JPH036215Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はレベルワインダー装置の案内筒の回
動を強制的に復帰させる魚釣用両軸受型リールの
レベルワインダー装置に関する。

従来魚釣用両軸受型リールで釣糸が繰り出され
るとき、スプールに平行巻きされた釣糸はレベル
ワインダーの釣糸ガイド部材の案内孔を通るの
で、釣糸ガイド部材が中央にある時にはスプール
の両端から繰り出される釣糸は案内孔との間で大
きな摩擦抵抗を受け、釣糸ガイド部材が他の位置
にあつても同様に釣糸は案内孔との間で摩擦抵抗
を受けて繰り出される。

従つて上記摩擦抵抗のためにキヤステイングの
折は距離が伸びず、釣糸表面が摩擦抵抗で荒れて
切断の原因になる等の欠点があり、釣糸ガイド部
材の一対の案内杆を釣糸繰り出し時特公昭40−
21220号公報のように摺動部材を手で倒すことで
左右に分離する提案があるが、釣糸を巻き取る時
には摺動部材を螺軸と爪との摩擦によつて自動的
に起こして起立状態に復帰させているので動作が
不確実で敏速に復帰出来ない欠点がある。

本考案の目的は、上記欠点に鑑み、ハンドル操
作でクラツチがオンされるとその操作に連動して
クラツチプレートを往動するクラツチ作動バネに
よる復帰力で案内筒と摺動子を強制的に回動して
敏速に起立状態の復帰されるよう構成した魚釣用
両軸受型リールのレベルワインダー装置を提案す
ることにある。

以下、図示の実施例によつて本考案を説明する
と、第１図、第２図で魚釣用両軸受型リールは左
右のリール内側板１，２が複数本の支柱で平行に
保持されてリール内側板１の外側にはリール側板
１０が、リール内側板２の外側には側枠３がリー
ル側板１１が組み合わされて夫々取り付けられ、
第２図のように左右のリール内側板１，２間の前
側にはレベルワインダー装置の案内筒４とトラバ
ースカム軸１２と２本の案内杆１３，１４が横架
され、第３図のようにリール内側板１，２間に配
置されたスプール１５のスプール軸１６はリール
側板１０，１１に保持された軸受で軸承されると
共にスプール軸１６に嵌合されたピニオン１７は
第３図で紙面垂直方向の上下に摺動するクラツチ
機構と駆動歯車１８を介してハンドル１９で回転
されるように構成されている。

上記レベルワインダー装置は案内筒４の両端が
リール内側板１，２に回動自在に支承されて一端
に作動カム部材５が固定され、作動カム部材５の
中心にトラバースカム軸１２の一側が軸承される
と共にトラバースカム軸１２の一端に歯車２０が
固定されて駆動歯車１８に噛合されている。

作動カム部材５の外側には第２図から第４図の
ように回動板５ａが形成されると共に連結板６の
一端が回動自在にピン５ｂで支承されている。

案内筒４の外周には第１図、第４図、第５図の
ように摺動子７が左右に摺動自在に嵌合されてト
ラバースカム軸１２で移動され、２本の案内杆１
３，１４には一対の釣糸案内腕８，８が左右に摺
動自在に嵌合されて案内杆１３，１４は夫々軸承
カツプ２１でリール内側板１，２に保持され、一
対の釣糸案内腕８，８間には発条２２が内装され
て左右に開くように構成され、夫々釣糸案内腕８
の小孔に嵌合されて発条２３で下方に付勢された
ピン２４の下端が摺動子７の係合凹部７ａ内に嵌
挿係合されるように構成され、係合凹部７ａの後
側両側には切欠部７ｂ，７ｂが形成されている。

上記クラツチ機構は第３図のように上記ピニオ
ン１７を軸線方向に摺動してクラツチ機構が離脱
されるクラツチ板２５と、クラツチ板が摺動自在
に支持された側枠３に固定された支柱２６と、ク
ラツチ板が上記クラツチ機構の係合方向に付勢さ
れる発条２７と、上記クラツチ板２５がクラツチ
機構の離脱方向に作動される作動片を有し側枠３
に固定された支柱２８に摺動自在に保持されたク
ラツチプレート９と、クラツチプレートに設けら
れた二股の作動片９ａ，９ｂと、一方の作動片９
ａの延長に形成された延長片９ｃと、延長片に摺
動自在に重合されて駆動歯車１８に添設されてハ
ンドル１９で回転される爪車２９のキツクピン３
０と係合される解除片３１と、クラツチプレート
９がクラツチ係合位置と離脱位置に保持されるデ
ツドポイントバネで構成されたクラツチ作動バネ
３２とで構成されてクラツチプレート９は両リー
ル内側板１，２間に上下に摺動自在に保持された
操作レバー３３で操作され、作動片９ｂの延長端
に上記連結板６の他端が長孔６ａとピン３４とで
回動と幾分前後動自在に重合されている。

上記のように魚釣用両軸受型リールのレベルワ
インダー装置が構成されてスプール１５に捲回さ
れた釣糸が繰り出される時は、第５図のように操
作レバー３３の押し下げで第６図のようにクラツ
チプレート９がクラツチ作動バネ３２に抗して押
し込まれ、この操作でクラツチ板２５が発条２７
に抗して持ち上げられ、ピニオン１７がスプール
軸１６上を軸線方向に摺動されてクラツチ機構が
離脱されると共に作動片９ｂの延長端が前方に移
動されるので連結板６で回動板５ａが回動されて
作動カム部材５と案内筒４が時計方向に回動さ
れ、摺動子７が第５図のように前倒されて摺動子
７の前倒で釣糸案内腕８，８のピン２４が係合凹
部７ａから離脱され、発条２２で釣糸案内腕８，
８は第４図のように左右に分離して摺動される。

次にハンドル１９の回転でスプール１５に釣糸
を巻き上げると、ハンドル１９の回転で駆動歯車
１８、爪車２９が回転されて複数個のキツクピン
３０の一つが解除片３１を蹴り上げてクラツチプ
レート９を押し上げてクラツチ作動バネ３２で後
退させ、クラツチプレートの後退でクラツチ板２
５が発条２７で押し下げられてクラツチ機構が係
合状態となり、スプール軸１６、スプール１５が
駆動歯車１８、ピニオン１７を介して正回転され
て釣糸がスプールに巻き取られる。

同時にクラツチプレート９を往するクラツチ作
動バネ３２の復帰力で連結板６が後退されて回動
板５ａは第４図で反時計方向に回動させて案内筒
４と摺動子７が起立状態に強制的に回動され、駆
動歯車１８と歯車２０の回転でトラバースカム軸
１２を介して摺動子７が左右に摺動して釣糸案内
腕８，８のピン２４を交互に係合凹部７ａ内に自
動的に収容して以後は釣糸案内腕８，８が閉じた
状態で案内筒４外周を左右に摺動されて釣糸がス
プール１５に平行巻きされる。

レベルワインダー装置が上述のように構成され
ると、クラツチオフ操作で回動板５ａが回動され
るこで案内筒４と摺動子７が前倒され、ハンドル
１９の操作で爪車２９のキツクピン３０で解除片
３１を蹴り上げてクラツチプレート９をクラツチ
作動バネ３２で後退させると回動板５ａが反時計
方向に回動されて案内筒４を介して摺動子７を敏
速に起立状態にすることができる。

上記説明では連結板６の作動片９ｂ側に長孔を
穿設したが、回動板５ａ側を長孔としてもよい。

又、回動板５ａは円板で図示したがレバー状で
あつてもよい。

更に連結板６と回動板５ａを一体に形成して作
動カム部材５に固定してもよい。

本考案は上述のように構成されたから、簡単な
構成でハンドル操作でクラツチがオンされるとク
ラツチプレートを往動するクラツチ作動バネの復
帰力で回動板が回動されて案内筒と摺動子が確実
敏速に起立状態に回動され、部品点数が少なく確
実な動作が得られる等実用上優れた効果を奏する
魚釣用両軸受型リールのレベルワインダー装置が
提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例が示され、第１図は魚
釣用両軸受型リールの正面図、第２図は同要部断
面平面図、第３図はクラツチ機構のオン状態を示
す第２図−線断面側面図、第４図はレベルワ
インダー装置の要部分解斜視図、第５図は第２図
−線断面側面図、第６図はクラツチ機構のオ
フ状態を示す第２図−線断面側面図である。 １，２……リール内側板、４……案内筒、５ａ
……回動板、７……摺動子、８……釣糸案内腕、
９……クラツチプレート、１２……トラバースカ
ム軸、１３，１４……案内杆、３２……クラツチ
作動バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リール内側板間に配置されたスプールの前側に
   スプールのスプール軸と平行にレベルワインダ装
   置を設けると共にクラツチ係合位置と離脱位の
   夫々にクラツチ作動バネにより振分け保持すクラ
   ツチ機構を備えた魚釣用両軸受型リールにいて、
   内部にトラバースカム軸を設けた案内筒外周に左
   右に摺動自在に摺動子を嵌合し、上記内筒と平行
   にリール内側板間に架設した案内杆上記摺動子に
   係合可能な一対の釣糸案内腕を左に摺動自在に嵌
   合し、上記案内筒の一端に固定した回動板を上記
   クラツチ機構のクラツチプレーに連結部材を介し
   て連結したことを特徴とする釣用両軸受型リール
   のレベルワインダー装置。