JPH085708Y2 - 輸液バッグ - Google Patents

輸液バッグ

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JPH085708Y2
JPH085708Y2 JP9487091U JP9487091U JPH085708Y2 JP H085708 Y2 JPH085708 Y2 JP H085708Y2 JP 9487091 U JP9487091 U JP 9487091U JP 9487091 U JP9487091 U JP 9487091U JP H085708 Y2 JPH085708 Y2 JP H085708Y2
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勇 立石
英志 岡本
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、輸液バッグに関し、よ
り詳しく述べると、異種の薬液をそれぞれ収容する薬液
収容室を、弱シール部によって区画している合成樹脂製
の輸液バッグに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】従来よ
り周縁部が熱シールされていると共に、内部に異種の薬
液をそれぞれ収容する、二室に区画された薬液収容室を
備えた合成樹脂製の輸液バッグにおいて、上記薬液収容
室を二室に区画するために、剥離可能に弱シール部を形
成することが公知の手段として採用されてきた。
【0003】以下にその弱シール部の具体例と、問題点
を指摘する。 接着阻害剤を介在させてシールしたもの(実公昭5
9−42370)は、製造工程が複雑であることと、接
着阻害剤が内容物に混入するので、医療用には不適であ
る。 二室の隔離部分に破断容易な薄膜を挟んでシールし
たもの(実公平2−11342)は、破断した薄膜の断
片が内容物に混入するおそれがあるので、医療用に用い
るには不適であるほか、破断するための薄膜の材質がき
わめて限定されることになる。
【0004】 弱シール部に、バッグ本体の材質との
溶着強度が弱い材質の薄膜を入れてやるもの(周知慣用
技術集56−35の135頁)は、溶着強度が弱いの
で、溶着ムラが生じ易いほか、不必要なときに剥離して
しまうおそれがある。そのため、一般に強めの溶着を薄
膜全体にわたって施す操作が試みられてきたが、それに
より今度は剥離が困難になるという問題が生じ、ほとん
ど採用されていないのが現状である。
【0005】 バッグの周縁部よりも二室の隔離部分
を低い温度で熱シールするもの(特公平2−4671)
は、周縁部の熱シールをポリエチレン樹脂とポリプロピ
レン樹脂のブレンド樹脂のうち高い溶融温度のポリプロ
ピレン樹脂の温度条件で行い、弱シールにする隔離部分
は溶融温度の低い方のポリエチレン樹脂の温度条件で熱
シールするようにしたものであるが、ブレンドした樹脂
のうちの一方ずつの溶融温度を選択しての熱シールが難
しく、上記構成の場合、周縁部の溶着強度が充分でない
場合がある。そのため薬液を混和させるためにバッグを
押圧した際に、弱シール部より先に周縁部が破れる危険
性がある。さらに周縁部と弱シール部とのシール温度を
異にしているので、温度設定が非常に煩わしい上に、弱
シール部のシール条件が変わると、シール強度が大きく
変わる結果、剥離に要する力が大きく変わって製品の品
質にばらつきが生じるという問題が発生する。
【0006】しかも、弱シール部を剥離する際に、ポリ
エチレン樹脂の伸長した微細繊維(以下、「ヒゲ」とい
う)が発生し、このヒゲが脱離して不溶性微粒子が生じ
るというおそれがある。また剥離面が白化し、製品の美
観が悪くなって、その製品を使用している患者に心理的
な悪影響を与えるおそれがあるという問題もある。 弱シール部として、異種の樹脂テープをバッグ本体
間に挟み、バッグ本体との熱シールに表裏で強弱をつけ
たもの(実開昭62−3466)もあるが、テープの全
幅をバッグ本体と熱シールしたものゆえ、弱シール部を
バッグ本体から剥離し難く、剥離しようとして強い力が
かかってバッグ本体に破れを生じたりするおそれがあっ
た。
【0007】本考案は、以上のごとき従来における輸液
バッグに有する課題を解消するために種々研究の末考案
するに至ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本考案における輸液バッグは、周縁部が熱シールされ
たポリオレフィン系樹脂のバッグ本体を含み、このバッ
グ本体内に形成されて異種の薬液をそれぞれ収容する薬
液収容室を、当該バッグ本体の内壁とその間に挟まれて
剥離可能に熱シールされた弱シール部によって区画して
いる輸液バッグにおいて、上記弱シール部は、バッグ本
体(多層体の場合は最内層のポリオレフィン系樹脂)と
同じ樹脂からなる同一樹脂層と、バッグ本体と同種のポ
リオレフィン系樹脂にそれとは実質的に相互溶着しない
別のポリオレフィン系樹脂をブレンドしたブレンド樹脂
層とからなるテープを熱シールすることにより形成さ
れ、この弱シール部には、その幅方向両端部分に、熱シ
ールされた部分よりも各薬液収容室側へ延設された非シ
ール部が形成されていることを特徴とするものである。
【0009】上記バッグ本体は、ポリエチレン樹脂の単
層体あるいは最内層がポリエチレン樹脂の多層体であ
り、二層からなるテープの一方の層を形成するブレンド
樹脂層において、該層にブレンドされるバッグ本体と同
種のポリオレフィン系樹脂は、密度が0.92〜0.9
6のポリエチレン樹脂であり、上記ブレンド樹脂層にブ
レンドされる別のポリオレフィン系樹脂は、0〜5モル
/モル%のエチレンを含有するポリプロピレン樹脂であ
り、上記ブレンド樹脂層のポリエチレン樹脂とポリプロ
ピレン樹脂のブレンド比は、75:25〜40:60
(重量比)であってもよい。
【0010】上記テープ全体の厚みが40〜150μm
となるように、同一樹脂層とブレンド樹脂層の厚みが、
それぞれ20〜100μmの間に設定されていてもよ
い。
【0011】
【作用】上記構成の本発明による輸液バッグでは、バッ
グ本体間に挟まれて剥離可能に熱シールされた弱シール
部が、ポリオレフィン系樹脂からなるバッグ本体(多層
体の場合は最内層のポリオレフィン系樹脂)と同じ樹脂
からなる同一樹脂層と、上記バッグ本体と同種のポリオ
レフィン系樹脂にそれと実質的に相互溶着しない別のポ
リオレフィン系樹脂をブレンドしたブレンド樹脂層とか
らなるテープを熱シールすることによって構成されてい
るから、バッグ本体に対しては、テープのうちのブレン
ド樹脂層が同一樹脂層に比べてより剥離が容易な弱シー
ルとなり、バッグ本体からの剥離側となる。他方、弱シ
ール部以外となる周縁部の熱シールが同じポリオレフィ
ン系樹脂どうしの溶着によるものゆえ、充分な強度があ
り、弱シール部より先に周縁部でバッグ本体どうしが剥
離するおそれはない。またブレンド樹脂層を採用してい
ることから、弱シール部を剥離する際に、破片等の異物
が発生するおそれもない。しかもこの弱シール部には、
その幅方向両端部分に、熱シールされた部分よりも各薬
液収容室側へ延設された非シール部が形成されているの
で、弱シール部両端とバッグ本体間の隙間に薬液の液圧
がかかり易くなっている結果、この部分を利用して弱シ
ール部をバッグ本体から容易に剥離することができる。
更に、製袋するとき、弱シール部のシール位置がいずれ
かの薬液収容室側に多少ずれても、非シール部があるた
め、シール不良や剥離不良が発生しないという利点があ
る。
【0012】また、上記バッグ本体のポリオレフィン系
樹脂が、ポリエチレン樹脂の単層体あるいは最内層がポ
リエチレン樹脂の多層体であり、二層からなるテープの
一方の層を形成するブレンド樹脂層において、該層にブ
レンドされるバッグ本体と同種のポリオレフィン系樹脂
が、密度が0.92〜0.96のポリエチレン樹脂であ
り、上記ブレンド樹脂層にブレンドされる別のポリオレ
フィン系樹脂が、0〜5モル/モル%のエチレンを含有
するポリプロピレン樹脂であり、上記ブレンド樹脂層の
ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂のブレンド比
が、75:25〜40:60(重量比)である場合に
は、シール条件(シール温度、シール圧力等)が多少ば
らついたり変化しても、製品のシール強度を所望の強さ
に維持することができると共に、剥離時に剥離面が白化
したり、不溶性微粒子の発生を防止することができる。
【0013】さらに上記テープ全体の厚みが40μm〜
150μmとなるように、同一樹脂層とブレンド樹脂層
の厚みが、それぞれ20μm〜100μmの間に設定さ
れている場合には、シール条件に多少のばらつきや変化
が生じた場合においても、シール強度の一様性を一層高
めることができる。
【0014】
【実施例】本考案の実施例について図を参照しながら以
下に例示する。1は輸液バッグの全体を指しており、1
0、10は合成樹脂シートからなるバッグ本体である。
本実施例において、このバッグ本体10は、ポリオレフ
ィン系樹脂としてのポリエチレン樹脂の単層体にて形成
されており、周縁部即ち左右側周縁部11、12および
下周縁部13が熱シールされている。なお上記ポリオレ
フィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂の単層体の
他、ポリプロピレン樹脂を採用してもよい。またポリエ
チレン樹脂を最内層とする多層体により上記バッグ本体
10、10を採用してもよい。
【0015】バッグ1にはポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、好ましくはバッ
グ本体10、10と同樹脂からなる舟型口芯20が口部
となるよう溶着されている。舟型口芯20には1個以上
の口部31を有し、口部31にゴム栓を有するキャップ
30が取付けられている。14は異種の薬液をそれぞれ
収容した薬液収容室15、16を剥離可能に隔離してい
る弱シール部であり、その幅は、5〜20mmである。こ
の弱シール部14はバッグ本体10、10間に二層のテ
ープ40を挟んで剥離可能に熱シールしてある。
【0016】テープ40の一方の層は、バッグ本体1
0、10と同じポリオレフィン系樹脂にて構成された同
一樹脂層41であり、他方の層は、このバッグ本体1
0、10と同種のポリオレフィン系樹脂に、それと実質
的に相互溶着しないポリオレフィン系樹脂をブレンドし
て構成されたブレンド樹脂層42である。例えば、本実
施例におけるように、バッグ本体10、10及び同一樹
脂層41をポリエチレン樹脂にて形成する場合、他方の
ブレンド樹脂層42は、ポリエチレン樹脂とポリプロピ
レン樹脂のブレンド樹脂にて形成する。なお、バッグ本
体10、10のポリエチレン樹脂としては、低密度ポリ
エチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLD
PE)が好ましいものである。
【0017】バッグ本体10、10が最内層をポリエチ
レン樹脂とする多層体である場合も上述と同じテープ構
成となる。ここでブレンド樹脂層42のポリエチレン樹
脂の密度は、0.92g/cm3 〜0.96g/cm3 がよく、
好ましくは0.93g/cm3 〜0.95g/cm3 がよい。ブ
レンド樹脂層42のポリエチレン樹脂の密度が上記の範
囲よりも低い場合には、シール条件(シール温度やシー
ル圧力等)のばらつきや変化により、シール強度がばら
つくという不都合がある。加えて弱シール部14を剥離
する際に、ヒゲが発生したり、剥離面が白化したりす
る。またヒゲが発生することにより、剥離面からヒゲが
脱離して薬液中に不溶性微粒子が発生するという不都合
がある。また、ブレンド樹脂層42のポリエチレン樹脂
の密度が上記の範囲よりも高い場合には、シール強度が
低下するという不都合がある。これに対し、上記実施例
の範囲にブレンド樹脂層42のポリエチレン樹脂の密度
を設定した場合には、シール条件が変化しても、一様な
シール強度を得ることができると共に、ポリエチレン樹
脂のヒゲの発生を防止でき、しかも剥離面の白化を防止
することができ、好都合である。
【0018】ブレンドするポリプロピレン樹脂として
は、ポリプロピレンホモポリマー、エチレン・プロピレ
ンのランダムコポリマー、ブロックコポリマーを使用す
ることができ、コポリマーのエチレン含量は、5モル/
モル%以下が好適である。ブレンド樹脂層42のポリプ
ロピレン樹脂のエチレン含量が上記の範囲外である場合
には、シール条件の変化により、シール強度がばらつい
たり、ヒゲが発生したり、剥離面が白化するおそれがあ
る。これに対し、上記実施例の範囲にブレンド樹脂層4
2のポリプロピレン樹脂のエチレン含量を設定した場合
には、シール条件が変化しても、一様なシール強度を得
ることができると共に、剥離面にヒゲや白化が発生する
のを防止でき、好都合である。
【0019】ブレンド樹脂層42のブレンド比は、ポリ
エチレン樹脂:ポリプロピレン樹脂=75:25〜4
0:60(重量比)であり、好ましくはポリエチレン樹
脂:ポリプロピレン樹脂=70:30〜50:50であ
る。ブレンド樹脂層42内のポリプロピレン樹脂の割合
が上記の範囲よりも高い場合には、シール強度が弱す
ぎ、ポリプロピレン樹脂の割合が上記の範囲よりも低い
場合には、シール強度が強すぎて不都合である。これに
対し、上記実施例の範囲にブレンド樹脂層42のブレン
ド比を設定した場合には、適度のシール強度を得ること
ができ、しかもシール条件がはらついたり変化しても一
様なシール強度を得ることができ、好都合である。
【0020】なおバッグ本体10、10とテープ40の
一方の層41をポリプロピレン樹脂とすることもでき
る。その場合、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂
のブレンド樹脂の層42のブレンド比は、ポリエチレン
樹脂:ポリプロピレン樹脂=1:0.2〜2(重量比)
とし、また上記熱シール温度は200℃〜250℃とす
るのがよい。
【0021】上記テープ40の長さはバッグ本体10、
10の横幅より若干短く設定されている(図1参照)。
さらにテープ40の厚さは、40μm〜150μmであ
り、同一樹脂層41及びブレンド樹脂層42は、それぞ
れ20μm〜100μm、好ましくは20μm〜70μ
mである。ブレンド樹脂層42の厚さが上記の範囲外で
あると、シール条件の変化により、シール強度がばらつ
くという不都合がある。これに対し、上記実施例の範囲
にブレンド樹脂層42の厚さを設定した場合には、シー
ル条件がばらついていたり変化しても、一様なシール強
度を得ることができ、好都合である。
【0022】さらに弱シール部14の両幅方向両端部分
には、各薬液収容室15、16側に0.5mm〜5mm延設
された非シール部43、44が形成されている。そし
て、この非シール部43、44が形成されることによっ
て、それとバッグ本体10、10との隙間に薬液の液圧
力Fがかかり易くなっている(図3、図4参照)。上記
バッグ本体10、10の各周縁部11、12、13およ
び弱シール部14の熱シールの温度は130℃〜200
℃である。
【0023】次に、上記本考案の輸液バッグの製造例を
以下に述べる。 A方法:(図5参照) (1)押出し成形による円筒状ポリエチレン樹脂シートS
を一定の長さに切断する。 (2)側面の一部に穴Hをあけ、上記フィルム状テープ4
0を挿入する。
【0024】(3)3方の周縁部11、12、13および
弱シール部14を熱溶着し(但し下部に薬液の充填口を
残す)、周縁部の余分の樹脂をカットする。 (4)舟型口芯20を取付ける。 (5)下部充填口17より薬液を充填し熱シールした後、
上部口部31より薬液を充填しキャップ30を取付ける
(逆も可)。
【0025】(6)必要に応じて滅菌操作を行う。 他の製造例については(図6参照)、 (1)ポリエチレン樹脂シートS上に上記フィルム状テー
プ40を一定の間隔で配置する。 (2)もう一枚のポリエチレン樹脂シートSを(1) のシー
トSの上に被せる。
【0026】(3)3方の周縁部11、12、13および
弱シール部14の熱溶着、並びに周縁カットを行う。
(4)〜(6) 上記A方法に準じる。上記何れの方法の場合
も、テープ40は、同一樹脂層41を構成する一方のポ
リエチレン樹脂およびブレンド樹脂層42を構成する他
方のポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂のブレンド
樹脂とを、共押出し成形方法等の公知の二層形成のため
の方法によって製造される。
【0027】以上説明したように実施例における輸液
バッグ1によれば、バッグ本体10、10間に挟まれて
剥離可能に熱シールされた弱シール部14が、ポリオレ
フィン系樹脂からなるバッグ本体10、10(多層体の
場合は最内層のポリオレフィン系樹脂)と同じ樹脂から
なる同一樹脂層41と、上記バッグ本体10、10と同
種のポリオレフィン系樹脂にそれと実質的に相互溶着し
ない別のポリオレフィン系樹脂をブレンドしたブレンド
樹脂層42とからなるテープ40を熱シールすることに
よって構成されているから、バッグ本体10、10に対
しては、テープ40のうちのブレンド樹脂層42が同一
樹脂層41に比べてより剥離が容易な弱シールとなり、
バッグ本体10、10からの剥離側となる。他方、弱シ
ール部14以外となる周縁部11、12、13の熱シー
ルがポリエチレン樹脂の単体樹脂どうしの溶着によるも
のゆえ、充分な強度があり、弱シール部14より先に周
縁部11、12、13でバッグ本体10、10どうしが
剥離するおそれはない。またブレンド樹脂層42を採用
していることから、弱シール部14を剥離する際に、破
片等の異物が発生するおそれもない。しかも上記弱シー
ル部14には、その幅方向両端部分に、熱シールされた
部分よりも各薬液収容室15、16側へ延設された非シ
ール部43、44が形成されているので、この非シール
部43、44とバッグ本体10、10との間に薬液の液
圧がかかり易くなっている結果、これを利用して弱シー
ル部14をバッグ本体10、10から剥離させ易くな
る。更に、製袋するとき、弱シール部14のシール位置
がいずれかの薬液収容室15、16側が多少ずれても、
非シール部43、44があるため、シール不良や剥離不
良が発生しないという利点がある。
【0028】従って本実施例によれば、輸液バッグ1の
一方の薬液収容室15(16)に軽い押圧荷重(本実施
例では20〜50kg)を加えることにより、バッグ本体
10、10の破損を招来することなく、弱シール部14
を容易に剥離することができるという特有の効果があ
り、異種の薬液を混和させる際の弱シール部14の剥離
を確実に行うことができ、医療用としても安全で使いや
すい輸液バッグ1を提供することが可能になる。
【0029】しかも本実施例によれば、バッグ本体1
0、10の周縁部11、12、13の熱シールと弱シー
ル部14の熱シールを同一温度で溶着することができ、
温度設定の煩わしさがない。また熱シールを同一温度で
溶着できることから、温度設定ミスによる不良品の発生
がない。従って製品の製造が容易になり、産業上の利用
性が高くなるという顕著な効果も奏する。
【0030】さらに本実施例においては、上記バッグ本
体10、10のポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン
樹脂の単層体であり、上記ブレンド樹脂層42のバッグ
本体10、10と同種のポリオレフィン系樹脂が、密度
が0.92〜0.96のポリエチレン樹脂であり、上記
ブレンド樹脂層42の別のポリオレフィン系樹脂が、0
〜5モル/モル%のエチレンを含有するポリプロピレン
樹脂であり、上記ブレンド樹脂層42のポリエチレン樹
脂とポリプロピレン樹脂のブレンド比が、75:25〜
40:60(重量比)であるので、シール条件が多少ば
らついたり変化しても、製品のシール強度を所望の強さ
に維持することができると共に、剥離時に剥離面が白化
したり、不溶性微粒子の発生の原因となるヒゲが生じた
りするのを防止することができる。従って製品の品質管
理が容易になり、しかも不溶性微粒子による薬液の汚染
や悪影響を防止することができるという顕著な効果を奏
する。加えて剥離面の白化を防止することが可能なの
で、輸液バッグ1の美観を損ねるおそれもない。
【0031】さらに本実施例においては、テープ40の
厚みが40μm〜150μmになるように、上記同一樹
脂層41とブレンド樹脂層42の厚みをそれぞれ20μ
m〜100μmに設定しているので、シール条件が多少
ばらついたり変化しても、製品のシール強度を所望の強
さに維持することができる。従って、製品の品質のばら
つきを防止することができるという利点がある。
【0032】
【考案の効果】上記本考案の輸液バッグによると、輸液
バッグの一方の薬液収容室に軽い押圧荷重を加えること
により、バッグ本体の破損を招来することなく、弱シー
ル部を容易に剥離することができるという特有の効果が
あり、異種の薬液を混和させる際の弱シール部の剥離を
確実に行うことができ、医療用としても安全で使いやす
い輸液バッグを提供することが可能になる。
【0033】しかも本考案によれば、バッグ本体の周縁
部の熱シールと弱シール部の熱シールを同一温度で溶着
することができ、温度設定の煩わしさがない。また熱シ
ールを同一温度で溶着できることから、温度設定ミスに
よる不良品の発生がない。従って製品の製造が容易にな
り、産業上の利用性が高くなるという顕著な効果も奏す
る。
【0034】さらに請求項2記載の考案によれば、弱シ
ール部を剥離した際に、ヒゲの発生による不溶性微粒子
が発生するおそれがないので、製品の品質管理が容易に
なり、しかも不溶性微粒子による薬液の汚染や悪影響を
防止することができるという特有の効果を奏する。加え
て剥離面の白化を防止することが可能なので、輸液バッ
グの美観を損ねるおそれもないという利点がある。
【0035】さらに請求項3記載の考案によれば、弱シ
ール部のシール条件が多少変動しても、一様なシール強
度を得ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本考案の輸液バッグを示す正面図である。
【0037】
【図2】上記輸液バッグの概要断面図である。
【0038】
【図3】弱シール部の拡大断面図である。
【0039】
【図4】弱シール部の拡大断面図である。
【0040】
【図5】上記輸液バッグの製造例を示す行程図であり、
(1) 原材料となる樹脂シートの斜視図であり、(2) は
(1) の加工物にテープを装着している状態を示す斜視図
であり、(3) は(2) の加工物をバッグ状に加工した状態
を示す正面図であり、(4)は(3) の加工物に舟型口芯を
取り付けた状態を示す正面図であり、(5) は(4) の加工
物に薬液を封入した状態を示す正面図である。
【0041】
【図6】上記輸液バッグの別の製造例を示す程図であ
り、(1) はバッグ本体の一方の原材料となる樹脂シート
の斜視図であり、(2) は(1) の加工物にバッグ本体の他
方の原材料となる樹脂シートを覆った状態を示す斜視図
であり、(3) は(2) の加工物をバッグ状に加工した状態
を示す斜視図である。
【0042】
【符号の説明】
1 輸液バッグ 10 バッグ本体 11 左側周縁部 12 右側周縁部 13 下側周縁部 14 弱シール部 15 薬液収容室 16 薬液収容室 40 テープ 41 同一樹脂層 42 ブレンド樹脂層 43 非シール部 44 非シール部

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】周縁部が熱シールされたポリオレフィン系
    樹脂のバッグ本体を含み、このバッグ本体内に形成され
    て異種の薬液をそれぞれ収容する薬液収容室を、当該バ
    ッグ本体の内壁とその間に挟まれて剥離可能に熱シール
    された弱シール部によって区画している輸液バッグにお
    いて、 上記弱シール部は、バッグ本体(多層体の場合は最内層
    のポリオレフィン系樹脂)と同じ樹脂からなる同一樹脂
    層と、バッグ本体と同種のポリオレフィン系樹脂にそれ
    とは実質的に相互溶着しない別のポリオレフィン系樹脂
    をブレンドしたブレンド樹脂層とからなるテープを熱シ
    ールすることにより形成され、この弱シール部には、そ
    の幅方向両端部分に、熱シールされた部分よりも各薬液
    収容室側へ延設された非シール部が形成されていること
    を特徴とする輸液バッグ。
  2. 【請求項2】上記バッグ本体は、ポリエチレン樹脂の単
    層体あるいは最内層がポリエチレン樹脂の多層体であ
    り、二層からなるテープの一方の層を形成するブレンド樹脂
    層において、該層にブレンドされる バッグ本体と同種の
    ポリオレフィン系樹脂は、密度が0.92〜0.96の
    ポリエチレン樹脂であり、 上記ブレンド樹脂層にブレンドされる別のポリオレフィ
    ン系樹脂は、0〜5モル/モル%のエチレンを含有する
    ポリプロピレン樹脂であり、 上記ブレンド樹脂層のポリエチレン樹脂とポリプロピレ
    ン樹脂のブレンド比は、75:25〜40:60(重量
    比)である請求項1記載の輸液バッグ。
  3. 【請求項3】上記テープ全体の厚みが40〜150μm
    となるように、同一樹脂層とブレンド樹脂層の厚みが、
    それぞれ20〜100μmの間に設定されている請求項
    1項記載の輸液バッグ。
JP9487091U 1990-11-20 1991-11-19 輸液バッグ Expired - Lifetime JPH085708Y2 (ja)

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