JP3866339B2 - 車両用平行軸型差動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用差動装置とりわけ平行軸型差動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の車両の差動装置は駆動輪のうち左右いずれかがスリップを始めたときに他方の車輪はスリップ側の車輪の回転力以上の回転力を出せないため、ぬかるみや雪道、凍結面で走行不能になったり、タイヤの早期摩耗を起こしたりする。
この対策として、片側車輪がスリップしたときにスリップを起こしていない車輪に的確に回転力を伝達することができるようにした差動装置が種々提案されており、その一つの形式として、遊星歯車の軸線がハウジングの軸線と平行な円筒歯車式の車両用差動装置が知られている。
【0003】
この形式の差動装置としては、従来種々のものが知られており、その一つのタイプは、特公昭61−51696号公報、特開昭60−175843号公報で代表されるように、比較的長さの短いヘリカル遊星歯車対を中央部材の穴に納め、ハウジング軸線上のヘリカルサイドギヤと噛み合わせた形式(以下Aタイプという)がある。
また、他のタイプは、米国特許第5169370号で代表されるように、左右のヘリカルサイドギヤに渡る長いヘリカル遊星歯車対を有し、それらヘリカル遊星歯車対が端部領域でのみ噛み合う形式(以下タイプBという)である。
さらにいま一つのタイプは、特開平5−280596号公報で代表されるように、ヘリカル遊星歯車対が短尺と長尺のものからなっていて、そうした長短の遊星歯車が1か所で噛み合う形式(以下タイプCという)である。
【0004】
タイプAによれば、遊星歯車とサイドギヤのねじれ角により遊星歯車にスラスト力が発生され、遊星歯車とこれを収容している孔の底との間に摩擦抵抗を生じさせ、サイドギヤの歯に作用する軸方向の力によって中央のスペーサピンまたはウェッジブロックにスラスト力が作用し、ピニオンのスラスト力は最終的にエンドカバーの端面に作用する。そして、異なる路面抵抗により一方のサイドキヤが大きなトルク抵抗を遊星歯車に作用させると、遊星歯車はサイドギヤから離れて孔に押し込まれ、トルク伝達が増すと遊星歯車がますます押し込まれることによりトルク配分が制御される。
タイプBとCによれば、異なる路面抵抗により遊星歯車が回転した時に各遊星歯車と収容孔との間に摩擦が発生するとともに、各遊星歯車同士が押付けられるため、スリップ側の車輪に対応するサイドギヤの回転力が制限され、その反力としてスリツプしていない車輪のサイドギヤに回転力が伝達されるため、前記したような状況での円滑な走行性を確保でき、また、わだちなどの走行に際して左右にハンドルが取られにくい利点が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、先行技術は、いずれのタイプにおいても、出力シャフトに連結されたサイドギヤは円柱体の外周に外歯車を形成し、このサイドギヤの半径方向外側に遊星歯車が位置していた。このため、サイドギヤは小さいものとなり、噛み合いの径が小さくなるので、歯面にかかる荷重が大きくなり、これにより各摺動部分のスラスト成分が大きくなり、摺動部の摩耗や焼付きが起こりやすくなるという問題があった。
詳述すると、円筒歯車形式の車両用差動装置では、限られたスペースの中で大きな強度を必要とするため、歯車のモジュールは大きく歯数は少なく、圧力角は大きく設定される。また、歯車の外周を摺動させるためトップランド面積を大きくする目的で歯丈は低く設定される。その結果、歯車は正常に噛み合うだけの噛み合い率を確保することが難しくなってくる。
歯車の噛み合い率は正面噛み合い率と重なり噛み合い率の2種類に分類されるが、現実的には正面噛み合い率だけでは正常な噛み合い率を確保できない場合が多く、歯車をヘリカル歯として重なり噛み合い率を稼ぐ必要がある。このような重なり噛み合い率を稼ぐ方法として、先行技術では、ねじれ角を大きく取るか、あるいは長さを長くとる方法しかなかった。
しかし、ねじれ角を大きくとった場合、各摺動部のスラスト力成分が大きくなり、摺動部の摩耗や焼付きに不利になる。一方、長さを長く取った場合には、歯車部品のねじれ剛性が減るため、特に加工性や精度に不利となり、また重量増加につながるという問題があったのである。
【0006】
本発明は前記のような問題点を解消するために創案されたもので、その目的とするところは、噛み合い率と噛み合い点径及び摩擦有効径を大きくとることを可能にして摺動部の耐摩耗性や耐焼き付け性がすぐれバックラッシも低減することができ、かつまた小さなねじれ角で必要とするトルク分配比を出すことができるとともにねじれ角の設定幅を広く取ることができる小型で軽量な車両用平行軸型差動装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の車両用平行軸型差動装置は、プロペラシャフトの駆動トルクをリングギヤを経由して軸方向に離間した一対の同心の出力軸に伝達するための1組のサイドギヤと、出力軸と平行な複数対の遊星ギヤを有する形式の差動装置にして、該差動装置が、円筒部にヘリカル状内歯が設けられるとともに底部を有する一対のカップ状サイドギヤと、前記軸方向に平行で且つ少なくとも一端が前記軸方向に開口した保持用孔を複数組有し外径側が前記一対のカップ状サイドギヤの円筒部端間に挟まれるように内在するキャリヤと、前記キャリヤの保持用孔に配され、前記一対のカップ状サイドギヤの一方と噛み合う第1遊星ギヤと、前記一対のカップ状サイドギヤの他方と噛み合うとともに前記第一遊星ギヤと噛み合う第2遊星ギヤとからなる遊星ギヤ対とを備え、前記一対のカップ状サイドギヤと前記第1及び第2遊星ギヤとの噛み合いにより発生する前記軸方向のスラスト力により前記第1及び第2遊星ギヤが前記カップ状サイドギヤの底部に押し付けられるように構成されたことを特徴としている。
【0008】
本発明のひとつの態様においては、前記一対のカップ状サイドギヤと前記第1及び第2遊星ギヤとの噛み合いによって前記カップ状サイドギヤに作用する前記軸方向のスラスト力により、前記キャリヤの外径部に前記カップ状サイドギヤの円筒部端面が当接するように構成されている。
また、本発明の他の態様では、キャリヤがカップ状サイドギヤの円筒部を外囲する筒部と半径方向に伸びるフランジを有し、該フランジにリングギヤが直接取り付けられているとともに、前記カップ状サイドギヤがベアリングにより軸方向移動を規制され且つ回転可能に支持されている。
本発明は、前記したタイプA,B,Cあるいは他の形式の車両用平行軸型差動装置に適用される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を添付図面に基いて説明する。
図1ないし図5は本発明を前記タイプAに適用した第1態様を示している。
1,2は左右一対のカップ状サイドギヤであり、各カップ状サイドギヤ1,2は外面側中心にボス100,200を有する底部10,20の外縁に円筒部11,21を一体に形成している。前記ボス100,200にはスプラインが設けられ、このスプラインにより左右の一対の出力軸3,4が固着的に連結されている。そして、前記円筒部11,21の内面には、所定のねじれ角をもったヘリカル状内歯1a,2aが設けられている。
【0010】
5は本発明において駆動トルク入力部材として機能するキャリヤであり、所定の厚さの円盤状ないし円柱状体からなっており、軸線方向左右両端面には前記左右のカップ状サイドギヤ1,2の円筒部内径よりやや小さい外径の突台部51,52が形成されている。そしてキャリヤ5の外縁部には半径方向に突出する少なくとも2つの突部55,55が形成されている。
前記キャリヤ5には、軸心から離隔した外径寄りの部位すなわち前記左側の突台部51の周縁部位に、左のカップ状サイドギヤ1側から出力軸と平行な2つの保持用孔5a,5aが略180度対称関係で設けられており、また、前記右側の突台部52の周縁部位に、同様に出力軸と平行な2つの保持用孔5b,5bが略180度対称関係で設けられている。
前記各保持用孔5a,5a,5b,5bは突台部51,52の外径面に一部がかかるように、かつ左右で組をなすもの同士が連通しあうように形成されている。そして、各保持用孔5a,5a,5b,5bの奥端は図1のように袋孔状に閉止されている。
【0011】
6,7は2組の遊星ギヤであり、外面には所定のねじれ角のヘリカル歯6a,7aが形成されている。
前記キヤリア5は左右のカップ状サイドギヤ1,2間に位置されており、前記遊星ギヤ6,7は前記キャリヤ5の保持用孔5a,5aと5b,5bにそれぞれ挿入され、この状態で左右のカップ状サイドギヤ1,2をキヤリア5に押しつけられることにより円筒部11,21の端面がキヤリア5の周縁に近い左右両面に接し、かつ突台部51,52が円筒部内に格納されている。
前記遊星ギヤ6,7は図1のように軸線方向前後端がそれぞれカップ状サイドギヤ1,2の底部10,20の内面と保持用孔5a,5bの奥壁にそれぞれ接し、ヘリカル歯6a,7aの外面が保持用孔5a,5bの内面に接して保持される。この状態で、左側のカップ状サイドギヤ1に臨んでいる各組の遊星ギヤ6のヘリカル歯6aはヘリカル状内歯1aと噛み合うとともにヘリカル歯相互も噛み合っている。また、同様に右側のカップ状サイドギヤ2に臨んでいる各組の遊星ギヤ7のヘリカル歯7aもヘリカル状内歯2aと噛み合い、かつ遊星ギヤ6,7同士でも噛み合っている。
【0012】
8は前記カップ状サイドギヤ1,2を相対回転可能に格納するデフケースであり、カップ状の本体8aとエンドカバー8bからなっており、本体8aには前記右側カップ状サイドギヤ2のボス200を内嵌する有底筒部80と、底部20に密接する底壁部81と、円筒部21と接する筒壁部82を有しており、筒壁部82はまた前記左側のカップ状サイドギヤ1の円筒部11と内接するようになってる。
エンドカバー8bには前記左側のカップ状サイドギヤ1のボス100を内嵌する有底筒部83と、底部10に接する底壁部84とを有している。
したがって、本発明においては、カップ状サイドギヤ1,2はボス部100,200の端面と外周面、底部10,20の外面、円筒部11,21の外面がデフケース8の対応する壁面との接触摺動面となる。
【0013】
前記本体8aの筒壁部82には、図1と図3のように円周上の一部に筒壁部の端に達するように溝820,820が設けられており、この溝820,820に前記キヤリア5の突部55,55が係合することによりキヤリア5はデフケース8と一体に回転されるようになっている。
前記溝820,820は原則として空間のままでよい。しかし、必要に応じて、突部55,55を嵌め込み後、溝820,820に則した形状の止め部材を貫入してもよい。
前記本体8aとエンドカバー8bはフランジ86,87を有しており、それらフランジ86,87は重合されボルトによつて結合されており、フランジ86には図1のようにリングギヤAが固定され、このリングギヤAに駆動ピニオンBが噛み合わされている。
【0014】
図6は第1態様の別の実施例を示している。
この実施例においては、キヤリア5がデフケースをも兼ね、したがってデフケースが廃止されている。すなわち、キヤリア5はその直径がカップ状サイドギヤ1,2の円筒部11,21の外径とほぼ一致するような大きさの円柱状ないし円盤状部分を有し、これよりも内径側に突台部51,52が形成されていることは前記第1態様と同じであるが、円柱状ないし円盤状部分の外周に左右軸線方向に伸びる筒部53が形成されており、筒部53の軸方向中間部に半径方向に突出するフランジ部54が一体に形成されている。
前記筒部53はカップ状サイドギヤ1,2の円筒部外径と略一致する内径を有し、カップ状サイドギヤ1,2は円筒部11,21の先端面が円柱状ないし円盤状部分の両端面にそれぞれ当接するように筒部53に内嵌されている。そして、前記フランジ部54にはリングギヤAが固定されている。また、カップ状サイドギヤ1,2のボス100,200にはそれぞれベアリングC,Cが内レースを持って固定されており、外レースが図示しない支持体に保持されるようになっている。
その他の構成は第1実施例と同じであるから、同じ部分に同じ符号を付し、説明は省略する。
【0015】
図7は本発明の第2態様を示している。この態様は前記タイプBに適用した例を示しており、第1態様と同じく、外面側中心にボス100,200を有する底部10,20の外縁に円筒部11,21を一体に形成し、円筒部11,21にヘリカル状内歯1a,2aを設けた左右一対のカップ状サイドギヤ1,2と、カップ状サイドギヤ1,2に挟まれるように中間に位置されたキヤリア5と、複数組の遊星ギヤ6,7とを有している。
前記カップ状サイドギヤ1,2の円筒部11,21は全体が第1態様と同一寸法の場合、第1態様のものに比べて長く作られ、ヘリカル状内歯1a,2aは円筒部11,21の開口部に近い領域にのみ形成され、奥側は平坦面となっている。 キャリヤ5は円筒部11,21の外径とほぼ一致し円筒部端面が当接されるべき円盤状部分56を有するとともに、この円盤状部分56には円筒部11,21に深く進出されるように円柱状の突台部51,52が形成されており、その突台部51,52の外周に臨む領域には、2個で1組をなす複数組の保持用孔5a,5bが出力軸と平行に貫設されており、各組の保持用孔は隣接する同士が連通しあうように形成されている。
【0016】
遊星ギヤ6,7はこの態様の場合、キャリヤ5を組み付けた状態で左右のカップ状サイドギヤ1,2の底部10,20に接するような長さを有しており、遊星ギヤ6,7はそれぞれ一端に近く第1ヘリカル歯60a,70aが設けられるとともに他端側には第1ヘリカル歯60a,70aよりも長さの大きな第2ヘリカル歯60b,70bが設けられている。
各組の遊星ギヤ6,7は一方のもの(この例では遊星ギヤ6)の第1ヘリカル歯60aが右側のカップ状サイドギヤ2に臨むように、そして他方のもの(この例では遊星ギヤ7)の第1ヘリカル歯70aが左側のカップ状サイドギヤ1に臨むように交互配置となっており、各遊星ギヤ6,7の軸線方向両端面はカップ状サイドギヤ1,2の底部10,20に接している。
【0017】
各組の遊星ギヤ6,7は公知の差動装置と同様に、隣接する一方の遊星ギヤの第1ヘリカル歯60aが他方の遊星ギヤの第2ヘリカル歯70bと噛み合い、一方の遊星ギヤの第2ヘリカル歯60bが他方の遊星ギヤの第1ヘリカル歯70aと噛み合う関係となるように前記保持用孔5a,5bに挿入されている。そして、また、各遊星ギヤ6,7の第2ヘリカル歯60bまたは70bはそれぞれ対応するカップ状サイドギヤ1,2のヘリカル状内歯1aまたは2aに噛み合っている。
その他の構成は前記第1態様と同じであるから、同じ部分に同じ符号を付し、説明は省略する。
図8は第2態様において、デフケース8を用いず前記キヤリア5でケースを兼ねさせた他の実施例を示しており、その構造は図6の場合と同じである。したがって、図6と同じ部分について同じ符号を付すにとどめ、説明は省略する。
【0018】
図9は本発明の第3態様を示している。この態様は前記タイプCに適用した例であり、第1態様と同じく、外面側中心にボス100,200を有する底部10,20の外縁に円筒部11,21を一体に形成し、円筒部11,21にヘリカル状内歯1a,2aを設けた左右のカップ状サイドギヤ1,2と、左右のカップ状サイドギヤ1,2に挟まれるように中間に位置されたキヤリア5と、複数組の遊星ギヤ6,7とを有している。
この第3態様では右側のカップ状サイドギヤ2の円筒部21が左側のカップ状サイドギヤ1の円筒部11よりも長く構成されており、それぞれの円筒部11,21には開口に近い領域にヘリカル状内歯1a,2aが形成されている。右側の円筒部21はヘリカル状内歯2aより奥部が平坦面となっている。
また、キヤリア5は円筒部11,21の外径とほぼ一致し円筒部端面が当接されるべき円盤状部分56を有するとともに、この円盤状部分56には円筒部11,21に深く進出されるように円柱状の突台部51,52が形成されている。
前記突台部51,52は円筒部11,21の長さが異なるためそれに対応して右側の突台部52が左側の突台部51よりも長く構成されている。
【0019】
突台部51,52の外周に臨む領域には、2個で1組をなす複数組たとえば3組ないし5組の保持用孔5a,5bが出力軸と平行に形成されており、各組の保持用孔は隣接する同士が連通しあうように形成されている。
しかし、この第3態様においては、組をなす一方の保持用孔5aは円盤状部分56および突台部51,52を貫通するように形成されており、他方の保持用孔5bは突台部52を貫通せずに円盤状部分56に対応する位置で止まる袋孔として構成されている。
各組の一方の遊星ギヤ6は、この態様の場合、長い寸法すなわちキャリヤ5を組み付けた状態で軸線方向両端面が左右のカップ状サイドギヤ1,2の底部10,20に接するような長さを有し、遊星ギヤ6は両端に近い部位に第1ヘリカル歯60aと第2ヘリカル歯60bが設けられている。他方の遊星ギヤ7は、前記保持用孔5bに対応して短い寸法すなわち、キャリヤ5を組み付けた状態で右側のカップ状サイドギヤ2の底部20と保持用孔5bの底に当接するような長さとなっていて、ほぼ全長に渡って共用ヘリカル歯7aが設けられている。
【0020】
各組の遊星ギヤ6,7は前記保持用孔に挿入され、公知の差動装置と同様に、隣接する一方の遊星ギヤ6の第1ヘリカル歯60aが他方の遊星ギヤ7の共用ヘリカル歯7aと噛み合い、かつ、その共用ヘリカル歯7aが右側のカップ状サイドギヤ2のヘリカル状内歯2aと噛み合うようになつており、かつ第2ヘリカル歯60bが左側のカップ状サイドギヤ1のヘリカル状内歯1aと噛み合っている。 その他の構成は前記第1態様と同じであり、また遊星ギヤ6,7の噛み合いは第2態様の図7(b)と同様である。それゆえ、同じ部分に同じ符号を付し、説明は省略する。
【0021】
図10は第3態様において、デフケース8を用いず前記キャリア5でケースを兼ねさせた他の実施例を示しており、その構造は図6の場合と同じである。したがって、図6と同じ部分について同じ符号を付すにとどめ、説明は省略する。
【0022】
なお、本発明においてヘリカル状内歯1a,2aは円筒部11,21に直接刻設されていてもよいし、別体のリング部材に刻設され、そのリング部材を円筒部11,21に焼き嵌め、圧入、接合など任意の手法によって一体化してもよく、本発明はそれらいずれのものも含んでいる。
第1態様ないし第3態様において、遊星ギヤ6,7の組数は任意であり、図示するものに限定されないことはもちろんである。
また、デフケース8を使用する各態様において、左右のカップ状サイドギヤ1,2の底部外面とこれに対向するデフケース本体8aおよびエンドカバー8bの底壁面との間に皿ばねなどのプリロード要素を介在させてもよく、これも本発明に含まれる。
【0023】
【実施例の作用】
キャリヤ5は突部55,55によってデフケース8に固定されており、このキャリヤ5の各組の保持用孔5a,5bには遊星ギヤ6,7が納められていて、隣接している遊星ギヤ6,7は互いに噛み合うとともに一方の遊星ギヤは一方のカップ状サイドギヤのヘリカル状内歯と噛み合い、他方の遊星ギヤは他方のカップ状サイドギヤのヘリカル状内歯と噛み合っている。
いまキャリヤ5を固定(回転数nS=0)として考えた場合、左のカップ状サイドギヤ1にnCの回転を与えたとき、歯数をzとすると、右のカップ状サイドギヤ2の回転数nDはnD=nC×{−(zC/zD)}となる。よって、本発明差動装置をリアもしくはフロント用として使用する場合には、nD=−nCが必要条件となるため、これを前記式に代入するとzD=zCとなる。これはトルクの基本配分比が50:50の場合である。
一方、センターデフとして使用する場合には、トルクの基本配分比を50:50以外の値とすることがあるが、この場合には、カップ状サイドギヤ1,2の歯数を変えることで対応可能である。
【0024】
いずれの態様においても、カップ状サイドギヤ1,2はデフケース8を通った出力軸3,4と結合されているため、図示しないプロペラシャフトを駆動回転すると、駆動ピニオン−リングギヤA−デフケース8−キヤリヤ5−遊星ギヤ6,7−カップ状サイドギヤ1,2を介して出力軸3,4は回転する。
本発明では、リングギヤAに作用する駆動トルクは複数組の遊星ギヤとカップ状サイドギヤを通って伝達され、回転に起因する摩擦によって遊星ギヤ6,7のヘリカル歯にラジアル方向の荷重が発生してバイアストルクを生じさせ、また、遊星ギヤ6,7のヘリカル歯とカップ状サイドギヤ1,2のヘリカル状内歯1a,2aのねじれ角により遊星ギヤにスラスト力が発生し、遊星ギヤ6,7と保持用孔5a,5bの孔底およびカップ状サイドギヤ1,2の底部内面との間に摩擦抵抗が発生する。また、カップ状サイドギヤ1,2のヘリカル状内歯1a,2aに作用する軸方向の力によってカップ状サイドギヤ1,2のスラスト力が底部10,20からデフケースの底壁部81,84に作用する。
【0025】
第1実施態様における作用を説明する。
[車輌直進時〕
このときには、カップ状サイドギヤ1,2は相対運動しないので、各組の遊星ギヤ6,7も相対運動しない。デフケースを含む全体が反時計方向に回転すると、遊星ギヤ7はキヤリヤ5の保持用孔5bから反時計方向の力を受け、カップ状サイドギヤ2に伝達する。遊星ギヤ6は前記遊星ギヤ7から反時計方向の力を受けてカップ状サイドギヤ1に力を伝達する。そしてカップ状サイドギヤ1,2には同じ摩擦抵抗が作用するため、出力軸3,4は同じ回転数で回転する。
【0026】
〔車輌旋回時〕
このとき左右のカップ状サイドギヤ1,2は相対運動しようとする。
いま、右カップ状サイドギヤ2がデフケース8よりも早く反時計方向に回転しようとすると、それに噛み合っている遊星ギヤ7は反時計方向に、それと噛み合っている遊星ギヤ6は時計方向にそれぞれ回転する。遊星ギヤ6と噛み合っている左カップ状サイドギヤ1はデフケース8とキヤリア5に対して時計方向に回転し、それにより右カップ状サイドギヤ2よりも遅く回転できる。このため旋回しやすくなる。
【0027】
〔片輪スリップ時〕
この場合のデフケース8(キヤリア5)と遊星ギヤ6,7及び左右のカップ状サイドギヤ1,2の動きは前記車輌旋回時と同じである。いま、右カップ状サイドギヤ2側のタイヤと路面の摩擦係数が左カップ状サイドギヤ1側のタイヤと路面のそれよりも小さい場合、右カップ状サイドギヤ2はデフケース8やキヤリア5より早く反時計方向に回転しようとすると、それに噛み合っている遊星ギヤ7も反時計方向に回転しようとする。
しかし、キャリア5の保持用孔5a,5bの反時計方向に移動しようとする速度が遊星歯車6,7の反時計方向に移動しようとする速度よりも遅いので、遊星歯車6,7はそれぞれ保持用孔5a,5bとの間に摩擦を生ずるとともに、噛み合った歯面を相互に押合いながら回転する。これによるスラスト力で右カップ状サイドギヤ2はデフケース8に対する接触圧が強まりその摩擦抵抗により右カップ状サイドギヤ2の回転が制限され、その反力として左カップ状サイドギヤ1が回転する。これは、スリップしていないタイヤにはスリップしているタイヤよりも前記反力分だけ大きい回転力が伝達されることであるから、その牽引力により走行が再開されて片側スリップ状態が解除される。
なお、第2態様と第3態様は、噛み合っている遊星ギヤ6,7の位置が異なるだけで差動原理と作用そのものは第1態様と同様であるから説明は省略する。
【0028】
本発明においては、いずれの態様においても、左右のカップ状サイドギヤ1,2の円筒部11,21にヘリカル状内歯1a,2aを設けてこれを遊星ギヤ6,7のヘリカル歯と噛み合わせてトルク伝達を得ている。
このため、第1に噛み合い率が大きくなり、これによりねじれ角を小さくすることができるとともに、歯車の長さを短くすることができる。ねじれ角が小さくなることは摺動部のスラスト力成分が小さくなることであるから、摩耗や焼付きを抑制することができる。また、歯車の長さが短くなることによりねじれ剛性が向上するため、加工性や精度がよくなるとともに、短い歯車で済むことにより重量を低減することができる。
第2に、噛み合い点の径が大きくなるため歯面にかかる荷重が小さくなり、これによつてもまた各摺動部のスラスト力成分が小さくなるため、摩耗や焼付きを低減でき、さらにバックラッシも低減することができる。
第3にカップ状サイドギヤ1,2の摺動径が大きくなり、すなわち摩擦有効径が大きくなるため、より小さなねじれ角によって必要とするトルク分配比を出すことができ、さらにまたねじれ角の設定幅(トルク分配比の幅)も広く取ることが可能となる。
また、カップ状サイドギヤ1,2が大きな底部10,20を有していることからこれとデフケース8の間にプリロードを入れることも容易であり、この場合にはより小さな荷重で必要とするプリロードを出すことができ、摺動部の耐久性や焼付き防止に有利となる。
【0029】
図6,図8,図10のようにキャリヤ5の外周に筒部53を形成するとともに半径方向に突出するフランジ54を設けてこれにリングギヤAを直接固定した場合には、プロペラシャフトを駆動回転すると、駆動ピニオン−リングギヤA−キヤリヤ5−遊星ギヤ6,7−カップ状サイドギヤ1,2を介して出力軸3,4は回転する。
そして、この場合には、リングギヤAに作用する駆動トルクは複数組の遊星ギヤ6,7とカップ状サイドギヤ1,2を通って伝達され、回転に起因する摩擦によって遊星ギヤ6,7のヘリカル歯にラジアル方向の荷重が発生してバイアストルクを生じさせ、また、遊星ギヤ6,7のヘリカル歯とカップ状サイドギヤ1,2のヘリカル状内歯1a,2aのねじれ角により遊星ギヤにスラスト力が発生し、遊星ギヤ6,7と保持用孔5a,5bの孔底およびカップ状サイドギヤ1,2の底部内面との間に摩擦抵抗が発生する。
この態様の場合、キヤリヤ5がカップ状サイドギヤ1,2の円筒部外周と接するように外囲し、デフケース8が不要となるため、部品数を減じて構造が簡単になる。また、デフケース8がないことによりカップ状サイドギヤ1,2,遊星ギヤ6,7等の各部分の肉厚を大きく取ることができるため、強度を高くすることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明した本発明の請求項1によれば、円筒部11、21にヘリカル状内歯1a、1bが設けられるとともに底部10 , 20を有する一対のカップ状サイドギヤ1,2と、前記軸方向に平行で且つ少なくとも一端が前記軸方向に開口した保持用孔5a、5bを複数組有し外径側が前記一対のカップ状サイドギヤ1,2の円筒部端間に挟まれるように内在するキャリヤ5と、前記キャリヤ5の保持用孔5a、5bに配され、前記一対のカップ状サイドギヤ1 , 2の一方1と噛み合う第1遊星ギヤ6と、前記一対のカップ状サイドギヤ1、2の他方2と噛み合うとともに前記第一遊星ギヤ6と噛み合う第2遊星ギヤ7とからなる遊星ギヤ対とを備え、前記一対のカップ状サイドギヤ1 , 2と前記第1及び第2遊星ギヤ6 , 7との噛み合いにより発生する前記軸方向のスラスト力により前記第1及び第2遊星ギヤ6 , 7が前記カップ状サイドギヤ1 , 2の底部10、20に押し付けられるように構成したので、噛み合い率と噛み合い点径及び摩擦有効径を大きくとることができ、これにより摺動部の耐摩耗性や耐焼き付け性がすぐれバックラッシも低減することができ、かつまた小さなねじれ角で必要とするトルク分配比を出すことができるとともにねじれ角の設定幅を広く取ることができる小型で軽量な車両用平行軸型差動装置とすることができるというすぐれた効果が得られる。
請求項3によれば、キャリヤ5がカップ状サイドギヤ1,2の円筒部を外囲する筒部53と半径方向に伸びるフランジ54を有し、該フランジ54にリングギヤAが直接取り付けられているとともに、前記カップ状サイドギヤ1 , 2がベアリングCにより軸方向移動を規制され且つ回転可能に支持されているため、デフケースを省略することができる。このため部品数が少なく、構造も簡単となり、またデフケースを使用しない分だけカップ状サイドギヤ1,2や遊星ギヤ6,7の肉厚を増すことができるため、高強度の車両用平行軸型差動装置とすることができるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による差動装置の第1態様を示す縦断側面図であり、図3におけるZ−Zに沿う断面を示している。
【図2】図1のW−W線に沿う断面図である。
【図3】図1のX−X線に沿う断面図である。
【図4】図1のY−Y線に沿う断面図である。
【図5】(a)は本発明におけるデフケースを省略した状態の斜視図である。(a)は同じくその分解斜視図である。
【図6】第1態様の別の実施例を示す縦断側面図である。
【図7】(a)は本発明の第2態様を示す縦断側面図、(b)は(a)のZ−Z線に沿う断面図である。
【図8】第2態様の別の実施例を示す縦断側面図である。
【図9】本発明の第3態様を示す縦断側面図である。
【図10】第態様の別の実施例を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
A リングギヤ
1,2 カップ状サイドギヤ
1a,2a ヘリカル状内歯
3,4 出力軸
5 キャリヤ
5a,5b 保持用孔
6,7 遊星ギヤ
6a,7a ヘリカル歯
8 デフケース
11,21 円筒部
53 筒部
54フランジ
Claims (3)
- プロペラシャフトの駆動トルクをリングギヤを経由して軸方向に離間した一対の同心の出力軸に伝達するための1組のサイドギヤと、出力軸と平行な複数対の遊星ギヤを有する形式の差動装置にして、
該差動装置が、円筒部にヘリカル状内歯が設けられるとともに底部を有する一対のカップ状サイドギヤと、
前記軸方向に平行で且つ少なくとも一端が前記軸方向に開口した保持用孔を複数組有し外径側が前記一対のカップ状サイドギヤの円筒部端間に挟まれるように内在するキャリヤと、
前記キャリヤの保持用孔に配され、前記一対のカップ状サイドギヤの一方と噛み合う第1遊星ギヤと、前記一対のカップ状サイドギヤの他方と噛み合うとともに前記第一遊星ギヤと噛み合う第2遊星ギヤとからなる遊星ギヤ対とを備え、
前記一対のカップ状サイドギヤと前記第1及び第2遊星ギヤとの噛み合いにより発生する前記軸方向のスラスト力により前記第1及び第2遊星ギヤが前記カップ状サイドギヤの底部に押し付けられるように構成されたことを特徴とする車両用平行軸型差動装置。 - 前記一対のカップ状サイドギヤと前記第1及び第2遊星ギヤとの噛み合いによって前記カップ状サイドギヤに作用する前記軸方向のスラスト力により、前記キャリヤの外径部に前記カップ状サイドギヤの円筒部端面が当接するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用平行軸型差動装置。
- キャリヤがカップ状サイドギヤの円筒部を外囲する筒部と半径方向に伸びるフランジを有し、該フランジにリングギヤが直接取り付けられているとともに、前記カップ状サイドギヤがベアリングにより軸方向移動を規制され且つ回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用平行軸型差動装置。
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