JPH0858478A - 車両用スキーキャリア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁力を利用して簡単に車体ルーフに着脱で
き、不使用時にコンパクトに収納でき、しかも車両走行
中の外力に充分に抵抗し得る吸着力を持たせることがで
きる車両用スキーキャリアを提供する。 【構成】 中央部１ａの両側に上方に折曲げ可能な折曲
側部１ｂ、１ｃを形成し車体に磁着し得る磁力を有する
マグネット基板１と、前記マグネット基板中央部１ａ上
に取り付けられた取付具２と、スキー板を保持する保持
部３ａを有すると共に脚部３ｆ、３ｇが前記マグネット
基板１に接し前記取付具２に旋回可能に取り付けられた
スキー板保持具３とによりスキーキャリアを構成し、前
記スキー板保持具３の旋回を所要位置に係止する係止手
段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両用スキーキャリア
に関し、特に、マグネットにより車両のルーフ上に取り
付けてスキー板を保持するマグネット式スキーキャリア
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、車両にスキー板を搭載して運搬す
るために用いられるスキーキャリアとして、裏面にマグ
ネットシートを貼り付けた基盤上にスキー板固定用の係
止具を取り付け、その基板を車体ルーフ上に磁着させ固
定するようにしたものがある。図９は、このような従来
のマグネット式の車両用スキーキャリアの一例を示した
もので、１枚の平板に形成されたマグネット付き基板１
１上に、取付具１２を介してスキー板保持具１３を固着
したものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のようなマグネッ
ト式のスキーキャリアは、車体ルーフへの取付けにネジ
などの機械的手段を一切使用せず、磁力のみを利用して
取付けを行なうものであるから、簡単に着脱することが
でき、しかも複雑な構造やルーフサイドに取り付けるた
めの長い器体を必要としない利点がある。しかしなが
ら、車両走行中の振動、加減速、風圧等に耐える充分な
接着力を持たせるためには、マグネット基板をかなり大
きなものとしなければならず、不使用時に自動車のトラ
ンクや車室内あるいは家庭内に収納する場合に、かさば
って収納性が悪い欠点があった。

【０００４】本発明は、磁力を利用して簡単に車体ルー
フに着脱でき、不使用時にコンパクトに収納でき、しか
も車両走行中の外力に充分に抵抗し得る吸着力を持たせ
ることができる車両用スキーキャリアを提供することを
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の車両用スキーキャリアは、中央部の両側に
上方に折曲げ可能な折曲側部を形成し車体に磁着し得る
磁力を有するマグネット基板と、前記マグネット基板中
央部上に取り付けられた取付具と、スキー板を保持する
保持部を有すると共に脚部が前記マグネット基板に接し
前記取付具に旋回可能に取り付けられたスキー板保持具
とにより構成し、前記スキー板保持具の旋回を所要位置
に係止する係止手段を備えたものである。

【０００６】

【作用】以上のように構成した本発明の車両用スキーキ
ャリアは、車両に装着する際、マグネット基板の両折曲
側部を中央部両側に展開し、折曲げ線が車両進行方向と
平行になるように車体ルーフに磁着し、スキー板保持具
をスキー板保持位置（脚部がマグネット基板の両折曲側
部上面に接する位置）まで旋回して係止する。このスキ
ーキャリアを、車両進行方向に複数個並べて設置してス
キー板を保持させる。収納するときは、スキー板を取り
外し、スキー板保持具を元の位置（脚部がマグネット基
板中央部上面に接する位置）まで旋回して係止し、両折
曲側部を上方に曲げて車体ルーフより取り外し、コンパ
クトな状態とした収納する。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の好適な実施例につき、図面を
参照して説明する。

【０００８】図１は本発明による車両用スキーキャリア
の１実施例の全体斜視図、図２はその正面図である。図
において、１はマグネット基板で、鋼板（ステンレス鋼
板または表面処理鋼板）の表面層とラバーマグネットの
底層とを積層成形したものであるが、硬質合成樹脂板を
表面層としてもよく、また、合成樹脂等のマグネットシ
ートに一枚物であってもよい。このマグネット基板１
は、中央部１ａと、その両側に隣接する折曲側部１ｂ、
１ｃとから成っている。折曲側部１ｂ、１ｃは、ヒンジ
４で中央部１ａに取り付けられ、平行な折曲げ線１ｄ、
１ｅから上方に折り曲げることができる。

【０００９】マグネット基板１の中央部１ａには取付具
２が設けられている。この取付具２は円錐台形に形成さ
れ、その底部２ａが基板の中央部１ａに固着され、頂面
部２ｂの中央に孔２ｃが穿設されている。

【００１０】取付具２の上に、スキー板保持具３が旋回
（以下、「旋回」の語は垂直軸周りの回転の意味に使用
する）可能に取り付けられている。スキー板保持具３
は、上部の保持部３ａと、下部の支持部３ｂとから成っ
ており、保持部３ａはピン３ｃを軸として上下に開閉で
き、開口部３ｄ、３ｅにスキー板５を通して保持する。
保持部３ａを閉鎖してスキー板５を保持した時には、保
持部３ａは図示しない適宜のロック手段で支持部３ｂに
固結される。支持部３ｂの底部両側に脚部３ｆ、３ｇが
形成され、この脚部３ｆ、３ｇ底面が常時マグネット基
板１の上面に当接している。

【００１１】図３は、スキー板保持具３が取付具２に旋
回可能に取り付けられた部分を拡大図示したもので、ス
キー保持具３の支持部３ｂの底部凹面３ｈの中心に孔３
ｉが穿設されている。この孔３ｉと前記の取付具２の頂
面部２ｂ中央の孔２ｃにボルト６を挿通し、ナット６ａ
で締め付けてある。ボルト６頭部と取付具頂面部２ｂの
間にコイルばね６ｂが介装されているので、スキー板保
持具３は取付具２上にボルト６を中心として旋回可能に
保持される。図４はこの取り付け部分のを詳細を示した
分解斜視図である。

【００１２】図４に見られるように、取付具２の頂面部
２ｂには、円周方向９０°間隔に２個の突起２ｄ、２ｅ
が形成されている。一方、スキー板保持具３の底部凹面
３ｈの孔３ｉから離れた位置に孔３ｊが設けられてい
る。この孔３ｊに突起２ｄ又は２ｅが係合することによ
り、スキー保持具３の旋回が抑止され取付具２に係止
（ロック）される。スキー保持具３の孔３ｊに突起２ｄ
が係合した位置（図示実線）から、スキー保持具３の片
方を押して旋回させ、直角方向に向いた図示鎖線の位置
で突起２ｅが孔３ｊに係合してロックされる。なお、こ
のロック手段はこの図示の態様に限らず、スキー保持具
３を取付具２に対して２カ所の直角位置で係止し得るも
のならば、任意の手段を用いてよい。

【００１３】図１には、スキー保持具３が図４の実線示
位置にある状態を示しており、この状態でスキー保持具
３の脚部３ｆ、３ｇ底面はマグネット基板１の両折曲側
部１ｂ、１ｃの上面に当接している。これはスキーキャ
リアの使用状態であり、マグネット基板１は両折曲げ線
１ｄ、１ｅを車体前後方向に平行にして車体ルーフ上に
磁着され、マグネット基板１の磁力の上にスキー保持具
３とスキー板５の荷重が掛かり、折曲側部１ｂ、１ｃが
外力により車体ルーフ面から剥がれるのが阻止される。
この状態から前記のようにスキー保持具３を９０°旋回
させ、図５の平面図に鎖線で示した位置（図４鎖線示）
で係止すると、脚部３ｆ、３ｇ底面は折曲側部１ｂ、１
ｃから外れて中央部１ａ上に至り、折曲側部１ｂ、１ｃ
は上方に折り曲げ得る状態となる。図５及び図１の円形
の鎖線は、この旋回時の脚部３ｆ、３ｇ底面の軌跡を示
したものである。図６は、スキー保持具３がこの状態
（実線で示す）で片方の折曲側部１ｂを折曲げたところ
を示す。さらに、他方の折曲側部１ｃを折り曲げると図
７に示すようになり、車体ルーフ面から取り外してコン
パクトな形態で収納することができる。

【００１４】図８は、本発明のスキーキャリアを使用し
てスキー板を搬送する状態を示したもので、複数個（通
常２個）のスキーキャリア１０を車両進行方向に平行に
並べマグネット基板１の折曲側面を展開して車体ルーフ
面２０上に図１の状態で設置し、スキー板保持具３にス
キー板５を保持させて固定する。この使用状態では、マ
グネット基板１を折畳み構造とした場合、車両走行時に
折曲側部がフラップして剥がれ易くなることが考えられ
るが、本発明品は前述のように、折曲げ線を風圧、加減
速等による外力の働く車体前後方向に平行にして設置
し、スキー板保持具３を９０°旋回して折曲側部を押さ
えた状態で使用されるので、剥がれを防止することがで
きる。使用が終わったときは、スキー板５及び固定具７
を取り外し、スキー板保持具２を元の位置まで旋回さ
せ、マグネット基盤１を折り畳んで前記図７の状態で取
り外し収納する。

【００１５】

【発明の効果】以上の説明のように、本発明の車両用ス
キーキャリアは、マグネット基板を折畳み可能に形成
し、かつスキー保持具を基板折畳み時の状態から９０°
旋回させて使用時に折曲側部を押さえるように構成した
ので、不使用時にコンパクトな形態でトランク内等の狭
いスペースにも容易に収納でき、収納性が向上する。ま
た、従来の機械的取付手段によるものに比して、遥かに
簡単な構造で外力に抵抗し得る充分な吸着力を有し、し
かも車体への着脱を極めて容易に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】車両用スキーキャリアの全体斜視図である。

【図２】車両用スキーキャリアの一部断面正面図であ
る。

【図３】スキー板保持具の取付部分の拡大断面図であ
る。

【図４】スキー板保持具の取付部分の分解斜視図であ
る。

【図５】車両用スキーキャリアの平面図である。

【図６】マグネット基板を折り畳む状態を示す斜視図で
ある。

【図７】マグネット基板を折り畳んだ状態を示す斜視図
である。

【図８】車載用スキーキャリアの使用状態を示す斜視図
である。

【図９】従来のマグネット式車両用スキーキャリアの全
体斜視図である。

【符号の説明】

１ マグネット基板 １ａ 中央部 １ｂ，１ｃ 折曲側部 ２ 取付具 ３ スキー板保持具 ３ａ 保持部 ３ｆ，３ｇ 脚部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央部の両側に上方に折曲げ可能な折曲
   側部を形成し車体に磁着し得る磁力を有するマグネット
   基板と、前記マグネット基板中央部上に取り付けられた
   取付具と、スキー板を保持する保持部を有すると共に脚
   部が前記マグネット基板に接し前記取付具に旋回可能に
   取り付けられたスキー板保持具とから成り、前記スキー
   板保持具の旋回を所要位置に係止する係止手段を備えた
   ことを特徴とする車両用スキーキャリア。