JPH0857B2 - 非加熱食肉製品の製造法 - Google Patents
非加熱食肉製品の製造法Info
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- JPH0857B2 JPH0857B2 JP4250603A JP25060392A JPH0857B2 JP H0857 B2 JPH0857 B2 JP H0857B2 JP 4250603 A JP4250603 A JP 4250603A JP 25060392 A JP25060392 A JP 25060392A JP H0857 B2 JPH0857 B2 JP H0857B2
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Description
かで、物性にすぐれた、生ハム、生ベーコン等の非加熱
食肉製品を短期間で製造する製造法に関する。
められた加熱を行わず、かつ基準以上の乾燥を行わない
食肉製品は、非加熱食肉製品として、厚生省の食品衛生
法施工規則により、その製造基準が定められている。そ
の概要は、ある要件を満たす豚肉肉塊を使用し、6%以
上の食塩と200ppm以上の亜硝酸ナトリウムを用い
た乾塩漬、15%以上の食塩と200ppm以上の亜硝
酸ナトリウムを含む塩漬液を用いた湿塩漬、これと同じ
塩漬液を一本針を用いる手作業による注入法、またはこ
れらの組み合わせによる塩漬法で肉の水分活性が0.9
69以下になるまで塩漬することと、必要なら塩抜きを
行った後、水分活性が0.949以下になるまで乾燥、
燻煙することである。これらの工程の期間については特
に基準はないが、中島らが「食品衛生学雑誌」1989
年2月号の「生ハムの製造工程中における微生物叢の変
化」の中で述べている国内1工場の工程では、塩漬17
日、燻煙、乾燥17日としている。また塩抜きは通常1
夜を要する。
よる生ハム、生ベーコンでは、高い食塩添加量とその塩
抜き方法の困難性から、塩味を強く感じ、ロットごとに
あるいは個体ごとに塩分にばらつきが生ずる。工程期間
としても、塩漬、塩抜き、燻煙、乾燥いずれも長期間を
要する。また、肉の断面の発色は、赤み及び光沢の点
で、現在より赤みが強く光沢のあるものが望ましい。
題を解決するためになされたものである。すなわち、本
発明は、畜肉塊に、塩漬剤及び畜肉塊100重量部に対
して5〜30重量部(以下、単に部という。本発明では
特に記載しないかぎり部は重量部を示す。)の糖類を加
えて塩漬し、常法により乾燥及び燻煙を行なうことより
なる非加熱食肉製品の製造法である。また、本発明にお
いては、畜肉塊に、まず塩漬剤を用いて塩漬し、これを
放置して食塩その他の塩漬剤を肉塊に浸透させ、次いで
糖類を上記の割合で加えて塩漬し、これを常法によって
乾燥及び燻煙を行ってもよい。さらに、本発明において
は、前記の放置を、畜肉塊を機械的にマッサージしたり
あるいは畜肉塊を容器に入れて真空にして行なうと食塩
その他の塩漬剤を肉塊に効率よく浸透させることができ
る。
肉等、生ハム、生ソーセージの原料となる畜肉塊が用い
られる。また、塩漬剤には、食塩、発色剤、発色助剤、
調味料、安定剤等、従来、ハム・ソーセージの塩漬剤と
して知られているものが用いられる。このさい糖類は、
塩漬剤として用いられる糖と調味料として用いられる糖
とを合計して畜肉塊100部に対して5〜30部になる
ように調整する。発色剤としては、亜硝酸ナトリウム、
亜硝酸カリウム等、安定助剤としてはアスコルビン酸ナ
トリウム、エリソルビン酸ナトリウム等、調味料として
はL−グルタミン酸ナトリウム、ぶどう糖等が、安定剤
としては、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナト
リウム等のリン酸塩や植物性タンパク質、卵白タンパク
質、カゼイン、ゼラチン、澱粉類等が用いられる。糖類
には、単糖類、二糖類、コーンシラップ、糖アルコー
ル、水飴、粉末水飴、澱粉分解糖等食品製造に用いられ
る糖類が用いられる。
あるいはこれらの両者を組合せて行なってもよい。糖類
は塩漬剤と共に用いて塩漬処理を行なってもよいが粉末
糖類をまぶしたりあるいは液状の糖類に浸漬したりまた
は両者を併用して行なってもよい。このようにして塩漬
を、塩漬肉として要求される水分活性、堅さ、熟成風味
及び光沢が得られるまで行なう。この塩漬工程で食塩、
発色剤、発色助剤、調味料、安定剤等を肉に添加すると
き同時に、より好ましくは1から2日後これらが肉に多
少浸透するのを待ってから、食品製造に用いられる糖類
を畜肉塊100部に対し5から30部加えて、さらに塩
漬を続ける。塩漬は低温で行なうことが望ましい。糖類
は食塩と共に肉を脱水すると同時に肉中に浸透して水分
活性を低下させ、今までより短期間に、定められた基準
の肉の水分活性0.969以下にする作用がある。しか
し、食塩の分子量58が水中ではイオン化してナトリウ
ムイオン23と塩素イオン35とになるのに対し、糖類
の分子量は最小のぶどう糖で180、蔗糖で342、デ
キストリンは不定ではあるがこれらよりはるかに大きい
から、糖類の肉への浸透速度は食塩のそれよりはるかに
小さい。従って、甘味度とともに糖類の種類の選択を適
切に行うならば、過度の甘味を肉に与えることはない。
ように、長時間の塩抜きを行う必要はない。常法により
水透過性ケーシング、ゴム入り網等に充填する。充填後
の肉は、直ちにまたは塩漬剤の均一を図るために一夜以
上冷蔵してから、所定の水分活性になるまで燻煙、乾燥
する。
等の非加熱食肉製品は、従来の塩漬法のものよりも発色
よく、独特の紫がかった光沢のある紅色となり、熟成味
も長期間塩漬したものに劣らず、その物性は熟成された
生ハム独特の、もちっとして柔らかくしかも容易にスラ
イスできる、ドイツの職人の言うツァルト(zart)
な組織にできあがる。これらは、細部の作用は解明され
ていないものの、糖類添加塩漬の効果である。また、食
塩等だけの塩漬では、ときに表面に過酸化水素を生成す
る乳酸菌が増殖して緑変を起こすなどの現象が見られる
が、糖添加ではこのようなことは起こらない。糖類によ
る表面水分活性の低下と、粘稠な糖液により肉が空気か
ら遮断されるためである。
硝酸ナトリウム0.02部、アスコルヒセン酸ナトリウ
ム0.1部、ポリリン酸ナトリウム0.2部、グルタミ
ン酸ナトリウム2部を混合したものを手でよく擦り込
み、容器中に積み重ねて行き、これを4から7℃の冷蔵
庫内で塩漬する。2日経過して表面に水分の滲んだとこ
ろで、肉塊を粉末水飴3部をまぶしながら他の容器に移
し、残液も移してから液状の澱粉分解糖15部をここへ
注ぐ。冷蔵庫内でなお6日塩漬する。この肉塊を常法に
よりファイブラスケーシングに充填し、アルミ線で結紮
して吊りひもを付け架台に懸架する。これを温度18
℃、湿度70%で2日1夜、約64時間乾燥してから温
度18度、湿度65%で2時間燻煙し、製品生ハムとし
て冷蔵庫中に保管する。
擦り込んでから、下記配合のピックルを肉がかぶるくら
いに容器に注加する。 食塩 16% 亜硝酸ナトリウム 0.08 アスコルビン酸ナトリウム 0.4 グルタミン酸ナトリウム 1 ぶどう糖 2 水 80.52 5日後に肉をピックルから引き上げ、肉に粉末水飴3部
をまぶしながら他の容器に移し、液状の澱粉分解糖15
部をここへ注ぐ。冷蔵庫内でなお6日塩漬する。この肉
塊を常法によりベーコン吊り金具にかけて架台に懸架す
る。これを温度18℃、湿度70%で1日1夜、約40
時間乾燥してから温度18℃、湿度65%で3時間燻煙
し、製品生ソーセージとして冷蔵庫中に保管する。
硝酸ナトリウム0.02部、アスコルビン酸ナトリウム
0.1部、ポリリン酸ナトリウム0.2部、グルタミン
酸ナトリウム2部を混合したものを手でよく擦り込み、
容器中に積み重ねて行き、これを4から7℃の冷蔵庫内
で14日塩漬する。冷却した1%の食塩水を容器に満た
し、これをポンプで循環させて、1夜、約16時間塩抜
きする。この肉塊を常法によりファイブラスケーシング
に充填し、アルミ線で結紮して吊りひもを付け架台に懸
架する。これを温度18℃、湿度70%で2日1夜、約
64時間乾燥してから温度18℃、湿度65%で2時間
燻煙し、製品原木として冷蔵庫中に保管する。
擦り込んでから、下記配合のピックルを肉がかぶるくら
いに容器に注加する。 食塩 16% 亜硝酸ナトリウム 0.08 アスコルビン酸ナトリウム 0.4 グルタミン酸ナトリウム 1 ぶどう糖 2 水 80.52 14日後に肉をピックルから引き上げて別の容器に移
し、冷却した1%の食塩水を容器に満たし、これをポン
プで循環させて、1夜、約16時間塩抜きする。この肉
塊を常法によりベーコン吊り金具にかけて架台に懸架す
る。これを温度18℃、湿度70%で1日1夜、約40
時間乾燥してから温度18℃、湿度65%で3時間燻煙
し、製品原木として冷蔵庫中に保管する。
あるのに対し、比較例1では14日で、6日短縮するこ
とができた。本発明の塩漬期間短縮効果は、一部は塩漬
時糖類添加による肉からの脱水の作用により、さらにま
た糖類の肉への浸透による作用によると考えられる。こ
の両者の総合的な効果を見るために、実施例1と同様に
糖類を添加して塩漬した生ハム及び生ハム漬肉と比較例
1と同様に従来法で塩漬した生ハム及び生ハム漬肉の塩
分の分析と水分活性の測定を行った。この結果を図1に
示す。この図が示すように、例えば水分活性0.95と
するのには、従来法塩漬では塩分4.8%以上にしなけ
ればならないのに対し、糖類添加塩漬法では塩分3.4
%以上にすればよい。この作用が一面で塩漬期間の短縮
となって現れたものである。この作用の他の一面は、言
うまでもなく必要な水分活性に達するのにより少ない食
塩の使用ですみ、その結果塩味のうすい製品が得られる
ことである。従来法では強すぎる塩味が欠点の一つにな
っていたので、本発明ではその解決ができる。さらに、
比較例1では16時間の塩抜きを要するのに対し、実施
例1では表面水洗20分で終了し、しかも塩抜きのため
のタンク、スペース、ポンプ糖は必要としない。実施例
2のベーコンも同様塩漬期間は11日で、比較例2の1
4日より3日短縮できるほか、塩抜きについても生ハム
と同様の結果が得られた。
クリープ測定により比較した。両者の芯肉中心より1辺
20mmの立方体を切り出し、また生肉ロインの芯肉か
らも同様に切り出してテストピースとした。株式会社山
電のクリープメーター、レオナーRE−3305を使用
して、肉の繊維と平行方向に200gの力を掛け続けて
300秒持続させた。縦軸に歪みの%、横軸に時間
(秒)を取りグラフを描くと図2のようになった。この
図は、縦軸から離れるときの値は掛けた力に対応する瞬
間変形で、粘弾性の弾性ではこれが大きいほど柔らか
く、小さいほど硬いことを示す。一方、屈曲部の終わっ
た点、図のa点からグラフの上昇終点までの勾配は粘弾
性の粘性部分を示し、この勾配が大きいほど柔らかく、
小さいほど硬いことを示す。この勾配は、生肉で12.
0%、比較例1で7.3%、実施例1で12.4%で、
この図の示す所は、実施例1の生ハムは粘弾性の弾性部
分で比較例1の生ハムよりも硬く、粘性部分ではむしろ
柔らかくて生肉のそれに類似しており、比較例1より好
ましい肉質であることを示している。
状況を測定した。すなわち、両者の生ハムの芯肉部分断
面を、スガ試験機株式会社製多光多光源分光測色計で5
サンプルずつ測定してL、a、b値の平均と有意差の有
無を表1に示した。この表に示すように、L値は実施例
1が比較例1よりもよく発色して濃くなり、a値の示す
ように紅色の増したこと、いずれも1%危険率で有意で
あること、一般に黄色の程度を示すb値には有意差はな
いことが言える。
も、数値は示さないが生ハムと同様の傾向にある。特に
バラ肉内側部分の赤肉の表面色は、実施例2では独特の
紫がかった紅色を示し、比較例2と容易に区別できるも
のであった。風味についても官能試験を行なったところ
比較例2はやや塩味をはっきり感じるのに対し、実施例
2はマイルドでやや甘味を感じるものもいたが、好まし
いという評価を得た。また我が国市販のベーコンは、指
標菌である大腸菌群検出を恐れて、諸外国にはまったく
見られない中心まで加熱されたベーコンになっている。
実施例2は蛋白変性を起こすような加熱はされていない
ので、市販のベーコンとの比較では実施例2が圧倒的に
好まれた。
(従来法塩漬生ハム)の製造時における食塩の使用量と
水分活性との関係を示す。
の生ハムのクリープ測定値を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 畜肉塊を、塩漬剤及び畜肉塊100重量
部に対して5〜30重量部の糖類を用いて塩漬し、常法
により乾燥及び燻煙を行なうことを特徴とする非加熱食
肉製品の製造法。 - 【請求項2】 畜肉塊を、塩漬剤を用いて塩漬し、放置
して食塩等の塩漬剤を肉塊中に浸透させ、さらに畜肉塊
100重量部に対して5〜30重量部の糖類を加えて塩
漬し、常法により乾燥及び燻煙を行なうことを特徴とす
る非加熱食肉製品の製造法。 - 【請求項3】 畜肉塊の放置を、畜肉塊を機械的にマッ
サージで行なうかまたは畜肉塊を容器に入れて真空にし
て行なって食塩等の塩漬剤を浸透させることを特徴とす
る請求項2記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4250603A JPH0857B2 (ja) | 1992-08-26 | 1992-08-26 | 非加熱食肉製品の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4250603A JPH0857B2 (ja) | 1992-08-26 | 1992-08-26 | 非加熱食肉製品の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06284877A JPH06284877A (ja) | 1994-10-11 |
JPH0857B2 true JPH0857B2 (ja) | 1996-01-10 |
Family
ID=17210332
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4250603A Expired - Lifetime JPH0857B2 (ja) | 1992-08-26 | 1992-08-26 | 非加熱食肉製品の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0857B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
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JP2001128646A (ja) * | 1999-11-05 | 2001-05-15 | Nippon Meat Packers Inc | 咀嚼・嚥下困難者向け非加熱食肉製品とその製造法 |
JP2007029011A (ja) * | 2005-07-27 | 2007-02-08 | Nippon Shokuhin Kk | 魚介類生ハム様食品の製造方法 |
JP5089127B2 (ja) * | 2006-10-17 | 2012-12-05 | 丸大食品株式会社 | 非加熱食肉製品の製造方法及び非加熱食肉製品 |
DE102009060934A1 (de) * | 2009-12-23 | 2011-06-30 | Südzucker AG Mannheim/Ochsenfurt, 68165 | Verbesserte Pökelhilfsstoffe |
JP2012217395A (ja) * | 2011-04-11 | 2012-11-12 | Shinshu Ham Kk | ベーコン類の製造方法 |
JP5955120B2 (ja) * | 2012-06-18 | 2016-07-20 | 丸大食品株式会社 | 非加熱食肉製品製造方法 |
CN102919875B (zh) * | 2012-10-24 | 2013-08-21 | 金华金贸火腿有限公司 | 一种火腿的制作工艺 |
JP2016131497A (ja) * | 2015-01-15 | 2016-07-25 | 伊藤ハム株式会社 | 非加熱食肉製品の製造方法 |
KR102262627B1 (ko) * | 2021-01-08 | 2021-06-09 | 주식회사 에스엘 | 신선한 육색을 갖는 양념육의 제조방법 및 이로부터 제조된 양념육 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02227025A (ja) * | 1989-02-28 | 1990-09-10 | Yonekiyuu Kk | 非加熱ハム様食品の製造方法 |
-
1992
- 1992-08-26 JP JP4250603A patent/JPH0857B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06284877A (ja) | 1994-10-11 |
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