントローラ。
  3. 【請求項3】 前記駆動源の速度も後件部のファジィ集
    合を構成し、最適操作量が駆動源の速度と駆動源のトル
    クであることを特徴とする請求項1又は2記載のコント
    ローラ。
  4. 【請求項4】 前記前件部のファジィ集合として、被巻
    取物の巻取速度及び/又はその時間変化率を加えたこと
    を特徴とする請求項1乃至3の内のいずれかに記載のコ
    ントローラ。
  5. 【請求項5】 前記前件部のファジィ集合として、巻取
    軸の速度及び/又はその時間変化率を加えたことを特徴
    とする請求項1乃至4の内のいずれかに記載のコントロ
    ーラ。
  6. 【請求項6】 前記巻取機は多軸構成であることを特徴
    とする請求項1乃至5の内のいずれかに記載のコントロ
    ーラ。
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