JPH081322Y2 - 車両用差動制限機構 - Google Patents

車両用差動制限機構

Info

Publication number
JPH081322Y2
JPH081322Y2 JP1988060955U JP6095588U JPH081322Y2 JP H081322 Y2 JPH081322 Y2 JP H081322Y2 JP 1988060955 U JP1988060955 U JP 1988060955U JP 6095588 U JP6095588 U JP 6095588U JP H081322 Y2 JPH081322 Y2 JP H081322Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
differential
differential limiting
torque
friction
cam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1988060955U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01163239U (ja
Inventor
均 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP1988060955U priority Critical patent/JPH081322Y2/ja
Publication of JPH01163239U publication Critical patent/JPH01163239U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH081322Y2 publication Critical patent/JPH081322Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は車両用差動制限機構に関する。
〔従来技術〕
差動制限機構は差動装置の差動ギヤが作動したとき低
速回転側の出力シャフトの伝達トルクを増大させるもの
であり、刊行物「自動車工学便覧第5編、第31頁〜第33
頁」、実公昭50−39556号公報、実開昭61−71527号公報
に示されているようにトルク比例式、予圧式、回転数差
比例式等の差動制限機構がある。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、上記した各差動制限機構のうち、トルク比
例式差動制限機構においては一方の車輪が雪路等低μ路
上にあるとき、同機構を機能させる駆動トルクが伝達さ
れ難くて充分な差動制限トルクが得られず、悪路からの
脱出性がよいとはいえない。また、予圧式差動制限機構
においては充分な差動制限トルクを得るには大きな予圧
荷重を付与するバネ部材が必要であり、スペース的な問
題があるとともに、大きな予圧荷重を付与した場合には
回転数差が小さい差動回転時に過大な差動制限トルクが
生じるおそれがある。さらにまた、回転数差比例式差動
制限機構においては車両の通常の旋回時回転数差が小さ
く、得られる差動制限トルクも小さいために操縦安定性
の面での同機構の寄与率が少ない。
従って、本考案の目的は、上記した各種の差動制限機
構のうちの少くともトルク比例式および回転数差比例式
を総合した差動制限特性を有する差動制限機構を提供
し、上記した不具合を補完することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本考案に係る差動制限機構は、差動装置を構成するケ
ースと同ケースに収容した両サイドギヤの一方との間に
配設した第1の摩擦クラッチおよび前記ケースからの駆
動トルクにより作動して前記第1の摩擦クラッチを係合
させ前記両サイドギヤにそれぞれ連結する出力シャフト
の差動回転時前記第1の摩擦クラッチに摩擦トルクを発
生させる第1のカム機構を有する第1の差動制限手段
と、前記ケースと前記両サイドギヤの他方との間に配設
した第2の摩擦クラッチおよび前記両出力シャフトの差
動回転時それらの回転数差により作動して前記第2の摩
擦クラッチを係合させ同クラッチに摩擦トルクを発生さ
せる第2のカム機構を有する第2の差動制限手段とを備
えていることを特徴とするものである。
〔考案の作用・効果〕
かかる構成の差動制限機構においては、差動装置を構
成する両サイドギヤに連結する両出力シャフトの差動回
転時ケースからの駆動トルクにより第1の摩擦クラッチ
に摩擦トルクを発生させる。この摩擦トルクは上記駆動
トルクに比例したもので、一方のサイドギヤのみならず
ケースを介して他方のサイドギヤへも伝達されて両出力
シャフトの差動制限トルクとして機能する。これと同時
に、両出力シャフトの差動回転に起因するケースと他方
のサイドギヤ間の相対回転により、第2の差動制限手段
を構成する第2のカム機構が作動して第2の摩擦クラッ
チを係合して摩擦トルクを発生させる。この摩擦トルク
は上記相対回転の回転数差に比例したもので、他方のサ
イドギヤのみならずケースを介して一方のサイドギヤへ
も伝達されて両出力シャフトの差動制限トルクとして機
能する。
従って、第1の差動制限手段からは駆動トルクに比例
した差動制限トルクが得られるとともに、第2の差動制
限手段からは回転数差に比例した差動制限トルクが得ら
れ、当該差動制限機構の差動制限トルクは上記両制限ト
ルクの和となり、従来のトルク比例式差動制限機構と回
転数差比例式差動制限機構との長所が総合して発揮さ
れ、かつ各短所が互に補われる。
〔実施例〕 以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明するに、
第1図には本考案に係る差動制限機構を備えたディファ
レンシャルが示されている。当該ディファレンシャル10
はディファレンシャルキャリヤ21内に収容されてそのデ
ィファレンシャルケース11(以下デフケースという)に
回転可能に支持されており、デフケース11に組付けたリ
ングギヤ22がドライブピニオン23に噛合している。
ディファレンシャル10はデフケース11、一対のピニオ
ンギヤ12、一対のサイドギヤ13、14を備え、差動制限機
構の第1カム機構30aを構成する第1カムメンバー31お
よび第2カムメンバー32がピニオンシャフトを兼ねてい
る。第1カムメンバー31は後述するように一対の支持部
31aを備え、同支持部31aに外嵌された各ピニオンギヤ12
を回転可能に支持している。両ピニオンギヤ12にはデフ
ケース11内にて回転可能に支持した各サイドギヤ13、14
が噛合しており、各サイドギヤ13、14には各サイドギヤ
シャフト24、25が動力伝達可能に連結されている。
差動制限機構は2つの差動制限手段からなり、第1の
差動制限手段は第1カム機構30aおよび第1摩擦クラッ
チ30bにより構成され、また第2の差動制限手段は第2
カム機構30c、第2摩擦クラッチ30dおよびビスカスカッ
プリング30eにより構成されている。
第1カム機構30aは第2図〜第5図に示す第1カムメ
ンバー31および第2カムメンバー32からなり、上記した
ごとくピニオンシャフトとして機能するとともに第1摩
擦クラッチ30bのクラッチプレート33aとクラッチディス
ク33bを摩擦係合させるべく機能する。第1カムメンバ
ー31は第2図および第3図に示すように互に反対側の外
方へ延びる一対の支持部31aと腕部31bを備えるととも
に、各腕部31bの中間部に一対のカム31cを備えている。
各支持部31aは各ピニオンギヤ12を回転可能に支持すべ
く略円柱状に形成され、かつ各腕部31bのカム31cより外
側部31dにはそれぞれ一対の円形凹所31eが形成されてい
る。第1カムメンバー31は各支持部31aにて各ピニオン
ギヤ12を支持した状態にてデフケース11内に収容され、
各腕部31bの外側部31dがデフケース11の嵌合穴11aに嵌
合されて組付けられている。各腕部31bの外側部31dの幅
はデフケース11の嵌合穴11aの周方向の幅より所定量小
さく形成されていて、デフケース11に対する第1カムメ
ンバー31のわずかな回転を許容している。第2カムメン
バー32は第4図および第5図に示すように、互に反対側
の外方へ延びる一対の腕部32aを備えるとともに、各腕
部32aの中間部に一対のカム32bを備えている。各腕部32
aのカム32bより外側部32cにはそれぞれ一対の円形凹所3
2dが形成されており、第2カムメンバー32は外側部32c
にてデフケース11の嵌合穴11aに嵌合されて同ケース11
に組付けられている。各腕部32aの外側部32cの幅はデフ
ケース11の嵌合穴11aの周方向の幅と略同じに形成され
ていて、外側部32cは嵌合穴11aに周方向に隙間のない状
態で嵌合している。かかる状態で、両カムメンバー31、
32は互にカム31c、32bを噛合させかつ各外側部31d,32c
の円形凹所31e,32dを対向させていて、各円形凹所31e、
32d間にそれぞれ圧縮スプリング34が介装されている。
第1カムメンバー31は圧縮スプリング34の付勢力にて右
側サイドギヤ31に弾撥的に当接し、かつ第2カムメンバ
ー32は同スプリング34の付勢力にて左側サイドギヤ14に
弾撥的に当接している。第1摩擦クラッチ30bは右側サ
イドギヤ13の背部に配置され、クラッチプレート33aが
デフケース11の内周に一体回転可能に組付けられ、かつ
クラッチディスク33bがサイドギヤ13の筒部外周に一体
回転可能に組付けられている。
第2カム機構30cは第3カムメンバー35および第4カ
ムメンバー36からなり、各カムメンバー35、36は筒部35
a、36aの一端に外向フランジ部35b、36bを備え、各フラ
ンジ部35b、36bの互に対向する面にカム35c、36cが形成
されている。第3カムメンバー35はその内スプラインに
て左側サイドギヤ14の筒部外周に一体回転可能かつ軸方
向へ摺動可能に組付けられ、かつ第4カムメンバー36は
第3カムメンバー35の筒部外周に回転可能かつ軸方向へ
移動可能に組付けられている。各カム35c、36cは第6図
(a)、(b)にてカム36cを代表例として示すように
所定のカム圧力角を備え、互に噛合している。第2摩擦
クラッチ30dは第3カムメンバー35と左側サイドギヤ14
間に配置され、かつビスカスカップリング30eは第4カ
ムメンバー36とデフケース11間に配置されている。
第2摩擦クラッチ30dは多数のクラッチプレート37aと
クラッチディスク37bとからなり、クラッチプレート37a
はデフケース11の内周に一体回転可能に組付けられ、か
つクラッチディスク37bはサイドギヤ14の筒部外周に一
体回転可能に組付けられている。クラッチプレート37a
およびクラッチディスク37bはサイドギヤ14の軸方向の
移動を規制するサークリップ15にて、一方の軸方向への
移動を規制されている。ビスカスカップリング30eはイ
ンナメンバー38a、アウタメンバー38bおよび多数のイン
ナプレート38c、アウタプレート38dからなり、両メンバ
ー38a、38bは液密的かつ回転可能に嵌合して油室を形成
している。各プレート38c、38dは油室内に配置されてい
て、インナプレート38cはインナメンバー38aに一体回転
可能に組付けられ、かつアウタプレート38dはアウタメ
ンバー38bに一体回転可能に組付けられている。油室内
にはシリコンオイル等の粘性流体が封入されている。か
かるビスカスカップリング30eにおいては、インナメン
バー38aが内スプラインにて第4カムメンバー36の筒部
外周に一体回転可能に組付けられ、かつアウタメンバー
38bがその外スプラインにてデフケース11の内周に一体
回転可能に組付けられている。
かかる構成の差動制限機構を備えたディファレンシャ
ル10においては、図示しないエンジンからの駆動力がト
ランスミッション等を経てドライブピニオン23、リング
ギヤ22からデフケース11に入力される。デフケース11に
入力された駆動力は第1カム機構30aを構成する第2カ
ムメンバー32から第1カムメンバー31、各ピニオンギヤ
12に伝達され、ピニオンギヤ12にて各サイドギヤ13、14
および各サイドギヤシャフト24、25に分配されて左右両
輪を駆動させる。この間、第1差動制限手段において
は、第1カム機構30aの両カムメンバー32、31間に駆動
トルクが伝達されるときカム31c、32bの作用にて駆動ト
ルクに比例した拡開力が生じる。第2カムメンバー32は
左サイドギヤ14がスナップリング15により軸方向の移動
を規制されているため同ギヤ14にて支承され、これに対
して第1カムメンバー31は軸方向へ移動して右側サイド
ギヤ13を押動して、第1摩擦クラッチ30bのクラッチプ
レート33aとクラッチディスク33bとを係合させる。この
ため、左右両輪間に差動回転が生じると、第1摩擦クラ
ッチ30bでは駆動トルクに比例した摩擦係合トルクが発
生して差動制限トルクとして機能する。
一方、第2差動制限手段においては、第2カム機構30
cを構成する第3、第4カムメンバー35、36およびビス
カスカップリング30eを構成するインナメンバー38a、イ
ンナプレート38cが左側サイドギヤ14と一体回転し、か
つビスカスカップリング30eを構成するアウタメンバー3
8b、アウタプレート38dがデフケース11と一体回転す
る。このため、左右両輪間に差動回転が生じると、デフ
ケース11と左側サイドギヤ14間の回転数差によりビスカ
スカップリング30eの両プレート38c、38d間に回転数差
に比例した粘性摩擦トルクが発生し、インナメンバー38
aおよび第4カムメンバー36の回転を規制する抵抗力と
して作用する。この結果、第3カムメンバー35と第4カ
ムメンバー36間に回転数差に比例した相対回転が生じ、
カム35c、36cの作用にて第3カムメンバー35を第2摩擦
クラッチ30dに押圧し、各クラッチプレート37aとクラッ
チディスク37bとを係合させる。これにより、第2摩擦
クラッチ30dでは左右両輪の差動回転数に比例した摩擦
係合トルクが発生し、同トルクは第1摩擦クラッチ30b
にて発生する摩擦係合トルクと総合して差動制限トルク
として機能する。
従って、当該差動制限機構においては、従来のトルク
比例式差動制限機構と回転数差比例式差動制限機構の両
長所が発揮され、かつ両短所が互に補われる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例に係る差動制限機構を備えた
ディファレンシャルの断面図、第2図は第1カム機構を
構成する第1カムメンバーの正面図、第3図はその一部
切欠側面図、第4図は第2カムメンバーの正面図、第5
図はその一部切欠側面図、第6図(a)、(b)は第2
カム機構を構成する第4カムメンバーの側面図、その部
分正面図である。 符号の説明 10……ディファレンシャル、11……デフケース、13,14
……サイドギヤ、30a,30c……カム機構、31,32,35,36…
…カムメンバー、36b,36d……摩擦クラッチ、33a,37a…
…クラッチプレート、33b,37b……クラッチディスク、3
0e……ビスカスカップリング、38a……インナメンバ
ー、38b……アウタメンバー、38c……インナプレート、
38d……アウタプレート。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】差動装置を構成するケースと同ケースに収
    容した両サイドギヤの一方との間に配設した第1の摩擦
    クラッチおよび前記ケースからの駆動トルクにより作動
    して前記第1の摩擦クラッチを係合させ前記両サイドギ
    ヤにそれぞれ連結する出力シャフトの差動回転時前記第
    1の摩擦クラッチに摩擦トルクを発生させる第1のカム
    機構を有する第1の差動制限手段と、前記ケースと前記
    両サイドギヤの他方との間に配設した第2の摩擦クラッ
    チおよび前記両出力シャフトの差動回転時それらの回転
    数差により作動して前記第2の摩擦クラッチを係合させ
    同クラッチに摩擦トルクを発生させる第2のカム機構を
    有する第2の差動制限手段とを備えてなる車両用差動制
    限機構。
JP1988060955U 1988-05-09 1988-05-09 車両用差動制限機構 Expired - Lifetime JPH081322Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1988060955U JPH081322Y2 (ja) 1988-05-09 1988-05-09 車両用差動制限機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1988060955U JPH081322Y2 (ja) 1988-05-09 1988-05-09 車両用差動制限機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01163239U JPH01163239U (ja) 1989-11-14
JPH081322Y2 true JPH081322Y2 (ja) 1996-01-17

Family

ID=31286648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1988060955U Expired - Lifetime JPH081322Y2 (ja) 1988-05-09 1988-05-09 車両用差動制限機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH081322Y2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01163239U (ja) 1989-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7311633B2 (en) Vehicular four-wheel drive unit
JP2747165B2 (ja) デファレンシャル装置
JP2636229B2 (ja) 四輪駆動用中央差動装置の差動制限機構
US5215506A (en) Electronically controlled differential limiting system
JP2652709B2 (ja) センターディファレンシャル装置付4輪駆動車
JP2000088085A (ja) 粘性作動式ボ―ル斜面クラッチ及びそのハウジング
JPH081322Y2 (ja) 車両用差動制限機構
JP3866339B2 (ja) 車両用平行軸型差動装置
JPH0399942A (ja) デファレンシャル装置
JP2004068904A (ja) デファレンシャル装置
JPH0728451Y2 (ja) 差動制限機構付ディファレンシャル
JPH0658378A (ja) デファレンシャル装置
JP2692869B2 (ja) 動力伝達装置
JP2000274513A (ja) 予圧式差動制限装置
JP3485101B2 (ja) 差動装置
JPH0581554U (ja) デファレンシャル装置
JPH09292004A (ja) デファレンシャル装置
JP2522810B2 (ja) 駆動力伝達装置
JPH0448350Y2 (ja)
JP2801731B2 (ja) デファレンシャル装置
JP4335990B2 (ja) 2方向差動クラッチ
JPH0236821B2 (ja) Noosupindefusochi
JPH0516440Y2 (ja)
JPH07259956A (ja) 差動装置
JP2004218788A (ja) 差動制限装置