JPH0858422A - 差動装置 - Google Patents

差動装置

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JPH0858422A
JPH0858422A JP7150528A JP15052895A JPH0858422A JP H0858422 A JPH0858422 A JP H0858422A JP 7150528 A JP7150528 A JP 7150528A JP 15052895 A JP15052895 A JP 15052895A JP H0858422 A JPH0858422 A JP H0858422A
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ball
groove
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rotating body
rotating
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Kenji Mimura
建治 三村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造によって確実な差動制限効果を得
ることのできる差動装置を提供する。 【構成】 ギヤケース1の回転力はボールホルダ5の長
孔5aに保持された各ボール6を介して各ボールディス
ク3,4の溝3b,4bに伝達され、各ボールディスク
3,4に回転差が生ずると、各溝3b,4bの案内によ
って各ボール6が長孔5a内を各ボールディスク3,4
の軸方向に往復移動しながら各ボールディスク3,4の
回転運動を連動させ、各ボールディスク3,4の差動が
達成される。その際、各ボールディスク3,4に回転差
を発生させる力が各ボールディスク3,4の一方のみか
ら加わると、他方では差動時に従動側となるボール6が
主動側である溝3bまたは4bを自らの動きに追従させ
ようとするため、このボール6が溝3aまたは4aから
反力を受け、これが抵抗となって各ボールディスク3,
4の差動が制限される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の左右または前後
駆動輪の回転差を許容する差動装置に関し、特に差動制
限機能を持った差動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の差動装置は、車両がカーブを走
行する際の左右駆動輪の回転差、または四輪駆動車にお
ける前後駆動輪の回転差を許容する装置であり、構造的
には出力軸に連結された一対のベベルギヤの間にピニオ
ンギヤを介在させ、ピニオンギヤのシャフトに外側から
回転力を加えると、差動時にはピニオンギヤが自転して
各出力軸の回転差が許容されるように構成されたものが
一般的である。
【0003】ところが、一方の駆動輪のみが雪や砂等、
摩擦係数の極端に少ない路面に乗り上げると、差動によ
り一方の車輪が空転して全体の駆動力が失われ、その場
から脱出できなくなるという状態に陥り易かった。ま
た、カーブを高速走行する際に遠心力によって内側の車
輪の荷重が極端に減少した場合にも、その車輪が空転し
てカーブを高速で走行するための駆動力が失われ易いと
いう欠点もある。
【0004】このような欠点を補うために、例えばクラ
ッチディスク圧着式等の差動制限機構を備えたものがあ
るが、これは一方の駆動輪が接地していないときでも、
駆動力を得るためにクラッチディスクに予圧を与えてい
る場合が多く、それによってこのタイプはエンジン側か
ら駆動力が入力されていない非駆動時及び減速時におい
ても各駆動輪同士が拘束され、アンチロックブレーキシ
ステムのように各車輪の回転に独立性が要求される装置
との組合わせに難点があった。
【0005】また、最近ではビスカス・カップリングを
用いた回転感応型の差動制限機構が多く使われている。
ビスカス・カップリングは一種の粘性クラッチであり、
粘性流体(シリコンオイル等)の剪断抵抗を利用してト
ルクを伝えるようになっている。従って、このタイプで
は回転差に応じてスムーズな差動制限効果を得ることが
できるが、粘性流体によって初期抵抗が与えられるた
め、先に述べたクラッチディスク圧着式ほどではないが
各駆動輪同士の拘束を受ける結果になる。
【0006】そこで、非駆動時及び制動時は各駆動輪の
拘束が少なく、駆動時に差動を制限する機構を持った差
動装置としては、例えば特開平4−271926号に記
載されているように、ウォームギヤの組合わせによるト
ルク感応型のものも知られている。このタイプでは、同
軸上を互いに独立して回転可能な一対のネジ状のウォー
ムと、これに直角な回転軸を有する複数のウォームホイ
ールとが噛み合わされており、各ウォームを回転させる
とウォームホイールはスムーズに回転するが、逆にウォ
ームホイール側から回転させようとした場合は回転が困
難であるというウォームギヤ特有の性質を利用してお
り、これにより条件に応じた差動及び差動制限効果が得
られるという特徴を備えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ビスカ
ス・カップリングに代表される回転感応型の差動制限機
構では、トルク伝達率が流体の粘性のみに依存するた
め、温度が変化すると流体の粘性が変わり、常に安定し
た差動制限効果が得られないという欠点があった。ま
た、このタイプでは、回転差が生じてから差動制限が行
われるまでに時間差があり、走行動作の変化に瞬時に対
応することができないという問題点もあった。一方、ウ
ォームギヤを用いた差動装置では、差動制限が機械的に
行われるため差動制限効果は安定しているが、その反
面、部品点数が多く構造が複雑であるとともに、部品の
加工及び組立に極めて高い精度が要求され、しかも許容
トルクに比べて装置全体が大型になるという問題点があ
った。
【0008】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、簡単な構造によって
確実な差動制限効果を得ることのできる差動装置を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、請求項1では、互いに周面を径方向に対向
して同軸状に配置された一対の回転体と、各回転体を収
容するケース体と、各回転体の径方向の対向面間に配置
された複数の転動体と、各転動体を各回転体の間に保持
する保持体とを備え、前記保持体には各回転体の軸方向
に延びる複数の案内部を各回転体の径方向に貫通して設
けて各案内部に各転動体を移動自在に収容し、各回転体
の径方向の対向面には各転動体に係合する溝を回転体の
周方向に連続して設け、各溝を各回転体に回転差が生ず
ると各転動体が前記案内部に沿って各回転体の軸方向に
往復移動するように形成した差動装置を構成している。
【0010】また、請求項2では、互いに軸方向に対向
して同軸状に配置された一対の回転体と、各回転体を収
容するケース体と、各回転体とケース体の径方向の対向
面間に配置された複数の転動体と、一方の回転体側の転
動体と他方の回転体側の転動体とを転動自在に保持する
複数の保持体とを備え、前記ケース体には各回転体の軸
方向に延びる複数の案内部を設けて各案内部に各転動体
を移動自在に係合し、各回転体のケース体との対向面に
は各転動体に係合する溝を各回転体の周方向に連続して
設け、各溝を各回転体に回転差が生ずると前記保持体及
び各転動体がケース体の案内部に沿って各回転体の軸方
向に往復移動するように形成した差動装置を構成してい
る。
【0011】また、請求項3では、請求項1または2記
載の差動装置において、前記各回転体の溝は、転動体を
前記案内部の一端側から他端側に向かって移動させる第
1の案内区間と、転動体を案内部の他端側から一端側に
向かって移動させる第2の案内区間とを周方向に連続し
て有し、一方の回転体の第1の案内区間を第2の案内区
間よりも周方向に長く形成し、他方の回転体の第2の案
内区間を第1の案内区間よりも周方向に長く形成してい
る。
【0012】また、請求項4では、請求項3記載の差動
装置において、前記各回転体の径方向における溝と転動
体との接触角の大きさを、各回転体の回転軸から転動体
までの距離が変化しても溝が転動体から受ける反力の大
きさが常に一定になるように設定している。
【0013】また、請求項5では、請求項3記載の差動
装置において、前記各回転体の軸方向における溝と転動
体との接触角の大きさを、各回転体の回転軸から転動体
までの距離が変化しても溝が転動体から受ける反力の大
きさが常に一定になるように設定している。
【0014】また、請求項6では、請求項1または2記
載の差動装置において、前記各回転体の溝は、転動体を
前記案内部の一端側から他端側に向かって移動させる第
1の案内区間と、転動体を案内部の他端側から一端側に
向かって移動させる第2の案内区間と、転動体を案内部
の所定範囲内の位置に保つ第3の案内区間と周方向に連
続して有し、第1及び第2の案内区間における転動体と
の接触度の大きさを互いに等しく形成するとともに、一
方の回転体では第1の案内区間内に第3の案内区間を設
け、他方の回転体では第2の案内区間内に第3の案内区
間を設けている。
【0015】また、請求項7では、請求項1、2、3、
4、5または6記載の差動装置において、前記ケース体
内の少なくとも転動体の移動する空間に粘性流体を充填
している。
【0016】また、請求項8では、互いに軸方向に対向
して同軸状に配置された一対の回転体と、各回転体を収
容するケース体と、各回転体の軸方向の対向面間に配置
された複数の転動体と、各転動体を各回転体の間に保持
する保持体とを備え、前記保持体には各回転体の軸方向
に貫通する複数の案内部を設けて各案内部に各転動体を
各回転体の軸方向に移動自在に収容し、各回転体の対向
面には各転動体に係合する溝を回転体の周方向に連続し
て設け、各溝を各回転体に回転差が生ずると各転動体が
保持体の案内部に沿って各回転体の軸方向に往復移動す
るように形成した差動装置を構成している。
【0017】また、請求項9では、請求項8記載の差動
装置において、前記溝を同心円状に複数設け、各溝にお
ける各転動体の往復移動の反転位置を互いに周方向にず
らして設けている。
【0018】
【作用】請求項1及び2の差動装置によれば、ケース体
及び保持体を軸心回りに回転させると、この回転力は各
転動体を介して各回転体の溝に伝達され、各回転体がケ
ース体と一体に回転する。ここで、各回転体に回転差が
生ずると、保持体の各案内部に収容された各転動体が各
回転体の溝に案内されて転動し、各案内部に沿って各回
転体の軸方向に往復移動する。その際、各回転体に回転
差を発生させる力が一方の回転体側から加わると、他方
の回転体では差動時に従動側となる転動体が差動時に主
動側となる溝を自らの動きに追従させようとするため、
この時に生ずる反力が抵抗となって各回転体の差動が制
限される。この場合、溝と転動体の間で発生する反力の
大きさは溝と転動体との接触角の大きさによって決ま
る。
【0019】また、請求項3の差動装置によれば、請求
項1または2の作用に加え、一方の回転体の溝は第1の
案内区間が第2の案内区間よりも周方向に長く形成さ
れ、他方の回転体の溝は第2の案内区間が第1の案内区
間よりも周方向に長く形成されていることから、各回転
体の対向面においては転動体を径方向に反転させる位置
が互いに周方向にずれるようになっている。即ち、転動
体が溝の反転位置に達したときは転動体と溝との間で力
を伝達することができないので、各溝の反転位置を互い
に周方向にずらすことにより、全ての転動体が同時に反
転位置に達することがなくなる。
【0020】また、請求項4の差動装置によれば、請求
項3の作用に加え、前記各回転体の径方向における溝と
転動体との接触角の大きさが、各回転体の回転軸から転
動体までの距離が変化しても溝が転動体から受ける反力
の大きさが常に一定になるように設定されていることか
ら、各回転体が互いに如何なる回転位置にあっても差動
制限効果が常に一定になる。
【0021】また、請求項5の差動装置によれば、請求
項3の作用に加え、前記各回転体の軸方向における溝と
転動体との接触角の大きさが、各回転体の回転軸から転
動体までの距離が変化しても溝が転動体から受ける反力
の大きさが常に一定になるように設定されていることか
ら、各回転体が互いに如何なる回転位置にあっても差動
制限効果が常に一定になる。
【0022】また、請求項6の差動装置によれば、請求
項1または2の作用に加え、一方の回転体の溝では第1
の案内区間内に第3の案内区間が設けられ、他方の回転
体の溝では第2の案内区間内に第3の案内区間が設けら
れていることから、請求項2と同様、各回転体の対向面
においては転動体を径方向に反転させる位置が互いに周
方向にずれるようになっている。この場合、第1の案内
区間及び第2の案内区間では転動体に対する接触角の大
きさが等しくなっているので、溝の深さ方向の断面形状
を周方向に一定にすることができる。
【0023】また、請求項7の差動装置によれば、請求
項1、2、3、4、5または6の作用に加え、前記回転
体の回転速度差が大きくなると、各転動体が粘性流体の
流動によって受ける抵抗が増大し、この抵抗によっても
差動が制限される。この場合、差動制限効果は粘性流体
の性質上、各回転体の回転速度差に応じて徐々に大きく
なるように発生する。
【0024】また、請求項8の差動装置によれば、ケー
ス体及び保持体を軸心回りに回転させると、この回転力
は各転動体を介して各回転体の溝に伝達され、各回転体
がケース体と一体に回転する。ここで、各回転体に回転
差が生ずると、保持体の各案内部に収容された各転動体
が各回転体の溝に案内されて転動し、各案内部に沿って
各回転体の軸方向に往復移動する。その際、各回転体に
回転差を発生させる力が一方の回転体側から加わると、
他方の回転体では差動時に従動側となる転動体が差動時
に主動側となる溝を自らの動きに追従させようとするた
め、この時に生ずる反力が抵抗となって各回転体の差動
が制限される。この場合、溝と転動体の間で発生する反
力の大きさは溝と転動体との接触角の大きさによって決
まる。
【0025】また、請求項9の差動装置によれば、請求
項8の作用に加え、同心円状に設けた複数の溝における
転動体の反転位置が互いに周方向にずれていることか
ら、全ての転動体が同時に反転位置に達することがな
く、転動体の駆動力が確実に各出力側回転体に伝達され
る。
【0026】
【実施例】図1乃至図6は本発明の第1の実施例を示す
もので、図1は差動装置の側面断面図、図2は図1のA
−A線方向矢視断面図、図3は差動装置の分解斜視図で
ある。
【0027】本実施例の差動装置は、ギヤケース1と、
ギヤケース1の一端を閉塞するギヤケースカバー2と、
互いに同軸状に配置された一対のボールディスク3,4
と、各ボールディスク3,4間に配置されたボールホル
ダ5と、ボールホルダ5に転動自在に保持された多数の
ボール6とから構成されている。即ち、各ボールディス
ク3,4は回転体を、ボールホルダ5は保持体を、各ボ
ール6は転動体をそれぞれ構成している。
【0028】ギヤケース1は一端を開口した筒形をな
し、その中央には一方のボールディスク3を支持する軸
受け1aが設けられている。ギヤケース1の周囲にはフ
ランジ1bが設けられており、フランジ1bにはボルト
挿通用の多数の孔1cが設けられている。
【0029】ギヤケースカバー2は円盤状に形成され、
その中央には他方のボールディスク4を支持する軸受け
2aが設けられている。ギヤケースカバー2の周囲には
フランジ2bが設けられ、フランジ2bにはボルト挿通
用の多数の孔2cが設けられている。即ち、ギヤケース
カバー2は各フランジ1b,2bを締結するボルト7に
よってギヤケース1に組付けられる。
【0030】一方のボールディスク3は筒状に形成さ
れ、その一端には車輪側のドライブシャフト8を連結す
るための連結部3aが設けられている。このボールディ
スク3の外周面には各ボール6が転動自在に係合する溝
3bが設けられ、溝3bは周方向に連続して形成されて
いる。図26は各ボールディスク3,4を平面状に展開
したもので、図中の角度0゜〜31゜は周方向の位置を
示す。即ち、溝3bは、図26に示すようにボール6を
ボールディスク3の軸方向一端側から他端側に向かって
移動させる第1の案内区間3b−1と、ボール6をボー
ルディスク3の軸方向一端側から他端側に向かって移動
させる第2の案内区間3b−2とを交互に連続して有
し、第2の案内区間3b−2は第1の案内区間3b−1
よりも周方向に長く形成されている。また、ボールディ
スク3の端面とギヤケース1との間にはスラストワッシ
ャ3cが介装されている。
【0031】他方のボールディスク4は筒状に形成さ
れ、その一端には車輪側のドライブシャフト8を連結す
るための連結部4aが設けられている。このボールディ
スク4は内径が一方のボールディスク3の外径よりも大
きく形成され、その内側には一方のボールディスク3が
挿入されている。ボールディスク4の内周面には各ボー
ル6が転動自在に係合する溝4bが設けられ、溝4bは
周方向に連続して形成されている。溝4bは一方のボー
ルディスク3と同様、図26に示すようにボール6をボ
ールディスク4の軸方向一端側から他端側に向かって移
動させる第1の案内区間4b−1と、ボール6をボール
ディスク4の軸方向一端側から他端側に向かって移動さ
せる第2の案内区間4b−2とを交互に連続して有し、
第1の案内区間4b−1は第2の案内区間4b−2より
も周方向に長く形成されている。即ち、各ボールディス
ク3,4の対向面においては、各溝3b,4bの軸方向
一方の反転位置が径方向から見て一致したときは、他方
の反転位置が互いに周方向にずれるようになっている。
尚、本実施例では溝3b,4bが径方向に対向している
が、その作用効果については溝が軸方向に対向している
第1の実施例の場合と全く同様である。また、ボールデ
ィスク4の端面とギヤケース1との間にはスラストワッ
シャ4cが介装されている。更に、ボールディスク4の
一部は軸方向に分割されており、この分割部4dは多数
のピン4eを介してボールディスク4に連結されている
が、これはボールディスク4の溝4bの加工を容易にす
るためと、組立時にボール6を各溝3b,4aの間に入
れるための構造である。
【0032】ボールホルダ5は筒状に形成され、各ボー
ルディスク3,4の間に配置されている。ボールホルダ
5の周面には各ボール6を転動自在に収容する多数の長
孔5aが周方向に等間隔で設けられており、各長孔5a
は軸方向に直線状に延び、それぞれ径方向に貫通して設
けられている。即ち、各長孔5aは案内部をなす。ま
た、ボールホルダ5の一端にはフランジ5bが設けら
れ、ボールホルダ5はフランジ5bの周面に設けた溝5
cに嵌合する多数のピン5dによってギヤケース1内に
固定されている。この場合、ギヤケース1内にも各ピン
5dに嵌合する溝1eが設けられている。
【0033】各ボール6はボールホルダ5の各長孔5a
に収容され、それぞれ各ボールディスク3,4の溝3
b,4bに係合している。
【0034】以上のように構成された差動装置において
は、ギヤケース1のフランジ1bにエンジンからの駆動
力を伝達するリングギヤ(図示省略)が取付けられ、装
置全体がギヤケース1の軸心回りに回転する。即ち、ギ
ヤケース1に駆動力が入力されると、ギヤケース1と一
体にボールホルダ5が回転し、この回転力は各ボール6
を介して各ボールディスク3,4の溝3b,4bに伝達
され、各ボールディスク3,4に連結された左右のドラ
イブシャフト8に伝達される。
【0035】ここで、前記差動装置の動作を、各ドライ
ブシャフト8に回転差が生じていない場合と、各ドライ
ブシャフト8に回転差が生じた場合と、一方のドライブ
シャフト8のみが空転し易い状態に陥った場合について
説明する。
【0036】まず、車両が摩擦力の十分な路面を直進し
ているときなど、各ドライブシャフト8に回転差が生じ
ていない場合は、各ボールディスク3,4には回転差が
生じないので、各ボール6の転動は起こらず、各ボール
ディスク3,4はボールホルダ5と一体に回転する。
【0037】次に、車両が摩擦力の十分な路面を旋回し
ているときなど、各駆動輪にトルクが均等に伝わってい
る状態で各ドライブシャフト8に回転差が生じた場合に
は、以下に示す動作によって各ドライブシャフト8の回
転差が許容される。即ち、各ボールディスク3,4に回
転差が生ずると、各ボール6は各ボールディスク3,4
の溝3b,4bに案内されて転動し、ボールホルダ5の
各長孔5a内を往復移動する。この場合、各ボール6は
一つおきに半数ずつ各溝3b,4bの軸方向一方の反転
位置に達するが、各ボールディスク3,4では各溝3
b,4bの反転位置が軸方向一方で一致したときに他方
では互いにずれるようになっているので、全てのボール
6が同時に各溝3b,4bの反転位置に達することはな
い。つまり、ボール6が各溝3b,4bの反転位置に達
したときは、ボール6と各溝3b,4bとの間で力を伝
達することができないので、全てのボール6が同時に各
溝3b,4bの反転位置に達しないようにする必要があ
る。
【0038】次に、一方の駆動輪が路面との摩擦力を失
ったときなど、片方のドライブシャフト8のみが空転し
易い状態に陥った場合には、以下に示す動作により各ド
ライブシャフト8の差動が制限される。即ち、前述のよ
うに各ボールディスク3,4の回転差が均等な力によっ
て生じた場合、各溝3b,4bは各ボール6を円滑に転
動させることができるが、一方のボールディスク3,4
のみをドライブシャフト8側から回転させようとした場
合、各溝3b,4bの一方のみが各ボール6を転動させ
ようとするので、各溝3b,4bには各ボール6との接
触面における反力が作用する。これが抵抗となって各ボ
ールディスク3,4の一方の回転に他方を追従させるこ
とが困難になり、各ドライブシャフト8の差動が制限さ
れる。
【0039】ここで、図5及び図6を参照し、前記差動
制限効果の原理について詳述する。まず、図5はボール
6と溝3b(4b)を差動装置の径方向から見た場合で
あり、同図に示すようにボール6の中心には主軸(ギヤ
ケース1の回転軸)回りに各ボールディスク3,4の一
方から加わった回転力Aが作用している。
【0040】ここに、 A≒A′ …(1) この時、溝3b(4b)にはボール6との接触面に垂直
な力Cが発生し、その分力は回転力Aと平行なA′と、
A′と垂直なBである。Cはボール6との接触面に垂直
であるので、ボール6の中心を通る線分上に位置し、
A′とCとのなす角度をαとすると、Cの大きさは、 C=A′×1/cosα …(2) で表される。
【0041】次に、図6に示すようにボール6と各溝3
b,4bを主軸Sに直交する方向から見ると、実際には
各溝3b,4bとボール6との接触面に作用する垂直方
向の反力はD1 ,D2 であり、その分力は主軸Sに平行
なE1 ,E2 と、E1 ,E2に垂直なC1 ,C2 であ
る。ボール6は各溝3b,4bに斜めに接しながら転動
するため、C1 ,C2 及びE1 ,E2 は転がり摩擦と滑
り摩擦による力として作用するが、E1 ,E2 をスラス
ト力という。D1 ,D2 はボール6との接触面に垂直で
あるので、ボール6の中心を通る線分上に位置し、D1
,D2 とC1 ,C2 とのなす角度をβ1 ,β2 とする
と、面圧D1 ,D2 の大きさは、 D1 =C1 ×1/cosβ1 D2 =C2 ×1/cosβ2 …(3) で表される。また、スラスト力E1 ,E2 の大きさは、 E1 =C1 ×tanβ1 E2 =C2 ×tanβ2 …(4) で表される。
【0042】式(1) 、式(2) 及び式(3) より、反力D1
,D2 は次式のとおりである。
【0043】 D1 =A×1/cosα ×1/cosβ1 D2 =A×1/cosα ×1/cosβ2 …(5) C1 ,C2 は、式(1) 及び式(2) より、 C1 =A×1/cosα C2 =A×1/cosα …(6) また、スラスト力E1 ,E2 は式(1) 、式(2) 及び式
(4) より、 E1 =A×1/cosα ×tanβ1 E2 =A×1/cosα ×tanβ2 …(7) で表される。
【0044】即ち、ボール6が各溝3b,4bから受け
る反力D1 ,D2 はC1 ,C2 及びE1 ,E2 の成分に
分けられ、これらが転がり摩擦と滑り摩擦による力とし
て作用するとともに、スラスト力E1 ,E2 により各ス
ラストワッシャ3c,4cが軸方向に押し付けられるこ
とによって差動制限効果が得られる。その際、ボール6
と各溝3b,4bとの接触角α,β1 ,β2 の大きさを
任意に設定することにより、必要に応じた差動制限効果
を得ることができる。尚、スラストワッシャ3c,4c
の代わりにベアリング等の他の介在物を用いることによ
り、スラスト力Eによる差動制限効果の効き具合を任意
に設定することも可能である。また、ボール6が各溝3
b,4bを転動する際の転がり摩擦や、ボール6が各溝
3b,4bに斜めに接しながら転動することによる滑り
摩擦も差動制限効果を得る要因となる。
【0045】ところで、各溝3b,4bが同一のボール
6に接する位置は、図6に示すようにボールディスク3
の溝3bは内側、ボールディスク4の溝4bは外側から
接する。従って、同一のボール6であっても各溝3b,
4bとの接触面から主軸Sまでの距離L1 ,L2 が異な
るため、各ボールディスク3,4側に発生するスラスト
力E1 ,E2 も異なる。そこで、スラスト力E1 ,E2
が一定になるように各距離L1 ,L2 に応じて各溝3
b,4bとの接触角β1 ,β2 の大きさを設定すること
により(β1 >β2 )、各ボールディスク3,4側に発
生する差動制限効果を常に等しくすることができる。
【0046】このように、本実施例の差動装置によれ
ば、各ボールディスク3,4に設けた溝3b,4bと、
これに転動自在に嵌合する多数のボール6との噛み合わ
せによって各ボールディスク3,4の相互の回転運動を
連動させ、各ボールディスク3,4の一方から回転力が
加わった場合は、各ボール6が溝3b,4bとの接触面
から受ける反力(摩擦力)によって差動を制限するよう
にしたので、差動制限効果を得るための特別な機構を追
加する必要がなく、しかも動作の確実なトルク感応型の
差動制限効果を得ることができる。従って、従来では例
のない極めて小型で低コストな差動装置を実現すること
ができ、しかも各ボール6と各溝3b,4bとの接触角
の大きさを任意に設定することにより、必要に応じた差
動制限効果を得ることも可能である。更に、本実施例で
は各溝3b,4bの反転位置が軸方向の一方で一致した
ときに他方では互いにずれるように設け、全てのボール
6が同時に各溝3b,4bの反転位置に達しないように
したので、ボール6の駆動力を確実に各ボールディスク
3,4に伝達することができ、構造的な完成度を高める
ことができる。
【0047】図7及び図8は本発明の第2の実施例を示
すもので、第1の実施例とは溝の形状が異なっている。
尚、前記実施例と同等の構成部分には同一の符号を付し
て示す。
【0048】即ち、同図に示す溝3d,4dは、ボール
6を各ボールディスク3,4の軸方向一端側から他端側
に向かって移動させる第1の案内区間3d−1,4d−
1と、ボール6を各ボールディスク3,4の軸方向他端
側から一端側に向かって移動させる第2の案内区間3d
−2,4d−2と、ボール6を各ボールディスク3,4
の軸方向所定範囲内の位置(この場合は軸方向一定位
置)に保つ第3の案内区間3d−3,4d−3とを周方
向に連続して有し、第1の案内区間3d−1,4d−1
及び第2の案内区間3d−2,4d−2はボール6に対
する接触角の大きさが互いに等しく形成されている。各
ボールディスク3,4では第1の案内区間3d−1,4
d−1内に第3の案内区間3d−3,4d−3が設けら
れ、各ボールディスク3,4を径方向に対向させると、
第1の実施例と同様、軸方向一方の反転位置が互いに重
なり合ったときは、他方の反転位置が互いにずれるよう
になっている。また、各溝3d,4dは各ボールディス
ク3,4の回転角が90゜でボール6を径方向に一往復
させるように形成されており、これを直線状に展開する
と図8のようになる。即ち、各溝3d,4dは径方向の
反転位置と、第3の案内区間3d−3,4d−3ではボ
ール6と各溝3d,4dとの間で力を伝達しないが、力
を伝達している区間ではボール6に対する接触角の大き
さが常に等しいので、発生するスラスト力も一定にな
る。この場合、図13においてa≦a′,b≧b′,c
≦c′,d=d′の条件を満たし、任意のボール6が力
の伝達されない位置にあるときは他の何れかのボール6
が力の伝達される位置にあるように各溝3d,4dの全
体を形成することにより、各ボールディスク3,4が如
何なる回転角であっても常に一定のスラスト力を発生さ
せることができる。また、第1の案内区間3d−1,4
d−1及び第2の案内区間3d−2,4d−2ではボー
ル6に対する接触角の大きさを等しくしているので、各
溝3d,4dの深さ方向の断面形状を周方向に一定にす
ることができ、加工が容易になるという利点がある。
【0049】図9乃至図12は本発明の第3の実施例を
示すもので、図9は差動装置の側面断面図、図10は図
9のA−A線方向矢視断面図、図11は差動装置の分解
斜視図である。
【0050】本実施例の差動装置は、ギヤケース10
と、ギヤケース10の一端を閉塞するギヤケースカバー
11と、互いに同軸状に配置された一対のボールディス
ク12と、各ボールディスク12の間に配置された多数
のボールホルダ13と、各ボールホルダ13に転動自在
に保持された多数のボール14とから構成されている。
即ち、各ボールディスク12は回転体を、各ボールホル
ダ13は保持体を、各ボール14は転動体をそれぞれ構
成している。
【0051】ギヤケース10は一端を開口した筒形をな
し、その中央には一方のボールディスク12を支持する
軸受け10aが設けられている。ギヤケース10の周囲
にはフランジ10bが設けられており、フランジ10b
にはボルト挿通用の多数の孔10cが設けられている。
ギヤケース10の内周面には各ボール14及びボールホ
ルダ13を係合する多数の溝10dが設けられ、各溝1
0dはギヤケース10の軸方向に直線状に延び、周方向
に等間隔で設けられている。即ち、各溝10dは案内部
をなす。
【0052】ギヤケースカバー11は円盤状に形成さ
れ、その中央には他方のボールディスク12を支持する
軸受け11aが設けられている。ギヤケースカバー11
の周囲にはフランジ11bが設けられ、フランジ11b
にはボルト挿通用の多数の孔11cが設けられている。
即ち、ギヤケースカバー11は各フランジ10b,11
bを締結するボルトによってギヤケース10に組付けら
れている。また、ギヤケースカバー11の内面にはギヤ
ケース10の各溝10dに連続する同一断面形状の多数
の溝11dが設けられている。
【0053】各ボールディスク12は中空構造を有し、
その一端には車輪側のドライブシャフトを連結するため
の連結部12aが設けられている。各ボールディスク1
2は互いに等しい外径を有し、その一端面同士を対向さ
せている。各ボールディスク12の外周面には各ボール
14が転動自在に係合する溝12bが設けられ、溝12
bは周方向に連続して形成されている。図12は各ボー
ルディスク12を平面状に展開したもので、図中の角度
0゜〜360゜は周方向の位置を示す。即ち、各溝12
bは、図30に示すようにボール14をボールディスク
12の軸方向一端側から他端側に向かって移動させる第
1の案内区間12b−1と、ボール14をボールディス
ク12の軸方向一端側から他端側に向かって移動させる
第2の案内区間12b−2とを交互に連続して有し、一
方のボールディスク12では第1の案内区間12b−1
が第2の案内区間12b−2よりも周方向に長く形成さ
れ、他方のボールディスク12では第2の案内区間12
b−2が第1の案内区間12b−1よりも周方向に長く
形成されている。即ち、各ボールディスク12において
は、第1の実施例と同様、各溝12bの軸方向一方の反
転位置が周方向で一致したときには、他方の反転位置が
互いに周方向にずれるようになっている。また、一方の
ボールディスク12の端面とギヤケース10との間、他
方のボールディスク12の端面とギヤケースカバー11
との間にはスラストワッシャ12cが介装されている。
【0054】各ボールホルダ13は一方のボールディス
ク12の周面から他方のボールディスク12の周面まで
延びる板状に形成され、ギヤケース10及びギヤケース
カバー11の溝10d,11dに摺動自在に係合してい
る。各ボールホルダ13は一方のボールディスク12側
のボール14と他方のボールディスク12側のボール1
4をそれぞれ一つずつ収容する計2つの孔13aを有
し、各ボールディスク12側のボール14を一定の間隔
を保持した状態で溝10d,11dに沿って各ボールホ
ルダ13の軸方向に往復するようになっている。
【0055】各ボール14は各ボールホルダ13の孔1
3aに収容され、それぞれギヤケース10の溝10dと
各ボールディスク12の溝12bに係合している。
【0056】以上のように構成された差動装置において
は、各ボールディスク12に回転差が生ずると、各ボー
ル14は各ボールディスク12の溝12bに案内されて
転動し、各ボールホルダ13と共に各ボールディスク1
2の軸方向に往復移動する。その際、各ボールディスク
12の一方のみをドライブシャフト側から回転させよう
とした場合、第1の実施例と同様、各ボール14が溝1
2bから受ける反力によって差動が制限される。
【0057】尚、本実施例では各溝12bを第1の実施
例と同様に形成したものを示したが、第2の実施例と同
様に形成することも可能である。
【0058】図13及び図14は本発明の第4の実施例
を示すもので、図13は差動装置の側面断面図、図14
は図13のA−A線方向矢視断面図である。即ち、本実
施例は第3の実施例の変形例であり、第3の実施例と同
等の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0059】本実施例ではギヤケース10の内周面と各
ボールディスク12の外周面との間に所定の隙間が形成
され、この隙間に多数のボールホルダ15が摺動自在に
収容されている。この場合、各ボールホルダ15はギヤ
ケース10及び各ボールディスク12の周面に沿って湾
曲しており、この湾曲形状により各ボールホルダ15の
摺動が各ボールディスク12の軸方向のみに規制される
ようになっている。
【0060】従って、本実施例ではギヤケース10の内
周面には各ボール14のみを係合する多数の溝10eを
設ければよく、各溝10eはボールホルダ15を係合し
ない分、構造が簡単になるという利点がある。
【0061】図15乃至図20は本発明の第5の実施例
を示すもので、図15は差動装置の側面断面図、図16
は図15のA−A線方向矢視断面図、図16はその分解
斜視図である。
【0062】この差動装置は、ギヤケース20と、ギヤ
ケース20の一端を閉塞するギヤケースカバー21と、
ギヤケース20と同軸に配置された一対の回転体をなす
ディスクプレート22と、各ディスクプレート22間に
配置されたボールホルダ23と、ボールホルダ23に保
持された転動体としての多数のボール24とから構成さ
れている。
【0063】ギヤケース20は一端を開口した筒形をな
し、その中央には一方のディスクプレート22を支持す
る軸受け20aが設けられている。ギヤケース20の周
囲にはフランジ20bが設けられており、フランジ20
bにはボルト挿通用の多数の孔20cが設けられてい
る。
【0064】ギヤケースカバー21は円盤状に形成さ
れ、その中央には他方のディスクプレート22を支持す
る軸受け21aが設けられている。ギヤケースカバー2
1の周囲にはフランジ21bが設けられており、フラン
ジ21bにはボルト挿通用の多数の孔21cが設けられ
ている。即ち、ギヤケースカバー21は各フランジ20
b,21bを締結するボルト7によってギヤケース20
に組付けられる。
【0065】各ディスクプレート22は円盤状に形成さ
れ、その対向面には軸方向に交互に屈曲して延びる計2
つの同心円状の溝22a,22bが径方向の内側と外側
にそれぞれ周方向に連続して設けられている。各溝22
a,22bはそれぞれ各屈曲点間を直線状に形成される
とともに、互いの屈曲点に対応する位置を周方向にずら
して設けている。また、各ディスクプレート22の一端
には車輪側のドライブシャフト8との連結部22cが設
けられ、連結部22cはギヤケース20の軸受け20a
に挿入されている。更に、ギヤケース20及びギヤケー
スカバー21と各ディスクプレート22の端面との間に
は、それぞれスラストワッシャ22dが介装されてい
る。
【0066】ボールホルダ23は円盤状に形成され、各
ディスクプレート22の軸方向に貫通する多数の孔23
aを備えている。即ち、各孔23aは案内部をなす。各
孔23aはボールホルダ23の径方向内側と外側の計2
列に設けられ、内側の各孔23aと外側の各孔23aと
は周方向に互い違いにずれて配置されている。また、ボ
ールホルダ23はその周面に設けた溝に嵌合する多数の
ピン23bによってギヤケース20内に固定されてい
る。この場合、ギヤケース20内にも各ピン23bに嵌
合する溝が設けられている。
【0067】各ボール24はボールホルダ23の各孔2
3aに各ディスクプレート22の軸方向に移動自在に保
持され、各ディスクプレート22の内側の溝22a間
と、外側の溝22b間にそれぞれ同数ずつ転動自在に介
在している。この場合、各溝22a,22bにおいては
各ボール24が計2つずつ周方向に隣接して配置されて
いる。
【0068】以上のように構成された差動装置において
は、ギヤケース20のフランジ20bにエンジンからの
駆動力を伝達するリングギヤ(図示省略)が取付けら
れ、装置全体がギヤケース20の軸心回りに回転するよ
うになっている。
【0069】ここで、前記差動装置の動作を、各ドライ
ブシャフト8に回転差が生じていない場合と、各ドライ
ブシャフト8に回転差が生じた場合と、一方のドライブ
シャフト8のみが空転し易い状態に陥った場合について
それぞれ説明する。
【0070】まず、車両が摩擦力の十分な路面を直進し
ているときなど、各ドライブシャフト8に回転差が生じ
ていない場合は、外部からの駆動力によってギヤケース
20が回転すると、ギヤケース20と一体にボールホル
ダ23が回転し、この回転力は各ディスクプレート22
の各溝22a,22bに接する各ボール24を介して各
ディスクプレート22に伝達される。この場合、各ディ
スクプレート22間には回転差が生じていないので、各
ボール24は各溝22a,22bの案内による転動を行
わず、各ディスクプレート22がギヤケース20と一体
に回転する。
【0071】次に、車両が摩擦力の十分な路面を旋回し
ているときなど、各駆動輪にトルクが均等に伝わってい
る状態で各ドライブシャフト8に回転差が生ずると、各
ディスクプレート22が互いに反対方向に回転するの
で、各ディスクプレート22の各溝22a,22bが各
ボール24を転動させながら各ディスクプレート22の
軸方向に往復移動させる。即ち、図18に示すように各
ディスクプレート22の回転により各ディスクプレート
22の溝22a,22bが互いに反対方向に移動する
と、各ボール24は各溝22a,22bの傾斜により各
ディスクプレート22の軸方向に移動し、各溝22a,
22bの屈曲点に達すると反転する。このような動作に
より各ディスクプレート22の相互の回転運動が連動
し、各ディスクプレート22の差動が達成される。ま
た、本実施例において溝22a,22bを内側と外側に
設け、各溝22a,22bに接するボール24が同時に
反転位置に達しないように各溝22a,22bの反転位
置を互いに周方向にずらして形成したのは、前記第1の
実施例で各溝を互いの反転位置が一つおきにずれるよう
に形成した場合と同様の理由からである。尚、図18は
一方のディスクプレート22を角度0゜〜30゜まで回
転させたときの各溝22a,22bとボール24の状態
を示す。
【0072】また、一方の駆動輪が路面との摩擦力を失
ったときなど、片方のドライブシャフト8のみが空転し
易い状態に陥った場合は、各ディスクプレート22に回
転差を発生させる力が一方のディスクプレート22のみ
から加わるので、他方のディスクプレート22では差動
時に従動側となる各ボール24が主動側である溝22
a,22bを自らの動きに追従させようとする。このた
め、各ボール24が溝22a,22bから反力を受け、
これが抵抗となって差動が制限される。
【0073】ここで、図19及び図20を参照し、前記
差動制限効果の原理について詳述する。まず、図19は
ボール24と溝22a(22b)を差動装置の径方向か
ら見た場合であり、同図に示すようにボール24の中心
には主軸(ギヤケース20の回転軸)回りに一方のディ
スクプレート22から加わった回転力Aが作用してい
る。
【0074】ここに、 A≒A′ …(8) この時、溝22a(22b)にはボール24との接触面
に垂直な力Cが生じ、その分力は回転力Aと平行なA′
と、A′と垂直なBである。Cはボール24との接触面
に垂直であるので、ボール24の中心を通る線分上に位
置し、A′とCとのなす角度をαとすると、Cの大きさ
は、 C=A′×1/cosα …(9) で表される。
【0075】次に、図20に示すようにボール24と溝
22a(22b)を主軸に直交する方向から見ると、実
際にはボール24と溝22a(22b)との接触面に作
用する力は主軸に平行なスラスト力Eのみである。従っ
て、前述の分力Bとスラスト力Eとは等しく、本実施例
の場合は差動制限効果の大きさは接触角αによってのみ
決定される。
【0076】図21乃至図23は本発明の第6の実施例
を示すもので、図21は差動装置の側面断面図、図22
は図21のA−A線方向矢視断面図、図23は差動装置
の分解斜視図である。即ち、本実施例では第5の実施例
におけるボールの代わりに転動体としてローラを用いた
ものであり、前記ボール24及びボールホルダ23以外
の部品は第5の実施例と同一の符号を付して示す。
【0077】本実施例の差動装置は、入力側回転体をな
すギヤケース20と、ギヤケース20の一端を閉塞する
ギヤケースカバー21と、ギヤケース20と同軸に配置
された一対の出力側回転体をなすディスクプレート22
と、各ディスクプレート22間に配置されたローラホル
ダ25と、ローラホルダ25に保持された多数のローラ
26とから構成されている。尚、ローラホルダ25及び
ローラ26以外は前記第3の実施例と同等の部品である
ため説明は省略する。
【0078】ローラホルダ25は円盤状に形成され、各
ディスクプレート22の軸方向に貫通する多数の孔25
aを備えている。即ち、各孔25aは案内部をなす。各
孔25aはローラホルダ25の径方向内側と外側の計2
列に設けられ、内側の各孔25aと外側の各孔25aと
は径方向の同一線上に配置されている。尚、内側の各孔
25aと外側の各孔25aは互いに一体に形成されてい
る。また、ローラホルダ25はその周面に設けた溝に嵌
合する多数のピン25bによってギヤケース20内に固
定されている。この場合、ギヤケース20内にも各ピン
25bに嵌合する溝が設けられている。
【0079】各ローラ26はローラホルダ25の各孔2
5aに各ディスクプレート22の軸方向に移動自在に保
持され、各ディスクプレート22の内側の溝22a間
と、外側の溝22b間にそれぞれ同数ずつ転動自在に介
在している。この場合、各溝22a,22bにおいては
各ローラ26が計2つずつ周方向に隣接して配置されて
いる。
【0080】従って、本実施例のように転動体として多
数のローラ26を用いた場合でも、第5の実施例と同等
の差動装置を構成することができる。
【0081】図24乃至図26は本発明の第7の実施例
を示すもので、図24は差動装置の側面断面図、図25
は図21のA−A線方向矢視断面図、図26は差動装置
の分解斜視図である。
【0082】本実施例の差動装置は、ギヤケース30
と、ギヤケース30の一端を閉塞するギヤケースカバー
31と、互いに同軸状に配置された一対のボールディス
ク32と、各ボールディスク32の間に配置された多数
のボールホルダ33と、各ボールホルダ33に転動自在
に保持された多数のボール34とから構成され、ギヤケ
ース30内には各ボール34の移動する空間に粘性流体
35が充填されている。即ち、各ボールディスク32は
回転体を、各ボールホルダ33は保持体を、各ボール3
4は転動体をそれぞれ構成している。
【0083】ギヤケース30は一端を開口した筒形をな
し、その中央には一方のボールディスク32を支持する
軸受け30aが設けられている。ギヤケース30の周囲
にはフランジ30bが設けられており、フランジ30b
にはボルト挿通用の多数の孔30cが設けられている。
ギヤケース30の内周面には各ボール34が係合する多
数の溝30dが設けられ、各溝30dはギヤケース30
の軸方向に直線状に延び、周方向に等間隔で設けられて
いる。即ち、各溝30dは案内部をなす。また、各溝3
0d内にはボール34との間に隙間を形成する流体通路
30eが設けられ、この流体通路30eには粘性流体3
5が流通できるようになっている。
【0084】ギヤケースカバー31は円盤状に形成さ
れ、その中央には他方のボールディスク32を支持する
軸受け31aが設けられている。ギヤケースカバー31
の周囲にはフランジ31bが設けられ、フランジ31b
にはボルト挿通用の多数の孔31cが設けられている。
即ち、ギヤケースカバー31は各フランジ30b,31
bを締結するボルトにより、シール用のOリング31d
を介してギヤケース30に組付けられている。また、ギ
ヤケースカバー31は粘性流体35を充填するための充
填孔31eを有し、充填孔31eは粘性流体35が充填
された後にボール31fで封鎖され、充填孔31eの周
囲を圧潰することによりボール31fを固定している。
この場合、充填孔31eは注入用と空気抜き用として径
2箇所以上に設けられている。更に、ギヤケースカバー
31の内面側には、注入された粘性流体35をギヤケー
ス30の周方向に分散させるための環状の溝31gが設
けられ、溝31gは各充填孔31eに連通するように形
成されている。
【0085】各ボールディスク32は中空構造を有し、
その一端には車輪側のドライブシャフトを連結するため
の連結部32aが設けられている。各ボールディスク3
2は互いに等しい外径を有し、その対向面同士を回動自
在に結合している。各ボールディスク32の外周面には
各ボール34が転動自在に係合する溝32bが設けら
れ、溝32bは周方向に連続して形成されている。即
ち、本実施例においても第1または第2の実施例と同
様、各溝32bの軸方向一方の反転位置が周方向で一致
したときには、他方の反転位置が互いに周方向にずれる
ようになっている。また、各溝32内にはボール34と
の間に隙間を形成する流体通路32cが設けられ、この
流体通路32cには粘性流体35が流通できるようにな
っている。各ボールディスク32の対向面には中空部分
を閉塞するディスクキャップ32dが取付けられ、各デ
ィスクキャップ32dの外周面と各ボールディスク32
との間にはシール用のOリング32eが介装されてい
る。また、一方のボールディスク32の端面とギヤケー
ス30との間、他方のボールディスク32の端面とギヤ
ケースカバー31との間にはスラストワッシャ32fが
介装され、各ボールディスク32の連結部32aと軸受
け30a,31aとの間はオイルシール32gによって
密閉されている。更に、各ボールディスク32の周面に
は溝32bとボールディスク32の端面とを連通する複
数の流体通路32hが設けられ、ギヤケースカバー31
の充填孔31eから注入された粘性流体35が流体通路
32hを通じて溝32b内に充填されるようになってい
る。
【0086】各ボールホルダ33は各ボールディスク3
2の周面とギヤケース30との間に配置され、一方のボ
ールディスク32の周面から他方のボールディスク32
の周面まで延びている。各ボールホルダ33は一方のボ
ールディスク32側のボール34と他方のボールディス
ク32側のボール34をそれぞれ一つずつ収容する計2
つの孔33aを有し、各ボールディスク32側のボール
34を一定の間隔を保持した状態で各ボールホルダ33
の軸方向に往復するようになっている。また、各ボール
ホルダ33の間にはスペーサ33bが設けられ、各ボー
ルホルダ33及び各スペーサ33bによってギヤケース
30の溝30dと各ボールディスク32の溝32bが覆
われるようになっている。
【0087】各ボール34は各ボールホルダ33の孔3
3aに収容され、それぞれギヤケース30の溝30dと
各ボールディスク32の溝32bに係合している。
【0088】粘性流体35はシリコンオイル等からな
り、各ボールディスク32の溝32b内を含む領域、即
ちギヤケース30内の各オイルシール32gによって密
閉された空間内に充填されている。
【0089】以上のように構成された差動装置において
は、各ボールディスク32に回転差が生ずると、各ボー
ル34は各ボールディスク32の溝32bに案内されて
転動し、各ボールホルダ33と共に各ボールディスク3
2の軸方向に往復移動する。その際、各ボールディスク
32の一方のみをドライブシャフト側から回転させよう
とした場合、第1の実施例と同様、各ボール34が溝3
2bから受ける反力によって差動が制限される。また、
各ボールディスク32の回転速度差が大きくなると、各
ボール34が粘性流体35から受ける抵抗が増大し、こ
の抵抗によって差動が制限される。即ち、各ボールホル
ダ33とスペーサ33bによって密閉された溝30d,
32b内を各ボール34が転動すると、各溝30d,3
2bの流体通路30e,32cを粘性流体35が流通す
るため、その際の流通抵抗が差動を制限する力として作
用する。この場合、差動制限効果は各ボールディスク3
2の回転速度差に応じて徐々に大きくなるように発生す
る。
【0090】従って、本実施例ではボール34が溝32
bから受ける反力によるトルク感応の差動制限効果に加
え、ボール34が粘性流体35から受ける抵抗による回
転感応の差動制限効果も得ることができるので、走行状
態に応じて常に的確な差動制限を行うことができる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1及び2の
差動装置によれば、差動制限効果を得るための特別な機
構を追加する必要がなく、しかもトルク感応の安定した
差動制限効果を得ることができるので、極めて小型で低
コストに製造することができる。また、差動制限効果を
用途に応じて任意に設定することができるので、汎用性
に優れているという利点もある。
【0092】また、請求項3の差動装置によれば、請求
項1または2の効果に加え、全ての転動体が同時に溝の
反転位置に達することがないので、転動体と溝との間で
確実に駆動力を伝達することができる。
【0093】また、請求項4及び5の差動装置によれ
ば、請求項3の効果に加え、各回転体が互いに如何なる
回転位置にあっても差動制限効果を常に一定にすること
ができるので、安定した動作を得ることができる。
【0094】また、請求項6の差動装置によれば、請求
項1または2の効果に加え、請求項3と同様、全ての転
動体が同時に溝の反転位置に達することがないので、転
動体と溝との間で確実に駆動力を伝達することができ、
しかも溝の深さ方向の断面形状を周方向に一定にするこ
とができるので、溝の加工を極めて容易に行うことがで
きる。
【0095】また、請求項7の差動装置によれば、請求
項1、2、3、4、5または6の効果に加え、各回転体
の回転速度差に応じて徐々に大きくなる回転感応の差動
制限効果を得ることができるので、トルク感応の差動制
限効果を併せて有効に作用させることができる。
【0096】また、請求項8の差動装置によれば、請求
項1または2と同様、差動制限効果を得るための特別な
機構を追加する必要がなく、しかもトルク感応の安定し
た差動制限効果を得ることができるので、極めて小型で
低コストに製造することができる。また、差動制限効果
を用途に応じて任意に設定することができるので、汎用
性に優れているという利点もある。
【0097】また、請求項9の差動装置によれば、請求
項8の効果に加え、全ての転動体が同時に溝の反転位置
に達することがないので、転動体と溝との間で確実に駆
動力を伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す差動装置の側面断
面図
【図2】図1のA−A線矢視方向断面図
【図3】差動装置の分解斜視図
【図4】溝の展開図
【図5】ボールから溝に加わる力の作用説明図
【図6】ボールから溝に加わる力の作用説明図
【図7】本発明の第2の実施例を示す溝の展開図
【図8】溝の要部展開図
【図9】本発明の第3の実施例を示す差動装置の側面断
面図
【図10】図9のA−A線矢視方向断面図
【図11】差動装置の分解斜視図
【図12】溝の展開図
【図13】本発明の第4の実施例を示す差動装置の側面
断面図
【図14】図13のA−A線矢視方向断面図
【図15】本発明の第5の実施例を示す差動装置の側面
断面図
【図16】図15のA−A線矢視方向断面図
【図17】差動装置の分解斜視図
【図18】溝の展開図
【図19】ボールから溝に加わる力の作用説明図
【図20】ボールから溝に加わる力の作用説明図
【図21】本発明の第6の実施例を示す差動装置の側面
断面図
【図22】図21のA−A線矢視方向断面図
【図23】差動装置の分解斜視図
【図24】本発明の第7の実施例を示す差動装置の側面
断面図
【図25】図24のA−A線矢視方向断面図
【図26】差動装置の分解斜視図
【符号の説明】
1…ギヤケース、3…ボールディスク、3b…溝、3b
−1…第1案内区間、3b−2…第2案内区間、3d…
溝、3d−1…第1案内区間、3d−2…第2案内区
間、3d−3…第3案内区間、4…ボールディスク、4
b…溝、4b−1…第1案内区間、4b−2…第2案内
区間、4d…溝、4d−1…第1案内区間、4d−2…
第2案内区間、4d−3…第3案内区間、5…ボールホ
ルダ、5a…長孔、6…ボール、10…ギヤケース、1
0d,10e…溝、12…ボールディスク、12b…
溝、12b−1…第1案内区間、12b−2…第2案内
区間、13…ボールホルダ、14…ボール、15…ボー
ルホルダ、20…ギヤケース、22…ディスクプレー
ト、22a,22b…溝、23…ボールホルダ、23a
…孔、24…ボール、25…ローラホルダ、26…ロー
ラ、30…ギヤケース、30d…溝、32…ボールディ
スク、32b…溝、33…ボールホルダ、34…ボー
ル、35…粘性流体。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに周面を径方向に対向して同軸状に
    配置された一対の回転体と、 各回転体を収容するケース体と、 各回転体の径方向の対向面間に配置された複数の転動体
    と、 各転動体を各回転体の間に保持する保持体とを備え、 前記保持体には各回転体の軸方向に延びる複数の案内部
    を各回転体の径方向に貫通して設けて各案内部に各転動
    体を移動自在に収容し、 各回転体の径方向の対向面には各転動体に係合する溝を
    回転体の周方向に連続して設け、各溝を各回転体に回転
    差が生ずると各転動体が前記案内部に沿って各回転体の
    軸方向に往復移動するように形成したことを特徴とする
    差動装置。
  2. 【請求項2】 互いに軸方向に対向して同軸状に配置さ
    れた一対の回転体と、 各回転体を収容するケース体と、 各回転体とケース体の径方向の対向面間に配置された複
    数の転動体と、 一方の回転体側の転動体と他方の回転体側の転動体とを
    転動自在に保持する複数の保持体とを備え、 前記ケース体には各回転体の軸方向に延びる複数の案内
    部を設けて各案内部に各転動体を移動自在に係合し、 各回転体のケース体との対向面には各転動体に係合する
    溝を各回転体の周方向に連続して設け、各溝を各回転体
    に回転差が生ずると前記保持体及び各転動体がケース体
    の案内部に沿って各回転体の軸方向に往復移動するよう
    に形成したことを特徴とする差動装置。
  3. 【請求項3】 前記各回転体の溝は、転動体を前記案内
    部の一端側から他端側に向かって移動させる第1の案内
    区間と、転動体を案内部の他端側から一端側に向かって
    移動させる第2の案内区間とを周方向に連続して有し、
    一方の回転体の第1の案内区間を第2の案内区間よりも
    周方向に長く形成し、他方の回転体の第2の案内区間を
    第1の案内区間よりも周方向に長く形成したことを特徴
    とする請求項1または2記載の差動装置。
  4. 【請求項4】 前記各回転体の径方向における溝と転動
    体との接触角の大きさを、各回転体の回転軸から転動体
    までの距離が変化しても溝が転動体から受ける反力の大
    きさが常に一定になるように設定したことを特徴とする
    請求項3記載の差動装置。
  5. 【請求項5】 前記各回転体の軸方向における溝と転動
    体との接触角の大きさを、各回転体の回転軸から転動体
    までの距離が変化しても溝が転動体から受ける反力の大
    きさが常に一定になるように設定したことを特徴とする
    請求項3記載の差動装置。
  6. 【請求項6】 前記各回転体の溝は、転動体を前記案内
    部の一端側から他端側に向かって移動させる第1の案内
    区間と、転動体を案内部の他端側から一端側に向かって
    移動させる第2の案内区間と、転動体を案内部の所定範
    囲内の位置に保つ第3の案内区間と周方向に連続して有
    し、第1及び第2の案内区間における転動体との接触度
    の大きさを互いに等しく形成するとともに、一方の回転
    体では第1の案内区間内に第3の案内区間を設け、他方
    の回転体では第2の案内区間内に第3の案内区間を設け
    たことを特徴とする請求項1または2記載の差動装置。
  7. 【請求項7】 前記ケース体内の少なくとも転動体の移
    動する空間に粘性流体を充填したことを特徴とする請求
    項1、2、3、4、5または6記載の差動装置。
  8. 【請求項8】 互いに軸方向に対向して同軸状に配置さ
    れた一対の回転体と、 各回転体を収容するケース体と、 各回転体の軸方向の対向面間に配置された複数の転動体
    と、 各転動体を各回転体の間に保持する保持体とを備え、 前記保持体には各回転体の軸方向に貫通する複数の案内
    部を設けて各案内部に各転動体を各回転体の軸方向に移
    動自在に収容し、 各回転体の対向面には各転動体に係合する溝を回転体の
    周方向に連続して設け、各溝を各回転体に回転差が生ず
    ると各転動体が保持体の案内部に沿って各回転体の軸方
    向に往復移動するように形成したことを特徴とする差動
    装置。
  9. 【請求項9】 前記溝を同心円状に複数設け、各溝にお
    ける各転動体の往復移動の反転位置を互いに周方向にず
    らして設けたことを特徴とする請求項8記載の差動装
    置。
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