JPH0856537A - 魚釣用両軸受型リ−ル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リ−ルの重心とハンドル位置を握持した手の
位置に近くして安定した巻取操作が得られ、スプ−ル軸
端圧接の調整つまみの回動操作が容易で、キャスティン
グ性能の向上が図れること。 【構成】 リ−ル本体Ａの左側枠１の外側には支持板
１″とリ−ル側板２が取り付けられ、右側枠１′の外側
にはリ−ル側板３が取り付けられている。左右両側枠
１、１′間にスプ−ル11がスプ−ル軸４に固定配置され
ている。スプ−ル11はハンドル17で回転されるように構
成されている。ハンドル軸６はスプ−ル軸４より釣糸繰
出し方向とは反対側の後方に配置されている。左右両側
枠１、１′間のスプ−ル11より釣糸繰出し方向側の前方
にレベルワインド装置Ｂが配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、スプ−ル軸より釣糸
繰出し方向とは反対側の後方におけるリ−ル本体の側板
にハンドルを回転可能に装着した魚釣用両軸受型リ−ル
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来魚釣用両軸受型リ−ルは例えば実公
昭57−22541 号公報のように、リ−ル本体の側板間に回
転自在に支持したスプ−ルを、該スプ−ルの前方側（釣
糸繰り出し側）の側板に支持したハンドルで巻取り回転
するように構成されていた。しかしながら、スプ−ル軸
より前方の側板に巻取用のハンドルが装着されているの
で、実用上以下の課題が残されている。 一方の手でリ−ルを握持しながら他方の手でハンドル
を巻取操作する際に、釣人の体からハンドル位置が遠く
なって、脇が開き、そのため、安定した巻取操作がし難
い。 ハンドルの後方に、スプ−ル軸端圧接の調整つまみが
配置されているので、リ−ルを手で保持しながら指先で
容易につまみの回動操作ができない。 キャスティング時、スプ−ルをサミング可能状態でリ
−ルを保持して行うと、ハンドルと駆動歯車がスプ−ル
軸より前方に配置されているので、重心がリ−ルを保持
した手の位置より前側にあって重く感じて強く握持する
ことになり、握持し難くいと共に、釣竿とリ−ルが振り
難くなる欠点があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、スプ−ル軸より前方の側板に巻取用のハンドルが
装着されていることから、安定した巻取操作がし難く、
スプ−ル軸端圧接の調整つまみの回動操作が指先で容易
にできないことと、重心とハンドル位置がリ−ルを保持
した手の位置より前側にあって重く感じて振り難くいこ
とである。

【０００４】本発明の目的は前記欠点に鑑み、リ−ルの
重心とハンドル位置を握持した手の位置に近くして安定
した巻取操作が得られ、スプ−ル軸端圧接の調整つまみ
の回動操作が容易で、キャスティング性能の向上が図れ
る魚釣用両軸受型リ−ルを提供することである。

【０００５】

【問題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、請求項１に係わる発明は、リ−ル本体の
側板間に回転自在に支持したスプ−ルを側板に装着した
ハンドルで巻取回転する魚釣用両軸受型リ−ルにおい
て、前記スプ−ルを支持するスプ−ル軸より釣糸繰出し
方向とは反対側の後方における前記リ−ル本体の側板に
前記ハンドルを回転可能に装着したことを要旨とするも
のである。請求項２に係わる発明は、前記スプ−ルより
釣糸繰出し方向側の前方における前記リ−ル本体の側板
間に前記スプ−ルに釣糸を平行に巻回するレベルワイン
ド装置を配置したことを要旨とするものである。

【０００６】

【作用】請求項１に係る魚釣用両軸受型リ−ルによれ
ば、ハンドル17が釣人の身体に近づくので、ハンドル操
作を行う時、脇が閉まって巻取操作をスム−スに安定し
て行えると共に、リ−ルの搖れが少なくなる。又、スプ
−ル軸４の軸端圧接の調整つまみ25の調整操作もハンド
ル17の前方側に位置するので容易に行える。スプ−ル軸
４より後方のリ−ル側板３に巻取用のハンドル17が装着
されているので、リ−ルを握持した手の位置にリ−ルの
重心とハンドル17の装着位置が近くなり、キャスティン
グ時、スプ−ル11をサミング可能状態でリ−ルを保持し
て行っても、リ−ルが握持し易く、釣竿とリ−ルが振り
易くなる。請求項２に係る魚釣用両軸受型リ−ルによれ
ば、スプ−ル軸４の前方側にレベルワインド装置Ｂを、
後方側にハンドル軸６を夫々振り分け配置したので、駆
動部をバランス良くリ−ル本体Ａに装着できてリ−ル全
体のバランスが良くる。又、トラバ−スカム軸21、ハン
ドル軸６、スプ−ル軸４が密集しないので、製造組立、
分解及びアフタ−性が良好となる。

【０００７】

【実施例】以下、図示の実施例によって本発明を説明す
ると、図１から図６は右ハンドルのリ−ルに係わる第１
実施例で、図１は魚釣用両軸受型リ−ルの要部断面平面
図と一部拡大断面平面図、図２は魚釣用両軸受型リ−ル
の右側面図、図３は魚釣用両軸受型リ−ルの要部拡大断
面平面図、図４は魚釣用両軸受型リ−ルの右リ−ル側板
内の要部断面側面図、図５はクラッチオン状態の図４の
拡大要部断面側面図、図６はクラッチオフ状態の図４の
拡大要部断面側面図である。

【０００８】魚釣用両軸受型リ−ルは図１で、リ−ル本
体Ａの左右両側枠１、１′が支持板1aとリ−ル脚10の固
定板1bで平行に一体に保持されている。左側枠１の外側
には支持板１″とリ−ル側板２が取り付けられている。
右側枠１′の外側にはリ−ル側板３が取り付けられてい
る。左右両側枠１、１′間にスプ−ル11がスプ−ル軸４
に固定配置され、スプ−ル軸４は一方の軸受12、13と他
方の軸受14、15で回転自在に軸承されてクラッチ機能と
スプ−ル軸４に嵌合されたピニオン５とハンドル軸６に
摩擦結合された駆動歯車16とハンドル軸６に取り付けら
れたハンドル17を介して回転されるように構成されてい
る。ハンドル軸６はスプ−ル軸４より釣糸繰出し方向と
は反対側の後方に配置されている。

【０００９】リ−ル側板２と支持板１″の内側に夫々軸
筒部2a、1cが突出形成されている。軸筒部2aの内側の凹
部には前記軸受12が嵌合されて取り付けられ、軸筒部2a
の内側底面にスラスト軸受18が固定されてスプ−ル軸４
の一端4aが当接されている。軸筒部1cの内側の凹部には
前記軸受13が取り付けられている。支持板１″からリ−
ル側板２側に突出されたスプ−ル軸４の一端4a外周には
歯車19が回り止め嵌合されてＥリング20で抜け止めされ
ている。左右両側枠１、１′間のスプ−ル11より釣糸繰
出し方向側の前方にレベルワインド装置Ｂが配置され、
レベルワインド装置Ｂのトラバ−スカム軸21の一端に歯
車22が取り付けられている。歯車19と歯車22の間には支
持板１″に植設された軸23に軸承された歯車24が噛合さ
れている。

【００１０】図１、図３の右側枠１′の左内側に軸筒部
1dが突出形成され、軸筒部1dの内側に透孔1eと凹部1fが
形成されている。凹部1fには前記軸受14が嵌合されて取
り付けられている。リ−ル側板３には透孔3aと凹部3bが
形成されている。凹部3bには前記軸受15が嵌合されて取
り付けられ、軸受15にはスプ−ル軸４の細径の他端4bが
軸承されている。リ−ル側板３の透孔3aの右外側には軸
筒部3cが突出形成されて外周に雄螺子が形成されてい
る。雄螺子にはスプ−ル軸端圧接の調整つまみ25が螺合
され、調整つまみ25の内側底面にスラスト軸受26が固定
されてスプ−ル軸４の細径の他端4bが当接されている。

【００１１】右側枠１′の右外側には凹部1gが形成され
て軸受27が嵌合され、前記ハンドル軸６の一端6aが回転
自在に嵌合されて抜け止め板28で抜け止めされている。
リ−ル側板３に透孔3dと凹部3eが形成されている。凹部
3eには軸受29が嵌合されて取り付けられている。軸受29
でハンドル軸６が、ハンドル軸６の軸線方向に移動自在
に回り止め嵌合されたカラ−30を介して軸承されてい
る。

【００１２】右側枠１′とリ−ル側板３間のスプ−ル軸
４の細径部4cにはピニオン５が軸線方向に移動自在に嵌
合され、スプ−ル軸４の係合部4dとピニオン５の係合部
5aとクラッチ操作体７とでクラッチ機構が構成されてい
る。ピニオン５にはハンドル軸６に回転自在に嵌合され
た駆動歯車16が噛合されている。駆動歯車16の左側のハ
ンドル軸６には一端6aと鍔部6bが形成されて鍔部6bに逆
転防止の爪車31と摩擦板32が重ねて嵌合され、爪車31は
ハンドル軸６に回り止め嵌合されている。

【００１３】駆動歯車16には中心に丸孔と凹部からなる
収容部が形成されてドラグ機構の制動板33と摩擦板34と
制動板35と摩擦板34と制動板33と摩擦板34と制動板35が
順次挿入収容されている。更に収容部の内周には軸方向
に一対の突起が形成されて制動板33はハンドル軸６の外
周に回動自在に嵌合されると共に、一対の突起に回り止
め嵌合されている。制動板35はハンドル軸６の外周に回
り止め嵌合され、駆動歯車16に対して回動自在に嵌合さ
れている。

【００１４】駆動歯車16の開口側の制動板35にはハンド
ル軸６に回り止め嵌合された押圧盤36が当接されてい
る。押圧盤36の右側にはハンドル軸６に回り止め嵌合さ
れた発条37、38が当接されている。発条38の隣には前記
カラ−30が当接されている。カラ−30の隣にはハンドル
軸６に螺合されたナット39が当接されている。ナット39
より外側のハンドル軸６にはハンドル17が回り止め嵌合
されて袋ナット40で抜け止めされている。

【００１５】ナット39はドラグ調整ツマミ41の多角形の
貫通孔に軸方向の前後に移動自在に嵌合されている。ド
ラグ調整ツマミ41とリ−ル側板３の側部との間に金属、
合成樹脂の硬質体や硬質フェルトなどからなる中間部材
42が介在され、ドラグ調整ツマミ41とハンドル17との間
に他のＯリングからなる中間部材43が介在されている。
ハンドル軸６が軸承された軸受29の外側のリ−ル側板３
の側部には凹部3fが形成されて中間部材42が回転自在に
嵌合されている。

【００１６】前記逆転防止の爪車31はハンドル軸６に回
り止め嵌合され、図１、図３、図４から図６のように、
爪車31の外側にはバネ板44、44で挟まれた逆転防止爪45
が軸46で回動自在に軸承され、バネ板44、44は爪車31の
両側面を挟み込み、逆転防止爪45の先端は爪車31の外周
に形成された係止歯に係合自在に臨まされている。逆転
防止爪45の外側には逆転防止爪45の回動を度当りするピ
ン47が設けられている。爪車31には複数個のキックピン
48が植設されている。

【００１７】リ−ル側板３内はギヤボックスに構成され
ると共に、クラッチレバ−49の回動で軸部50と連結板51
を介して前進後退される前記クラッチ操作体７で操作さ
れるクラッチ機構が収容されている。クラッチ機構は、
前記スプ−ル軸４の係合部4dと係合・離脱されるピニオ
ン５の係合部5aと、クラッチ操作体７のクラッチカム7a
と、クラッチ板52と、爪車31の複数個のキックピン48
と、キックレバ−53とで構成されている。

【００１８】クラッチ操作体７は右側枠１′に摺動自在
に設けられてクラッチ操作体７にはクラッチカム7aと横
向き長孔の係合部7bと二股の延長片7c、7dと屈曲係合部
7eと一方の延長片7cに長孔7fと延長片7cの一側に屈曲部
7gが形成されている。長孔7fには右側枠１′に固定され
たピン54が嵌められ、延長片7c上にキックレバ−53が重
ねられてキックレバ−53に穿設された長孔53a にピン54
が嵌められている。キックレバ−53には切欠部53b とバ
ネ掛け部53c が形成されてバネ掛け部53cにバネ55の一
端が係合され、バネ55の他端は右側枠１′に固定された
ピン56に係合されている。延長片7cとキックレバ−53の
他側の右側枠１′に係止ピン57が固定されている。

【００１９】軸部50はリ−ル側板３に回動自在に支持さ
れて軸部50の偏芯係合部50a と連結板51の長孔51a が係
合され、連結板51の係合部51b がクラッチ操作体７の横
向き長孔の係合部7bと係合されている。軸部50と右側枠
１′の間にデットポイントバネ58が設けられている。連
結板51は右側枠１′に固定された軸部59に回動自在に嵌
められている。クラッチ板52は両端が右側枠１′に固定
された支柱60、60に嵌められ、図示しない発条で前記ス
プ−ル軸４の係合部4dとピニオン５の係合部5aが係合さ
れる方向に付勢されている。クラッチ板52にはピニオン
５の溝5bに嵌まる円弧状の凹部52a が形成されている。

【００２０】レベルワインド装置Ｂは、案内筒61と、案
内筒61外周を左右に摺動する釣糸案内体62と、案内筒61
の両端に固定された図示されない軸受で軸承された前記
トラバ−スカム軸21と、トラバ−スカム軸21のトラバ−
ス溝に係合される釣糸案内体62内に収容された係合子63
と、係合子63を押し上げる発条64と、係合子63を抜け止
め保持するキャップ65と、釣糸案内体62が案内筒61と平
行に保持される案内杆66とで構成されている。釣糸案内
体62には硬質釣糸案内環67が固定されて硬質釣糸案内環
67を通した釣糸68がスプ−ル11に巻回される。トラバ−
スカム軸21はスプ−ル軸４の回転に連動して回転され
る。トラバ−スカム軸21はハンドル軸６の回転に連動し
て回転されるように構成してもよい。図４に図示の係合
子63はピン69の押し下げでトラバ−ス溝との係合が解除
されることで釣糸案内体62が図１で左右に手動で移動可
能に構成されている。

【００２１】魚釣用両軸受型リ−ルの第１実施例の動作
は、図１、図３のスプ−ル軸４の係合部4dとピニオン５
の係合部5aが係合されたクラッチオン状態でハンドル17
が図４、図５で時計方向に回転されると、ハンドル軸６
の回転で駆動歯車16を介してピニオン５が回転されてス
プ−ル11に釣糸68が巻き取られる。ハンドル軸６にドラ
グ機構により摩擦結合された駆動歯車16の制動力が調節
される時は、ドラグ調整ツマミ41が回動される。ドラグ
調整ツマミ41が回動されると、ナット39が前進後退さ
れ、カラ−30が押圧されて発条37、38と押圧盤36を介し
て制動板33、35が各摩擦板34を介して駆動歯車16に押圧
されて制動力が調節される。ハンドル17が回転される
と、設定された制動力で駆動歯車16が時計方向に回転さ
れると共に爪車31が時計方向に回転される。爪車31が時
計方向に回転されると、爪車31とバネ板44、44の摩擦で
バネ板44、44と逆転係止爪45は反時計方向に回動されて
逆転係止爪45の先端は爪車31の係止歯から離間され、爪
車31が駆動歯車16と一体に回転される。

【００２２】次にスプ−ル11が釣糸68の繰出しで逆回転
されると、駆動歯車16と爪車31は反時計方向に回転さ
れ、バネ板44、44と逆転係止爪45は時計方向に回動され
て逆転係止爪45の先端は爪車31の係止歯に係止される。
この係止でハンドル軸６は回転が停止されているので、
駆動歯車16は設定された制動力に抗して回動される。

【００２３】次にクラッチレバ−49が図６のように反時
計方向に回動されると、軸部50の偏芯係合部50a で連結
板51が時計方向に回動され、係合部51b でクラッチ操作
体７が左下方向に摺動される。この摺動でクラッチ板52
がクラッチカム7aで上昇されてピニオン５の係合部5aと
スプ−ル軸４の係合部4dの係合が離脱されてクラッチオ
フ状態となり、スプ−ル11はフリ−回転状態となる。前
記のようにクラッチ操作体７が摺動された時、延長片7c
も図６のように左下方向に摺動されるので、係止ピン57
と屈曲部7gで回動が係止されていたキックレバ−53がバ
ネ55で反時計方向に回動され、キックレバ−53の切欠部
53b はキックピン48に当接可能位置に臨まされている。

【００２４】次にハンドル17が釣糸巻取方向に回転され
ると、爪車31と駆動歯車16が図６で時計方向に回転さ
れ、キックピン48がキックレバ−53の切欠部53b に当接
されてキックレバ−53が右方向に押し戻され、キックレ
バ−53の右端がクラッチ操作体７の屈曲係合部7eを押し
上げてクラッチ操作体７が後退され、クラッチカム7aと
クラッチ板52の係合が解除されてピニオン５の係合部5a
とスプ−ル軸４の係合部4dが係合されてクラッチオン状
態となる。クラッチオン状態でハンドル17が時計方向に
回転されると、ピニオン５とスプ−ル軸４が回転されて
スプ−ル11が回転され、レベルワインド装置Ｂの釣糸案
内体62が案内筒61外周を左右に摺動してスプ−ル11に釣
糸68が平行巻きされる。

【００２５】前記のように構成された魚釣用両軸受型リ
−ルが使用される時、 ハンドル17が釣人の身体に近づくので、ハンドル操作
を行う時、脇が閉まって巻取操作をスム−スに安定して
行えると共に、リ−ルの搖れが少なくなる。又、スプ−
ル軸４の軸端圧接の調整つまみ25の調整操作もハンドル
17の前方側に位置するので容易に行える。 スプ−ル軸４より後方のリ−ル側板３に巻取用のハン
ドル17が装着されているので、リ−ルを握持した手の位
置にリ−ルの重心とハンドル17の装着位置が近くなり、
キャスティング時、スプ−ル11をサミング可能状態でリ
−ルを保持して行っても、リ−ルが握持し易く、釣竿と
リ−ルが振り易くなる。 スプ−ル軸４の前方側にレベルワインド装置Ｂを、後
方側にハンドル軸６を夫々振り分け配置したので、駆動
部をバランス良くリ−ル本体Ａに装着できると共に、リ
−ル全体のバランスが良くなる。 又、トラバ−スカム軸21、ハンドル軸６、スプ−ル軸４
が密集しないので、製造組立、分解及びアフタ−性が良
好となる。

【００２６】前記のように魚釣用両軸受型リ−ルが構成
されると、 ハンドル17が釣人の身体に近づくので、ハンドル操作
を行う時、脇が閉まって巻取操作をスム−スに安定して
行えると共に、リ−ルの搖れが少なくなる。又、スプ−
ル軸４の軸端圧接の調整つまみ25の調整操作もハンドル
17の前方側に位置するので容易に行える。 スプ−ル軸４より後方のリ−ル側板３に巻取用のハン
ドル17が装着されているので、リ−ルを握持した手の位
置にリ−ルの重心とハンドル17の装着位置が近くなり、
キャスティング時、スプ−ル11をサミング可能状態でリ
−ルを保持して行っても、リ−ルが握持し易く、釣竿と
リ−ルが振り易くなり、キャスティング性能の向上が図
れる。 スプ−ル軸４の前方側にレベルワインド装置Ｂを、後
方側にハンドル軸６を夫々振り分け配置したので、駆動
部をバランス良くリ−ル本体Ａに装着できると共に、リ
−ル全体のバランスが良くなる。 又、トラバ−スカム軸21、ハンドル軸６、スプ−ル軸４
が密集しないので、製造組立、分解及びアフタ−性が良
好となる。

【００２７】図７から図14は左ハンドルのリ−ルに係わ
る第２実施例で、図７は魚釣用両軸受型リ−ルの要部断
面平面図、図８は魚釣用両軸受型リ−ルの左側面図、図
９は魚釣用両軸受型リ−ルの要部拡大断面平面図、図10
は魚釣用両軸受型リ−ルの左リ−ル側板内の要部断面側
面図、図11はクラッチオン状態の図10の拡大要部断面側
面図、図12は左右両側枠の斜視図、図13は左右両側枠に
クラッチ操作体が組み込まれた斜視図、図14はクラッチ
オフ状態の図10の拡大要部断面側面図である。

【００２８】第２実施例では、リ−ル本体Ａの左側枠
１′の透孔1hにスプ−ル11のスプ−ルカバ−を兼ねたク
ラッチ操作体８の筒部8aが回動自在に嵌合されている。
クラッチ操作体８は筒部8aと円板部8bとスプ−ルカバ−
8cと腕部8dと腕部8dから右側枠１方向に直角に延びたク
ラッチ操作部8eとで形成されている。筒部8a内には凹部
8fが形成されてスプ−ル軸４を軸承する軸受14が取り付
けられている。筒部8aの外周には筒状のカム部材９がピ
ン70で固定されている。ピン70はカム部材９の外周から
外側に突出して左側枠１′に固定された度当りピン71、
72の間に配置されている。

【００２９】カム部材９の端面にはクラッチカム9aが突
出形成され、ピン73が固定されている。カム部材９の外
周にはバネ掛け部9bが形成されて左側枠１′との間にデ
ットポイントバネ58が設けられている。爪車31の外側の
左側枠１′に軸部74が固定されてキックレバ−75が回動
自在に軸承されている。キックレバ−75の先端はキック
ピン48とピン73の間に挿入されている。キックレバ−75
の外側の左側枠１′に度当りピン76が固定されている。
他の構成は前記第１実施例の構成と左右が逆向き以外は
略同一である。

【００３０】魚釣用両軸受型リ−ルの第２実施例の動作
は、図７、図９のスプ−ル軸４の係合部4dとピニオン５
の係合部5aが係合されたクラッチオン状態でハンドル17
が図10、図11で反時計方向に回転されると、ハンドル軸
６の回転で駆動歯車16を介してピニオン５が回転されて
スプ−ル11に釣糸68が巻き取られる。次にスプ−ル11が
釣糸68の繰出しで逆回転されると、駆動歯車16と爪車31
は反時計方向に回転され、バネ板44、44と逆転係止爪45
は時計方向に回動されて逆転係止爪45の先端は爪車31の
係止歯に係止される。この係止でハンドル軸６は回転が
停止されているので、駆動歯車16は設定された制動力に
抗して回動される。

【００３１】次にクラッチ操作部8eが押し下げられる
と、クラッチ操作体８とカム部材９が図14のように回動
される。この回動でクラッチ板52がクラッチカム9aで上
昇されてピニオン５の係合部5aとスプ−ル軸４の係合部
4dの係合が離脱されてクラッチオフ状態となり、スプ−
ル11はフリ−回転状態となる。クラッチ操作体８とカム
部材９が回動されると、ピン73も回動されてキックレバ
−75が反時計方向に押し下げられる。

【００３２】次にハンドル17が釣糸巻取方向に回転され
ると、爪車31と駆動歯車16が図14で反時計方向に回転さ
れ、キックピン48がキックレバ−75に当接されてキック
レバ−75が押し上げられてピン73が押し上げられて反時
計方向に回動される。この回動でクラッチ操作体８とカ
ム部材９とクラッチカム9aが回動され、クラッチカム9a
でクラッチ板52が押し上げられてピニオン５の係合部5a
とスプ−ル軸４の係合部4dが係合されてクラッチオン状
態となる。クラッチオン状態でハンドル17が反時計方向
に回転されると、ピニオン５とスプ−ル軸４が回転され
てスプ−ル11が回転され、レベルワインド装置Ｂの釣糸
案内体62が案内筒61外周を左右に摺動してスプ−ル11に
釣糸68が平行巻きされる。

【００３３】前記説明ではリ−ル本体Ａは左右両側枠
１、１′と支持板1aと固定板1bが一体に形成されたが、
別体に形成して左右両側枠１、１′を平行に保持しても
よい。

【００３４】

【発明の効果】本発明は前述のように構成されたから、 ハンドルが釣人の身体に近づくので、ハンドル操作を
行う時、脇が閉まって巻取操作をスム−スに安定して行
えると共に、リ−ルの搖れが少なくなる。又、スプ−ル
軸の軸端圧接の調整つまみの調整操作もハンドルの前方
側に位置するので容易に行える。 スプ−ル軸より後方のリ−ル側板に巻取用のハンドル
が装着されているので、リ−ルを握持した手の位置にリ
−ルの重心とハンドルの装着位置が近くなり、キャステ
ィング時、スプ−ル11をサミング可能状態でリ−ルを保
持して行っても、リ−ルが握持し易く、釣竿とリ−ルが
振り易くなり、キャスティング性能の向上が図れる。 スプ−ル軸の前方側にレベルワインド装置を、後方側
にハンドル軸を夫々振り分け配置したので、駆動部をバ
ランス良くリ−ル本体に装着できると共に、リ−ル全体
のバランスが良くなる。 又、トラバ−スカム軸、ハンドル軸、スプ−ル軸が密集
しないので、製造組立、分解及びアフタ−性が良好とな
る等優れた効果を奏する魚釣用両軸受型リ−ルを提供す
ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】右ハンドルのリ−ルに係わる第１実施例で、魚
釣用両軸受型リ−ルの要部断面平面図と一部拡大断面平
面図である。

【図２】同魚釣用両軸受型リ−ルの右側面図である。

【図３】同魚釣用両軸受型リ−ルの要部拡大断面平面図
である。

【図４】同魚釣用両軸受型リ−ルの右リ−ル側板内の要
部断面側面図である。

【図５】同クラッチオン状態の図４の拡大要部断面側面
図である。

【図６】同クラッチオフ状態の図４の拡大要部断面側面
図である。

【図７】左ハンドルのリ−ルに係わる第２実施例で、魚
釣用両軸受型リ−ルの要部断面平面図である。

【図８】同魚釣用両軸受型リ−ルの左側面図である。

【図９】同魚釣用両軸受型リ−ルの要部拡大断面平面図
である。

【図10】同魚釣用両軸受型リ−ルの左リ−ル側板内の要
部断面側面図である。

【図11】同クラッチオン状態の図10の拡大要部断面側面
図である。

【図12】同左右両側枠の斜視図である。

【図13】同左右両側枠にクラッチ操作体が組み込まれた
斜視図である。

【図14】同クラッチオフ状態の図10の拡大要部断面側面
図である。

【符号の説明】

Ａ リ−ル本体 Ｂ レベルワインド装置 ２、３ リ−ル側板 ４ スプ−ル軸 11 スプ−ル 17 ハンドル 67 釣糸

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リ−ル本体の側板間に回転自在に支持し
   たスプ−ルを側板に装着したハンドルで巻取回転する魚
   釣用両軸受型リ−ルにおいて、前記スプ−ルを支持する
   スプ−ル軸より釣糸繰出し方向とは反対側の後方におけ
   る前記リ−ル本体の側板に前記ハンドルを回転可能に装
   着したことを特徴とする魚釣用両軸受型リ−ル。
2. 【請求項２】 前記スプ−ルより釣糸繰出し方向側の前
   方における前記リ−ル本体の側板間に前記スプ−ルに釣
   糸を平行に巻回するレベルワインド装置を配置したこと
   を特徴とする請求項１記載の魚釣用両軸受型リ−ル。